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21.  ピクニックatハンギング・ロック 《ネタバレ》 
風に揺れる木々、そこから反射して漏れ落ちる陽の光、それと対照的に不気味にそびえる岩山。寝そべったり座ったりしている少女たちを、ローラーを引くようにじっくりと撮るカット。ボッティチェリの天使という表現が少しも誇張でない、そのまま神の国に消えても何ら不思議でない、ミランダの神々しい美しさ。謎に満ちた失踪事件の舞台を、映像で見事につくりあげてしまっています。何かに吸い寄せられるように上へ上へと登っていく少女たちは、まさに神に導かれたに違いありません。そう信じさせるほどの凄まじい映画としての迫力があります。後半は一転して、暗い屋内でのシーンを中心に、残された者たちの静かなる崩壊を描き、前半の失踪事件のインパクトを倍増してくれます。結局、謎の解決は何も示していないのですが、それが作品の奥行きを深め、台詞の一つ一つやちょっとした描写にまでいろいろと考えさせてくれる内容となっています。それと、音楽も効果的に機能していますね(メロトロンまで使っちゃってます)。
[DVD(字幕)] 9点(2008-02-09 00:38:38)
22.  虹の女神 Rainbow Song 《ネタバレ》 
予想以上にしっかりした内容でした。まず何よりも、脚本がすみずみまで気が配られていて、台詞の一つ一つまで執念のように作り込まれているのが良い。登場人物のやりとりを聞いているだけで自然に引き込まれますし、各キャラクターの成長を自然に表現しています。上野樹里は、発声はかなり今ひとつなんだけど、役作りに関しては相当気合を入れた様子が窺えます(主人公の彼も、作中の役柄同様、それによってかなり引っ張り上げられてますね)。また、蒼井優も、それほど登場時間は長くないのに、最後のキメの一言をしっかりと決めてしまう存在感は素晴らしい。あと、相田翔子のシークエンスは、主人公の一つの「旅」としてヒロインに向けた感情を固めるところに意味があります。その矢先に事故があるところに落差が生じるわけで、もしあのシークエンスがなければ、ラストの感動は半減したでしょう。
[DVD(邦画)] 9点(2008-01-05 03:21:23)(良:1票)
23.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
やっぱり一番凄すぎるのは、このタイトルでしょう。別にひまわり畑が出てこなくたって、このストーリーの成立には何ら影響しません。それを、冒頭・中間・エンディングの3か所で登場させ、なおかつタイトルにも使用したというだけで、一瞬にしてすべてを凝縮・象徴させ、また作り手としてのある種の祈りをも封じ込めています。で、もう一つは、最後に主人公たちがきっぱりと自ら結論を出しているところ。それも、その直前まではどうなるか分からなかった(逆に転んでいたかもしれなかった)。そのようなあやふやで不安定な中で、それでも下される人間の「意志」は、何よりも尊いのです。それをきちんと描いてくれているのが嬉しい。
[映画館(字幕)] 9点(2007-12-07 04:38:12)(良:1票)
24.  ラスト・ショー 《ネタバレ》 
登場人物の何気ない日常生活を追っている中で、まるで一つの街が静かに消滅する断末魔の過程を抽出したかのような、実は壮絶なドラマ。吹きすさぶ風に舞う砂、およそ人通りのまったくない街並みで統一したトーンが、その容赦なさを浮かび上がらせている。それでも最初はそれなりにがやがやといろんな人がいたはずなのに、いつの間にか一人ずついなくなり、最後は気がつけば荒涼とした光景だけが残っている。その中で、若者たちにスポットを当てながら、同時に周辺の大人たちの人生を巧く絡めている周到な重層的構成が、作品の価値を高めている。●最初に見たときは、青春映画のヒロインのくせしてこのジェイシーの最悪さは一体何なんだ、と思っていたのですが、彼女はもともと、このスモールタウンには存在しえない都会の象徴だったのですね(なので、最後に「8月からは戻ってきていない」と語られている)。そう考えると、位置づけや行動原理がぴったり分かってきます。一方で、クロリス・リーチマンの中年の色気はもちろんのこと、まさにジェイシーの血筋はここからだろうと思わせる母親(エレン・バースティン)もよく見ると結構可愛いし、食堂のおばさんにすぎないアイリーン・ブレナンも魅力的に撮られているし、この辺の細部への気遣いが、作品に輝きを与えています。●最後、行くところがなくなった主人公がどこへ行き、そこで何が起こったか。このラストシーンもまた、物語の着地点として、何度見ても秀逸です。
[DVD(字幕)] 9点(2007-06-23 02:51:15)
25.  ある日どこかで 《ネタバレ》 
