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K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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501.  ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習 《ネタバレ》 
~Borat: Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan~原題は邦題のままのようです。 モニタリングという番組があって、アスリートが老人メイクをして、一般のアマチュアに教えてもらう体で競技に参加して、突然本領発揮して驚かすってドッキリ企画なんだけど、アレどう見てもメイクってバレバレだし、一般の人もバレバレメイクに気付かないフリするのも、正体バラす時に驚くのも、大変だろうなぁって、見ていて辛いからチャンネル変えてしまう。あの番組まだやってるのかな? こういう企画はドッキリだってバレたら元も子もないけど、仕込み・ヤラセが見透かされると途端に面白くなくなると思う。けどこのボラットは最後まで騙し通すところがスゴい。ニュース番組出演、ロデオでの国歌斉唱、変な宗教団体に参加など、収録後のネタバレをせず、ウソを突き通したようだ。 ヤラセとコメディとドキュメントの境界線が絶妙で、どこからどこまでがヤラセか判断が付きにくいけど、アンティークショップはヤラセで、パメラ・アンダーソン誘拐は本人了承済みとのこと。だけどパメラのボディガードは知らないんだろうな。  ボラットとアザマットが全裸で格闘するシーンは吹き出してしまった。こういう下品な下ネタのシーンで笑ってしまうと、人に言えない自分の性癖を知られるのと同じくらい恥ずかしけど、まぁ、観てる時1人だったので…劇場だったらどんな反応しただろう。 で、この格闘のあと、パーティ会場で全裸で暴れるドキュメントに繋がる(…ルース・ベイダー(当時、最高裁判事)がゲストらしいけど姿は見えず。同姓同名か、ここもヤラセか?)。住宅ローン販売員のパーティらしいけど、公開2年後にサブプライム・ローン問題。数カ月後にリーマン・ショック。  出演する一般人にモザイクが掛かってないのが不思議だけど、これが映画として成立するのは、ボラットの非常識な行動や言動に対する一般人の対応が、カメラの前で行われてることだと思う。彼らは隠し撮りをされたわけではない。ロデオのオーナーがボラットに『ヒゲを剃らないとテロリストみたいだよ』とか『イラクのテロリストは全員縛り首だ』とか過激なことを言う。NYテロの割とすぐ後だから仕方のない感情とも言えるけど、彼はこのカメラの先に、カザフスタンの国民が居ることを了承したうえで、そう答えたハズ。  お下劣コメディとして笑うのも良し。 社会問題にメスを入れたとかナントカ、小難しい顔をして観るのも良し。 不愉快だ、詰まらないと記憶から消しても良し。 そして、観ないのも良しだ。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-10-04 12:49:53)
502.  ロッキー・ホラー・ショー 《ネタバレ》 
~The Rocky Horror Picture Show~ミュージカル“ロッキー・ホラー・ショー”の映画化で、ピクチャー・ショーとは映画の昔の言い方らしい。日本だと活劇とかシネマ、キネマだろうか? ホラー・ショーではなく、フランクン博士が作った人造人間の名前がロッキー・ホラー。ロックとホラーから名付けたんだと思う。『活劇!人造人間ロッキー・ホラー!!』とか、そんな感じかなぁ? 画面いっぱいの唇。“深夜の2本立てSF怪奇映画の2本立て”って変な歌から始まる。往年の映画と俳優の名前とともに紹介されるこの映画のあらすじ。ブラッドとジャネットも出るよって、知らんわ。この映画ともう一本は禁断の惑星か?とにかく、ひと昔前のSF映画と怪奇映画への愛は伝わる。 目のクリクリした女の子がスーザン・サランドンなのが驚いた。ストーリーを理解しようと頑張ったけど館に入ったところで無理だって諦めた。こっそり帰ろうとするブラッドとジャネット同様、私もDVDの停止ボタンを押したくなったけど、フランクン博士登場で目が冷めた。うわっカッコイイ!トランスセクシュアル星。今で言うトランスジェンダーか。最初以外マトモに服を着てないブラッドとジャネット。ここで見せられる実験が、タイトルのロッキー・ホラー・ショーなのかな?いやいや電話借りに来ただけなのに… ジャネットだけでなくブラッドも襲われるとこ、関係を持ったことのバレ方、タバコ吸ってくつろいでるブラッドに吹き出した。“タッチ・ミー”の可愛さ。ジャネットの尻の軽さ。スコット博士と顔合わせのテンドンは笑うしかない。こんな盛り沢山な夜の、深夜に始まる晩餐会。配膳の雑さ。一方的に初めて一方的に終わるハッピーバースデーソング。この辺のセンスかなり好き。 石膏像にされて、みんなセクシー衣装で踊りだして、ホント何がしたいんだ?? スゴいけどカッコイイけど楽しいけど、大好きか?って言われると、そう言うのでもないんだな。不思議な魅力は満載。
[DVD(字幕)] 6点(2021-09-24 17:26:46)
503.  アンダーグラウンド(1995) 《ネタバレ》 
