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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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301.  360 《ネタバレ》 
芸術の都、ウィーン。大金を得るため、高級売春クラブで働くことを決めたブランカ。最初についた客に会いにホテルのバーへと向かうと、そこには妻のいる身でありながら初めて女を買おうとするエリートサラリーマンのマイケルが待っていた。一方、ロンドンで働くマイケルの妻は若い写真家との不倫に苦しんでいた。物語の語り手は、そこからその若い写真家と別れてブラジルへと帰ることを決めた恋人へとバトンタッチし、さらには飛行機で彼女と偶然隣り合わせた遠い過去に失踪した自分の娘を捜す老人、自分のなかに蠢く歪んだ欲望に苦しむ出所したばかりの元性犯罪者、同僚で人妻でもある女性への恋に苦悩する歯科医、ボスから犬のような扱いを受けているチンピラマフィア、と次々と移行していく。それにつれて舞台も、ウィーンから、ロンドン、パリ、ロシア、アメリカの各都市、ブラジルのビーチへとまるで奔流する大河のように世界を駆け巡り、最後は広大な大海原へと還元するかの如くウィーンの売春婦へと360度の円環を閉じてゆく。「シティオブゴット」で鮮烈なデビューを飾ったメイレレス監督が、豪華な俳優陣を起用しこれまでに培ってきた技巧を駆使して描き出した群像劇。と、聞くととても壮大でドラマティックな作品を思い浮かべるけど、今作は意表を突くほど地味な展開が最後まで淡々と続きます。それなのに相変わらずの見事なストーリーテリングで、最後まで観客を飽きさせないところはさすがでした。うまくいかない男と女、親と子、上司と部下、それでも人生は一度きりと幸せになるチャンスを必死に手に入れようとする人々の姿が、観終わったあとも良い余韻となって心に残ります。豪華俳優陣のわりに、あまりにも地味すぎて世間ではいまいち評判にならなかった作品みたいだけど、僕にはなかなかの良品に思えました。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-27 00:14:33)
302.  エンド・オブ・ホワイトハウス 《ネタバレ》 
不慮の事故により大統領夫人を死なせてしまった元シークレットサービス、マイク。それが原因でデスクワークへと左遷されてしまった彼だったが、1年後のある日、ホワイトハウスへと向かう不審な航空機を目撃する。それは祖国統一とアメリカ壊滅を目論む北朝鮮系テロリストの凶悪な計画の始まりに過ぎなかった。アメリカ中枢が瞬く間に蹂躙され占領されていくなか、旧友でもある大統領を救うため、マイクはたった一人で壊滅寸前のホワイトハウスへと乗り込んでゆく。いかにもアントワン・フークワらしい重厚で男臭いアクション・エンタメ作品。まあ、ストーリー展開がもろ「ダイ・ハード(ホワイトハウス・バージョン)」ですけど、冒頭からアメリカ本土へと乗り込んできたテロリストたちが次々と一般市民をも巻き込んで容赦なく攻撃してくるという怒涛の展開にはけっこう惹き込まれました。相変わらず男臭~いジェラルド・バトラー、そんなんで大統領務まるんかいなってくらい良いトコのお坊ちゃんのように品の良いアーロン・エッカート、テレビで国民へと演説するともはやワビサビさえ感じられるモーガン・フリーマンとかも、まあベタですけどなかなか良かったです。確かに、冒頭の大統領専用車のフロントガラスにぶつかってきたのはなんやったんや!とか、韓国の警備甘過ぎやし!とか、大統領あんなに喋らん言うてたのにいつの間にケルベロス・コード喋っとんねん!とか、いろいろと突っ込みどころは満載ですけど、フークワ作品って昔から個人的にけっこう嫌いじゃないんでちょっと甘めに7点っす! よーし、次はエメリッヒのさらにお馬鹿な方(勝手な先入観っ笑)を観るぞー。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-26 23:18:40)
303.  アンナ・カレーニナ(2012) 《ネタバレ》 
