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黒猫クックさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 791
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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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41.  8mm 《ネタバレ》 
 ヤンキース、という球団がある。他球団のスタープレイヤーを資金力でかき集めて強力な打線を作り出し、あろう事かピッチャーも守護神ばかりでこれはもうなんですか、神様の戦いなんですか?天使が現れて人々が逃げ惑い、審判の炎に焼かれる様を別の神が見つめてどうしようかなこれなんていう状況。  2013年のヤンキースは神様も力を失って、どうしようか決めかねてた他の神様達に袋だたきに遭っている。いろんな要因がそこにはあるんだろうけど。   8mmっていう映画も、それはそれは豪華な陣営で作られていてまさに心躍るという感じだったのを思い出す。存在するのかしないのか、今もって都市伝説は崩れないスナッフフィルムが題材と聞いてこれはもう、いったいどこまで面白くなってしまうんだこれは、と冒頭の雰囲気に吞まれていった。   だけど、チームとしては恐ろしく未発達でだったらしい。段々無数にシーズンが続くテレビドラマの、シーズン5とか6とか位のド安定感と時間が来たら勝手に落ちるんだろなこれという、別に見なくても良いんじゃねな空気が、非常に残念な映画だった。
[DVD(吹替)] 4点(2013-08-09 15:24:43)
42.  グリマーマン 《ネタバレ》 
 「先生、良いんですか?」  武道場の裏に、僕と先生は、集まった。貝殻の塊を転がしたような音が、錆びた掌が揺れる立木から漂ってくる。あとは、靴が地面をこするだけだ。砂利を踏みしめる足は、少し震えた。  小さく富木流と書かれた道着を正しく羽織った男は、講師の事務所で僕の誘いを断ることも無く笑ってぼそりと一言、 「それじゃあ四時に」  と言った。   実習に合気道という時間が存在した。僕はそれを履修する事は無かったが、放課後の練習をぼうっと眺めるその目には肝心な物が伝わらない。  映画のあれは、本当に強いのか?クラスメートに何となく尋ねた疑問は、体育実習をうけた彼から師範に伝わった。伝わってしまったのは事故のような物だったが、かまわないと思った。むしろ、そこに実戦性があるのならどう言うものか見てみたい。思わず口角は上がっていた。   袴を穿いて、裸足の師範は左右に腕をなめらかに動かしながら、呼吸をしている。ただ呼吸をしているだけなのに神秘的な動作であった。僕は見とれる。落ちてくる赤い楓の葉は闘争心に火をつけた。ゆらゆらと足元に惹きつけられる数瞬に、心に波を立たせる。 「どうやって始めよう」  右足を前に音も無くずらす。 「相撲みたいでいいんじゃないですかね。靴はどうします?」  隙を探す。  右足、  左足、  股間、  脇、  肩、  腕、  顎、  額、  「好きにしたら良い。それで勝てると思うんなら」  それじゃあという返事を保留する言葉を返すと、彼の腰を落として力がどこかに消えてしまった姿勢に、今、と思う。  瞬間に、左足は前に出る。土が抉れた。ういっ、腹の底から発した声とともにコンビネーションを放つ。複雑に組み立てた手足の運動は、欲張らない。  鎖骨と大腿を狙う拳と膝は、合気道には存在しない方法で組み討つ。   次の瞬間だった。体重を乗せて殴り抜こうとした右腕を小手返しの型に組み込むと、軸を失った右足を古武術らしいすり足で抑える。一瞬僕は解放されたと感覚するが、それは入り身投げへの伏線だった。  ラリアートを食らったレスラーのように、綺麗に打ち倒されると、そのまま裸締めにされ気を失う寸前でタップした。   師範はいった。 「セガールは弱くないぞ。これくらいは、確実にやる」   という勘違いと妄想をさせるインパクトがかつてのセガール様にはあった。