~Underground~地下で。ひっそりと。秘密裏に。=物語の舞台の地下での生活、ひっそりと生き延びる指名手配のクロ、秘密裏に武器製造をさせるマルコ。ダブル・ミーニングにもトリプル・ミーニングにも考えられて、色んな意味が込められたであろうタイトルと作品内容。 かつて東欧にあった連合国家ユーゴスラビア。第2次世界対戦中はドイツに支配される側だった。その後ソ連のもと東側諸国として東西冷戦を乗り越え、冷戦終結後は内戦に突入。ボスニアとかコソボとか、東欧の中でも血生臭い印象の地名が属する国だそうだ。 強国の都合に翻弄され、鉄のカーテンのもとで“ひっそりと”分解していった国家・ユーラビア。その首都ベオグラードで激動の時代をたくましく生きた人々をユーモラスに描いた映画…って、随分と説明臭いレビューだけど、ユーゴスラビアって国についてほとんど何も知らなくて。どんな歴史を辿った国かを知っていれば、より深く理解できる映画だと思う。  観る前は、“大戦中、地下に逃げた人たちが、戦争後も避難生活を続ける、時代錯誤なギャップを楽しむほのぼの系ヒューマン・コメディ”だと思っていたけど…とにかく観ると疲れる。なんかグッタリする。何よりOPから流れる音楽“ジプシーブラス”?が、脳裏にこびり着いて離れない。 “太った娼婦の尻に一輪挿し”とかどう観るべきか理解難しいし、動物園の爆撃とか印象的な重たい場面が出てくるし、クロとマルコのやってることがメチャクチャで、笑って良いのか真面目なシーンなのか、感情の置き場所に困ったわ。 実際の空爆後の白黒映像に着色したものや、当時のニュース映像にマルコの顔や姿を合成したり、この映画と歴史を同化させる画は感心する。  戦後、あんな狭い地下で20年も武器製造をしながらの生活。地下から武器を上げる時、左右に分かれて開くテーブル。ガラスの花瓶まで真っ二つに、やっとコント要素も入ってることに気がつく。そういや、電気コードで髪の毛逆立ったり、最初からコント要素あったなって。 幻想的に宙を舞う花嫁の美しさと、滑稽な演出装置。ぐるぐる回り続ける楽団。映画撮影のドイツ兵と不死身のフランツ。 大砲で大穴が空いて、“さぁここから、みんなが地下から出てきて、地上とのギャップに大笑いだぞ”と思ったら、なんかそういう方向でもない。 更に時が過ぎて'90年代。猿がそんなに生きるか?とか思ってる間に、死者が集まる幻想的な結婚式に、ファンタジー要素も入ってるんだと気づく。そういやOPから撃たれても死なない楽団とかファンタジー要素もあったなって。  最後のセリフ「許そう。でも忘れないぞ」は、クロとマルコの話であり、祖国と世界の話であり、国内の民族の話でもある。 陸地から離れてドナウ川に流れていく小島。深い、濃い。そして長い。もう一度見たら理解も深まるだろうけど、またあの音楽が頭の中にこびりついて、グッタリしてる自分の姿が目に浮かぶ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-09-20 12:47:35)
504.  追憶(1973) 《ネタバレ》 
~The Way We Were~私達それぞれの選んだ生き方。 バーの外の、花に囲まれた席でビールを飲むハベル。もうどっからどう見ても王子様ではないか。色気とは無縁の学生生活をしてきたケイティが、ついつい見とれてしまうのが痛いほどわかる。ダンスのシーン、どう見てもモテそうにないフランキーから、あっさりケイティを奪い去り、用が済んだら返すハベル。ブルジョアでプレイボーイで、もう住む世界が違うのだ。 そんなハベルがたまたま酔いつぶれてたら、お持ち帰りしたくなる気持ちもわかる。部屋に帰ってからのケイティがテキパキお茶を入れる姿とか、ハベルの寝るベッドに裸になって身体を滑り込ませるとか、ある意味可愛らしい。そしてあとはオートマティック。…でも実際あったら怖い。ケイティは後々、この時の話をハベルにしたんだろうか? 自分のライフスタイルにケイティを合わせようとするハベル。というか、自分流に過ごすだけで、全然ケイティに合わせようとしないハベルに、それで良いのか?って思った。そういう時代だったかもしれないけど。喧嘩して、別れて、折れて、また付き合う。根本的にこの二人は合わないと思うけど、それでも惹かれ合う二人の描き方がとても丁寧。マルクス兄妹の仮装をするパーティで、ハーポとグルーチョに扮した二人が可愛い。 二人が再開した時、ハベルの奥さんが“いかにも”って感じの、綺麗で物分りの良さそうな人だった。ケイティと出会わずに生きていても、そのうちどこかで(どこでも)出会う女性の1人と結婚したハベル。夫婦で家に遊びに来る誘い。本気の恋愛だったから断るハベル。辛いことばかりだったかもしれないけど、それ以上にお互いに良い恋愛だったんだな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-09-02 22:31:05)(良:1票)
505.  我等の生涯の最良の年 《ネタバレ》 
