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まさかずきゅーぶりっくさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 848
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 思春期の学生時代、何気なく見た水曜ロードショー「ローマの休日」でアン王女との運命的な出会いをしてからウン十年、ひたすら好きな映画を何十回観るような偏食家です。

ホラー&感動映画&難解映画大好き♪ホラー映画も好き!監督別にも観ます。キューブリック、リンチの2人は別格!スピルバーグも大好き!ホドロフスキーもナタリも好き!ハネケは苦手!

レビュー点は相対的に甘めです(ボーダーは6点)。期待に背き大ハズレ、虐待モノ、悪意を感じるバッドエンドな作品には低い点も付けますがよっぽどです。逆に最高点は9点に設定し、10点は人生観を変えられる程大好きな作品だけにしてます。人生であと何本10点の映画に出会えるか、ワクワクしてます♪

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61.  善き人のためのソナタ 《ネタバレ》 
出だしでは精神的に数十時間も寝かさずに尋問する冷徹な主人公が、徐々に善い人に変わってきて、結局盗聴してた芸術家の執筆に目をつぶる。心が移り変わるきっかけは盗聴先のあの曲にもあるでしょうが、むしろ一連のドライマン(盗聴されてた芸術家)の周辺の事情や彼の信念に基づいた行動に触れたからではないでしょうか?  印象的だったのは、エレベーターで乗り合わせたボールを持った子供が主人公に「シュタージ(国家保安局)は悪い人だ」と言う所。それに対して「誰にそう教わった?」と聞き返すと少年は「パパに」と答える。そこで「名前は?」と聞かれると、子供ながらに父親を守りたい気持ちから「僕の名前?」ととぼける。そこで少し間を置き「その持ってるボールの名前は?」と言う。あの段階で既に彼はすっかり善い人になってたんだな思いました。  ヴィースラー大尉、ドライマン、ドライマンの奥さん役の人、皆すばらしい演技でした。当時の東ドイツが置かれていた監視社会の実像を目の当たりにしてみて、改めてこの国の自由さにありがたみを感じました。悲しいけれどあそこで奥さんが犠牲になった事で、ドライマンもヴィースラー大尉も助かりましたね。そして皆さん仰るように最後が素敵。「これは僕のための本だから」。ドライマンが直接お礼を言うのではなく、作家らしく本にお礼をしたためた辺りがいい。  最後に救われる映画です。8点の評価内容そのまんま「見た後、率直に面白かったぁ・・」って言える作品です。
[DVD(吹替)] 8点(2009-02-01 22:42:18)(良:3票)
62.  ●REC/レック(2007) 《ネタバレ》 
閉鎖空間のパニックホラーとして展開に全く無駄がない。ムチャクチャ怖かったです。スカートまくりあがった血まみれのおばちゃんが警官に襲い掛かった瞬間、いよいよ始まったなというのと、何かこのとんでもない災難からは簡単に逃げられないだろうなという息苦しさがありました。  狭いアパートから何とか脱出できれば助かるんだろうけど、実際あれだけ全てを頑丈に囲まれてしまうと、いっても容易に出れないだろうなと思ったり。一緒におびえる仲間が、徐々に感染して襲う側に変貌する現実。つまり時間の経過と共に状況が悪化(じわじわと仲間が減り敵が増えていく人数というかパワーの逆転)に何とも言えない恐怖を感じました。  既に「ブレアウィッチプロジェクト」「クローバーフィールド」と観てると、こういう録画テープの再生的なパニックホラーは、結末はどうせ全滅なんだろうなと思って見るので、裏切られた感じもしませんでした。外界から切り離されたコミュニティでの格闘は、よっぽどの妙案が無い限り、希望がないですね。しかしTV局なんだから、なんでもかんでも付いていく前に、ウィルス感染の一報がどこよりも早く入っているべきではないのかな?  でもこの作品も初見ゆえの怖さ。次は観る側も構えるから同じパターンでくると失敗の可能性が大。ハリウッドリメイクや続編は作らないで欲しいなあ・・・。レポーターの女性は可愛かったです。
[DVD(吹替)] 8点(2009-02-01 15:40:16)(良:1票)
