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黒猫クックさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 791
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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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621.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
大変面白かった。 裁判の本当に重要な部分を可能な限り映画に取り込んだという感じが凄く良かった。やはり映画は映画なので、フィクションだし嘘くさい表現もふんだんに盛り込まれるわけだけど、最終的に面白かっただけでなく感じる物があったと言うのが実に秀逸だったと思う。  現代のアメリカの殺人事件であれば、科学捜査で即日釈放の可能性がある。でもこの映画では、そんな物ではなく市民の話し合いで量刑が決まってしまう。つまり、有罪か無罪かを決める作業を誰かが手抜きしないでやらなければいけない。それは関わった全員だ。というサインだった。また、実際の所この少年が犯人かそうでないか全く解らないしどうでも良い部分だ。  で、この映画の上手いところは、疑問を放り出して裁判という公務をいい加減に済ますべきでなく、結果だけがあっていてもそれは正義ではない。と言うテーマに気づかない人が観てもだんだん無罪に向かうサスペンスにも見えると言うところ。半世紀以上前の映画なのに、こういうあざといところが盛り込んである。 無罪かどうか解らない少年が、あたかも無罪のように感じられ、それを助ける映画のようにもみることが出来てしまう。実にずるがしこい。良くできている。感動した。  と言うわけで、裁判で一番重要である「有罪か無罪はどっちでも良いから、手を抜かない」と言う部分をちゃんと表現している希有な作品だ。登場人物達が話し合ってるのは、本質的に「少年を助けるためでは全然無い」と言うところは裁判の機能そのものであり、この映画以外でそこがきちんとしている法廷物にお目に掛かったことがない。  すでに完成している。科学捜査と絡んでくるので現代では本作リメイクや殺人事件を陪審や弁護士が無罪にする話は不可能だろう。
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2009-07-26 18:20:17)(良:1票)
622.  バリー・リンドン
意外と面白くない。時代とか世界とか衣装とか、そういうのは目を引くし飽きない。 でも話がつまんない。題材は良いと思うのに、つまんない。  この長さにしなきゃいけない理由もよくわからないし、2時間に収めるのも技術のうちなんだと思うけど、放棄しちゃってないだろうか。時代物の大作というカテゴリーにあぐらをかいちゃってるような気がしてならない。 アカデミックな雰囲気をまとえばどんだけ長くても許されるみたいな雰囲気がこしゃくな感じがして全然感情移入できなかった。  こういう玄人受けを狙った作りであれば、愛好家同士で良作だよねって話し合っていればいいと思う。面白い映画が単純に好きである、と言う人が観て面白いか?オレは全然面白くないと思う。と素直に感じてしまった。 一緒に観ようと言われて、二人で観たわけだがスゲエつまんねえなオイとは言えず「なんか、全然面白くなかったね」とどうでも良いところで気を遣ってしまったのも妙に自分に腹が立った覚えがある。  自分の感性からすると万人受けしないと思うんだけど、なんで平均点が高いんだろう。 画的にはすごいなって思うし、話はわくわく感があるけど脚本になってみるとスッゲーつまんないと思うんだ。 絵に描いたような「意外と面白くない映画」っていう感じだし、絵に描いたように「期待しなければひょっとしたらひょっとするかも知れない映画」だと思う。 でも「ひょっとしてしまった」人の多さに、自分の感性の鈍さと単純さにがっかりしてしまった。  そういえばキューブリック作品であると知ったのはみてから何年か経ってから。平均点にキューブリック補正掛かってるってことは無いだろうか。
