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黒猫クックさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 791
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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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21.  ルパン三世 風魔一族の陰謀<OVA> 《ネタバレ》 
 とんでもない昔、まだ小学生の頃だ。夏の夕方、宿題にでも手を出して勉強に精を出したりすれば有意義な日々になっただろうに、ぼんやりテレビを見ていた。大好きな赤いジャケットの泥棒が相棒の黒服とすき焼きを奪い合うのをクククと笑ったとき、右手の向こうからキチキチと音がする。網戸の巨大な影に、恐ろしい虫か襲ってきたのではないかと完全に固まってしまった。決死の覚悟で振り向くとその正体は縁側の網戸によじ登る子猫だった。仰天して見つめていると、ニャーニャー何かを訴えていることに気がついた。  僕が動けないでいると、彼はどんどん上に登っていく。そこでようやく気がつく。彼は網戸に爪が引っかかって、登れはするけど降りられなくなっているのだった。意を決してそっと網戸を開けて庭に降りる。サンダルの冷たさとデコボコが気持ちいい。初めて触るネコの感触に驚いた、こんなに柔らかくてふさふさしているなんて恐ろしい生き物だ。  寅柄の彼の脇を両手でつかんで顔をつきあわせた瞬間電撃が走った。こんなかわいい造形の生き物がこの世に存在するのはなんかの間違いじゃないのかと。   そうしてこのあと三日、縁側に招いたネコの友人と過ごした。  三日目の夕方、叔父さんが持ってきた緑のルパン三世は、全員の声が違って何ともいえない違和感を感じた。だが力の入った綺麗な絵にすっかり魅了されて繰り返して見た。同じ追いかけっこ、銭形警部がブルーバードごと川に落ちたのは何回目だっただろうか。この夏は雨がちで肌寒いことも多くサッシを閉めていたが、ゴロゴロと近づく雷もお構いなしでテレビにかじりついて、また会おうねとルパンが締めに掛かると重大なことに気づいた。  ネコの気配がない。勝手にネコキチと呼んでいた彼は雨の中どこかに行ってしまった。庭や近所を探し回ったが、この後彼を捜し出すことはできなかった。あのときルパン三世を見ていなければ彼はどこかに行ってしまうことはなかったのだろうか。   その後ルパン三世の作品の中で、風魔一族の陰謀は観ることができなくなってしまった。罪悪感でだ。大雨の中軒下で待たせたと思い込んでいるのは自分だけで、実際はあの雨の日、もっと受け入れるにふさわしい人を彼は見つけたのかも知れない。  でも、夏にルパン三世を観ると、全然見た目が違う愛猫の中にネコキチを探している事に気づいて何となく切ない気持ちに当惑する。
[ビデオ(邦画)] 8点(2012-05-31 01:49:50)
22.  魔界転生(1981) 《ネタバレ》 
スゲエ。スゲエ面白い。 ゴリゴリの殺陣をみたかったらやっぱり千葉真一だなやっぱ。若山富三郎と緒形拳の殺陣もすさまじくカッコ良く、現在の剣劇が退化してしまったことが切ないが仕方がない。とにかくスゲエ。  ストーリーのおどろおどろしさに、グッとくる。深作欣二の本気が見られる。 山田風太郎の原案小説がこう言う形になるか。感動。 天草四郎の髪の毛攻撃のピンヨヨヨーンには笑ってしまうが、最後のあの炎の中の決闘は最高じゃないですか。大満足である。  色んな要素を見て人間は面白いと感じるが、この作品に関して言うと何が面白いんだか説明しにくいけどそもそもが面白い。なんだろうな、この映画は。とにかく大好きなんだ。
[DVD(邦画)] 8点(2012-05-20 21:06:31)
23.  その男、凶暴につき
もうどうしようもなく凄い。 怖い。ちっともすっきりしない。腑に落ちていかない。 何でこれはこんなにも映画の定石を外そうとするのか。でも凄く映画している。 凄いリアルで、気持ち悪さすらある。  何も得る物なんかないんだけど、これを観てがんばれる気持ちが沸くわけでもないんだけど、でもなんか凄い物を観たって言う、体験ができる。これはテレビじゃ得られない。
[ビデオ(邦画)] 8点(2012-04-29 08:25:38)
24.  オーバー・ザ・トップ 《ネタバレ》 
