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パブロン中毒さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 914
性別 女性
ホームページ http://ameblo.jp/cluttered-talk/
自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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81.  ライフ・イズ・コメディ ! ピーター・セラーズの愛し方 《ネタバレ》 
私はストレンジラブ役でしか知らないのですが、とにかく似ていると思いました。 色々と演出の工夫(?)もあり、正統なリスペクト映画の方向を捨ててある意味破綻させることで「人格破綻者」セラーズにふさわしい作品を目指した…のだろうか。 なにしろ、登場人物は「何事も見たいようにしか見ないセラーズの目に映る状態」で現れるわけですから、「子供たちがいつまでも成長しない」とか「元妻が老けていない」とか「母親が一定以上に老けない」とかいうことになります。 …けれど、「チャンス」出演後のセラーズは急激に老人になっています。本人が老いに気がついた、現実を認めた…ということでしょうか。 面白いのは、彼とかかわる女性はみな「母親」のように接するようになっていくところで、おそらく本人にそういった魅力があったのでしょうが…女性と見れば母親のようにしか扱えない、すべてを捨てて甘えることしか知らない〝永遠の少年〟セラーズ、困った男でした。相手が母親役をやってくれなくなると、キレて暴力に走ってしまうわけです。「どうして僕のことをわかってくれないんだ。僕は少年なんだ。かけひきとか包容力とか分別とか最初からあるわけないだろ。自分が子供なのに他の子供に寛容になれるわけはないだろ。僕が少年をやっているのに君がママをやってくれなきゃ反則じゃないか!」よ~くわかります彼の言いたいことは。まあ、母親役をやってくれた女性たちも、結局は途中で投げ出しました。無理ですよ白人女にそんなの。 こういう人こそ、一生独身で子供を作らずベートーベンのように生きるべきなのですが、真逆に行ってしまうところが…人生はままならぬ。 脚本の内容がそれほど厚くないので、セラーズによほど興味のある人でなければ、長いと感じると思います。尺は90分くらいで良かったのではないでしょうか。ともあれセラーズの破綻者ぶりがよくわかる一作。
[地上波(字幕)] 6点(2010-07-07 20:23:33)
82.  ウィッカーマン(2006) 《ネタバレ》 
前知識ナシで見たもので、当然「いまわの際の夢オチ」としか思えませんでした。 実際、それらしい描写が多かったですし。夢でしょやっぱり。 が、期待を裏切るB級ホラー的展開に…やめてくれよ本当に。 なんだかリメイクらしいですけど、夢オチにしたほうが良かったですよ。「数年前に、妊娠中の交際相手を殺して埋めたもしくは事故に見せかけて殺した」ということにすれば、つじつまも合うというものです。本人すらそのことを記憶から消していたのだが、爆発で失神していまわの際に、罪悪感が幻覚を見せた、ということです。私はずっとそのつもりで見ていたんだけどなあ。 あと妙に画面が明るいとか、尺のわりに内容が薄いとか、全体的に演出がB級ぽい感じがします。ラストなんかひどいものです。私は「いつニコラス・ケイジは目が覚めるんだろうか」と最後まで期待しつつ見ていたというのに…。
[地上波(字幕)] 4点(2010-07-05 17:33:21)
83.  マーゴット・ウェディング 《ネタバレ》 
