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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2389
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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41.  ロボコップ2 《ネタバレ》 
久しぶりに観直してみましたが、以前の悪印象はなんだったのかなと思うほど水準をクリアした続編だなと感じました。もっともこれは、当時続けて観た『3』があまりに酷かったので記憶が引きずられたのかもしれません(笑)。第一作の主要スタッフが抜けてしまったので脚本を書いたのが原作者のフランク・ミラー、この人はヴァーホーベンに負けず劣らずの悪趣味大魔王なのでなんかすごい映画になってしまった感もあります。第一作のグロ要素は傷を負ったりする場面の人体破壊がメインでしたが、本作ではケインのロボコップ化手術の見せ方など、なんか「この見せ方って必要?」と首を傾げたくなるシーンが多かった気がします。パロディCMの挿入などヴァーホーベンを意識した脚本にしたからかもしれませんが、これはいま話題の90年代鬼畜系カルチャーの反映だったのかな。 舞台となるデトロイトがオムニ社と合併を迫られる惨状は、製作後に現実のものとなり20年後には財政破綻に追い込まれる未来を予言している感があります。つまり、荒唐無稽なようでいてシャレにならないストーリーなわけです。ダン・オハーリヒーをはじめオムニ社の面々の悪逆非道ぶりがスケールアップしているのも注目したいところです。前作のラストでは瀕死の重傷だったナンシー・アレンが、すました顔して活躍するのには苦笑でした。ヴァーホーベンが引き続き監督していれば、たぶんナンシー・アレンもロボコップ化したストーリーになってたんじゃないかな。そしてピーター・ウェラーはロボコップの顔面(それも数少ないマスクを外したカット)だけの出演となり、これじゃあ嫌気がさして第三作に出演しなかったのは理解できますよ。 ハリウッド時代のヴァーホーベンの代表作のうち『トータル・リコール』以外の三作(『ロボコップ』『氷の微笑』『スターシップ・トゥルーパーズ』)は続編が製作されるかシリーズ化されましたが、いずれにも彼は参加していない(というかお呼びがかからなかった?)のは興味深いところです。そこはジェームズ・キャメロンやリドリー・スコットとは大違い、彼らと違ってヴァーホーベンが商売下手だったのは否定できないでしょう。その分、これらの代表作は一作一作がパワーに満ちているので、私は好きです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-12 21:43:13)
42.  マルコヴィッチの穴 《ネタバレ》 
自分が今まで観た中で、あまりの奇天烈なストーリーにぶっ飛ばされた三本の映画の一つです。脚本を書いたチャーリー・カウフマンはこの後もヘンなテイストのホンを書き続けてオスカー受賞まで果たしちゃうけど、やはり本作を凌駕するようなストーリーは産み出していないのも事実。 まずフューチャーされたのがジョン・マルコヴィッチというのが絶妙すぎます。ここはトム・クルーズやブラピはムリにしても、ヘンテコな映画に喜んで出演しそうということで『ニコラス・ケイジの穴』とか『ゲイリー・オールドマンの穴』なんてのは十分アリだと思いますが、その変なキャラと大物ぶりからしてマルコヴィッチを選択したのは絶妙すぎます。というよりも、よくマルコヴィッチもOK出しましたよね、やっぱ本人も相当変わった人なんでしょうか。マルコヴィッチが自らマルコヴィッチの穴に入って見てしまうあの「俺が悪かった、もう止めて~」と思わず叫びたくなる「もし全人類が男も女もマルコヴィッチの顔だったら」ワールドは、もう悪夢のような映像としか言いようがなかったです。だいたい、マルコヴィッチの頭の中に入り込んだ時点で普通は出落ちみたいなもんですが、それだけで留まらない奥行きがあるストーリーなのがこの映画の特徴でもあります。ジョン・キューザックが完全にマルコヴィッチの肉体を乗っ取って人形使いとしての名声を得るという展開は、世間はパフォーマンスの良し悪しなんて演者の知名度頼りで判断しているだけじゃん、という辛辣な皮肉にもなっています。キャメロン・ディアスが実は隠れレズで、マルコヴィッチに入り込んでキャスリーン・キーナーと疑似SEXをするというのは、LGBT全盛の現代を20年先取りしていた感じがするぐらいです。もっともキーナーが「マルコヴィッチの肉体に15分だけ入り込める穴がある」というキューザックの荒唐無稽としか言いようがない話しを、ほとんど疑問を持たずに信じてすぐビジネスにつなげる展開だけは、ちょっと雑な感があります。そう言えば、彼女だけは一度も穴に入ってゆかなかったですね。そのキーナーがマルコヴィッチの肉体を使って身籠るという展開は、それは心情的にはディアスの子なのかキューザックのタネなのかというややこしい展開でになりますが、しょうじきここまで来るとどうでも良くなります。キューザックは最後には産まれてきたエミリーの中に封じ込められてしまったみたいですが、実はこの映画のテーマは輪廻転生だったのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-07-24 22:53:09)