もう何年も前、学生の頃にボーッと眺めていたテレビで流れていたこの映画に、思わずめちゃくちゃ感動しているのだった。  自分にはもう何もない、そういう気持ちで生き続けていた。家族の元にいられなくなった彼の中にあるのは、妻と子供だった。取り返しのつかない過去にもがいて、生きるか死ぬかを決める最後の賭に出る彼の心境はどのようなものだっただろう。 画面の中で、自分の惨めさにつぶされそうになるホークを見ていると胸がつぶされそうになった。ハッピーエンドに心が洗われ、彼の人生をやり直せるだけの大きな何かを手にした彼の手には、お金ではないもっとしっかりした物が握られていた。  この後、彼らの人生がすさんだりしないだろうかと本当に心配している自分にちょっと気恥ずかしさを感じたりしたが、誰にも言わないでそれをそっと心の中にしまって記憶のなかに置いてある。直球で語られる良い映画だったが、それを真っ昼間に放送する12チャンの懐の深さも相当なものだ、と思う。
[地上波(吹替)] 8点(2012-04-29 07:59:22)
25.  ランボー 《ネタバレ》 
子どもの頃にみたランボーは、彼の気持ちを推し量らない町の保安官が一方的に圧力を加え、それに反撃をする話だった。とにかく痛々しい。 しかし、つい最近見直したランボーは違った。ランボーもすでに壊れている。笑って話しかける保安官をガン無視したあげくに匂いをまき散らして食事をしようとすることに、何も感じていない。だけど、それが仕方のないことだったのを知るのは観客のみ。  保安官は彼に嗜虐性や迫害性癖を丸出しにしてしまう小さな人間だった。ランボーは1人だけの軍隊として、本気で警察隊と抗戦してしまう。殺してはいけないというハンディを自分に縛り付け、戦ってしまう。  ランボーには正義など無いが、悪でもない。要は単に飯を食って次の町に行きたいだけだった。そこにイデオロギーなど何もない。あるわけがない。あるのはランボーの小さな生活だけだ。彼に残虐性を刺激され、励起させてしまった保安官。多くの人はきっと彼のようにチョットした嫌がらせをしてしまう小さな人間だ。自分自身の性癖や、人間の本質を知るからこそ町に入れるのを拒んだ。だが、彼は隣町までランボーを送ってあげたり、食事を付き添ってあげるほどの人格がなかった。  そうやって始まった戦争にランボーは捨てたはずの戦場を、ただ立ち寄っただけの田舎町に作り出して、泣き崩れた。  戦場では圧倒的な武力で南ベトナムを救ったはずの兵士だった。この映画はベトナム戦直後に間違った世論に疑いも持たずに巻き込まれ帰還兵を虐待した人たちに、後悔や苦々しい思いをさせたに違いない。 守りきったはずの米軍と国連の撤退後パリ協定を破った北ベトナムに南が占領されたことを、様々な団体がいつの間にかアメリカが敗戦の調印をしたかのようなデマですり替えた。多くの人が洗脳されている社会を作ってしまった。よく解っていないことに人権や思想が絡むと同調してしまう人が多く、そんな層でさえ大きな質量を持つに至るアメリカ社会の怖さが垣間見える。そんな層が構成するからこそ、ランボーは人がいやがるような仕事さえ得ることができなかった。  ベトナム戦争が敗戦したことになっている一部のアメリカや、一部の日本は非常によく似た社会性があり、そういうことが中東の治安維持活動でも同じような反応として起こっている。同じ社会性のある国で普遍的なテーマなんだと思う。30年たってるがその骨太さと揺るが無さに感心した。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-07-04 19:58:57)
26.  ターミネーター 《ネタバレ》 
面白い。箱庭的で閉鎖的な世界をそう感じさせない程々のリアリティと、そうは言っても取り除きようのない脅威が迫り来る息苦しさを終始感じさせる閉塞感の構築が信じられないほどうまくいっている。スゴい。  タイムトラベルものとして、時間軸の整理がおおざっぱなのは昔の映画ならでは。ループの解決を図らなくても、ラブストーリーとしての運命性を感じさせる描写の方が強くて全体の完成度に影響がない。このあたりは偶然なのかもしれないけど、良い。  それから寓意や人生訓が特に入っていないのは後味がスッキリしている。
[地上波(吹替)] 8点(2010-05-20 23:54:42)
27.  トップガン 《ネタバレ》 
