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21.  君の名は。(2016)
ロジカルで現代的な舞台設定を根っこにしながら、SF、ファンタジー、ラブコメ、さらにはアニメーション独自のダイナミズムやデフォルメがごった煮になった、不思議な手触りの作品だ。前半は複雑な情報が錯綜して分かりにくいが、中盤以降の展開や視点は観客の心をグッとつかむ方向にきちんとコントロールされており、観た後は観客に余韻が残る作りになっている。「面白かった」「感動した」と一言で言えない手触りや感想を、観たそれぞれの人たちが感じられる、多様性のある作品に仕上がっているのではないだろうか。  10分ほどで一気にここまで書き上げてみたが、まるで新聞記事のように客観的で血の通わない文章に自分で驚いている。観た後の、熱くて切ない気持ちがある一方で、大ヒットした現状に、どこかで冷めた気持ちも働いてしまうのだ。自分だけの作品、あるいはマイナーな作品であってほしかったと考えてしまう想いに何とも言えない寂しさも感じてしまうのだ。これがマイナーな世界で生きてきたオタク――と勝手にひとくくりにしてしまっていいのか分からないが――の一方的で病理的でもある、不思議な感覚なんだろうなぁ。
[地上波(邦画)] 8点(2018-01-04 04:42:37)
22.  HERO(2015)
僕にとっては東映オールスターキャスト映画のような作品(観たことないけど)。お馴染みのメンバーには安定感があるし、見せ場もある。ストーリーもシリーズを逸脱せず、収まるべきところに収まっている。一言さんお断りで安心感重視の作りなので、映画として、また映画館で観るべき作品ではないのかもしれない。だが今回のテレビ放送は、僕のようにテレビシリーズを全話観てきた者にとっては、スペシャル番組として充分に楽しめた。
[地上波(邦画)] 7点(2016-12-20 10:31:40)
23.  蜘蛛巣城
この作品のために作られた城のオープンセットをはじめとして、多くの馬や役者などからは、時間や手間、お金をかけているのが伝わってくる。こういった点は、黒澤作品ならではのゴージャス感として高く評価している。また、ラストでの、矢で串刺しになる主人公、鷲津武時の死にざまは、壮絶で美しく、そして迫力満点で、強く印象に残るものだ。しかし、その他の面においては、多くの不満が残る作品だったのも事実だ。まず、ストーリーに関して、理解はできるのだが、物の怪の妖婆の登場で見方が分からなくなってしまった。おとぎ話として観ればいいのか、実際にあったことのようにリアルな視点で見ればいいのか、それが僕の中で定まらないまま、作品が終わってしまった。つぎに、映像面に関しては、重厚ではあるのだが、シーンによってはバッサリ切れるだろうと思われるカットがあったり、明らかに間延びしているカットがあったりして、映像の流れと気持ちがシンクロ出来ず、気分が高揚しなかった。この原因としては、ゴージャスに作りすぎたために、編集段階で切り詰めることができなかったのかな、と勝手に想像している。それから、能などの伝統芸能を演出に取り入れていることに関しても、それが映像作品としての完成度を上げているかと考えると、疑問が残る。上記の、不要と思われるシーンやカットと同様に、その演出が、作品と僕の心のシンクロを阻んでしまったからだ。もっとも、これに関しては、伝統芸能に対する僕の素養が足りないのかもしれないし、この作品の公開当時と現在とでは、いわゆる一般大衆の、伝統芸能に対する経験値が違うのかもしれない。あと、人物描写で言えば、主人公の妻の浅茅には、最後まで強いままでいて欲しかった。主人公に主君の殺害を吹き込む前半と、殺害時に付着した手の血の幻を洗い流そうとする後半で、その描写が、明らかに齟齬をきたしてしまっている。最後に、音響面に関して述べてみたい。作品鑑賞の前にこのページを読んだところ、セリフが聞こえにくいとあったので、最初から字幕をつけて観ることにした。字幕によって、画面全体は観にくくなったが、ストーリーが追いやすくなったのは良かったと思う。それにしても、一番聞き取りにくかったのが三船敏郎の声というのは、意外と言えば意外だったかな。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-05-29 22:52:45)