何よりも素晴らしいのは、タイムトラベルの方法自体が当事者の「意志」の力を強く讃えたものであること。結果として生まれたものはほんの1日か2日程度の恋愛なのですが、そのような馬鹿げた行為に全人生を費やすような強い決意は、恋愛映画としては絶対的に大正解なのです。最初のキスシーンの二人の表情の神々しさにはクラクラしそうになりますし、階段での再会の場面の映像的な美しさには何度見ても鳥肌が立ちます。俳優陣もスタッフもみんなで作品を大切に扱って完成させたのが芯から伝わってくる名作です。
[映画館(字幕)] 9点(2007-03-21 12:59:30)(良:1票)
26.  リトル・ミス・サンシャイン 《ネタバレ》 
最初の全員揃っての食事のシーンだけで、登場人物それぞれの駄目っぷりと、俳優陣の呼吸の合い具合に笑いが止まりません。全員が欠点まみれな割に不快感が起こらないのは、制作者の対象に対する愛情が満ちあふれているからでしょう。クライマックスの、ほかの人に比べて明らかに貧乏くさい服装の一家が、ちっとも揃ってない格好悪いダンスを嬉々として踊るシーンの何と素晴らしいことか!あと、アーキン爺さんやアビゲイル・オリーブちゃんのインパクトが若干目立つ感じですが、あえてこの作品の最大の功労者としては、トニ・コレット・ママを挙げたい。いろいろ変な人たちが集まっている中で、あのように一見して特徴のなさそうな人ほど、演じるのが難しいはずです。
[映画館(字幕)] 9点(2007-01-08 22:31:45)(良:1票)
27.  忘れえぬ想い 《ネタバレ》 
婚約者が事故で早逝して、1人残されたヒロインと、それを見守る男が・・・というところまではほかにもよくあるが、そこに婚約者の遺子を絡ませているのが、あるようであまりなくてなかなか新鮮。しかし、何よりもこの作品で強烈に印象的なのは、額に汗して髪を振り乱して必死で生活を成り立たせるセシリア・チャンの姿である。真剣な顔、焦った顔、怒り顔、泣き顔など表情も豊かなのだが、最後の一杯の笑顔には完全にやられました。最初は赤の他人だった2人が、親交、助け合い、好意、葛藤、衝突などを経て、ラストの着地点に至るまでの過程も、丁寧かつ自然に描かれています。また、香港のミニバスの裏事情や日常場面をきちんと絡めているのも、作品に味わいを与えています。
[DVD(字幕)] 9点(2006-11-21 23:01:35)
28.  魔界転生(1981) 《ネタバレ》 
主役の天草四郎がジュリーというキャスティングのセンスが凄すぎ。彼ほどのアイドル性とカリスマ性を持った人であれば、霊界から甦ったと言われても納得してしまいますし、少しも衣装負け・美術負けしていません。当時アイドルとして売り出し中だった美青年・真田広之も、ジュリーの前ではまるで子供ですね。細川ガラシャの佳那晃子も頑張っています。いつもは脇役のことが多いので、これほど存在感があったというのにはびっくり。2人が並ぶと、千葉真一や若山富三郎ですら食われてしまいそうです(ラストの殺陣は別格ですが)。よく見ると、登場人物のそれぞれの動きは適当でばらばらなのですが、陳腐な団結とか統一目標といったものを出さずに迫力で全部押し切っているのは見事。
[映画館(邦画)] 9点(2006-09-12 01:00:21)(良:1票)
29.  めぐりあう時間たち 《ネタバレ》 
細部まで一字一句を無駄にしない、また疎かにしない脚本の凝りように唸らされるが、それに加え、主演3人の卓越した演技力で、最後まで先々への興味を引っ張ってくれる。とりわけ、ストリープとムーアは実力通りとしても、ニコール・キッドマンがそれと互角の存在感を放ち、また他の2人との対比での締めの芝居を堂々と行っているのにはびっくりした。さらには、クレア・デーンズやジョン・C・ライリー、トニ・コレット、ミランダ・リチャードソンといった脇役たちも、各自の位置づけを十分に理解した確実な芝居を見せてくれている。3人の人物が、それぞれ、影から出てきてまたひっそりと影に消えていっているような、独特の雰囲気も心地よい。●改めて見てみると、主演の3人は、共演シーンは(ほぼ)ないにもかかわらず、どのシーンでも、「ほかの2人はどう演技しているか」を把握した上での芝居を行っているんだなあ。凄すぎ。
[DVD(字幕)] 9点(2006-08-01 00:52:20)
30.  日の名残り 《ネタバレ》 
冒頭、エマ・トンプソンの気品と迫力溢れるモノローグで、一気に作品に引き込まれる。職務に忠実であることを至上命題とする(しかし、それに嫌味がない)執事と、理知的でありながら自然に内面を表している女中頭の、無言の心理攻防戦。本を取り上げようとするシーンの一瞬の接近がもたらす官能性と、ホプキンスの冷たい一言にエマ・トンプソンが涙するシーンがもたらす感情の重さ。これこそ名演だと思う。さらには、音楽や美術や照明関係の充実も素晴らしく、まさに作中の使用人たちのような職人芸の誇りを感じさせる。つまり、この映画そのものが、私たちにとってのダーリントン・ホールなのだ。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-23 00:49:41)(良:3票)