伝統と外聞をもっとも重んじる、上流階級の華やかな社交界において不倫の恋に苦悩する若く美しい人妻アンナを襲う悲劇――。ロシアの文豪レフ・トルストイのこれまで何度も映画化されてきた超古典的な小説の再映画化、しかも原作は分厚い文庫本で上中下巻にも及ぶ長~いストーリーをどう2時間強という枠のなかに、それも不倫がさしてスキャンダルなものでなくなった現代社会において今回はいったいどんなアプローチで収めてくれたのだろうとワクワクしながら鑑賞してみました。冒頭から、劇場の舞台裏のような映像を随所に差し挟むというまるで劇中劇のような作風に面食らい、ちょっと嫌な予感がしたのですが、いつの間にかそんなに気にならなくなり、そればかりかあの長大な原作をちゃんとスムーズに見せてくれてなかなか効果的な演出となっておりました。おかげで、愛するがゆえの弱さや力強さが複雑に交錯する主人公アンナの人間的な魅力が深く描けていたと思います。何もかも失ってしまうかもしれないのに、それでもヴロンスキーの身体に抱かれたいと願うアンナのモラルや常識を超越した若さゆえの情熱はなかなか見応えありました。うん、若いっていいよねー(笑)。ただ、それに比べてアンナが最後、煩悶の果てに鉄道へと身を投げる心理描写が幾分か弱いような気が…。もう少し長くなってもいいから、そんな彼女の極限の葛藤をもっと丁寧に描いて欲しかったように思います。そこが少し残念ではありましたけど、それでもセンス溢れる美しい映像の数々や、小技の効いた冴えた演出、華のある役者陣の熱演等と、最後まで充分に堪能させてもらいました。うん、なかなかの良品です。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-04 18:29:19)
304.  世界にひとつのプレイブック 《ネタバレ》 
信じていた妻の浮気現場を目撃したショックから暴行事件を引き起こし、なおかつ躁鬱病を発症して精神病院に入院した過去を持つパット。愛していた夫を事故で失くし、癒しきれない喪失感を埋めるために手当たり次第に男と寝て仕事を首になってしまったティファニー。いまだ人生という迷路で彷徨い続けるそんな二人が出会い、そしてお互い人生を変える為に力を合わせてダンス大会出場を目指すことに。登場人物誰もがみんな弱くて心を病んだ人たちばかりなんだけど、でもみんな(人に同情を求めたりせず)必死に生きているところは素直に好感が持てました。裏切られたのに、それでも別れた妻が忘れられないパッドとか、ちょっと気持ち分かるし(笑)。まあ、多少ストーリー展開に強引な部分はあるけど普通に面白かったです。「なんで5点でそんな喜ぶ?」というセリフには笑っちゃいました。それにしてもジェニファー・ローレンス!まだデビューして数年しか経っていないというのに、あの往年の名俳優デニーロを前にして全く臆することなく芯の強い女性を堂々と演じきったその度胸は立派。そんなに可愛くもないし、かといってブサイクでもないのに何故か心に残るのはその天性の演技力のなせる技か。そんな彼女が最後に見せた、ツンデレ女子の切ない女心には久し振りにキュンときちゃいました(笑)。現実を変に美化したりせず、かといって傷を舐め合うような暗い映画ともせず、理不尽な現実社会でもがく人々をエネルギッシュに描いたなかなかの秀作でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2013-12-26 08:02:02)
305.  オズ/はじまりの戦い 《ネタバレ》 
女好きでお調子者の奇術師オズ。ひょんなことから竜巻に巻き込まれ、天空高くへと吹き飛ばされてしまった彼は、自分と同じ名前の不思議の世界へと迷い込んでしまう。しかし、そこは悪い魔女の脅威に怯えながら暮らす人々の王国だった。美しい女性に世界を救う魔法使いへと間違われてしまったオズは、生来の女好きのせいでそんな魔女を倒すため旅に出ることになるのだったが――。すみません、オリジナルのオズの魔法使いのお話はほとんど知りません(辛うじて、喋るかかし?ブリキの人形?のイメージがあるくらい)。でも、さすがサム・ライミ、そんなの抜きにして普通に面白いじゃん、これ。極彩色の美しいファンタジー世界を背景に個性豊かな登場人物たちが繰り広げる、まあベタですけど王道のストーリー展開には最後までワクワクさせられちゃいました。魔女の妹が覚醒して緑の怪物になるところが、もうまんまグリーン・ゴブリン女版なのはご愛嬌(笑)。ちょっぴり残念だったのは、個性豊かな人間キャラたちに比べてCGキャラのほうにあんまり魅力を感じなかったこと。空飛ぶ猿なんて全く可愛くないし(笑)。ファンタジーに関して言えば、やっぱりティム・バートンのほうが遥かに上だね。それでも、軽ーいお調子者だったオズが自分の特性に目覚めて、最後、奇想天外な方法で魔女をやっつけたトコなんか素直に楽しめました。うん、けっこう面白かったっす!
