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花守湖さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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321.  街の灯(1931)
白黒のうえに、無声の映画なんて『面白くない』と素直に思う。 私が好きな映画は、無声よりも俳優が声を出して喋っている映画。 そしてこの映画を観ても腹を抱えて大笑いしなかった。 なぜなら、私が常に面白いと思える映画は、「喋らない俳優」よりも、「声を出して喋る俳優」の映画だったから。 これは本当に素直な気持ちです。 そして、涙を流して感動する映画を何度も観たことはあるけど、この映画はけっして涙をボロボロ流して感動する映画ではありません。 笑い・感動とも、中の下という評価が妥当だと思う。 もし、この映画を評価するならば、「無声で白黒なのに、よくここまで頑張っているなー」という程度のものではないでしょうか?  「チャップリン」という高級なブランドに惑わされずに面白くない映画を「面白くない!」と素直な気持ちで言いたい。それが私の率直な感想です。
[映画館(字幕)] 5点(2006-02-11 23:57:24)(笑:3票) (良:2票)
322.  風の谷のナウシカ 《ネタバレ》 
私にとってナウシカはラピュタの二番煎じという思いがいつもありました。 しかし今回テレビで再びこれを観て非常にびっくりしたというのが実感です。昔の宮崎アニメはこんなにも素晴らしかったのでしょうか?驚きです。 一番びっくりしたのはナウシカの声。たとえば父親を殺された時、怒りに我を忘れて絶叫したあのナウシカの声は、今の宮崎アニメでは到底考えられません。それからナウシカがオオムの触手で頭の中を探られるシーン。あの場面はナウシカが悪人ではなく善人だということをオオムが理解したことを観客に説明する必要があります。それをラン・・ランララ、ランランラン・・と女の子の歌声を挿入して説明してしまう宮崎さんの感性に度肝を抜かされました。こんな発想はどこから生まれるのでしょうか。よほど観客の想像力を信頼している証拠でしょう。しかしだからといって今の宮崎アニメのようにメッセージを暗喩にのせて発信することはほとんどなく、とにかくワクワク感を追及している姿勢に好感を持ちます。この映画は環境問題がテーマになっているとマスコミに騒がれて注目をあびた映画ですが私は全然そんなふうには思わない。とにかく面白かった。笑った。ワクワクした。それだけです。そしてアニメというのは本来それだけで良いのだと思います。
[地上波(吹替)] 9点(2006-02-04 01:13:35)
323.  驟雨
成瀬監督の作品をはじめて観ようと思ったのもみんなのシネマレビューのおかげです(笑) 結論から言いますとこれは見事に私のツボを直撃しました。銃撃戦はありません。誰も死なない映画、いわゆる何も起きない映画ですが非常に面白い! 何かを説明しようとするとき、それを台詞ではなくて情景やこころの描写によって説明することが映画の醍醐味だと私は感じます。 監督は観る者の「想像力」をよほど信頼して映画を作っているということが伝わってきて好感を持ちました。 私は想像力を喚起させる映画をなによりも愛します。あの胃弱の亭主は亭主関白のように見えて滑稽なほど頼りないところが哀愁を誘います(笑)あのキャラクターは大好き。 男の描写がうまいからこそ「女」の存在感が活きている、そのように感じました。特にラストシーンは腰をぬかすほど驚きました。ああいう終わり方もあるのだなぁと妙に感心したのですね。庭に舞い降りた1つの風船をめぐってなぜか夫婦が何かにとりつかれたように激しい打ち合いを始める。もう最高です。涙が・・涙が止まりませんでした。 笑いの涙が。 あの風船とあの夫婦・・・それをどう見るかはまさに観客の想像力に委ねられているのではないでしょうか。 私もこの映画から自分だけの真実を見つけ出しました。
[地上波(吹替)] 9点(2006-01-28 20:18:19)(良:1票)
324.  デリカテッセン
この映画を満足して観られる生き物はふくろうだけでしょう。ストーリーは、人肉食人のアパートに人肉を売る肉屋がいて、そこに獲物のピエロがやって来て、ぐだぐだとやっていましたが、それも暗いせいで何をやっているのかよく分かりません。この映画は美術的には優れているのだと思いますが、はっきりと言わせていただくと、停電した夜中の美術館と一緒です。 とにかく暗い!くらい!!クライ!!! こんな映画を観てしまった私はCRY。  
