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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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41.  ニンフォマニアック Vol.2 《ネタバレ》 
「何も感じない…。私、何も感じなくなってしまったの。信じて…、いくらセックスしても、私、もう何も感じない」――。そんな衝撃の言葉を残して静かに幕を下ろしたVol.1から続く、生まれついての“ニンフォマニア(色情狂)”ジョーの性遍歴の物語もいよいよ後半戦。愛を信じず、セックスで得られる快感だけが生きる支えだった彼女に突如として降りかかる不感症という名の災厄(笑)。Vol.2では、冒頭からそんなセックスの快感を再び取り戻そうとするジョーの苦難に満ちた紆余曲折が描かれていきます。言葉の通じないアフリカ人に抱かれたらどうだろうと安ホテルの一室に身を投じてみたものの、やって来た2人の黒人は訳が分からない議論に明け暮れてことに及ばず(黒人男性2人の勃起したペニスに挟まれて佇むジョーの姿はなかなかシュール!笑)、最終的に辿り着いたのはアパートの一室にある秘密SMクラブでした。ちなみにこの間、ジョーは自分の処女を奪った男性と再会して一緒になってちゃっかり男の子を出産してます。でも、そんな最愛の息子が居るにも関わらず、ジョーは超ドSな男に鞭で調教されゆくうちに久し振りに性的快感を取り戻しいつの間にか濡れていた自分を発見するのでした。子供の世話なんかそっちのけでSMクラブ通いを止められなくなるジョー。ここらあたりから、それまでジョーを演じていた若い女優から一転、くたびれた身体のシャルロット・ゲンズブールというおばさん女優へとバトンタッチされるので、もはや目の保養すらなくなってただひたすらイタい展開となっていきます。このセックス大好きおばさんジョーという本作の主人公ほど反発も共感も感じさせない、見事なまでの性的ピエロを僕は初めて見たような気がします。もう完全に喋るダッチ・ワイフ(笑)。ところが、彼女の長い話をずっと聞き続けていた〝男〟が実はこれまで性経験が一切ない汚れなき童貞であることが判明します。そんな奔放な彼女と対極をなす〝汚れなき男〟が、最後に語りだす男と女のセクシュアリティの違い、そしてその違いから端を発する性差別の歴史…。最後に暗闇から聞こえてくる銃声は、結局この社会を形作る倫理観の壁は男どもにとって都合の良いように築き上げられたもので、そんな道徳的な顔をしながら裏側では「女は男の性欲を満足させるための穴でしかない(でも、子供を産み育ててくれる)」と無意識のうちに思い込んでいる男どもへの、女性たちの復讐なのでしょう。トリアー監督って、女性の心からの味方でありながら、それでも自らにもある女性たちへの醜いまでの性欲を自覚している、絶対に友達にはなりたくないタイプの超面倒臭いペシミストなんだろうね。でも、そんな彼が僕は大好きです。
[DVD(字幕)] 9点(2015-08-10 01:47:27)
42.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
素晴らしい。この竹取物語という日本人なら誰もが知っている日本最古の物語を現代に甦らせた本作は、アニメのみならずここ10年の間に製作された全ての映画の中でも歴史に残る傑作と言ってもいいくらいの素晴らしい出来栄えだった。高畑勲という日本を代表する映画作家は、この平安期の日本に古色蒼然と埋もれていたかぐや姫という女の子をその見事なまでの芸術的才能によって、千年の時を経た現代の日本に活き活きと生き返らせたのだ。水彩画を思わせる淡いタッチの絵の中で瑞々しく躍動する、このかぐや姫ほど魅力に満ちた主人公を僕は他に知らない。光り輝く竹の中から生まれた小さな女の子であった彼女が心優しき老夫婦の元ですくすくと成長していくさまを自然に見せていく冒頭部分から僕は心を鷲掴みにされた。最初は心優しき翁だった父が都に出てくると、次第にその出世欲と見栄を増大させ、単なる俗物へと変化していくのは、このかぐや姫という物語の本質を象徴している。生きることは、その純粋さを少しずつ穢していくこと――。