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-30 17:47:51)
306.  ゼロ・ダーク・サーティ 《ネタバレ》 
テロ活動を未然に阻止するため、多忙な毎日を過ごすCIA職員マヤ。日夜、テロリストたちを尋問し時には拷問にもかけ情報を収集していた彼女は、アブ・アフメドという名の謎の連絡員の存在を知る。「もしかしたら〝あの男〟へと繋がる重要なキーとなるかも知れない…」そう直感したマヤはその人物となんとかコンタクトを取ることに成功するも、実は彼の正体は…。今のところ、21世紀最大の歴史的ヒールであるビンラディン追跡に文字通り命を懸けた一人の女性の姿をリアルに描いた人間ドラマ。淡々としながらそれでも胸に熱い情熱を秘めた、ともすればテロリストと変わらない狂気一歩手前の執念でもってビンラディンを何年も掛けて追い続けるマヤの生き様には(賛否は別にして)確かに圧倒されました。この監督の前作の世界をさらに進化させたような、凄まじい臨場感でもって描かれるビンラディン殺害シーンも圧巻です。そして、全てが終わったあと、自分専用の飛行機に乗り込んで運転手に「で、何処に行く?」と訊かれても何も答えられずただ涙を流すことしか出来なかった彼女の虚無感には、ただただ深い哀しみを覚えざるを得ません。これから先も人間の憎しみと暴力の連鎖は永遠に続いていくロクでもない世界なのかもしれないけれど、それでも私たちはここで生きていく、諦念を乗り越えうる微かな希望を内包した秀逸なラストだと僕は思いました。欲を言えば、もう少しビンラディン側からの視点で描かれたシーンがあっても良かったんじゃないか。そしたらもっとストーリーに深みが増して完璧な作品となっていたであろうに。
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-28 23:41:46)
307.  クラウド アトラス 《ネタバレ》 
1849年、太平洋諸島、奴隷商人の青年がひょんなことから一人の迫害された奴隷を助けようとしていた。1936年、ケンブリッジ、同性愛者の青年が高名な老作曲家の指導のもと荘厳な楽曲を書き上げようとしていた。1973年、サンフランシスコ、正義感の強い女性ジャーナリストが原発を巡る醜聞をスクープしようと奮闘していた。2012年、ロンドン、冴えない編集者が借金のせいで悪辣な老人ホームへと監禁されようとしていた。2144年、ネオ・ソウル、クローン人間の少女が自由と愛を求めて立ち上がろうとしていた。崩壊後、106度目の冬、悪魔の幻影に脅かされる男は一人の女性を女神の神殿へと案内しようとしていた。輪廻転生をテーマに、一見、全く関連性のなさそうな6つのお話が同時並行的に描かれる壮大な群像劇。ほとんど予備知識もないままに観始めたのですが、複雑怪奇なそんな世界へと圧倒的な映像美と壮麗な音楽とで観客をぐいぐい引き込む冒頭部分から、「これはもしかしたら凄い映画になるかも!」といやが応にもテンション上がっちゃいました。綿密に考え抜かれて構成されたであろう編集は本当に見事で、3時間という長い作品なのに最後まで退屈させずに一気に見せ切るこの監督たちの手腕は素直に素晴らしいと思います。トム・ハンクスを初めとする実力派の役者陣が織り成す、怪演といってもいいくらいの芸達者ぶりにも楽しませてもらいました。ただね~、ここまで大風呂敷を拡げたお話をどう纏め上げてくれるのだろうとワクワクしながら観ていたら、「え、これで終わり?」というラストを迎えてしまい、ちょっぴり肩透かし感は残念ながら否めなかったですね、これ。最後、クラウド・アトラス六重奏が荘厳に鳴り響き、6つの物語が互いに共鳴しあう、壮大なラストを期待してたんだけどなー。うーん、なんとも竜頭蛇尾。とはいえ、この唯一無二とも言えるスタイリッシュで壮大な世界観には素直に圧倒されました。よって7点!