24.  生きものの記録
いわゆる超大作ではないだろうし、黒澤映画の中では時間が短い方だから、と気楽な気持ちで観始めた。だが、内容やテーマが想像以上に多重的で重く、観終えたあとの気持ちはとても重苦しい。この作品にある、原水爆への恐怖心から家族総出でブラジルへの移住を進めようとする主人公の立ち振る舞いのようなことは、たとえここまで大きな問題でなくとも、我々の生活のどこかにあるのではないか、と思う。僕自身の経験で言えば、こんなことがあった。10年ほど前に、仕事関係の会の有志で、軽く山登りをしようと計画したときのことだ。そういった試みは初めてのことで、ピクニックのようなコースを歩くことになったのだが、保険や安全装備などを必要以上に心配して、そういったフォローをとことんまでしようとする、一人のメンバーに辟易したことがあった。当時は、僕がそのリーダーに担ぎ出されていて、その行為に対して、そこまで心配しなくていいのでは、と消極的反対をしたのだが、そういった心配は正論と言えば正論だと、ほかのメンバーは誰も表立っての反対ができず、結果、リーダーとして、そのフォローに大変な負担を強いられたことがあった。それ以後、僕は山登りを計画しなかったし、とっくに交代した歴代のリーダーも、山登りを一度も行おうとしていない。そしてもちろん、そのメンバーは今も会に在籍している。僕自身のこういった経験からも、過剰な善意による、結果的な迷惑行為を止めるのは大変難しい、と強く思うし、それゆえに、この作品での、そういった問題を正面から描いたことによる重さに、すっかり参ってしまったのだ。しかし、この映画の重いところはそれだけにとどまらない。そういった迷惑行為がエスカレートすることによって、結果的に家族の生活基盤までもが崩壊してしまう。その崩壊に至るまでにも、主人公の、妾を含めた複雑な家族構成や、そこから見え隠れする人間の醜さがじっくりと描き出されていくのだ。確かに、それによって、この映画のドラマ性はさらに深みを増し、映画の完成度はさらに上がっている。だが、皮肉なことに、それが、観ている僕の心をますます重くしてしまうのである。上映当時の興行成績は良くなかったそうだが、それは、エンターテインメント性に欠けた、この映画の重さのためなのではないだろうか。徹底的に救いのない内容であるため、何度も観たい映画ではないが、ドラマ性のある作品を観たいという人にはお薦めしたい、非常に良く練り込まれた作品だと思う。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-05-05 18:16:19)
25.  天国と地獄
数年前に購入したクライテリオンのディスクチェックをするだけのつもりだったのに、作品の迫力に引き込まれて、結局、そのまま全部観てしまった。この映画を観るのは4回目くらいだと思う。初めて観たのは20年以上前の学生時代で、その時もとても面白いと思った。だが、当時はその迫力くらいしか理解できていなかったように思う。あれから20年以上生きてきて、あの頃よりはわずかではあるが、社会や人間、そして映像を理解できるようになった今の方が、この作品の偉大さがよく分かる。主人公の権藤邸をほとんど出ることがない前半の、カメラアングルを含めた舞台劇のような作りは、作り込み感が強くて僕好みではないものの、そのカッチリとした美しい構図は見事だ。中盤の、身代金受け渡しから誘拐された子供を迎えるシーンの臨場感とスピード感には、ここぞとばかりに盛大に使われた音楽の効果も相まって、涙が出そうになるほど心が震えた。