43.  レオン(1994) 《ネタバレ》 
リュック・ベッソン&ジャン・レノの黄金コンビが映画史に残した最高傑作です。たぶんベッソンはこの先何本映画を撮っても本作を超えることはできないんじゃないかな、まさに映画の神が降臨してきたって感じです。ベッソンはともかくとして本作でハリウッド・デビューを果たしたレノも、その後はここ三十年で最もハリウッド映画に出演した仏男優として活躍していますが、やはりジャン・レノ=レオンのイメージが変わらないのはいかがなものでしょうか。 世間には“ロリコン映画”としても有名ですけど、それはやはりその要素を意図的に強調した“完全版”の印象があるからで、このオリジナル=劇場版では“そこはかとないロリコン要素”という薄め具合が程よくて、まさに公開時の宣伝コピーである“凶暴な純愛”がピッタリはまっています。ナタリー・ポートマンはこの時十三歳ですが、見た目はさらに二・三歳下に見えるルックスが彼女の絶妙な演技を引き立ています。ちょっと知能発達に欠陥があるレオン、このおっさんとませたローティーンの組み合わせは考えてみれば危ない要素が満載ですが、そこをギリのラインで純愛ものに昇華させ得たのがこの劇場版だと言えるでしょう。でもポリコレがたいへん五月蠅くなった現代では、もはや製作が許されない物語なのかもしれません。そして、やはり本作で世間に知られるようになった“キレ芸ならこの人”ゲイリー・オールドマンの怪演も忘れてはいかんでしょう。まさかこの人がウィンストン・チャーチルに化けてオスカー受賞するとは、俳優の人生って判らないもんですね。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-07-09 23:12:21)
44.  go(1999) 《ネタバレ》 
今までに山ほど撮られてきた『パルプ・フィクション』の亜流映画と言ってしまえば身も蓋もないけれど、若き日のダグ・リーマンが監督しただけあって才気の片鱗は見えました。そういや、主演のサラ・ポーリーはなんかユマ・サーマンに似てるなと感じたのは私だけかな? 出てくるキャラはみな半分アウトレイジの世界に足を突っ込んでいるような感情移入できそうもない若造たちですが、L.Aまでやって来るベガスの本物のアウトレイジ親子も含めて終わってみればみんな憎めないんですよ。なかでもいちばんの大バカ者はサイモンですが、こいつのバカっぷりはほとんどビョーキの域に達してました(笑)。というわけで、三つのエピソードの中ではこの“サイモン”のパートがいちばんぶっ飛んでますが、それぞれのエピソードはオチが弱いというのは残念なところです。それでも、夫婦でネットワーク・ビジネスに励むウィリアム・フィクトナー刑事には笑わされました。銃が撃たれてあんだけムチャクチャやっても、終わってみれば誰も死んでないというのが、ある意味最大のオチかもね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-19 23:35:45)
45.  グリーンマイル 《ネタバレ》 
あまりにも有名なのに未見だったことに気が付き、今更ながら初鑑賞でした。家族とこの映画を観て号泣したという知人(おっさんです)がいたことが思い出されますが、最近涙腺がすっかり弱ってきた自覚があるけど結果的にはちょっとウルっとした程度でした。でも自分の見聞の限りでは、『ニュー・シネマ・パラダイス』に次ぐぐらい本作は感泣評価が高いような気がします。 結論としては、やはりスティーブン・キングとフランク・ダラボンのタッグには外れがなしってことですね。ダラボンって人は四本しかない監督作のうち三本がキング原作なんだから、考えてみると凄いです。そしてそのうち二本が、数あるジャンルのキング小説でも刑務所ものがチョイスされているところがさすがです。本作は『ショーシャンクの空に』よりもファンタジーよりですが、キングのホラー映画となるとイマイチ乗り切れない自分とすると、キングの刑務所が舞台の作品には他の同ジャンルの映画とは一味違うものがある気がするんです。本作では、トム・ハンクスをチーフとする四人の看守のチームワークになんか心を揺さぶられるんです。とくに大男のデヴィッド・モースが強く印象に残りました。 ストーリーは観進めるうちに「ジョン・コーフィーとは何者なんだ、これはひょっとして…」という疑問がどんどん膨らんできましたが、ラストに現在の老人ホームに戻ってきたところで納得しました。コーフィーはイエス・キリストで、トム・ハンクスはキリストが身代わりになって処刑されたので悲惨な体験をしてもなかなか死ねないバラバだったんですよ。108歳になって歳相応の老人の肉体だけど全然死ぬ気配はなく、愛する人や身近な人が先にあの世に逝ってしまうのを観続けなければならないというのも、想像するだけでも辛そうです。そう考えると、本作はキング作品としては珍しく宗教色が強い映画だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-31 23:00:48)