63.  ハプニング 《ネタバレ》 
「宇宙戦争」「ミスト」「クローバーフィールド」と印象が少し被ったかなー。こういう(何かとんでもないものが襲ってきてるぞー)という煽りは嫌いじゃないんですが、好き嫌い分かれるでしょうね。「宇宙戦争」では地球外生物の侵略を地球に存在する微生物が守った形でしたが、この作品では環境破壊する人間に対して、その自然が攻撃(防衛本能?)してくるという事で、更に身近で恐ろしかったです。ジェームズニュートンハワードの音楽も怖さを煽ってたなぁー。でも最初の集団自殺が意味不明で一番怖かった。本当の恐怖って自分の中で理解できない部分にありますね。  最初に「科学で解明できない事も・・・」みたく講義してた場面で、映画としてのメッセージを強引に詰めないよって感じがアリアリでしたが、何故全世界ではなくアメリカ北東部だったのか、何故1日で収まったのか、何故他国でもまた始まったのか等、敢えてぼかしてる部分が消化不良な感じに繋がってしまってますね。  あと、なんだかとりつかれてないのに、やたら目がギョロギョロしてる奴が周りに多すぎ・・・。不気味というか紛らわしいというか・・・。そしてシャマランがグロ描写をあそこまでしっかり映すというのは意外で、少し残念でしたね。虎が腕を引きちぎる描写とか、銃で頭撃たれるところなんて本当に必要だったんでしょうかね??いくら配給会社の要望とは言っても、そこに本質的な怖さはなかったです。(2014.11.12改訂)
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2009-02-01 00:40:23)
64.  マイ・ブルーベリー・ナイツ 《ネタバレ》 
ウォン・カーウァイの作品はいつも観終わって暫くしてから思い返す時、ひとつひとつの場面というよりは、むしろ全体の雰囲気がボワッと浮かんでくる感じだが、この作品もまさにそんな感じだった。  90分の尺では、ヒロインが失恋してから旅に出て戻ってくるまでの300日を映し出す時にどうしても駆け足になるのは否めない。それぞれ愛に悩む人々とのご都合主義的な出会いが重なり、最後でヒロインが、イマイチ成長した感じにとれないのが残念な気がしたが、元々この監督の作品は展開に大きな起伏はそれほどないので、かえってこの長さのほうが間延びしなくて良かったのかもしれない。  ノラ・ジョーンズは作りすぎずに普通の女性を体現。ジュード・ロウは癖のある役もいいが、こういう普通の役もまた上手い(物足りない人も多いと思うけど)。デヴィッド・ストラザーン、ナタリー・ポートマン、レイチェル・ワイズと芸達者を次々と贅沢に使って作品に重厚さがあった。  映像の美しさ、とりわけネオンや夜の飲食店のライトに照らされる出演者が、物思いにふける表情は、言葉なくして心の葛藤を表現していて思わず唸らされた。最後のキスはまさに秀逸。美しくてため息が出ました。
[DVD(吹替)] 6点(2009-02-01 00:26:59)(良:1票)
65.  ミスト 《ネタバレ》 
モンスターの見せ方の度合いが非常に上手い。キング作品では引っ張りすぎてガッカリさせた「ランゴリアーズ」や、超常現象的な恐怖を煽っておいて単なる憑依モンスター映画だった「ドリームキャッチャー」などもあったが、これは始まって20分でもう「巨大モンスター」と分からせる。それでも見せるのは足先だけなので、全貌を見せない恐怖と、そんなもの端からいるわけないと認めない人間同士の対立も相まっていよいよ閉塞感が増してきた。  夜中に巨大イナゴやら魔界村のレッドアリーマーみたいなのが襲ってきたシーンは、虫嫌いの私としたら夢に出てきそうな位の恐怖だった(薬局の中の人体からウニョウニョ出てきたクモも鳥肌ゾゾーーーッ・・・)。  人は確かな解決方法やら逃げ道を見失った時、徐々にああいう宗教的な人間の言う事に傾くんですね、あれはリアルでした。だからあのおばちゃんが終盤殺された際、彼女をすがってた多くの人間たちが何とも言えない空虚感・絶望感をかもし出していて、分かる気がしました。  TVもラジオも携帯も繋がらず、視界がごく狭い空間の中にいたら、やはり絶望的になるし、結果あと数分待てば、息子や同乗の3人も生きていれたけど、それは結果論であって何ともリアルでした。少なくとも主人公が伝説になって世界を救う作品や、主人公連中が全滅して何も解決しないまま終わる作品よりよっぽどいい。でもやはり最後に腰がくだけた主人公の男性の姿、本当に切なくなりましたね。  「ショーシャンク」「グリーンマイル」とキングの非ホラー作品を良質に仕上げてきたフランク・ダラボンが、一転こんな怖い作品を作るなんて、本当に驚きました。スプラッター描写はもう少し抑えても良かった気もしますが、濃い作品でした。車がスーパーを脱出したスローのシーン。車に乗ったほうが正しいのか、それともスーパーに残ったほうが正しいのか、観客側にはあの時点で分からない辺りが面白い。ただ異次元空間を開いてしまってやってきた使者の設定なら、巨大昆虫よりはもっと見たことも無いような形の生命体でも良かったかもですね、そこだけ不満でもありました。