ふむ、あえて作品中で触れられていないが重要なことがありますね。 これを抜きにしては評価しようがないというほど大事なことですけど、これって、金持ちの娘の話ですよね。 …マーゴとポーリンって、親が金持ちなんですよね。お嬢さんなんです。巧妙に隠していますけど。 それなもんで、この作品には人生に不可欠な「生活の心配」というものが、決定的に欠けているのです。カネの心配、住居の心配、親の医療費の心配。何もないです。 ポーリンは、稼ぎのない男と結婚を決め、将来の計画もないのに妊娠しますけど生活費はどっから出ているのか。…親が生前贈与でまとまったカネをくれているとしか思えません。なおかつ、「実家」をポンと娘にくれてやる。つまり自分達の住居はちゃんと別に確保しているということです。 マーゴは、離婚だ離婚だと騒いでいますが、真っ先に出てくるはずの「カネ」の心配は全くしていない。自分が作家で稼いでいるということもあるでしょうが、基本的に生活費の心配とは無縁。自分の不倫で逆に慰謝料をとられても不思議じゃないのに、カネの心配ゼロ。 私に言わせればこれって「生活費の心配のない金持ちの娘たちが暇つぶしでトラブってみる」というふうに見えます。 大部分の人間は「生活費の心配」だけでほとんど人生が終わっているのです。 余暇「スコーレ」がなければ文化は生まれない、確かにそのとおり。でも、この姉妹たちのように「生活の心配がないから他の事で悩んでみる」というのは、とても共感なんてできませんよ。それも大した問題じゃなくて「わざわざクスリ漬けになってみる」とか「自分から不倫して離婚を要求する」とか「避妊しないで婚前セックスして妊娠してみる」とか「わざわざダメ男と結婚してみる」とかなんですからさ。…違いすぎます、一般ピープルと。 息子のクロードが良かったです。ダメ母にしては素直に育った良い子ですね。 ベッキーのレイプ事件の話で大笑いするところを見せて「本当は合意だったんだな」と想像させるとか、便器の中の「何か」をチラッと見せて避妊具を想像させるとか、よくわからないチマチマとしたワザはありましたが、ほとんど効果はありませんね。なんの効果だかわかりませんが。 「退廃」を見せたいならこんなチャチなものではないし、「人生の悩み」として見て欲しいなら生活の心配がないことを「隠して」いるのはヘンなことなのだ。
[地上波(字幕)] 6点(2010-06-28 21:11:06)
84.  マルタのやさしい刺繍 《ネタバレ》 
私は「カレンダーガール」とかこの手の話は好きなんですが、どうもこの作品には素直に喜べないものがある。 マルタという女性のキャラクターは、強くて気品があって、いいと思う。 どうにも理解に苦しむのはフリッツとヴァルターという暴君な男性2名。 とくにフリッツなんか、あまりにも「悪者」にしすぎじゃないでしょうか。これでは、子供向け童話に出てくる悪者そのまんまじゃないですか。 でも見ているのはアダルトなんです。バカにしているのか? 実際の人間は「いいもん」と「わるもん」に分けられるほど単純じゃない。アダルトのみなさんはそのことを知っています。そしてこのお話だったら、「わるもん」を出してくるのはおかしいと思うのだ。 フリッツの人間らしさを「わるもん」としてではなく描写した部分がちょっとでもあったでしょうか?ヴァルターは最後の最後でそれを与えられていますが、フリッツには最後までありません。 さらに、店を破壊して「器物損壊罪」という警察沙汰になる危険をおかしてまで、他人のフリッツがマルタを攻撃するほどの理由が、それも説得力のある理由が、どこにあるでしょうか。 「良俗に反する」という理由だけで、そんなに他人のすることを邪魔するヒマと体力があるでしょうか。 そのへんがこの作品を飲み込めない、なにか「異常さ」を感じてしまう原因です。 全体を流れるテーマとして、「男性は女性が居ないと生きられず、夫でも息子でも何かと女性の足を引っ張るが、女性は男性を排除するのではなく折り合って共存していく。」ということが感じられます。 マルタたちのグループは、どんなにひどいことをされても「男性排除」は考えていないのです。しょせん女性は男性が好きなんですから、そんな非現実的なことはできないししないのです。 そういう意味でとても大人です。でも、男性たちの「異常さ」を感じてしまうのも事実。もっと、大人の童話風にトゲを抜いて作ってくれてもよかったのにね。80歳を超えていれば、それでもアリだと思うし。
[地上波(字幕)] 5点(2010-06-28 18:44:27)(良:3票)
85.  インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア 《ネタバレ》 