[ビデオ(字幕)] 1点(2006-01-22 11:01:40)
325.  大逆転(1983)
不景気が人の心に蔓延し、社会情勢が緊迫し、経済の重要性が年々高まっていく中、私は先物取引の知識を得るためにこの映画を見た。というのは冗談であり、エディーのギャグを期待してこの映画を見たのでした。
[映画館(字幕)] 3点(2006-01-15 10:45:30)
326.  少女の髪どめ
仕事を奪った相手に逆ギレして、ひどい仕打ちを繰り返してきた男が、その相手が可愛い女の子と分かった途端に態度が豹変します。 最初は男のそういう態度を眉唾に思って眺めていました。 しかしその女の子に対する恐ろしいまでに不器用な、男の接し方を見ていると、思わず「おまえ、いい奴だったのか!」と微笑んでしまいます。これは紛れもなく初恋でしょう(苦笑) 「初恋のきた道」の男バージョンだと思いました。 男は夢中を通り越して、もう狂っています。男の壊れっぷりが実に見事でした。 最初に抱いていた男に対する不信感は吹き飛び、その行動に苦笑いの連続です、しかしさわやかな苦笑いという感じです。 基本的に映画とは、監督が自分の作る作品に「戦争と平和」など、何らかのメッセージを残したからといって、必ずしもそういう見方をしなくてはいけないとは限りません。 映画は公開されれば、すでに監督の手を離れ、1人1人の観客にすべての答えを委ねられるわけです。 映画とは学校の試験のように答えがあるわけではありません。 この映画は、1人の男の恋の物語。これが私の答えです。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-02 22:26:56)(良:1票)
327.  バグダッド・カフェ
この映画は、あの太ったおばさんを主人公に据えた時点で、外見の偏見に挑戦したものだったのではないでしょうか。 基本的にセピア色は好きですが、舞台が砂漠だということで、その色を自然に表現することができまていました。 しかしあの夕日の色彩には驚きました。 中国の巨匠チャン・イーモウも脱帽して裸足で逃げ出すほどに鮮やかな赤色です。 バグダットカフェだからこその色彩であり、これが色のある映画だと言われる所以ではないでしょうか。 その砂漠に帰る所がない者たちが集まってくる。監督は、これでもかと思えるくらいに、しけた連中を登場させて、最後には彼らを魅力的な人物へと変えていきます。黒人女はイライラ、太った女はノソノソ。そういう外見からくる偏見は、感情移入していくうちに気にならなくなっていきます。これをETの法則といいます。 美的感覚に優れ、想像力を養うにはもってこいの映画だとは思いますが、基本的には退屈な映画だと思って欲しいです。 考えることが好きな人、名作映画が好きな人にはお勧めします。 娯楽性はありませんが文学的な映画です。
[DVD(字幕)] 5点(2006-01-01 10:19:25)
328.  ウィスキー 《ネタバレ》 
靴下工場のおじさんも、従業員のマルタも、無愛想な人間たちですが真面目な善人です。2人は人生に対して寂しさも感じているようにも見えます。 この物語に陽気な弟を登場させた理由は、より一層、2人のそういう部分を強調したかったからだと思いました。 監督は、このように真面目に生きる2人の老人に向って、「しかめっ面をしないで、さあ笑って!」と応援しているようにも感じます。 それが「ウィスキー」というタイトルのメッセージではないでしょうか。執拗に繰り返される同じ日常シーンが印象に残る映画ですが、こういう何気ないシーンでも感情移入ができる自分がいます。 毎日の生活は本当に孤独だし、時には辛く、そして楽しいのだと思う。 そういう微妙な空気に少しはまりました。 マルタという老女を見ていると、女はいつまでたっても女なのだなぁと感心しました。 たった3人だけの平凡な物語ですが、ぐいぐいと観客を引き込む力はあったと思います。 ミニシアター系映画の好きな人には観る価値はあるでしょう。 この映画のラストのように、人生は寂しさが付きまといますが、それでも下を向かずに笑って前に進みたいものです。 生きて生活をするということは、それだけでちょっとだけ素晴らしいことだと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2006-01-01 08:59:21)(良:2票)
329.  カノン 《ネタバレ》 
