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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2400
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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341.  裸のキッス 《ネタバレ》 
もう冒頭からコンスタンス・タワーズのスキンヘッドに強烈なパンチを喰らいます。しかしタイトルバックにもなっている彼女のカツラが吹っ飛ぶショットは、良く観るとバックにカツラをもぎ取るスタッフの腕が一瞬映るのですよ。いかにもサミュエル・フラーらしい粗っぽさなのですが、そんなこと気にならないほどのインパクトを持ったオープニングです。 B級ノワールや西部劇でしかお姿を拝めないタワーズですが、本作では「こんなにいい女優がいたんだ」と感嘆するほど魅力にあふれています。またフラーは劇中で登場人物に歌わせるのが上手くて、病院で子供たちがタワーズに歌ってみせるシーンは、思わず涙が出るほど素晴らしい名場面です。幼児に対する性犯罪を正面から題材にしたのは本作が初めてだったそうですが、もちろんこの時代では非常に象徴的な表現にとどまっています。逆にそのあいまいな描写が、スタンリー・コルテスのコントラストが強いモノクロ映像が描くちょっと不気味な田舎町の人間模様と相まって、独特の幻想的な雰囲気になっていて効果をあげています。 やはり本作がフラーの最高傑作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-08-22 13:43:27)
342.  パーティ 《ネタバレ》 
B・エドワースとP・セラーズのコンビはそりゃ『ピンクパンサー』シリーズの方が有名ですが、『ピンクパンサー』の作風をドリフのコントとすると、本作のセラーズの芸はさしずめ初期のビートたけしがやってたコントの味わいが感じられます。前半はとくにセリフが極端に少なく、セラーズの体を張ったパントマイム風演技はなかなかの見ものです。顔を多少黒く塗っただけで妙にインド人っぽくなっちゃうセラーズの芸は大したものです。そう言えばプロットや展開は、J・タチの『ぼくの伯父さん』や『ぼくの伯父さんの休暇』に似てますねー。B・エドワースがタチに捧げたオマージュなのかな。 H・マンシーニの音楽が意外とはじけていないのがちょっと残念でした。
[DVD(字幕)] 6点(2010-08-16 21:58:10)
343.  ボッカチオ'70 《ネタバレ》 
「どこがボッカチオやねん!」と言いたくなるのですが、そもそもボッカチオ風とはどういう感じなのでしょうか? と言う愚痴はさておき、それぞれのエピソードは楽しめましたよ。どれが面白いかとなるとどうしてもフェリーニが目立っちゃうのですが、個人的にはマリオ・モリチェリの『レンツォとルチアーナ』が良かったですね。なんか昔のネオ・リアリズモ風で若いカップルが生き生きとしてるのが好きです。それにしても最初にリリースされたビデオ版ではこのエピソードが丸ごとカットされてたそうですが、いくらなんでもひどすぎますね。 フェリーニ編はもうフェリーニ御大が遊びで撮った様な風情ですが、Z級SF映画『妖怪巨大女』なんか足元に及ばない出来ですよ(そんなもんと比べるのはちょっと失礼が過ぎました)。 ヴィスコンティ編はラストのR・シュナイダーの涙、デ・シーカ編はS・ローレンの歌が印象的です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-15 19:43:06)
344.  スパルタカス(1960) 《ネタバレ》 
キューブリック最後の雇われ監督ですが、本作はもう製作も兼ねたC・ダグラスと脚本のD・トランボの映画だと思います。ダグラスやT・カーチスといったユダヤ系俳優たちで奴隷軍団のキャストを固め、対するローマ帝国側エスタブリッシュメントにはL・オリビエ、C・ロートン、P・ユスチノフという英国名優をそろえるところなどホント憎いですねー。スパルタクスの反乱と挫折が、迫害されてきたユダヤ人の歴史のメタファーになっている気がしてなりません。ちなみに公開当時は、米国の右派勢力からは共産主義革命のメタファーだと解釈されて、全米で公開反対運動がおこったそうです(D・トランボの脚本の真意だったかもしれませんね)。そう言えば当時のアメリカはまだ人種差別政策が厳しかった頃ですし、「奴隷の反乱」というテーマも耳が痛いところがありそうです。 もっともそういうことには無関心なキューブリックが関与してるはずもなく、トランボのヒューマニズムあふれる脚本に沿って淡々と演出したみたいです(よっぽど嫌だったらしく、本作をフィルモグラフィから外してくれ、とまで生前言っていたそうです)。 今回見直してみて感じたのは、例の英国三名優が見せてくれる演技の素晴らしさでした。面白いことに劇中三人が同時に絡むシークエンスがなく二人ずつのシーンばかりなのですが、ロートンの演じるグラッカス元老議員がもっとも心に残る人物だったかな。政治はそりゃ古代から汚いものだったみたいですが、たとえ政治手法に問題があっても最期は主義主張を貫くグラッカスを、どこかの東洋の国の政治家も見習わないといかんですよ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-08-13 00:44:11)(良:2票)
