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 > にじばぶ さんの口コミ一覧。3ページ目
にじばぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3228
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 40
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 34
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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41.  ニュー・シネマ・パラダイス
まあ、これは“うまい!”の一言に尽きる名作ですね。 特にラストの、主人公が何十年ぶりかに故郷を再訪するノスタルジックをかきたてるシーンがお気に入り。 もちろん音楽も印象的。 フィリップ・ノワレ氏に合掌。 
[DVD(字幕)] 9点(2007-10-10 20:16:24)
42.  ビューティフル・デイズ
結論から言うと、私が今年、鑑賞した全ての作品の中で最高の映画となりました。  さしずめ、上半期ナンバー1作品といったところでしょうか。  それだけ凄かったです。  本作は、久しぶりの超お気に入り作品となりました!   ジャンルとしては、青春・純愛モノです。  しかし私が今まで観てきたそれ系の作品と比べると明らかに異質でした。  インドネシア映画ということですが、その辺が関係しているかと思います。   “1冊の本から出会いが生まれる”という、典型的でベタな展開ですが、どこか新鮮な流れを感じました。  王道的な恋愛映画のアウトラインを辿りつつ、そのテイストは全く新鮮。  インドネシア・ジャカルタの独特な雰囲気や文化と相まって、そりゃあもう感動できました。   なんというか、ただ単に涙が流れるという系統の感動ではないんです。  思春期特有の心のざわめき、切なさ、相手を好きになった時の居ても立ってもいられない気持ち、こういった部分の演出がとても丁寧に描かれていて、「ああ、思春期の頃ってこんなんだったなー、辛かったなー、楽しかったなー」って、胸が一杯になる感じの感動なんです。  言葉で説明すると何とも伝わりにくいですね。   実際に本作を観れば、こういった想いで胸が一杯になること間違いなしなので、是非、ご自身でご覧になって、直にこの感動を感じてみて下さい。  他の青春映画では感じることのできない、自身の“あの頃の青春の想い”で胸が一杯になるはずですから。   いやー、世界には素晴らしい作品があるんですね。 参りました。  国籍や時代、そして知名度にこだわらず、偏見を持たず、広く鑑賞作品を選んでいくことが大事だということを教えてくれた、珠玉のアジアン・ラブストーリーでした!
[DVD(字幕)] 9点(2007-09-03 15:22:10)(良:1票)
43.  穴(1960) 《ネタバレ》 
ひたすら“掘る!掘る!掘る!”の土木作業の連続。 こう書くと何だか単調な映画の様に感じてしまうかもしれないが、そういうわけではない。 無骨な“ガチン!ガチン!”という音に釘付けになってしまう緊迫感があるのだ。 特に凄いのが、最初に穴を開けるシーン。 牢屋の地面に穴を掘っていくシーンが何とノーカットで描かれる。 これが異常なくらいに興奮する。 刑務所内に響き渡る音。 観ているこっちが「聞こえるんじゃないか?」と真剣にヒヤヒヤしてしまうくらいの、これ以上ない迫力ある音。 まずこのシーンからして傑作だ。 何とか穴を地下通路まで掘り下げる。 そして地下に男たちは降りる。 しかし看守達の見回りに遭遇してしまう。 しかしそこは密室。 どうやって看守達をやり過ごすのか? 「うわ・・・・」 見事、やり過ごしました。 “小技”が冴えまくりである。 本作全般に言えることだが、ロベール・ブレッソンの『スリ』並に“小技”を披露してくれる。 この看守をやり過ごすシーンといい、合鍵を瞬時に作ってしまうシーンといい、砂時計を作ってしまうシーンといい、覗き窓から外を確認する潜望鏡の作成といい、とにかく技術的で芸が細かい。 これが何とも面白いのだ。  脱獄のシーンとは直接関係がないのだが、この“小技”関係で面白いシーンがあった。 それは、囚人への差し入れの検品シーン。 看守が次々に差し入れの品を実に手際良く検査していく。 たった一つのナイフで外箱やら食べ物やら。 不潔極まりないのだが、おそらくそれも演出の一つであろう。 この検品の手際の良さは観ているだけで楽しい。 なんか芸を見ているかのよう。 この変もブレッソンの『スリ』に共通する面白さだ。   さて、脱獄の話に戻す。 こうして、まんまと下界へ達した囚人たち。 だが自分だけ外に出るわけにはいかない。 裏切りとなってしまう。 最後の穴を開けた二人は、他のメンバーを迎えに牢屋へ戻る。 仲間たちは、穴が貫通したのを知り、「今夜、みんなで外へ出よう」と申し合わせる。  そして時間が経過し、いよいよその時がきた。 お手製潜望鏡で、牢屋の外を最終確認。 しかしそこで見たものは?!  “衝撃のラスト”だった。 ゾクっとするくらいの怖いラスト。 あの潜望鏡からの風景。 しばらくは忘れられないだろう。 最後の最後まで緊迫しており、最初から最後まで完璧。