[DVD(吹替)] 6点(2013-08-09 01:03:27)
43.  十誡(1923) 《ネタバレ》 
 この映画が公開されてから90年近くたって、信じがたい大地震は起きた。モーゼが手をかざした海はエジプトの力を飲み込んでどこかに流してしまったそうだ。だけど、日本で流されたのは誰かを追いかけたり迫害していたわけじゃなくて、そこに既に住んでいて大過なく役割を全うする多くの普通の人達だった。  「人に埋め込まれた大罪だったとか?」 「自然現象だし」 「何かをやり直せば良かったの?タイムスリップできたら」 「俺には無関係」 「いや、これは無い。断じて無い」 「人間は自然に打ち勝ったとか思っていたのか」   色々、聞いた。それはもう、絶望した人は色々に口走った。だけど、やっぱりこの国のこの風土には大それた宗教は馴染まないのだ、とそのすぐ後に感じる。人が大勢海に飲み込まれた後、やっぱりモーゼみたいに火が町を飲み込んで、しまいには原子力発電所が爆発までしてしまう。それでも、知恵を精一杯に蓄積している人間は、そこにもう一度町を創って、自然には存在しない物が起こす自然現象からは全力で逃げて逃げながら、反撃を今この瞬間も目論んでいる。   それはもう、天変地異という言葉が生半可であるような出来事だったのだけれど、この映画の年の大正12年も実は同じだった。そう言う意味では。  関東をぺしゃんこにした地震は1923年の9月に起こった訳だけれども、モーゼはこの90年の間に猶予期間を与えてくれたかというとそうではなかった。たぶん四千年位前にモーゼがエジプトを出ようとしたときから何度も作られて、20世紀の頭に現代への警鐘の様に映画になっても全然、猶予は無い。それこそ全く。そこから90年経って、今こうやって文章を書いているパソコンにBASICで少しの記述するだけで、色々な答えが出てきてしまう様な21世紀の世界になっても人には全然猶予は無い。   こうなってみると宗教は全く役に立たない。旧約聖書が警告めいた物語を何千年も掛けて繰り返しても、人には学習する暇も無く海は割れてしまうし火柱もボンボン上がる。  だから90年も前のモーゼに驚き、90年も前の人間の生々しさに怖がる。それでやっぱり、今この瞬間も人間の学習その成果と成果の無さに感心してしまう。
[インターネット(字幕)] 7点(2013-08-07 00:39:30)
44.  SPACE ADVENTURE コブラ 《ネタバレ》 
 松崎しげるである。なんで松崎しげるだったのかはよく分からないが、松崎しげるだ。あまりこの事には触れないでおこうと思う。だって、サイコガンを左腕につけた宇宙海賊って感じでは全然、ない。だから「ドミニクァー」だとか「レディェー」とか、そう言う大事な事もまぁ、良い。   ただ、いつだか思い出せないけど、これが放映されていた夏の夜。ガラスの向こうに現れたコブラが左腕を構えて笑うと、それに驚いた悪役がつぶやくその銃の名前と震駭の空気に痺れた。   だからこの映画が大好きだ。もう一度みたい。と、思ってもう一度見たのである。MXテレビよありがとう。で、どうか。  いや、結構ひどいぞこれはひどい。謎のイメージ映像は宗教団体のアニメのようであり、最低の演出だ。なるほど、子供の頃にみて全く美化されていた映画のコブラは実にひどい。であるが、 「そうなんだけど、ちょっと違う」  一人で逃げるの?と詰られて久しぶりに使う左腕を頭の上にかざす金髪の男は抜群にカッコイイ。だから、ひどい映画だけど、ちょっと違う。   この後の1時間は蛇足極まりない。ジェーン→キャサリン→ドミニクの三段構えで為す術無くモブレベルで死亡するコブラ式様式美も、あしたのジョーである。それでもなんかシリアスでリアルタッチで(棒な松崎しげるが 「なあレディ、俺達の旅の終わりはどんなだろな」とつぶやくと、相棒のアーマロイドは受け流す。 「さあ。コブラの旅に終わりなんてあるの?」  だって。そうだろう。そうでしょう。もう終わりなんか無い。周りの人間は皆去って行っても、等距離でレディーが支えていつまで経っても終わらない。  だってコブラだ。それで良いんだ。  突然の劇画タッチは、寺沢武一のCGと等価だ。古典ハードSFのオマージュと等価の予定調和がここにある。  左腕が義手じゃ無いコブラがクリボー氏にどうやって勝つんだ一体。そう思わせただけでこの映画は勝ちである。
