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麦酒男爵さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 44
性別 男性
ホームページ http://enjoybeerlife.com/
年齢 51歳
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21.  バベル 《ネタバレ》 
■バベルの塔の逸話を念頭にメッセージを探ると、どうもピタッとハマらない。あの程度のコミュニケーションの不通と快復などありふれた物語だし、バベルの塔なんてわざわざいわなくても、本作以上にそれを描き出すことに成功した映画作品なんて山ほどある。だから、『バベル』というタイトルそのものがミスリーディング、あるいは後付けだと仮定して観ると、そっちの方が僕には理解がいく。じゃあどういう作品なのかというと、平たい表現で恐縮だけれど、「悲しみの連鎖」とか、そいうことについての作品だと思う。■我々は間違いなく連鎖している。ことに悲しみは、連鎖のネットワークの中でいろいろに形や姿を変え、いともたやすく伝播する。本作の場合、一丁のライフルがその媒介を果たした。日本の狩猟趣味の男の妻を自ら殺めさせ、モロッコの幼い兄弟の悪戯を誘発し、米国人夫妻を命のトラブルに巻き込み、彼らの子らを世話する家政婦の生活を奪った。と、そういう話である。■この仮定と、「コミュニケーションの不通」を本作のテーマとして位置付ける試みを較べて、どちらが作品の理解を努める上で徒労感が少ないかといえば、前者だった、というのが僕なりの感想だ。どうしても比較してしまう作品に『マグノリア』があるが、『マグノリア』はカエルのカタルシスでもって、一気に塞がれていたコミュニケーションが流通しだす。その意味で、「コミュニケーションの不通と快復」をより意識して描いているのは『マグノリア』の方であって、本作はタイトルに似つかわしくないほどそれを描いていない。『マグノリア』のカエルに措定するものがあるとすれば、それはあのライフルなんだろうけど、結果的にあのライフルによって「救い」が起こったのはブラピ&ブランシェット夫妻のみで、その夫妻にしたって別にライフルで撃たれなくたって、例えば心臓発作とかでも良かったようなもんだ。■どなたかが書いてたが、連鎖の媒介役が武器であることは象徴的だと思う。武器が招いた悲劇の連鎖、とか、そういうシンプルなことを言いたいんじゃないか、この映画は。僕はそうだとして観たから、バベルの塔が林立する東京で、とある父娘が快復するエンディングは美しいと思った。
[DVD(字幕)] 7点(2009-02-19 00:48:29)
22.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 
■さしずめ「或るB形男の一生」といったところか。■ダニエルが米国とその資本主義、イーライがアラブのイスラム原理主義のメタファーと観ることも可能だろうか。米国が孤独に陥るのも当たり前だよ、と自己批判しながら、やっぱり最終的にはアラブをやっつけてしまいたいという、米国人のどうしようもない潜在的願望の顕れとして。■ダニエルが自ら殺人に手を染めてしまうのは、ちょっと芸がないと思った。ワルは人を遣ってナンボだ。■ダニエル・デイ=ルイスの演技と存在感は、当代随一と言っていい。
[DVD(字幕)] 7点(2009-02-06 22:38:53)
23.  マグノリア 《ネタバレ》 
■前フリの3つのエピソードは、つまり「良く出来たハナシ」なのだけど、じゃあ本筋のプロットは「良く出来たハナシ」なのかというと、どこがどう良く出来てるんだか分からない。前フリが前フリになってないじゃないか、と思うのだが、どうなんだろう。僕の単なる消化不良ならそれで良いのだが。確かにテーマは(カエルによる)浄化であって「良く出来たハナシ」ではないにせよ、あの前フリでは「良く出来たハナシ」を過剰に期待させてしまう。■トム・クルーズが、結局親父に「死なないでくれ」となってしまう理由が良く分からなかった。あれは確かカエル前だったはずだが。■本来は3点だが、役者陣の演技はとても良かったので、「ひょっとしたらひょっとする」4点。