46.  ザ・ペーパー
NYのローカル新聞社での24時間の出来事を追ったシットコム的な群像劇なんですけど、これだけ登場人物が多いのに手際よく撮れたのはさすがロン・ハワード、監督の手腕は群像劇を撮らせたら良く判るというテーゼの良い見本です。マイケル・キートン、グレン・クローズ、ロバート・デュバルといった芸達者たちのバチバチの演技合戦じゃなくて、この三人のキャラが巧妙にハーモニーを奏でるように意図した演出に監督のセンスを感じます。ストーリーも一応社会派ミステリーの要素がありますが、コメディとのバランスがとれていて心地良いです。けっこう見落とされがちですけど、大女優グレン・クローズはコメディエンヌとしての才能も超一級品なんです。マイケル・キートンと張り合っても一歩も引けを取ってませんよ。カメオ的な出演でしたが、ジェイソン・ロバーズも渋い笑いを呼ぶ演技が面白かったです、なんか『大統領の陰謀』をパロっているような感じもしますがね。 最近はすっかり職人巨匠となってしまったロン・ハワード、またこういうコメディを撮ってほしいところです。
[ビデオ(字幕)] 7点(2020-12-21 20:31:54)(良:1票)
47.  DEAD OR ALIVE 犯罪者 《ネタバレ》 
三池崇史が撮ったこのトンデモない映画のことはずいぶん前から噂に聞いていましたけど、置いているレンタル屋はなかなかないし、扱ってる店ではいつもレンタル中なうえに気が付けばレンタルビデオ店じたいが身近から消滅してしまいました。今回ようやくCS放送で巡り合うことができて感無量です。 そりゃぶっ飛んでるラストはもはや伝説ですが、開幕からの八分間の映像とサウンドのカッコよさと無茶苦茶ぶりにも痺れます。それにしてもあの“わんこ中華そば”はいったい何ですか、腹に開いた穴から麺を盛大にまき散らせて死ぬなんて、こんな発想が出てくるとは三池崇史は天才か!ハイテンションで始まってもだんだん息切れしてしまうアクション映画がゴロゴロしているのに、テンションを落とさずしかもラストで文字通り大爆発する映画なんて滅多にお目にかかれるもんじゃありません。演出もメリハリが効いていて、無頼漢ながらも家族思いの刑事・哀川翔が良い味出していました。それだけに杉田かおる母娘が誤爆されるシーンはほんと胸が痛みます。竹内力もラストで悟空化してカメハメ波を放出するところでは、あのトレードマークの眼力が消えて意外と可愛い顔になっちゃうのがキュートです。 製作から20年経ったけど、やっぱ三池崇史は本作を超える映画を撮るのはムリみたいですね。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-12-18 20:25:19)
48.  ペンタグラム/悪魔の烙印 《ネタバレ》 
もちろん内容は違うけど、たしかに『ペンデュラム/悪魔のふりこ』と邦題が被り過ぎていて区別がつきません(笑)。でも製作年は本作の方が一年早いから、パクられた被害者ってことになりますかな、まあ日本だけの話しですけどね。 お話しとしてはオカルト+刑事アクションということになりますが、この2ジャンルは喰い合わせは良くない感じがしてなりません。まして本作の様に魂だけの存在で他人に憑依する芸風では、乗っ取られた肉体だけが殺されて魂は無傷、これではカタルシスを出しようがないですね。似たようなストーリーラインですけど、『ヒドゥン』の方がはるかにスカッとした映画ですよ。撮り方もけっこう雑なところがあり、前半で腹を刺されたルー・ダイアモンド・フィリップスが回復したのは良しとしても、上半身裸体のカットで腹部に何の傷痕もないとか、あの尼僧がけっきょくどうなったのかスルーで中途半端などなど。とはいえジェフ・コバーの不気味さはなかなかのものだし、トレイシー・グリフィスは姉メラニーよりも魅力的な感じがするし、深く考えないで観れば愉しめるんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-04 22:01:22)
49.  ヴァンパイア/最期の聖戦 《ネタバレ》 