[DVD(字幕)] 9点(2007-09-02 22:48:12)
44.  飢餓海峡 《ネタバレ》 
日本映画史上のベストテンを選ぶ際、必ず食い込んでくる名作中の名作をやっと鑑賞することができた。  3時間を超える大作のため、なかなか観る機会を得なかったが、噂通り3時間という時間があっという間に過ぎてしまう力と流れのある名作であった。   監督は戦前からの巨匠内田吐夢。 この監督の作品を観るのは自身初。   音楽に富田勲。 本作のラストシーンは相当な余韻を残すものであったのだが、それはこの人の音楽によるところも大きいであろう。   そして主演に三國連太郎。 その名演技にはただ敬服するのみ。  『釣りバカ日誌』での三國連太郎しか知らないと、なかなかこの人の偉大さは分からないかも。  その他、左幸子、伴淳三郎等の脇役陣も一世一代の迫真の演技をみせている。   本作はミステリーとして観てしまうと、納得のいかない部分が多々ある。 そういう意味では完璧な作品とはいえない。  しかしながら、上記俳優陣の迫真の演技が、本作を“日本映画史上の名作中の名作”に押し上げている。   特に、中盤の左幸子が三國を久しぶりに訪問するシーン。 ここが最大の見所。  この一連のシーンはゾクゾクしたし、ワクワクしたし、感動したし、両者の演技に惚れ惚れもした。   しかし後半は、妙に強引な推理展開が目立ち、やや尻すぼみ。 小説は読んでいないが、文字で丁寧に書かれるはずであろう推理小説的な部分が、駆け足で進行されてしまうのだ。  しかししかし・・・ ラストシーンは圧巻だった。  これは凄い。 観ていて口がアングリしてしまい、開いた口がふさがらなかった。  これはこの3時間以上に及ぶ大作を最後まで観た人へのこれ以上ないご褒美だ。 ややや、まさに衝撃です。   本作は先にも述べたように、ミステリーや小説の映画化として観ると味気のないものになり、魅力は半減してしまいます。  俳優陣の熱演、効果的に挿入され衝撃度を劇的に高める音楽等に焦点を当てつつ、ストーリーの根底に流れる“人間の愚かさと哀しさ”に目を向けてみるといいように思います。  いずれにしても本作は紛れもない名作です。 そして“日本映画史上の名作中の名作”、これも決して大げさなふれこみではありません。  観るチャンスがあれば、絶対に観るべき作品ですね。
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-09-02 22:37:29)(良:1票)
45.  ある殺し屋 《ネタバレ》 
さて、オープニングのシーン。 暗いトーンの映像の中で、市川雷蔵の無言の演技が続く。 ここで既に釘付け。  最初の5分で見事、この作品にハマることができた! これほど幸せなことはない。 その後、大ハズレが無いことを確信できる感じがしたからだ。 映画の最初の5分で、自分との相性が分かると、どこかで耳にしたことがあるが、まさにそうだと私も思う。 この独特の暗いトーンの映像は、溝口作品でお馴染みの国宝級カメラマン、宮川一夫が撮ったモノ。 さすがという感じ。  そしてオープニングの舞台となっているのが、劇中「晴海町」となっている埋立地。 晴海だから、あの晴海か。 空には轟音と共に飛行機が飛んでいるし。 市川雷蔵は、埋立地の中にポツンと位置する汚いアパートに入っていく。 なんと周りには、お墓が! ま、埋立地でこのシチュエーションは、当時でもあり得ないが。 あり得ないけど、こんなシチュエーションがあったら最高だと思える程の、サビシ~い場所。 フィルム・ノワールに“黒い華”を添える、素晴らしいロケーションである。  そして程なくして、野川由美子や成田三樹夫が登場。 野川由美子と言えば、そう、あなたでもきっと知っている、あの野川由美子です。 テレビで数年前に放映された『白い巨塔』。 あの中で、鵜飼教授の夫人を演じていた、あの醜いおばさんです。 ま、本作では当然若い頃の野川由美子なんだけど、「別に。」って感じ。 個人的には、若い頃もあんま好きじゃないっす。  この後の展開は、観てからのお楽しみ。 ところで、肝心の成田三樹夫だが。 本作では、凄まじいまでのカッコよさ。 さすが成田三樹夫の代表作の一つと言われるだけのことはあった。  特にラストシーンでの、市川雷蔵のセリフをパクって野川由美子にそのまま吐き捨てるシーン。 コミカルさも相まって、ゾクゾクするほどのカッコよさ。 やっぱり成田三樹夫は最高にかっこよい!