[DVD(字幕)] 4点(2008-11-30 05:21:56)
24.  ディア・ハンター 《ネタバレ》 
■確かに長いのだが、観賞後に振り返ってみると、無駄なシーンなど一つも無かったように思う。名作としての風格漂う逸品。■ハリウッドのユニバーサル・スタジオに行ったが、スタジオ・ツアーの待ち場や記念館みたいな施設ではしっかりフィーチャーされていて、堂々たる名作として扱われている風だった。■とにかく等閑に出来ない作品だという前知識があったから、午前のうちに、飯食って風呂入って、準備万端の上に気合を入れて観賞した。それが奏効したか、上記のような感想に至った次第である。本来、映画に相対するに、斯くの如くに構えるべき也しか。■メリル・ストリープは、死を目前にしたジョン・カザールと、それと知ってか知らずか、本作の共演を機に婚約していたんだそうな。そういうウラのドラマも意識しながら観賞すると、またちょっと切なくなる。■そんなメリルの何と美しいこと。■復員したマイクをリンダが誘うのは、ちょっと早過ぎるし、やや露骨かとも思うのだが、それはリンダが冒頭で父に言われた言葉通りの存在だからなのか?そこはやや分かりづらかった。
[DVD(字幕)] 9点(2008-11-27 01:40:52)
25.  カリートの道 《ネタバレ》 
■得も言われぬ美しさを湛えた作品。今、『You Are So~』の歌と共にシーンの数々を思い出しただけでも、目頭がジーンと熱くなってしまう。■演技、プロット、演出、映像、どれをとっても素晴らしいことは、僕なんかがあらためて書くまでもないのだけれど、人間ドラマ、ラブ・ロマンス、アクション、サスペンス、ダンディズム、といった、映画を構成する要素の数々が、奇跡的なほどバランスよく詰まっていることは、この作品の凄さの一つに挙げてもいいのではないか。それはデ・パルマの手腕だろう。そういえば、『アンタッチャブル』もバランスのよい作品だった。『スカーフェイス』は違うと思うが。■そうは言っても、コメディの要素はない。強いて挙げれば、ショーン・ペンの頭髪か。違うと思うが。■P.S. 17番のはりマンさん、何故か僕も宗教モノだとばかり思ってました。カリートって名前の求道者はいかにもいそうだ。確かに、このカリート、ある意味求道者ではあるが。
[DVD(字幕)] 10点(2008-11-27 00:22:09)(良:1票)
26.  トロピック・サンダー/史上最低の作戦 《ネタバレ》 
■期待し過ぎたのが災いしたか、序盤以外は殆ど笑えなかった。劇場の他のお客さんも同様だったようで、中ほどからピタリと笑い声が止んでしまった。別にギャグの過激さが度を越して、その余りのブラックさに引いたというわけではなく(例えば監督爆死シーンなどは充分笑えた)、やっぱりアメリカ人だからこそ分かる笑いだったからか、個々のネタの背景の事情に通じてないと分からないものばかりだったからか、その辺が理由だろう。■日本人の僕には、割とシリアスとも取れるシーンが多すぎた。カークとアルパのやり取りなどは、ごく普通に人種問題を扱っているとしか思えなくて、何ら笑う余地すらなかった。■パンフは800円もするだけあって、とても豪華。劇中映画の方のパンフまでついてくるご丁寧さだ。ただ、ネタの背景を説明する記事に多くのページが割かれているところをみると、「いや~、これは説明しとかないとウケないよな~」と、編集者は思ったに違いない。
[映画館(字幕)] 3点(2008-11-26 22:51:04)
27.  ミュンヘン
