81. パルプ・フィクション
サミュエル・L・ジャクソンの「アクターズ・スタジオ」インタビューを見ていたら、タランティーノのこの映画での演出ぶりを話していた。 実に抱腹絶倒だった。 何たって、サミュエルったら、タラちゃんの顔マネまでしてたんですよー。 おっかしかった。この映画があまたあるほかの映画とまーったく違うテイストを持っている理由が改めてわかった気がした。 <追記>上記インタビューを見てからもう何年も経ってしまったので、細部は忘れてしまったけど、タランティーノは「このシーンは○○という映画の○○のような顔をして!」というような指示出しをしつつその顔を自分でして見せてたのだそうな。で、「アクターズスタジオインタビュー」では、サミュエルがその話をしつつ、「○○をマネしてるタランティーノ」のマネをしてたの、確か。その顔がめっちゃおかしくて、めっちゃかわいくて。タラちゃんの映画に関する博識ぶり、溺愛ぶりがわかるエピソードで、そのタラちゃんを心から尊敬し愛してるサミュエル、というのもわかって、もう嬉しくて嬉しくて。この作品そのものの面白さはもちろんですが、このときのインタビューが忘れられないです。ユーチューブとかで見つからないかな。探してみよっと。 [ビデオ(字幕)] 9点(2003-08-05 00:08:25) |
82. 鉄道員(1956)
「ぽっぽや」は「ぽっぽや」と名乗ればいいのに、えーい、腹が立つ。そう言う私はそうよ、中年オバサン。「道」のようにエライ事に気づいちゃうと自分もガックシだから、これは見直すのをやめておこう。重苦しい家族間を癒してくれるかのような末っ子の男の子のかわいらしさが、忘れられません。冒頭シーン、よかったですね。 9点(2003-07-19 01:24:02)(笑:1票) |
83. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
天才の苦悩と聞けば「ゼイタクな。勝手に悩んでれば?」と思う気持は私にもありますが、とはいえこの映画は普遍的な名作だと思います。主人公が天才的なのは、テーマをしぼりこんでいった、「あとづけ」の設定では? マット・デイモンとベン・アフレックは決して、天才だからこうだ、というふうに描いているわけではありません。自分を肯定できず、孤独という闇に迷い込んでしまった若者、というのはステロタイプですが、エピソードどまりではなく、どう乗り越えていくかまで描くのは、小説ならともかく、映画では案外難しいテーマではないでしょうか。そこに果敢に挑戦した点がまずいい。ありそうで実はなかったタイプの映画ではないかと思います。次にやはり脚本がいい。たたみこむような小ネタから、ラストのしみじみとした感じまで、言うことなし(ラストががっかりという声もありますが、私は好きです。淡々としていて)。若者二人でよくぞここまで心の機微を捉えたシナリオが書けたものだと思います。登場人物がいい人ばかり、というところはひっかかりますが、かといってバランスをとるために出すカタキ役って予定調和的。若い感性は、そういう「よくある感じ」をきらったのではないかと思います。ロビン・ウィリアムスの役がやはりキーパーソン。ヘタをすればくさくなるのに、今回は彼が抑えた演技で(アカデミー賞狙い?だったのかしら。でも狙ったからといってとれるもんでもありませんよね)、全体のトーンを乱すことなくちゃんと役その人を演じ切ったから、自然な感動が湧き上がってきました。受賞も納得です。主役のマット・デイモンは線が太いタイプなのに繊細な表情や演技のできる、これからますます楽しみな俳優の一人です。ミニー・ドライバーは、お気に召さなかった人が多いようですが、あの役にカワイイ系の女優は合いませんよ(キッパリ)。もしそういうキャスティングだったら、セリフがそらぞらしくなり、駄作になっていたことでしょう。 9点(2003-07-13 11:51:52)(良:2票) |
84. トレインスポッティング
