81. かぐや姫の物語
《ネタバレ》 日本の代表的な古典をそのままうまく取り入れた感じ。目新しさはないけれど、話の面白さは生きている。 でも、大きい感動はない。そんな映画。 《後補》見直してみて評価が上がった。田舎の素晴らしさと古典の面白いところがうまくミックスしていて、完成度が高い。 原作に忠実ではなく、現代風にアレンジされていて、たとえば捨丸とのふれあいは完全に創作であるが悪くない。 翁に反発するでもなく完全に従うこともない嫗の存在がある意味不気味なのだが、成金でどんどん欲深くなる翁に至っては、かなりの風刺と見ることもできる。 また感心したのは仏の御石の鉢のエピソード。原作とまるで違うアタックの方法なのだが、とても誠意が感じられる皇子に対してかぐや姫がかわす方法にとても心を動かされた。立派なことをおっしゃるけれど、やっぱりあなたも見た目で選んでるだけでしょって鋭い。 [地上波(邦画)] 7点(2015-03-15 15:27:27) |
82. ツレがうつになりまして。
うつに関する啓発としては悪くはないかもしれないけど、特別なエピソードもなくエンターテインメント性はほぼ皆無、娯楽として観たい人にはお勧めしません。宮崎あおいの役どころは難しいと思いますが、見事に自然体の演技ができていて感心しました。 [DVD(邦画)] 5点(2015-03-08 21:43:42) |
83. GANTZ:PERFECT ANSWER
《ネタバレ》 前作と同じで妙に間延びしたテンポが気になったものの、バトルシーンやオリジナルストーリーがなかなか良い感じ。 星人とのバトルをむやみに出さず、黒幕を作ったことも功を奏していた。 吉高は別としても、配役がしっくり来ているのは評価したい。 最後のオチは「そうきたか~」という感じ。原作にないだけに新鮮な驚きでした。 [地上波(邦画)] 4点(2014-04-12 07:47:58) |
84. GANTZ
配役は合っていたし、田中星人などのバトルも迫力があったのだが、全体的な画面の暗さと妙に間延びしたテンポが気になった。 とくに仏像編は暗くて何が何だかという感じ。もし本気で原作の迫力を出すなら大がかりな仕掛けが必要であり、コスト的にも大変だと思うが、今回のように中途半端にやるぐらいならフルCGに近い形で見せたほうが良かったと思う。 [地上波(邦画)] 3点(2014-04-12 07:36:36) |
85. おおかみこどもの雨と雪
《ネタバレ》 とても良かった。 話にリアリティがあるし、声優陣も素晴らしかった。 父親のおおかみが序盤で亡くなってしまう展開に驚かされたが、母親の花という女性が懸命に女手一つで子供を育てる姿を見られたことで身が引き締まる思いがした。 それとともに、自分の幼少期がいかに恵まれていたかを実感して涙が出た。 印象的なのは、雪が学校で草平に対して正体を現し、それを草平が受け止めるシーンでカーテンを効果的に使っていたこと。ひ弱で軟弱だった雨が、いつからか強靭な肉体と精神を持つまでに成長していったこと。それを見守る笑顔の花。 客観的に見ればかなり悲惨な状況の家族かもしれないが、私の心に沁みる作品だった。 [地上波(邦画)] 8点(2013-12-21 10:43:32)(良:2票) |
86. 岳-ガク-
《ネタバレ》 空撮をはじめ、山の雄大さと厳しさなどの迫力はヒシヒシと伝わってきた。 しかし、「海猿」の匂いがプンプンしてきたところからイヤな予感が的中。人間描写があまりに安っぽい。 とくに終盤、遭難者の生存確認をしてハイタッチで喜んでる場合じゃないだろ、とツッコミどころも満載。エピソードもぶつ切りでまとまりにかける。 山の映像や三歩のキャラクターは良かっただけに、冬山遭難→三歩が救助という極端なワンパターンが繰り返されたのももったいなかった。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-06-18 22:14:40) |
