61. 悪魔の性キャサリン
《ネタバレ》 異端の徒であるレイナー神父が結成した悪魔崇拝のカルト集団に、主の子供と祭り上げられるキャサリン。 ナスターシャ・キンスキーが当時15歳くらいとは思えない気品と美しさ。 ただ、全裸になると女性的な丸みがなく痩せすぎて魅力が減ってしまう。 見どころはナタキンだけで、ホラーといっても怖くはなく、凡庸なストーリー。 いかにもチープなB級ホラーでは、せっかくの素材も生かされず。 演出も雑で、死体になったキャサリン母の呼吸している動きがはっきり見えてしまって興ざめもいいところ。 [DVD(字幕)] 3点(2014-12-01 01:31:21) |
62. ミスター・ノーボディ
《ネタバレ》 いろいろ粗が目に付いて楽しめず。 ライフルで鞍に仕込んだダイナマイトを狙うのはいいが、相手が正面からやってくるのに角度的に鞍を狙えるわけがない。 正体不明のノーボディの意図がよくわからず、伝説をつくるためとボレガードにまとわりつくので、ネタバラシまではストーカーのような変人に見えてしまう。 最後でやっとノーボディの意図がはっきりするが、それまでは何のための戦いかわからなくて盛り上がらない。 時折はさまれる軽いタッチのコメディ要素も、緊張感を削いで合わなかった。 飄々としたテレンス・ヒルはカッコよかったし、モリコーネの音楽は相変わらず素晴らしいので、こういう変化球ではなく本格派の西部劇をレオーネに作ってほしかった。 [DVD(吹替)] 4点(2014-11-28 00:18:27) |
63. レッド・サン
子供の頃に観たが、カッコよくて面白かった。 A.ドロン、C.ブロンソンの全盛期。 当時は黒澤映画も知らなかったので、大スターと競演できる三船敏郎は結構すごいんだなと。 宝刀奪還の過程で、リンクと重兵衛に友情が芽生える典型的なロードムービーで、今見ても充分楽しめる。 道中、三船にやりこめられるブロンソンが面白い。 武士道を体現する侍・三船、人間味あふれるブロンソン、冷酷な悪役の似合うドロン。 三者の個性を生かしたキャラ設定が見事にハマっている。 [地上波(吹替)] 8点(2014-11-24 01:02:01) |
64. 八甲田山
《ネタバレ》 無謀な雪中行軍の計画が、多くの人命を奪ってしまった。 指揮する上がバカで考え足らずだと、付いていく下の者たちがもろに被害を食らう。 信じて付いていくしかなかった部下たちが哀れで仕方ない。 山田少佐は決して悪い人ではないのだが、致命的に無能。 神田大尉も指揮官としての役割を果たしていない。 上層部の認識不足や、硬直した組織での率直な意見が憚られる雰囲気が招いた悲劇。 冬山の恐ろしさは、今まで何度も遭難のニュースもあって広く知られるところだが、当時はそういう認識も薄かったのか。 整備されたスキー場でも天候によって恐怖を感じることがあるというのに、この八甲田の吹雪の中で道に迷うことを考えると、文字通り身も凍るほど恐ろしい。 こういう訓練は最悪の状況を想定した上でするべきで、途中の天候悪化で中止にせずに強行してしまったことも不用意な選択だった。 いろんなミスが重なっての大惨事は、近年では2009年の大雪山系トムラウシ山遭難事故を想起させる。 関連の本を読んだことがあるが、これにも壮絶なサバイバルドラマがあった。 杜撰な計画と判断ミスが重なり、リスクマネジメントができなかったための惨事だったが、この八甲田山とダブってみえた。 自然の前では人間なんてひとたまりもないことを思い知らされる。 撮影は苛酷を極めたことが伝わってきて、その生半可ではない苦労が偲ばれる。 ただ、映像が暗いのでかなり見づらいし、170分はさすがに長くてダレてくる。 この映画は今までずっと見る気にならず、健さんが亡くなる数日前にたまたま初鑑賞。 役者としても人間としても好きだったのに。 作品の中だけでなく、人柄を偲ばせる数々のエピソードにも他の人にない魅力を感じていた。 個人的にとてもお世話になった人が健さんと同い年で今年亡くなっていたのもあって、あれこれ感じることも。 なんか淋しい。合掌。 [DVD(邦画)] 5点(2014-11-23 22:51:30) |