この映画が好きと軽々しく言うと顰蹙を買うかもしれないけれど、でも好きです。但し、この映画を私なりに的確に評しようとすると、難しいなあ。時代の閉塞感にフィットした、「旬」を感じる作品だったと思うので、あっという間に色あせた感は、残念ながらあるし。時折ミュージック・クリップ的に使用される冒頭シーンをチラッと見ると、そんな気がします。ただ、見直そうにも、二度目が見られない。あのシーンで、自分も吸い込まれていきそうで。コワイよおー。<追記:これを観てクスリを始めた若者も多いのではないか、という批判も知っています。もしほんとにそうであったら、とても残念。「現実」というものの救いようのなさ・・だけどそんな中でも我々はどうして生き続けていくんだろう・・映画を教訓にするかしないかは自由ですけれど、でもね、そういうことを考える映画であってほしい、強くそう思います。とはいえ、それとは別にこの映画は「切な・カッコいい」のも事実。冷静に受け止めてほしいです。まあたいていの人はそうだろうと思うので、こういうのをロウバ心というんでしょうけど。> 9点(2003-07-10 22:33:07)(良:1票) |
85. シェルブールの雨傘
30数年ぶりで見ました。号泣。美しくせつない映画、なんて、ありきたりな言葉を書いた自分が、情けないです。こんなにせつなすぎる映画を観た事はない!!!と断言してもいいです。ミュージカル嫌いのオット、ムスコも、最後は言葉がありませんでした。時代が引き裂いた二人を痛切に描き、だけど、登場人物を公平に描いている点で、ミュージカルというか音楽映画にした意図?はとてもこの映画に合ったものだったのではないかと思います。8点としてましたが、再見にあたり、満点ではないけれど9点を献上せずにはいられません。 [地上波(字幕)] 9点(2003-07-10 20:20:26)(良:1票) |
86. マイ・リトル・ガーデン
これもこのサイトの高得点を見て、借りた1本です。珠玉と呼ぶにふさわしい、素晴らしい映画でした。見る前は、主人公はもうちょっと小さな男の子を想像していたのですが(タイトルのあまったるさのせいですね)、12歳くらいかな。彼の美しさと精神の強さに、本当に感動しました。途中までは「10点!」と思っていたのですが、ラストが説明不足かなと思い、9点にしました。映画全体の完成度からいえば10点です。 9点(2003-07-06 22:17:33) |
87. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2
あれだけの完成度の「1」をいったんこわしても、「1」もビクともしない(どころか面白さが再発見できる)し、「2」も面白い。そこが一番スゴイわ(もっともね、「1」をいじるな~、と言いたかった人の気持もわかる。わかるんだけどね、でもこういう「オモチャ」は神格化<オオゲサな言い方だけど>しないほうがいいと思う。そういう意味でも、この路線はこれでよし、と思うの)。「1」よりかえって細部まで凝っていて、映画らし~いダークさも快調で、これもやはり名作、と言うっきゃないでしょう。 9点(2003-06-20 22:44:30) |
88. マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
《ネタバレ》 哲学的でありながら純朴なイングマル少年。 ハルストレム監督は、子どもの本質的な姿を描いたのだと思います。 いや、人間の本質というべきか。 悲しみや苦しみを、叫ぶのではなく、かといって抑えこむのではなく、ナチュラルに表現しています。 だから、映画の登場人物と同じリズムの息遣いで一緒にハラハラしたり、しんみりしたり、ユーモアにクスリとしたり。 つまり、わざとらしさがないのです。 そのかわりはっきりしたヤマ場はありません。 あえて挙げればボクシング場面? 人工衛星(?)の場面? どれもなぜかあっというまに「落っこちて」しまう「オチ」なので、カッコ悪いばかりでありますが。 ま、味のあるかわいい顔ですけど、アイドルとかヒーローというわけではないイングマル少年。 彼に共感が湧くか湧かないか、そこがこの映画を気に入るかどうかの分かれ目かもしれません。 不器用でドンくさい少年・少女時代を、ある程度客観的に見られるようになった世代にこそお勧めします。 (いやもちろん、不器用じゃない、ドンくさくない少年、少女の皆さんもいらっしゃるだろうけど、まあそういう人には、元々この映画は向かないでしょうな。) 9点(2003-06-20 22:25:09)(良:1票) |
