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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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481.  マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 
人の心は天秤のイメージ。釣合いが取れている時は心穏やかな状態。辛いこと、悲しい出来事は重りとなって人の心を傾ける。傾き過ぎると、歩くことはおろか立っていられない。ボディーガードを引き受ける前のクリーシーは、この状態でした。アルコールを逆の天秤皿に注ぎ、一時的に傾きを中和する。でも酒はこぼれ落ちるばかり。酒は更なる重りに変わります。ピタと過ごした日々は、彼の心の天秤を水平に戻す過程であったと思います。やっと歩けるまでに回復した矢先の事件。傾きを和らげる手段として、彼が選んだのは復讐でした。重りを取り除くのではなく、逆の天秤皿に別の重りを載せる作業。重りを載せ過ぎるのは危険です。天秤は壊れ易い。でも載せずにはいられない。それが人間の情です。死の間際、クリーシーの心は水平だった。それがせめてもの救いだと思います。凝った映像表現がやや煩いものの、観客を惹きつける展開はお見事です。自分も架空の重りを心に背負いました。ピタが生きているのは不自然ですが、こういう奇跡は歓迎します。それにしても治安の良さは、かけがえのないものだと痛感しました。何だかんだ言っても日本は恵まれている。それは感謝しなければと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-26 18:16:15)(良:1票)
482.  ニンゲン合格
黒沢監督作品は、本作で自身6作目の鑑賞。やはりこの監督とは相性がいいようです。淡々とした語り口ながら、気付いたらいつも物語に引き込まれています。教え上手の先生の授業を受けているような感覚。手取り足取り、懇切丁寧が良いとは限りません。要所を押さえて適切なヒント。考える時間が丁度いい。答え合わせに喜びや驚きがあるので、内容がどんどん頭に入ってくる。(たまにヒントが少なかったり、フォローが無かったりもしますが。)この先生は教材のセレクトも抜群。役所広司の仕事ぶりは間違いないですし、西島秀俊のハマリ具合は絶妙でした。生徒を震え上がらせることでは定評のある先生。本作ではいつもと違って、かなりギャグをとばしています。一般受けが良いかどうかは分かりませんが、自分は結構笑いました。確かにポニーじゃない(笑)。タイトルをそのまま受け取るか、皮肉と取るか…。今回の宿題も楽しめそうです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-03-22 18:25:25)
483.  デジャヴ(2006)
(ネタバレなしで書きます。なお予備知識は無いほうが、間違いなく楽しめます。公式サイトもテレビCMも、ネタバレしていると思います。注意して書いたつもりですが、自分の書き込みも読まずに映画館に足を運ばれることをオススメします。)まずとんでもない設定に惹きつけられます。簡単に以下説明。複数の衛星を駆使した、凄い監視システムがある。ただし衛星から送られてくるデータが膨大過ぎて、処理に4日かかる。ゆえにリアルタイムでは画像を見られず、4日前の画像しか見られない。でもこのシステムが凄いのは、監視エリア内であれば何処でも瞬時に視点を移動し、アングルを自在に変えられ、室内も見通せるということ。しかも音声つき。例えるなら“4日前のあるエリア内に、瞬間移動のできる透明監視カメラがある”ようなもの。ただしカメラは一台しかいないので、何処にカメラを向けるか指示しなくてはならない。そして過ぎ去った場面を別アングルで見直すことは“不可”。超ハイテクシステムなのに、有効活用するには人間の勘が必要。このシステムを使って、爆破テロの犯人探しをするのが主人公の役目です。つまり4日前“犯人が立ち回ったであろう場所を推理”するのです。「このシステムすげえなあ」と「犯人は特定できるのか?」で自分の頭はいっぱい。と、ここまでは序の口です。ここからの怒涛の展開が本作の見せ場です。結構荒っぽい。でも観客に考える隙を与えず、力ずくでストーリーに引き込みます。手に汗を握り画面に釘付け。そして最後には「なるほど」と膝を打ちました。伏線の張り方もお見事ですが、多少粗くても勢いで“魅せる”作品だと思います。余韻は絶品です。先に述べたように、公式サイトもパンフレットも視野を狭めてしまうので、鑑賞後の楽しみにとっておいてください。