■憎しみの連鎖の虚しさを世に問いかけるシリアスな問題作か、はたまたそんな装いも施したエンタテインメント大作か。■ジャンル分けしないと理解の端緒すら覚束ない自分だが、作品はただそれとして存在しているのみであって、ジャンル分けなど余計なお世話である。こと本作に関しては、スピルバーグの衝動、動機を感じられればそれで充分なんじゃないか。何故なら、スピルバーグは何の答えも出していないし、単純に問題提起したかっただけだとしても、不純な映像が多すぎるから。■スピルバーグは、ユダヤ人として、もはや政治的な存在であるはずだ。だから、今作に関しても、よもやイスラエルの不利になるような要素は無いだろうと思っていたが、沢山あってビックリ。■イスラエル当局から非難だか抗議だか受けたらしい。ユダヤ人同士の紐帯には著しいものがあるというし、アメリカって確かに自由の国だけど、それだけに社会は高度に政治化されてるから、実はスピルバーグはやっぱりイスラエルのためにこの映画を作ってて、その非難とやらも実は茶番だったりするんじゃないかと訝ってみるが、それを裏付けるファクターはない。ユダヤ陰謀論なんてものがあったけど、あれはガセだったらしい。■少年の頃、そのテの本にハマってたことを白状する。■アイェレット・ゾラーはやっぱり綺麗。■編集に若干の不満が残った。映画内のタイムラインで連続しているべき編集ポイントの前後で、役者の視線や立ち位置が微妙にズレてしまっている箇所が目に付く。スピルバーグの映画でそれが気になったのは初めてだ。
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-23 21:46:23)
28.  ハーレーダビッドソン&マルボロマン 《ネタバレ》 
■いや~、実に下らない!■と言ったら、製作者への賞賛になるだろうか。■危うく駄作になりかけつつ、なんとかハチャメチャさで乗り切ってしまった感じ。そのハチャメチャを一つ一つ丁寧に思い返してみると、割とよく出来てるハチャメチャもある。■設定がもう少しリアリティあるものであったなら、多少の安心感を持って観れたかもしれない。例えば、黒ずくめの男たちが歩調を合わせて迫ってくる必然性について、それが例え「映画的な」逸脱だとしても、その逸脱自体の必然性を感じられない。■一瞬ジョージ・クルーニーかと思ったあのボスキャラは、実は『プライベート・ライアン』のメタボ軍曹だった。こんなにスマートだったなんて。■ヴァネッサ・ウィリアムスが出演していたこともサプライズだった。この人を見るたびに思うのだが、「天は二物を与えず」なんて、完全にウソである。■僕にとっての更なるサプライズは、冒頭のBGMがボン・ジョヴィだったこと。僕が敬愛して止まないミッキー・ロークとボン・ジョヴィのコラボが実現していたとは、至上の喜びだ。他にもLAメタルの残党どもが楽曲を提供していて、かつてメタル兄ちゃんに憧れた僕としては、居心地のいい映画ではあった。■何を隠そう、ミッキー・ローク目当てでレンタルした一本である。この点数には、僕のミッキー基礎票が加わっていることをお断りしておく。
[DVD(字幕)] 6点(2008-10-10 00:28:41)
29.  タワーリング・インフェルノ
■ポール・ニューマン追悼の意も込めて観賞。頭髪は薄いが、面長と通った鼻筋の均整、左右の目が非対称であることの美しさ、スマートに伸びた筋骨とそれを最大限に魅せる姿勢のよさ、といったビジュアル的な魅力は、氏の大きな武器だったことを再確認。「立てば芍薬…」というのも違うけど、演技以前の色気や存在感という点で、ニューマンは圧倒的だ。■クレジットではニューマンよりスティーブ・マックイーンの方が優先されている。当時の「番付」的にはそうなっていたものかどうか僕は知らないけれど、少なくともこの映画での出演時間はニューマンの方が明らかに多かったわけだから、やや疑問も残る。■「パニック映画の金字塔」という形容に相応しく、この長尺を全く飽きずに観させられた。実を言うと、特に仕事が忙しい時分、疲れた体を横布団に横たえつつ観賞したから、さすがに我慢できずに寝てしまうということを2回繰り返して、やっと3晩目に観賞し終えた。こうなると大抵の場合良い観賞感を得られないのだけれど、本作の場合は違った。連続ドラマ的な観方が出来たからだと思う。それが出来たのは、僕の方の条件によるものではなく、具体的にどうこうは言えないけど、この作品がそういう観方を可能にする筋立てになっているからじゃないだろうか。■フェイ・ダナウェイの美しさったら、ない。あのエレベーターで彼女と一緒に死ねるんだったら、もうそれでいいや、ぐらいに思えてしまう。