バッフェルベルのカノンの音楽をバックにして、泣きながら抱き合う父娘のシーンは、男に愛情があったことを証明しているのではないと思います。あれは男の、動物としての本能的な「性欲」を表していました。 父が娘の乳房を揉み続けるラストは、「これから近親相姦が実行されますよ」と監督が暗示しているのです。これが我々に挑んだ監督の狙いでしょう。人間は動物です。 モラルというものは、人間が動物とは違うという証明のような類だと考えます。 もし父親が、実際に近親相姦後に、娘を殺し、自分も自殺していたならば、彼はモラルを犯したことに耐えられなかったということになります。 しかし現実的には、彼は娘を女として愛し、なおかつ、これからも生きていこうと考えている。つまり彼はモラルを完全否定し、動物である自分を肯定したのです。 すべてを本能に委ねたのだと思う。 私たちは動物とは違って精神性が高いので「心で人を愛する」ことができると考えがちですが、愛する相手は必ず異性です。男は女を愛し、女は男を愛する。それじたいが、動物的な本能ではないでしょうか。
[DVD(字幕)] 0点(2006-01-01 08:43:29)
330.  キング・コング(2005) 《ネタバレ》 
「キングコング映画」を今まで一度も観た事がない私でも、今絶頂の監督ピーター・ジャクソンの映画史上最高の「映像」は、どうしても見たかったのです。アンが意を決して、船に足を踏み入れた後からは、まるで心地良いジェットコースターに乗っているような感覚でした。間違いなく世界最高峰の映像でしょう。恐竜の宝庫のようなスカル島で、コングとTレックスとの壮絶な対決があるのですが、ここでコングの尋常でない強さが、縦横無尽に発揮されます。その様子はもう開いた口が閉まらないくらいに圧巻の一言です。この時点で観ているほうは息切れ寸前でしょうが、人間の想像の限界を超えた凄まじい映像は、我々に休む暇すらも与えずに、また更なる映像を投げかけてきます。ここまで来ると、まさに問答無用。監督の徹底した娯楽主義・潔さに、みんなで万雷の拍手を浴びせたい気持ちでいっぱいです! さらには、みなさんの熱いレビューにも拍手です。
[映画館(字幕)] 9点(2005-12-25 17:41:39)(良:2票)
331.  アメリカン・ラプソディ 《ネタバレ》 
ハンガリーからアメリカに亡命するとき、1人だけ家族から置き去りにされてしまった女の子が、ようやくアメリカで家族と再会したとき、すでに女の子と家族との間に深い亀裂が生じていました。 この女の子は監督自身です。これが監督の自伝映画だということは、DVDのメイキングで知りました。一度壊れた家族の絆は元に戻るのか?家族とは何か? 人にとってふるさととは何か? これは私のツボを直撃した映画でした。 前半の6歳の主人公は、可愛らしい女の子が演じ、後半の16歳になった主人公は、スカーレット・ヨハンソンが演じています。 特に印象的な場面は、このスカーレットが、家族の反対を押し切って、ハンガリーにいる育ての親に会いにいくところです。 美しいブダペストの街並みを、物思いに耽りながら、彼女が歩いていく姿は、まるで美術品を見ている様に、絵になる光景でした。 それと主人公の育ての親は本当に人が良い人たちなのですが、逆にそれが育ての親と、生みの親との狭間で、彼女が悩み続ける原因になっていくのでした。 実の母親と娘の激しい争いも見られます。スカーレットのヤンキー姉ちゃんぶりも必見ですが、母親を演じるナスターシャキンスキーも、娘から愛されない苦悩をうまく演じていました。 娘から愛されないと焦る母親の気持ちが、娘に対する束縛心に変貌し、それが異常な行動を駆り立てて、悲劇へとつながっていきます。 家族のあいだでおこる様々な困難を抱えつつ、スカーレットがブダペストで知った真実とはなにか? 旅を通して1人の少女が大きく成長した様子が伺えます。これは家族の再生の物語。 家族に悩みと救いと希望を抱く人の道しるべになりえる作品。
[DVD(字幕)] 10点(2005-12-17 21:48:12)
332.  誰も知らない(2004)