[DVD(吹替)] 7点(2009-01-30 00:54:52)(良:1票)
66.  ブラウン・バニー 《ネタバレ》 
チキンなくせにナンパをする。相手からではなく自分から直ぐにキスを求める。女を抱きしめるのではなく女の胸で泣く。ベッドの上で海老包まりする。物思いにふけながら泣く。過去の自分の過ちをいつまでも責め続ける。孤独に耐えられず、幸せだった頃の妄想にふける。ある意味では男の中で共感できる部分も見られるものの、やはりその全てが非常に女々しく映る。  「バッファロー’66」では肝心な所で『男らしさ』を見せていたが、この作品ではそれが最後まで無い。言い訳をして性欲をはけてそれだけで終わり。女性に対する扱いも全然違う。「バッファロー’66」ではクリスティーナ・リッチを途中から聖母(母性の象徴?)みたいな扱いだったが、これのクロエ・セヴィニーは単なる未練でしかなく、寂しさと性欲を満たすためだけの道具化している。しかも性の部分でも実に投げやりで責任感が微塵も無い。男も愛していると言いながら自分からキスをしたりセックスを求めない。能動的にフェラチオを求めるだけ(しているクロエの頭に手を添える辺りが更に情けない)。いたわる気が全くないこの感じはきっと、女性だけでなく男性からも批判を浴びると思う。  とにかく、良くも悪くもギャロが自分の作りたいように作った感じの作品。「バッファロー’66」が好きだった私でも今回は正直退屈だった。全編変化に乏しい道路が映され、花の名前のつく女性とのやりとりがちらちらあるだけ。これを前知識無しに試写会や劇場で見たら更に評価は下がると思う。映画って基本何でもありだとは思うけど、ある程度観客を楽しませる要素も必要だと思う。「恋人を失った悲しみと自己嫌悪」を主題にするのであれば、ああいった妄想オチではなく、もう少し時間を遡った演出とか「続・ある愛の唄」のような見せ方もあったのではないかと思う。  とは言えギャロにしか出せないこの空気感は嫌いではないし、もし長編をまた作るのであれば「バッファロー’66」のような展開のものを求めたい。次作への期待を込めて、3点です。
[DVD(字幕)] 3点(2009-01-29 12:37:08)
67.  オープン・シーズン 《ネタバレ》 
なんだかどの動物にも感情移入できない・・・。もっと熊に同情できるかと思ったけど、鹿と一緒にはしゃぐ所は思いっきりはしゃいでるし。まぁ自然に帰る年齢だったのかという事だけで飼い主さんとの別れが少し寂しげなだけ、後は非常に表面的な感じがしました。展開もこじんまりしてて別に映画にする事も無かったのではないかな?川くだりのシーンの迫力は良かったんだけど。 そもそも狩猟解禁日に人間達と闘って追い返した所に飼い主が来て抱き合うという流れが不自然すぎるのでは?テレビで放映してももう1度観たい作品というわけではないですね。
[DVD(字幕)] 4点(2009-01-27 10:38:13)
68.  ディセント 《ネタバレ》 
地底人が出てきた瞬間に怖さが半減するという珍しい作品です。それってきっと身近ではない存在よりも、隣にいる人間が何を考えてるか分からない事のほうに恐怖を感じるからではないでしょうか?間違って仲間を刺しちゃった事に対する猜疑心が怖い。6人仲良しだったはずが「今の悲鳴で(地底人は)向こうにいる彼女のほうに行くからこっちは大丈夫」的な会話があって、地底人よりよっぽどゾゾーっとトリハダが立ちました。  ほぼ全編洞窟内なので暗く、6人の女性がヘルメットにカンテラ着けてるので今誰が一緒にいて、誰が地底人にやられたのか等、判別に結構疲れます。それと作品全体に漂う閉塞感が重なって非常に重苦しいです。  しかし皆さん仰るように、最初の交通事故で旦那さんと子供が亡くなりますが、あれがあまり本編に絡まない(ラストの夢オチのため?)ので、不要だったのではないでしょうか?結局全滅ですが、最後まで戦ったヒロインが全身血まみれで、「キャリー」のシシー・スペイセクにそっくりでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-19 10:09:05)(良:1票)