[映画館(字幕)] 8点(2007-03-19 18:21:40)(良:1票)
484.  エリン・ブロコビッチ 《ネタバレ》 
夫とは離婚。金はない。職を探そうにも学歴はないし、スキルもない。あるのは世間の偏見と、まだ手がかかる3人の子供。ままならない日々の生活。そんな状況から何故、彼女は大金を手にすることが出来たのでしょうか。まず彼女は必死だった。子供を養うため、なりふり構わなかった。子供がいなかったら、彼女の成功は無かったでしょう。3人の子を育てる彼女の苦労は、察して余りある。でも子供はハンデではありません。(彼女の口から、グチらしいグチが出なかったのは立派。)そして最も重要なこと。それは彼女が自分の価値を見誤らなかったことです。もし彼女が単なる下働きのつもりであったなら、もっと早い段階で手打ちをしていたはずです。家計を支える当面の目的は果たしているのだから。でも彼女は気付いた。自分には被害者の願いを叶える力があることを。彼女にとってこの案件は、手段(金を得るための仕事)から目的(被害者の救済と自身の存在価値を見出すこと)に変わっています。本件を手段のひとつと捉える女弁護士と主人公とでは、その成果に差が出るのは当たり前です。彼女は大金を“手に入れるべくして手に入れた”のです。もちろんパートナーの存在なくして、成功は無かった。それを一番分かっているのが他ならぬ主人公です。ですからパートナーと連れ立って原告のもとへ調停結果の報告に行ったのです。見事なサクセスストーリーでした。実に天晴れ。もちろん、オッパイも天晴れ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-09 18:06:53)(良:1票)
485.  ジャイアント・ピーチ 《ネタバレ》 
空飛ぶ巨大なピーチ、擬人化した虫たち、人形に変わった主人公。全て“魔法”で説明がつきます。機械の大魚も、ナイトメアのジャック登場にも違和感はありません。それは主人公の視点で物語が進んでいるから。実写→アニメへの移行は、世界が客観(現実)から主観(非現実)に移ったことも意味していると思います。主観の世界でなら、何が起こっても不思議ではありません。ニューヨークに到着して、主人公の魔法は解けます。実写に戻るのは、現実に戻るということ。アニメ世界の住人たちも、主人公同様に魔法が解けて、在るべき姿に戻るはず。蜘蛛女はクモに、天道虫おばさんはテントウムシに。それが暗黙のルールだと思っていました。しかしこの予想は外れます。擬人化した虫たちはそのまんま。意地悪おばさんに至っては、車で海底を走ってきたという。ということは、作品の世界全てが現実・非現実の区別のないファンタジーだったのか?いや、そうではありません。巨大な桃は見物料が取れるほど特別なものだった。虫たちもニュースになる存在。本作にも“非現実”の概念はあります。つまり、“非現実から現実に戻ること”よりも“非現実を現実に変えよう”。それが本作の主張です。アニメの世界を現実に変えよう。車は海底を走れないなんて誰が決めたの。“見方を変える”とは、こういうことだと思いました。もちろん不幸な境遇にだって当てはまります。前向きなメッセージだと思いました。なお、スタッフロール終了後、もうひとつ“見方を変える”サンプルがあります。少々悪趣味な遊び心が、ティム・バートンっぽいです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-07 17:52:45)
486.  お熱いのがお好き 《ネタバレ》 
よく練られたプロットに唸らされます。画のセンスも素晴らしです。例えば寝台列車で酒盛りをするシーン。ひとつの寝台に競い合ってもぐり込み、酒を酌み交わす女たち。フレームの中に女の足足足足…。現実にはこんなシチュエーションは無いでしょう。窮屈で飲めやしないですもの。でも構図として魅力的なのです。それに女たちのはしゃいだ気分、楽しい雰囲気が上手く表現されています。主役2人の女装のハマリ具合も絶妙でした。ビジュアル的に文句なしです。欲を言えば、2人のキャラ付けにメリハリが欲しいところですが、その性格のいい加減さ(+ちょっぴり誠実)が憎めません。さらに本作を“スペシャル”なレベルにまで押し上げているのがマリリン・モンローの存在です。決して演技が上手いとは思いませんが、醸し出す雰囲気は極上の一言。エロティックではなくキュート。私は、清楚で華奢で、幸薄い感じの女性がタイプですが(星野真里がドストライク!)、そんな自分でもモンローの魅力にメロメロでした。非常に完成度の高い作品。ラストの台詞を考えた人は天才だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-03 17:27:12)