[DVD(字幕)] 8点(2008-10-08 23:10:47)
30.  追撃者(2000) 《ネタバレ》 
■僕が敬愛する二大スター、シルベスター・スタローンとミッキー・ロークの競演!■…という意味以上の価値を見出しづらかったのは、いたく残念である。■なんか集中力が途切れてしまって、事件の真相、というか、ストーリーそのものがイマイチつかめなかった。■それでも、姪っ子との絆が深まっていく過程はなかなか良かったし、二人のファイトシーンは興奮したし(ボクシングつながりの二人は互いに楽しんで演技していたはずだ)、ということで、スタローンとミッキーの基礎票4点に2点加点し、6点献上。■で、スタローン。実質的な前作である『コップランド』当時宣言していた演技派への脱皮を早くもあきらめた感があって、やや残念。ただ、この主人公のキャラクターに、愛を秘めた不器用男ロッキーの面影もちらついて、ちょっと興味深かった。■次、ミッキー。そりゃ全盛期当時の色男っぷりを期待する方が間違ってる。ま、まだこの頃は整形の悪影響も顕著でなく、充分セクシーじゃないかとも思うが(序盤でサングラスを外すシーンは、整形の具合があらわになるかと思ってさすがにドキドキした。本作の公開時から整形失敗疑惑があったんだとしたら、なんとも意地悪な演出である)。ミッキーは、当時のイメージを払拭すべく、大胆な路線転換を目論んでいたはずだ。転換したいからヴィジュアルを変えたのか(ネコパンチを後悔している場合)、ヴィジュアルが変わってしまったことが原因なのか(ネコパンチを後悔していない場合)は分からないけど。いずれにせよ、主演作で金獅子賞獲ってしまった今だから言えることではあるけど、この路線転換は大正解だったことは間違いない。■というわけで、両者にとって、俳優としての路線を今後どうしようというという局面において、幾らか重要な映画だったのかもしれない。『ゴッドファーザー』並みの重厚なマフィア映画で二人の共演があったら、さぞかし面白いと思うのだが。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-23 21:50:39)
31.  バーフライ 《ネタバレ》 
■まずは、ミッキー・ローク、金獅子賞おめでとう!■呑みながら映画を観ると後日内容を思い出せないことが多いので、最近は素面で観るようにしていたが、この作品に限っては、なんか呑まなきゃ悪い気がして、バーボン嘗めつつ観賞した。■主演の二人とも、とってもいい演技だと思う。まぁ、キャラ的にハマるのは当然と言えば当然の二人なワケだが。■二人が出会ってからラストまで、どのくらいの時間が経ったことになってるんだろうか?なんかたった数晩の話にも読めてしまうのだが。仮にそうだとしたら、あれだけ二人の絆が深まり、むしろそれがテーマとなってしまうのには無理があるんじゃないか、とは思った。■私が贔屓にさせて頂いておりますミッキー・ロークは、この辺からセクシー男優から演技派への脱皮をある意味露骨にはかる(当時その目論見は、外れた、というか、握り潰された感があるが)。この度ヴェネチアで随分ロックな言動・行為をしてしまって、ヴィム・ベンダースに「君は男優賞だって獲れるのに」と、ある意味最高の褒め言葉をもって嘆かれてしまったらしいが、「ロックな演技派」ミッキーの原点ともいえる本作、ちょっと感慨深いものがある。■フランク・スタローンが出てたけど、僕はシルヴェスター・スタローンも好きで、この二人は以外にも仲がいいらしく、ファン心理としてそれを示唆する情報を目にすると嬉しくなってしまう。ボクシングに深い縁があるという共通項はもちろんだが、スタローンが『クリフ・ハンガー』のキャンペーンで来日した時、何げにミッキーが同伴していたそうだし、『追跡者』の敵役はミッキーのアプローチによってゲット・カーターしたそうだ。なんとな~くだが、本作の「愛すべきゴロツキ」的役作りに『ロッキー』のそれをヒントにした部分も、少しはあったんじゃないだろうか。■フェイ・ダナウェイは当時50近いはずだが、(脚はもちろん)何とも魅力的なのは、さすがである。