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-28 08:37:50)
308.  クライム・シティ 《ネタバレ》 
2002年、日韓ワールドカップ開催。正義感の異常に強い警察官が世の中の犯罪者を撲滅しようと日夜、奮闘していた。2006年、ドイツワールドカップ開催。金持ちの会社社長が犯罪者たちに誘拐され、地獄のような体験を強いられていた。2010年、南アワールドカップ開催。犯罪と貧困の悪循環から這い出そうと、一人の若者がボクシングの世界へとのめり込んでいた。メキシコを舞台にそんな三つの全く関係のないようなお話が同時並行的に展開されるクライム・アクション。三つのお話といいながら、実質、これって二つしか描かれてないじゃん!と思っていたら、実は…というこの構成はなかなか見事です。何処までも荒削りで映画としての見せ方で言えばまだまだ拙さの目立つ作品ながら、それでも今まで誰も観たことのないような映画を創ろう!というスタッフたちの情熱をビシバシ感じる意欲作でした。それだけに、黒幕である〝先生〟の正体が容易に想像できるところが残念ではありましたけれど。全編を覆う乾いた空気感、生きるエネルギーに満ち溢れた登場人物たち、疾走感溢れるスピーディーな画面構成。将来性のある、新たな才能の現出を予感させるなかなかの逸品でありました。お薦めです。
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-24 23:37:36)
309.  101日 《ネタバレ》 
世界規模の核戦争危機が徐々に現実味を帯び始めた近未来。テレビでは、素人夫婦を何組か一部屋に閉じ込めてその様子を覗き見趣味的に観察するという低俗な番組が始まっていた。最初こそ低視聴率で出発した番組だったが、絶望的な現実から少しでも逃避しようとする人たちの心を次第に惹きつけてゆく。人類滅亡の危機が究極的に高まってゆく世界を尻目に、そんな閉ざされた部屋の中では相変わらず能天気な夫婦たちのやり取りが繰り広げられていくのだった。こういう作品って普通はその部屋の中の人々をクローズアップするものだけど、これはそれよりもその周りの世界でひたすら混乱へと追い込まれていく人々を対比的に描き出したところがなかなか斬新。それに徹底的に時間軸をばらばらにして、一見テキトーに再構築したように見せながら、実は綿密に考え抜かれて組み上げられているこの編集にもセンスを感じました。全く期待せずに観たせいか、何処の国の誰が創った映画なのか皆目分からない作品だけど、けっこう面白かったっす。めっけもん。
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-15 10:42:41)
310.  少年と自転車 《ネタバレ》 
唯一の肉親である父親といつか一緒に暮らすことだけを希望に児童養護施設で暮らす少年シリル。突然、父親と連絡が取れなくなってしまった彼は、偶然知り合った美容院の女主人サマンサと共に、父親の行方を必死で追い始める。だが、父から貰った大切な自転車を駆って、ようやく巡り合った父親からシリルは過酷な宣告をされてしまうのだった。理不尽な現実に翻弄されるそんな一人の少年の姿を淡々と描いたカンヌ映画祭グランプリ受賞作。うん、確かにこんな酷い目に遭えば誰だって心を閉ざしてしまうよね。親切にしてくれるサマンサにだって、「どうせ、お前もおれのことを可哀相な奴って同情してんだろ!」って反発したくなる気持ちも痛いほど分かるわー。だからこそ、同じ施設で育ったという不良のほうに惹かれていく展開はありがちだけどリアル。追い詰められながらも、それでも盗んだ金を父親へと届けようとするシリルの健気な姿にはちょっぴり泣きそうになっちゃいました。小品ではあるけれど、なかなか良い映画です、これ。いくら反発されようと最後まで彼を見捨てなかったサマンサも素敵だったしね。これから先もシリルの人生にはまだまだ困難が待ち構えているのだろうけど、サマンサと共に幸せになってほしいと祈らずにはいられない。