487.  ドラえもん のび太の大魔境
秀逸な設定。テンポ良く盛り沢山な内容。飽くなき兵器開発に対する警鐘というメッセージ。子供向け娯楽映画として洗練されていると思いました。設定を論理的に説明すること。展開に整合性を持たせること。誠実な制作姿勢を感じました。この時期の劇場版『ドラえもん』に共通している長所だと思います。また興味深かったのが、当時の世相を反映した思想・価値観(教育的配慮)について。盛んに「男らしい」を連発するしずかちゃん。今ならこのような表現はしないはずです。やはり映画は時代を色濃く映す鑑だと思いました。満足度の高い作品。ただ、お姫様わんこがカワイクなかったのが残念(笑)。
[DVD(邦画)] 8点(2007-03-02 18:21:30)
488.  茶の味 《ネタバレ》 
脱力コメディと思いきや、さにあらず。単なる不条理系とも少し違う。シュールなテイストを織り交ぜつつも、物語の組み立ては思いのほかベタ。その不思議で柔らかい世界観が本作の魅力だと思います。ただ全体的に狙いすぎ。一般受けする作品ではありませんでした。最近の邦画に多い“ナチュラルテイスト”は、本作でも感じられます。浅野忠信に代表される“演技をしない演技”。ただし、そればかりが先行すると味気ない。本作では我修院達也の濃い味と、子役坂野真弥の強烈な存在感が作品に旨みを与えています。描かれるのは、ある家族の日常。各人に用意されるエピソードは、特別なものではありません。誰もが経験するようなごく普通のこと(一部を除く)。でも本人にとっては何だってスペシャルです。人を成長させ、人生に味わいを与えてくれる。タイトル「茶の味」は、文字通り家族ですするお茶の味。毎日飲むお茶だから安いお茶です。そんなに旨くない。でも何故か心が和む味。それが作品の味であり、人生の味なのだと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-02-23 18:04:41)
489.  何がジェーンに起ったか? 《ネタバレ》 
姉への嫌がらせというレベルから、殺人にまで事態はエスカレートします。ジェーン破滅への道が本作のストーリー。2時間超という長尺が上手く活かされています。展開が緩やかなので、状況の正確な見極めが難しい。泥沼に沈むかの如く、気付いたら最悪の局面を迎えています。展開は巧みです。そして最も秀逸なのがタイトル。“ジェーンは何を起こしたか”ではなく、“ジェーンに何が起こったか”。最後にタイトルの真意が明かされます。本作の要所は現在進行形の事件にあるのではなく、数十年前の自動車事故にあった。いやベイビー・ジェーンと呼ばれていた少女時代にまで遡るのかもしれません。殺人事件の元凶はどこにあるのか。自動車事故の真実、幼い頃の家庭環境。加害者と思われたジェーンが被害者に変わります。これはサスペンスから悲劇への転換も意味します。もちろんジェーンの責任は間逃れない。しかし彼女を取り巻いた人達、ベイビー・ジェーンを作り上げた人達にも等しくその罪が問われるはずです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-22 18:15:23)
490.  50回目のファースト・キス(2004) 《ネタバレ》 
自分はいわゆる“難病もの”というのが苦手です。設定で泣けるのは何となくずるい気がするから。悲しい結末が予想できるからです。そのため、そういう雰囲気を漂わせている作品は敬遠しがちになります。本作についても躊躇はありました。でも思い切って鑑賞することに。衝撃的でした。自分の抱いていた“難病もの”の定義が覆りました。徹底して明るいつくり。終始一貫ラブコメディ。気持ちよく笑えました。その分当事者の苦しみ、周りの人の悩み葛藤は描けていないのかもしれません。しかし、全てをありのまま描くのが、いつも良いとは限りません。病気は理解して欲しい。けど同情して欲しくはない。同じ悩みを抱える人たちも、こんな明るい作品を望んでいる気がします。“毎回ファーストキスなんてステキ”。見方を変えれば、感じ方も変わる。いろんなことに当てはまります。とっても前向き、爽やかにハッピー。いいお話でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-18 18:11:40)(良:2票)