事実をありのままに伝えるのがニュースの役割であり、事実を大げさに伝えるのがワイドショーの役割だと思います。 では映画の役割とは何でしょうか? 実際の長男の明は、かなり残酷な人間であったようですが、それをあえて善人に仕上げたことを、私は評価します。 現実には、非情な親が存在して、その親の子供たちは、同じく悪の道に進むか、それともトラウマを抱えて自殺するケースが多いのは事実です。 映画の役割とは、このような不幸な人々を、物語のなかで救うことだと思うのですね。 私はニュースには真実を求め、映画という物語には希望を求めたいのです。 監督が、この映画を作るきっかけとなったのは、救いがたい事実をニュースのように、ありのままに伝えるためではなく、不幸な人間たちを物語の中で再生させることだったのだと思いたいです。 つまり、監督はこう考えたのではないでしょうか? 実際の事件では、子供たちが悲惨な生活をしていることは、誰も知らなかったが、物語の中では、実は多くの人たちが知っていたことにしよう。それはあのコンビニの店員であったり、母親の昔の夫だったり、いじめを受けていた女の子たちです。 自分を守ることで精一杯である彼らは、明らかに社会的な弱者だと思います。そういう彼らが、戸惑いながらも、子供たちに救いの手を差し出します。 こういうのを、「捨てる神あれば、拾う神あり」というのかもしれません。 社会の底辺で必死に生きている弱者の温かいつながりが感じられました。 「誰も知らない」というタイトルには、誰もが知っていたという逆説的な意味が含まれていたのではないでしょうか。 監督が作りたかった映画は、厳しい現実の姿ではなく、絶望の中のひとすじの再生の物語だったと信じています。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-08 19:27:18)(良:5票)
333.  ハウルの動く城
大御所になってしまった宮崎監督は、もう「ラピュタ」のような単純爽快なアニメを作る気持ちはないのだろうか? これは知的な映画なのかもしれないけど、ワクワクしない映画でした。ハウルや、おばあちゃんの心の内面を思わせぶりに、ぐたぐたと見せることで、外国の映画祭で立派な賞を獲ってやろうという色気だけは感じました。それになんでヒロインが、おばあちゃんなの? シーターや、ナウシカやキキのような魅力溢れる女の子が映画を面白くするのです。 宮崎監督は「紅の豚」で、ただのクソ豚を主人公にして大コケしたのに、まだ懲りていないのでしょうか。 あげくの果てに倍賞千恵子の声を聞いていると、ふうてんの寅さんをどうしても思い出してしまいます。 ソフィーがいつ「お兄ちゃん」というのかずっと気になってしまいました。 だいいち、ハウルに「守りたいものができた。それは君だ」というセリフを言わせておいて、いったいお子様たちにどういう反応を期待しようとしているのか意味不明じゃないですか。 まさか子供さんに無償の愛の素晴らしさでも説こうとしているのでしょうか? 冗談じゃありませんよ。この映画には、メタファーもかなり多く盛り込まれており、それはそれで立派だと思いますよ。しかし子供を無視するのもいい加減にしてほしい。 たしかに考えさせられる映画ではありますが、私はあえて「考えさせるな!」と言いたいのです。 宮崎アニメは、徐々に子供から離れていっている。それを確信できた映画でした。 近い将来、親が「宮崎アニメは立派な映画だから観なくてはいけませんよ!」と言って、嫌がる子供を無理やり映画館に連れて行くという光景が社会現象を起すかもしれないと予言しておきましょう。
[DVD(吹替)] 1点(2005-12-07 22:25:24)(良:5票)
334.  宇宙戦争(2005)
見事としか言いようがありません。 宇宙戦争は「絶望」という名の、壮大なメタファーでした。 私は、宇宙戦争は実際には、起こっていなかったと思います。 つまり、駄目パパを自覚しているトムにとって、子供たちを預かった日が、宇宙戦争の始まりだったわけです。分かりますか? もう修復不可能な家族とのコミニケーションは、トムパパにとっては、「絶望」を意味していたのです。 始まりは、ダメパパに心を閉ざした子供とのコミニケーションでした。 一縷の望みをかけて、なんとか息子との関係を修復しようとするトムパパが、強引に息子とチャッチボールを断行しますが、予想以上に親子の亀裂が深いことが分かりました。 トムパパにとって、それは、あたかも、地底から宇宙人が突然現れることに等しかった。 だからそれを表現するために、トムパパの目の前で、宇宙人を地底から突然出現させるという演出を行ったのでしょう。 そして宇宙人に攻撃されているような絶望感で、トムパパは、子供たちとの関係を、どうやって修復すれば考えました。 しかし、その直後に彼のとった行動は、母親のいるボストンに子供たちを送り届けるということ。 それが何になる?いや、どうでも良いのです。 とにかく父親はそれをしなければいけなかったのです! それが子供から愛されない父親が、必死で考え出した最後の希望でした。 いや希望などなく、無償の愛と言ったほうが良いのかもしれません。 ダメパパと思われようが、父親とはこういう人種なのです。 ラストは、誰かも仰っていましたが、トムパパが、ボストンにたどり着いたから、宇宙人はその存在意義がなくなりました。 もともと、宇宙人は、トムパパが生んだ幻だったと考えるならば、彼が目的を達成すれば消えるのは必然でしょう。 どうです?これでみなさんの、この映画に対する疑問は解決したでしょうか。 ちなみに、トライボットというのは、 かつて火の七日間と呼ばれる戦争で、世界を焼き尽くした巨神兵に似ていましたね。 恐さは1級品。それにスピルバーグ風味が絶妙にスパイスされていました。 