犯人の捜索から特定、逮捕に至る後半は、極めて丁寧に作り込まれていて隙がない。最終シーンの、権藤と犯人である竹内の対決も見事で、竹内の虚勢を張りたいという気持ちと、そこからはみ出してしまった弱さは、人間的に未成熟な若者の姿を見事に表現している。さらに言えば、作品全体をシャープにしながら、同時に緊張感を持たせている大きな要素は、説明セリフを舞台や設定のために必要最小限に抑えながら、それぞれのシーンにおける人物の気持ちに関して、セリフではなく、その動きやカメラアングル、そして音で表現しきったというところだろう。使い古された表現だと思うが、こう思わずにはいられない。黒澤映画とは、映画が映像であるということを再認識させてくれる作品群である、と。
[ブルーレイ(邦画)] 10点(2016-05-04 15:32:00)(良:1票)
26.  バケモノの子 《ネタバレ》 
細田流アクションホームムービーの傑作。息子と育ての父親、素直なコミュニケーションをとれないもの同士が憎まれ口を叩きあいながらも最終的に支えあう道を選ぶ。そこへ至るまでの構成や綿密な伏線の回収が見事。特に終盤、館内で鼻水をすする音が響いていたのもその証明になるはずだ。ただ唯一残念なのは冒頭の九太。母親が亡くなって父親が出て行ったあととはいえ、9歳の子供が家を飛び出すほどに父親や葬儀を済ませた親戚を嫌う理由が理解できなかった。そのために、映画開始から修行の旅まで物語にのめりこめなかったのは残念だ。
[映画館(邦画)] 9点(2015-07-11 23:43:03)
27.  緋牡丹博徒 お竜参上 《ネタバレ》 
「大アンケートによる日本映画ベスト150」で名作とあったので観ることに▼いわゆる東映任侠映画を観るのはほとんど初めて。しかもこのシリーズ第六作は第三作の続編だったらしく、客演的な登場人物――特に若山富三郎――、分からない展開、そしてリアリティよりもストーリー進行優先で見せる場面には少々疎外感が。▼だが一方、「任侠映画の傑作」と言われることには心から納得▼固定カメラ、特にアップで映される藤純子は美しく、そのまま一枚のポスターにしていいくらいアングルが決まっている。加藤泰監督の特徴とされるローアングルも、その構図が作品に重厚感と安定感を与えている▼そして巧みな脚本。始めは小悪党にしか見えなかった敵役の一家はどんどん罪を重ね、最後の大立ち回りで滅んでいく。それは僕ら観客のカタルシスを見事に盛り上げてくれる。様々な魅力を持ったこの映画は、結果的に「観て良かった」と思える仕上がりになっている▼特にリアルタイムで観た人には堪らない映画のはず。一方、僕のように後追いで観るには、ストーリーや映画自体の時代背景など、予備知識が必要だし、知識があればさらに楽しめる映画だと思う▼「なぜ「趣味は映画鑑賞」と聞くと、高尚な趣味だと思うのか? それは、たとえ娯楽映画であろうと、趣味として幅広く観るにはそれなりの知識を必要とするからである」。この映画と直接関係ない、そんなことを考えた。
[DVD(邦画)] 9点(2015-04-15 11:27:03)
28.  二十四の瞳(1954) 《ネタバレ》 
「大アンケートによる日本映画ベスト150」で名作と知り、ビデオレンタルで初めて観たのは大学4回生の時。画像が良くなくて台詞が聞き取りにくいというのが第一印象で、正直、内容や良さはよく分からなかった。それでも格調の高さは感じられたので、一応ダビングして保存▼二年前、そのビデオを当時小学3年の息子に観せたが、半ばでギブアップされる。曰く「面白くない」▼その頃にブルーレイが発売され、何となく購入。そして昨晩ようやく1人で鑑賞。この年になってようやく分かる。「確かにこれは名作だ」▼程良い広さと美しいロケーションを持つ小豆島。島の風景と、そこで描かれる村民の生活が素晴らしい。まずは風景を観るだけでも心が和む▼顔やしゃべりかた、立ち振る舞いで、それぞれの個性がよく出ている島の子供。