ジャーン、出ましたB級映画マエストロ・カーペンター親父の快作です。この映画のヴァンパイアは魔鬼と呼ばれる大物ヴァンパイアの手下みたいな存在で、ヴァンパイアも血を吸うというよりも肉を喰い破って血をすするという感じで、カーペンター流ヴァンパイアは豪快です。特に親玉魔鬼は長い爪が凶器で、その爪で人体縦斬りを披露するは一撃で首チョンパするはで、この映画は『ゴースト・オブ・マーズ』を凌駕する首チョンパ祭りでした。日光を浴びると消滅するというのはヴァンパイア映画のお約束ですが、まるでねずみ花火の着火直後みたいな勢いで炎を噴き上げるヴァンパイアの死にざまがまた豪快です。また吸血=性行為というフロイト的解釈もきっちり取り入れています。基調は西部劇ですが、ヴァンパイアというか悪魔崇拝とカトリック信仰を結びつけちゃうところなんか、いかにもカーペンターっていう感じでした。まあ、マクシミリアン・シェルの枢機卿が出てくれば、オチはたいがい判ってしまいますがね。 それにしても、ボールドウィン・ブラザーズってみんなあんな体型なんでしょうかね?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-10-16 22:42:49)
50.  セブン 《ネタバレ》 
後味が悪い映画として『ファニーゲーム』や『ミスト』が良くリストアップされますが、私にとってはこの二作なんかは可愛いもんで、『羊たちの沈黙』なんて単なるピカレスクヒーローもの、躊躇なく『セブン』が史上最凶のバッド・エンド・ムーヴィーだと叫びます。よくもまあこんなお話しを思いついたものだと、憎さを通り越して脚本家に畏敬の念さえ抱いてしまいます。 今回観直してみて実感させられたのは、ジョン・ドゥのキャラや凝った殺人の手口なんかは、間違いなく『ソウ』シリーズの製作に強い影響を与えているんじゃないかと言うことです。比べればジョン・ドゥの方が聖書の七つの大罪にこだわる狂信者と単純にとらえる事が出来るだけにジグソウほどの人間的な複雑さは感じられませんが、ドゥの個人的な背景がほとんどスルーされるのでかえって不気味さが増すことになります。ドゥが殺人を重ねる月曜日から金曜日まではずっと雨天、そして舞台もごみごみした下町がほとんどで、てっきり舞台は中西部か東部の都市かと思っていたらロケはLAなんですね。アメリカ人なら風景から判ったかもしれませんが、あえてでしょうけど劇中ではその都市名がいっさい語られないのですから、こういうところにもこの映画に神話的な色合いが付加されています。 ブラピ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・スペイシー、この三人が一人もオスカー演技賞にノミネートされなかったというのは、ちょっと驚くべきことです。巷で噂されているアカデミー協会のデヴィッド・フィンチャー嫌いは、この頃から始まっていたのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-08-28 21:52:47)(良:1票)
51.  ガメラ 大怪獣空中決戦 《ネタバレ》 
正直言って公開当時はまさかガメラがリメイクされるとは想像すらしていませんでした、それも日本怪獣映画の新境地を開くようなアプローチで製作されるとはね。 いきなり東宝のマークが映り続いて懐かしの大映のマークが出てきて、時代の移り変わりをひしひしと感じさせてくれたオープニングです。冒頭のシークエンスでは巡視艇のじまの船長に本郷功次郎、海竜丸の船長には久保明とオールドファンには感涙もののキャスティングです。そもそもガメラは日本怪獣映画史上もっとも理屈に合わない生物で昭和のシリーズではそこには全く拘りがなかったのに、超古代文明が遺伝子操作で作成した人工生物という斬新かつ妙に納得がゆく設定です。対するギャオスも超古代文明がガメラに先駆けて開発した生命体で、進化を経ないで誕生した完璧な遺伝子を持つ雌雄同体の化け物という痺れるプロフィール。オリジナル通り人間食なんですがギャオスのデザインがオリジナルより生々しくて、そのお食事作法は東宝特撮のガイラを彷彿させます。そういえばギャオスが中央線の快速電車をかっぱらって中の乗客を食べるシーンは、『サンダ対ガイラ』の羽田空港での食人シーンとカット割りが同じでしたね。 「神は細部に宿る」と言われますが、この映画の怪獣が出現することによっておこる社会的混乱を織り込んだストーリーテリングはそれまでの特撮映画になかった画期的な脚本で、この視点こそが『シン・ゴジラ』で昇華したと言えるでしょう。株式市場や為替相場が怪獣のために暴落するなんて描写は、それまでいろいろ怪獣映画を観てきたけど初めての遭遇した気がします。ガメラとギャオスが暴れるシーンでは徹底的にローアングルに拘り、それまでの怪獣映画で使われていたいわゆる“神の視点”のカメラアングルは基本的には排除されています。画造りにも拘っていて、ギャオスが崩壊した東京タワーに沈む夕陽をバックに巣作りをしているところは、まるで実写のようで怪獣映画史に残る名カットじゃないでしょうか。都市破壊シーンも精巧なミニチュアを作成して着ぐるみが破壊するというCG登場以前のテクニックの集大成が披露されていますが、公開されたのが阪神淡路大震災の直後でリアルな都市破壊を散々TVで見せられた後だけに、自分には観ていてなんか辛いものがありました。