[DVD(邦画)] 9点(2007-09-02 11:26:17)
46.  雪夫人絵図 《ネタバレ》 
木暮実千代出演作を観るのは、自身二作品目。 この作品においても彼女は艶やかで美しかった。  仕草や話し方が素敵である。 特に、畳に座るときの姿勢が大好き。 ちょっとはかなげに斜めに座るあの感じ。  それに対してその旦那の醜さときたら・・・ この美と醜の対比が、否応なく観る者を興奮させる。(いや、自分だけかな?)  印象に残ったシーンをいくつか挙げてみる。 まずは冒頭の、雪夫人(木暮実千代)を慕う久我美子演ずる少女が、お屋敷のお風呂場に案内されるシーン。 だだっ広いタイルの間に、ポツンポツンと浴槽が地面に埋め込まれている独特なお風呂場。 別に入りたくなるような、いい雰囲気のお風呂場ではないのだが、それを映し出した映像は輝かしく、息をのむ程に美しかった。 久我美子演ずる少女が、ここで同性愛的な発言や仕草を見せる。 「ここで毎日、雪夫人がお風呂に入られているんですね・・・」 水面に目を遣りながら、こうつぶやくのだ。 眩しくて美しいこの映像の中でのこのセリフ。 やっぱり溝口健二の描く世界は美しい。  それともう一つの印象に残ったシーン。 それはラスト近くの、雪夫人が湖に姿を消してしまうまでのクライマックス・シーンである。 雪夫人は湖近くのホテルに姿を現し、屋外の椅子に腰掛ける。 そこにボーイが近寄り、声をかける。 ボーイはその後、建物の中に何かを取りに行き、それと共にカメラも建物の方へ動いていく。 ボーイ、そしてそれを追うカメラが再び屋外に戻った時には、雪夫人の姿は見えなくなっていた・・・ このシーンが雪夫人の最期を演出するシーンなのだが、とあるお方のお言葉を頂戴するならば、  “霧深い芦ノ湖の山のホテルに現れた雪がまたすぐに消えてしまうラストはぞっとするほど幻想的で美しい。”  といった感じで、まさしくその通りのラストであった。  戦後の華族制度廃止によって没落していく旧華族を描いている点についても、非常に興味を持って観ることができた。
[映画館(邦画)] 9点(2007-09-02 11:14:57)(良:2票)
47.  祇園囃子
「恵比寿ガーデンシネマ」の『溝口健二 没後五〇年特別企画』において鑑賞。   主演は木暮実千代。  木暮実千代の出演作品を観るのは初めてで、“初”木暮実千代であったのだが、そのお色気に見事打ちのめされてしまった。  若い若尾文子より大人の色気漂う木暮実千代が本作では気に入った。 自分も大人になったということかな?  本作は溝口健二作品の中で一番のお気に入り作品となった。 やはりその要因は京都・祇園の風景や文化を見事に描ききっていることに尽きる。  “うなぎの寝床”と呼ばれる京都独特の長屋が建ち並ぶ街風景には特に目を奪われた。  その他の街風景にもため息が出るばかり。 こういった風景を見られるだけでも十二分に価値のある作品であった。   他の溝口作品で私の好きな『残菊物語』や『山椒大夫』に比べるとライトな仕上がりで、上映時間も短い。  それが逆に私にとっては功を奏し、全体として締まりのある切れ味鋭い作品と感じることができた。  最後は溝口作品に特徴的な“怒涛な展開”。 本作では恥ずかしながら劇場で涙してしまった。  最後の主演二人のやり取りは、まさに圧巻。 涙無しには観られようはずもありゃしない。  他の溝口作品でもそうだったが、最後に急展開し、感動的なラストにもっていく運びは、観ていてゾクゾクする。 本作は特にそれが強かった。  今日は風邪気味で体調が悪かったが、本作を観てカタルシスを得ることにより、ストレスと疲れが吹っ飛び、風邪が治ってしまった程だ。  これでますます溝口健二にハマってしまった。  それと同時に、一人でも多くの日本人に、溝口健二作品を観てもらいたいという思いも強くなるばかりである。
[映画館(邦画)] 9点(2007-09-02 11:13:19)(良:1票)
48.  他人の顔 《ネタバレ》 
