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もりたろうさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 67
性別 男性
年齢 38歳
自己紹介 最近、映画の評価基準はこんな感じです。

 ①ストーリー、演出、設定の妙、自分に影響を与えたかを考慮する。

 ②それらを含めた上で「映画を通してでしか表現できない作品である」といえるかどうか。

 という感じで見ています。

 スタッフロールが終わり、スクリーンに拍手を送りたくなるような映画に出会えることを願っています。

◆最近グッと来た映画◆

 
 『ショーガール』
 『colorful』(原恵一)
 『ヒーローショー』
 『ゴッドファーザー』

 ポール・ヴァーホーベンが最近好きなんだと気がつき始めました。あとは山田洋次と井筒和幸がご存命の監督の中では好きです。
 

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41.  パトリオット 《ネタバレ》 
◆前半(長男がさらわれ、それを家族で助けるシーン)までは怒涛の展開で、ひきつけるものがありました。家族ぐるみで戦争に参加する・・・意外な展開です。と、思いきや、そこからだんだんと、家族・恋人・勧善懲悪・ハッピーエンド等々、定番の「アメリカ映画」へと変貌します。◆その大きな転換点は、教会のシーンでしょう。国のために命をかけるか否か、農民たちが葛藤するシーン。とても重要な判断を迫られた人々。どうするのか?・・・そこにヒロインおもむろに発言、「それでいいの!?」的な鶴の一声により、立ち上がって入隊を希望する農民たち。バックでは明らかに勇敢さ、かっこよさなどを意識したメロディ。微笑むヒロイン・・・。◆ぼくはここでアウトでした。これが大体、全体の6分の1にさしかかったところのシーンです。この先が思いやられましたが、我慢してみると、やはりの展開です。◆アメリカ人が正義でイギリス人が悪。アメリカ人が正々堂々と戦うのに対して、イギリス人は卑怯に戦う。最愛の人と恋に落ちれば、最愛の人が死に、怒りに燃えてとっこんでいく。家族を愛し、国を愛する、自由を守る。◆戦争はそんな綺麗なものばかりじゃない。手垢のついた道徳感の連続を2時間40分見続けるのは正直苦痛です。◆というか、そもそも、家族と国、両方は守れるものじゃないだろと。お国のために命を捧げるか、卑怯者と蔑まれながらも家族と暮らすかのどっちかじゃないのか?どっちかを守るためにはどっちかを犠牲にしなきゃいけない。そこを追求することで初めてリアルさが出るんじゃないか。◆撮り方で先が読めてしまうようなチープな演出と、勧善懲悪のストーリー展開、ハッピーエンド、もうやめてもらいたいです。いやいや、テーマがラブコメとかなら大いにやってもらって結構です。でも、国を守るため、家族を守るためという真剣なテーマ、ましてや2時間40分という長尺ならば、もっとリアルな撮り方ができたはずです。戦闘シーンだけは妙にリアルでしたがそれを後ろ支えするものが安っぽい。◆僕の嫌いな要素(全米が泣くパターン)が詰まった映画でしたが、前半と戦闘シーンは迫力があったのでその点をふまえて、6点を献上させていただきたい。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-09-13 14:58:26)(良:1票)
42.  活きる 《ネタバレ》 