345.  モスキート爆撃隊 《ネタバレ》 
『633爆撃隊』がヒットしたので、二匹目のドジョウを狙って製作された映画みたいですね。出演者もデヴィッド・マッカラム以外は地味な俳優が多くて、飛行可能なモスキート爆撃機の活躍を期待するしかないかなと思って観始めました。 冒頭から『クロスボー作戦』の映像が使われていて「こりゃ、ダメだ」とあきらめかけましたが、意外とドラマシーンは良い脚本で予想以上に観られる内容です。戦闘シーンはかなりクオリティが落ちる特撮なのですが、これは低予算だからしょうがないところでしょう。 物語はV2号(?)を製作しているフランスのシャトーを破壊するミッションに挑むというモスキート爆撃機にはお約束のプロットで、設定自体はフィクションですが大戦中にモスキート爆撃機が実際に成功させた作戦(刑務所をピンポイント爆撃して捕虜のレジスタンスを解放した)を巧みに織り込んだ内容になっています。上映時間も手ごろなのでテンポも良く、個人的には『633爆撃隊』より高評価です。さすが職人監督ボリス・セーガル、そつがない仕事をしますね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-11 00:27:21)
346.  巨大なる戦場 《ネタバレ》 
ハリウッドはユダヤ系の俳優・スタッフが多いためか時たま露骨にイスラエル寄りの映画が製作されますが、本作もその一本(もっとも、同種の映画の中では一番知名度が低いですが)。主人公のデビッド・“ミッキー”・マーカスという人はアメリカのユダヤ系退役軍人で、建国当時のイスラエルで軍事顧問を務め、「2000年ぶりに誕生したイスラエルの将軍」「ユダヤのアラビアのロレンス」などとイスラエルでは賞されているそうですが、世間一般では知名度が低いですね。アラブとの第一次中東戦争時の戦いがメインプロットですが、雰囲気は『栄光への脱出』とかぶるところが大です。 カーク・ダグラスはこういう戦意が旺盛な軍人ははまり役ですが、この人本当に役作りをしないのでどの映画でも一緒に見えてしまうのは困ったものです。ユダヤ系では無いジョン・ウェイン御大とフランク・シナトラが友情出演しています。シナトラなんか義勇パイロットとして登場しますが、実にあっさり戦死しちゃうのがちょっともったいないかな。戦争映画ながらアクション演出は冗長で、かと言って政治の動きが描かれるわけでもなく、あまり見るところがない凡作です。史実通りなんでしょうが、ダグラスが味方の歩哨に誤射されて戦死するラストも全然盛り上がりませんでした。 「ハリウッド製イスラエル万歳映画は駄作だらけ」という私のジンクス通りでした。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-08-06 19:53:39)
347.  甘い生活 《ネタバレ》 
近年、フェリーニの評価がだんだん下がってきた様な気がしますが、50年前に撮られた本作を観直して改めてため息が出ました、「あんたやっぱり凄いよ、フェリーニさん」。 ストーリーなぞあってなき様なものですが、ひとつひとつのエピソードが独立して一編の映画に出来そうな濃厚さです。 マストロヤンニを見てると、50年経とうが500年過ぎようが人間の本質は変わらないのだなと思います。 きっと誰もが腐った魚と隣り合わせで生きているけど、なかなかそれに気づかないものなのですよ。
[ビデオ(字幕)] 9点(2010-08-04 20:48:12)
348.  ジョンとメリー 《ネタバレ》 
むかし名画座で良くかかっていた作品ですが、観る機会がなく今回初めて鑑賞です。 自分が本作に持っていたイメージとはだいぶ違ってたなというのが感想。「見知らぬ男女が出会って一夜を共にし、朝になって初めてお互いの名前を告げ合う、僕はジョン、私はメリー」という様なファンタジーっぽいお話しだと勝手に思っていたのですが、ジョン(D・ホフマン)もメリー(M・ファロー)もけっこうリアルで生臭い男女でした。カットバックして挿入される二人の心象風景とモノローグで表現される本音は、大都会NYらしい乾いた人間関係を見せられるようで、メルヘンとはほど遠いものです。 公開当時の観客はどうだったか判りませんが、自分には二人に感情移入や親しみを感じられませんでした。そうですね、しいて言えばウディ・アレンの世界をもっともっとスノッブにした様な印象でしょうか(M・ファローも出てるし)。 ただ、本作のM・ファローは意外なことにとってもキュートで良かったです。