~The Best Years Of Our Lives~邦題まま。 両手のない水兵ホーマー。義手でサインしたりマッチの火を付けたり、本当に器用だ。戦争で手足を失った人が多かっただろうこの時代、ジロジロ見るのは気が引けるけど、映画だったら見て学べる。「そうやって使うんだ。凄い練習したんだろうな、上手だなぁ」と。腫れ物に触れるような扱い、気にしない風にしてるのが、却ってホーマーを傷つける。 アルが戦地から持ってきたお土産、ジャップの刀と寄せ書き。見ていて複雑な気持ちになったけど、寄せ書きの意味を知っている息子が、きちんと複雑な心境を表現してくれた。もう「本物だ、すげえ!」と素直に喜ぶ年齢じゃなくなっていた。 新婚生活を再スタートしたのに、思うような仕事が見つからないフレッド。週32.50ドル。節約を強いられる生活と、まだまだ遊び歩きたい妻。 戦地からの帰還兵と、受け入れる側の家族のギャップと、それを埋めるためのお互いの歩み寄りを丁寧に描いた映画を、第二次世界大戦の終戦翌年に公開しているのが、凄い。  「ジャップやナチは共産主義を叩きたかっただけなのに、英国に利用された。無駄な犠牲だ。」戦後1年目だと戦勝ムード真っ盛りなイメージだったけど、当時そんな考えもあったなんて、今まで想像も付かなかった。 他の映画でも見たことあるけど、飛行機の墓場。繰り返しになるけど、戦後1年であれだけの軍用機が不要になるアメリカ、とんでもない国と戦争をしたものだ。エンジンのないB-17の不気味なこと… 建築材料にリサイクルされる軍用機、そこで働くことにするフレッド。戦争は終わった。人も兵器も次の役目が待っている。いつまでも戦後を引きずらない、アメリカって前向きな国だね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-09-02 01:09:18)
506.  ぼくらの七日間戦争(1988)
学校への不満、教師への反抗、立入禁止の廃工場、自分たちだけの生活。誰もが共感できて、誰もがワクワクする。私も同級生と、当時こんな事がしたかった。かつて少年少女だった全ての人のロマン。 でも初めて観た時は、私はもう15~6歳だったから、面倒くさいお年頃だったと思う。 外国のデモ隊と警官隊の衝突のニュース映像なんかを見た経験から『機動隊のやられ方、嘘くさ!戦車が出てきた時点で、警察も本気でツブしにくるだろ』学校祭の出し物、展示物を何日も掛けて制作した経験から『最後の罠とか花火とか、嘘ばっかり!』なんて。特に映画の後半部分の嘘くささが鼻について、気持ちが冷めていったっけ…あぁ、もう少し子供だった頃に観たかった。 いい大人になった今は、TMネットワークの歌とともに懐かしさも感じながら、当時よりずっと楽しめたかな。  何より宮沢りえの“時の人オーラ”が凄い。彼女の白い肌と透明感。他の女の子と並んだとき、腰の位置が違う。このあと芸能界で色んな仕事をさせられるけど、このときは宮沢りえの存在全てが絶対領域だった。 体育教師にジーンズの裾を引っ張られて破れる。中山役の宮沢りえをホットパンツ姿にする見事な演出。 中山「エレーナをそんなにぶたないで(棒)」カッキーが戦車を見上げると、あらら大胆な改造ホットパンツに。 ここのシーン、しゃがんだ中山が立ち上がるまでを、もっとネチッこく撮りたかったハズだし、その意図で入れたシーンだと思うけど、意外なほどアッサリしたカメラワーク。“宮沢りえをそんな目で見てはいけない”という意識が働いたのかもしれない。なんて思ってしまうほどの彼女の存在感だった。 菊池と中山の仲を見て急に機嫌が悪くなる安永。かといってこの三角関係が発展するとか無く、淡いままで終わらせるとか、いかにも当時の中学生らしい。 エース菊池と補欠の相原が仲が良かったり、絵の得意な久美子が、鉄の扉の外側でなく内側に大きな絵を書くとか、彼女の才能と内向的な性格が出ていてすごく良い。このくらいの歳まで、みんな才能も明るい希望や夢もあるけど、画一的な教育社会では、みんなの才能が世間に認められるわけじゃない。  61式戦車も重要。なんであんなところに居たのかは謎だけど、それが却って不思議で面白い。 何年も放置されたであろう古い鉄の塊。子どもたちの修理なんかで動くシロモノじゃない。それが動くなんてファンタジーだ。 まるでアイアン・ジャイアントやラピュタのロボット兵並みに、子どもたちのピンチに「・・・どれ、助けてやるか」と動き出すエレーナ。 61式は戦後初の国産戦車で、一度も戦闘で血を流すこと無く、今では全車退役しているそうな。そんな平和な時代の、動くはずのない戦車が、子どもたちを助け、みんなを載せて敷地内を楽しそうに駆け回り、元の位置の戻り、エンジンが焼けて寿命を迎える。 人に向けて撃つことのなかった大砲は、子どもたちの七日間戦争の終わりを告げる花火を打ち上げる。  今見ても最後の大暴れ、完成度の高すぎるトラップの数々が、11人の子供が頑張った感=リアリティが無くやりすぎで残念。 小規模にするか、せめて他の生徒も応援に来てみんなで…とかなら、多少説得力も増しただろうか? 最後どうなったのか。子どもたちはあれだけのことをして『楽しい思い出が出来たなぁ』くらいな感じで学校に通う。 バラバラに転校もさせられず、ワンポイント・ソックスも勝ち取れず、校長先生に殺されもせず。何もなかったかのような登校風景。 子供も大人もお互いに理解し合えず。って結末。最後が惜しい。
[地上波(邦画)] 6点(2021-08-25 14:23:49)(良:1票)
507.  私は告白する 《ネタバレ》 
~I Confess~邦題そのまま。 DIRECTION→(こちら→)からの、死体。遊び心のある演出。 夜中の11時過ぎにあんな幼い少女が二人、外を歩いてるなんて、平和だなぁ…すぐそこで殺人事件起きてるけど。 告解の内容は誰にも話せない事から、ローガン神父の苦悩と、神父に対する世間や警察の誤解に焦点が当たっている。 そっちがメインなためか、当の殺人事件や犯人の行動や動機がかなり雑な印象。 神父ももう少し警察に言えることがあるんじゃないか?って思うけど、どうなんだろ? ローガン「ビレットが死んだ」ルース「私たち自由ね」のシーン。同じ時間同じ場面を、ラルー警視側の視点と、車で来たルース側から見た視点の両方から見せるのは面白い。今では割と使われる撮影方法だけど、当時他にあったかな? 裁判での逆転劇がクライマックスかと思いきや、証拠不十分で無罪というスッキリしない判決。 恩人に罪を被せるケラーの卑怯さ加減。あぁ憎たらしい!と思っていたら、あれだけの観衆の前で銃を撃つという、最後のヤケクソ感。 最初からケラーの犯行に後ろ向きで、でも告白する勇気もない妻のアルマ。ローガン神父のために勇気を出した結果、夫に撃たれて命を落とすなんて、ひたすら可愛そう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-20 20:23:32)