[地上波(邦画)] 8点(2013-08-07 00:12:23)
45.  アンブレイカブル 《ネタバレ》 
 傑作ではないのか。傑作でしょ?  ……傑作だと思うんだけどな。だんだん自信がなくなってくるこの味わいに絶望する。何回見ても面白く感じてしまう。  普通の人の人生を何かが浸食する。いや、していた。けれどそれは全く確証が無いし、確認しない方が良い。危ない、死ぬかもしれない。主人公は過去の自分大きさと、自分がしたことへの後悔にとらわれてそのままうだつの上がらない人生に引きずり込まれてしまった。  ここで、このまま彼が普通の人生を歩むと人生を転げ落ちていくのだろう。使い古されたネタが普通の人に襲いかかる。苦悩と非現実を、現実っぽい世界で打ち破る。アメコミなら本当は。でも彼はそうしない劇中はただでさえ悩み過ぎなアメコミよりも更にシリアスなのだ。  漫画的な顛末を拒否した主人公は超人として前向きに社会で役割を果たしていく用に見える、そこに至るプロットがヒーローものと同じなのに表現が全然違う。これは痺れるわ。あかん、面白いでしょ?   マンガやファンタジーの世界がたとえ壊れたとしても、受け入れられなかったとしても、ストーリーが気に入らなくても、たとえ希望が無くても意志があれば生きていくことはできる。  あかんでこれ良い話や。
[DVD(字幕)] 8点(2013-08-06 23:39:57)
46.  スーパーマン リターンズ
 あの青いコスチューム。完全に耐用年数を過ぎている。バットマンがあのコスチュームを着るのは、奇跡的に理由が現実に合致したからだ。  コスプレをした半分頭のおかしい金持ちが、夜中に悪人を痛めつける快感を隠すためにはあのような姿しかないからという、ありそうな感じがする。   スーパーマンはどうか。かっこよさの象徴として作られたのであろうあの記号性は、現代では受け容れがたいかっこうわるさとなってしまった。いったいどうブラッシュアップしたらかっこよくなるのか皆目見当が付かないが、現実のガジェットや最新の銃器を華麗に操る捜査官や、スタイリッシュな音楽と編集にあわせて遠心分離器に血液を入れる科学者が格好良いとされるブラウン管やスクリーン上で、スーパーマンが写ってももう人目を惹くことは出来ないのではないだろうか。   残念だが、映像がスーパーマンであろうとすればするだけ、そこにあるのが観たい映像ではなくなってしまうと言うのが殆どの人の感じたところではないだろうか。  
[DVD(吹替)] 5点(2013-08-01 15:59:35)(良:1票)
47.  スーパーマン4/最強の敵 《ネタバレ》 
 スーパーマンという記号性と概念はもう80年代には耐用年数を超えて運用されていた。残念ながら、このヒーロー像を子供を限定しない娯楽に落とし込むのはもうかなり難しいと思う。   スーパーマンが飛ぶ。ただ空中を飛ぶ。それだけで難しい。スーパーマンは時速八〇〇万キロで飛ぶらしい。四万と七十五キロメートルしかない地球上で、いったいどうやっておもしろい話を組み立てることが出来るだろう。スーパーマンという素材に奇跡的な相性を持っていて、面白く組み立てられる人もいるかもしれない。だけど、それほどの作家や脚本家ならもはやスーパーマンに時間を費やすと言うことはしないだろう。残念なことだが。   強さの象徴として、過去の一時代こうしたキャラクターがもてはやされた。このように語られる対象としてそっと歴史に幕を閉じるその引き際をいま、アメコミでは模索されているのかもしれない。正義論や立場を巡ってバットマンと諍いを起こす、大人のキャラクターとして今もなんとか生き残るスーパーマンだが、それが大人向けの映画になることはないだろう。   ギリシャ神話のように、人間の願望を素直に神様へと抽象化した物語の系譜として20世紀の頭にはスーパーマンという形態があった。そういう思い出話として語るのも、実際にはそんなに悪くはないなとおもう。