[DVD(字幕)] 4点(2009-07-26 01:30:38)(良:1票)
623.  氷の微笑 《ネタバレ》 
これを公開当時今はもう無いであろう湘南の劇場で見た時、 たしか、確か記憶では。確かにそういう気がしたんだけど、シャロンストーンが足を組み替えるシーンでぼかしがなかった気がする。 もうそれだけで評価が正常な心理で付けられない訳で、少年少女で見に行ったあの帰りに皆そこに触れなかったのはやはり見えていたからなのではないだろうか。  サスペンス物としてもエロティック物としても秀逸な本作。後に何かの番組でたしかバーホーベン自らがシャロンストーンが犯人であることとその証拠をいちいちくどくどと、どうしても聞き入ってしまう話しぶりで解説していた。やっぱり犯人は彼女だったんだろうな、その後はどうなるんだろう・・・と想像した瞬間、たしかマイケルダグラスは殺されないでしょなどと身もふたもないことを言っていた気がする。何というかプロらしく物語のバックグラウンドまで提供するとか、そういう所もセットで考えて非常に良くできたイベント的な映画だったんだな、とか非常に感慨深い。  でも、そうじゃない。問題なのはそこじゃなかった。 あのときの少年少女達は時が経ちすぎれば離ればなれになっており、あのスジは今ではすっかり永遠の謎になってしまっている。
[映画館(字幕)] 7点(2009-07-25 15:23:29)
624.  トゥルーマン・ショー 《ネタバレ》 
設定とか着想は面白いんですが、主題が展開し始めるとその良さを崩しながら言いたいことに突っ走ってしまってるんですよね。だからせっかく「もしかしたらあるかも」的な導入部を放っておきながら、飛び道具的なシーンが支配的になってしまうのがもったいない。  こういう「もしかしたら自分たちは小説やゲームのキャラなのでは」「もしかしたら宇宙は1原子として宇宙を構成して、それも宇宙を構成するのでは」などという心配や好奇心。誰もが自分の存在感への疑いと言う物は古典的な物語をどこかで見聞きして知っているわけで、それを物語にして収束する手段を速度的に表現したためか、どこかツボを押さえ切れていない映画という印象をもってしまいました。ラストの表現も、ブラックユーモアのような形で逃げずに最後まで現実的に造るべきだったんじゃないかと思います。  フィクションであれば最終部を現実的にしてもハッピーエンドでもバッドエンドでも造れるはずですが、なんで煮詰めていない非現実的な含みにしてしまったのか、本当にもったいない。映像や脚本には金が掛かってて当たり前のグレードの映画だと思うんですが、いろんな都合があったんでしょうか。着想が良ければ、どんでん返しを思いつけば、カルト的な異常性があれば、というような評価基準のみで行けば年代を考えると高度なのかも知れませんが、高度であることより知的満足感をくすぐられることより、「ちゃんと最後まで面白いのかどうか」と言うことが重要じゃないかなと思うんですよ。  たとえ100円で借りても、鑑賞者は2時間も使うわけですから、表面的な着想や内面的な奇抜さとともに「出来る限り完成した物」を提供して欲しいな、などと思うわけです。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2009-07-25 15:09:52)
625.  THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に 《ネタバレ》 
すべての生き物が溶けて無くなっちゃって混ざっちゃうと、一つになれて幸せですよ。 ・・・って作った人宗教ですかバカですか社会性ありますか?級の主張・・・っていうか考えてないから考えオチですか。 自殺願望でも無きゃこうはなりたくありません。取っつきやすいテレビアニメで病んだ子供に空っぽの病んだ宗教観を押しつけて、嘘の優越感を与えるいかにもなロボットアニメ商法いい加減やめてください。 脳天気な音楽に乗せて宗教勧誘ビデオを流さないでください。 気長に待ってますから金返してください。
[映画館(邦画)] 2点(2009-07-20 14:49:08)(笑:1票)