…私の思うバンパイアそれは「ポーの一族」!!! それが、トム・クルーズとかブラピとかバンデラスとか、なんかゴツいんだよなあバンパイアを演じるには~。みんな普段からジムに励んで筋肉維持しているような俳優ばっかでしょう。「ブレイド」のような割り切った作品とは違うわけだから、リアリティを重視してもらいたいものだ。 誰も貴族体型じゃないし、もっというと顔がちが~う。 クルーズもブラピもエラが張りすぎ。顔がファンシーすぎ。バンパイアじゃなーい。 ジェレミー・アイアンズがレスタトで、ジュード・ローをルイとか、そのへんを持ってきて欲しかったです。ジムに励んでいる俳優は吸血鬼はダメです。 そんなわけで、キャストで雰囲気ブチ壊し。全体的に18世紀って感じが全然しないまま照明でごまかしてる気がするし、パリに行ったって全然パリじゃないし。あの地下要塞とかちょっと美術がショボくないでしょうか。 クローディアのハイテンションぶりで話を引っ張るのでそんなに退屈はしないが、とにかくブラピのエラにばかり目が行くし。こういう話はキャストが合ってないと全滅する。ダメだ、私はニール・ジョーダンは好きなのに。 
[地上波(字幕)] 6点(2010-06-21 22:13:59)
86.  BOY A 《ネタバレ》 
ジャックとしてのピュアでシャイな少年像を見せたうえで、同一人物のはずのエリックがなぜ過去に残虐な殺人に加担したのか、そのへんを観客に納得させることにはとても気を使っていると思う。 エリックという家庭環境の不幸な子供がいました。勉強もできず、いじめっ子に殴られる日々。ある日、エリックよりもっともっと不幸なフィリップがいじめっ子からエリックを守ってくれました。エリックにとって信じられるのは、フィリップただ1人となって、フィリップにどこまでもついていこうと思いました。 疎外された少年たちが固い絆に結ばれて、絆を守ることがすべてに優先されて、エリックの年齢では善悪の判断がつかなかった。…そういうふうに説明していると思う。 が、カッターを握りしめて少女を追うエリックと、出所後のジャックには、同一人物とは考えられないほどのギャップがありますから「(追い詰められて自殺してしまうような)ピュアなジャック像」というのが先にあって、上の説明は後から考えたものなんじゃないかと。 テリーが情報管理にもっと注意したうえ息子に優しくしていたら、息子が金に目が眩んで密告しなかったら、白鯨ちゃんが新聞に写真を売らなかったら、クリスが電話でジャックを見捨てるようなことを言わなかったら、この中の一つでもなければ、ジャックは生きていた…と思われます。皆が少しずつジャックの自殺に加担しているわけですから誰ひとりこの件について「無罪」ではないということになります。 周囲のみんなが、少しずつジャックを死に追いやったのだ。 この人たちは罪を問われることはないが、ジャックはいつまでも憎まれたではないか…ってそら、やったことがやったことですから。そういう比べ方(をしているように見えるが)もヘンじゃないでしょうか。 エリック=ジャックという少年は邪悪ではなかったのだ、というふうに描かれていますけど、じゃあフィリップはどうなのかというと兄に虐待されなければ邪悪ではなかったので、ジャックを自殺に追い込んだ人たちも特に邪悪なわけではないのに結果的にそういうことをしてしまっていて、つまり全体を流れる思想は、誰ももともと邪悪じゃないけど誰もが少しずつ過ちを犯しているのだということで。 罪を犯していない者だけが石を投げよ、というふうに見えます。それだと本当に罪を裁けるのは神様だけということになります。またこんな感じ…。
[地上波(字幕)] 7点(2010-06-21 20:59:46)
87.  アメリカン・ギャングスター 《ネタバレ》 