[地上波(吹替)] 4点(2013-08-01 15:48:47)
48.  パンダ・コパンダ
 凄く面白いアニメだし、この作品に思想的な意味合いは全く込められてはいないと思う。 のだけれど。  なんだかここ最近のジブリの人たちの誰かに言わされてるんでしょ?としか思えない発言に、もしかして大手出版社やテレビ局が出資するカルト団体なのか?と思ってしまうくらい強烈な思想を、作品に関わった人間という立場を使って作品と全く関わりの無い宗教的思想に近い政治主張をしているのがまずい。もの凄い違和感と共に、私の中で拒絶反応が生まれている。   もちろん宮崎駿や鈴木敏夫という二人の有名人の影響であるが、作品に穢れとかと言うものは無いと思う。それは間違いないことなのだけど、時代を遡って関わってもいない人までがこうやって何か大事なものを穢してしまっていることも、非常に粘っこいものが心に残る。  戦争を生き抜いた世代のような振る舞い、現代を見下す視線が実に粘っこい。  だけど、出掛ければ災害やテロと隣り合わせで、湾岸戦争を目前で何度も観て古典戦争よりも驚異的に危険な世界との接点がいつ動くともしれないたった今を生きる私らを、テレビで見下すのはやめた方が良いのではないだろうか。   ファイナル・ジャッジメントが凄く面白いから観てみなよと言われて、素直な気持ちでどれだけの人が観られるだろうか?私は観ないし、関わらない。熱心な信仰を持っている人を否定しないけれど、そういう側面だってあると、私は思う。
[地上波(邦画)] 6点(2013-07-31 20:26:56)
49.  息子の部屋
ヨーロッパのこの体の映画は国営放送の60分番組でやれば良いんじゃないかといつも思う。言葉が全くわからないのでフランス映画だと思っていたが、そういえばイタリア映画だった。  テーマや設定は良いけれど、娯楽的な映画フォーマットに落とし込まれていないので、それをどうとらえるかということになると思う。ストーリーを放棄してしまっているような映画でドキュメンタリー的に見せることもうまくない。その代わり文芸的側面が高くて難しい映画を見たんだという気になれる。ヨーロッパのこういう雰囲気を理解すること自体が難しく感じる。こういう風に感じても製品として高度に練られている側面もあるから。本物の同人映画は半端ではない。そういう出来不出来で語るレベルではなくきちんと完成しているからスゲーと思う、全然面白くはないんだけれど。  アメリカで高評価。だけどその背景には日本に入ってこない優れたアメリカ映画も年中ガンガン観ている人たちが、一風変わった作品としてヨーロッパ映画を受け入れる余裕を持っているからではないかと思う。たくさんの人が微妙な部分を実にうまく受け取っている。  そもそも彼らは映画というものを芸術という概念で観ていないのではないか。我々が思っているよりもずっと、というか我々よりもずっとアメリカ人は懐が深く理解がある。どのような価値も受け容れて面白いと断ずる能力はたいしたものだと思う。  が、だからといってこの映画全然面白くないよね?そう思っているのは自分だけなのか。謎である。
[DVD(字幕)] 4点(2013-07-31 19:02:59)(良:1票)
50.  ショーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