常日頃からそう思っている僕にはとても共感できるテーマだった。光り輝く魅力に満ちたそんなかぐや姫も都に出たことによって、社会の序列化の波に組み込まれていく。やがて、彼女は男どもの横柄な支配欲――その裏には必ず醜い性欲が潜んでいる――によって、その美しさと純粋さを完全に奪われそうになるのだ。ただ綺麗なだけの着物を脱ぎ捨て、楽しかった生まれ故郷の里山に帰ろうとするかぐや姫(絵のタッチを意図的に荒くして描かれるこのシーンは息を呑むほどに美しかった)だが、男社会の論理はそれを許さない。何とかしてそんな男どもの支配欲に抗おうとするかぐや姫だったが、とうとう帝に見初められることによって追い詰められてしまう。そして、彼女を後ろから抱き締めようとする帝の醜い支配欲…。かぐや姫はその純潔を守るために自らの意志で迎えを呼び、そして“穢れなき”月の世界へと帰ってゆく。だが、そんな俗世にまみれたこの世界でも初恋の思い出や鳥や虫たちの健気に生きる姿、そして父母の情愛という彩りに満ちた素晴らしいものがあると悟り、かぐや姫は涙を流す。不覚にも、僕はこのラストシーンを見ながら涙が止まらなかった。映画でこんなにも泣かされたのは久し振りのことだった。理不尽で醜い現実に満ち充ちたこの世界で、少しずつ穢れていきながら日々の生活を送る僕たち人間の悲哀を象徴的に描いたこのラストシーンは白眉としか言いようがない。そうなのだ。だからこそ、僕たちは物語というものに純粋さ・美しさ・あるいはユートピアを求めていくのだ。それは竹取物語が誕生した千年前も現代を生きる我々でもなんら変わることはない。そんな普遍的なテーマを追求した本作は、近年稀にみる傑作と言っていい。
[DVD(邦画)] 9点(2015-08-02 16:41:20)(良:2票)
43.  奇跡の海 《ネタバレ》 
僕の思想信条に多大な影響を与えたと言っても過言ではない傑作「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を撮った、暗黒の虚空に燦然と輝く天才映画作家ラース・フォン・トリアーによる哀切極まりない人間ドラマ。そんな本作を語る前にあらためて「ダンサー~」で描かれたテーマについて述べたいと思う。それは結局人間の幸せは全て相対的なものでしかなく、自分がいま幸せかどうか、自分の存在に本当に価値があるのかどうかを判断するのは最終的には自分の主観でしかないということだ。もしそんな自分の主観では到底受け入れられないような不幸な境遇に追い込まれたり、あるいは自分の幸せを守るために取り返しのつかない罪を犯しそうになったとき、人の心は果たしてどのようにその危機を回避しようとするのか?きっと、自分以外の第三者によって自分の挫けそうな心を補強してもらいたいと願うはず。そう、その第三者こそが〝神〟に他ならない。ではもしこの世に神が居なければ、この残酷な出来事で溢れ返る醜い世界で、人はどのようにして生きていけばよいのか。また、キリストの如き真の心優しき人間は最終的には人々の悪意によって十字架に掛けられ襤褸布のように死んでゆくしか道がないのではないか?ドストエフスキーが「白痴」などの大作群で追求したそんな深甚なるテーマを、トリアーは映画という手法でもって現代に受け継いでいる。「ダンサー~」では、神を持たなかった女の悲劇を追及していたが、本作の主人公ベスは見れば分かるとおり、冒頭からはっきり神へと縋り付いている。セルマもベスも宗教的に言えばどちらも〝聖なる愚者〟。だが、トリアーはこの世に神など居ないということを、ベスが完全なる善意でもって売春婦となる過程でつぶさに炙り出してゆく。〝神〟とは人間が造り出した生きる為の、そして数々の罪から目を逸らす為の理由付けに他ならないとでも言わんばかりに。そんな残酷な現実を突きつけながらも、トリアーは最後に鳴り響く鐘の音に「それでも人間は生きるために神へと縋りつくしかない」という人間本来の普遍的な切なさをぎりぎりのところで肯定している。「この世に神が居ないなら、どうして人は自殺しないで生きていけるのですか?」これはドストエフスキーの「悪霊」の中の言葉だが、本作にはそれへの答えが――完璧ではないにせよ――提示されている。その後、トリアーは「ダンサー~」を撮ることでその思想を根底から覆してしまうのだが…。正直、「ダンサー~」が僕に与えた影響があまりにも大き過ぎて、その姉妹編とも言える本作を観ることでその影響に揺るぎが生じるのではないかと懸念し、今まで鑑賞してこなかったのだが、それは僕の杞憂に過ぎなかった。こちらも人間の愚かさと美しさを冷徹に見つめた傑作と言っていい。