508.  ダイヤルMを廻せ! 《ネタバレ》 
~Dial M for Murder~ダイヤルのMは“殺人”のM。 序盤、完全犯罪のタネ明かしから入るのは珍しいと思った。説明聞きながら電気を消して、暗い中で動けるかとか確認するスワンも芸が細かい。 タネ明かしから見せるってことは、当然その通りにいかないって想像が付くんだけど、奥さんが私も出掛けるって言われたときはドキッとした。その後時計が止まって計画がズレるけど、こっちは特に悪影響なかったんだっけか? 優秀な警部相手に、とっさの思い付きで“駅で彼を見た”とか“上司の電話番号を聞くため”とかポンポン出てくるトニー。苦しい言い訳にも取れるけど凄い。 マークの推理が、最初の完全犯罪のタネ明かしとほぼ一緒なのが、ハラハラして面白い。さすが推理小説作家。 最後の鍵がマーゴのでなくスワンのだと気がつくシーン、警部の読み通りになるところをトニーのセリフ無しで見せるのも上手いなぁ。 しかし、殺人とは言え、不倫カップルに制裁を加える夫が悪人に描かれるって、なんか時代を感じてしまうなぁ。最後にマーゴとマークが警部と一緒にトニーを出迎えるところ、ハッピーエンドと言って良いんだかモヤるけど、全てを諦めて二人に酒を薦めるトニーが格好良くも見えた。  そもそも鍵を開けてすぐ、階段のカーペットに鍵をしまったスワン。自分の家の鍵とそっくりだからそうしたのか?家の鍵が多様になった最近の家では使えないネタ。このアパートの玄関、この時代にオートロックなのか?トニーが出ていくとき鍵かけてないよーな。 有罪から死刑になって執行されるまで早っ!とか、警部令状もなしにマーゴの鍵で家宅捜索しようなんてアウトローとか思ったけど、一番ビックリしたのがインターミッション。105分の映画で途中休憩が入るなんて予想外だった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-17 21:38:47)(良:1票)
509.  タクシー運転手 約束は海を越えて 《ネタバレ》 
親ひとり子ひとり。タクシー運転手と乗客の、一期一会のほのぼのした映画…と思いきや韓国の黒歴史の映画でした。 光州事件。この映画を見るまで知らなかった。 1980年といえば割と最近の出来事、8年後にオリンピックをやる国で、同じ民族に銃を向ける事件があったなんて… 政治に無関心なキム。大金のために人の仕事を横取りとか、面倒に巻き込まれたくないからUターンとか結構酷い。 当時の10万ウォンは37万円くらいらしい。こりゃ大金だけど、命をかける金額かというと… 危険には目を瞑って光州に行くキム。ソウルから光州まで270kmくらいだって。結構な距離だな。 緑のコロコロしたタクシーが可愛い。小さいなぁ、Nワゴンの方がデカイんじゃないかな?60万kmも頑張ってるのが良いね。 でもあの車でソウル→光州270kmはキツイ。 光州の町並みは、荒廃して無人で不気味だけど、どこか懐かしさが感じられる。日本で'80の町並み再現の大変さを考えると、CGなのかな?よく出来ている。 光州の人が良い人ばっかり。おにぎりくれたり、タクシー直してくれたり、泊めてくれたり。こういう細かい描写から、キムとピーターが感じる事件の怖さと軍に対する怒り、同胞が傷つけられる悲しさが伝わってくる。 殴る蹴るの暴力が、人に銃口を向けるまでに発展。キムと光州のタクシー運転手たちが、自分に出来ることを命掛けで行うのは観ていて辛い。あんな緑のコロコロした小さい車で、軍のライフル銃を防げるとは思えない。ファンさんは無事だったんだろうか? でも無事帰れて、無事ウンジョンに会えてよかった。大家さんも娘に優しくしてくれてよかった。 最後にピーター本人が出てきて、この物語もある程度実話をベースにしていることが解った。 でもなんで、偽名使ったのかな。保身のため…かなぁ?信頼は海を超えられなかったか?(※解決済み) カーチェイスはともかく、東京のホテルで提供されるサッポロラガーのラベルが当時の楕円形のものなのが再現度高い。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-09 23:17:24)
510.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