[DVD(字幕)] 5点(2010-07-31 23:23:11)
349.  レーサー 《ネタバレ》 
これはもう、実際にカーレーサーとしても活躍したポール・ニューマンの趣味で造った映画ですね。共演も愛妻ジョアン・ウッドワードと気心知れたロバート・ワグナーですから、自身でもレースカーを運転出来てしあわせだったのではないでしょうか。 よっぽど楽しかったみたいで、普段なら脚本にはうるさいニューマンも雑なストーリーも眼中になかったみたいです。なんせ。ウッドワードがワグナーと浮気するわけですが、その過程があまりに唐突でこれじゃあウッドワードがニンフォマニア(色情狂)みたいですよ。クライマックスのインディ500レースは実写フィルムを交えて迫力ある映像で、葉巻型レースカーが懐かしいですね。 たとえフィクションとは言え、インディ500で優勝することができてニューマンは大満足だったでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-20 20:47:32)
350.  殺人者はライフルを持っている! 《ネタバレ》 
B級映画の帝王ロジャー・コーマンは配下の若造に次のような話を持ちかけました。「ボリス・カーロフの契約が二日残っている。カーロフが出演している俺が監督した『古城の亡霊』のフィルムを有効利用して彼が主演の映画を一本撮ってみないか?」 その若造こそ、まだ映画監督したことがなかったピーター・ボクダノヴィッチだったのです。パワハラ上司の無理難題ですが、監督デビューをするには引き受けるしかありません。かくして必死で脚本を書いたボクダノヴィッチは持てる才能を発揮して本作を完成させたのでした。 というのがウソみたいなホントのお話しだそうですが、ヴェラ・ルゴシを使って映画を撮ったエド・ウッドとかぶってしまいます。ボクダノヴィッチはスチュアート・ホイットマンの『テキサスタワー乱射事件』をモチーフにして、カーロフが演じる怪奇映画の老スターが事件の狂言回しになる実に奇抜な脚本を書き上げました。エド・ウッドと違って才能あふれる監督だと、同じような悪条件でもこうも出来が違うのかと感心させられます。 本作の中では20分近く『古城の亡霊』の映像が使われていて、今ではなかなか観ることができない『古城の亡霊』の雰囲気が判ります。ホイットマンの実際の行動を基にしたライフル魔の描写がけっこうドキュメンタリーっぽくなっていて、銃や弾薬を準備する描写など実にハードボイルドなのです。この犯人が、『古城の亡霊』を上映しているドライブイン・シアターに潜入してスクリーンの背後からライフルを乱射するというのがまた素晴らしいアイデアです。ラストでは老カーロフが犯人逮捕に活躍するのがご愛敬です。このカーロフの役柄は、ボクダノヴィッチの大先輩に対するリスペクトが感じられて微笑ましく感じました。日本では未公開、アメリカでもほとんどお蔵入り状態で現在ではカルト映画と化してしまった本作ですが、一度観る価値は十分にあると思いますよ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-19 09:01:08)
351.  血とバラ 《ネタバレ》 
ロジェ・ヴァディムと言えば『血とバラ』、『血とバラ』と言えばロジェ・ヴァディムと語られるほど有名ですが、現在なかなか観る機会がない作品です。原作はレ・ファニュの小説『吸血鬼カーミラ』ですが、ヴァディムは舞台を現代に置き換えてお得意の官能的で耽美な映像を見せてくれます。 「ご先祖さまは吸血鬼だった」という貴族のメル・ファーラーとその従妹アネット・ヴァディム、ファーラーのフィアンセであるエルザ・マルティネリ、彼らの三角関係に甦った吸血鬼ミラーカの霊が割り込んでくるというのが大まかなストーリーです。ヴァディムの役名が「カーミラ」で、ご先祖の女吸血鬼が「ミラーカ」というのがちょっとややこしいところですが。 まあ前半はとても60年代の一流監督が撮ったとは思えない冗長な展開でがっかりさせられます。ところがですね、突然映像がモノクロに変わる幻想的なラスト15分間は、なるほど本作が語り継がれているわけだと納得させられる素晴らしさです。カーミラのドレスに沁み込んだ血だけが赤く輝きを発するところなど、『天国と地獄』の有名な煙突の煙に匹敵するインパクトがあります。この映画では、ミラーカが甦るところや吸血するところなど直接的なシーンがなく、すべての出来事がアネット・ヴァディムのメル・ファーラーへの恋心からくる妄想ともとれる撮り方をしているのも特徴です。アネット・ヴァディムは当時のロジェ・ヴァディムの奥さんですが、演技は大根ですしルックスもレベッカ・デモーネイを田舎くさくした感じですが、エルザ・マルティネリとのレズっぽいシーンなどはハッとさせられます。そう言えば、私が観たバージョンはアメリカ公開版で、レズシーンなど官能シーンを15分近くカットしたものらしいです。完全版を一度観てみたいものです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-07-14 21:51:49)