[DVD(字幕)] 9点(2015-03-14 22:02:26)
44.  インターステラー 《ネタバレ》 
僕のこよなく愛する『インセプション』という傑作を撮ったクリストファー・ノーラン監督の最新作にして3時間に迫るSF大作ということで、久し振りにわざわざ映画館へ――。結論を言うと、無茶苦茶面白かったです。圧倒的なスケールで描かれる壮大な世界観、イマジネーションが奔流のように迸るスタイリッシュで洗練された美麗な映像、哲学的で難解なお話なのにそれを微塵も感じさせない考え抜かれたストーリーテリング……。特に、あの1時間経つと地球時間では7年もの年月が過ぎる水の惑星から帰ってきた主人公が、あの僅かな時間で既に27年も経っていたと知ったときの絶望感といったら凄まじかった。地球時間と宇宙時間のずれを見事に対比させることで、今まで誰も見たことのないような壮大なアクションシーンを創り上げたところなんか、さすが『インセプション』のクリストファー・ノーラン!ブラックホールを越え、予想だにしなかった世界へと迷い込んだ主人公が知る驚愕の真実には度肝を抜かれました。そして、最後に彼が娘との約束を果たすシーンは切なくてちょっぴり泣きそうになっちゃったし。そんな綺麗な円環を閉じながらも、物語は新たな旅立ちの余韻を残す希望に満ちたラストシーンを迎えます。ただただ圧倒されてしばらく席から立ち上がれませんでした。最近、この世界は結局唯物論であり、人間はDNAを運ぶための単なる容れ物にすぎないのではないか。愛だの神だの幸せだといった概念は、所詮は人間が作り出した生きるための勝手な理由付けなのだろうという虚無的な考えに捉われがちな僕なのですが、人間はそんな絶望を乗り越えうる素晴らしい観念(想像力)を持っているということをあらためて教わったような気がします。僕はこの作品から生きる希望のようなものをほんの少し得られました。個人的な好みで言えば『インセプション』の方に軍配が上がるけれど、こちらも映画史にその名を燦然と刻むだろう傑作と言っていい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-01 22:40:05)
45.  シャンドライの恋 《ネタバレ》 
政情不安にゆれるアフリカの何処かの貧しい国。反政府活動を疑われた夫が理不尽にも投獄されて独りぼっちになってしまった若く美しい人妻シャンドライは、身の安全を図るため難民としてローマへと移り住むことに。親戚が遺した遺産で悠々自適の生活を送るピアニストのキンスキーのアパートで、投獄された夫のことを気遣いながらも、シャンドライは看護婦を目指して新たな生活を始めるのだった。そんなある日、突然大家のキンスキーから愛の告白をされる。あまりにも違うお互いの境遇に、最初は反発を覚えたシャンドライだったが、彼の無垢な心と優しさに触れて次第に気持ちが揺れ動いてゆく…。映画監督としてノリにノッていたベルナルド・ベルトルッチが、ラスト・エンペラーやシェルタリング・スカイといった大作映画の後に、良い意味で肩の力を抜いて撮っただろう、小品ながらも愛すべき作品でした。まるで絵画のように美しいローマの街並みを背景に紡がれる、極端なまでに無駄を削ぎ落としたシンプルでありながら深いストーリー、全編を彩る情熱的なのにあくまで上品で静謐な音楽の数々…、もうベルトルッチの素晴らしい才気が画面の端々に漲っています。そして、何より魅力的なのは主人公のシャンドライ。きれいで可憐な容姿にもかかわらず、胸には熱い情熱を秘めた彼女の魅力に最後まで惹き付けられました(僕がいままで見てきた黒人女性の中では一番と言っても過言じゃないくらい、笑顔がかわいかったっす笑)。そんな彼女の心に芽生えた小さな恋心が徐々に高ぶり、最後は官能的でとても美しいラストシーンへと導かれていく、その丁寧でスリリングな心理描写はもうさすがの一言。最後、シャンドライがあのドアを開けるのかどうか、それを明示しないまま終わるのも印象的な良い余韻を残してくれます。小品ではあるけれど、久し振りに「ああ、良い映画観たなぁ…」と心から思える作品に出会えました。お薦めっす。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-17 18:41:25)
