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ユーカラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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321.  ストレイヤーズ・クロニクル 《ネタバレ》 
序盤のアクションがとりあえず面白く、どう転がるか解らぬ ストーリーで何とかもたせる感じだが、 述懐シーン、気絶シーンの度に流れが淀む。  ほぼ全編が愁嘆場の釣瓶打ちみたいなもので、 特に後半は次々とこときれる登場人物達の遺言ショーの趣で、辛気臭い。  主人公の反逆も、まず台詞ではなく行動から入って欲しい。  折角の廃墟のロケーションならもっとその空間や構造を巧く使って欲しいし、 折角の(押井守風)夜の水路も不発だ。  意味不明の挿入歌もただ煩い。
[映画館(邦画)] 4点(2015-06-28 16:00:54)
322.  トイレのピエタ 《ネタバレ》 
口跡の良さで女優を選ぶ、と語ったのは鈴木則文監督だが、 本作での杉咲花もその声の響きが何よりの特長で、 病院での出のショット、同じくラストでの登場もまずオフからの 彼女の甲高い声が画面に響く。  走り、泳ぎ、自転車を漕ぐ彼女の躍動的なフォーム、 病んだ男たちの泳ぐ視線とは対照的に真っ直ぐ覗き込むような眼にも力がある。  野田洋次郎とリリー・フランキーが語り合う、 白シーツ揺らめく病院屋上シーンの曇天は狙ったものか、たまたまか。 いずれにしてもそうした天候のメリハリも、杉咲とのプールシーンや田舎のシーンの晴天と風を際立たせるのだが、 ここでの野田のアップと涙のショットや、宮沢りえの台詞過剰は、 やはり甘いのではないかと思う。 リリー・フランキーの撮った動画映像も、主人公の死後にだけ見せる形にしたほうがすっきりして より効果的だったのではないか。
[映画館(邦画)] 7点(2015-06-26 07:22:52)
323.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
なぜ『2』かといえば、それが最も『駅馬車』的、即ち最も西部劇的だからだろうか。 近未来ものでありながら、狼煙としての発煙弾、砂嵐や土埃、 塩湖や奇岩や峡谷のスペクタクル、投擲と銃砲による襲撃などなど、 原初的でアナログな西部劇の風情が新鮮な魅力となっている。  (ついでにブルーの『アメリカの夜』(day for night)の魅力も加えておこう。)  原初的というなら、一台のビークルの構造をとことん使いこなし車上を動き回るアクションや、 メカニックを自壊させていくアナーキーぶりは『キートンの大列車追跡』や『マルクスの二挺拳銃』に遡ってもいい。 竿の反動を使った良きアナクロアクションなどは特に楽しい。  序盤の残念なコマ落としアクションではこの先どうなるかと不安になったが。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-06-25 07:45:34)
324.  愛を積むひと 《ネタバレ》 
同じ北海道でも、函館などの道南地区と美瑛などの道央地区では スクリーンイメージは大きく違う。 特にこの道央が舞台となると、ただただ自然の美観と悠々自適の快適ライフばかりが アピールされて生活感覚を欠いた映画が最近は多く、この映画も例外ではないのだが その景観の魅力は端正で安定感のある撮影でよく撮れている。  物語の大筋も感傷的でウエットなものだが、柄本明のユーモアと杉咲花の快活さが 随所でうまく補っている。  吹雪の夜のシーンで、自然な流れで佐藤浩市に娘のアルバムを持ち出させる契機とする 柄本の起用法など巧みだと思う。  樋口可南子を失った後の佐藤の暮らしぶりの変化を、トイレや鏡の描写で さりげなく示す演出や、野村周平の保釈後の流れなどなど、 台詞をかなり削ぎ落としているのもいい。  のだが、それらの寡黙なシーンになるとすかさず岩代太郎の雄弁な劇伴が ご親切にお世話してくれてしまう。勘弁して欲しい。
[映画館(邦画)] 6点(2015-06-21 20:24:34)