~Salvation~救済(救済者)。洋題には4は付かない。 これは“ターミネーター4”と呼ぶよりは“ターミネーター・サルベーション”。 シリーズ前作で興行的&満足度的にヤラカシてしまったことを救済する意味と、登場人物を救済する者という二つの意味がありそうだ。 そしてこの作品は3の続きとしてより1の前日譚として観ると、割としっくり来た。 作中T-800が新兵器として開発されているのと、ジョンが頻繁にサラのテープレコーダーを聴いてヒントを探している辺り、サルベーションは、1さえ観ていれば(2を観ないでも)楽しめる作りになっている。 そもそもジョン・コナー役、フニャっと弱々しいニック・スタール(3)と、キリッとたくましいクリスチャン・ベール(本作)では、容姿が違いすぎるしね。 軽火器で応戦するイメージだった抵抗軍が、A-10や潜水艦を運用してたりと、かなり強力な組織なのに違和感を感じるけど…まだジョンは抵抗軍のリーダーじゃないから、初期の頃はこんな充実してたんだなぁって、思おう。 様々なターミネーター達と抵抗軍の戦いは、未来の戦争映画として迫力があり、ジョンがヘリで飛び立ってから墜落するまでの1カット風撮影とか、かなり見応えがあった。 T-800の起動は驚いた。出てくるとは思わなかったから、なんか嬉しかった。1の最初の髪型だったのも、おぉっ!て。 サルベーションは三部作だったらしいので、きっとカイルが過去に行くまでくらいの10年間を描く予定だったんだろう。スターの今後とかジョンとケイトの子とか、色々ネタはあったんだろうな。観たかった気もするけど、この1作だけでも充分かも。 タイトル話に戻るけど、まだ子供のカイルをジョンが救い、心臓にダメージを受けたジョンをマーカスが救い、マーカス自身は人生をやり直すことで過去の過ちから救われる。そんな救済者たちの物語としても成立している。
[映画館(字幕)] 6点(2021-08-05 22:28:57)
511.  トッツィー 《ネタバレ》 
~Tootsie~(大人の女性に対し)お嬢ちゃん。くだけた言い方だけど、言い換えると女性を見下した言い方。 小さい頃、何故かこの映画を気に入っていたようで、ゴールデン洋画劇場で放送される度に観ていた記憶がある。ウィキによると初回'87ってなってるけど、もっと前に放送してなかったっけ? 当時の私には、ブッシュマンやキャノンボールと同類のコメディ映画に記憶分類されているから、不思議だ。 「トッツィーがんばれー!(役名はトッツィーではないけど、そう思ってた)」院長先生とかに迫られ、ダスティン・ホフマンが甲高い裏声でワタワタしてるだけで、当時の私には充分可笑しかったようだ。 マイケルはいわゆるオカマではなく、ノーマルな男。でも一緒には仕事をしたくないタイプの使いにくい男だ。彼は女装をして、ドロシーを演じて“待望の仕事”を手に入れる。役名エミリーを演じる女優ドロシーを演じる俳優マイケル。これはこれで、アタマが混乱しそうになる。でもここまでの演技ができるなら、最初から『扱い易い男優』の演技をしていれば、仕事もあったろうに。 ジュリーが未婚の母で、半分仕事のためにディレクターと付き合ってるとか、生々しくも当時の女性の社会進出の大変さを表していた。 サンディもなかなかオーディションに受からずだけど、そこをマイケルがすんなり合格し、認められて、社会現象になるのは、当時は“ディレクターに気に入られる女性より、ハッキリとモノを言える女性を出していこう”という意味だろうと思う。だけど本当の意味で男女の性差が無くなったら、女性であっても使いやすい人が重宝されるだろうことは、この問題の難しいところ。 ドラマの生放送パートでカミングアウトするところはスッキリして良い終わり方。だけど病院ドラマのその後とかちょっと気になる。きっとマイケルはドラマを降板させられたから、次の回で上手に軌道修正したんだろうな。そもそも当時はまだドラマをビデオで繰り返し観るような時代でもないから。 改めて観ると、マイケルとジュリーが幸せに向かうのは良いとして、ドロシーに本気で恋をしたレス、半分使い捨て扱いなサンディが可哀そうに思えた。
[地上波(吹替)] 6点(2021-07-17 11:55:30)
512.  IT イット “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 
スタンドバイミーをグーニーズで味付けしたような“少年少女のひと夏の冒険もの”としてよく出来ている。 いじめられっ子達が何となく集まって、それはそれで楽しそうに夏休みを過ごす。下水道に入っていくのも冒険だけど、薬局から万引するのも冒険だ。湖の場面は特に良かった。あの高さから飛び込む勇気ないわ…目の前に下着姿の女の子が寝てたら、見るよなぁ。少年少女の夏だなぁ。 いじめっ子がナイフで傷付けるのは、ちょっとシャレにならないレベルだけど、そのやり過ぎ感があったために、マイクを助けるのにみんなで石で撃退する時はカタルシスがあった。 いきなりジョージーの腕を食い千切るとか、マイクの観る火事で扉が開かない悪夢とか、うわっ…て思えて期待感が高まった。 ペニーワイズやその他の怪現象は、凄いんだけど、怖いかと言われると…美麗なCGのせいかもしれないけど、生っぽさと言うか、自分もその場に居る。怖い。逃げたい!というライブ感が感じられなかった。 何というか、少年達に起きた怪奇現象を、安全な場所で、モニター越しに観ている感じが付きまとってしまった。つまり映画に入り込めなかったのか。歪んだ人物画が動いたら怖いだろうなって思うけど、CG映像で見ると怖さ半減。ペニーワイズが巨大化したり、大口を開けるシーンなど、映画に入り込めていたら、目を背けたくなるシーンだと思うけど、むしろ『へぇ~、口の奥の方こうなってるんだ…』みたく、恐怖の体験者ではなく視聴者(≒安全にじっくり観察する立場)に引き戻される。映画館の大画面で観ていたら違ったかもしれないけど… ビルとベンの間で揺れ動くベバリー。リッチーの下ネタジョーク。エディとママの関係。こっちのドラマパートを延々と観ていたかった。
[DVD(字幕)] 6点(2021-07-17 11:14:01)
513.  間違えられた男 《ネタバレ》 