◆不幸、不幸の連続で、途中何度か休憩を入れました。この重い話を二時間ぶっ続けで見るのはなかなか難しいです。◆ただ、丁寧に撮られていることは良く分かりました。主人公夫婦の老いの過程もちゃんと描いていたし、娘には三人もキャストを用意していて、家族の人生をちゃんと描きたいんだなとわかりました。◆それにしても不幸続きでまいります。でも、唯一笑ったのが先生が饅頭をのどに詰まらせたことについて回想しているシーンです。「マントウはお湯につけると7倍に膨れ上がる、先生は7個のマントウを食べたから、49個のマントウをお腹に入れたことになる。」との主人公の台詞に、僕は爆笑しました。◆このことは結構大事で、この作品に一貫して言えたことは、「起こった不幸について主人公達が嘆き苦しむ姿というのはあまり映さず、すべて不幸が起こった数年後に『過去の出来事』として、その不幸を顧みている」という点だと思います。これはおそらく、「どんなに不幸な出来事で傷ついたとしても、時がたてばだんだんと癒えるんだよ」という監督のメッセージで、だからこそ「活きる」価値があるんだと教えられたような気がしました。おそらく、「マントウ~」の台詞が悲劇直後に使われていたら、爆笑はしなかったでしょう。数年後に、顧みるかたちでこの台詞が語られるからこそ、悲劇を笑い飛ばすことができる。そしてそれは、活きているからこそ味わえる、そう思えた作品でした。◆チャン・イーモウは時間の使い方や登場人物の生かし方が抜群にうまい監督であることがわかり、ファンになってしまったので8点を献上させていただきたい。
[DVD(字幕)] 8点(2006-08-05 00:47:19)
43.  ゲド戦記 《ネタバレ》 
◆全体的にうまくまとまっていて、最後まで退屈せずに見ることができました。映画の伝えたいメッセージも明確で良質な映画だと思います。◆ただ、全体的に流れが緩慢な点と、ところどころ不明確な点、少し設定が曖昧な点が気になりました。中でも、映画の中に作られる世界に広がりがないような気がして、それが僕の中での評価を低くしています。・・・なんでしょうね。構図というか作画は奥行きが十分出ていて、青空や海、草原などが広がってるシーンもたくさんあるんですけれど、それが背景以外の何物でもない感じというのでしょうか。◆『もののけ姫』のときは、アシタカが村を出て旅をするシーンを見て、どんな世界が待っているんだろう?とドキドキしたものですが、本作の旅のシーンは行くところが分かっていて、早くストーリーにつなげるためのシーンといった予定調和的な印象を受けました。◆街についてからも街の個性が十分に発揮されておらず、世界観に引き込まれる前に終わってしまいました。◆内容が良かっただけにもっとその世界の個性を浮き彫りにして欲しかったです。◆6点を献上させていただきたい。
[映画館(吹替)] 6点(2006-07-31 22:33:50)
44.  学校の怪談2 《ネタバレ》 
◆小学生の時に見た記憶では、むらさきばばあがものすごく怖かった印象があったので、ビビッてしまい、見るか迷いました。でもストーリーとテンポが軽快なので思わず最後まで見ました。◆感想から言わせてもらえれば、あれっ?という感じです。子供の頃には分からなかった映像の粗みたいなものがかなり目に付いたし、肝心のむらさきばばあもぜんぜん怖くない。◆ただ、僕はこの映画のチープさを批判するつもりはまったくないです。むしろ、小学生の視点に立って映画を作っている良心的な映画だと思います。20の僕にとってはチープに見える作品でも小学生にとってはものすごく怖い。でも、大人にとってみればそれほど過剰な演出ではない。だからこそ、親のほうも安心して子供に見せることができる。◆昨今、このような過激な演出もなく、最終的にハッピーエンドで終わるようなホラー映画が見受けられないですね。子供にも安心して見せられる本作は、小学生という受け手を考慮したいい映画です。子供にはアニメや動物だけをあたえておけばいいわけではなくて、やっぱり、未知の世界の恐怖みたいなものも教えてあげるべきです。◆6点を献上させていただきたい。ただし、小学生にとって見れば8点でしょう。
[地上波(字幕)] 6点(2006-07-25 15:58:44)(良:1票)
45.  DEATH NOTE デスノート(2006) 《ネタバレ》 