46.  永遠のこどもたち 《ネタバレ》 
子供時代を過ごした孤児院に家族と共に移り住み、自分も素敵な孤児院を開設しようとするラウラ。しかし引っ越してから、自分の息子・シモンが目に見えない子供たちと遊ぶようになり、次第に不可思議な出来事がこの洋館で起こるようになる。戸惑うラウラにさらに追い討ちをかけるようにシモンが謎の失踪を遂げ、そして彼女の現実が徐々に狂い始めてゆく。もう、いかにもギレルモ・デル・トロといった、現実と妄想と幻想が絶妙のバランスで絡み合った重厚なダーク・ファンタジー作品。「パンズ・ラビリンス」をこよなく愛する自分としては、あの傑作映画の母親版といった趣きのこの作品も、見事に僕の心を射抜いてくれました。いかにも暗闇に何かが潜んでいそうな巨大な洋館で繰り広げられる、過去に起こった悲劇的な出来事と現代の親子の確執が複雑に交錯する暗鬱なストーリー。ラウラが人智を越えた存在と宝探しゲームやだるまさんが転んだをするところなんか、心の底からゾクゾクさせられてしまいました。そして、最後に明かされる自分の息子の悲劇的な真実……。相変わらず、徹底的に救いがないラストなのに、想像力という人間の持つもっとも強い力のおかげで、微かだけど、今にも消え入りそうなのだけど、非情な現実に決して負けない、美しい希望を感じることが出来ました。ギレルモ・デル・トロが映画を作り続ける理由って、恐らくそんな人間の想像力の美しさを信じたいからなのだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2013-09-14 22:43:12)(良:1票)
47.  レクイエム・フォー・ドリーム 《ネタバレ》 
『ブラックスワン』で僕の心をすっかり鷲掴みにした監督の初期の代表作。ずっと観たかったのだけど、何故か近所のビデオ屋さんには全然なくて、この前、遠出した先のツタヤでようやく発見してこのたび無事に鑑賞。って、なにこれ!かなり凄い映画だったんですけど。いままで観てこなかったことを激しく後悔。ひたすら麻薬によって破滅へと向かっていく4人の姿を、まるで重厚なカルテットのように疾走感溢れる映像で見せきる手腕は本当に鳥肌がたった。特に、畳み掛けるように展開する後半の怒涛の展開は圧巻の一言。そして、孤独を埋めるために覚醒剤に手を出したあのお母さんの哀れな末路が観ていて本当に切ない。ここまで人間の弱さや人生の負の側面を徹底的に描き出すこの情熱、やっぱりダーレン・アロノフスキーって(人間的には問題があるかもしれないけれど笑)天才だ!
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-15 18:28:03)
48.  シカゴ(2002) 《ネタバレ》 
もうゴージャスでエネルギッシュで猥雑で胡散臭くて下品で、そして最高に面白いミュージカル映画の傑作。もともとミュージカルがあんまり好きじゃないのだけど、これだけは別格です。もう女の武器をこれでもかと最大限に駆使して成り上がっていく二人の女の姿はそれだけで魅力的!下品な弁護士を演じたリチャード・ギアもそれっぽくて最高だ。最後まで、徹底的にアンモラルを貫いた、その製作姿勢にも素直に拍手!理屈抜きの生きるエネルギーに満ち溢れていて、本当に大好きな作品。
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-13 18:25:14)
49.  フロム・ダスク・ティル・ドーン 《ネタバレ》 
僕はこれまで数々の映画を観てきたのだけど、ここまで馬鹿馬鹿しくて、そしてここまでカッチョ良い映画を観たことがありません。若いころにロドリゲスがさんざん観てきたであろうZ級映画(その場のノリで途中から全く違う映画になっちゃったけど、まぁいいかぁな作品とかね)への深いリスペクトが最高です!これまでの展開はいったいなんだったんだ!な、あの有名な突然のバンパイア襲撃とか、もう何も知らない友達たちに見せて、そのびっくり具合を隣で何度も楽しませてもらいました。この猥雑で下世話でエロくってグロくって、それでも最高にクールな映画、大好き!ジョージ・クルーニーも若くてワイルドで最高だぜ!