[DVD(字幕)] 7点(2008-09-19 20:03:16)
32.  テルマ&ルイーズ 《ネタバレ》 
■ロードムービーの大傑作!クライマックスの辺りで8点か9点かで悩んだが、エンディングで実際に鳥肌が立ってしまったので、9点確定。己の生理現象を信じることにした。■80年代のアメリカ映画に、今に比べればずいぶんと低予算で、それだけにプロットやキャスティングが良く練られていて、かつ爽やかな印象を持たせる良作・佳作が沢山あったと思うけど(似たところでいえば『ミッドナイト・ラン』)、91年公開の本作は、その系譜を見事に昇華させた、いわば集大成的な一作ではないか。■といえば言い過ぎか。■確かに「90年代のアメリカン・ニュー・シネマ」といえるだろうけど、それはストーリーそのものの話で、観賞後の印象にチクチクと作用するストーリー・テリングの面では、80年代的な軽妙さが前面に出ていると思う。■男性の登場人物が、ことごとく哀しい存在に想える。ハーヴェイ・カイテルが「ハッピー・バースデイ」を言うシーンなど、極めて単純で、ともすれば安易な演出ともいえるが、役柄に深みを与える点では充分成功している。それがあるから、追う方の魅力が沸き、結果として、追われる側の魅力も浮き立つ。いや、なんか、映画ってこう作るもんか、というお手本のような気もした。誠に僭越ながら。ジミーは文句なくいいヤツでしょ。テルマの旦那はどこか憎めない哀しさがあるんだよなぁ…。■ハーランとトレーラーの運転手は、「哀しい」のではなくて、「悲しい」。■ブラッド・ピットは…。何のかなしさも沸きませんが。同性としての嫉妬心なら沸く。■これをきっかけにスターダムにのし上がったのも納得。
[DVD(字幕)] 9点(2008-07-25 20:02:09)
33.  セルピコ 《ネタバレ》 
■もちろん考えさせられることは沢山あるのだが、主人公の正義を貫く人格が形成される過程がイマイチ説明不足な感じで、(映画的には)感情移入出来ずじまいだった。■ひたすら陰々滅々としてるのは、この時代のアメリカ映画の特徴なのか、そもそもそういう作品であるべきなのか分からないけれど、悪徳警官に「してやったり!」なエピソードの一つでも盛り込んで起伏を作ってやったほうが観やすかった気がする。■そんな自分でもパチーノの演技の素晴らしさは分かったつもり。椅子叩きつけて同僚にぶち切れるシーンは、観賞してるこっちまで引いた。
[DVD(字幕)] 5点(2008-07-25 01:00:01)(良:1票)
34.  リチャードを探して 《ネタバレ》 
このメタ映画の映画中映画である「リチャード三世」というのが、仮に独立した作品としてちゃんと作られ公開されたとして、そのメイキングとしてなら大変面白いのだろうけど、その映画中映画がどうもショボくて、そんなのを作るために喧々諤々あーだこーだやっているというのがどうも白ける。アル・パチーノの「少しでも多くの人にシェイクスピアに興味を持って欲しい」という制作動機は、言い訳だろう。予算が取れない中で、パチーノが、何とかして、ちょっとでいいからリチャード三世を演じてみたかった、というのがホントのところじゃないか?唯一の見所は、役者アル・パチーノの(素顔を含めた)魅力が存分に味わえること。
[DVD(字幕)] 3点(2008-07-22 19:35:45)
35.  戦国自衛隊