その表情を丁寧にとらえたカメラワークも素晴らしく、容易に見分けられるそれぞれの子供に感情移入が出来、後に描かれる貧困や戦争による悲劇が一層胸にしみる▼その子供を誠実に受けとめる大石先生。高峰秀子の年齢に応じた演じ分けは本当に見事▼ただこの作品、何の予備知識も無いまま観ても面白くないのも確かだろう。映画内で語られる、ほんの90年ほど前に当たり前だった生活環境――例えば産後のひだちで母親が亡くなり、間も無く赤ん坊も母乳をもらえないまま亡くなる状況――は今ではほとんど見られない。こんな状況は、僕でさえ咄嗟には信じられない。ましてや今の子供が観たら想像さえ出来ないはずだ ▼ある程度の人生経験と予備知識が無いと感動を味わえなくなってしまった名作。そして、それが時代を誠実に反映して撮られたゆえのこの現状。歴史とは皮肉なものだ。
[ブルーレイ(邦画)] 10点(2015-04-05 00:38:10)(良:2票)
29.  復讐するは我にあり 《ネタバレ》 
昨晩見始めたきっかけは、「発泡酒を飲む間のつなぎ」だった。にもかかわらず最後まで観てしまい、350mLの発泡酒は半分ほどコップに残ったまま。それほど気持ちが入った状態での鑑賞となった▼この映画のDVDを買ったのは数年以上前だったと思う。これまで奥にしまいこんでいたディスクを、大掃除をきっかけに目のつきやすい本棚に移動。今回の視聴となった▼今、僕は43歳。この歳で、この映画を観られて本当に良かった。数年前ではここまで巌の行動を理解出来なかったはずだ▼自分勝手で攻撃的、ときに冷静で紳士的で理知的。これら、男が少しずつ持ち合わせている様々な性質。主人公の榎津巌はこれら性質を、本能のおもむくままあるいは意図的に駆使。結果、破滅へ向かっていく▼そこに理屈は感じられない。やりたいように、そしてやれるようにやる。映画内で巌の心の説明はされない。だがそれらの行為は充分に理解出来るものだし、それゆえ感情移入しながら観られた。この類型的でない主人公を見事に演じきった緒形拳は素晴らしい▼他のキャストでは、複雑な立場を細やかに演じた倍賞美津子、その迫力で緒形拳と互角に渡り合った清川虹子を評価したい。
[DVD(邦画)] 9点(2015-03-31 11:54:29)
30.  座頭市物語 《ネタバレ》 
20年ぶりに再観。いやあ、面白い。感心するのは、全編に渡ってプロットやドラマツルギーがとてもしっかりしていること。それが為に、座頭市と平手造酒の対決シーンの盛り上がりとやるせなさという、相反する感情がこみ上げてきて、強く胸を打った。俳優を見れば、まずは勝新太郎の、独特のちょっとした仕草や間からくる存在感が素晴らしく、逆にここぞという時の溢れ出す感情がカタルシスを呼ぶ。さらに言えば、天知茂のやつれの中に持つ人間性、柳永二郎の小悪党ぶりや、万里昌代の芯の強さと情熱もいい。 あとは、今なら決して使えない、あの手の言葉をバンバン使っているのも、登場人物の素性を考えれば極めて妥当でリアルに聞こえる。色々な意味で、今では絶対に作れない映画。一度は観る価値あり。
[ブルーレイ(邦画)] 9点(2013-12-16 00:50:15)
31.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
昔話は主人公の「個」よりも、シチュエーションを重視する。そしてこの映画は、テロップに脚本の名前はあるものの、昔話の竹取物語を忠実に劇場アニメにした印象がある。それゆえ、現代の映画を観る時の視点、つまりかぐや姫の心の移り変わりという視点から観ると、ついていけない場面が多々あり、観ているこちらの心が置き去りにされている感があった。観ている最中に思い出したのは、「太陽の王子 ホルスの大冒険」のヒロイン、ヒルダだ。その心から入れ込めないヒロインと、今回のかぐや姫は正しく一致。高畑監督の嗜好と竹取物語が一致したのだな、と興味深く思った。その一方、作画は全般に渡って見事。特に宴会の最中、月夜の中をひたすら山へ走り抜けるかぐや姫の作画は本当に見事だった。結論としては、純粋なエンターテインメントになりきっていない所を考えると、万人にお薦め出来るあ作品ではないかな。