69.  X-MEN:ファイナル ディシジョン 《ネタバレ》 
前2作はいったい何が面白いのか全く理解できなかったけど、見慣れたせいか構図が分かりやすかったのかこの作品は非常に楽しめました。ミュータントってこれだけ圧倒的な力を持ってるんだし、これよりずっと前に乗っ取る事もできただろうにとか余計な事を考えてしまったり・・・。仲間があっさり亡くなったり、ウルバリンの想ってるジーンが最大の敵だったりと展開もそれなりに良かったです。VFXも凄いですね、めちゃめちゃ金かかってて大迫力でした。  しかしブレット・ラトナーは凄いですね。誰しもやりたがらないであろう大ヒット作の続編を撮って、それなりに立派に作ってしまうなんて。「レッド・ドラゴン」の次に「X-MEN」まで引き受けた監督さんにプラス2点。ファムケ・ヤンセンがちょっとジュリアン・ムーアに見えてしまいました。
[地上波(吹替)] 7点(2009-01-12 23:37:20)
70.  ザ・スナイパー(2006) 《ネタバレ》 
モーガンが殺し屋ってだけで100%冷徹で非情なだけの殺し屋キャラではないなと思いましたが、その通りの展開となります。ジョン・キューザックと息子が、危機を乗り越えて徐々に信頼を取り戻すってのも実にアメリカ的。ただ・・・肝心の中身が凄くうっすいです。終始薄暗いキャンプの画面。モーガンとジョンキューザック親子と3人で仲良く。しかも追いかけてくる4人も何か中途半端で恐怖感も伝わりません。  良かった所は2箇所。序盤モーガンが「俺をここで逃がして1時間後に帰宅しろ」と言い、それをキューザックが拒否したときのモーガンの顔は、まるで「セブン」のラストで「銃を捨てろ。ここで撃ったらお前の負けだ」とミルズ刑事を哀れむ顔と同じで個人的にツボでした。もう1箇所はラスト、カフェで女刑事に「あの親子に何かあったら殺すぞ」と耳打ちしたモーガンのカッコよさ。結局中身は薄いけどモーガンのキャラで及第点になった作品かもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-06 09:55:20)
71.  呪怨 パンデミック 《ネタバレ》 
もう呪怨もOVから数えて6作目だし、そりゃ観ている側にも免疫出来ちゃってるから、同じパターンじゃ驚きませんよ。更に今までにも多少あった「?」っていう突っ込みドコロが満載で、脚本もなんだかなーでした。結局どういう形であれ、あの家に踏み込んだから全滅なんでしょ?と思って見るので、あとはどの場所でどうやられるのかだけを鑑賞するという「スクリーム」やら「デッドコースター」的なホラーの鑑賞に成り下がってしまいました。カヤコも呪怨クンも出血大サービスの出演数。でもそれが逆に恐怖感を減少させてしまっている。布団の中とかシャワーの手とか、最初は怖かったんだけどなー、今それやられても予測できちゃうし。「屋敷潜入⇒逃げる⇒やられる前兆⇒やられる」のパターン化から飛びぬけて欲しかったですが、良くも悪くもそれが2作目以降の呪怨なんでしょうね。カヤコのお母さんも出るだけ損みたいな役でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2009-01-04 00:25:18)
72.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 
すいません、レビュー書き直します。1度目、あまりに集中し過ぎて元日に熱でダウンしました(親にはジョーカーの仕業だと言われましたが・・・)。そのせいで正当なレビューが書けておらず、納得できなかったのでもう1度。  初見時には、過去のティム・バートンのバットマンシリーズとの違いこそ分かっていても「バットマンビギンズ」との違いにも戸惑い、重厚だけど盛り上がりに欠けるという短絡的な感想で6点とか付けてしまってました。でもこれはとてもそんなもんじゃないですね。  徹底した悪は、正義がいるからこそ悪になれる。正義の味方の中でも公に表れて人々を引っ張る検事ハービー・デントのような白騎士もいれば、そうではなく私刑執行人のようなダークヒーロー、黒騎士バットマンも存在する。