31.  恋におちて
名優2人の自由自在な演技と表現を堪能しました。オシャレで気の利いた台詞も、進行を揺るがすような事件の発生もないのに、すべてのシーン、すべての台詞に一切の無駄がなく、最後まで息を詰めて見入ってしまいました。本作での主演の2人は、1つの台詞を発するまでに、10も20も演技をしています。だから、文字にしたら平凡な一言でも、登場人物の心の叫びを乗せた大切な一言になっているのです。導入部からメインの部分を経て最後の収束まで、必然の流れで進行し、登場人物の微妙な心理の揺らめきを細心の注意で表現しきった、大人向けラブロマンスの最高水準作です。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-28 01:53:06)(良:1票)
32.  ソフィーの選択 《ネタバレ》 
最初に見たときは、現在の妙な三角関係の描写ばかりで話が前に進まないとか、ケビン・クラインが1人で切れすぎではないかとかいろいろ拍子抜けした部分があったのですが、よく見てみたらとんでもない。あの三角関係の中にこそ、ソフィーが背負ってきたものの重さが全部に滲みまくっているということが今頃になって分かりました。ネイサンはひたすら自己中心的でコミュニケーション不全なのですが、解放後に魂を抜かれたような状態になっていたソフィーとは、きっとお互いに同じものを感じ合ったはず。そうすると、ケビンの切れ具合も必須の描写であったことが分かります。また、一気に話を飛ばすことなく、一枚一枚薄紙をめくるように明かされるソフィーの過去も、強力な現実性をもって迫ってきます(「嘘をつきすぎてどれが本当か分からなくなった」というソフィーのさりげない一言が重い)。これこそが人間ドラマの描写です。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2005-07-11 00:18:15)(良:1票)
33.  マーシェンカ
哀愁系・悲恋系ラブロマンスの最高レベルの作品。本題に入るまではややテンポが緩いが、回想シーンのしっとりとした美しさ、クライマックスへ向けて高まる心理、ラストシーンがもたらすとめどない切なさなどは、強烈なインパクトを残してくれる。骨組みはどうということはない話なのだが、じっくりと登場人物の心境を醸成することによって忘れがたいドラマを作ることができるという好例。1日も早いDVD化を望む。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-04-19 21:43:31)
34.  シンドラーのリスト
「リスト」をタイトルにしていながら、そのリスト作業が出てくるのはごく一瞬。それに向けて、シンドラーとゲートの対照軸を中心としながら、一つ一つのシーンを地道に積み重ねているのが素晴らしい。中心の2人すら、作品の中では突出した脚光を浴びることはなく、あくまでも全体の進行の中で、無数の登場人物と一体となって描かれる。だから、この作品は、当時の「世界」を明確に写実化したものとして、大きな説得力を有するのである。そして、さらにインパクトを残しているのが、重量感と立体感あふれるモノクロの映像、とりわけ光と影の使い方と、ジョン・ウィリアムスの気品に満ちた音楽。3時間半があっという間。
[DVD(字幕)] 9点(2005-03-30 03:32:27)
35.  エターナル・サンシャイン 《ネタバレ》 
ハッピーエンドなはずなのに、全体がすべて切なさともの悲しさに満ちているという不思議な作品。ただそれは、一度は関係が破綻して相手の記憶の抹消までを望んでいながら、それでも心の奥底では互いに相手を求め続けているという人間の大いなる矛盾と非論理性を、あるがままの状態で誠実に描写した制作者の真摯な姿勢によるものであろう。脳内探求の部分では、過去と現在、回想と現実を容赦なく同時に進行させ、人の記憶の不規則性・不連続性を的確に映像化しているため(これは凄いことだと思う)、見る側にとっても、本当に主人公とともに脳内を歩んでいるような緊張感を強いられる。そして、このような難しい世界で存分に持てる能力を発揮したジム・キャリーとウィンスレットの底力は、実に素晴らしかったと思う。
[映画館(字幕)] 9点(2005-03-21 21:38:26)(良:1票)
36.  ビフォア・サンセット 《ネタバレ》 