626.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 
うん、10っ点。これは面白いもん。 テレビ版から観ていて、アホかと思うくらい中身がないけど器は大きく大変しっかりしているこの話にいつか中身を入れてやればいいのに。と思っていたら軽やかにやってくれました。  これまではどうもえげつないやり口で物語を支離滅裂にパラレルで展開していったあげくちゃんと完結してない(というかどうも収束へのプロットそのものを考えていない)という状態には閉口した。  今回ちゃんとした客が求めてるものを理解したのか新版では急に作りがプロっぽい。 これまでの、異常者のような大人が異常な大人になり始めた子供と傷をなめあう様は、グロテスクな戦闘描写と相まってサブカルチャー的なおもしろさを爆発させていた。とはいえひたすら見た人の未成熟さにつけ込む。観てる子供をキャラの台詞や攻撃性に共感させるだけでなく、空設定を理解している気にさせて引き込む技を繰り返して、中毒症状を起こさせる技術でしかない作りにはかなりイライラさせられた。  今作ではちゃんとした「話」としてちゃんと「造り」にきてる。嘘くさい狂ったような気持ちの悪さはちゃんと考え直されている。人の気持ち悪さは理由付けがあるPTSDのようなものに置き換えられて、世界観の嘘くさい気持ち悪さは妙なリアリティを造って抜けられなさという絶望感をきちんと造ってきている。これにより嘘くさい人間描写に煩わされずストーリーに集中できる。  相当練り込んであり、同じロボットアニメでも戦争中の口げんかでそうかもと思わせる技法に頼り切りのガンダムとは明らかにジャンルが違う。比べたら失礼か。出発点はほとんど同じだったはずだけど、「作品」であることを捨てて関係者を食わせ続ける道から外れないという責任を選んでいるガンダム業に対し、エヴァンゲリオンは映画という媒体で作品という形で自己完結することができそうだ。  でも一つ気になるのは性描写というかサービスカット。ものすごい勢いでパンツや胸がバンバン出てくるんだけど、子供が観るのは良くないような気がする。大人が観る分には全然かまわないしもっとやっていただいてもかまわない様な気もする。でも子供の裸は微妙に罪悪感のようなものもあったりする。
[映画館(邦画)] 10点(2009-07-20 04:07:04)(良:1票)
627.  ピンポン 《ネタバレ》 
原作を絵的に再現するタイプの映画どうも苦手。 特に本作のように、原作を読んでしまっているものだとキャラクタ設定を上手に使った新作のような形でないと厳しく感じる。感情移入がしづらいからだ。  この映画が初見であれば結構楽しめるかもしれないが、原作を読んでしまっている場合は仮にハリウッドの金のかかった脚本でもきつい。 いかにコスプレ大会にならないかということを作り込んでくれないとしらけてしまう。  実写ではないが、そういう意味ではジブリ作品や押井作品はキャラ設定や世界観を作り手の味わいでうまく再構築してくるあたりのうまさには脱帽だ。そういう方向で判断すると、本作は原作ファン向け映像化という感じがよくも悪くも原作ものの昔気質なスタンダードという感じか。
[地上波(邦画)] 6点(2009-07-07 00:55:23)
628.  狼よさらば 《ネタバレ》 
殺しすぎ。 でも何となくわからないでもない。こういうことに巻き込まれたら自分が死んでもいいから殺してやろうと思う人もいるのかもしれない。 そういうもしかしたらあるかも、って思わせることができたところがヒットの要因なのかも。  imdbでも最近のレビューでもウケているようだけど、わかる気がする。 だってこんなめちゃくちゃなものどんな国の誰がいつの時代にみたって衝撃的でしょう。 70年代の淡々とした絵が妙に生々しいし、実際の作りよりもよくできて見える。 でもまぁ、こういう品質になっちゃったというのは何となく偶然なんでしょう。いろんな要素が折り重なっておもしろくなっちゃったみたいな。そういう味わいは貴重だ。  これはテレビで何度となく見てるけど、吹き替えのあの雰囲気もなんか異様でいい。 続編の暴れぶりもすごいと思う。ダーティハリーもそうだったけど、映画会社の都合でどんどん妙な味わいが追加されていくのもこういう映画の魅力だと思う。