89. ダイ・ハード
スカッとしたりウットリしたり、オイオイとつっこんだり、アレレと呆れたり。この映画は、そういう、映画ならではのお楽しみ満載だったと思います。ゆうことなし。 9点(2003-06-02 13:52:24) |
90. 彼女を見ればわかること
こういう、「映画でなければ表現できない世界」をもった作品はいいですね。 「映像へのこだわり」は近年、CGとか特殊メイクとかそういうほうばかりへ行ってしまって、こういうアナログ的世界が忘れられすぎてると思う。 良心的な供給側の人たちにもそういう思いはあるのだろう。 多くの女優がこの映画に出たがったということ、また実際にゴージャスな出演陣であることが、そのことを裏付けている。 内容はほのぼのしたものもありはしたけれど、ヒリヒリとしたものが多かった。 でも、多くの女優の「映画づくり」に賭ける意欲が伝わってきて、そのことに心がなごんだ。 [映画館(字幕)] 9点(2003-06-02 12:43:37)(良:2票) |
91. マイ・レフトフット
母と息子を描いた映画で、これ以上すばらしい作品は思い出せない。障害者を描いた映画が苦手な人は多いと思いますが(それだけで安直な気がしてしまうの、よくわかります)、これだけはそういう先入観を捨てて、見てほしいと思います。アカデミー賞には私もときどき首をひねってしまうのですが、主演男優賞、助演女優賞、どちらもむちゃくちゃ納得できる作品です。 9点(2003-06-02 09:30:45) |
92. ボクサー(1997)
「マイ・レフトフット」「父に祈りを」と同じ監督だったんですね。納得。ダニエル・デイ・ルイスも安心して仕事に集中できたのではないでしょうか。重たい名作ですが、名優二人の逢瀬のシーンは、ラブストーリーのファンにも十分に見ごたえがあるのでは? 地味とばかり言われているようですが、徹底的に役作りをするルイスのボクシングシーン、子どもの視点も絡んでくるストーリー展開、最後のクライマックスなどは、ちゃんとエンタテイメント好きにも満足行くのではないかと。冒頭、シャドウボクシングをしているシーンも、カッコいいし、その孤独な姿が次の展開を暗示していて、秀逸だと思いました。 口当たりのよい映画ばかりでなく、こういう映画も観たほうがいいですね。但し疲れすぎていないときに。 9点(2003-05-17 20:04:49) |
93. めぐり逢い(1957)
《ネタバレ》 (不正確な記憶ですみませんが・・)ほら、「めぐり逢えたら」で、「あの映画を見て泣かなかったら女じゃない」みたいな話をしていて、それだけで女たちがダーダー泣くじゃないですか。あのシーンを見て、女心に東西はないのネエと、おかしいようなうれしいような気がしたのでした。私も、昔から何度もTVの名画劇場で見て、そのたびにラストのシーンでダーダーと泣いたものです。この際、私はデボラ・カーみたいな美女じゃない、ということは関係ない。その瞬間は絶対に自分が彼女であり彼であるような心境になっているんですよね、映画のちからってフシギだ!(けっこうありがちなストーリーなのにどうしていつも新鮮に見られるんだろと、何度観ても不思議でしたが、どなたかの書き込みを読んで、あーそうかー、と。観客は簡単に再会するはずがないと思っているのに、実にあっさりと再会し、シラッとしてしまう。おヘソはあそこですね。あのシーンとラストシーンはシナリオを書いてても、撮影してても、面白かっただろうなー。うーん、ジェラシーを感じてしまうわ) 9点(2003-05-16 22:15:45)(笑:1票) |
94. トーチソング・トリロジー
ハービーはゲイ俳優としてアメリカでは一番有名な人ですよね。アメリカの芸能の世界でさえ昔はゲイが排斥されていた、そんな頃からのベテランと聞きます。「フィラデルフィア」とか「ミセスダウト」にも端役で出ていたと思いますが、実は今やブロードウェイを代表する名プロデューサーとか。その彼が、昔オフ・ブロードウェーでロングラン・ヒットさせた芝居が、本作の元になっています。私は日本の劇団による上演版を観ていますが、ストーリーはほぼ映画と同様でした。脚本ももちろん彼。熱くてせつない映画です。母親との微妙な関係も描かれており、ゲイでない人にとっても共感しやすい内容なのでは? 私は、ときどきむしょうに見たくなります。この中のマシュー・ブロデリックを見たら、彼を見直す人も多いのではないかしら。 9点(2003-05-11 13:00:48) |