325.  海街diary 《ネタバレ》 
高台からの眺望や、二階窓からの梅の木、花火、ちくわカレーや生しらす丼など、 対話の中に出てきた対象を続くショットで直接的に誇示するといった事をせず、 あくまでそれを見る姉妹、それを美味しそうに食する姉妹の姿を中心に ショットを構成する。 いわゆる「素晴らしい景色」、「美味しそうな料理」をどう映画表現するか、の慎ましい工夫がある。  彼女らの生い立ちはフラッシュバックの類を一切用いることなく、 あくまで今現在の言動、家屋の美術、小道具、衣装による性格付けで以て語る。 (釣竿振りは『父ありき』か。) これも、いわゆる「つらい過去」をどう映画として現前させるか、の工夫だ。  それぞれロケーションには緩急様々な勾配が施されて、豊かな画面をつくる。 花びら舞う桜並木のトンネルを抜けていく広瀬すずの官能的な表情。  こんなショットも撮るんだ、と少し驚く。
[映画館(邦画)] 8点(2015-06-20 16:29:27)
326.  ピッチ・パーフェクト 《ネタバレ》 
実質的ライバルはただの一チーム。 そもそも何チームが出場していて、どれだけの難関コンテストなのやら。  リーダー、異性、父親との確執・和解の薄っぺらいドラマも ただただ尺伸ばしにとってつけたよう。  『友情・努力・勝利』なる、漫画誌の三原則を映画に当てはめるのもなんだが、 友情も努力もない、アカペラパフォーマンスそれだけというこの映画のドラマは実に貧相だ。  その肝心のステージシーンのショット構成もただせわしない。 後ろから前から、下手なアクション映画のように目まぐるしくポジションを変えまくる。  歌唱と身体パフォーマンスの映画で、バストショットばかりというのも致命的欠陥だろう。
[映画館(字幕なし「原語」)] 3点(2015-06-20 16:19:33)
327.  メイズ・ランナー
映画は暗闇の中に響く機械音で始まる。  視界の制限された舞台で、人物達がオフからの音を聞きつけることを契機に 場の状況が変化していくシーンが多い。  彼らは塀の奥から聞こえてくる音響に恐怖し、 発信音のテンポの変化を頼りに脱出口を探す。 ここでは音響が映画のサスペンスを高める要素となるわけだから、 その演出にはもっとデリカシーが欲しい。  前半に少なくとも二箇所、SEに余計なBGMを重ねて 却って音のサスペンスを損ねているところがある。  画面的には、開閉装置の映画であるから迷路のシーンにはそれだけで ある程度の奥行きと立体性は保証されるだろう。  もっとアクションの見せ方には工夫が欲しいが。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2015-06-14 22:25:11)
328.  予告犯 《ネタバレ》 
中盤の、路地裏から用水路へ至る追走劇などが映画ならではの ロケーションと走りのアクションで頑張っている。  生田斗真を追って水路に入ろうとする戸田恵梨香が一瞬のためらいを 見せる。その引っ掛りのショットは、別箇所の周到な台詞の伏線とも リンクしながら後の彼女の「水面」のフラッシュバックへと繋がっていくわけだが、 その彼女の生い立ちを仄めかす回想も橋と少女とランドセルの落書きのショットで示唆するという、 寡黙で簡潔な語りが実にスマートだ。  動機や説明や回想の類をどうしても必要とする物語だが、後半もさほど失速させずに2時間におさめられた のは、そうした過不足ない語りの聡明さにもよる。  投棄現場詰所の蒼い光の中、抱く・抱かれる「友達」二人のショットも 十分に説得的で感動的だ。  ネットを始めとするメディア画面も『白雪姫殺人事件』よりも 熟れてきた感じで、携帯端末画面の有効な使い方も巧い。  荒川良々の反則的な涙にも癪だがやられた。
[映画館(邦画)] 7点(2015-06-08 12:37:51)
329.  寄生獣 完結編 《ネタバレ》 