~The Wrong Man~邦題そのまま。 連行されてから刑務所に入れられるまで、ほとんど流れ作業で抵抗の余地がないのが怖い。そもそも誤認逮捕だから、弁明の余地とかあると思って特に暴れたりしないだろうけど、黙ってるとこんなにも淡々とコトは進んでしまうんだな…って、ある意味感心してしまった。 何かもっとこう『弁護士を呼んでくれ!』とか「いい加減ゲロしちまいな!(バキッ」なんて展開ではなく「はい、電話は後でね」「はい次、あそこに立って」「はいこれ書いて」「はい隣の人と手錠して」みたいな、この怖さ。気の弱い私なんて、ずっと黙って従ってそう。 ミランダ警告というのをダーティハリーで学んだけど、それがまだ無い時代とは言え、突然逮捕される事を現実として受け止められず、ボーッと流されるマニーの心境が伝わる。 護送される車の中で向かいの人の靴をジーっと見てる自分…怖さと、現実味の無さと、今後の不安と、色々な気持ちが頭に浮かんでいただろうな。 気丈に振る舞っていたローズが、遂にタガが外れて笑い出す瞬間の怖さ。自分の親知らずがモトでこんな事件に巻き込まれたこと、自分のせいで貧しい暮らしなんだって思い込みから、ノイローゼになるローズ。こんなタイミングでって思うけど、こんなタイミングだからだろう。 有利とも不利とも解らない裁判。自分の人生が掛かっている裁判なのに、周りの関心の無さ。 自分がどうなろうとどうでも良い人たちによって行われる裁判って、怖いな。 裁判で勝つでもなく、真犯人がアッサリ捕まってチャンチャン。だけど、取って付けたようにローズが2年後回復したことになっているけど、些細なことがきっかけで、これだけの時間と、あらゆるものを失うという、怖い映画だった。 過去に2回も強盗をした男が、その事務所に「金を貸してほしい」なんて、ご丁寧に妻の保険証券まで持って来るだろうか? 何件も強盗を重ねた男が、保険証券の登録住所に済んでてアッサリ逮捕なんて、警察も疑問に思わないんだろうか? 7500ドルは大金(今の価値で800万円くらい!!)だけど、強盗しても保釈されるんだ。 ついでにローズの親知らず4本は300ドル≒32万円くらい。高い!
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-10 19:02:31)
514.  笑の大学 《ネタバレ》 
面白かった。心から笑ったことがない人が、自分が理解できていない笑いを説明されて、それを理解して、実際自分が人を笑わせる手伝いをする(結果になる)。そこには検閲を通すためのヨイショもあるんだろうけど、向坂のダメ出しを見事に笑いに組み込む椿のセンスは、強引ながら大したものだと思えて、5日目の向坂が警官役をやらされる辺りまで、テンポも良く、作家と検閲官のお互いの距離が近づくようで、とても楽しかった。 6日目、向坂が坊主の格好している辺りから、若干クドさが出てしまったように思えた。好みの問題かもしれないけど、5日目までの距離感が一番絶妙だったような気がして、それ以上距離が縮まるのは、やりすぎなような… 向坂が上演許可を出さないために嫌がらせを告白は、それはそれとして黙って飲み込んで良いと思うんだけど、その後の椿の本音が、観ている私も聞きたくなかった。これは戦地帰りの兵隊に『人殺しは間違いだよね、あなた人殺したことある?』ってのと同じくらい、言っちゃいけないことのような。向坂がちゃんと「聞きたくなかった!!」と言ってくれてよかった。でもここまで積み上げたものがぶち壊しになり、修復は無理と思われた翌日の、赤紙。ある意味反則だけど、すべて持っていく上手な結び方。 あぁ、でも向坂に廊下で叫んでほしくなかったかな。もっと、あの部屋の中だけで、二人の中だけで認め合うような結末が相応しい関係だったように思う。 舞台版だとそういう所も含めて、完成度高いのかな?でも充分楽しめたよ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-07-06 23:45:07)
515.  ドリームガールズ(2006) 《ネタバレ》 
~Dreamgirls~実在したポップ・グループ、ザ・スプリームスを題材とした架空のグループ名。 ロックを遡っていくと、黒人音楽が大きな影響を与えていることが解るけど、案外浅い知識しかないもので、よく知らなかったダイアナ・ロスの過去を扱ったフィクションとして、興味深く観させてもらった。 地方の黒人音楽を、白人の大手プロモーションがパクって大金を稼ぐ図式が音楽業界の闇を感じさせる。でもリスナーの多くはそんな裏事情なんて知らないから、ラジオで何度も耳にする良い歌を買ってしまうんだよな。 白人主体の音楽業界で対抗していくため、ルックスの良さと耳障りの良い声のディーナを前面に売り出そうというカーティスのやり方も理解できる。エフィとカーティス達の亀裂は起こるべくして起こったものだけど、それよりこんな中盤から突然ミュージカルになってびっくりした。エフィがクビになる時のミュージカルは歌詞と状況のシンクロ具合が絶妙で見事。 エフィがディーナとカーティスの仲を疑ってたけど『それは誤解でしょ?』って思ってたけど、数年後結婚してるのは、え??って感じ。どこか2人の関係を描いたシーンを見逃してたろうか? ザ・ドリームズのプロフィールビデオの、ミシェルの切り貼り感が良かった。 エフィの歌をドリームズがパクる。白人のやり方で黒人同士潰し合う。 独立を決意したディーナの"Listen" の観せ方が凄い。闇の中1人で歌うディーナ。徐々に明るくなるとそこが収録スタジオで、ガラスに反射したカーティスが映る。どれだけ独立を願っても事務所が権利を握っている構図を一発で表現している。回想風に秘密の証拠書類を盗むシーンと、エフィの"One Night Only"のシングルを見つける瞬間を入れる。 解散コンサートでザ・ドリーム・ガールズとして4人で歌う爽快感。カーティスも何かに気がついたようで(何で?)エフィの子の隣へ。満足度の高い大団円。エンディングの絵コンテもなんか嬉しい。 ノリノリのエディ・マーフィがまた実に良いし。ジャクソン5も出てきてお得感満載。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-27 23:46:48)