352.  世にも怪奇な物語 《ネタバレ》 
「お勧めのオムニバスは?」と人に尋ねられたら、迷わず本作をプッシュします。ポオを題材にしてはいますが、はっきり言って三者三様で出来にもムラがあります。しかし、有名なフェリーニの『悪魔の首飾り』は超絶と言って良いほどのハイレベルな傑作で、これだけは観て絶対損はしません。ヴァディム、マルとは作風が全然違うし、時代を現代に映しているのでポオが原作とは気づかないぐらいフェリーニらしさに満ち溢れています。もうあの空港シーンからして行っちゃってますし、テレンス・スタンプの演技には画面にくぎ付けにされちゃいます(この人の生涯最高の演技でしょう)。そしてあの少女が…。 フェリーニが撮った唯一のホラーを堪能すべし!
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-13 22:31:04)
353.  何かいいことないか子猫チャン 《ネタバレ》 
若き日のウディ・アレンが脚本を書いて世に出るきっかけとなった迷作。かなりくどいユダヤチックなドタバタコメディですが、今回鑑賞してふたつのことに気づきました。 まず本作は実はフェリーニの『81/2』のパロディなのです。まあ主人公は女がほっとかないモテ男であるという設定だけパクった様なものですが、セラーズの奥さん役に『81/2』の狂女サラギナを演じて強烈な印象を残すエドラ・ゲイルを持ってきたところはなかなかのセンスです。本作でも唯一の「非美女」として文字通り暴れまくっています。あと、ハレムで女たちにムチをふるうマストロヤンニの夢のシーンをそのまんま使っちゃてますし(かぶっている帽子まで同じ)。 そしてもうひとつは、これまた迷作であるあの『カジノロワイヤル』に多大な影響を与えていることです。アレン、セラーズ、アンドレス、そしてカメオ出演ですがオトゥールとキャストはかぶっていますし、スタッフはバカラックはもちろん、プロデューサーも一緒です。そういやアレンはノン・クレジットですが『カジノロワイヤル』の脚本にも参加していますね。 『カジノロワイヤル』にオトゥールが出てくるのは1シーンだけでセラーズに向かって「あんた、リチャード・バートン?」と聞くのですが、このシーンの意味がずーと判りませんでしたが本作を観てなぞが解けました。本作にはやはり1シーンだけバートンがカメオ出演していて、逆にオトゥールに「どこかでお会いしませんでした?」と尋ねるセリフがあるのですよ。要はこのシーンのお返しをオトゥールはしてたんですね、それにしても芸が細かいですな。 とは言え、本作はアレンの脚本がいじられ過ぎたのか監督の能力不足か、あの『カジノロワイヤル』にすら遠く及ばないのは残念です。全盛期のロミー・シュナイダーをはじめ、豪華な女優陣で目の保養をするのがベストかな。
[ビデオ(字幕)] 5点(2010-07-13 00:55:07)
354.  バーバレラ
これは予想以上のおバカ映画です。まずジェーン・フォンダが無重力状態でストリップをやってくれるタイトル・バックがいいですね~(モーリス・バインダー御大の傑作です)。60年代らしいキッチュな色遣いの映像と、チープな合成と特撮には懐かしさを感じてしまいます。観ているうちに気がついてくるのですが、この映画『フラッシュ・ゴードン』に登場キャラやメカが似ているのですよ。そういや『フラッシュ・ゴードン』のプロデューサーもラウレンティスでしたね。全体に漂う雰囲気もどこかアメコミ風ですしね。 そしてB級テイストを一段と際立たせてくれるのが出てくる俳優たちの学芸会なみのゆる~い演技で、これはヴァディムが笑いを狙ってたのか単にヘボなのか悩むところです。地下革命軍の首領デビッド・ヘミングスが出てくるシークエンスは、あまりに意味不明でくだらないギャグの連続であきれ返ってしまいました。まあこれは、ヴァディムとラウレンティスの自己満足に満ちた映画史に残る珍作であることは確かですね。
[DVD(字幕)] 5点(2010-07-07 00:17:56)
355.  アラベスク 《ネタバレ》 
鏡像にこだわりまくったカメラアングルはちょっと変態チックで、あまりのしつこさに辟易させられます。ラリったグレゴリー・ペックが自転車を乗り回すシーンは実にシュールで、なんか見てはいけないものを見てしまった様な気がしました。まるでケン・ラッセルの映画みたいですな。サスペンスの語り口としては奇をてらわず実にオーソドックスなのですが、ちっともストーリーが理解できないのは私の頭が悪いせい?それとも脚本の出来が悪すぎるのかな?