◆L役の人の演技が見たい、その一点だけで映画館に行きました。その点からすれば、僕はかなり満足です。デスノートのホームページを見ますと、「この人がLを!?」と思うほど別人でしたが、作品ではきちんとなりきっていてすごかった。◆肝心の内容ですが、みなさんおっしゃるとおり、ライトの性格がかなり違う。原作では冷徹でしたが、本作では恋人のことを考えたりしていて人間味があります。◆確かに、これは原作とは違います。でも原作と違うことそれ自体は悪くないと思います。問題なのは、その違う点を映画で十分に生かしきれてなかったことにあるのだと思うのです。◆たとえば、人を殺したことによるライトの罪悪感や心理的な葛藤といったものを、もう少しくわしく描くとか、「詩織ならわかってくれる」と冒頭で言っているわけだから、実際に詩織の前でノートを見せて人を殺し、それでもなお自分が間違っていないんだってことを説明する、それに対して詩織が反論する、といったディスカッションのシーンを入れるとか。ライトの人間味を加えたデスノートにしてもよかったと思う。◆その点をないがしろにしてしまい、単に善と悪の二項対立(それもあやふやだが)、ライトとLの頭脳バトルにしてしまったことが、僕のいまひとつ腑に落ちない点です。◆映画ならではの書き方をもうちょっと模索する余地があったと思うので6点を献上させていただきたい。とりあえず二作目も見ます。
[映画館(字幕)] 6点(2006-06-28 13:18:35)
46.  カンフーハッスル
◆観て一日経ったが、何か凄いものを見たなぁ~という気分は残っている。『ファインディング・ニモ』を見た後にも同じような感覚を抱いたけれど、CGを駆使して剛速球を投げられると、何かすごい夢を見ていた気分になるのである。◆ストーリーはほぼすっ飛んで、後味だけが残る。まるで炭酸飲料のよう。・・・粋じゃないですか。6点を献上させていただきたい。
[DVD(字幕)] 6点(2006-06-19 00:12:04)
47.  第三の男 《ネタバレ》 
◆なるほど影の使い方、それから地下水路のシーンはひきつけるものがありますが、ストーリーはシンプルな上に少し難しいので少々退屈でした。◆印象に残ったのは観覧車のシーン。ハリーが観覧車の上から、往来する人々を見下ろし、それらを点に例えて「点が一つなくなったところで何も変わらない。」という。◆僕も、嫌なことがあったときは、嫌なことなんて上から見下ろせばちっぽけなことだよ、と思うために、ハリーと似たように考えたことがありますが、あくまでそれは「自分も含めた上で」そのように考えていたわけで、ハリーのように、「自分が人々よりも上の存在」という視点からあの景色を見下ろしたことはありませんでした。ショックでした。◆音楽は良かったのですが、サスペンス的な内容とはあまりマッチしていないように思えたので、その辺も考慮したうえで7点を献上させていただきたい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-06-19 00:09:35)
48.  あげまん
◆本作には伊丹映画特有の「分析」が欠けていたような気がします。主人公がなぜ「あげまん」なのか、従来の伊丹作品であれば、主人公のちょっとした仕草を見て山崎努あたりが「ほら、ああやって○○してるだろ、あれで男はやる気が出るんだ。」といったように理論的な分析をしていたところですが、それがなかった。なぜ主人公はあげまんなのか、その点が謎のままなので消化不良な作品でした。◆ただ、伊丹監督は「あげまん」を主題にはしていなかったようにも見えるのです。僕にはむしろ、政治界の本当の姿を映しだしているように感じました。ある政治家の後援会で、もらったご祝儀の金だけを抜き取り、ダンボールにあふれんばかり詰め込んで、それでも入りきらないお金を足で押し込むシーンは印象的でした。◆とはいえ、すこし粗が目立ちました。あと長いです。5点を献上させていただきたい。
[DVD(字幕)] 5点(2006-06-15 09:25:45)(良:2票)
49.  THE 有頂天ホテル
◆素直に面白かったといえる作品でした。あれだけのキャストとセットと脚本をもってして面白くないわけがない。ただ、あまり笑えませんでした。唯一声を出して笑えたのは、西田敏行の「せ~のっ、ハイ!」のシーンだったように思います。西田敏行はほんとに器用だなあと思います。観終わったあと、あまり高揚感がなかったのと、空席が目立つ中見たことを総合勘案いたしまして、7点を献上させていただきたい。