[地上波(吹替)] 6点(2009-07-07 00:46:28)
629.  マシニスト 《ネタバレ》 
面白かった。 5,60年代の映画を意識したような雰囲気作りが昔気質のサスペンスをうまく作っていたように思う。 派手に伏線を張って最後の5分で回収するような作りではなく、最初から虚実入り交じっていてどう収束するかという直球勝負の映画だった。  クリスチャンベールの激痩せに話題がいっているようだが、相当に練られている一本であると思う。  一見幻想や幻覚という、サイコサスペンスもののように作られているが、実は主人公が全く寝ていないのではなく「居眠りをしている(ことに本人が全く気づいていない)」というところがよりリアルで秀逸ではないか。 本編で起きる事件すべてが居眠りをしているときみている夢で、罪悪感とその疲労が作り出した願望であったというプロットはよく考えられている。一見夢オチな訳だが、それまでの筋をなかったことにして見かけ上のどんでん返し感を出す手法として、手を変え品を変え使われる最悪の手法と同じ材料を使っている。しかし実際は夢を使ったオチであるが、夢オチとは明らかに違うという技法は幻覚や精神障害で物語を作るよりもかなり難易度が高いと思うしかなり挑戦的ともいえそう。  DVDのおまけに入っている削除シーンだけでも話が変わってくるが、全く筋も雰囲気も違う映画を何本も作れるような、切り貼りでいくらでも構成できるよう脚本に分岐があるように感じた。 確かに没シーンで作られるような筋の映画はよく12チャンの昼とか夜にやってる。 その分岐の中で最良のものが選ばれているんだと思う。  それから台詞やメモにも役割があるようなので、字幕より吹き替えの方がいい。 肝心なときに関係ない文字を読んでいると上の空になって雰囲気が元の作品からかなり離れてしまうと思う。 吹き替えの方が集中でき、雰囲気に大差は出ないのではないかとも思う。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-07-07 00:27:34)
630.  ティン・カップ 《ネタバレ》 
意外と面白かった。 ドンジョンソンがいい味を出していた。ファンはみて損はないと思う。 人物描写が典型的なのはみていて安心だし、期待を裏切らないラスト。 主人公の性格も終始ニヤニヤしてみていられるし、あの不純な動機とちゃんとしたがんばりっていうのも面白くなかなかいい映画だったと思う。  新しさとか意外性が無く、面白くなかったというのをネットで見かけるが、面白いかどうかと新しさは全く関係がないことだと思う。 それなりにしっかり作られていることの方が大事であって、ここにさらにひと味ふた味加えることが新しいということではないか。両方大事な土台と上物でも土台の方が大事。 新味が無いからと言うだけで全要素を否定するネットの風潮は何となく違和感を感じる。
[映画館(字幕)] 6点(2009-06-14 13:28:54)
631.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
大変ストレス解消になる映画だった。 映像のすさまじさはハンパではなく、いやぁこれこそアクション映画という出来。 CGも各シーンで作画、モーションとも安定していてCGの良さが引き出されていた。下手なスタントでやるモッチャリ感はどうやっても抜けないから、CGであるというのは大成功でしょう。  前半の筋はいろいろな予感をさせるけど、ラストの次回作への引き延ばし工作のせいで後半のどきどき感が台無しになってしまった。ラスト数分でキャラの立ち位置を変えたのは残念きわまりなく、ジョナサンノーランとは思えない折れ方が不満。  こういう終わり方をしてしまえることを一度見せてしまうと、ほとんどの人は「あ、こりゃ駄作作って打ち切られるまで有名監督たらい回しで一生続くな」的ないやな予感をさせてしまうと思う。  とりあえず高品質に作っておいて、原作者の手から完全に離れてしまった前作をうまく無かったことにした。いわゆる「ターミネーター産業」というものの手応えというのをつかんだっぽい。いいのか悪いのかわからないけど、終わり(オチ)のない主人公武勇伝がずーっと見られるんだろうなぁなんて思ったりもする。 ただ、何作もこのクオリティで作り続けられるんだろうか。完全に続編ビジネス化してしまっただけに大好きな映画がこういう風な方向に行ってしまったのは残念でならない。  それから、テレビで宣伝がネタバラシしすぎ。広告屋、馬鹿なのかお前らは。