しかしジョーカーはこの2人に様々な矛盾をぶつけ、苦しめ、精神的にもどんどん追い詰めてゆく。容赦がない事に理由が無い、これぞまさに最狂、最凶なんですね。  話は少し違いますが「ドラゴンクエストダイの大冒険」という漫画で、それまで人間を助けてきた勇者ダイがある日街中でドラゴン数匹を圧倒的強さで倒した時、手を差し伸べた少女に「お兄ちゃん怖い・・・」と言われてしまうんです。あまりに人間離れした強さに、助けてもらった事を忘れて不気味さや恐怖を感じる。そこを敵に突かれたダイはその後、自分が勇者を続ける意味に悩み始めます。ふとそれを思い出してしまいました。  登場人物も皆素晴らしい演技。チャンベールやヒース・レジャー、ゲイリー・オールドマンはもとより、アーロン・エッカートが恋人を失ってからトゥーフェイスになるプロセスが秀逸。地鳴りでも聴こえてきそうな怒りが凄かった。なるほど人間は本当に弱いもので、心の柱1つ折れると簡単に転がり落ちるのだと痛感。  アクションを期待する映画でもない。暗いしハッピーエンドを期待する映画でもない。それでもこれほど多くのファンから大喝采を浴びた要因の1つは、やはり人間の危うさや葛藤、心の中に眠る危険な欲望をジョーカーに見透かされているからではないだろうか?本作のバットマンの葛藤は、観客の心をも映し出す「鏡」なのかもしれないですね。1度の鑑賞でなんとなくレビューするだけでは惜しい作品かもしれません。傑作でしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-04 00:10:50)(良:1票)
73.  犬神家の一族(2006)
登場人物が多いせいか、誰にも感情移入できませんでした。わざとそういう作りにしているのか、それとも肝心な部分の役者の演技がクサイからなのか・・・。松嶋菜々子は美人だけど、大きすぎて着物が似合わないなあ(どうしようもないけど)。スケキヨさんを見た時、先日たけしの番組で物まねをしていたダチョウ倶楽部を思い出してしまいました(^^;サスペンス映画としたら良く出来ていると思いますが、市川監督はなぜセルフリメイクを決意したのでしょうか?富司純子さんや萬田久子さんてあんなに演技クサかったかな?あと富司さんの息子さん、せりふまわしが歌舞伎役者丸出しで残念です。
[地上波(邦画)] 6点(2008-12-30 02:04:14)
74.  椿三十郎(2007) 《ネタバレ》 
どうでもいい所が間延びしてて、肝心なところが簡略化されてる。同じ脚本使ってるはずなのにどうもしっくり来ないのは、黒澤と三船が作り出した「空間」まではどう逆立ちしても真似できないことの何よりの証明だったのではないでしょうか?  三船敏郎さんはスクリーンの中ですっかり椿三十郎を生きていたけど、織田裕二さんはスクリーンの中でも織田裕二のままだった。同名の椿三十郎というキャラを演じているってだけに感じたり・・・。この差は決定的に埋まらないんじゃないでしょうかね。オリジナルを忘れて見ろと言われても、同じ脚本使って完全に意識して作ってるものだからそれは端から無理ですし。三船三十郎をこれでもかと意識してましたが、どっちみちどう演じても色々言われるだろうし大変だったと思いますけどね。トヨエツも本来は上手い役者なのに、室戸を演じるにはできるキレ者という雰囲気が感じられなかったです。そして全体的に登場する役者が若いから、どうしてもテイストがソフトになってしまって・・・。  ラストも居合で良かったのでは?オリジナルと変えてきたけど、結局北野武監督版の座頭市っぽく見えてしまった気が・・・。こちらを最初に見てたら及第点だったかもしれないけど、オリジナルを知ってる者としたら何もかもが物足りない。でもオリジナルを見てなかったらこっちも見てなかっただろうし・・・。黒澤明&三船敏郎の偉大さを改めて痛感。上手く言えないけどとにかく残念な作品です。
[地上波(邦画)] 5点(2008-12-30 01:46:56)
75.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 《ネタバレ》 