こちらの作品、久しぶりに観ていて思わずニヤリとしてしまう程の面白さ。 サスペンス的な展開とも相まって、終始画面に釘付けの状態となった。  何といっても最も素晴らしかったのは、入江美樹という女優さん。 とにかく美しい!! メインストーリーとは直接関係ないサイドストーリーの中で、精神病院で働く女性を演じているのだが、何故だか顔はまるでお岩さん状態なのだ。 左半分から見るととても美しいのだが、顔の右半分は見るも無惨な状態。 道でナンパされるのだが、そのシーンが印象的だった。  また、勤務している精神病院内では、痴呆らしき老人に後ろから抱きつかれるなど、散々な目に遭う。 最終的には兄と肉体関係を持ち、お兄さんへは「ごめんなさい。」の一言。 その直後、白装束で海へと入り、自殺してしまう。 こういったサイドストーリーまでもが全て印象的。 そして淫靡で残酷で怪しい雰囲気を醸しだしているのだ。  話をメインストーリーに戻すと・・・ 主人公の男性は精神科医にくってかかり、その挑発に精神科医も見事“応える”。 どういった形で“応えた”かというと、精巧なマスクを造り上げ、それを主人公に被らせ、別人として生活させていくというものだった。 これはいわば医者としての研究的な好奇心によるものであったのだ。 最初は抵抗していたものの、マスクのあまりの出来のよさに、心躍る主人公。 全くの別人になれる素晴らしき“他人の顔”を手に入れた主人公は、そこであることを思いつく。 それは、マスクを被り全くの別人になりすまして、妻を口説くというおそろしいものだった・・・  この作品を観ようと思われる人はそうはいないと思うが、一応これから先の部分は伏せておくことにする。 いずれにしても本作品は、私にとって久しぶりの“超お気に入り作品”となった。
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-09-01 21:52:12)
49.  残菊物語(1939)
池袋の新文芸坐にて鑑賞。  本作は、1939年公開の溝口健二監督作品である。   146分という長尺も合点のいく、まさに力作であった。  特に、全編を通して貫かれている、“1シーン1カット”という撮影方法により生まれる、“長回し”シーンの数々に圧倒される。  長回しといっても、それは実験的な長回しであったり、観客を驚かせる為の遊び的な長回しという感じではない。  監督とカメラワークと演じる俳優とが力を結束し、又、それぞれがプロであるからこそなせるものであった。  全編を通して貫かれる、その一貫した撮影スタイルに、溝口監督の強いこだわりと執念を感じた。
[映画館(邦画)] 9点(2007-09-01 21:34:52)
50.  ぼくの小さな恋人たち
なんともいえない余韻を残す、ユスターシュの美しき遺作。  あまり観ている人は多くないであろうユスターシュの作品。 フランス映画っぽいけど、他のフランス映画とはどこかが違う。 何が違うのかよく分からないけど、何故か観ていて飽きない。  フランス映画って、雰囲気は良くても、観ていて飽きてしまう作品が少なくない。 その中にあって、ユスターシュ作品は観ていても時間を感じさせないのだ。 でも、その理由は全く分からない。 摩訶不思議だ。 この不可思議さが、この監督の最大の謎であり魅力でもある。  さて、本作はそのオープニングからして心を奪われた。 淡いピンク色の文字に、背景にはフランスの美しい村の映像。 そしてバックに流れるシャンソンな歌。  映像に関しては、ヴィスコンティ作品の様な豪奢感のあるTechnicolorでもないし、現代のDVD映像の様なシャープさがあるわけでもない。 だけど、それらにも劣らない美しさが本作にはある。 全く飾り気ないのに、それでいて美しいのだ。 センスがいい人が、ストレートに画を撮るとこうなるのかな。 とにかく観ていて心地のいい映像の数々。  そして、出演者がみな美しい。 男女に限らずだ。 来ている服もさり気なく美しいし、センスも抜群。 ココ・シャネルがどうのとか、モードファッションがどうのとか、そういう類いの“衣装”の美しさでは決してない。 あくまで出演者の着ている“服”が、自然でいてセンスがよく、ユスターシュが描く本作の世界観にマッチしているのだ。 特筆すべきは、主演の幼い男女二人。 とても画になる二人。 こういうのを観てると、自分が日本人に生まれたのを恨めしく思うね。  思春期特有、特に男子に特有の「歯がゆさ」というか「やりきれなさ」みたいなものがうまく表現されている。 それは痛々しいほど繊細に描かれていて、観ているこっちも辛くなるほどだ。 これはユスターシュの自伝的作品であるとも言われており、彼の思春期の頃の想いを垣間見ることができる。 若くして自殺したユスターシュ。 あぁ、もっと彼の作品が観たかった。