[映画館(字幕)] 7点(2009-06-14 01:18:51)(良:1票)
632.  荒野の七人 《ネタバレ》 
もう大好きです。この映画はきっと死ぬまで時々思い出したように見続けるんだと思います。  一番最初にみたのがいつだかわからないくらい私の人生の中に自動的にインプットされていて、このカサカサした風景とか悪人とか7人が常に昼間の12チャンに流れているような、そういう錯覚すらしてくるくらいの作品です。  7人の侍のリメイクであったということを知ったのは小学生の頃。その頃にはすでに数え切れないくらいの回数をみていて、オリジナルではないということになんというかものすごい感銘を受けたのを思い出します。 小学生の頃、西部劇が映画であるという概念がなく、とりあえず12チャンに回すとやってるアメリカのお話。っていう認識であったのが懐かしい。  なんていうか、7人の侍の方が確かに情緒のようなものは深いのですが、ラストの寂しさや落胆にも似た空白感はこちらの方がわかりやすく、本当に楽しさや美学というものの概念が詰まった作品に思えますが、やっぱり「大切な映画フィルター」がかかってるんでしょうね。 これと続・夕日のガンマンは映画という概念ではなく、言葉とか歩くとかそういうレベルでインプットされています。  テレビに映っていると無条件に見入ることができるお話です。問答無用で完璧に集中してその世界に連れて行ってくれる映画、とにかく最高の2時間なんです。
[地上波(吹替)] 10点(2009-06-07 00:03:13)
633.  ナインハーフ 《ネタバレ》 
正直、こういう映画って芸術性を追求して作るんだと思うけど意図がよくわからないんですよ。 有名作家が書くエロティックな要素がある作品、っていうのは時々味があったりするんですが映画でそれをやられるとどうもなぁ。  やっぱりアメリカってポルノ映画ってものすごいあからさまで目的がはっきりしていたりするから、綺麗さとか芸術性なんていうものが一切ないわけで、そういうことだけではないんだということだけはわかるわけです。 で、美しさとエロさと、物語性のようなものがそろっているときっと面白い映画だったなぁっとなると思うんですよ、確かに。  でもこの映画がそういう映画だったのかな、というとそうではないような気がする。 この映画と全然脈絡はないし、引き合いに出すのがふさわしいかどうかはわからないんですが、そういう風に作られているであろう映画としてはラマンの方が面白かったかなぁ・・・。
[地上波(吹替)] 5点(2009-06-06 23:51:30)
634.  ノーカントリー 《ネタバレ》 
そこそこ面白かったけど、なんだか最後までよくわからなかった。 恐ろしさ、という味わいはものすごかったんだけど、それがおもしろさではないような気がして結局この映画のツボがどこなのかわからないまま終わってしまった。  見終わった後も、結局何が主題なのか全くわからず調べまくってしまった。こういうことは滅多にしないんだけど、アメリカでの評価の異常な高さを考えると単純に私がわかっていないだけなのではないかという風に感じたからだ。  よく見かけるのは現代の象徴であるとか、アメリカの風刺であるとか言う文章だが、当のアメリカ人がそういう風に全く感じていないようでやっぱりなぁ・・・という感じ。多くの人に行き過ぎたフィクションであることには変わりないようだ。 どうも日本人はヒット映画が極端な話だと現代アメリカの象徴にしたがるような気がする。  それからNo country for old menというのは、イェイツの「ビザンチウムへの船出」という詩の冒頭からの引用だそう。もしかしてアメリカ人は義務教育で深いところまで解っているのかも。 私は知ってなおさっぱりわからない。けっしてたどり着くことができない理想郷やあの世というのは、若さと永遠にあふれ老人の居場所ではなく、生きておいていく人間はそれに近づきながら遠ざかることへの永遠のジレンマ、という詩なのか、よくわからない。  