491.  波止場(1954) 《ネタバレ》 
暴君による支配体制を打破すべく立ち上がる民衆。構成はまるで市民革命。勇気ある行動、弱き者の団結は胸を打ちます。しかし本作はストレートな感動作ではありませんでした。まず主人公について。彼はヒーローではありません。ただのならず者。それに甘ったれです。不正の告発に至ったのも、良心の呵責や正義感からではありません。きっかけは“好きな女を自分のものにするため”。さらに兄を殺されたことに対する“復讐心”から。そこに弱者の味方としての視点は一切ありません。彼を取り巻く2人のキーパーソンにしてもそう。牧師はただ宗教家としての倫理を振りかざすのみ。女も彼と恋仲になるや、不正の告発はそっちのけで一緒に逃げようと言う始末。結局主要キャストを含め、みんな自分の事しか考えていません。正義の味方はいないのです。(本来ヒーローとなるべき2人の男は、あっけなく殺されています。)多分それが現実。でも革命は起こりました。たった一人の意地によって。革命に英雄は必要ない。崇高な理念も信念もいらない。ただ行動あれ。それが多数の心を捉えれば事は成される。そんなふうに感じました。ですからエンディングに予定調和の爽快さはありません。しかしそれがいい。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-11 18:35:10)
492.  アバウト・シュミット 《ネタバレ》 
職を離れ、妻を亡くし、友を失い、ひとりになったウォーレン。孤独な現実が彼に突きつけます。お前の生きてきた証がこれだ。お前の歩いてきた人生がどんなものか判るだろう。最後の砦、娘まで奪われて失意のうちに帰宅する主人公。そんな彼を待っていたのが、援助をしている子供からの手紙でした。この手紙に彼は涙します。それは無意味に思えた人生を僅かながらも肯定してくれたから。ウォーレンの泣き顔が心に沁みます。そしてこの事は全てに通じる“どんでん返し”でもありました。「恵まれない子供への援助」は、主人公に心情を語らせる演出上の仕掛けのように見えます。チャリティ自体も結構インチキ臭い。でもそれは自分の“勝手な思い込み”でした。彼の援助は本当に子供を救っていた。彼は必要とされていた。それは本作の既定事実にも当てはまることに気付きます。妻と過ごした歳月は虚しいものだった。娘の結婚は間違いだ。主人公の人生は無意味だった。これらの結論は全て彼の“勝手な判断”です。いみじくも彼は結婚式でスピーチしています。「2人の道は交差した」と。人生は自分だけのものではなく、関わり合った全ての人のものでもあります。だから一人でその価値を判断することに意味はない。そんな気がしました。苦くて切なくて笑える「シュミットについて」。彼は30年後の自分の姿でもあります。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2007-02-08 18:04:30)(良:2票)
493.  シンデレラ(1950)
まずキャラクターの設定が秀逸です。ヒロインの凛としたたたずまい、継母+姉妹の悪役ぶり、動物キャラも楽しい。演出もエンターテイメント性に溢れ、かつ丁寧な仕事ぶりが伺えます。そして映像が抜群に素晴らしい。鮮やかな色彩と緻密な作画。華やかさだけではない、“絵”の魅力がありました。うっとりして、ちょっと泣きそうになるくらい。名作と呼ばれるものの中には、“当時にしては”と注釈が付く場合があります。映像技術は日進月歩。この部分では、近年の作品にアドバンテージがあるのは明らかです。しかし本作はそのような気遣いを必要としません。完成度は驚くほど高い。誰もが知る有名な童話、馴染みのあるディズニーキャラクター。そのため自分のように、“何となく観たような”気になっている方もおられるかもしれません。でもご注意ください。本作を観ないのは本当にもったいないです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-06 18:06:35)
494.  馬鹿が戦車(タンク)でやって来る 《ネタバレ》 