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-27 13:31:19)(良:1票)
335.  オペラ座の怪人(2004) 《ネタバレ》 
この映画は、不幸な人殺しのファントム様に感情移入できるかどうかで評価は分かれると思います。 このファントム様は、自分にとって都合の悪い人間を簡単に殺すオペラ座の逆ギレストーカーでした。 しかも無職のくせに、給料まで要求する図々しさは、オペラ座の怪人というよりは、オペラ座のニートです。 しかも地下にこもって、人形遊びをしている姿をみると、ただのひきこもり野郎にしか見えませんでした。いったいどういう女性がこのような気色の悪い男を好きになるのでしょうか? しかし、クリスティーヌは、まるで聖母のように、この陰険な悲劇のヒーロー気取りの男を哀れみました。私は彼女の神々しいまでの美しさに感動致しました。 彼女は、人殺しのファントム様の罪のすべてを受け入れて彼を癒したのでしょう! さて、ラストシーンでは、クリスティーヌの墓前に花と指輪が添えられていましたね。 この場面から、ファントム様がここにやってきたことが、瞬時に理解できました。 なんと、逆切れストーカー男は、クリスティーヌよりも長生きしていたのですね!! ファントム、てめーが真っ先に死ねや!と、素直に感じました。
[DVD(字幕)] 1点(2005-11-26 12:10:29)(良:1票)
336.  翼をください
人は、子供のときに、親から愛されることで、他人を愛する自信が生まれるそうです。 親から愛情を受けずに育った人の、他人の愛し方は、どこか、ぎこちなくて悲しい─。 これはそういう映画でした。 ちなみに「同性愛」はこの映画の本質ではないと思います。 彼女は、愛されたことがないゆえに、最後まで愛されるという自信が持てなかった。 彼女の愛情の飢えと不安は、しだいに「嫉妬」にかわっていくのは、ご存知のとおりです。 パイパー・ベラボーの素晴らしいところは、このトラウマを抱えた女の子を完璧に演じたことではないでしょうか? 愛されたいという願望や、愛してくれるだろうか?というトラウマから発した女の子の、身を焦がすような激しい焦燥感が、画面を通して伝わってきて、否が応でも、私の心を鷲摑みにして離しませんでした。 だけど彼女は、たった1人の人間を愛し続けたのだと思います。 それは未来のない絶望的な恋─。 彼女の行動は、終わりに近づくにつれ、荒々しさと、痛々しさを増していき、見ている者の胸に痛みを与えます。 彼女は、絶対に報われない恋愛の行く末を見ようとはせずに、目をつぶって全速力で、壁にぶつかっていく・・そういう少女でした。 母親からも愛されない彼女は、しだいに愛することよりも、愛されることに執着していきます。 パイパー・ベラボーは、絶望と狂気と、繊細さと、切なさの感情が同居する女の子を、見事に演じきりました。 これほど存在感のある女優は、それだけで観る価値はあります。 演技力に10点です
[映画館(字幕)] 10点(2005-11-26 12:04:01)
337.  サイン 《ネタバレ》 
今回は地球にやってきた宇宙人を擁護したいと思います。この映画は宇宙人よりも人間の滑稽さに重点を置いた作品です。 宇宙人はマヌケだったと見るよりは、想定外の地球の汚さに呆れて帰っていたのですね。そして宇宙人が、しょぼいのもわざとです。 ハリウッド映画のすごいエイリアンばかり見すぎている私たち人間の感覚が狂っているのです。 だいいち、私たちは宇宙人を一度も見た事がないのに、なぜこの映画の宇宙人をみて、しょぼくてリアリティに欠けると思い込んでしまうのでしょうか? つまり、いつの間にか、ハリウッド映画が作り出した恐いエイリアンの映像が、「真実」だと思い込んでしまっているのです。そういう人間の滑稽な様子を、シャマランは、巧みに私たちに見せ付けています。 人間がテレビから、しがみついて離れられなくなるという姿がありますが、それは作られた映像の宇宙人がしだいに私たちの中で真実になってしまっていることと同じような気がします。 元野球選手と宇宙人の対決はもう最高でしたね。ホームランか三振ばかりしていた元野球選手が宇宙人相手に空振りしてくれたら最高でした。 私はシャマランは人間ではないと思いますね。いつも発想が人間離れしている。宇宙人としか思えません。