[映画館(字幕)] 7点(2006-04-02 00:06:58)
50.  北京原人 Who are you? 《ネタバレ》 
◆万里の長城からそのふもとまで、原人が全速力(100m8秒台)で走るとして、はたして生身の人間はそのあとに着いていけるんですかね。う~ん。キューブリックが見たら卒倒しますな。この作品が日中友好の架け橋になればいいなとおもいますが・・・たぶん無理でしょう、だって不条理ですもの。◆とはいえ好きなシーンも結構ある。中国人のお姉さんが、ただただ人間の研究材料のために作られ、生活をめちゃくちゃにされている北京原人のことを不憫に思って、夜中に涙を流すシーン。北京原人はそっと、その涙をすくい、なめる。かなりいいシーンだとおもう。確かに、めちゃくちゃな部分もあるが、そうでない部分もたくさんある。6点を献上させていただきたい。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-02-13 22:07:19)(笑:1票) (良:2票)
51.  ゴッドファーザー PART Ⅱ 《ネタバレ》 
◆正直言いますと、最初見たときには何がなんだかよく分からないまま終わってしまった、という感じで、今回もう一度ちゃんと見直してみました。そしたらストーリーは理解できました。◆やはり気が付くと、ビト(マーロン・ブランド)とマイケルとの比較、という視点で映画を見ている自分がいました。マイケルはビトに比べて、平気で人を殺すし、人情よりも金を大切にする。その割には、ファミリーをも大切にしたいという。そして空回りしていく。◆これは、マイケルの力量が足りないことに問題があると思いがちですが・・・これは仕方ないんですよね。劇中にもありますが、時代が違うんです。◆プロレスを例に挙げますと、今、新日本プロレスは、必死になって猪木や闘魂三銃士のようなカリスマ性を持ったレスラーを輩出しようとしています。そしてそれが見事に空回りしている。年々観客は減っている。でも、空回りしているのは、努力が足りないからじゃない。むしろ、技の技術、展開の仕方、演出面は過去に比べて数段上である。にもかかわらず、人気がでない。これはね、時代なんですよ。時代を包んでいた雰囲気やプロレスを見る観客の温かい目なんです。◆ビトの頃にはまだ金ではない、温かい雰囲気があったんです。そしてマイケルの時代、問題は以前にもまして複雑になり、金が物を言わす時代になった。にもかかわらず、マイケルは父親と自分を比較する。しかし、比較したところで時代という基準がまるで違う、そこに気付かずただただ、自分が小さく見えてくる。そんな抜け出すことのできない、ネガティブスパイラルにマイケルは、はまっていったのだと思う。◆そんなマイケルの気持ちが痛いほど伝わってきたので9点を献上させていただきたい。 
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-13 22:03:18)(良:1票)
52.  マルコムX 《ネタバレ》 
◆デンゼル・ワシントンの演技が素晴らしい。それから無駄なシーンがあまりなく、退屈せずに3時間見れてしまう。◆しかしながら、黒人に対する差別があまり描かれていないような気がしました。もちろん、KKKによる放火のシーンなどはインパクトがありましたが、一部の過激派だけが差別を行っていたかのようにもとれてしまいます。また、黒人というだけで進路が決まってしまう、というシーンも間接的にしか差別の実態がつたわってきませんでした。そのような動機付けが弱いせいか、マルコムXが白人を受け入れようとしなかったのは、彼自身が無知であるからのように感じてしまいます。◆しかし、マルコムXが、白人を「白い悪魔」と呼ぶのは、もっと様々な差別によるものだと思います。そこをもう少しきちんと描いてもらいたかった。観客を飽きさせないことにちょっと力を注ぎすぎたような気がします。そういうわけで、7点を献上させていただきたい。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-13 11:35:20)