まず、9年後の2人という設定で本当に9年後に作ってしまうという発想が素晴らしい。会話の内容は前作以上に緻密で、しかもそれを積み重ねていく内に、残り時間の一分一秒を愛おしく感じている2人の心情が明確に浮かび上がっている。前作の作品世界を大切にしつつ、それでいて登場人物の成長や変化を的確に作り込んでいるという点において圧倒的に優れた作品。ジェシーの子の名がヘンリーであることから、別の文脈でもその単語を口にできないセリーヌが何とも可愛らしい。ただ、カメラについては、長回しにここまでこだわる必要はなかったと思う。
[映画館(字幕)] 9点(2005-02-20 23:28:01)
37.  恋人までの距離(ディスタンス) 《ネタバレ》 
電車の中で初めて対面した相手と意気投合していきなり一晩デートする、なんて、一言でまとめたらものすごく陳腐だし、よほど一時的に盲目にならないと本来はできないはずなのだが、この2人は、あくまでも理知的に理性的にことを進めているのが素晴らしすぎる。しかも、この2人がそれに及ぶ経過が実に自然かつ必然的であって、キャラクターの作り込みの丁寧さを実感させる。一夜のデートの過程も、あえて風光明媚な場所を避け、トラムの中、普通のカフェ、道端、公園というような場所を選んでいるのだが、どの地点の選択も実にストーリーにぴったりはまっている。単純でありながら無限の解釈を可能にするラストも素晴らしい。そして、2人が別れた後に、それまで通ってきた場所の「朝の光景」を映し出すシークエンスは、胸に突き上げるとてつもない説得力をもって迫ってくる。恋愛初期の男女の接近という場面を舞台に、人の心理の細やかな動きを徹底的に描写しきった傑作。なお、ダブル・ミーニングを含む邦題も秀逸だと思う。
[DVD(字幕)] 9点(2004-12-26 04:31:05)(良:1票)
38.  ラスト・プレゼント 《ネタバレ》 
単なる闘病系悲恋物ではない、すべての要素が絶妙に絡み合って果てしない感泣をもたらす秀作。まず、詐欺師コンビの動き、ヨンギの両親との絡み、ジョンヨンの過去の秘密など、さりげないサイドストーリーの組み立て方が良い。また、病気が判明した後においても、両方がバレバレの嘘をつき、互いにそれに気づきながら気づかないふりをして、しかも相手に気づかれていることも実は互いに知っているという繊細な心理のやりとりが泣かせる。このような、表面上はまったく表れない相手への気遣いを適切に表現し、しかもそれを高らかに讃美してみせたという点で、この作品は唯一無比だと思う。そして、イ・ヨンエの、すべてのシーンにおいて、目の動き、唇の動きに至るまでパーフェクトな表現をしてみせた演技力は、驚嘆するほかない。こんな意思の強さを持っている奥様に「それは私じゃないのよ」と言い切られたら、黙って引き下がるしかないでしょう。それらを踏まえた上でのラスト30分の怒濤の泣かせ攻撃は、強烈の一言。フィニッシュも、これ以外にはないくらい見事です。蛇足ながら、音楽も素晴らしいと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2004-06-26 21:40:01)
39.  ジュリア 《ネタバレ》 
前半はジュリアとの過去を一枚一枚回想していき、それが後半の一本のサスペンス・ドラマとして見事に結実している。その後半は、駅に着いて汽車に乗ってからカフェで無事目的を達して別れるまで、中途半端な盛り上げは一切ない。背景の説明もほとんどないし、言われた理由が本当かどうかも分からない。そのくせ、「箱を渡して」など、一言で彼らの真剣さと用意周到さを表現しきっている。一本の鋼線のような張り詰めた緊張感、各シーンにまったく無駄なし。ベルリンのカフェでのレッドグレーヴの演技には、神々しさすら感じる。
[映画館(字幕)] 9点(2004-06-05 02:55:32)
40.  ラヴソング
10年近くにわたる年月の経過、大陸から香港からNYというドラマの規模(大陸は直接的な舞台ではないが)が少しも過大ではなく必然性があり、しかも描かれている内容はごく身近なラブストーリーの丁寧な描写であるという、まさに奇跡のような作品。友情愛と男女愛のぎりぎりの境界を精密に表現している脚本にまず驚嘆させられるが、しかも、その中で、すべてのシーンとすべての台詞にきちんと意味があるというのが素晴らしい。前半はじっくりと、後半は一気に駆け抜けるというバランス配分も絶妙。そして何より、表情の豊かさをフルに活用して、しかも指先から背筋に至るまでヒロインの心理表現を行い尽くしたマギー・チャンの名演は、何度見ても鳥肌が立つ。あくまでも現実世界にいくらでも存在しそうな設定に立脚しながら、ごく日常的な場面の切なさを漏らさずに盛り込んで1つの別世界を創り上げてしまった傑作。なお、蛇足ながら、食べ物関係を中心とする小道具の使い方も効果的だと思う。
[DVD(字幕)] 9点(2004-03-15 01:41:18)(良:3票)
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