ただの総集編・ダイジェストに見えようが、絵が綺麗になっただけの焼き直しに見えようが、ミサト役の声優さんの声が老けたように感じようが、あのエヴァが戻ってきたというだけで限りなく満点です。  庵野が果たして新版エヴァをどう持っていきたいのか、それはまだこの序だけでは全く分からないですが、TV時にシンジに親近感を持ってしまった私からしたら、10年経って見てもやはりエヴァの世界はしっくりきました。親に認められたい、褒めてほしい、居場所が欲しい、怖いものから逃げ出したいなんて、14~5歳の時にはまるっきり同じ事を考えていましたから。やはりエヴァはただのアニメを超越した何かを感じずにはいられません。  細かな作画も非常に丁寧で、ヤシマ作戦の迫力と音楽は圧巻でした。最後に綾波が笑う所も本当に癒されますし。アスカが出る前でつづくだったんで「ここまでか~」という少し残念な気もしましたが、渚カヲル&数年後上映の「破」の予告で、まさに想像もつかない更に進化したエヴァが始まるんだと思うとワクワクせずにはいられません!第6のエヴァって言ってましたからね。首を長くして待ちます!エンディングのヒッキーの歌声も、どこか切ないエヴァの世界観にマッチしてました◎
[DVD(邦画)] 9点(2008-12-29 02:52:09)
76.  アイ・アム・レジェンド 《ネタバレ》 
めちゃめちゃ金かかってるCGや、主演のウィルスミスもいいんだけど、全世界で1200万人しか生き残ってないというわりには色々な人との交流があり、町の中だけの危機という感じ(いざとなれば直ぐに助かる位置にいる)が怖さを減少させてしまってました。  これがキャストアウェイみたいな作品ではなく、ゾンビモノと理解してて見たのでそこらへんでのガッカリは無かったのですが、投げやりな感じがする部分のフォローが欲しかったです(人体実験の若い女性とか、ラストの爆死前後のエピソードも急ぎすぎ)。  原作もあるだろうし、それの映画化と思えば仕方ないのでしょうが、展開が浅いなあという感じが否めません。偉大な人物になりうるけど、伝説かな?伝説ってもっと生き様的な部分も劇的なイメージじゃないですか?いつでも逃げれる過疎化した町でシェパードと暮らして研究してただけって感じで・・・。もっと膨らませようがあっただろう!って感じでした。たった何人かで世界と立ち向かうっていう題材に新鮮味もなくなってきてるしなあ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-12-29 02:34:24)
77.  デッド・サイレンス(2007) 《ネタバレ》 
「ソウ」の監督としてではなく「ソウ」の脚本家&音楽の人として見たので結構満足でした。音楽も「ソウ」っぽくて好みです。しかし予想通りの全滅でしたね・・・。ドニー演じる刑事はあまり役に立ちませんでしたが、追いかける側が話を信用した=死という流れは、ありきたりだけど面白かった。腹話術人形が100体もあると本当に不気味ですね。人形自体に不気味さを感じる人なら結構恐怖だと思います。でもやはり口が裂けた死体の顔が、それらよりも怖いというのが全体のバランスからすると違うのかな?と。  「正体を見ても叫んではいけない」というのは、分かっていても怖いなあ・・・。今の奥さんが乗り移られた犯人&お父さんは既に死んでて腹話術人形のほうというオチは◎です。
[DVD(字幕)] 6点(2008-12-14 16:40:08)
78.  アフタースクール 《ネタバレ》 
今年見た邦画の中では個人的にナンバー1です。多分オチを知ってから2度3度と見返すともっとジワジワ来ると思う。キャスティングも脚本もほぼ完璧で、一部強引な展開や、辻褄合ってるかな?と疑問の残る所はあるけど、非常に完成度が高いです。観客を見事に思い込ませます(騙すとも違う)し、力関係が中盤~終盤に変わってくるような気がするけど、実はスポットを当てている部分が違うだけで、最初から同じ方向に進んでいるだけというのも斬新。1カット目からいきなりそれが始まってるのが見事。「アフタースクール」ってタイトルもいいですね。選挙演説が生徒会長選挙と重なったし、理科室とアダルトショップは確かに臭いが近い気がするし、堺さん演じる木村は学生時代から今まで変わらずお人好しで憎めない(^^;  キャスティングも非常に魅力的なので、1度だけで全貌が掴めなくてももう1度観る価値があると思います。最後のエレベーターのシーンも何とも笑顔になってしまいました!  小生は男なんですが、「篤姫」で家定を観てから、すっかり堺雅人さんの虜になってしまった・・・(笑)どうでもいいけど産まれたばかりのはずなのに、赤ちゃんデカッ!!!