65. ファール・プレイ
まったく合わず、途中で早送りしたくなった。 笑いどころらしきポイントでもクスリともできず。 サスペンスとコメディの融合は、コメディ要素が合わなければ厳しい。 外国映画でよくあるヘンテコな日本のイメージがこの作品にも。 [DVD(字幕)] 2点(2014-11-04 20:44:19) |
66. ダーティハリー
《ネタバレ》 甘っちょろく規則通りに追いかけていては捕まえきれない悪もある。 逃げのびて舌を出す鬼畜どもに対する歯がゆい思い。 悪党をやっつけるためには手段を選ばない鬼刑事がいてくれたら…。 そんな願望を叶えてくれる存在がアウトロー刑事のハリー。 シンプルなストーリーだけど、人気の要因はそこにある。 ラストで凶悪犯をなぶるように仕留めるハリーに溜飲が下がる。 [地上波(吹替)] 6点(2014-10-29 22:43:00) |
67. カッコーの巣の上で
《ネタバレ》 反発していたマクマーフィと婦長がわかり合えるストーリーかと思っていたら、結末がロボトミーとはまったくの予想外。 そいつが一人いるだけでグループが良い意味でも悪い意味でも変わってしまうような存在。 マクマーフィがそのタイプで、他の患者たちは人間性を取り戻したかのように生き生きしてきたのだけど。 出る杭は打たれる。 既存の秩序を破壊する異端者は抹殺されるのが習い。 精神病院の非人間的な管理体制の怖さがじんわりとくる。 ラストに大男のチーフが、マクマーフィのやりたかった形で脱走したのが救い。 婦長の淡々とした管理と融通の利かなさが、強圧的に大声を張り上げるようなステレオタイプではなくて、やけにリアルだった。 ジャック・ニコルソンもハマリ役。 [DVD(字幕)] 6点(2014-10-16 13:13:50) |
68. 仁義なき戦い 広島死闘篇
シリーズ2作目だが、1作目のほうが面白かった。 山中に焦点が当たっているので、実質的な主役は北大路欣哉。 ただ、あまりにも簡単に騙されているので、頼りなくて魅力を感じない。 出番は北大路ほど多くないが、狂犬のように暴れまわる大友を演じた千葉真一のほうが印象に残るくらい。 一番印象に残ったのは梶芽衣子で、驚くほどにキレイで魅力的。 [ビデオ(邦画)] 5点(2014-10-14 04:14:10) |
69. 仁義なき戦い
一時期このシリーズにハマったが、なんでハマったんだろう。 暴力的な猛々しさへの無いものねだりか。 それぞれの欲望や思惑が錯綜し、陰謀、裏切りの終わりない抗争に不毛な虚しさが漂う。 今や大御所となった面々が、みんな若くて面構えがギラギラしてる。 梅宮&菅原の兄弟分の男気あふれる暴れっぷりと、対照的に金子信雄演じる山守組長のクズっぷりが見事。 戦国時代の権謀術数を見るようでおもしろい。 [ビデオ(邦画)] 7点(2014-10-12 21:57:05) |
70. 太陽を盗んだ男