[映画館(邦画)] 7点(2013-12-08 01:41:35)(良:1票)
32.  悪い奴ほどよく眠る
冗長過ぎるきらいがあるし、首をかしげる所も無いでもないが、ラストの衝撃で全て吹き飛んだ。想像ほどのスケールは無かったが、重厚な出演陣の熱演もあり、なかなかいい映画だった。観て損無し、お勧め。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-01-06 23:48:38)
33.  借りぐらしのアリエッティ 《ネタバレ》 
水の描写や音響、音楽は見事。ですがラストの、引越しをせざるを得なくなったアリエッティ達と、翔との別れのシーンには引っかかりを感じ、スッキリ出来ませんでした。そのシーンだけを抜き出せば、それなりに感動的なのですが、それまで様々な原因をつくったお互いが、とってつけたように涙でお別れをされてもねえ…。全体的なストーリーの構成に問題があるのではと思います。
[映画館(邦画)] 6点(2010-07-17 23:43:52)
34.  アルマゲドン(1998)
当時付き合っていた彼女と観に行きました。自分が観て楽しむことよりも、楽しくデートをすることが大事でしたので、あとで議論にならないよう、あまり考えずに観ました。少しの感動と、少しの違和感を覚えつつ、その後に行った喫茶店では彼女に合わせて「泣けたね~」と話し、この映画のことは忘れていましたが、彼女と別れた後に、この映画の評判が決して良いものばかりでは無いことを知りました。別の女性と結婚した今では、敢えて観直したいとは思いませんし、映画をあの時のような、デートの小道具として観ることはしないと思います。あの彼女、今はどうしているのかな…。
[映画館(字幕)] 5点(2008-08-04 04:48:04)
35.  スカイ・クロラ The Sky Crawlers 《ネタバレ》 
原作未読、予備知識全く無しでの鑑賞ゆえか、展開に一部分かり難い点があったものの、押井監督ならではのテーマと作品のメッセージ、そして時代性が見事に一致した傑作。序盤は(作画やデザインも含めて)のっぺりした印象を持ってしまったキャラクターが、酒を呑み、タバコを喫むなどの細かな描写によって、充分な存在感を持つに至ったのにまずは好印象。そしてその存在感が、鑑賞後のやり切れなさをさらに強くしていることに感心。また、効果音や音楽も素晴らしく、音響設備の整った劇場で観るに値する素晴らしい作品に仕上がった。尚、これから劇場で観る方々へ。エンドロールが終わっても、絶対に席を立ってはならない。その後のエピローグが、さらにやり切れなさを強くしてくれるはずだから。
[映画館(邦画)] 9点(2008-08-03 01:08:37)
36.  崖の上のポニョ
「面白い」ではなく、「凄い!」の一言に尽きます。ストーリーはあって無いようなものですが、その一方で子供の視点から見た世界観を、手描きアニメーションの技術を駆使して見事に、そしてゴージャスに描ききっています。映画の隅々まで気を配った作りでない分、大人の視線で視る人達からは非難されそうですが、子供の心で観れば、充分に楽しめることは間違いありません。宮崎監督がまだこれほどの力技を持っていたことには、本当に驚かされます。また、耳に残る主題歌アレンジやオーケストラ、そして久石氏のおなじみなメロディーも聴ける音楽も素晴らしく良かったです。うちの子供はまだ小さいので映画館には連れて行けませんでしたが、DVD発売の折には是非親子で楽しみたいと思っています。
[映画館(邦画)] 8点(2008-07-20 00:32:14)(良:1票)
37.  ミヨリの森(TVM)