むやみやたらにカッコいい。空中戦リアル。なんか知らんがロマンス。  とりあえず見たら30分くらいハーィワーィツーダ デンジャッゾーと夢中になってられるから良い映画なんだきっと。  別にアメリカ人が外国人を殺して喜ぶ意図なんか無いと思う。アメリカ人は外国人を殺して喜ぶ人種だと怒る思想は居酒屋あたりで耳にすることができるが、そういう非現実的な思想は外国人を殺して喜ぶアメリカ人と同じ程度にオッチョコチョイだと思うんだ。  上野に軍モノセーターでも買いに行くようなノリで、軍モノカッコいい。程度の良い按配だ。
[地上波(字幕)] 8点(2010-04-21 01:15:15)
28.  フィールド・オブ・ドリームス 《ネタバレ》 
何回見たって面白い。  ケビンコスナーってこういう普通のお父さんを演じさせてると最高。ちょっとずれてるけど、そのズレ方が心地良い。  主人公の決意は見ず知らずの作家を巻き込むが、そこに至るまでの出来事が家族の野球を楽しむことに対する情熱と、それを大切にしたいという気持ちが、引退した作家を引きずり込む事に疑問を抱かせない。  この作品には親子の再会が下敷きになっているけど、そちらの感動よりも大事にしていた野球という物を自分が望む形で手に入れるという、その過程に心を大きく揺さぶられる。その大事に作り上げた球場の中で、大事な存在にであって邂逅を果たす。二重の揺さぶりにもう胸がドックンドックンするわけだ。最高。  もうダメだ、と思われるような状況で冷たかった親類が彼に感化される下りなど、あのスピード感が良い。凄く良い。誰も悪者がいない、球場に向かってくる大勢の人たち。この後球場を目の当たりにした観客と、そのマネージャーたる彼の家族とその親類たちはとんでもないエンターテイメントを目にするわけだ。その様は具体的に表現しなくても良い。幸せな空間がそこにあるのだろうと確信できるだけで良い。あのラストは最強の一手だった。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-01-23 21:20:52)
29.  死霊のはらわたII 《ネタバレ》 
ああぁあオモシレー。っていう、ホラーで一番笑える映画だった。  なんて言うかね、壊れちゃってるの。大事なところが。大事なのはね、大事に扱ってたはずなのによく見たら豪快にものっそい壊れちゃってて、一瞬直そうかなって思ったけど、やっぱムリ。みたいな味わいが良いの。  で、壊れちゃってるのが演技過剰なアッシュさんだけじゃないところがポインツ。
[地上波(字幕)] 8点(2010-01-04 20:17:59)
30.  プレデター 《ネタバレ》 
なかなか面白い。  現在、プレデターという名称がこのプレデターで固有名詞化していて、何がおそってくるのか、という点で非常に損をしている。子供の頃10ちゃんかどっかで夜放映されていたこれを見たとき、非常にラッキーだったのはテレビをつけたらすでに10分くらい経過していてその日やっていた映画がなんなのかよくわかっていないまま見続けることができたことか。  そのおかげで、この映画の最大の特徴である「誰と戦っているのかよくわからない」ことと「それなのに戦わなければ問答無用で殺される」という不条理的でミステリー的な要素を存分に味わうことができた。  この映画の面白いところは、それまでのコマンドもののアクションには無かったそういう要素を上手に取り入れたことにあると思うけど、それだけに後年の作品と比べると粗が目立つというのは仕方ないだろう。当時のパワーバランスの表現が銃器の火力表現に重点が置かれていたためか、戦術的な説得力を持たせる描写を排除している。  そこがこの時代の味わいといえばそうだが、そのせいで終盤に入るあたりからの各キャラクターの戦闘シーンがホラー映画の雑魚キャラ惨殺シーンのように、ルーチンになってしまっている。スプラッター映画の標準的なプロットを使っているためか、そこで味わいが損なわれてしまっているのが惜しい。このシークエンスでホラー映画的な圧迫感が出てしまっていて、そのストレスの量を作っている側が気にしてしまっている感が残念。  とはいえ、この時代には正体不明の敵との不条理な戦闘を提案すること自体が意外だっただろうから、それ以上に突っ込んだパワーバランスバランス描写は存在しなかっただろう。そういうわけで仲間とハイテク肉食獣との戦闘で彼らがそれぞれどのような逡巡を見せ、どのような傷を負い、それがどう筋を作るかというところは後の技術に譲ることになるのは仕方ない。  しかし、それを逆手にとって、ハイテク肉食獣に近代兵器をあきらめ頭脳戦での原始的な決闘に持ってくのは巧い。筋肉男の筋力も、最新の火器も通用しないとき、太古のブービートラップで猛獣を捕獲するっていう記号性が何とも良い。  20年以上前のアクション映画の筋書きだが、あんまり時代関係なく楽しめるのは、作り込みがしっかりしているからだろう。