 ドーン・オブ・ザ・デッドと異質の映画なんだけど同じくらい面白い。オリジナルのドーン・オブ・ザ・デッドとは共に表裏一体をなすんだけろうけど、どちらのリメイクもよく練られていて驚く。  このショーン・オブ・ザ・デッドの面白さはそれだけではなくて、笑いのツボの抑え方も非常に小気味が良く本質的に出来が良い。コメディタッチのゾンビものとしてバタリアンがすぐに思い浮かぶが、あちらはテレビで放映された際の吹き替えだけでどれだけ一つの話が面白くなってしまうのかと言う意味でいうと、オリジナルのトーンを著しく損なっていて本体の出来の良さとは全く違う意味合いを持っている。  バタリアン放映当時、「レミントンスティール」や「俺がハマーだ」といった吹き替えが一人歩きするほどに吹き替えの文化度は高く、今とは比較にならないくらいの楽しみがあった。それと比較すると、より現代である2004年の吹き替えはどうなのかというと、これがなかなか驚きなのだ。  吹き替えの黄金期だった80年代末から90年代初頭に掛けての時期にはない、(原盤という意味の)オリジナリティの移植という意味で正常に進歩しており、背景音のトラックとの自然さも段違いという意味で、色々な技術的な進歩をしみじみと感じられる傑作っぽさがこの映画の本当の価値ではないだろうかと、思ったり思わなかったり。   そういう余り日に当たらない技術という意味で傑作なのは間違いないんじゃ無いかと思うのだが、ゾンビを感じさせる編集や、大槻ケンヂのような既視感を感じる世界観も完璧な技術的な昇華を果たしていてどうにも侮れない。   要するに、ヤベーサベーマジオモシレえ。って思わずつぶやくってこと。
[DVD(吹替)] 8点(2013-07-31 18:56:33)
51.  劇場版 SPEC~天~
これにお金を払う人がいて劇場公開しても良いくらい景気が良かったんだっけか。
[DVD(邦画)] 2点(2013-07-29 21:57:41)
52.  ファインディング・ニモ 《ネタバレ》 
 よーい、スカート。勢いをつけて彼はいった。  そこにいた四人は、ん?、と思わないでもなかったけどやり過ごした。 別の日、 パームやしってなんだ?パームとやしって同じだろ?ヤシやしだな。と、怒って言ったが物知りの子が、パーム種とココナッツ種があるんだよ、だからパームは液晶モニタみたいなもんよ。と諭す。液晶って言ったらモニタかもしれないけど、トリニトロンだってあるでしょと、至って冷静だった。何に怒ってるのよと。   学生の時、大きなお兄さんとお姉さんになった僕らは集まって、酒の席で笑い合う。彼はあれ見た?あれ。と、ファインディングニモの事を話題に出すが、みんな笑いが止まらない。彼はなんの事だか全くわからず当惑するのだけれども、また誰かが指摘を始めるのを知っているので澄ました顔で待つ。  ひとしきり笑い終わって賢い女の子から女の人にクラスチェンジをはたした彼女は、丁寧に説明を始める。あのね、ファインディングね、見つけたらとか出会ってとか、探して、なんて訳したら良いと思うよ。ファイティングじゃ違う意味合いになっちゃう。闘っちゃだめだよ、ラーメンマンじゃないんだから。  と、ファイティングニモを正しくファインディングニモに訂正した。   ここで一同大笑いをする。朗らかに、座の中心は彼だ。彼はいう。 「いやこの前、実は病院で馴染みの先生と話をしていたら、きみはあすぺるだー症候群かもねと言われた」  特別な言葉の覚え方をするんだね君は、と言われて今までなぜ指摘されて来たかわからなかった数々の独特な単語に気づいたという。本人はファインディングとファイティングを口にする段階で区別して居ないのだという。  彼が情報工学の学生でプラグラムをガリガリ書くというのも驚きだが、カリガリ博士をガリガリ博士と発音するのも驚く。   にしてもニモハッピーエンドたけどお母さんはどうなったの?やっぱ死んだの?と、いつもの調子で仲間たちの夜は更けていく。 
[DVD(吹替)] 7点(2013-07-29 19:29:07)
53.  紅の豚
 バックグラウンドのない、行き当たりばったりな海賊のような格好良さが映画の中に練り込まれていて、本当に楽しい話だと思う。   のだけど、最近の宮崎駿の新興宗教のようなよく分からない主張や、鈴木プロデューサーの中国共産党の指示で言わされているかのような安保闘争のような主張が気になって、何となくジブリ作品が気持ちが悪いと感じるようになってしまった。   いくら面白いと言われても幸●の科●の映画を観たりしないのと同じ種類の気持ちの悪さが、過去の作品に遡って発生している。心躍る作品だったはずが、今、後になってちょっと思想や教義が少し振り掛かると違った意味が出てきてしまうのではないか。  作り手があまり共産主義的なことや新興宗教のようなことを発信しない方が良いというのはこう言う理由からではないだろうか。