サブはいわゆる社会的弱者。金は無いし、頭も良くない。そんなサブ一家を村人達は、嘲笑の対象とします。冒頭、船頭の口からも語られるように、何か村に問題が起これば、あの一家のせい。あの一家に比べれば我が家はマシ。そう考えることで、村人は平穏を手に入れています。村社会における、一種のスケープゴート。村人に対して強い怒りを覚えます。と同時に落ち着かない気持ちにもなる。それは、自分も村人の一員であるから。もちろんあそこまで酷くはないと思う。でも多かれ少なかれ同じような心理があるのは確か。地域のコミュニティが廃れた今、その局面が学校なり職場なりに残っただけのことです。ストレスのはけ口として弱者が利用される。サブが去った村では、また新たなスケープゴートが選ばれるのでしょう。もちろんそれは村人の中から。今やイジメは社会問題。しかし何時の世にもあったことです。“俺の若い頃はそんなに陰湿じゃなかった”は、ただの言い訳。イジメはその時代の倫理観・価値観に左右されるものだから。イジメを無くすため、多くの有識者や専門家が様々な提言を行っています。どれもごもっとも。でも心に響きません。自分には本作の方がずっと心に響きます。要は、馬鹿になって暴れりゃいい。イジメられたら仕返しすればいい。単純なことです。後先考えずに、とりあえず殴れ。そして逃げろ。結局最後に勝つのは上手く立ち回れる小利口ではなく、馬鹿であって欲しいと願います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-01-26 18:26:07)(良:1票)
495.  ズーランダー 《ネタバレ》 
コメディを賞賛する場合、“腹がよじれた”と表現することがあります。これは一種の比喩表現。それくらい面白かったという意味で、現実に腹がよじれることは稀かと思います。でも本作では現実に起こりました。腹よじれが。寝転びながらDVDを観ていた自分は、本当に腹を抱えて笑い転げました。ガススタンドの爆発シーンで文字通りの大爆笑。あまりのアホらしさと火薬の多さに不意を付かれました。ここで一気に作品の世界に引き込まれました。作品の楽しみ方が分かれば、もうしめたものです。家族揃って同じ髪形にも、ちっちゃな携帯にも、ウォーキング対決にも、宇宙の旅パロディにも、安っぽい家族愛にも、ことごとくハマリました。エンディングでダメ押しの噴水像。もう堪忍して!内容の無さ、無茶な展開がたまりませんでした。コメディは笑わせてナンボのジャンル。下品だろうと、卑怯だろうと笑わせた者勝ちだと再認識しました。もうあのキメ顔にメロメロです。セレブギャグのニュアンスが理解できれば、もっと面白かっただろうということだけが心残りです。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-16 19:36:00)(良:2票)
496.  馬鹿まるだし 《ネタバレ》 
寅さんのパイロット版のような雰囲気です。笑えてホロリの人情喜劇。ただし控えめです。大笑いという感じではありません。まだ、笑わせ泣かせの手法が確立されていないような気がしました。本作と比べると『男はつらいよ』の洗練具合、完成度の高さがよく分かります。ハナ肇(自分たちの世代では銅像でお馴染み)も演技が上手いとは言い難い。でも自分は本作を好きになりました。親分は確かに馬鹿まるだし。御新造さんに対する気持ちも、おだてに乗りやい性格も全部バレバレ。故に周りに都合よく使われ、貧乏くじを引かされるハメに。でも本人は全然そんなことに気付かない。一所懸命が空回りするタイプ。ホント単純です。でも自分は親分さんに憧れてしまいました。冗談ではなく真面目に。自分には無いものを沢山持っているから。損得勘定なく動けること。表裏が無いこと。馬鹿を隠すことに苦労するより、馬鹿まるだしのほうが清々しい“いい生き方”に思えました。手紙で知らされた親分の最期には、不覚にも涙。「池にはまって溺死」。ちょっと笑える“らしい”死に方。植木等は言います。「大人物を亡くした」と。ふざけ半分なのは確か。でも半分は本当に尊敬していたのだと思います。それにしても命を助けられた娘さんが、親分さんを忘れていたのは切ないですね。でもそれも含めて“らしい”のかも。出来ないけれどあんな風に正直に生きてみたい。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-01-15 18:08:02)(良:2票)
497.  犬神家の一族(1976)