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-09 17:20:31)
50.  エイリアン 《ネタバレ》 
初めて観たのは小学生のころ。暗ーい生活観溢れる宇宙船内で繰り広げられる、船員たちと侵入してきた謎の生命体とのスリリングな攻防は本当に衝撃的だった。もう腹を食い破って出てくるエイリアンの幼体のグロテスクさといったら今でも他に類をみないほど。そして次第に大きくなるエイリアン。深い暗闇に身を潜め、決して全形を現さないその不気味さに何度もおしっこちびりそうになりました。H・R・ギーガーの描いたおおよそ凡人には考え付けないであろう、そのグロテスクでシュールな世界観とエイリアンの造形は、本当に素晴らしい。そしてそんな世界観を見事に映画化してみせたリドリー・スコットの才能に素直に拍手。
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-08 17:26:26)(良:1票)
51.  ギルバート・グレイプ 《ネタバレ》 
何処にでもあるようなアメリカの片田舎で、家族と共に鬱屈した毎日を過ごす青年ギルバート・グレイプ。夫が自殺したショックから過食に走ってしまい、今では体重が200キロを超え、ほとんど外出することもなくなってしまった母親。そして知的障害のある弟は、日頃から問題行動を繰り返し、ギルバートを悩ませている。そんな折、偶然街を通りかかったベッキーという名の自由奔放な女の子に、彼は深く引き寄せられていくのだが、家族という重荷は簡単には彼を放してはくれない――。人間はどこまでも弱く愚かで、そして家族というシステムは必ずしも人を幸せにするものではなく、もしかしたら人を閉じ込める牢獄でしかないのかもしれない。そんな諦念から出発しながら、この映画は、最後はそれでも人であること、家族であることを深い悲しみと共に肯定的に描いてゆく。のどかでのんびりとした時間が流れる叙情的で美しい田舎の風景も、そんな鬱屈した青年の思いを優しく見守っているようだ。そして、最後に家を包む炎は、世間からどんな目で見られようともそんな母親の子供として生きてきたギルバートたちの誇りの象徴なのだろう。若き日のラッセ・ハルストレムが、その持ちうる限りの才能を注ぎ込んで創り上げた青春映画の傑作だと思います。まだまだ無名に近かったころのジョニーデップ&ディカプリオの自然な演技も素晴らしい。人生に疲れたときなんかに、ふと観返したくなる大好きな作品の一つ。
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-04 20:01:18)
52.  ドッグヴィル 《ネタバレ》 
アメリカ、ロッキー山脈の寂れた高山地帯にある小さな村、ドッグヴィル。15人の住民と7人の子供たちが暮らすこの質素な村にある日、ギャングに追われた美しい女性グレースが逃げ込んでくる。村のリーダーを自認する倫理観の強い青年トムは、行き場がないという彼女を匿い、しばらく村に滞在してもいいと提案するのだった。次の日、村の集会場でトムは、集まった住民たちに多数決をとる。どこの馬の骨か分からない女に当初は難色を示した住民たちも渋々トムの提案を受け入れ、満場一致でグレースを受け入れることに――。そうして始まったグレースと村人たちの共同生活。戸惑いつつも次第にお互いのいいところを見つけ、少しずつ心を許してゆく彼ら。和気藹々と平和的に暮らしていた住民たちだったが、ちょっとした些細な出来事をきっかけにそんな平和な日々が歪み始める。村人たちは自らも自覚していないような悪意の目をグレースに向け始め、やがて村は悪夢のような世界へと変貌を遂げるのだった……。数々の問題作を撮り続けるデンマークの鬼才ラース・フォン・トリアーがニコール・キッドマンをはじめとする実力派の役者陣をそろえて描き出すそんな地獄のような寓話劇。体育館のような閉鎖的な空間に白線を引いただけのセットに役者たちを閉じ込めて描き出された3時間を超える物語は、その長さを全く感じさせない濃密なものでした。とにかく脚本が素晴らしい。最初はみな純朴で優しくて善良な人のように見える人たちが、後半、その心の奥底に隠していただろう嫉妬や憎しみ、欲望といった醜い悪意を弱い立場のグレースに向け始める。この展開に少しも無理がなく、人間なんてこんなもの、そればかりか同じような立場に立たされたら自分すらこうなってしまうかもと思わせるところが見事としか言いようがない。トリアーさんはやはり人間が嫌いなんでしょうね(笑)。ニコール・キッドマン演じるグレースが村の人たちにいいように利用され、男たちは暇さえあればレイプするようになり、女たちは嫉妬心から蔑みの対象にする。