53.  マルサの女 《ネタバレ》 
◆今思い返してもふきだしてしまうのが、鍵を隠してすっぽんぽんになった女の人のシーン。あれは素晴らしい。下ネタのレベルが高すぎる。あんなに下品なのに面白いシーンが撮れる伊丹さんは凄いと思います。8てんを献上させていただきたい。
[DVD(字幕)] 8点(2006-02-09 23:33:57)
54.  初恋のきた道 《ネタバレ》 
◆愛する二人の「距離」を巧く描いた作品だと思います。中国の大地と自然、それから親切な人は、愛する二人にとって障害以外の何物でもなく、物理的にも、なかなか二人の「距離」が縮まっていかない。恋人の朗読する声、恋人を運んでいく馬車の音、聞こえるのに届かない(途中では転んでしまったりして)、そんなじれったい思いが見ているほうにも伝わってきます。◆しかし、最大の山場である二人の恋が実る場面は、回想に任せてしまっています。あれだけ盛り上げといて行間を読ませるとはどういうことだ!と思ってしまいがちですが、やはりそれは白黒で表された「現在」のシーンから読み取っていくのが、観客としての義務なんでしょう。◆あの歩き方は素晴らしい、それから、学校の破れた障子を治すシーン。あれ、ほんとに彼女がやったんじゃないですかね。なんかそんな気がしてならない。父の教育云々は後付けな印象を受けました。◆二人の「距離」、それから言葉にできないじれったい思いを見事に表現した今作に8点を献上させていただきたい。(米題の『THE ROAD HOME』はちょっといただけないですね。邦題のほうがいいと思います。)
[DVD(字幕)] 8点(2006-02-07 13:32:08)
55.  ベルヴィル・ランデブー 《ネタバレ》 
◆僕がすきなのは、おばあちゃんの微笑みと、犬のおっぱいと、ねずみ男です。みんなかわいい。それからフライパンが最強だってこと。◆何度か見返してわかったことは、無駄なシーンが一つもないことです。犬がなぜ電車に向かってほえるのか、同じく、犬がなぜマフィアのハンカチに噛み付いたのか、見返してやっとわかりました。◆それ以外にも、壁に貼ってある写真だけでその人の生い立ちがわかったりと、かなり綿密に作りこまれていることがわかります。とくにかえるのシーンでは、片目のないカエルや片足のないカエルをきちんと描いていて、日ごろおばあちゃんが、同じ方法でカエルをとっているのだ、ということがわかります。◆実に見事です、8点を献上させていただきたい。
[DVD(字幕)] 8点(2006-02-04 10:32:21)
56.  マルタイの女
◆僕は、伊丹監督の「もう一つの社会」を描くところと、「風刺的なギャグ」がとても好きです。その点からすると、この作品はすこしその要素が弱かった気がします。◆しかし、歴史的に見るとこの作品は凄い。地下鉄サリン事件の二年後に作られている。ここに伊丹監督らしさがあったのでした。◆やはり、今回も配役は絶妙で、西村雅彦のふっとんだ演技と、あき竹城の犬を見つけたときの叫びには爆笑しました。◆全体的に幾分長いのと、証言台のシーンまで見られなかった点を含めまして、7点を献上させていただきたい。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2006-02-03 22:29:58)
57.  タンポポ 《ネタバレ》 
◆冒頭のラーメンの先生から、伊丹さんの食に対する姿勢がわかります。いまでこそ、飽食の時代でみなさんおいしいものを求めていますが、それと比べても知識としてはまったく劣らないあたりが凄い。◆配役もぴったりで、それぞれの演技力が素晴らしい。ワインのことについて語るホームレスや、役所広司が死ぬシーン、中でも特に大滝秀治のあの演技はすごい(笑)。◆あとエッチなシーンもいいですね、下手なAVよりどきどきします。伊丹さんは、エロスのつぼをおさえてますね、高尚なエロスといったかんじです。◆ただ、ちょっと過剰な演出が目に付きました。特に、スパゲッティのシーン。ちょっとあれは露骨過ぎます。◆血のついた牡蠣と山芋の腸詰はあまり食べる気になりませんが、食を中心にこれだけの映画を作れる伊丹監督の巧さに8点を献上させていただきたい。  