[DVD(字幕)] 8点(2005-11-20 12:32:57)
338.  ワンダフルライフ 《ネタバレ》 
建物の中を意図して暗くしたことによって、窓から漏れるぼんやりとした白い光が、幻想的な雰囲気を醸し出しています。 そして冒頭から、かなり意識して、徹底的に外の空間を見せないようにしています。 まるで詩のように、観ている観客の感性を、グングンと高めていく手法は非常に巧いと感じました。 地上ではない天国に一番近い不思議な場所を、CGを駆使して作って魅せようとするのではなく、観客に想像させるのですね。 この監督さんは、「幻の光」でもそうでしたが、なんでもない光景を、神秘的なものに変化させることが非常に巧い人です。 映画の雰囲気は、一貫して静けさを保っており、冬であるにも関わらず、建物の中だけは、人のこころの温かさに満ち溢れています。 そして否が応でも、自分の人生を振り返って考えさせられる普遍的なテーマが、観客の意表をついて見せようとする訳でもなく、ごくシンプルに提示されている点が好感を呼びます。 是枝監督は、まさに日本のチェーホフです。
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-20 12:19:10)
339.  パール・ハーバー 《ネタバレ》 
賛否両論はあるが、空前の大ヒット映画であることは間違いない。レビュー数もやはり桁違いに多いことがそれを証明している。 まず1つだけ最初に言っておきたいことは、日本があの戦争で多くの国々に迷惑をかけたことは、疑いようもない事実だということだ。 嫌な事実を見せられて、腹がたつ日本人がいる気持ちもよく分かる!しかし、マイケル・ベイ監督は、けっして意図して、日本を批判しているわけではないという事は、みんな分かっていると思う。この映画は我々にとって、耳が痛い話だが、監督は歴史上の事実を歪曲することなく、誠実に映画を作ってくれた。それは高く評価しなくてはいけない。さて、この映画を観る私たち日本人の姿勢については、真実から目をそらすか?それともしっかりと真実を受け止めるか?2つに1つだと思う。とくに最近の若いものは、誤った歴史認識を持っているものが多い。外国が怒るものも、私は無理がないと感じている。それも日本の右翼かぶれの政治家のせいかもしれない。 非常に残念だ。 私は、この「パール・ハーバー」という映画は、もっといろんな人に見てもらいたいと思う。 とくに、靖国問題で、戦争を美化している日本国の首相はこの映画を観るべきだ。 官房長官のあべくんも、この映画を観なさい。 映像が綺麗なだけの映画ではなく、日本人として、改めて反戦の意を強く持てる作品だと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2005-11-20 12:17:55)
340.  おばあちゃんの家
これは孫の演技を褒めなくてはいけません。 あそこまで超生意気なクソガキを演じられる子役は見た事がありません。 孫を散髪するシーンは、私だったら、あのクソガキをモヒカン刈りにしてやるでしょう。 それほど生意気だと思わせる演技を行う天才子役なのです。 そしてこの映画をみると、例外なく、多くの人が自分とおばあちゃんの関係を思い出すのではないでしょうか? 私も、おばあちゃんの家に2年ほど暮らしていた時がありました。私も、おばちゃんと、激しい言い争いをしていた時期がありました。 それを思い出しました。 おばあちゃんは死にましたが、私は本当におばあちゃんと和解できたのか今もって確信がもてません。 あの当時の私を冷静に振り返ると、第3者からみたら、私はやはりクソガキに見えたと思います。 家族から受ける愛情というものも、なかなか感謝できないのは、あまりにも、その愛情が当たり前のようにもらえるからだと思います。 私は、そういう当たり前のものを、失った後に気がつくことが多くて、いろいろな後悔があります。 この映画をみて、当たり前にもらえる愛情のありがたみを、再度実感できました。 ありがとう、おばあちゃん。
[DVD(字幕)] 10点(2005-11-15 20:06:22)
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