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-10 17:46:30)
311.  リンカーン弁護士 《ネタバレ》 
刑事事件を専門に扱い、高級車リンカーンをオフィス代わりに超多忙な勝ち組生活を謳歌するエリート弁護士ミック。しかし実体は、犯罪者ばかりを顧客に持ち、金儲けのためならきわどい手法でも躊躇なく使うというダーティーな弁護士だった。ある日、知り合いからの紹介で、ミックはとある金持ちのボンボンが巻き込まれた娼婦暴行事件の弁護を引き受けることに。今回も楽勝で大金が稼げると高をくくっていた彼だったが、裁判が進行していくうちに彼のキャリアを根底から覆すような驚愕の事実が明らかとなってゆく。冒頭こそ、軽佻浮薄な拝金主義者という典型的法匪として観客の前に姿を現すミックだったが、物語の進行とともに、実は彼にもちゃんと弁護士としての譲れない信念があるということが分かってくる。それは「無実の人間は絶対に救うこと」。だからこそ、ミックは弁護士としての職務と人としての正義との狭間で苦悩することになるという展開には見事に惹き込まれました。主人公〝リンカーン弁護士〟の、善人と悪人の両面を併せ持つ一筋縄ではいかない人物造形も見事です。良作。
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-06 23:35:20)(良:2票)
312.  ドリームハウス 《ネタバレ》 
出版社を円満退職し、新たに手に入れた郊外のマイハウスで、かけがえのない家族と共に幸せを満喫しながら執筆活動にいそしむウィル・エイテンテン氏(変な名前!)。しかしそこは過去に、気の狂った父親による一家惨殺事件が起きたいわく付きの物件だった。精神病院を退院した犯人と思しき謎の人物によって、エイテンテン氏のそんな幸せな家庭は音を立てて瓦解してゆく。最初はよくあるドメスティックスリラーなんだろーなと思って観ていたら、中盤、あっと驚くどんでん返しが待ち受けておりました。最近、ほんとにこの手の設定の映画が多いけれど、今回もやっぱり見事に騙されちゃいました。びっくり!冒頭の幸せ家族描写がクドイくらいに延々と続いた訳もそれで納得(あと変な名前のこともね)。それにしても、なんて切なくて哀しいお話なんでしょー。最後、燃え上がる〝ドリームハウス〟のなかに飛び込んで、所詮は〇〇に過ぎない家族なのにそれでも別れを告げざるを得なかったダニエル・クレイグの哀切な表情がいつまでも忘れられない。
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-04 23:08:26)(良:1票)
313.  ディヴァイド 《ネタバレ》 
なんの説明もなされないまま、いきなり冒頭から核戦争(らしき?)カタストロフィが巻き起こり、マンションの地下室へと追い込まれてしまった種々雑多な人々。地上に出るべきか、このままここで救助を待つべきか、各々に葛藤を重ねていたら、突然に現れた防護服姿の男たちによって唯一の扉が溶接されてしまう。「どうせ、低予算で作られた、よくあるB級SFじゃろう」くらいの心持ちで鑑賞してみたら、これが意外や意外、なかなか良く出来た密室劇で良い意味で僕の期待を裏切ってくれました。追い詰められて次第に獣性を剥き出しにする男たち、心の弱さからそんな男に引き摺られる婚約者、子供をさらわれ次第に狂気に捉われる母親、そしてそんな極限状況の中で必死に理性を保とうとする主人公エヴァ。確かに脚本上の瑕疵が目立つ作品ではあるけれど、それを補って余りあるセンス溢れる映像(ビニールで包装された無機質な通路や、銃を手に入れようとする時の変幻自在なカメラワーク、何より自らはなった業火に身を焼かれる狂った男の最期等)と、過剰なまでの暴力描写によって人間心理の深い闇を垣間見たような気がします。お金がかかっていそうなのは冒頭と最後のCG描写だけで、あとはずっと薄汚れた地下室だけで物語が進むという明らかな低予算映画なのだけど、監督の映像センスと役者陣の熱演、そして何より人の心を打つような映画を創ろうという情熱さえあれば、いくらでも面白い映画が創れるという見本のような作品でした。この監督の次回作にも期待したい。