87. サラリーマンNEO 劇場版(笑)
わざわざ劇場にお金を払って見に行くほどではない。 「サラリーマンよ、リスクを恐れずに攻めていけ」というメッセージは良いが、テレビ版のような毒気は失せている。長編ドラマは時間が長く感じた。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-05-13 05:57:29) |
88. 塔の上のラプンツェル
《ネタバレ》 あいかわらずのバタバタ、ドンデン返しのオンパレードという展開はあまり好きじゃないが、分かりやすい物語に加えて、「自分を縛っている存在から解放して夢を追う」という大事なことを思い出させてくれる。 映像の綺麗さは言うまでもないが、ロバやカエルといったサブキャラクターの使い方がじつにうまく、たびたびニヤッとさせられる。静と動の切り替えも妙。 欲を言えば、ラプンツェルが塔へ戻るくだりは省いて、二人(+動物たち)の冒険をもう少し観たかった。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2012-09-26 14:35:55) |
89. 借りぐらしのアリエッティ
《ネタバレ》 トトロの古民家や千と千尋の冒頭部分などをすごく意識した作りに感じた。 それらを過去の遺産を寄せ集めて、無難に仕上げた印象。その分心に残るものが少ないのはどうしてか。 自然と調和した暮らし、あいかわらずのヒロインや寡黙な父・上品なおばぁちゃんに代表される古き良き理想像はたしかにウケる。 そこでやめとけばいいのに、家政婦と母親をヘンテコな人間に描いてしまったから収まりが悪いのだ。 意地悪で二面性がある家政婦はまだ分かりやすいから良いとして、心配性でパニック障害の母親まで持ってくるのはやり過ぎだろう。 もっと普通の人間像を出していいと思う。 とてもきめ細かくて美しい背景や、「借り」のシーンでの動きのダイナミックさが良かっただけに残念。 それと、アリエッティと翔の心の通い合いがもう少し丁寧に描けていれば。 起承転結であるところの承と結が弱いのがもったいない。 [ブルーレイ(邦画)] 5点(2012-09-14 11:51:54) |
90. ソーシャル・ネットワーク
《ネタバレ》 期待はずれ。 もちろんアカデミー賞候補だけあって、作品のレベル自体は高い。 でも、どこまでが実話なのか分からないのは問題。 最後にもっともらしく訴訟額まで具体的に示すのなら、ドキュメンタリーで作ってくれたほうがまし。さんざん金金金、パクリ、裏切りとネガティブな話ばかり描いて、最後だけ情感に訴える演出をされてもねぇ。見終わったあとの気分は微妙。 それに登場人物の会話が複雑で、時間軸も行ったり来たりするのも分かりにくすぎてマイナスに作用していると思う。 [DVD(吹替)] 4点(2012-07-03 19:53:52)(良:1票) |
91. ソウル・サーファー
《ネタバレ》 「人生の教科書」ともいうべき素晴らしい作品。 のっけはブレた画面にコロコロ変わるシーンの連続で落ち着かないのだが、主人公が腕を無くしてからはシーンやセリフがことごとく胸に突き刺さってくる。 その感動も押し付けがましいものではなく、主人公ベサニーに自然と感情移入してしまう作りになっている。 何よりラスト。この映画が実話に基づいて作ったということが明らかになるところで、もう胸が一杯になってしまう。 特に印象深かったのは、主人公がタイのプーケットで自分がやるべきことを見出すシーン。 今の自分の境遇にピッタリくるものがあった。 サーフィンの迫力だけなら他の映画も良いけれど、ストレートに勇気をもらいたいという人に特にオススメ。 [映画館(字幕)] 9点(2012-07-01 23:13:58)(良:2票) |
92. あんてるさんの花