久しぶりに観直しました。全く古さを感じなかったことに驚きました。もちろん石坂浩二を初め、キャストはみんな若々しいです。時の経過は否応も無く感じてしまいます。でも作品から伝わる“鮮烈さ”は、色褪せてはいませんでした。凄いことだと思います。程よい緩み(笑い)を交えることで、作品への集中力を切らせることを防止し、同時に暗く濃く生々しい世界観を際立たせていました。演出の巧みさ、画の美しさは文句なしだと思います。キャストも非常に豪華。結末を知っていても問題なく楽しめます。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-01-08 17:06:13)
498.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 
ロボットのデザインがキャッチーでないこと、お遊びの要素が強すぎて緊張感が削がれた部分があったこと、不必要に凝ったカメラワークなど、やや不満な点もありますが、これは個人的な好みの範疇。全体的にみれば、巧みな展開、スピード感あふれるアクション、質の高いCG、テーマ性、どれをとっても良いと感じます。中でも特筆すべきは、自我を持った新型ロボット“サニー”のキャラクターの立ちっぷり。同じく自我に目覚めたロボティック社のマザーコンピュータ“ヴィキ”との対比が絶妙です。「君の理論は分かるけど、それではあまりに心が無い」とヴィキに言い放つサニーにシビレます。主役を食わんばかりの見事な芝居をみせるサミー(主人公とアイコンタクトをとるシーンでの“微妙な頷き”には脱帽!)に驚かされます。伏線の張り方もそつが無く、ラストの余韻は秀逸です。もともと期待していなかったせいもありますが、満足度の高い作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-01-04 18:20:50)
499.  トイ・ストーリー2
続編としては、ほぼ完璧な出来だと思います。本作が持っているコメディ、アクション、アドベンチャーの要素が程よいバランスで配合されています。またストーリーもいい。子供と遊ぶのがおもちゃの役割。いつか子供が大きくなって、その役目に終わりが来ることになろうとも、そのときまで一所懸命に楽しもう。ラストでは、あえてアンディの成長(少年期の終わりが間近であること)を見せ、このことを観客に意識付けます。これはそのまま人間にも置き換えられます。いつか来る終わりのときまで、人生を楽しもう。少し切ないですが、ポジティブなメッセージだと思います。映像面も格段にパワーアップ。あえて良くない(好きでない)部分を挙げるなら、ウッディーを救うべく立ち上がるバズを露骨に“アメリカ”に例える場面があったこと。あとエンディングロールの嘘NGシーン。興醒めしてしまいます。でも全体的には◎の作品です。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-12-31 18:37:58)
500.  トイ・ストーリー 《ネタバレ》 
コメディであり、アクションであり、ホラーの要素まである本作品。緩急のある演出で観客を飽きさせません。特に終盤の展開はスリリングで手に汗握ります。また物語的にも心を掴むものがあります。新しいおもちゃが来る度に、戦々恐々とする既存のおもちゃたち。ご主人に飽きられるのではないか、捨てられるのではないか。これは多くのサラリーマンが抱く思いに通じます。ちょっと切ない。映像的にもストーリー的にも上質で、子供はもちろん大人も十分に楽しめる作品です。ただ、個人的に一箇所だけ腑に落ちない場面があります。それは、隣の家の子供からバズを救い出す際に、おもちゃたちが禁を破るシーン。おもちゃいじめの子供にお灸を据えるのは、確かにスカッとするのですが、手法がイマイチだと思いました。“人間の目の前では身動きしない”は絶対に破ってはいけない“掟”のはず。おもちゃたちにとって“誇り”でもあったと思います。それをいとも簡単に反故にしたことにガッカリしました。いかに禁を破らず、目的を成し遂げるか。工夫のしどころです。ここを上手くクリアできれば、本作はもう一段階高みに達したと思います。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-12-30 18:22:28)(良:1票)
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