今、日本のアニメ制作現場はかなりの人材不足です。制作スタッフ、特に背景の人達にはもっと別の、良い作品を作って欲しい。
[地上波(邦画)] 1点(2007-12-16 16:46:42)
38.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 《ネタバレ》 
TVシリーズの壱~六話が再構成されているこの映画で、「監督は『ヤシマ作戦(伍話と六話)』を全面的に作り直したかったのだな」というのが第一印象です。前半はTVシリーズ壱~四話の総集編的な作りで、壱話と弐話の良作画部分は殆ど残し、参話と四話の作画ほぼ修正されています。さらに随所に新カットを入れたり、つじつまの合わない描写が変更されており、なかなか手の込んだ作りでそこそこ楽しめました。ただ演出のタメが少なく、シーンを追うのに精一杯で(弐話の構成は本当に素晴らしかったのだと改めて思いました)、またセルアニメ独特の重みがややスポイルされていた事に若干不満を感じました。ところが、ヤシマ作戦に入ってからその不満はどこへやら。作戦進行のシークエンスにも手に汗を握らされましたが、何よりラミエルのビーム発射時の変形がめちゃめちゃカッコいい!これはCGが無ければ制作出来ない、正に「新劇場版」の名に相応しい名シーンでした。余談ですが、宮崎駿監督をはじめとする、名アニメーターの係わるCGカットのタイミングは、凡百の人間には真似の出来ないものなのだと改めて強く感じます。それから、ここまで読んで下さった方々に一つ。エンドロール途中での退席は絶対にしてはいけません。理由は……観れば分かります。とにかく傑作。この作品に興味のある(あるいはかつてあった)人は必ず劇場で観ましょう!
[映画館(邦画)] 9点(2007-09-07 23:10:38)
39.  となりのトトロ 《ネタバレ》 
「上映初日の土曜日、当時高校生だった私は半日の授業が終わると同時に自転車に飛び乗り、あわてて映画館へ飛び込んだ。ところが予想に反して観客は3人ほどしか居らず、ほぼ貸し切り状態。足を投げ出し、お尻や背中の痛みと格闘しながら『火垂るの墓』と共にそれぞれ2回通り観ると6時間経過し、上映終了。周りを見渡すと、他の観客は誰もいなかった…」と、色々な意味で今では考えられないであろう環境で観ました。自然や田舎への郷愁を強く感じて心が温かくはなったものの、物語性の薄さにがっかりした部分も大きく、当時はあまり評価していませんでした。ところが今では観返す度にこの郷愁の感情のみに心が支配されてしまい、思考停止に陥ってしまう自分がいます。本当に恐ろしく、そして凄い映画だと思います。余談ですが、十数年前の大学時代に宿泊したペンションのテレビの棚の、数少ないビデオテープの中に「となりのトトロ」とマジックで大きく書かれたテープが一際目立っていた事を、何故か時々思い出します。
[映画館(邦画)] 8点(2007-06-10 08:32:07)
40.  火垂るの墓(1988) 《ネタバレ》 
「やっぱり戦争って嫌だなあ」「あの小母さんは嫌な奴だなあ」「清太はともかくとして、節子かわいそう」、以上が私が高校の時、劇場で初めて観た時の主な感想です。ところが今では、「節子の為にも我慢して(あるいは手伝い等をしてでも)小母さんの家に居ついていれば良かったのに」という感想が真っ先に浮かびます。恐らく初めて観た時の年齢や考え方によって評価がかなり大きく分かれる映画なのだと思います。大人の社会で日々努力している人達が観れば、清太の身勝手さを腹立たしく感じるでしょうし、思春期を過ぎるまでの人達が観る(あるいは観せる)ときっと清太に共感を覚え、映画のやるせなさに打ちのめされるでしょう。当時の私のように…。
[映画館(邦画)] 7点(2007-06-09 09:17:49)(良:2票)
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