[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-06-22 22:01:19)
356.  獲物の分け前 《ネタバレ》 
ロジェ・バデムとジェーン・フォンダの関係は有名ですけど、意外とコンビを組んだ映画は少ないのですね。時代設定を現代に変更しいかにも60年代風のキッチュな映像なので、原作がエミール・ゾラの短編小説とは思えない雰囲気です。ブルジョア実業家の妻が連れ子の美青年と恋に落ち、本気になっちゃって離婚して息子と駆け落ちしようとします。ミシェル・ピッコリは事業のために妻の財産を横領しちゃう非情な夫なのですが、この息子がまた打算的なワルで結局フォンダを捨てて金持ちの娘と婚約します。確かに描かれる風俗はカラフルですが、ストーリー自体は極めて古風ですね。フォンダの暮らしぶりが絵に描いたような贅沢三昧で、バディムらしくそこかしこにフォンダの肢体をなめまわす様なサービス・ショットがちりばめられてます。ですが演出はあまりに凡庸で、なーんか安っぽい感じなんですね。 『バーバレラ』には遠く及ばぬ出来というところでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-06-22 01:21:18)
357.  柔らかい肌 《ネタバレ》 
昔の仲谷昇にそっくりな主人公の主観ショットが多用され、観てる方まで不倫してるみたいな気がしてきてドキドキさせられます。こういう経験、男なら大なり小なり覚えがあるでしょう。まあ、相手がF・ドルレアックということはあり得ませんが(笑)。とくにランスでの講演旅行のシークエンスは、ヒッチコック風演出が冴え渡り、トリュフォー映画の中でも屈指の出来栄えでは。ラスト、旦那を撃ち殺した奥さんが浮かべる表情が、なんだかとっても淫靡で意味深でした。
[DVD(字幕)] 8点(2010-06-17 00:34:19)
358.  ピアニストを撃て
有名な作品ですけど、これってトリュフォー長編二作目なんですね。とてもそんな若造が撮ったとは思えない技巧を見せてくれますが、ストーリーテリングには若さゆえの荒削りなところも目立ちます。でも私、このオフビートな雰囲気は好きですね。登場人物たちのちょっとピントが合わない会話も、タランティーノの得意技みたいで今観ても斬新です。それにしても同時期に盟友ゴダールが撮った『勝手にしやがれ』と比べると、ゴダールのレベルの高さには驚かされます。
[DVD(字幕)] 7点(2010-06-16 00:53:06)
359.  華氏451 《ネタバレ》 
サスペンスやSFものを撮ると(もっとも、トリュフォーが撮ったSFは本作だけですが)、この人はヒッチコック・コンプレックスなので妙に力んで頭でっかちな作品を作っちゃう傾向があります。ブラッドベリの原作はSFよりもダークファンタジーに近い内容だと思いますが、トリュフォーはどちらの要素も消化できなかった様な気がします。“Fireman”たちがモンターグを携帯ジェット装置でホバリングしながら追跡するシーンでは、びっくりするほど下手な合成処理のせいで人物を吊るしている太いワイヤーがくっきり映っちゃって興ざめも良いとこです。“Fireman”出動するシーンは、シュールな雰囲気で好きなんですが、やはり全体的にもっと丁寧に撮らないといけませんね。
[DVD(字幕)] 5点(2010-06-10 00:34:01)
360.  ロリータ(1962) 《ネタバレ》 
カメラワークや音楽の使い方などに、キューブリックらしい斬新さやキレが見られないのはどうしてだろうか。同時代のB級メロドラマをパロってわざとダサく撮ったのでしょうか。その反面、役者たちの演技はなかなかレベルが高いのですが、中でもP・セラーズは自分が観た映画のうちベスト3に入る不快なキャラです。ロリータ役のS・リオンに関しては、どうもロリータのイメージとはかけ離れてしまっている気がします。規制をクリアするためにロリータの年齢を原作より上にしなければならなかったりして苦労したらしいですが、これではウソばかりつく単なる悪女としか見えないのが残念です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-06-05 19:35:30)
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