[ビデオ(字幕)] 9点(2007-09-01 21:31:49)(良:1票)
51.  ダウン・バイ・ロー
ジャームッシュ作品としては、『ナイト・オン・ザ・プラネット』以降、どうも自分のツボにはまる作品に出会えてなかった。 その不満を見事に解消してくれたのが、この作品。 評判がいい作品なので、期待はしていた。 でも、こんなにいい作品だったとは・・・ 特に、最後のシーンは大好きだ。 ああいうシーンは、なんかジーンとくる。 最後のシーンだけでなく、全体的にも素晴らしい作品だ。 基本的には「ロード・ムービー」路線なのだが、退屈感がまったく無く、最後まで気持ちよく観れた。 久しぶりに2時間という時間を感じさせない映画だった。 これぞまさに、ジム・ジャームッシュの魅力だ。 全編、ぼぉーっとした感じのまま引っ張られていく感が最高に心地良い。 モノクロ画像の効果なのか?! ジム・ジャームッシュ作品の中では、『ナイト・オン・ザ・プラネット』に次いで好きな作品となった。
[DVD(字幕)] 9点(2007-09-01 21:01:24)
52.   《ネタバレ》 
数多あるフェデリコ・フェリーニ作品群の中から、『崖』を鑑賞。  フェリーニ作品は全て観たが、この『崖』が一番のお気に入りだ。  世間では、同時期に作られた『道』(1954)の方が有名である。 でも私は『崖』の方が遥かに好きである。  一番のお気に入りシーンは、「主人公と小児麻痺の少女との会話」シーン。  詐欺を働き、その人生自体も汚れきった中年の主人公。 片や、小児麻痺と戦いながらも人生と真正面から向き合い、純粋さを失っていない少女。  この対照的な二人の会話は、ただただ見入ってしまうほど感動的で印象的なシーンだ。  主人公が、純粋な少年や少女と会話をするシーンは、『甘い生活』(1959)や『青春群像』(1953)などの初期フェリーニ作品でもよく出てくる。  『甘い生活』は非常に尺の長い作品で、ややもすると退屈さに襲われる危険性大の作品だが、ラストの「海辺での主人公と少女との会話(実際は会話が成立していないが)」シーンが一気にそのもやもやを吹き飛ばしてしまう。  『青春群像』でも、ラスト間際の「汽車が出発する直前の、主人公と少年の会話」シーンがあり、最後にとてつもない余韻を残す。  私にとって、初期フェリーニ作品が大好きな理由は、まさにこれらの名シーンが存在するからなのだ。  中期から晩年にかけてのフェリーニ作品は、まさに「映像の魔術師」的作品が多く、それらは高く評価されているかと思うが、私の好みには合わない。  やはり私にとってのフェリーニ作品といえば、『甘い生活』であり『青春群像』であり、そしてこの『崖』であるのだ。  “あの会話シーン”を観たいが為の理由で、私はこれらの作品をまたいつの日か観ることだろう。  最後になってしまったが、ニーノ・ロータの音楽も言わずもがな素晴らしい。 やはりフェリーニはロータあってのフェリーニである。
[ビデオ(字幕)] 9点(2007-09-01 20:36:48)(良:1票)
53.  都会のアリス 《ネタバレ》 
ヴィム・ヴェンダースの「ロードムービー三部作」の一作目にあたる作品。 全編モノクロ画像。  主人公がひたすらさすらい行くお話で、道中、少女を連れた女性と出会い、その女性と一夜を共にし、夜が明けてみるとその女性はおらず、仕方なく主人公はその少女と旅を続ける・・・という展開。  この物語における主人公の、「ちゅうぶらりんな精神状態の中での癒しの旅」みたいな設定が、その時の私の精神状態と酷似していた。  それと、主人公が31歳ってのもあり、思わず映画の中の主人公に自分を投影してしまった。 ロードムービーでその主人公に自分が投影された時・・・ まるで自分の分身が、映画の中でその時を体感している様な感覚に襲われたのだ。  あと、撮影監督が『ダウン・バイ・ロー』の「ロビー・ミューラー」ということで、これもばっちりツボ。 なんか話が出来すぎの感は否めないストーリー展開ではあったが、それを補って余りあるほどの素晴らしいロードムービーであった。