そうであるとすれば、この詩の国と作中の「常識的な片田舎であるはずが突発的に暴力にあふれた辺境」となった自分の郷、きちんと生きてこなかった人間にはどちらにもいられないのではないか、と言う主題だったのか。 ちょっとまともに見えない登場人物たちすべてが見事に皆(生死は別としていろんな意味で)いなくなるのは、いかにも学術的に作り込んでます感がビンビン伝わってきてものすごい置いてけぼり感だった。  でもよくよく考えればアカデミー賞の本旨からすると、これ以上ないくらいアカデミックだし受賞もごく自然なことだったのかなとも思う。 映画本編ではよくわからなかったことも、いろいろと調べると次々といろいろ解って、それでも解らないことだらけで調べたことを元にいつまでもアメリカ人のレビューを読みふけるとまだまだ発見がありそうな予感がする。  なるほど、大変に良い映画だ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-06-01 23:12:38)
635.  シン・シティ
思った以上にだいぶ面白かったと思う。 ストーリーがちゃんとしていたからこういう絵でもちゃんと面白かったんではないかと。  小説じゃなくて映画だからこそ、客の想像力やイメージ力に頼らずに画で直球勝負するというのは非常に効果的だったと思う。こういう絵作りで失敗している映画はたくさんあるが、もくろみが成功している映画ってのは本当に数えるほどなんじゃなかろうか。  全編で統一性もある、それでいて拒絶感が表れない独自の画調は固めるまでに相当な試行錯誤とそれまでの確認という作業をいやと言うほど繰り返したのではないかと思う。でないとここまでのものは作れないと思う。  絵と荒々しいストーリーがマッチして、入り込んだが最後集中が途切れることなく楽しい時間を十二分に過ごすことができた。 
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-06-01 22:12:46)
636.  キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2 《ネタバレ》 
普通に面白かったが、一作目のような迫真さがなく残念。 仲間が増えていき、冒険もあり、活躍もするが何のためにどうして何と戦うのかが場当たり的になってしまったからか、日本製のRPGのようなかなり無茶なストーリーになってしまったのかもしれない。  コミカルな要素と、前作でのコナンという複雑な事情と性格を抱えたキャラを柔らかくしすぎてしまったのが一番問題だったのかもしれない。すっかり子供向けの話になってしまい、大人に対する説得力が無いため、子供が観ても大人になってからDVDをかって大切にしようという気になるかどうかと言うと疑わしい。  それでも決戦シーンや決闘は迫力が増し、シュワルツェネッガーもカッコイイという点では気晴らしには良いのかもしれない。あらぬ方向に行ってしまった
[DVD(吹替)] 6点(2009-05-31 02:04:55)
637.  コナン・ザ・グレート 《ネタバレ》 
相当面白い。シュワルツェネッガーの初期作品の中では相当なシリアス作品で、この手のファンタジーものとしては特に面白い部類の映画ではないかと思う。  シュワルツェネッガーの演技そのものもなぜか非常に説得力があり、わりとシリアスな脚本と暗く綺麗ではないストーリーが相まって独特の雰囲気が滲んでいる。この映画がB級なのかA級なのかと言われればどちらかと言えばB級よりではあるんだろうけど、言われているほどのそう言ったテイスツにあふれているわけではないように感じる。  特に、こういった映画には珍しく、吹き替えが思ったよりしっくりこないのが特徴で何となくしゃべり方で説明的無理矢理キャラを作り出すことがうまくいっていない。でももしかしたら演出ではなくて音源の状態が良くないからかもしれないけれど、原語との間の違いも大きいと思う。  もちろん子供が喜ぶ要素も多く、必ずしも現代の大人向け映画ではないだろうけど、30年近く前にこれだけ静的に神話的な世界を映像化したというのは相当な手腕だと思う。今観ても何か、生きていく柱となる標的にぶれずに立ち向かう話の筋が意外と現代的であり、チャンバラ以上にきちんと見える決闘や決戦のシーンの迫真さに気がつくと手に汗を握っているからだ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-05-31 01:49:45)