95. いつか晴れた日に
皆さんも口を揃えておっしゃっていますが、この映画のすばらしい点はアンサンブル。 中でも女優陣の演技のすばらしさで、それを生み出した最大の原動力は、脚本&主演のエマのすばらしさだと思います。 そしてもちろん、ケイトも輝いていましたね。 「タイタニック」のときのつまらなさが、ウソのようです。 また、エマの編み出したセリフ一つ一つの完璧さ! ほんとに、エマってたいした才能の持ち主です。 特に、元ダンナのケネス・ブラナーと違って、「やりすぎでない」点が、ほんとにすばらしい! 記憶では、この映画は離婚後の作品ではなかったかと思います。 それまでケネスからふられていたような派手な役柄ではなく、彼女本来の持ち味であろう地味な役柄での本領発揮を見て、ケネスに対する「本当のわたしはこうよ」という自己主張まで感じてしまいました。 深読みのしすぎ? でも、そういう見方もまんざら「間違い」じゃないんでは? と思います。 <追記>前々から、本作でエマは脚本賞をとったはずなのにおかしいなと思っていましたが、管理人のたかさんから、原作ものを脚色した場合の賞は脚色賞ですよ、と教えていただきました。 そんな基本的なことも理解してなかったです。すみません。 で、本作はオースティンの名作が原作ですから、脚色賞、というわけです。 下記に記載がないのは、このサイトではまだ脚色賞をデータ対象としてないかららしいです。早く採用してほしいなあ・・・。 エマが主演女優賞だけでなく脚色賞もノミネートされ、かつ脚色賞のほうは受賞したということ、ぜひ多くの人に知ってもらいたいです。 それを知った上で本作の、特にセリフに注目して見てみたら、いかに素晴らしい脚本か、ということに改めて驚かれるのではないかと思います。 私は、自分は女性ですが、実はこういうタイプの女性映画はこれまで少し苦手でした。 でも、本作のようにきちんと作られたものは見応えあるということを再認識しました。脚本のよさだけでなく、東洋人の男性監督が作ったことによって、何か不思議な重厚性が生まれた様な気がしないでもありません。 <再度、追記>その後、脚色賞受賞というデータを付け加えていただいたのですね、たかさん、ありがとう。 [ビデオ(字幕)] 9点(2003-05-10 11:41:10)(良:1票) |
96. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
感動するよと聞いていたけど、冒頭はいつもとほとんど変わらないしんちゃんだったので、「なーんだ」と思っていたら、ひろしの回想シーンでガッツ―ンときました。グッとこみあげました。こ、これが手だったのか、ずるいぞ監督! い、いや違った、すごいぞ監督! このシーンからあとの緩急の変化をつけた展開も、マジにすごすぎます。このレベルでの前評判を聞きながら、「ほんとによい」と思えた映画は、まれです。ほかになかった、と言い切ってもいい。それと、こういう作品を生み出すちから、またこれを鑑賞してそのよさがわかるちから、というのは、手塚治虫を筆頭として、多くの才人が日本のマンガ、アニメというものをつくり、また観客が支持して育ててきた「底力」があってのことだと思う。かつて、欧米人は電車の中でマンガを読みふける日本人を見て呆れてるとかいう話を聞くと、私も内心「恥ずかしい」なんて思ったものだったが、今は「それはちがーう」と、胸を張って言いたいね。宮崎監督の最近の作品に対しては私も不満だけど、あのアカデミー受賞は、こういう日本の底力があってのこと、と解釈したい。私はナショナリストじゃないけど、日本はすばらしいものを持っているなあ、と「クレしん」でつくづく思わされました。 9点(2003-05-10 09:16:24)(良:1票) |
97. ハッシュ!