[DVD(字幕)] 7点(2013-10-17 22:37:33)
314.  THE GREY 凍える太陽 《ネタバレ》 
極寒の雪山に飛行機が墜落、生き残った男たちが、襲いくる狼の群れから逃れ決死の脱出を図るお話。以上、終わり。という、超シンプルイズベストな映画でした。場面の98%が雪山と森で、可愛いおねーちゃんどころか女性は一人も出てこず、放送禁止用語を連発し下ネタばっかり話すむさ苦しい髭モジャの中年男ばかりが出演(もう画面から加齢臭が臭い立ちそう笑)という、それだけ聞くととてもつまらない映画のように思えるけれど、やっぱり映画って優れた脚本と演出力さえあればいくらでも面白くなるという見本のような作品でした。極限状況に置かれ、時には反発しあいながらも力を合わせて必死に困難を突破しようとするのだけど、人間は常に弱い生き物で周りの困難ばかりか己の弱さによって身を滅ぼしてゆく男たち。美しい自然がもたらす脅威、人が生きる理由、そして神の不在。エンタメ映画として充分な水準を保ちながら、そんな深淵なテーマをも内包したなかなかの秀作だと僕は思います。
[DVD(字幕)] 7点(2013-10-04 22:40:31)
315.  人生の特等席 《ネタバレ》 
メジャーリーグのスカウトマンとして長年活躍していたのだけど、緑内障を患ってしまい引退の瀬戸際にいる老スカウトマン・ガス。ガスの娘でいまは敏腕弁護士として活躍するミッキー。過去の出来事が原因で今も確執を引き摺るそんな親子が、とある事情により田舎へと選手をスカウトするため旅にでることに。最初は反発していた二人だったが、のどかな田園風景が拡がる田舎で一緒に仕事をするうちにお互いの心のわだかまりが解きほぐされていく。正直、こんなベッタベタなお話は苦手だし、野球にも全く興味がないのだけど、グラントリノでも見せたイーストウッドの頑固ジジイっぷりが良い感じにさまになっていて、最後までけっこう楽しんで観れました。やっぱり格好良いよ、イーストウッド!シブいぜ!!だからこそ、彼の出ていないシーンのところどころに正直「うぅ~ん」てトコはありましたけど(特に都合よく出てくるダイヤの原石ピッチャー笑)、イーストウッドのシブさに免じて+1点。
[DVD(字幕)] 7点(2013-09-28 18:57:13)
316.  フランケンウィニー(2012) 《ネタバレ》 
「フランケン・ウィニー」この同じ名前を冠した映画を、20年以上の月日を隔てて再び鑑賞出来たことに思わず感傷的になってしまった。まだ無名だったころのティム・バートンが撮った、白黒実写映画である前作を知ったのは、映画館での「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」鑑賞時に同時上映されていたのをなんとなく観たから。その、社会の多数派と上手く馴染むことが出来ないマイノリティの視点から描かれる、暗くグロテスクでありながらどこかにピュアな切なさを感じさせる独特の世界観は、まだ十代だったころの僕の感性を見事に揺さぶってくれました(僕も社会と上手く馴染めず登校拒否児だったもので)。そして、今ではすっかりメジャーになった彼が、最大限の愛着を持ってクレイアニメとして自らリメイクした今作もやっぱり楽しい。普段は猫派な僕でも、スパーキーの可愛さにはキュンときました。でも、期待が高かったせいか、ほんのちょっと不満もあります。それは、スパーキーがいまいち活躍してなかったこと。もっとあの亀のモンスターとかシーモンキーとかを、コミカルに颯爽と倒していくスパーキーの雄姿を見たかったなー。それでも、相変わらずの唯一無比のグロメルヘンな世界観は充分楽しめました。スパーキー、ほんと可愛かったしね。それに、部屋に引きこもって独りぼっちで映画ばかり観ていたあのころの自分のことを思い出して、ちょっぴり泣きそうになっちゃいました。久し振りに、オリジナルの実写版のほうも観てみようかなー。