焼却炉の設定が、というよりこのシーンでの所謂「J・キャメロン・ブルー」を 採り入れたライティングこそがキャメロン的なのだが、このつまみ喰いでとってつけた感が山崎貴らしいご愛嬌だ。  炉のオレンジと反面のブルーに照らされる中で主人公たちが展開するクライマックスの舞台は映画向きの彩りある改変として申し分ない。  (「原作に忠実でない」だの「メッセージ性がない」だのといった原作崇拝的、テーマ・メッセージ依存型 批判は、それこそ映画が別メディアである原作に従属していない証であり、原理的に反「反映画」という事なのだから、映画にとって褒め言葉だ。)  宙吊りのアーム上でありながら垂直軸のサスペンスは淡白だし、陽炎や火の粉による灼熱の感覚が物足りないのも如何にも山崎貴だが、 動物園での三つ巴の対峙シーンやラストの屋上シーンなどと共に 高所を舞台に取り入れながら健闘している。  深津絵里の夜のマンションでは、風の音響はありながら画面上は無風状態 であったり、一方で画面上では彼女の髪を揺らしながら風音の効果音を省いていたり。  そうした趣向も彼女の異質性を際立たせており、面白い。
[映画館(邦画)] 7点(2015-06-05 07:30:52)
330.  夫婦フーフー日記 《ネタバレ》 
『婚前特急』が悪くなかったので観てみたが、開始10分くらいで出たくなる ひどい映画だった。  がさつで可愛げのない永作博美のキャラクターはそれが美点に転化することはなく、 最後まで情が移ることがないのは撮影の巧拙の問題だけではない。 ハンバーガーを頬張る表情に何やら過剰に思い入れているようだが、 作り手の一部だけの自己満足のようにみえる。 はっきり云って、どうでもいい。  佐々木蔵之助に号泣芝居をさせれば、もらい泣きでも頂戴できると目論んだか。 はっきり云って、下品である。  シックス・センスがどうとか、固有名詞を羅列したボケ・ツッコミの 対話もことごとくつまらない上に、幽霊的存在の表象にもまるで工夫が みられない。 現在の二人が過去の場に立ち会うだの、時制弄りだの、 手垢のついた設定は無意味で退屈の極みである。  運動論的に云えば、看病や仕事や育児や執筆で悪戦苦闘する様を具体的に描写するのが 映画化の意義だろうに、どれもこれも中途半端で、 特に子供に関しては育児放棄の印象しかない。  移動は高速バスに揺られているだけ。 最後にとりあえず少しだけ走らせてみました、というのがまた生ぬるい。  結局、45分のテレビで済むオハナシに過ぎない。
[映画館(邦画)] 2点(2015-05-31 22:14:20)
331.  イニシエーション・ラブ 《ネタバレ》 
おそらく夏頃中心の撮影だったのだろう。 俳優のスケジュールの都合もあるだろうから仕方ないにしても、 完全に落葉しているはずの時期の場面にイチョウが紅葉していたりと 冬の場面の撮影にどうしても違和感が強い。  本作の場合、月日の設定は重要な要素なのだから季節感の演出には もう少し気を遣って欲しい。仮にも恋愛ものでもあるのだから。  季語に当たるショットを後から少し撮り足すだけでも違うだろうに。  騙しの伏線張りに手一杯の作り手にそこまで望んでも仕方ないが。  映画の中盤、産婦人科から出てきた前田敦子を松田翔太が迎えるシーンに吹く 風と木漏れ日がようやく映画らしさを伝えるのだが、同時にここでようやく この映画がシネスコサイズだったことに気づかされる画面の貧しさも何ともはや。  原作由来とはいえ、往時のヒット曲垂れ流しも風俗アイテム羅列も ただたださもしく見えてしまう。
[映画館(邦画)] 3点(2015-05-26 21:38:38)
332.  龍三と七人の子分たち 《ネタバレ》 
玄関先で木刀振りする藤竜也を覗き見していた子供達が一目散に画面右手の登り坂を 駆け上がっていくのを追いかけるカメラとか。 その逆に、門を出て左手に下っていく車を追いかけるカメラとか。 従来のスタイルならそういったものには無頓着にカメラを引いて固定したまま 構図を維持したはずだと思うのだが、 そうした些細ではあるが意図を量りかねるカメラの動きが多々あって少し戸惑わせる。  その屈託の無い目移りぶりが逆に作品の緩さらしきものになっているともいえるか。  競馬場でのギャグなども、『菊次郎の夏』の競輪場で繰り広げられたそれの釣瓶打ち と比べるといかにも緩い。  かと思えば、小気味良い台詞廻しとカッティングの合わせ技も随所で垣間見せ、 遊戯感覚溢れる逸脱と変転によって結果的に程よい弛緩と緊張を維持している。
[映画館(邦画)] 6点(2015-05-26 07:49:07)