とくにガメラが東京に出現するシークエンスでは、なぜかガメラが東京まで地下を掘り進んで来て、地上はまるで地震の様に揺れるところがますます大震災が思い出されてゾッとさせられました。 ガメラにつきまとっていた「子供の味方」という臭いイメージを払拭させる意図もあってのリアル指向だったかもしれませんけど、尺も程よい長さになって見応えがある一編だったと思います。でもやはり文句が言いたいのはあのセガールの娘の大根演技だけはねぇ…彼女は最近日本じゃ見かけませんが、いまどうしてるのかな。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-07-18 22:17:56)
52.  女優霊(1996)
なるほどこれが中田秀夫の監督デビュー作なんですね。尺も短く低予算を逆手にとってほぼ撮影所内限定という舞台設定も良いアイデアです。主人公も初めて劇映画を撮る新人監督というわが身を置き換えたようなキャラ設定ですが、そこに柳“ユーレイ”を起用するというダジャレというか出落ち感があって面白い。撮影現場も古き時代の職人気質の現場という感じが良く出ているし、大杉漣を始めとするスタッフたちの自然な演技がまたリアル、ホラー的な要素を別にしてもこういう基本的な演出がキチっとできたというところにも、中田秀夫は並みのルーキーじゃなかったことが判ります。ホラー度は、まあ『リング』以前としてはかなりのレベルなんじゃないでしょうか。主演した女優が事故死したことでお蔵入りになって放映されなかったドラマ、その一般人が観てないはずの映像を主人公が記憶しているという不条理、やはりホラーの神髄は不条理にあるのですよ。 余談:脚本の高橋洋によると、この主人公が小3のときに観てあまりの怖さにTVが嫌いになった番組の元ネタは、あの有名な『シェラ・デ・コブレの幽霊』なんだそうです。かつて日曜洋画劇場で一度だけ放映された幻のホラー、私も放映された予告編を観ただけ震え上がってしまい、もちろん本編放送は観れませんでした。公開時に街頭に貼られた『恐怖の足跡』のポスターを見たことと『シェラ・デ・コブレの幽霊(の予告編)』は、私の生涯の二大トラウマ・ホラーです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-04-30 00:06:53)
53.  教祖誕生 《ネタバレ》 
監督は北野組の助監督だった人だから、絵面というかストーリーテリングはほぼ北野武映画風味で、たけしが監督していると言っても通るぐらいです。原作小説も書いているたけしは脇に回っていますが、これがまた飄々としたいい演技なんだな。萩原聖人に接するときの肩の力が抜けた温和な男と、玉置浩二とやりあってボコボコにしちゃうヤクザ風味がアンビバレントであるけど頗るリアルです。でもあのたけしお得意のヤクザ・キックって、畳の上で靴を履かないでやったら足の指が折れちゃうんじゃないかな(笑)。このストーリーの今から考えると凄いところは、製作されたのがオウム真理教事件の起こる前、やたらマスコミが宗教団体をアンタッチャブル視というかビビっていた時代だったということでしょう。宗教ビジネスの基本というか本質を判りやすい視点で説くたけしの視点はさすがです。この映画を観て考えさせられたのは、神がいるかいないかは別にして(たぶんいないでしょう)、神と教祖だけでは単なる危ない奴の妄想でしかなく、信者がいてその人たちが団体を形成した時点ではじめて宗教が成立するんだなということです。その団体の運営者が有能であればその宗教は広まるわけで、教祖の手腕は関係ないというわけです。キリスト教がまさにこのパターンの宗教で、この映画の宗教団体に当てはめると萩原聖人はイエスでたけしはパウロという感じですかね。イスラム教は教祖が有能で、自分で教団まで作っちゃったというパターンですね。 映画は五年後たけしがクビにした初代教祖とふたりでまたインチキ宗教を始めているというのがオチですが、萩原聖人が教祖になった方の教団の五年後も見てみたい、岸部一徳が牛耳っているのか覚醒した萩原聖人がヤバい存在になっているのか、どっちなんでしょうかね。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-03-31 22:16:33)
54.  トレマーズ 《ネタバレ》 