[ビデオ(字幕)] 9点(2007-09-01 20:23:06)
54.  新・仁義の墓場
『新・仁義の墓場』という作品は、私が近年観た数多くの「邦画」の中でも、TOP3に入る映画だった。 三池崇史監督作品である。  そして、この作品に心を奪われた私は、1975年の深作欣二監督作品、『仁義の墓場』をも、借りるに到ったのだ。  さすがに30年前のヤクザ映画を借りるのには、かなりの抵抗があった。 はっきり言って、「楽しめない」という確信があった。  だけど、三池監督の“新”の方を好きだと主張するからには、古い方も観ておかないと・・・ ってな感じで、意を決して観たわけだ。 90分程度の短い作品だったが幸いだったのかもしれないが、それなりに楽しむことができた。  これで更に、三池監督の、“新”の方への理解を深めることができた様に思う。 『新・仁義の墓場』は、私が観た三池作品の中で、間違いなく最高傑作だ。 同時に、邦画としてみても、自分が観た中では最高傑作の一つに入る作品である。
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-08-31 00:15:36)
55.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
とうとう「エピソードIII/シスの復讐」を観てしまった!!  私にとってはまさしく観て「しまった」という感じ。 これで終りか・・・と、寂しさがこみあげた。 それと同時に、素晴らしく感動できた。  「夢心地」な二時間余りであった。 集中して真剣に観ているはずなのに、どこかぼぉ~っとしてる感じというか・・・ EP3でしか感じ得ない、独特の感覚だった。  思い起こせば、1980年(6歳の頃)に新宿歌舞伎町の映画館で『帝国の逆襲(EP5)』を観たのが、私にとってのスターウォーズ(SW)との出会いであった。  あれから25年、私は30歳を過ぎ、私を映画館まで連れてってくれたおじさんは、この世を去ってしまった。 生まれて初めて映画館で観た映画がSWであり、小さい頃だったから、ものすごく影響を受けた。 だから、このシリーズを他の映画と比較することなんてできない。  今までSWのことを「別格」として、自分の中で扱ってきた。 「一番好きな映画」とは言えるけど、どこか別枠な扱いをしていた。 だけど、今度の「EP3」は違った。 非常に密度が濃く、情報量も豊富で展開がスピーディ。 そしてエンターテインメント性も十分。 またファンの期待を決して裏切らない演出などなど・・・ 新旧三部作の最後を飾るこの作品、予想以上に感動でき、そして楽しむことができた。  これは、現在の30~40歳前後のSW好きにしか体感することのできない「幸せ」ではなかろうか。
[映画館(字幕)] 9点(2007-08-31 00:14:21)(良:1票)
56.  [Focus]/フォーカス(1996) 《ネタバレ》 
浅野忠信出演作の中でも、観たかった映画ベスト5に入る作品だった。 ようやく今回、観る機会を持てた。  かなりマニアックな映画で、好みは間違いなく分かれるであろう作品。  ただ、73分という短めな上映時間の中で、無駄なシーンがほとんどなく、息つく間もなく、次々にシーンが進んでいく様は、観ている者を釘付けにすること間違いなしだ。  浅野忠信がオタクに扮し、切れているところはスゴイの一言であるが、一部、 「それは、ちょっとオタクのしゃべりじゃないだろ?」 と、個人的にはツッコミたい部分もあった。 ただ、それはほんの一部分でしかないし、後半、物静かなオタクから豹変し、全くキャラが変わってしまう辺りの演技は、「さすが浅野忠信」って感じだった。  あと、ディレクターの様な人から、しつこく質問を受けて、狼狽したり、困惑したり、怒ってみたり・・・と、この辺りの一見すると見過ごしてしまう様な、「絶妙かつ細かい演技」は、浅野忠信にしか出来ない、計算し尽されたレベルの高さを感じた。  しかし、「主人公の死で決着をつける典型的な映画」であるので、そういった映画が大嫌いな私にとっては、不向きな映画でもあった。 決して、他人に自信を持って推薦できる類いの映画ではないが、それとは逆に、「一度は観て欲しい邦画の異色作。」としてオススメしたい。  何より、浅野忠信の凄さが凝縮されている日本映画である。