[DVD(邦画)] 8点(2008-12-07 21:49:01)(良:1票)
79.  チーム・バチスタの栄光 《ネタバレ》 
今放映中のしているドラマ版を途中まで観ている状態で映画版を観ると、無難に仕上がっているなと感じる反面、バチスタチーム1人1人の個性がイマイチ反映されていなかったなと感じました。キャスティングも良かった方とそうでも無かった方がいて、麻酔科医は特に重要なのに彼なのかと思ってしまったり・・・。  義理の弟と兄は2人で1人だとか、桐生先生の秘密で解決かと思いきや、やはり殺人事件であったりと展開は分かっていても面白かったです。緑内障で下半分が見えない桐生先生が、下にあるモニターに気づかないあの場面は緊張感あってワクワクしました。  竹内結子の存在で張り詰めた緊張感がいい意味で和らいでいて、阿部さん演じた白鳥との対比は良かったと思います。ただ、あまりにも鳴り物入りで公開された作品なので、期待しすぎると普通のサスペンスじゃないかと思ったりするかもです。堺雅人さんも出演するらしい第2弾への期待と、山口良一さんの日本一ロックしてない歌声に6点。
[DVD(邦画)] 6点(2008-12-07 21:24:16)
80.  ソウ5 《ネタバレ》 
このシリーズにはグロ描写だけではない、どんでん返しや意外な伏線をはじめとする脚本の妙がありますが、今回はさほどそれを感じませんでした。元々ここまでシリーズ化させるつもりもなかったと思いますし、どうしてもソウの世界観を壊さないように、無難に後付けしていってるという感がぬぐえません。  今回はラスト付近のどんでん返しも見抜くのが非常に簡単で、全く驚きはありませんでした。5作の中ではラストの驚きの少なさは「3作目」レベル、展開の浅さは「2作目」より下かなという感じがします。  妹への復讐の弱みを握られたホフマンが、一連のジグソウ事件でかなり「ソウ2」ゲームの時点では既に「共犯(not後継者)」であった事が分かり、犯罪者の再犯率に絡め、犯罪者リストをジグソウにリークしていた等、スッキリした部分もある反面、「ジグソウのゲームは更正の道を残す」といった部分で、過去のゲームを振り返って必ずしもそうだったかな?という疑問や混乱も残りました。また時系列もさらに脳内でグチャグチャになりました(ソウ5の5人のゲームと、ソウ1のオデブちゃんがワイヤーに絡むゲーム(車の中で室内の爆発の音が聞こえたけどあれは何・・・)は同時刻?関連性なし?)。  ストラム捜査官は、忠告どおりジグソウの死体の部分から先に行ったから死ぬだろうなというのも分かりましたし(タップ同様、事件に首を突っ込みすぎた罰で)、想像した通りに進んだという意味の肩透かしが大きかったです。もっとこのシリーズには驚きがほしいと願ってしまうのです。最後の箱のところでも、箱の中の方が安全だろうなと直ぐ分かりましたし(個人的にはあそこで真犯人は本当にストラムで、操られていただけのホフマンは死亡なら更にワクワクした)。  元の奥さんに遺した箱の中身、生死が確認できないその他の登場人物など、6作目ではさらにソウの世界は膨らむのでしょうが、この世界が完結する際は「あ、そういう事だったのか!そういう目的で行われていた壮大な計画だったのか!」というスッキリを求めてしまいます。大甘ですが5点。
[映画館(字幕)] 5点(2008-11-29 12:24:59)
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