[DVD(字幕)] 8点(2006-02-03 22:08:26)
58.  ALWAYS 三丁目の夕日
◆1958年の人情味があふれんばかりに表現されていて、風情をものすごく感じる作品でした。CGを多用しているにもかかわらず、それを気付かせないほどに馴染んでいて、バッチリ世界観が確立していました。素晴らしい! ◆肝心のストーリーのほうですが、これもまたほほえましくて泣けるんです。最近の邦画は、観客を泣かせるためによく人を死なせますが、この映画は誰一人死にません、しかし泣ける。前者が「悲しくて泣く」ならば、後者は「嬉しくて泣く」といった感じでしょうか。その泣かせる原因というのは、絶妙なキャスティング、ノスタルジックな世界観、心の琴線に触れる音楽、原作の良さ、等の要素が総合されて生まれたものです。 ◆ただし、これは確実に泣くしかないだろ!というようなずるい演出もあったりするので、「泣けるからいい映画」と手放しに評価はできません。というか吉岡君とあの音楽の融合は本当に卑怯です。悪意すら感じます。 ◆とはいえ、やはり人間っていいなと、『日本昔話』のエンディングのように思ってしまうほど人の温かさにあふれた作品です。みなさんも是非、この殺伐とした世の中を1958年の世界から眺めてみてください。きっと誰かに優しさを分けてあげたくなります。そんな温かさをくれたこの映画に、そして映画館で初めてむせび泣いたにもかかわらず、建前上、涙をエンドロールまでにきちんとまとめてきた、僕のコントロール技術の高さに7点を献上したいと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2006-01-28 13:37:43)
59.  CUBE 《ネタバレ》 
◆いや~息をつかせませんね~。特に音を出しちゃいけない部屋の所なんか息苦しくて溜まりませんでした。映画館でこれを見てたら間違いなく気分が悪くなってたと思います。そのくらい引き込ませる映画でした。◆しっかし、なによりも僕をハラハラさせたのは、ドア(?)の数字読んでるときに身体を挟まれちゃうんじゃないかということでした。ずっと心配してました。◆社会風刺も少し混じっていたりして、なかなか気の聞いた映画でした。◆見終わった後の後味の悪さと、無性ないらつきをくれたこの映画に、口直しをしようとさらに特典メニューの短編映画を見てしまった僕を戒めるために、二点を引いて8点を献上させていただきたい。
[DVD(字幕)] 8点(2006-01-24 03:15:26)
60.  もののけ姫
◆「もののけ達」と「タタラ場の住人」という二項対立の間に、大和から迫害され続けてきた蝦夷の一族、アシタカが介入してきて、その争いを「曇りなき眼で見定める」というお話です。◆アシタカという中立の視点を通して、それぞれの言い分を実に丁寧に描いていてとても面白いです。見ようによっては、「アシタカはどっちつかず」の印象を受ける人もいるでしょうが、じゃあ自分だったらどのような結論を下すだろうか?と考えてみるのも悪くないとおもいます。物語は必ず明確な結論を出さなければいけない、というルールはないわけで、あの終わり方も一つのパターンでしょう。もし、安易にエボシを殺して、タタラ場がなくなってしまえば説教くさくなりかねないし、そこで問題は完結してしまう。見る側に「私だったらこんな解決手段をとるなあ」と考えさせることが、この映画の最大の目的なのだと思います。◆アシタカは凛としていて、落ち着きがあって僕の理想像ですが、気がつくとサンの腰に手を回したり、カヤの小刀をあげちゃったりと、ここはさすがにいただけない。なので1点引いて9点を献上させていただきたい。
[DVD(吹替)] 9点(2006-01-24 03:14:20)(良:3票)
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