大人たちに感化された子供たちまでグレースを物のように扱い始める。逃げ出そうとしたグレースを連れ戻した住民たちは、2度と逃亡しないように首輪を嵌め村に縛り付ける。もはやグレースは犬と変わらない。それを誰もが正しいことをしていると信じて疑わないところが怖い。まさに、地獄。そんな悪夢のような世界を唐突に終わらせるラストのカタストロフ。「どうだい、スカッとしただろう。クソみたいな人間は殺して当然なんて思っている君たちも結局、他人から見ればこのドッグヴィルの住民と大して変わらないんだぜ」とまるで画面の裏側でほくそ笑んでいるような監督の悪意……。人間の愚かさをこれでもかと見せつけてくるラース・フォン・トリアーの傑作でした。
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-03 15:33:06)
53.  天空の城ラピュタ 《ネタバレ》 
これはやっぱりアニメとして描かれた冒険活劇映画としては世界最高峰クラスでしょう。天空から落ちてきた謎めいた少女シータを救ったことから、主人公の少年パズーが巻き込まれる、まさに誰もが胸躍らせる波乱に満ちた冒険物語。大空を縦横無尽に駆け巡る個性豊かな海賊たちと、謎の組織に奪われたシータを取り戻すために村を飛び出すパズー、そして次第に明らかになる天空の城ラピュタの伝説……。もう、これ以上ないくらいに思春期男子の心を高ぶらせてくれます(もちろん、それ以外の人たちも、ですが)。あまりにも優等生過ぎて、逆に物足りないところも無きにしも非ずかもですが、でもここまでオーソドックスな作りに徹した宮崎駿の手腕はやっぱり素晴らしいです。中1のころに観て、次の日、空を見上げながら「あの白い雲の向こうにおれも飛んでいけたらなぁ」と切なくなってしまったことを、今でも憶えています。
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-02 21:17:17)
54.  ディープ・インパクト(1998) 《ネタバレ》 
隕石が落下して地球が滅亡してしまう姿を、様々な人間たちの視線から描いた群像劇。もともと群像劇が好きな自分としては、この作品の個々のストーリーがどれもが魅力的なこともあって、今でも大好きな映画の一つ。諦めて父と津波に呑み込まれることを選んだ女性記者、反対にあくまで大好きな女の子と最後まで生きることを望んだ高校生、そしてどうせ死ぬなら英雄として死ぬことを選んだ宇宙飛行士たち。そんな人間の思惑など徹底的に意に介さず突入してくる無慈悲な隕石。この、無情とも思える臨場感はいま見ても相当なレベル。個人的には、イライジャ・ウッドにせめて赤ん坊だけはと託す彼女の両親が切なくて好き。
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-02 14:00:34)
55.  ヒート 《ネタバレ》 
『ゴットファーザーⅡ』以来の、アル・パチーノ&ロバート・デ・ニーロという世界でも最高峰に位置するであろう二大俳優の競演という奇跡のキャスティングで撮られたハードボイルド・アクションの傑作。もう冒頭からの二人の円熟の演技合戦が最高です。思えば、このころが二人の俳優としての最後の頂点だったのではないだろうか。そしてまさにどんどんと〝ヒート〟していくストーリー、徐々に高まっていく緊張感、その臨界点に達したところで唐突に暴発する白昼の銃撃戦!もう、堪らないっす!!それ以外にも、まだ若手だったころの(そして太っていなかったころの)ヴァル・キルマーなどの脇役陣も素晴らしい。もう、男の男による男のための映画!大好きです。
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-30 17:10:00)
56.  スターシップ・トゥルーパーズ 《ネタバレ》 
オランダが生んだ変態映画監督の巨匠バーホーベンが、そのもてる限りの才能と資金力とCG技術を駆使して作りあげた圧倒的サービス過剰映画。いやー、もう素晴らしいです!!だってこれ一本で、SFアクション・スプラッタホラー・戦争・学園青春ドラマ・ラブストーリー・モンスターパニック・お笑い映画を楽しめるんだから。凡百の映画監督はこんなに馬鹿みたいにいろいろ詰め込んだ映画なんて作れないですよ(作らない、かもだけど笑)。そして、そんな民主主義が崩壊したシニカルな世界に圧倒的な物量作戦で攻め込んでくる昆虫軍団!湯水のように撒き散らされる血しぶきと肉片!沸点マックス寸前の暑苦しい海兵隊の皆様!何処かで勝手にやってくれってくらいドロドロなラブストーリー!もうバーホーベンが確信犯的に創りあげた、中2病映画界にいまだ燦然と輝く、永遠の大傑作だ!!