よかったー! 細部までとてもナチュラルでした。たとえば蕎麦を食べるときのナオヤの手つきとか・・。彼の演技の秀逸さは「手」ですね。全然わざとらしくないの! 朝子の、切実さのこもった、アドリブ的に見える演技にも共感しました。なんか、この映画に関しては俳優サンの名前でなく、役の名前で呼びたくなるのです。脇役に至るまで、監督の求めるものによく応えてる感じなんだけど、がんばりすぎてなくて、とにかくナチュラル。だから個人としてみんなちゃんと立っている。『二十才の微熱』と比べると、誰にでも薦められるエンタティメントに昇華されたなー、と思います。ただ、『二十才の微熱』のラストにこめられた、身を削られるほどの切実さはすでにないんですよね。時代も、監督も、大人になった、ということだと思います。プレ・ハッシュ!として、『二十才・・』も、ぜひ多くの人に見て欲しい。 9点(2003-05-04 23:17:41)(良:2票) |
98. ディナーラッシュ
レビューをさらっと読んで、頭にタイトルだけインプットしてあったのですが、ビデオ屋に入荷したのを知り、さっそくレンタルしました。 すごく芳醇なものを見せていただきました。 ラストについてのコメントなどすっかり忘れていたので、その意外性も十分楽しむことができて、ゴキゲン! 中身で勝負のこういう映画を見せられると、邦画のおそまつさが余計情けなくなります。 よく、「日本映画は予算がないから、土地が狭くまたロケの規制なども多くてスケールの大きい“絵”が撮れないから、ピストルなんかをパンパン撃ち合うようなストーリーにムリがあるから」等々の、いい映画をつくれない言い訳ってあるじゃないですか。 この映画など見ると、そういうたわごとが恥ずかしくなります。 とにかく一見の価値あり。お勧めします。 [ビデオ(字幕)] 9点(2003-04-27 09:30:06) |
99. 12人の優しい日本人
これは『十二人の怒れる・・』とはまったく別物。同列に比較して論ずることはまったく意味がないと思います。パロディーとは言わば「からかい」なんですから。同列に論じたら、本家に対しても失礼。とはいえこの国にはいまだ確立した解釈はないので、みんながそれぞれ勝手に思い込んでますね。誰か何とかしてほしいもんです。まとにかく、これはコメディの一作品。アハアハと笑いつつ、最後は鮮やかなオチにうなる。完璧! 蛇足ですが、そもそも日本の陪審員制度、という設定からすでに「ギャグ」(将来はこれがギャグとして通じなくなると思うとそこは残念)。だから(解説するのもおこがましいが)本作はトボケた味が身上です。本家のようなシリアスさ、重厚さとは無縁。三谷氏のセンスのよさは、元ネタの重々しさを逆転して、ここまで軽い笑いに持っていき、しかも多かれ少なかれ誰にも「日本人てこうだよなあ」と思い及ばせたこと。また本作は「舞台としてはよくても映画としてちょっと」という声もわかるけれど、中原監督はかなりがんばったと思います。キャスティングもよかったしね。 [ビデオ(邦画)] 9点(2003-04-11 22:15:04) |
100. スタンド・バイ・ミー
ふとあるとき思いました。「自分もこんな少年(少女)時代を体験したかった」と。 体験した痛みもあれば、体験しなかった痛み、というのもあるんだよね。きっと。 ノスタルジーってそういうものなのかも。 少年ものなのに、私たち女性の心をも打つのがなぜか、少しだけ分かったような気がしました。 まさに、「ずっとそばにいてほしい」映画です。 あとから小説も読みました。映画のほうがよかった部分もあれば、小説のほうがよかった部分もある。 映画が気に入った人はぜひ読んでみてください。 9点(2003-04-11 22:06:48) |