516.  見知らぬ乗客 《ネタバレ》 
~Strangers on a Train~電車の中の見知らぬ人。邦題のままでよいです。 二人の男の靴(足もと)から始まり、靴がぶつかって話が始まるオープニングがスタイリッシュ。 何度も出てくる小物『ブルーノのタイピン』よりも、この時締めてた可愛いロブスターのネクタイが気になったわ。 テニスコートで一人首を振らないブルーノの不気味さ。 パーティでバーバラ(ヒッチコックの一人娘だったんだ)を視ながらカニンガム夫人の首を絞める異常さ。 証拠のライターで自分のタバコには火を着けるけど、他の人にはわざわざマッチを使う変なこだわり。常人じゃないところが上手く表現できていたと思う。 名前のあるちょい役と思ったヘネシー刑事が、主人公といい感じに友達感を出して、バーバラにもバラバラ殺人のネタ話で怖がらせたりと、とても魅力的なキャラクターになっていた。 アントニー家に侵入。懐中電灯と地図の見せ方はダンジョン感があり、途中の犬も怖くてハラハラ出来る。 高速回転のメリーゴーラウンド。ガイとブルーノの格闘より、下をくぐる刑事さんの方が観てて怖かった。 全体的にゆるい感じはあるけど、ぼや~っと観ているうちに、その世界観に引き込まれる。 ヒッチコック作品は、後年のカラーの方が有名な作品が多い気がするけど、モノクロの方が若干、私自身の評価が甘めになっている気がする。掘り出し物を見つけた感があるからか?単に初期→中期作品のほうが私の好みに近いからか?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-24 23:57:33)(良:1票)
517.  Wの悲劇 《ネタバレ》 
ダブリューの悲劇。アメリカの推理作家の『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』のオマージュとして、日本の作家が作った推理小説『Wの悲劇』を劇中劇とした、舞台女優の悲劇を描いた映画…へえぇ~~。 薬師丸ひろ子の脱アイドル、本格的な映画女優を意識してか、処女喪失というショッキングなオープニングから始まる。彼女が感情の微妙な変化を、声と表情の演技で出そうと頑張っているのが伝わる。…良く言えば今の薬師丸ひろ子の演技は、この時ほぼ完成されている。 オーディション後に落ちたと知らず、静香に花束を渡す昭夫。その花束でバシバシ叩かれたあとの、キラッキラの笑顔と優しい言葉が印象的。なにか思っていた世良公則のイメージと違って違和感を感じなくもない。脱いだパンツ挟んでの昭夫と静香の電気のひもバトル。何とも青春していて良いね。 こんな過去のアイドル映画の集大成っぽい内容が1時間弱続き、いきなり物語が動き出す展開は見事。 羽鳥翔の自分を語りつつ、静香に頼んでいるようで、逃げ道を作らせない有無を言わせぬ圧。演技の勉強を頑張りすぎたせいで、役と事件を天秤にかけ、事の重大さを故意に鈍らせる静香。記者会見で女優として現実の自分を演じ通す静香の姿は痛々しくもリアル。一方、翔がかおりを摩子役から下ろすためのいびり方は演技とは思えないくらい、本当にありそうで怖かった。 昭夫が刺されてからが駆け足で、主要メンバーのその後が気になって仕方ない。特にかおりは、あんな事件を起こさなかったら実力から再起は確実だったろうし、可愛そうでならない。 でもそういう、蛇足になりそうなところを敢えて描かないで、静香と昭夫の別れでアッサリした終わりも悪くないと思えるようになった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-06-20 21:48:46)
518.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 
~Die Hard 4.0 Live Free or Die Hard~『自由に生きる、さもなくば頑強に抵抗を。』モトはニューハンプシャー州の標語だそう。サイバーテロ映画なため、単純に4でなくプログラムとかのVer.4.0ってのが国際標準タイトルとのこと。 ナカトミビルの活躍から早いもので19年。前作から12年。ホリーと髪を失ったマクレーンが、筋肉ムキムキになって帰ってきた! マクレーンと言えば、経験と知恵で敵に喰らいつき、ゴキブリのように隠れて、油断した敵を仕留めるイメージだったのに、トレーラーからヘリの操縦までこなし、正々堂々真正面から打ち勝つような、戦車みたいな男になってしまった。コンピューターを駆使する戦いだから、頭を使うのはハッカーの役目に。 独立記念日前日だけに、歴代大統領の演説を繋げた犯行声明はシャレが効いていて怖くて、発想がスゴイ。 敵も女カンフー使いやパルクール使いと、格闘アクション色を強くしている。日本人が見ても綺麗なマギーQをマクレーンがバッキバキ殴るのは、なかなか容赦なくて見応えがある。 1で「きょうパパはくるの?」