[地上波(吹替)] 8点(2009-12-20 21:07:12)
31.  グーニーズ
思い出補正っていうのも、それほど悪くはないんじゃないか。そういう気持ち。  最初に見たのは「児童」のときだが、最後に見たのは「学生」の時だ。初見では気にならなかった荒っぽさや物語を進ませるための都合も、最後に見たときにはかなり浮き上がってしまっていた。  この映画は、生きていけば生きていくほど増えていく余計な知識を、意図的にそぎ落としたキャラクターたちで作られているのだと思う。年月がたてばたつほど現実世界の人間が持つ当たり前の感性が、登場人物たちとの距離を作り出す。そして彼らと現実性との乖離は進み、ついには見られなくなってしまうのだろう。  そうであれば、子供の頃この映画を見ていた時に一緒に見ていた大人たちは、おそらくこの映画を見ていたんではなく、この映画を見て無邪気に楽しむ子供たちを見て楽しんでいたのではないか。  子供ではなくなってしまった人間が、子供時代を懐かしむときに、子供時代の自分だけではなく周辺の大人の気持ちなんかを考えると、とっても優しい感じの記憶になってよみがえるだろう。この映画自体にはノスタルジーを喚起する仕掛けが施されていないのに、不思議な作品だと思う。
[DVD(吹替)] 8点(2009-11-20 12:26:12)(良:2票)
32.  パパは、出張中! 《ネタバレ》 
相当おもしろい。  鑑賞後、ちょっとユーゴをWikipediaで調べるとさらにおもしろさが増す。鑑賞前に調べるのもおすすめだが、鑑賞後にも確認するとおもしろさが増す。  出張する父親は会社勤めをしている。ある程度普通に企業が存在し、出張までしていて、ビジネスも順調だという。特殊な社会主義のありようが伝わってくる。  国家警察の義兄がどうやら愛人が原因のアル中でクビになっており、それでも普通に生きているというのも不思議な世界だった。社会主義というとソビエトを連想するが、ソビエトを拒絶した社会主義という、いかにもよく分からない社会がピリピリっとくる。  主軸になっている、強制連行による家族の崩壊と愛情に対して、どういう訳か父親の性癖をおもしろおかしく描いてしまう。この絶妙な配分のせいで、もの凄い悲劇なのに全然悲劇性が感じられないというのが巧い。父親の情事を目撃してしまう息子の父親とその行為に対する視線や悪戯なんて笑ってしまう。よく思いつくなこれ。  感動パートとして少年少女の出会いと別れが描かれるが、語り部自身の思い出話も挿入してしまう。力業だ。しかし、少女がくれたやつにはなんて書いてあったんだなんて忘れてしまう息子パート直後の結婚式、もの凄い。ここでの父親はいつも通りに見えたのだろうか。いつも通りの生活に戻ったら安心してしまったのだろうか、まだ明るいうちに本当の眠りにつく息子が、夢遊病で出歩く。また出歩いているかと思ったら笑っている。どうやら夢だったらしい。  やっと日常が帰ってきた様だ。いろいろな風刺が込められていて、日本人には資料なしには理解できない台詞や設定がいっぱい入っている。「金がすべてだ」という台詞一つとっても、日本人が想像する「金がすべて」とは意味合いが違う雰囲気がありありと伝わってくる。いろいろな要素と、主張に大変満足できた。  残念なのは、ユーゴスラビア紛争で原盤が消失してしまったこと。現物のきちんとした雰囲気で鑑賞すればさらに満足度は高かっただろうことを考えると無念。
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-13 18:06:39)
33.  銀河鉄道の夜(1985)
正直、この時代のアニメはジブリ以外で好きなものは少ないけど、これは好き。原作が訳解らんからこういう風にちゃんとしてくれると楽しく観られる。子供の頃食い入るように観て、その後小説を何度も何度も読み返した。もちろん脳内映像でカンパネルラ達は猫だ。  宮沢賢治のお話は、子供の頃なら熱中できるけど、大人になってから読むと余りに普通でびっくりしてしまうことがある。でもこれで正しいんだと思う。子供の頃にあまりダラダラと極端な話ばかりを読むと普通の話をベースに複雑化した話を理解できないようなことになるんじゃないのか?って思える人間を周りでちらほら見かける。