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-29 23:27:17)
57.  マグノリア 《ネタバレ》 
「愛したいのに、そのはけ口がない」沢山の登場人物が織り成すこの重厚な群像劇のなかで、ある一人の人物が発するこの言葉が、この深淵でありながらなお猥雑なエネルギーに満ちているこの作品をまさに象徴している。みんな愛したいし愛されたい。でも人間だからみんないつまで経っても心はいつだって擦れ違い。もがき苦しむそんな人間社会に、最後、唐突に降り注ぐ蛙の大雨。もちろん、旧約聖書中の出エジプト記からの引用だろうけど、そんなことどうでもよくなるくらいに滑稽な出来事にただ笑うしかない登場人物たち、というこの映画の纏め方は見事としか言いようがない。「確かにいま人生は辛いかも知れないけど、頑張って生きていこう。だって、明日蛙が降ってくるかも知れないじゃん」という気持ちになれる、良い映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-29 22:45:19)
58.  ラストエンペラー 《ネタバレ》 
まさに栄華衰勢――。清朝最後の皇帝として生まれ、何不自由ない優雅な生活を送りながらも、辛亥革命により宮廷を追われ、その後アジア侵略を目論む日本軍に満州帝国の傀儡皇帝に祭り上げられたものの、終戦後は中国共産党の収容所に送り込まれ、最期は平凡な庭師として死んだ男・愛新覚羅溥儀。濁流のように押し寄せてくる歴史の荒波に、その運命を翻弄され続けた彼の波乱万丈の人生を、恐らく映画監督としては間違いなく絶頂期を迎えていただろうベルトルッチ監督が絵画のように美しい映像と気品に満ちた音楽の数々で描き出した伝記映画の傑作。もう何も言うことはありません。巨大な歴史のうねりの中でただ必死に自分の命を燃やした溥儀の哀切な人生は、善悪を超越してただただ胸に迫ります。 そんな作品世界に見事にマッチした、坂本龍一の壮大さと繊細さを併せ持つ音楽も素晴らしい。いったい彼の人生とはなんであったのか?観終わるころには、この現代という時代も様々な運命を生きた多種多様な人々の人生の積み重ねであり、そしてたった今この瞬間にも僕たちだってその歴史のただ中に居るということをあらためて思い起こさせてくれる、ベルトルッチ監督の最高傑作だと思います。
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-27 17:25:43)
59.  トーク・トゥ・ハー 《ネタバレ》 
まさに変態純愛映画というジャンルを確立した(?)、ワンアンドオンリーな快作。事故により、意識不明の植物人間と化してしまった若く美しい女性を献身的に介護する孤独な看護師の男が、彼女を愛するがあまり一線を越えてしまう……。女性の人間性を徹底的に排除し、ただひたすら女の肉体のみを愛でるという、この川端康成晩年の傑作「眠れる美女」をも髣髴とさせるこの究極のフェティッシュな愛は、恐らく男にしか理解できない世界(いや理解できる男も少ないかもね)。そんな淫靡な世界を妖艶に美しく描き出している。そして、劇中劇として展開される、これまたまさに究極の変態サイレント映画も強烈だわ~。これは円熟期を迎えたころの、スペインが生んだ天才変態映画作家アルモドバルが創出した傑作だろう。もし、日本が世界に誇る変態大作家・谷崎潤一郎が生きていてこの映画を観たとしたら、是非ともその感想が聞いてみたい(笑)。
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-26 15:33:39)(良:2票)
60.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 
やっぱり何度観ても傑作!世の中には一時間半の映画でも退屈ですぐ眠たくなる映画がたくさん溢れ返っているというのに、この作品は三時間もあるのに無駄なシーンが一切なく、最後まで緊張感を持続させたまま一気に観ることが出来る。そして重厚な雰囲気のなかで淡々と、時には突発的な暴力描写を交えながら、描出されるのは普遍的な家族の絆。なんとなくドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』までを彷彿とさせる、この家族の年代記はまさに芸術の域にまで達している。映画好きなら、一度は観ておかなきゃいけない傑作!
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-26 15:20:15)
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