■小学生の頃、当時出始めの歴史学習漫画をきっかけに、日本史、特に戦国史に大いにハマり、夏休みの自由研究で紙粘土で兜を作ったほどである。同時に、ブームだったガンプラに飽き足らなくなって、戦車や軍用機、軍艦のプラモに憧れるようになり、こちらも大いにハマった。そんなさなかに本作がテレビ放映され、「まるでオレのために作られたような映画だ!」と思ったものだが、それも無理はない。■ただ、そのときは途中から観賞したため、何となくこの作品についてはモヤモヤとした想いを抱き続けていたので、今回20数年の時を経てキチンと観直してみた次第。■多くの方が指摘されておられるように、作り手のエネルギーがガンガン伝わってくる。カラ回りも多々あれど、そんなのも含めて、総じて愛嬌のある作品と言ったらよいか。■小野みゆきといい、岡田奈々といい、当時の女優さんのなんと味わいのあることか。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-22 13:39:06)
36.  ブラックブック 《ネタバレ》 
■最初「戦争に翻弄される一人の女性の波乱万丈記」をイメージしていた。もちろんそういった側面も強いのだけれど、観賞後に残るのは、サスペンス映画としての後味。■カリス・ファン・ハウテンという女優さんをはじめて観たが、体を張った大熱演に心打たれた。恐らくオランダの国民的女優なんだろうけど、汚物を被る国民的女優というのもスゴい。■ラストがややあっさりし過ぎか。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-21 21:01:09)
37.  金融腐蝕列島[呪縛] 《ネタバレ》 
■配給に産経新聞社が名を連ねており、銀行名は当て付けかと思ったが、穿ち過ぎか…。■役所広司も良かったが、御大仲代達也を始め、佐藤慶(激シブ!)、根津甚八、風吹ジュン、石橋蓮司といったベテラン陣の演技に目が行ってしまった。原田監督が、こういった大物俳優たちをきちっとまとめ上げ、映画としての品をもう一段高めている。■佐藤慶演ずる重役が自殺する顛末の長回しには、監督自身のキャリア故か、日本人離れしたセンスを感じる。■若村麻由美が美しい。N響アワーにはもう出ないのだろうか?■特にここをご覧の方にとっては当たり前のことだけど、映画作品には色んな解釈をすることが許されている。例えば本作を、エンタテインメントと捉えて休日を楽しく過ごす具にしてもいいし(若村麻由美を拝める休日は素敵だ)、病める日本社会に対するシリアスな警告として受け止めてもいい。この両義性を内包する代表的なジャンルといえば戦争モノだが、現代の日本人たる自分は、実際、戦争モノよりは本作のような社会派ドラマの方に生々しさを感じるワケで、「ってことは、やっぱり日本て平和だなぁ」とか、「いや、こんな日本社会じゃまずいよなぁ」とか、「オレって典型的な現代の日本人だなぁ」とか、色々思いを巡らせる、有意義な休日を送るのだった。■やっぱり映画って深いなぁ、と。故淀川長治氏の、「僕は映画に育てられた」という言葉を思い出した。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-07-06 18:12:52)
38.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 《ネタバレ》 
■インディとマットがダイナーで会話するシーン。後の展開に関して知っておくべきトピックが語られるのだが、後景のど真ん中に金髪美女の悩ましい後姿があって字幕に集中できず、いまいちマット周辺の背景が理解できないままの鑑賞となってしまった。そんなスピルバーグの罠にまんまとハマってしまう自分が悲しい。■前3作に全くヒケをとらない出来。確かに超えることもなかったのだが。■ネタそのものが大振り、というか、トンデモになってしまうのは、「いざ20年ぶりに続編やりますとなってシブめのネタではどうしようもないよね」という、制作側のごく自然な情ゆえと勝手に納得することにした。しかもスピルバーグだけに。脚本に難航したのも、脚本家と制作側とのこの辺のせめぎ合いによるものじゃないかと、これまた勝手に推測する。■要らぬ難癖を一つだけ。ケイト・ブランシェットに全く運動神経の働きを感じられず、ジャングルでのカーアクションが今一歩だったか。■エンディングのあっさり感は、これが最終話ではないことを意味するのだと思いたい。