[地上波(邦画)] 5点(2013-07-28 22:20:35)
54.  北の国から '98時代 前編・後編<TVM> 《ネタバレ》 
 今考えると、いや、当時から変な違和感は感じないでもなかったのだけど、色々世紀末だったんだなと思う。  何をやっても徹底的に上手くいかない一家と、その周りの人たち。末世的世界観と相まって至る所で予感させる死と破滅っていう概念にはどう捉えて良いものやら、分からない。当時のテレビ番組の手癖のようなものだけど、何が何でも死を感じさせる話運びにはいかがなものかと言いたい。   それから、何か新興宗教めいているのが終始気に掛かる。有機農法を自然に反すると言うような主張をキャラが始めて、それまでに腑に落ちなかったものがスッと降りてくる。要するに、新興宗教だよねこれはと。どこかで聞いたような理屈だよこれはと理解する。  成立しない男女の性行為を、避妊もさせなければ、堕胎もさせない。その上関係の修復も、前提として与えない。このような行きすぎた宗教的な説法のような設定に加えて、有機農法を自然に反すると罰として疫病を蔓延させる。そして金銭的にも困窮させ、合理的な思考を受け手からも奪ってしまう。ある意味観ている間は一瞬でも、 「そうかも」  と思ってしまう。シムシティで市民をいじめて楽しむような恐ろしいストーリーだ。  その後で、草太が死んだのはお前らのせいだと言わんばかりに、重要キャラを殺してしまう。こんなことなら時代に合わせた農業なんてやらなければ良かった。とホントに思ってしまう。恐ろしい。   その後ちょっといい話になって、何となく暖かくなったような気がして終わる。  が、ちょっと待て。どういう風に蛍が生きていくことが子供にとってよりベターなのか、七〇年代や八〇年代の日本のような伝統農法でも科学的でもない、ある種歪んだ農業が九八年より昔と言うだけの理由でより自然である合理的な理由もどこにも示されていない。  オブジェクト指向は目的が手段になるから完全に排除してCOBOLをCUIで逐次型で何万行もスパゲティコードを書くべき、と言っているのと何ら変わらない。いきなりそう言われたら、プログラミングなんかしない私にはそうなのか!と、思ってしまうだろ。   そういう意味で、観てる人間に「どうせわかりゃしねえだろ」といい加減な専門的な出来事を挿入して、それが軽いSFや宗教の類でしかないという事を中途半端に隠そうとしてるところになにやら言い知れない不快感がある。   でも何となく観ちゃう。面白いからだ。
[地上波(邦画)] 7点(2013-07-28 22:07:45)
55.  ザ・メキシカン 《ネタバレ》 
 おい。   銃を巡るトラブルに巻き込まれたブラッドピットが、自分の愛を証明するためにジュリアロバーツときっとたどり着かないメキシコを目指す。ひっそりと殺されるかもしれない事実を受け容れながらも、二人が別々の道中で出会う人たちの何気ない行為は追う側への誤解を解いていく。そしてメキシコを目の前にした二人は、どこまで続くのかも分からないまっすぐな道で落ち合う。砂漠の廃屋で抱き合うがそこで彼女は殺されてしまう。その時一本の電話が事件を解決する。  意識の狭間を行き来する彼女の最後のメッセージは、彼の手を握ることだけで伝わった。愛していると。しゃがみ込み、ブラッドピットはほんの少し前まで彼女であった綺麗な顔を見つめて、唇を近づけるのであった。   っていうラストシーンじゃ無いの?これ。なに、このジャケット。なんなんだよ。オイ。コメディなのかよ!  にもかかわらず、そこそこ面白くて悔しい。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2013-07-28 01:47:05)