極端などんでん返しが最後に入っていると興奮する彼らは、極端な結論しか見えていないらしく、中盤の破綻や無理な設定はお構いなしで脳内補完する。ちょっと肌に合わないと(自分が知ってる流れじゃないと)すぐ折れる、席を立つ停止ボタンを押す寝る。  幸い、子供の頃こういうきちんとした話や感情の表現がちゃんとした話をいくつも観させてもらって、何度も繰り返し楽しんだことでのんびりした映画や思わせぶりでないから直球で余計な表現が続く映画も我慢強く観ることが出来る。確かにこの映画はダラダラしてるし、思わせぶりもなく剛速球で映像化されてる。だけど、その感傷に浸れる時間って言うのは貴重なものだと思う。  こういうヨーロッパテイストの溢れるダラーッとした味わいは絶対子供の頃に観ておくべきだと思う。大人になったら解らない可能性が強い。子供の頃あれほど夢中で何度も何度も食い入るように見続けたフレデリックバックを、今観ると一瞬で寝てしまう私は強くそう思う。
[地上波(邦画)] 8点(2009-08-14 02:03:08)
34.  スキャナーズ 《ネタバレ》 
いや、今観たらどうだろう。普通かも知れない。ただ、普段あまりこの手の映画を観ないからいけちゃうんじゃないだろうか。  子供の頃観たとき、こんなに怖いのに面白い映画があるとは!とびっくりしたもの。異能者の内面表現が凄く真面目で、子供が観るとホントのことなんじゃない勝って思うくらいどきどきした。この頃の映画って、今観ると脚本とか雑で、ただでさえ特殊効果とか戦いの表現が紙芝居状態のものが多いけど、恐怖SF映画で脚本にこだわってさらに当時の特殊効果の癖を逆手に取ったあの戦い方!今観てもいけちゃうんじゃないかな~。と思う。がっかりするのが怖くて再見しないけど。  今の脚本、構成技術と特殊効果でリメイクしたら凄いところに行きそうな感じがするけど、スポット当たらなそうだし、安くやられて退化する可能性もあるし、難しい形をしたダイヤの原石って言う感じがする。でも、見たい。グチャグチャに複雑なプロットにして、アイアンサイドが出ていれば是非劇場で見たい感じがする。
[地上波(吹替)] 8点(2009-08-14 01:45:39)
35.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 《ネタバレ》 
懐かしい雰囲気。80年代最後の年というだけあって、80年代っぽさが少々薄くて90年代のくどさが良い具合に混じり込んでいる本作を2000年代の今みると、とてもノスタルジックな気持ちになりますね。  空飛ぶ車とかそういう未来って、90年代にはすでに無理だろうという風に考えられていたと思うんですが、この映画ではお構いなし!ボンボンタイムトラベルする良いスパイスになっています。  ただ、この映画もそうなんですが未来の描写って言うのは難しいですね。2009年の現在、すでに今の方が進みまくってますから。ギミック的な表現としての未来グッズは実現不可能か無意味なものですが、情報化や仕事道具なんかは現実世界の方が全然便利じゃないかと思います。  そういう意味じゃ、やっぱり未来描写の方はちょっとお茶を濁してるかなって言う部分が見え隠れしてちょっと冷静になってしまいますが、面白いことには間違いない。でもこのシリーズは過去に行った方が面白かったかな。
[映画館(字幕)] 8点(2009-08-08 00:27:38)
36.  コナン・ザ・グレート 《ネタバレ》 
相当面白い。シュワルツェネッガーの初期作品の中では相当なシリアス作品で、この手のファンタジーものとしては特に面白い部類の映画ではないかと思う。  シュワルツェネッガーの演技そのものもなぜか非常に説得力があり、わりとシリアスな脚本と暗く綺麗ではないストーリーが相まって独特の雰囲気が滲んでいる。この映画がB級なのかA級なのかと言われればどちらかと言えばB級よりではあるんだろうけど、言われているほどのそう言ったテイスツにあふれているわけではないように感じる。  特に、こういった映画には珍しく、吹き替えが思ったよりしっくりこないのが特徴で何となくしゃべり方で説明的無理矢理キャラを作り出すことがうまくいっていない。でももしかしたら演出ではなくて音源の状態が良くないからかもしれないけれど、原語との間の違いも大きいと思う。  もちろん子供が喜ぶ要素も多く、必ずしも現代の大人向け映画ではないだろうけど、30年近く前にこれだけ静的に神話的な世界を映像化したというのは相当な手腕だと思う。今観ても何か、生きていく柱となる標的にぶれずに立ち向かう話の筋が意外と現代的であり、チャンバラ以上にきちんと見える決闘や決戦のシーンの迫真さに気がつくと手に汗を握っているからだ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-05-31 01:49:45)