638.  ダークマン 《ネタバレ》 
意外と面白い。日本的なアメコミの主人公像っていうのは、非現実的な肉体能力を持って悪人を一方的に陵辱する、っていう感じだろうとおもうがこれはそういう感じではないのが良い。異星人だったり怪物だったりという主人公ばかりがアメコミというわけではないので、そう言う意味では特異というわけでもないのでは、とも思う。  普通の人が(実は漫画的非現実的な化学力をもってはいるが)陥れられ、肉体的にさらに弱くなりながらも頭脳的応戦をするというプロットに秀逸さを感じるが、いかんせん映像的な嘘くささがきちんとB級映画というところまで昇華できなかったのではないかと感じた。  実際は子供の頃観たとき、絵的な良さというのを感じることができなかったのが残念だったのは当時こういった話に興味が無く、紹介されてみるに至る段階で嘘くささを受け入れられず「なんだか面白くなさそうだ」というバイアスが掛かってしまっていたためだろうと思う。 着眼点が現代的でストーリー的にツボを押さえているため、これそのものをもう一度みたいとは思わないにしろ、万が一サムライミ自身によるシリアス系リメイクをされることがあれば是非観てみたい気がする。
[ビデオ(吹替)] 6点(2009-05-31 01:22:44)
639.  ミスター・ベースボール
意外と面白かったとおもう。 軽い雰囲気と暖かい話が微妙にリアリティを持っているっていうのが、この時代の色だったかなと思う。  野球パートは結構面白かったし、何となく同意してしまいたくなる部分もあった。それと現実のメジャーリーガーともなんか違うような雰囲気がまた「映画としての野球」という見せ方としては正解だったのかなと感じた。  日本文化の扱い方もこういう勘違いのされ方というのは、ちょっと調べれば良いだけのことなので結構やらせ的な部分もあるんだと思う。これは当時のアメリカの人たちが持つイメージから離れすぎないことも大事だったんだな、とうなずいたりした。いくら正確に日本を表現してみても、観たことも想像したこともない国が一体どこの国だかわからないと言うことになってしまうためだろう、どこのアジアの国でも必ず実在のその国ではなく、デフォルメされた国や町だったりするのはそういう事情ではないかと思う。考え過ぎかもしれないけれど。  ただ、恋愛パートや人情パートなど要素が多すぎて映画と言うより2時間ドラマっぽいような雰囲気に感じてしまったのが惜しかった。これって今の脚本技術でも難しいんじゃないかと思う。意外と面白かったけど、二度はいいやというパターンだ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-05-31 01:07:13)
640.  ブルーサンダー 《ネタバレ》 
ダンオバノンが非常に良い仕事をしている。 メカ(に頼った)アクションなのかとおもうと、実は結構緊迫のサスペンスだったりする。 オリンピックのテロ対策の市警装備品って言う設定が秀逸。骨太の犯罪サスペンスを指させる小道具として最大限の活躍をし、空中戦までしてしまう!  子供の頃に、実は初めて夜の映画番組で観た洋画だったりする。 たった2時間でこんなにスリルを味わえるなんて、と非常に驚いた。それまではテレビ東京の西部劇ばかり観ていたのだが、この映画を観てから西部劇って映画なんだ。と気づいた。 アメリカ(マカロニは違うけど私的には十把一絡げ)には西部劇以外にもこんな面白いものがあるんだ・・・といたく感動した覚えがある。  これより面白いハリウッド映画はそれこそたくさんあるけれど、これが一番始めで実に良かった。これより面白い!と思った映画を観たとき本当に大満足できるからだ。 それは小学生の時に映画を初めて観てびっくりしたときの感激と同種の興奮であり、それを具体的に何度も味わっている。最初の感激を忘れないでいられるというのが何ともうれしい。
[地上波(吹替)] 8点(2009-05-27 01:20:46)(良:1票)
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