ほとんどおもしろくはありません。 リの字もヤキが回ったなあ…という感想です。 私の想像では、オバマもファンだというHBO製のTVドラマ「THE WIRE」のデキの良さにあこがれて、負けじと作ってみたくなった、というところなのでは? 「THE WIRE」のシーズン1は、すごく面白いです。ほとんど依存症になりそうなほどハマります。脚本がすばらしいです。 同じ黒人ギャングと麻薬捜査班を描いても、ここまでつまらなくなってしまうとは…。 そもそも、このストーリーだったら2時間半程度に無理やり押し込むのは無理なので、「THE WIRE」が成功したのも連続ドラマというロングタームで勝負したからだ。 そこんとこがもうダメなのに、なおかつメインキャストが大間違い。 今さらデンゼルとラッセルだって、何を考えているんだ。デンゼルなんか50を超えているだろうに。 つまり、見ているとヒジョーに痛い感じがするのはさ、トウの立った有名俳優が無理をして若作りしちゃってさ、実年齢より20歳近くも若い役をやっている…しかも主役の二人とも。 画面がツラくなります。ラッセルの髪型が明らかにヘンなうえ、ハラが出ています。デンゼルのおでこにくっきりとシワがあります。 もう、そんなに無理するなよ、お二人さん。 そして一番問題なのは、デンゼルの演技です。私は、見ている間一度もデンゼルに凄みを感じなかった。一度も「怖い」とか「自分のそばに来て欲しくない」と思わなかった。「トレーニングデイ」の時は違ったけどね。 顔が〝いい人〟のまんま、演じていましたね。リの字の演出なんでしょうか。これではダメです。 あと正気を疑ったのは教会前での逮捕場面で「アメージンググレース」を流すセンスね。 本当にリドリーが考えたアイディアなのか??? リドリー・スコットはトニーと組んで「NUMBERS」とか「CIA ザ・カンパニー」とかTVドラマの制作総指揮をやたらにやっているここ数年ですが、それらの作品にはリドリーらしさなんて全然ありませんし、はっきりいって名義貸しで左うちわの状態なんじゃないでしょうか。 やっぱ今のカレはハングリー精神がちょっとでもあるとはとても言えないでしょう。そんな人が「黒人ギャング」を描いてもリアリティがないに決まってます。 …おっさんヤキが回ってます。
[地上波(字幕)] 4点(2010-06-20 00:07:06)(良:1票)
88.  ショック集団 《ネタバレ》 
3人の目撃者はそれぞれアメリカが抱えていた深刻な問題を象徴していたわけで、戦争(兵役)、人種差別、科学の暴走(盲信)というわけですね。人を狂わすほどの深刻な問題を挙げろと言われれば。 もう2~3年遅ければ、「マフィア」とか「国家的謀略」を抜きにすることはできなかったでありましょうが、それでも、この時点で「アカの脅威」とか逆に「アカ狩りの恐怖」は入れてこなかった。それらは戦争や人種差別や科学の暴走を押しのけてまで「人を狂わす」とは言えないと考えたのでしょうか。…ここのところのチョイスに作り手の意思が最もあらわれているはずなので、関心を持つべきはジャーナリストがいかに狂っていくかということよりは「チョイス」に対してです。 3人の目撃者がなぜか名乗り出た?そして氏名が公表されたか情報が漏れたという、著しく不自然な設定はリアリティに問題があります。 また白黒が残念な気がします。精神病院の雰囲気を白黒であらわして、記憶をカラフルなものとして強調したいというのはちょっと安易じゃないでしょうか。ともあれ、意欲作です。
[地上波(字幕)] 7点(2010-06-20 00:01:50)(良:1票)
89.  ラフマニノフ ある愛の調べ 《ネタバレ》 
身長が2メートルあって左手小指でドを押さえて親指でオクターブ上のソが押さえられるってさ、ググったらそう書いてあったけども、すんごく憎たらしい。 私の親指と小指がもう少し長ければ、もっと色んな曲が弾けたのに…って少女時代から悲しい思いをしてきた身としては、恵まれた手を持つ人なんか敵だ。先生に「練習すれば届くようになる」と言われてもそんなものはウソ。あの曲もあの曲も大好きなのにやっぱり弾けない。こんな気持ち、セルゲイには絶対にわからないだろうなあ。 というかさあ、ピアノの鍵盤の幅が間違っていると思うんですよ。 まあ、「この幅」でムリな人は弾かないでくださいってことなんですけどね結局。 恨みは深いのだった。でセルゲイだけども、なんだかそっくりの俳優さんなんですね。 何不自由ないご幼少時代というのはつまりは天国ですから、その後の人生は彼にとってすべてすべ~て「失楽園」ということだったみたいです。こういう人は鬱々として素直に人生を楽しめません。このパターンは、他の芸術家にもありがちです。太宰治なんかもこれに近いと思います。9歳から失楽園を生きつづけて地球上のあちこちを放浪したセルゲイ。天国で暮らした記憶はほんの数年なのに。 そんでまた、「弱い男」には「強い女」なので、ロシアの女の人ってなんて強いんでしょう。とーてもかないません。 失楽園を生きる弱い男セルゲイが、強い女にすがって生きていくという話でした。音楽のことは知りません。セルゲイ(のような手を持つ人)にしか弾けないようなピアノ曲は要りません。要りませんったら。