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-08-30 23:50:18)(良:1票)
57.  幕末太陽傳
満を持して、川島雄三監督の代表作にして、日本映画を代表する傑作『幕末太陽傳』を鑑賞することができた。 川島監督の作品はいくつか観てきたが、やはり本作のパワーとスピード感は別格だった。 日本映画史に名を残し、「日本映画ベスト10」といった企画等で常連である本作。 その実力を目の当たりにすることができた。  川島監督にハマりつつあるが、それと同時にフランキー堺にもハマりつつある。 フランキー堺の丸っこい体に似つかわしくない、その軽やかな動きに脱帽。 あの動きは確かに“芸術”の域にまで達している。 そして、とぼけた表情に、スピーディな軽い語り口。 外見的には決して二枚目ではないのに、劇中の女性に惚れられる役回りが多いが、確かにそれを納得させる人間的魅力を感じる。 ちなみに本作には、石原裕次郎も出演している。 主演はあくまでフランキー堺だが、石原裕次郎もさすがの存在感。  その他のキャストも実に豪華。 南田洋子、金子信雄、山岡久乃、岡田真澄、菅井きん、西村晃、二谷英明、小林旭・・・などなど。 特に岡田真澄のインパクトが大。 「若い頃は痩せていて、晩年とは全く違う感じだった」と誰かに聞かされた記憶があるが、確かにその通りであった。  本作は、幕末の品川遊郭を舞台にしているので、沢山の女性が登場する。 その中でも中心的役割を演じた女性が南田洋子。 ご存知、長門裕之の奥さん。 これがとても美しくてビックリ! 南田陽子って、こんなに綺麗だったんだぁ・・・と感心してしまった。 これなら長門裕之も惚れるハズ。  フランキー堺の魅力あふれる演技と、豪華な脇役陣、美しい女性たち、そして「古典落語」を題材にした数々の面白いエピソードなど、見所を挙げればキリがない。 劇中の騒々しさとラストの静けさとの対比や、味わいのあるラストシーンも素晴らしく、“日本映画を代表する1本”という肩書きに偽りはなかった。
[DVD(邦画)] 9点(2007-08-24 06:49:14)
58.  原宿デニール 《ネタバレ》 
武田梨奈の全盛期の魅力が炸裂してるので点数高めにいきたかったが、韓国人俳優はマイナス要素かな。 原宿を歩いている女性のパンストのデニール数を当てるというエピソードから、作品名を『原宿デニール』としたセンスが好き。 武田梨奈がパンストを脱ぐシーンや、そのあとの生脚ポリスはヤバすぎる!
[インターネット(邦画)] 8点(2024-04-20 21:19:27)
59.  今はちょっと、ついてないだけ 《ネタバレ》 
「今はちょっと、ついてないだけ」 この作品名がいいね。 登場人物たちの辛い過去が描かれる部分は、暗い内容ばかりで、あまり好きになれないなぁとか思ってた。  だけど私は単純だ。 その後、シェアハウスに集う仲間たちの楽しそうな未来が垣間見えた時、いい映画だなぁ!と思った。 主題歌がエンドロールに流れている時、なんだかジンワリきちゃったりして、単純に心温まった。  これから辛い時には、 「今はちょっと、ついてないだけ」 と考えるようにしよう! そう前向きになれる素敵な映画だった。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-04-14 12:48:19)
60.  夜明けまえの彼女たち 劇場公開版 《ネタバレ》 
「ありきたりの人生だったけど、思ったより悪くなかったんだよ」 このセリフが全て。 人それぞれの人生がある。 そしてそれはそれほど悪いもんじゃない。 考え方次第なんだろなと。  見始めはなんか稚拙で青い作品だなとか思いつつ見てたけど、終わってみたら案外味わいのある作品だった。 この作品をちょっと舐めてた。 小品ながら意外とオススメ。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-04-06 19:51:39)
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