映画は所詮ビジネスで関係者たちがそれで生計をたてていて、必ずしも歴史に残る傑作や大ヒット作を狙っているわけじゃないことは当然ですけど、本作ぐらい製作者が予想だにしない成功を収めた映画はそうあるもんじゃないですよ。見る価値があるかどうかは別にしても、なんせシリーズになって四本も続編が撮られたんですから。基本コンセプトは、ずばり“陸上版ジョーズ”です。そしてもう一つは、“荒野のロケだけで済ませて低予算で仕上げる”となるでしょう。CGや合成を使わず、全登場人物はたった17人ですからねえ。そしてその17人のうち半数ぐらいはグラボイドに喰われてしまうのに、ぜんぜん暗さを感じさせない明るいトーンで押し切っちゃう強引なストーリーテリング。ケヴィン・ベーコンとフレッド・ウォードのバディ感もいい味出しています。ヒロインの女子大生のジーンズを意味もなくなく脱がせてパンティ姿にするというサービスを忘れていないのもさすが、だいいちあの状況では絡まっている鉄条をふつう切るでしょう、ベーコンは斧持っているんだから(笑)。 気になったのはグラボイドの最期で、あれはひょっとして『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のパクりなのかと思いますが、偉大なるスピルバーグからインスパイアを与えられたと好意的に解釈したいと思います(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-03-15 20:54:36)(良:1票)
55.  乱気流/タービュランス 《ネタバレ》 
10年ぶりぐらいで観直し鑑賞しましたが、この映画のヒロイン・スッチーはハル・ベリーだったと思い違いしていたことに気が付きました。ローレン・ホリーもショートカットですけど、ハル・ベリーがスッチーだったのは『エグゼクティブ・デシジョン』でしたね、でも彼女のヘア・スタイルは製作スタッフは確信犯だったと思いますよ(笑)。飛行中の旅客機がトラブルに見舞われてスチュワーデスが操縦するする羽目になるという展開は『エアポート75』のカレン・ブラックが始祖だと思いますが、90年代後半になって突然このプロットが復活したような印象があります。私の中では本作と『エグゼクティブ・デシジョン』『パニック・フライト』が三大スッチー操縦映画という位置づけでございます。この三作の悪役の中で文句なしに最悪なのはレイ・リオッタであることには、皆さまご異議はございませんでしょう。もう彼はこの時期から怪優というカテゴリーに分類される資格は十分で、現在に至るまでまともなキャラを演じたことがないんじゃないかという美味しい(?)ポジションをハリウッドでキープしているわけです。対してこの三本の中で最悪(あくまでキャラとしてね)スッチーは、やはりローレン・ホリーということになりましょう。もうこの女の客席乗務員としてのバカっぷりは、観ていてほんとイライラさせられっぱなしでした。まあリオッタがあれほど嫌悪感を催させるキャラでしたから、これぐらいおバカでお人よしの方が雰囲気が和むのかもしれませんけどね。 ストーリー自体はツッコミどころが満載、いちばんの疑問はリオッタから「他の人質はみんな殺した」と聞かされていたのに、なんで着陸したとたんに彼らを探そうとするところでしょうか、まるで生きて監禁されていることを知っていたかのようにです。ましてジャンボに残っているのが二人だけとという誤報はFBI捜査官にも伝わっているのだから、LA市街に到達する前に撃墜してますよ、アメリカなんだから。そして最大のツッコミどころは、「いくらクリスマス・イブとはいえジャンボ機で一般乗客が五人じゃ、このエアラインもう倒産ですよ!」。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-03-06 23:38:29)(良:1票)
56.  ゴッドファーザー PART Ⅲ 《ネタバレ》 
失敗作とまで酷評する人までいるのは知っていますが、私が思うにそれは偉大なゴッドファーザー・サーガの最終作という宿命を負っているためで、90年代マフィア・ギャング映画の中では『グッドフェローズ』と双璧をなす作品だと思います。■PARTⅡと同じように、PARTⅢもパラマウントとコッポラの大人の事情(つまり切実にお金が欲しいということ)によって製作が決定されています。本来はトム・ヘイゲンの死というテーマの下で脚本が書かれましたが、ロバート・デュヴァルの降板というアクシデントでまず躓きました。アル・パチーノもギャラでゴネまくっていたのを宥めすかして出演させたそうです。だけどいざ撮影となるとコッポラの情念が詰まったような映画となりました。三部作はどれもパーティーのシークエンスで始まりますが、それぞれのパーティーには込められた意味が違っているというところが、コッポラの構想力の凄みなのかもしれません。そしてキャスティングが強烈で、コッポラの妹タリア・シャイアに続いてソフィア・コッポラをついにヒロインに抜擢しました。本作ではソニーの隠し子・マイケルの甥としてヴィンセントが登場しますが、こうなればこの配役にはコッポラの甥のニコラス・ケイジを起用して欲しかったところですね。でもソフィアとヴィンセントのラブシーンもあるし、実際の従兄妹同士に演じさせるのは不味いとコッポラが判断したのかもしれません。こうなってくるとマイケルはコッポラの分身みたいな感じになりますが、すでに功成り名遂げてハリウッドではまさにゴッドファーザー的な存在であったのでけっこうリアルなのかもしれません。