[映画館(字幕)] 8点(2008-06-26 01:36:57)
39.  ランボー/最後の戦場 《ネタバレ》 
■スタローン全盛の80年代半ばに映画を見始めたせいか、シルベスター・スタローンという男が大好きである。やや長すぎた感のある低迷期を『ロッキー・ザ・ファイナル』で見事に脱し、第二の黄金期が始まろうとしている、と言えば言い過ぎかもしれないが、そんなスタローンに大いに注目していきたい。とはいうものの、自分はロッキー・シリーズのファンであって、恥ずかしながらランボー・シリーズには縁薄く、今作の制作がアナウンスされるに至って、やっと一作目をチェック仕出す始末である。だから、ランボー・ファンの方々に比べて感慨は浅いだろうが、いやいや、気合の入ったスタローンが見れて、自分なりに大満足なのである。■予告編やポスターなどから予想はしていたが、やっぱり上半身は脱いでくれなかった。ランボーといえばバンダナと裸体だと勝手に思っていただけに、少々残念である。単純に60歳の肉体をさらすことに抵抗があったからなのかもしれないけど、『ロッキー・ザ・ファイナル』では見事にビルドアップされた筋肉を披露してくれたじゃないか(計量の際にローブを脱ぐシーンでは、思わず「お~っ」と唸ってしまった)。こう言っては失礼ではあるが、筋肉俳優としての務めを果たして欲しかったのである。■クライマックスでは、ランボーは機関銃を乱射しているだけだった。戦闘シーン自体は非常にリアルで迫力に満ちていただけに、ランボーその人のアクションをもっと観たかった。裸体の件と同様、この歳でこれ以上のアクションは、さすがのスタローンでもキツかったのだろうし、無茶するだけが脳じゃないんだろうけど、逆に、そんな無茶な感じがかつてのスタローン作品の魅力の一つだったはずである。■それこそ無茶な要望であることは、重々承知である。■それもあってか、もう一つ戦闘シーンが欲しかった。いざ観終わってみると、あっという間な感じがする。ま、それだけ無駄なシーンが無いということでもあると思うが。■と、いろいろ偉そうなことを書いてしまったが、それもスタローンへの愛ゆえのことと、ご容赦願いたい。繰り返すが、「スタローンが観れて大満足」であることには変わりないのである。
[映画館(字幕)] 7点(2008-05-25 17:12:01)
40.  バンテージ・ポイント 《ネタバレ》 
■←この表示があるにも関わらず、ついつい観賞前にレビューを読んでしまう方、この映画は間違いなくそれをしてはいけない作品の一つである。■アメリカ大統領が暗殺される映画となると、2時間を優に越える大作かと構えてしまうのだが、あっさり90分でスカッと終わってスカッと楽しめた。推理サスペンスは本来、極端に言ってしまえばプロットの構造だけが重要なわけだが、ここまで枝葉末節をバッサリ切ってこの尺にまとめ上げてしまう力技は、『フォーン・ブース』を連想させる。■デニス・クエイド演じるバーンズは、己の「仕事」としてこれを全うしようとしているのに対して、一方のテロリスト側は歴史とか宗教とか、もっと広範な問題意識を抱え込んでいる。端的に言えば、バーンズの敵は自分自身で、テロリスト達の敵は(欧米)世界だ。だから、スアレス(テロ側の頭目)の最期のセリフで、それまでの10数分バーンズに感情移入していた観客は、突然無限の空間に放り込まれたかのような、居心地の悪い思いをさせられるのである。この、何というか、情念の質のギャップみたいなものが、この作品のもう一つのテーマか。■カーチェイスは迫力充分。近年でも出色の出来。■デニス・クエイドは顔が引き締まってて、一瞬往時のハリソン・フォードかと思った。アイェレット・ゾラーは初めて見たが、魅力的な女優さん。
[映画館(字幕)] 7点(2008-03-15 16:21:46)(良:1票)
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