と可愛かった子どもが、こんなに大きくなって…夫婦愛から家族愛に広がったのは良いけど、この人危機がないと日常生活はダメダメ。何が決定打でホリーと離婚したのか、なぜルーシーはあそこまでジョンを嫌うのか。せっかくルーシーの家で始まるなら、何やかや大事にされてる1のクマのぬいぐるみがチラッと…なんて思ったり。 過去3作との大きな違いが場所と時間。ダイハードと言えば限定された空間での活躍が特徴だったけど、シリーズ毎に活躍範囲は広がっていき、今回はニューヨークからメリーランドへと州すら跨いでの活躍に。そして1と2は一晩の戦い。3は朝から夜中。今作は一日半不眠不休の戦いと長い。当時人気だった-24-の影響を大きく受けたんだろう。 電気が止まっているのに夜中に車が結構普通の速度で走っていたり、朝は走っている車がなく、どういう訳か道路の真ん中で立ち往生している車が多かったり、暴動が起きてても不思議じゃないのに歩いてる人が居なかったりと、なんか不自然。 メインがF-35だけど、単独飛行なのがちょっと変。そもそもあんなに接近する必要性ある?ぜんぶ生身のマクレーンと戦わせる話の都合上の演出なのが…。市街地の被害関係なしでトレーラーの足止めにミサイル使うし、あんな危ないパイロットを最新鋭機に乗せちゃマズい。CGで珍しい画が撮れるのは良いけど、リアリティは大事にしてほしかった。面白いんだけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2021-06-17 11:43:33)
519.  ネバーエンディング・ストーリー 《ネタバレ》 
~Die Unendliche Geschichte~果てしない物語。 オープニングの美しさ。リマールのテーマソングがまた良くて“懐かしいあの頃”に引き戻す。 さぁ!ファンタジーの世界に旅立とう!…って、小さい頃に何回か観たはずなんだけど、アトレイユがどんな冒険をしたか全然覚えてなかった。 ロックバイター、暴走カタツムリ、象牙の塔には顔が幾つもあるやつ、魚人間?魅力的なクセの強いクリーチャーたちがたくさん出てくる。…でも特に何もしてなかったんだな。 異世界“ファンタージェン”や世界を滅ぼす無“ザ・ナッシング”の素晴らしいネーミングセンス。日本語訳も頑張っていて、極め付けは女王“幼心の君”こんな綺麗な名前どこから思いつくんだろう?透き通るような容姿とともに忘れられない。 美しいという表現が相応しいアトレイユ。戦士というには若すぎるけど、暴力(武器)を使わない冒険物語にはベストマッチだったと思う。最初から孤独な旅だっただけに、相棒のアルタクスが沼に沈むときは悲しかったな。 ラッキードラゴン・ファルコン。パペットは表情豊か。でも今見ると特撮がかなりキツい…と言いたいところだけど、当時から微妙な出来の特撮だった。 空を飛ぶ爽快なシーンだけにちょっと残念。邪道かもだけど、ここは今の技術で上手いことしたほうが良いのに。って思う。 母親の死とイジメで気持ちが沈んでるバスチアンが、ファンタージェンの滅びゆく現状とリンクしているようで面白い。 多感な時期に出会う物語って、結構すんなりとその世界に入り込めたりするんだけど、バスチアンが飛び込んだ本屋のご主人が、本の世界の面白さを伝えてくれる。 最後の、ファルコンでいじめっ子に仕返しするところはよく覚えていて、綺麗な音楽をバックにバスチアンがファンタージェンを飛ぶまでは良いけど、なぜ現実世界にも来たのか、子供心にあのシーンをどう整理をつけようか困った記憶がある。 リアルタイム世代じゃなければ、もう少し評価が下がったかも。
[地上波(吹替)] 6点(2021-06-02 13:29:02)
520.  予期せぬ出来事 《ネタバレ》 
~The V.I.P.s~重要人物たち。…としか解釈できず、豪華キャストを考えると、これまた思い切ったタイトルだなって思ってしまう。 オープニングのゴージャスさから、何かもう序盤でお腹いっぱいになりそうなところ、良い意味で関心を持たせる、良い邦題だと思う。  空港に集まった主要人物、そこに至る簡単な経緯。これぞメロドラマって感じの出だしだけど、霧のせいで先行きが悪い方向に向かうなか、深夜から翌朝にかけて、霧とともにスカッと晴れ上がる展開が心地良い。 ミス・リードの献身的な捨て身の活躍。失意の中、彼女の話をしっかり聞いてポンと小切手を切るアンドロスの格好良さったら無いね。マングラム社長と一緒に飛び跳ねたくなる。 元ネタがありそうなブーダ監督とグロリアの偽装結婚。興奮剤、鎮静剤、ブランデー、眠気覚まし…死んじゃダメだ公爵夫人。 適当に順調な人生のシャンセル。フランセスを本当に愛してたなら、今回の失恋が彼の人生に大きな成長を与えるだろう。 主役は愛の逃避行のフランセスだけど、序盤にシャンセルに言う「あなたの言う一生って、長いのかしら?」何かもうこの時点で、彼女のやりたかったことが達成してる感があった。ポールと一生を共にする決意を固めるフランセス。良かった、良かった。  影の主役は、毎日こんな要人たちをおもてなしする空港職員たちだろう。破産した公爵夫人を要人として扱い、種痘証明探してあげたり、最後は伝達のない要人プープーをしっかりエスコート。グランドホテル形式の映画らしい締め方。 そんな要人が集う空港カウンターに、一際目立つ、日本航空の鶴のマークが誇らしい。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-27 10:00:59)
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