333.  セッション 《ネタバレ》 
奏者をコンダクトするJ・K・シモンズの顔面と手の連動ぶりは 舞踊のごとく、その静と動のメリハリは確かに視覚的快感すら催す。  その凄みとパワー故か、主人公であるマイルズ・テラー共々 クロースアップ主体のフレームサイズでバランスを取らざるを得なく なったようでもある。  様々な対話シーンも台詞やショットの間合いを極力詰めてリズムと テンポを作っているが、顔面アップ中心となるのはやはり気に掛かる。  ラストの檜舞台もそれが復讐の場ならば尚の事、晒し者にされる主人公と 聴衆達とのスケール比較をフレーミングで際立たせる等のひと工夫が欲しい。  主人公の憧れの場がこじんまりとしていては、彼の屈辱感が伝わらない。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2015-05-24 08:58:24)
334.  ラン・オールナイト 《ネタバレ》 
一筋縄ではいかない両儀的なキャラクター同士の取り返しのつかない対決。 遠方に雷光が走る繁華街の夜景や、黒・青・白を基調とした操車場の硬質なロケーション、 走る車窓を滲ませる夜の雨などとともに、結部を冒頭に持ってきて回想形式で語る ノワールスタイルが運命論的な憂愁を終始纏いつかせる。  逆にそうした不穏感の持続が、エド・ハリスとの対決シーン以降の顛末を 間延びさせてしまった感もあるのだが。  階段といい、煙草や鏡などの小道具の用法といい、監督は案外ワイルダー好きだろうか。  お遊びのような移動空撮、スロー弾丸などはいい加減やめて欲しいし、 細切れ編集の格闘アクションは、『セブンス・コード』の前田敦子にも負けている。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-05-23 23:42:14)
335.  博士と彼女のセオリー 《ネタバレ》 
BBC版『ホーキング』が学究的な側面に焦点を当てているのに対し、 こちらはその『ホーキング』がラストで字幕として簡潔にふれた 恋愛部分が主となっており、ジェーン側の視点が強調される。  スティーブン博士の学究のモティーフでもある逆回転も レコード盤、車輪、コーヒー、手を繋いでのダンスと様々な媒体で登場させながら ラストに集約していくわけだが 作り手は実に実に善良で、存命中の各登場人物に対するアプローチは当然ながら ひたすら八方美人である。  この気配り具合ならばモデルも当然その無難な内容に満足するだろうが、それは必ずしも 映画の良さを保障はしない。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2015-05-19 00:07:41)
336.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》 
ビル群を遠景に、英語の格変化を暗唱しながら夕暮れの土手を自転車で走る有村架純を追う横移動。 こういうエモーショナルなロングショットをもっと見せて欲しい。  家の廊下の壁に大量に貼られた学習メモと、それを見つめる田中哲司。 辞書を引きつつ机にかじりついて筆記する有村の後ろ姿。 映画はヒロインらの情緒過多な表情アップに偏り気味だが、そういった顔面に頼らない ショットでもっとドラマを語れないものか。  ハイタッチやおんぶなど、スキンシップもいろいろと採り入れてはいるのだから、 ラストの手紙のやりとりといった言語的なくどいコミュニケーションも少し控えて欲しい。  ラストの新幹線は、冒頭と中盤の憧憬を語るシーンから繋がるはずだが、 これも効果的な見せ方になっていない。  父母らの芝居もまた情緒過多で、 おまけにBGMのタイミングもショットも台詞もテレビドラマなのだが、一方で その臆面の無い割り切りぶりがピュアすぎるヒロインを始めとするキャラクター像を 鮮明に形作って心地よかったりもする。
[映画館(邦画)] 5点(2015-05-15 22:11:29)
337.  百日紅 ~Miss HOKUSAI~ 《ネタバレ》 