気になる女優が出演していたので鑑賞。 実に惜しい。落ち着いたトーンで雰囲気が良く、登場人物の情感がうまく描けているのに、肝心の脚本がイマイチのために??のシーンが多々あった。単館上映のため吉祥寺周辺を盛り上げようというメッセージも強く、マイナー感が最後まで拭えなかった。 [映画館(邦画)] 6点(2012-07-01 09:31:13) |
93. パーマネント野ばら
俳優陣の演技は素晴らしいのだが、作風が肌に合わなかった。 パーマをかけたおばちゃんや、電柱をノコギリでひくおっちゃんなど、設定が現実離れしていて、やけに鼻についてしまうのである。 せっかく、人家と海との距離が近く瀬戸内海の良さが出ている宿毛の海をロケ地に選ぶのなら、こういうドロドロした展開のような作風はふさわしいとは思えない。 ところどころ出てくるコミカルなシーンもネタとして突き抜けるにはいたらず、観客は大笑いしていいのかその都度戸惑っていたように見えた。 [映画館(邦画)] 3点(2011-10-30 20:15:52)(良:1票) |
94. ヒックとドラゴン
《ネタバレ》 全体的に画が素晴らしく、空を飛んでいるシーンも地上の景色まで手を抜かないで作られていて、まるで自分たちも空を飛んでいるかのような浮遊感が味わえる。 ストーリーも、見る人の立場に立って矛盾がなく丁寧に作られており、ここまでは高評価。 子供向けのファンタジーということもあり、なんでもうまくいく出来すぎのエピソードに苦笑していると、突然障害が残ったまま話が終わるという驚愕の展開に空いた口がふさがらない‼何なんですか、これ。 夢を見ている子どもに、最後に現実という刃を突きつけるなんて、人が悪いや。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2011-07-11 22:19:08) |
95. 劇場版TRICK トリック 霊能力者バトルロイヤル
あいかわらずニヤリと笑わせてくれるトリック節満載で楽しませてくれる。 かなりバカバカしいんだけど、そこが良いのだ。 マツケンの存在感もさすがだし、彼にまつわるエピソードも説得力がある。 後半にかけて少しダラけたのは残念だけど、シリーズファンは楽しめる出来。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-07-11 22:01:10) |
96. ミツバチの羽音と地球の回転
祝島でのドキュメンタリー風タッチの出来が素晴らしい。 島民の心情に迫りながら、押し付けがましくなく原発問題の波紋を受け止めている。 ところどころで瀬戸内海の素晴らしい自然と風土を織り交ぜ、 見る者に深刻な問題を考える時間を与えてくれる。 ただ、反対派島民の意見だけでなく、推進派島民の意見も聞きたかったというのが本音。 スウェーデンのエネルギーを掘り下げていくところでは、 一つ一つのエピソードが分かりにくく、尻切れトンボ気味になっていたのが残念だった。 [映画館(邦画)] 6点(2011-02-28 22:03:57) |
97. トイ・ストーリー3
あまりの高評価に、居ても立ってもいられずに鑑賞。前作、前々作を見ないで続編を見るのは初めて。しかも、ずっと避けてきた3D映画を見るのも初めて。 評判通り完成度が高く、涙あり笑いあり感動ありの3点セットで、魅力的なのは分かった。終盤にもらい泣きしてしまったぐらい、ツポを突いてくる点も評価できる。1や2を見て感情移入できるプレーヤーがいれば、なおさら得点は高くなるという気持ちも分かった。 しかし、子供向けアニメにありがちなドタバタの展開に早口のセリフの応酬は、ゆったりまったりとした雰囲気が好きな自分には正直つらい時間帯もあった。たとえば、バズのスペイン語バージョンで、カウボーイやフラメンコ風に歌って踊るシーンのノリとかね。 まあしかし、全体を通してアイデアと細部の決め細やかさはさすがに素晴らしい。フルCGで表現できる映画の無限の可能性というか広さを感じた。 [映画館(吹替)] 7点(2010-08-28 19:28:02) |