《ネタバレ》 突っ込みどころが満載で、荒唐無稽な漫画のよう。 一人でプルトニウムを盗み出し、設備もろくにないちゃちな自室で原爆を作る。 製作の過程で爆発のアクシデントが起こってガイガーカウンターが跳ね上がっても、鎮火すればなぜかすぐに収まってしまう。 放射能漏れなんぞ知ったことかとばかりの破天荒なトンデモ系ストーリー。 警察の警備網を一人で破って原爆を取り戻すという、ジャック・バウアーでも困難なことを一介の教師がやってのける。 菅原文太が何発弾をぶち込まれてもゾンビのように迫ってきて、挙句に沢田研二が屋上から落とされて奇跡的に無傷で着地したときは、思わず吹き出してしまった。 サスペンスというより計算されずに偶発的にできたコメディのようで、当時の制作サイドにはそんなつもりはなかっただろうけど、今の時代に観るならばどうせならはっきりブラックコメディとして狙って撮ってくれたほうが面白かった。 あの時代の中で犯人の持っていた孤独感、無力感、閉塞感や、絶対的な力を持った時の高揚感は伝わってくるものの、全般的にハチャメチャすぎて肩肘ついてニヤけてしまう。 勢いだけで乗っていくほど前のめりにはなれなかった。 [DVD(邦画)] 4点(2014-09-25 20:51:59) |
71. スター・ウォーズ
シリーズ第一作である本作がエピソード4にあたるというのは今になって知った。 世界中に熱狂的なファンを持つシリーズではあるが、スターウォーズの世界観にハマらず、以降の作品にも関心が持てず。 [地上波(吹替)] 5点(2014-09-17 21:41:44) |
72. マッドマックス
《ネタバレ》 妻子を襲った暴走族に警察官が復讐する極めてシンプルなストーリー。 設定は近未来のようだが、そんな風には見えなかった。 絵に描いたような悪党どもがやっつけられる割に、カタルシスよりも後味の悪さが残る映画。 [DVD(吹替)] 5点(2014-09-16 21:05:13) |
73. 華麗なるギャツビー(1974)
ギャツビーのあまりにひたむきな愛が哀れを誘うが、男のすべてを賭けて追いかけられるヒロインにそれに値する魅力のないのが致命的。 ミア・ファローではこのストーリーに乗りきれない。 [ビデオ(吹替)] 4点(2014-09-15 00:57:02) |
74. ひまわり(1970)
《ネタバレ》 精神疾患を装っての徴兵逃れがバレて、極寒のソ連前線へ。 身から出た錆とも思えるが、雪の中でバタバタと倒れていく兵士たちの姿に苛酷な状況が伝わってくる。 生死不明の夫をロシアまで行って懸命に探すジョバンニ。 そこで見たものは、助けてくれたロシア女と家庭を持ったアントニオ。 その衝撃は察するに余りある。 一方、アントニオもジョバンニに他の男との赤ん坊がいると知ったときは同様だろう。 お互いの消えない愛の炎を確認しながらも、もう戻れないと悟る二人が切ない。 シンプルな話ではあるが、飽きずに最後までしっかり見せてくれる。 無数の屍の上に咲いた大輪のひまわりがとても印象的。 [DVD(字幕)] 6点(2014-08-15 23:32:23) |
75. 小さな恋のメロディ
《ネタバレ》 子供の頃にテレビで観て感動した映画を、久々に鑑賞。 トレーシー・ハイドが不滅のかわいさ。 今どうなってるかは知りたくない。 このままのイメージで。 メロディの笛とダニエルのチェロで合奏した「フレール・ジャック」。 日本では手遊び歌の「グーチョキパーでなにつくろう」で有名だが、これを聞くとこの映画のシーンを思い出す。 音楽は「メロディ・フェア」などビージーズのBGMと映像がうまくマッチしていて、その曲を聞くと映画のワンシーンが浮かんでくる。 宿題を忘れたダニエルとトムは先生に呼び出されて尻に鞭打ちのお仕置きを受ける。 メロディが部屋の外で待っていて、それを見たダニエルがトムを置いて二人で帰っていくのに、さすがイギリスの先進性を感じた。 友達を置いて女の子を優先するなんて、当時の小学生では絶対にありえない。 想い出をたどれば、男女の仲は良くてクリスマスパーティやバレンタインデーなども盛り上がったが、一対一で付き合った者は一人もいなかった。 