[地上波(字幕)] 5点(2010-06-16 22:36:20)(笑:1票) (良:1票)
90.  アライブ 《ネタバレ》 
ベイシンガーはLAコンフィデンシャル後ロクな役が来ないですね。 今回、お粗末な脚本でもこの役を引き受けたのは、離婚後の生活費のことはもちろんあるだろうが「実体験」とか関係あるんではないでしょうか。 元ハズが見ることを予想しているだろうからなあ。 彼らの離婚理由は明らかにされませんでしたが、やっぱ浮気と暴力は離婚に欠かせないでしょう。 作品内容のことはもうどうでもよくて、そっちの事に興味を持つくらいしかありません。
[地上波(字幕)] 4点(2010-06-16 18:54:16)
91.  ポルノグラフィックな関係 《ネタバレ》 
まずこの作品がエントリーしていたことに驚きました。 フランス語でしっとりと描かれる大人の男女関係です。 子供もいて離婚経験のある40代女性が人肌恋しさに大胆な広告を出します。 ここでアメリカなら逆手に取って脅迫されるか、ホテルの一室で惨死体で発見されるのが普通です。 でも、全然そうはならない。 現れた男性はごく優しい普通の人でした。そんなアホな。 男性はヘンタイでもなく犯罪者でもなく、金目当てに脅迫もしてきません。そんなアホな。 ああ~私はFOXドラマの見過ぎなんでしょうか。 インタビューで女性側がいろいろウソをついていることとその理由を想像してみることや、別離後の二人が外見を変えていることも、面白いですね。あのころの自分を早く忘れたい。もう、あの人と会っていたときの自分ではない。もしもどこかで偶然会ったなら、気がつかれないか、「見違えた」と思わせたい。「あの後の相手の人生には、きっと色々な出来事が起こっていたのだな」と思わせたい…。 結局のところ、男性の意気地なしが原因で別れてしまうのですが、長所は短所でもあるのですね~。 「優しい人」は「優柔不断」でもある、と。 そうでなければ、とっくに他の女が目をつけて妻か恋人がいるにきまってます。 秀逸なラストでした。きっと誰にでも経験がありそう。街角で見かけた元恋人を、黙ってやりすごす…。なんてせつないんでしょう。そんな時の相手は、かっこよく華やいで見えるものです。 女性の年齢をかなり高めに設定したことでリアリティが出ましたし、ヨーロッパの知らない俳優が演じていることも見る側にとっては条件が良いと思います。 ひとついえば、インタビュアーはどういうシチュエーションで質問にこぎつけたのかという疑問が残るが、こういう大人のロマンスをもっと作ってもらいたいものだ。 多くの大人に鑑賞後のせつない気持ちをぜひ味わって欲しいですね。
[地上波(字幕)] 9点(2010-06-15 17:26:44)
92.  ファウンテン 永遠につづく愛 《ネタバレ》 
ユダヤ系アメリカ人という西洋人であるところのア氏が、〝死に対する恐怖〟への克服を東洋思想やマヤ文明という「外側」に求めたという意味で画期的な作品です。 作品内には一切「創造神」の観念が出てきません。これは西洋人とくにユダヤ人が作ったということを考慮すれば「大変なこと」です。それだけ、「他の作品」には「それ」が必ずあるからです。 さて、そういう前提を踏まえてもう一度この(一見)難解な作品を見てください。 な~んだ、大して難しいことは言ってないじゃないか。 トリッキーな映像を駆使して観客を混乱させ、一時間半ののちにヒュー・ジャックマンのセリフまで引きずってきてやっと「オレは自分が死ぬことが怖くて仕方ない」という本音を聞かせるわけです。 「なんだそんなことか」と言うなかれ。それはあなたが今現在健康で若くて楽天的だからという、それだけの理由です。