■そして三部作でマイケルとともにサーガを創り上げたコニーが怖いんです。本作では完全にファミリーを陰で支える姐御的な存在になり、その武闘派ぶりがマイケルを苦しめます。そんなコニーですらフレドーの死が事故だったと信じているシーンは、ちょっと衝撃でした。さすがのゴッドファーザー・マイケルも隠し通すしかないんでしょうが、これではマイケルの苦悩が深まるのは必然でしょう。■実際のヴァチカンのスキャンダルと法王の死を巧みに盛り込んだ脚本は、さすがコッポラと感嘆しました。ヴァチカン聖職者をここまで悪役として憎々しく描けるとは、同じイタリア系とは言ってもスコセッシには到底できないことでしょう。それだけ両者にはカトリックに対する思い入れが違うということです。その悪役陣の中でもイーライ・ウォラックの大狸ぶりは光っていました、あれにはマイケルと言えども騙されるのはしょうがないでしょう。■物語はマイケルが父を守ったように、ヴィンセントがマイケルを守る、いわば第一作がタイムスリップしたような展開になっています。でもマイケルは父ヴィトのようにはなれず、愛されることを切望しても憎まれてしまう人生となってしまいました。そして再びシチリアで最愛の女性を失い、やがて父と同じように屋外で大往生するのですが、それはあまりに対照的な寂しい最期です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-17 22:50:05)(良:2票)
57.  エイリアン4 《ネタバレ》 
原題のどこにも“4”という数字はないし“RESURRECTION”と銘打っているぐらいだから完全にリブートか番外編的な方が、シリーズの位置づけとしては正解なのかも。前作では煮えたぎる溶鉱炉に落ちてエイリアンともども消滅したはずのリプリーなのにクローンに必要な組織をどうやって入手するんだよと突っ込みますが、宇宙船に残っていたリプリーの血痕を使いましたとすました顔で説明されてはもう、何でもあり状態だから「はい、そうですか」としか返しようがないですね。リプリーのクローンを造ったら体内のエイリアンまで再生するというのはいくら何でも理屈に合わないと思いますけど、もう誰も気にしてないみたいです(笑)。でもそりゃ三作目よりは遥かに観れる映画に仕上がっているんだから、まあいいんじゃないですか。 監督にジャン・ピエール・ジュネを起用していますから、エイリアン造形のグロ度合いと変態性はシリーズ中屈指かもしれません。中でも妙に人類に寄った容姿のエイリアン・ベビーの気持ち悪さはさすがで、それでもリプリーを見つめる眼はグッとくるほどに悲しげで、こういうところがジュネらしいなと感じました。ロン・パールマンやドミニク・ピノンといったジュネ作品の常連も妙にストーリーにはまったキャラで良かったですね。いちばん不満なのはやはり無敵の怪物と化したリプリーで、エイリアンは母なるリプリーには決して手を出さないとなったら、映画自体のスリルが半減です。意外とこの物語に嵌っていたのはウィノナ・ライダーでして、このころの彼女は美しかったなと再認識させられました、でもなんでアンドロイドの彼女が宇宙の果てまで来てエイリアンの地球侵入を阻止しようとするのかは観てて全然理解できませんけどね。 後半の脱出シークエンスは、途中で水没地帯を通過するあたりはもろ『ポセイドン・アドベンチャー』のパクりというかオマージュ、アイデアの枯渇というかネタ切れ感はひしひしと伝わってきましたね。ベビー・エイリアンの最期も第一作でも使われているのと同じですけど、いちおうこれでループの完結というつもりなのかもしれません。 200年(?)かかってリプリーのオデッセイはついに地球にたどり着いたわけですが、核戦争後みたいな荒れ果てた地と化していて、この世界観にはなんの説明もないのでこのあたりを語るもうひとストーリーを観てみたい気もします。リプリーが高台から見下ろすのはかつてパリだった廃墟、これは『アメリ』にもあった様なカットで、いかにもジュネらしい閉め方でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-02-06 23:38:24)(良:1票)
58.  エリザベス 《ネタバレ》 