56.  シェーン 《ネタバレ》 
 深手を負って、そこに居られなくなって。きっと引き返したいんだろう背中はかっこよくて。  きっと死んじゃうんだろう。だから戻ってきてシェーン。帰ってきてよ。   って何回観ても泣いちゃうでしょ。普通泣くでしょ?そうでもないらしい?えええ!  と、中学生の時友達に熱くシェーンを語ったが、 「西部劇とか、お前つまんねーもんよく見てるよな」とか失礼なことを言われて落胆したのを思い出す。曰くオリンピック等の記録映画並に古くさくてつまらないというのだが、まて。そんなこと無いだろ。   だが、やっぱり今になっても西部劇が面白くてたまらないと言う人には余りお目にかかれない。非常に悲しい。そして、小学校高学年までジャッキーチェンとシェーンについて実話と区別できていなかったのは誰にも言えない秘密だ。
[地上波(吹替)] 8点(2013-07-27 22:05:42)(良:2票)
57.  007/ロシアより愛をこめて
「これ、拾ったんだけど」  と、一万円札を拾ったかのようにうれしそうな含み笑いと、見せびらかす右手に握られてる拳銃が笑いを加速する。いや、笑わせようとはしてないんだけどと展開するストーリーに苦笑いするのはいつもの様式であるが、順不同で007観ていた少年は何とも熟成感の無いジェームズの腰の据わっていなさに当惑したものだ。   っていうか、これふざけてるでしょ?だからふざけてるんでしょ?いやいや、悪いジョークなんですよね?。三回訊ねても、いいえこれは本気です。という勢いで、大まじめなショーンコネリー型の007である。   明らかに名前だけが一人歩きしており、中身にびっくりする人も多いことと思う。だけど、これがいつものボンドの原型になる方向を決めたという意味で全く間違っていない。安心して007を堪能して欲しい。
[ビデオ(字幕)] 6点(2013-07-27 21:39:45)
58.  女王陛下の007
 ワタシが敬愛して止まないジェームズ・ボンドは、どうしようも無くジェームズであり、ボンドである。猫手のように腰の全く入ってないフォームで殴った相手は一発で伸びてしまい、二時間で四〇回は死んでもおかしくないほどに間抜けで有り、出てくる女は完全に彼のものだ。要するに、芯まで007である。  ところが、半世紀以上前。帝国は崩壊を始め、北アイルランド問題が巻き起こり女王陛下の最大の危機であった六〇年代の終わり頃出現した、ほんの一瞬だけシリアスだったジェームズは私がこよなく愛する彼らとは少しだけ、違う。   このいつもと違うジェームズを見たとき、当時まだ一般的な映画を小さなレンタルビデオ屋が所狭しと並べていた時代に、初めて棚からどの007を観ようかと思案中VHSの分厚いケースを取り出した瞬間、脳髄が痺れた。  余りに冴えないジェームズに、卒倒しそうである。まるで優秀なスパイのようなイギリス人然としすぎる容姿と、副題が無い007。これは外伝か関連商品か何かなのか?戸惑う私であるが、冗談のようにストッピングパワーのなさげな拳銃を他のボンド同様に構えている。  いったん棚に戻してジブリコーナーをさんざん眺めた後、あれは冗談だろうと言う決着を頭の中で合議して、007シリーズ、と書かれた札の前に戻った。相変わらずコレイクラデスカ?と覚え立ての現地語で土産物の値段を訊ねているかのような腰の入っていないホールディングのボンドに混じって、大まじめなヤツが一人だけいる。   なるほど、そうか。そういうことか。これはジェームズボンドという、役職で、その時代その時代で違ったテクノロジーの、あるいは背格好で任務にふさわしいボンドという部品が、各々の人物に訓練されインプットされるんだな。うん、そうだ。タイプロジャーはアホで、タイプコネリーは大根、タイプブロスナンはシーシェパードなど色々な被験体がいるに違いない。恐るべしMI6、そしてエリザベス女王陛下、大変恐ろしい国王である。   そうやって納得した上で借りた女王陛下の007はその実、傑作であり類い希なスパイアクションであったのだけれども、このボンドは好きになれなかった。余りにマナーが良すぎたのである。大根属性のコネリー型では絶対に出来ないレイゼンビー型の任務には、007を愛して止まない私たちにはどうしようも無い敗北感がつきまとう。 