おそらくデートをしただけで、めちゃくちゃ冷やかされただろう時期。 好きな子がいても、暗黙のルールがあるように誰もそこまでしなかった。 ありえないだけに、余計に憧れたような気がする。 ダニエルとメロディのように、学校をさぼってデートする相手が早く欲しくて。 今みると、ダニエルよりトムの方に好感を持つ。 女の子を優先したダニエルと仲直りして、自分たちで結婚式を挙げてやるなんて、何ていいヤツなんだ。 こういう良い悪ガキは頼もしい。 今の小学生の実情はしらないが、学級崩壊のニュースは耳にする。 そこでの問題行動は、この映画での子供たちの問題行動とはまったく異質のものだ。 トムやダニエルたちのは理不尽な大人たちへの反抗で、明るく健全で痛快な問題行動だから。 主人公と変わらない年頃にこの映画と出会えたのは幸運だった。 違うタイミングで観ていたら、これほど共感できなかったと思う。 出会うタイミングで特に印象が変わるタイプの映画があるが、これなどはその典型だろう。 [地上波(吹替)] 9点(2014-08-11 01:35:14) |
76. 冬の華
健さんはいつもの健さん。 不器用ですから。 倉本聰脚本ならもっと違うものを期待したけど、普通の任侠ものだった。 殺した相手の娘を足長おじさん的に育てるのもベタな展開。 やたら物悲しい音楽はかえって耳障り。 [ビデオ(邦画)] 4点(2014-04-25 21:51:47) |
77. 戦国自衛隊
角川映画全盛期の豪華キャストが目を引くものの今観ると、ちゃちな生首、わざとらしいアクション、違和感のある挿入歌や臭い演出など古臭さを感じさせる突っ込みどころは幾つもある。 やっぱり半村良の原作のほうがずっといいけど、時間的な制約から省略されて設定が弱くなったのは仕方のない面も。 細かいことにすべて目をつぶればそれなりには楽しめる。 [DVD(邦画)] 4点(2014-03-01 15:20:28) |
78. アルカトラズからの脱出
《ネタバレ》 実話を元にした長所と短所が同居しているように感じた。 ドキュメンタリーのようにリアルで実際の逃走劇を想起させる反面、物語としては淡々として盛り上がりに欠ける面も。 余計な演出を極力排した硬派な作りは玄人好みで評価の分かれるところだろうが、自分にとっては地味であっさりしすぎて物足りなかった。 脱獄ものとしては方向性が逆の『大脱走』や『ショーシャンクの空に』『パピヨン』にエンターテイメント性やカタルシスの面で惹かれるし、同じような静かでリアルな緊張感なら『穴』のほうがインパクトがある。 [DVD(字幕)] 5点(2014-02-17 20:16:16)(良:2票) |
79. カプリコン・1
見る時期に左右される作品か。 公開当時としてはタイムリーでリアルなんだろうけど、今見ると粗が目に付き、鮮度を失う類の映画に思える。 偽装工作は子供騙しに見えるし、追っ手の詰めの甘さも相当ご都合的。 車の暴走やヘリとの空中戦は見応えあり。 ラストはその後の展開が容易に想像できるのであの切り方でもアリかと。 [DVD(字幕)] 5点(2014-02-16 20:59:30)(良:1票) |
80. 激突!<TVM>
《ネタバレ》 車を運転する者なら誰でも経験するマナーの悪いドライバー。 それがトラブルになって極限までエスカレートするとこうなるのか。 些細なことから偏執的でイカれた人間の怒りに触れてストーカーのような狂気に付け回される恐怖。 この手の人間の厄介さは大なり小なり経験したり見聞きするものなので、とてもリアルで感情移入しやすい。 だから、これ以上ないほどシンプルなストーリーなのに入り込んで最後まで引っ張られる。 [DVD(吹替)] 7点(2014-01-18 21:05:24) |