ドロドロ・コテコテの宮廷劇といえばもうイングランドのチューダー朝がピカイチ、この暗さと複雑な人間関係がたまりません。その集大成と言えるのがエリザベス一世治世ですが、この映画はその前半部分でスコットランドのメアリー・スチュアートとの関係や外交をばっさり切って、暗殺がらみの陰謀とロバート・ダドリーとの愛憎に絞ったストーリー展開となっています。 エリザベス女王はもちろんケイト・ブランシェットの当たり役にして出世作、ルックスはもちろん話し方や訛りまで変幻自在なカメレオン女優ケイトの面目躍如です。この映画はまだ若いころの出演ですが、改めて観てケイトはティルダ・スウィントンと瓜二つというかキャラ被りしてたんだなと、つくづく感じました。特にラストの白塗り顔になると区別がつきません、こんなことに喜んでいるのは私だけですね(笑)。だけどストーリーテリングは、ロバート・ダドリーとのメロドラマに軸足を置き過ぎた感じは否めませんでしたね。ここら辺を観ていると、知ってはいましたがよくもぬけぬけと“ヴァージン・クィーン”なんて言わせたものだ、さすがヘンリー八世の娘だと感心します。そこにエリザベスの秘密警察長官であるウォルシンガムが絡むわけですが、このジェフリー・ラッシュはなかなかいい味だした演技です。メアリー・オブ・ギーズの死の件やロバート・ダドリーの謀反とその処遇なんかは初耳でどう考えてもフィクションですが、まあエンタティメントですから五月蠅いことは言いますまい。だけどあまりに重苦しいストーリーテリングで、ちょっとは息が抜けるところがあっても良かったんじゃないかな。そういやヴァンサン・カッセルのアンジュ―公が女装趣味の持ち主だったとエリザベスにばれるシークエンスがありましたね、この映画で唯一笑えるシーンでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-01-23 23:51:01)
59.  エイリアン3 《ネタバレ》 
リドリー・スコットもジェームズ・キャメロンも関わらない企画段階の迷走を知ればしるほど、出来上がりがこれじゃあほんと誰得だったんでしょう。歴代脚本案のキャッチ―なところを繋げて薄くしたようなストーリー、これなら最初のウィリアム・ギブソン稿をそのまま映像化した方が良かったんじゃない?いまや鬼才と崇められるデヴィッド・フィンチャーとはいえ当然若造だったわけで、プロデューサーの権力が絶対のハリウッドで彼の才覚が本作の構成に影響を与えた可能性はなく、所詮雇われ監督だったというわけです。 ストーリーの半分もいかないところで刑務所長と監獄医がエイリアンの餌食となってしまい、あとに残されたのはむさ苦しい坊主頭の無個性な有象無象とリプリーだけ、せめてエイリアンに暴れさせてやればと思うけど一頭しかでてこないしあまり見せ場もない。それにショックだったのはリプリーがSEXしちゃうところで、別にこの映画のシガ二―・ウィーヴァ―にはそういう魅力は感じないけど、なんかアイドルのスキャンダルを見せられたようで微妙な感じです。まあこういうところが唯一デヴィッド・フィンチャーらしいと言えるかも。 宗教色が加味されあのラストですからこれでエイリアン・シリーズは終わったと当時は思っていましたが、まさかリプリーを復活させて『4』が製作されるとは夢にも思っていませんでしたよ。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-01-16 23:41:33)
60.  虚栄のかがり火 《ネタバレ》 
ブライアン・デ・パルマのフィルモグラフィ中で、最大の興行失敗と批評家からの酷評を浴びたのが本作。トム・ウルフの原作は80年代アメリカ文学の代表作と言われているぐらいですから、普通に映画化すれば興行収入はともかくとしてもそれなりの映画に仕上がると思いますけど、観たらこれはボロクソに貶されるのは何となく納得いたしました。 そもそもこの映画は悪名高きプロデューサー・コンビであるグーバー&ピーターズの企画であり、責任の大半は彼らにあったと考えるべきでしょう(製作途中でコロンビアに引き抜かれてデ・パルマがプロデュースを引き継ぐが、事態は余計に悪化するはめに)。このコンビが製作した本作と『ハドソン・ホーク』『ラスト・アクション・ヒーロー』は90年代を代表する底抜け超大作の三羽がらすと呼ばれていますが、そのうち二本にブルース・ウィリスが顔を出しているのはさすがですね(笑)。 原作の登場キャラはみな人間のクズみたいな連中だったのに、トム・ハンクスとブルース・ウィリスが中途半端に善人的な側面を見せてしまうのが大失敗なのは一目瞭然でしょう。これはワーナー側からの要求に従って書き換えられた脚本のせいです。驚くべきはラストの展開で、最初はハンクスとウィリスが法廷で大暴れして滅茶苦茶にするというシュールな結末だったのを、モーガン・フリーマンの説教に替えられたそうです。公開版では冒頭のブルース・ウィリスの長回しがラストシーンに繋がるようになっていますが、拍手している観衆の中に悪玉の登場キャラまで混じったカーテンコールみたいになっているは興ざめもいいところです。ほんと、これではただのイイ話にしかならないじゃないですか。さすがにデ・パルマも納得はいかなかったと思いますけど、これが最終編集権を持っていない場合の悲哀なんでしょうね。映像や美術はデ・パルマらしさがあるので、実に残念です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-12-28 23:30:19)
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