[DVD(字幕)] 7点(2013-09-21 23:24:54)
317.  ファミリー・ツリー 《ネタバレ》 
事故で昏睡状態となった妻が余命幾ばくもないと知った夫に、さらに追い討ちをかけるような事実が知らされる。妻が浮気をしていて自分と別れてその男と結婚するつもりでいたらしい。夫は、娘たちを連れてその浮気相手に会いに、死にかけで昏睡状態の妻をほっぽり出してハワイ島を奔走する…。という「おいおい」って設定の映画なのだけど、ハワイの美しい情景と夫役のジョージ・クルーニーのダンディで大人な演技のおかげで、不思議と最後までほのぼの観れるロード・ムービーの佳品に仕上がっておりました。この「トホホ」な家族の雰囲気、僕は結構嫌いじゃないです。でも、これを大阪の岸和田あたりを舞台に岸部シロー主演とかでリメイクしたらとんでもなく鬱な映画になるんだろうな(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2013-05-30 14:58:12)
318.  シャッター アイランド 《ネタバレ》 
愛する妻を失い、いまだその傷心を引き摺るディカプリオ演じる連邦捜査官テディ。そんな彼が、謎の殺人事件を捜査するために乗り込んだ孤島の収容所で嵌り込む夢幻の世界。って、同時期に公開された「インセプション」と色々と思いっ切りかぶってるんですけどー。でもそこはやはりスコセッシ、冒頭のあの仰々しいオープニングに、ディカプリオが迷い込む悲壮感漂う孤独な男の狂気の世界、そしてそこで出会う亡き妻の妖艶な美しさ…。こちらはこちらで、やっぱりゾクゾクするくらい怪しい魅力に満ち溢れておりました。これはもしかして傑作の予感……?と、思っていたら後半の見事なまでの失速ぶりはびっくりですね。残念です。でも前半は好きな雰囲気だったので7点。
[DVD(字幕)] 7点(2013-04-30 15:12:18)
319.  ダーク・フェアリー 《ネタバレ》 
僕のこよなく愛する『パンズ・ラビリンス』の監督が製作した、怪しげな妖精たちが乱舞する巨大な洋館を舞台に、今回も大人世界に翻弄される小さな女の子を主人公にして繰り広げられるダーク・ファンタジー。パンズ・ラビリンスに比べると確かに小粒感が否めないけど、それでもやはり独特のモダンで怪しげで時には淫靡ささえ感じられる世界観は秀逸。特に、小さな妖精の群れがハサミや剃刀といった現代的な凶器を手に襲い掛かってくる場面は、子供が観たらしばらくトラウマになりそうなほど怖い。そして、一番善人だった奥さんが最後に奈落へと引き摺りこまれる後味の悪いラストもいい感じ。ただ、残念なのは主人公の女の子。演技力を優先したのか、この子がどうも可愛くない。もっと魅力的な女の子をキャスティング出来ていたら+1点だったのに。
[DVD(字幕)] 7点(2013-04-30 14:51:53)
320.  リアル・スティール 《ネタバレ》 
もう、ベッタベタ。冒頭10分で最後の映像まで予想できるような、そんな恥ずかしくなるような王道ストーリー。でも、そんなベタベタな映画って普通は古臭くって最後まで観ていられないんだけど、この作品はロボットボクシングという新しい題材を扱ったせいか最後まで飽きずに面白く観れた。それに、映像の隅々までこだわりを持って作られているところも、そんな古さを感じさせない一助になっているように思う。格闘ゲームで育った世代のお父さんが息子と一緒に観たら最高に盛り上がれるんじゃないかな。そんな王将のラーメンみたいな映画デス。ちゃんとお父さん向けに、出てくるお姉さんはみな巨乳でセクシーだよ(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2013-04-04 11:45:51)
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