37.  ブルーサンダー 《ネタバレ》 
ダンオバノンが非常に良い仕事をしている。 メカ(に頼った)アクションなのかとおもうと、実は結構緊迫のサスペンスだったりする。 オリンピックのテロ対策の市警装備品って言う設定が秀逸。骨太の犯罪サスペンスを指させる小道具として最大限の活躍をし、空中戦までしてしまう!  子供の頃に、実は初めて夜の映画番組で観た洋画だったりする。 たった2時間でこんなにスリルを味わえるなんて、と非常に驚いた。それまではテレビ東京の西部劇ばかり観ていたのだが、この映画を観てから西部劇って映画なんだ。と気づいた。 アメリカ(マカロニは違うけど私的には十把一絡げ)には西部劇以外にもこんな面白いものがあるんだ・・・といたく感動した覚えがある。  これより面白いハリウッド映画はそれこそたくさんあるけれど、これが一番始めで実に良かった。これより面白い!と思った映画を観たとき本当に大満足できるからだ。 それは小学生の時に映画を初めて観てびっくりしたときの感激と同種の興奮であり、それを具体的に何度も味わっている。最初の感激を忘れないでいられるというのが何ともうれしい。
[地上波(吹替)] 8点(2009-05-27 01:20:46)(良:1票)
38.  バタリアン 《ネタバレ》 
テレビ放映の映画の良さが一杯まで引き出されていた。 親戚とか友人と何度も録画を楽しんだ思い出がある。  原語のユーモア以上に、明らかに笑ってしまう台詞作りとその表現は最高クラスではないかと思う。 「バタリアン 吹き替え」で検索をかけると金曜ロードショウ版の吹き替えだったようで、確かにこれのような気がする。 テレビ版の吹き替えが入った映画もたくさん出ていると思うけど、これもおそらく出れば購入してしまうだろう。  どうやらかなりの数の吹き替え要望があるようだけど、発売元に全然その気がないようだ。 なぜ人気があるのか全然わかってないな。と思う。 しかも最新版は値上げまでされているようで、廉価版と同一内容。 発売に関わった人間が客を馬鹿にしてるのが生々しく伝わってしまい不愉快。 原語版は秀作、吹き替えは傑作、字幕は吹き替え準拠で元の雰囲気がメッタメタという変な映画。  吹き替え音声を是非入れてほしい。
[地上波(吹替)] 8点(2009-05-18 03:58:59)(良:1票)
39.  プルガサリ/伝説の大怪獣
プルガサリの中の方に、劇場で握手してもらったり著書にサインしていただいた。 ゴジラが好きで少しだけゴジラの話をいろいろしてもらった。 気さくな方だった。  超満員の小さな劇場で脇の階段通路に敷物が敷かれ、そこに座って観た。 意外としっかりした作りで、さらに映像の色や絵作りまできちんと昭和怪獣映画しているあたりに結構感激した覚えがある。  製品として政治的なところとか、いろいろそれは違うんじゃないかとか、それは悪いことなんじゃないのか?という部分にこの映画とは違うところで引っかかりを感じるが、作った人たちは結構な思いがあったに違いない作品だった。 だから正直におもしろかったといってしまいたい。
[映画館(字幕)] 8点(2009-05-01 16:12:46)
40.  インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
設定などが、今であればとても大人が見る類の映画ではないけれど、当時は老若男女問わず楽しめる映画として作られているよう。  このシリーズを見て思うのは、あからさまにハリボテ丸出しの特殊効果でだれもがその違和感を快く受け入れているのに、最近の映画の精巧なCGは受け入れられないという人が必ずいると言うこと。  何でだろう。でも分からないでもない。 そのシーンで楽しんでもらおうって言う気があるか、無いか。 一生懸命その特殊効果を作ったかそうでないか。 長い時間を掛けて、質感を受け入れてもらおうという努力をしたかどうか。 そう言うところに原因があるんじゃないか。  多くの映画はこの映画のハリボテの大事さを全く見習っていないようだ。
[地上波(吹替)] 8点(2009-01-11 21:06:38)(良:1票)
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