キャラクターの図柄はシンプルな描線のうえ表情変化にも乏しいが 朝陽、夕焼け、宵の口、雨天それぞれの状況に合わせて 衣服の色彩や影、そのコントラストを微妙に変化させることで季節感や 時刻、立体感を良く表現している。  アニメーション映画としてはやはり ヒロインが全力で駆け出すクライマックスの全作画カットが白眉だろう。  屋内から路地へと飛び出しての韋駄天走り。それを追いかけ回り込みながら フォローするカメラの動きをダイナミックに描いている。  茶屋の軒先で少女が雪遊びするシーンの情緒も忘れがたい。  惜しいのは、この少女を最初に紹介するヒロインのモノローグである。 彼女の目が不自由であることをいきなり説明してしまう。 それは二人のやり取りの中から自ずと明らかになることであるのに。  それから、音楽にはもっと統一感が欲しい。
[映画館(邦画)] 6点(2015-05-13 22:59:41)
338.  シンデレラ(2015) 《ネタバレ》 
皇子とシンデレラの出会いのシーンは、馬上の二人が緩やかに円を描きながら 言葉を交わし合うショットを切り返しつつ綴られる。  この旋回運動は舞踏会でダンスを踊る二人のシーンに引き継がれることでより 運命性を印象づけるだけでなく、その運動のリズムへのシンクロぶりによって 交際期間をほとんど経ておらずとも二人が相思相愛となることを 視覚的な説得力をもって描出してしまう。  それならば、ラストで皇子が聞きつけるオフ空間からのシンデレラの歌声も 前段で何らかの形で布石を打っておいて欲しいと思う。 例えば、それこそ二人の出会いのシーンで。 そして歌声の記憶が二人を再会させる。  そのくらいの演出は欲しい。 あれでは、ただ単に女性がもう一人いる事を示唆するだけの唄でしかない。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2015-05-09 21:46:53)
339.  THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 《ネタバレ》 
レインボーブリッジに向けて突き進むミサイル。 命中直前にカットが切り替わり、爆発の瞬間は映らない。 その後に画像解析によってミサイルとヘリを割り出す謎解きシーンがあるのだから、 本来は最初飛行物体を見せず原因不明の爆発として事件を見せていくのが定石だろう。  つまりは、兵器フェチの監督にとっては爆発や謎解き構成よりも メカニック描写を優先したかったという事らしい。  そうした志向は全編にわたって窺える。  それまでほとんど存在感すらなかった、一応はヒロインらしき真野恵里菜が クライマックスでヘリ操縦者:森カンナにライバル心を燃やして対決するのだが、 そこに至る二人の因縁の劇がまるで無いのでは盛り上がりようがない。  要は、キャラクターが立っていないということだが、 その中で、太田莉菜のキビキビしたアクションが救いである。
[映画館(邦画)] 5点(2015-05-08 00:07:48)
340.  ソロモンの偽証 後篇・裁判 《ネタバレ》 
法廷劇となる後編は舞台も行動も限定的・抑制的となるだろう。 それだけに各人の所作・視線が劇を形作る。  雨が降り出す中を、娘を追いかけその肩を抱きしめてやる佐々木蔵之介。 家に戻った娘の肩に優しく手をやり、話を聞いてやる夏川結衣。 それら触れ合いの所作は、映画のラストに閉廷後の校庭でしゃがみこむ 石井杏奈を巡っても変奏される。  黒木華の平手打ち。板垣瑞生と清水尋也と間に交わされる握手。 森口瑤子が息子の友達に麦わら帽子をかぶせてやる気遣い。 そんなさりげない動作ひとつの中に各人の人間性を垣間見せるよう演出が為されている。  藤野涼子ら5人が横並びとなって校門へと歩む一つのショットで 「友達になった」ことを示す簡潔さもいい。  元校長である小日向文世に対して生徒達が感謝の意を込めて深々と頭を下げる。 田畑智子もまた、彼の背中に静かに礼をする。 それらの所作が美しい。  そうしたシーンを盛大なBGMで煽る下品な映画が多いなか、 この作品はなかなか節度があって好感を持つ。
[映画館(邦画)] 6点(2015-04-24 00:06:40)
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