[ビデオ(字幕)] 8点(2013-07-27 21:07:14)
59.  重力ピエロ 《ネタバレ》 
そこそこかあ……。残念だ。 コインロッカーが原作物としては信じがたいおもしろさだったので異常に期待してしまったのもいけなかった。話としては面白いんだけど、あの軽い記述方法でないと雰囲気がとてもじゃないけどバランスしないようだ。  これに原作があるって言うことを知らずに、社会派映画とか勘違いしてたなら結構面白く観てしまったのだろうけど、やっぱり読んでしまった話を映画でもう一度観てしまうとやはりよほどの好条件でないととんでもなく面白くなるってことは無いんだな。残念。   文字で疎通する兄弟と何人か。これを演技と声と画と画角で表現、出来るわけないものを字面を追って同じ事をしようとしても失敗するような気がする、 原作小説にきちんと読み取れる形で存在していた微妙に狂ってる兄弟と、対象者。これを画で見ても分からない関係に置き換えることで、読者に想像させるっていうのが、あまりに姑息だったように思う。  小説でも映画でも読んでる観てる人間に任せる部分が多少なりともある。それをやたら結末でやろうとすると、そのように議論を前提とした文書的な資料が作中でフォローされているかそうでないかで、決定的に落ちない、もう自力じゃ落ちない.ってことになる。じゃあ面倒くさいから読者にお任せ。で、という消極的なやりかたになって絶対最悪の読後感がまっている。  映画の場合、文字でしっかりその振りとなる資料を混ぜ込めない以上、読者の倫理や正義感、法の力などという文書で抑えておくべきな部分をセリフや状況で読み取らせようとする。 結果として、この映画のように、精神的に近い側の人間にしか共感されないと言う事がおこる。 共感できない人間が、理解できない行為をしてしまったことに気付いてしまった。どのように葛藤したら良いだろうかと言う方法まで楽しめる部分が、ない。 似たような因子がある人が「弟わかるわあ」で終わってしまってはまるで意図しない方にいってしまっている。
[DVD(邦画)] 6点(2013-07-20 05:55:19)
60.  シティヒート(1984) 《ネタバレ》 
エコーを吸い込みながら、眩しくもないのに目を細めて庭を眺めるその男は、旨そうに煙を飲み込んでふと呼吸をとどめた。そして満足気に吐き出しながらこう言う。 「んー。あの時代は良かったよね」と。 面倒臭い会話を引き出しちまったと後悔を隠しきれずに返事をするのは彼の孫だ。そうだよねー、とかフーンなどと相槌を打とうものなら一方的な昔話が始まる。次の一手を迷って攻めあぐねている間にも、禁酒法時代は酷かった、などと知りもしない回顧に当惑が重なる。  イーストウッドとレイノルズと言う二人の主演級俳優の共演で、私は当惑をするのだった。またもや。 80年代という魅惑の年代の映画。ファミリーコンピュータやおニャン子クラブのあの時代だ。朝の連続テレビ小説で語られるあの時代である。 84年と言うその時点ですでに古き良き時代であり、その上謎の郷愁漂う年代のアメリカに、あろう事かとんでもない事を口走っていた自分に慄然とし、震える。 「あー良い時代だったよねー」 自分の口からである。自分の中に流れる良い加減な血液を疑うがどうも、やはり、どうしようもなく祖父と同じものが流れているようだった。 「この時代のイーストウッドは脂がのっていた」 と、さらに滑らかな良い加減な、見ていない事実をつるつると吐き出すに至って確信する。  子供が育つ環境は大事である。孫の代まで虚言癖は遺伝するのだ。 
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-06-28 19:21:00)
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