例えば哲学者の中島義道は、幼少時から自身の死を恐れ続けて哲学に進み、還暦を過ぎた今も死ぬのが怖くて気が狂いそうなのです。彼は哲学者なので、死後は「無」になると思っているからだそうです。 「自分はいつか死んでいなくなる」という恐怖の事実と共にどう生きるか、西洋人にとってはGODのまします「天国」に行くことが答えです。ア氏はこれを退けた。死後のイジーは天国に行っているわけではありません。 それはラストで「万物流転」という形で表現されました。…ア氏から観客への直球が投げられたわけです。しかし、キャッチしてくれる観客は少ないだろうなあ。 例えば普通の日本人だったら「難解なファンタジーですか?」という反応になる。 キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の信者にとっては、ア氏の直球を受け止めることはすなわち「改宗」を迫られることを意味します。これは大げさではありません。なんたって「全能の神はいない。死んでも天国には行けない。」のだから。 そういうような、危険な球を投げてきたある意味勇気あるア氏ですが、ひとつ指摘すれば彼の限界を感じる部分がある。 なぜ、妻が死ぬ側でなければならないのか。なんで逆ではいけないのか。 妻を救おうと奔走する夫って、あんまりにもありきたりじゃないですか。新しさを追求するならそこまでやってほしい。 ここは、逆にしてみるべきだったと思う。妻を聖女のように描かないでもらいたいしね。ここらへんが男であるア氏の限界。
[地上波(字幕)] 7点(2010-06-14 14:51:32)(良:1票)
93.  笑う男(1998) 《ネタバレ》 
公開が難しいうえ、冒頭に「イタリア当局によって文化的価値が認められています」などという異例の断りがあることの理由は2話目の顛末を見てもらえれば一目瞭然です。 …あのシーンが遠景にもかかわらず必要だったのかどうか、私にはよくわからない。問題のシーン無しでも、ことの顛末を示すことは充分できるのだが、作り手にとっては不可欠なシーンだったということだ。 1話目については、フェリーチェ、トビア、ジーノの三者の関係がトビア=フェリーチェの内なる弱きもの、ジーノ=フェリーチェの内なる悪だがもしかすると願望?とか、現実の自分の状況が夢では逆転するという医師の話をどこまでどう受け取っていいのかとか、浜辺に移動したあとのシーンはどこまで現実だと考えていいのかも、悩むところです。結局フェリーチェは入水したのですから。 問題の2話目、少年の名前は、新聞の記事の写真の下を見ると「ヴィンチェンゾ」だということがわかります。 しかし、ヴィンチェンゾはロッコの名前を呼ぶのですが、ロッコは一度も名前で呼びかけない。 このことはとても重要です。ロッコは少年をどんなに可愛がっても、名前を呼んで人間扱いしたくないのです。ロッコはつまり、プロなのです。 「おまえは犬が一緒にいたら可愛がらないか?一緒に遊んだり、話しかけたりしないか?犬がケガをしそうになったら、心配するだろ?それと同じことをしただけさ。」…おそらくこれがロッコの心情です。それは「可愛がっていたなら、なぜ殺したのか。」という問いに対する、ロッコの言い訳です。 山の名前にもなったバッラロは老いていたため〝知恵があり〟、そして〝知恵が彼の命を延ばし〟たため、犯人たちに殺されないで済みました。彼を殺したのは〝肉体の寿命〟です。 いっぽう、ヴィンチェンゾはまだ子供で、知恵で周囲を懐柔することはできませんでした。バッラロのエピソードに20分も割かれているのはビンチェンゾとの違いを強調するためでしょう。 さて最後に、父親はなぜ自供を始めたのでしょうか。それは取り引きによって、自分の刑を軽くしてもらうためです。彼は息子が殺されることを、予測していなかったのでしょうか。彼もまたプロですから、そうは思えません。 父親は、自分の人生と息子の命を比べたのです。…この作品で一番怖い部分は、実はここのところだと私は思うのですがどうでしょうか。
[地上波(字幕)] 8点(2010-06-13 15:16:37)
94.  ネットワーク 《ネタバレ》 
脚本演出編集どこをとっても古さを感じさせず、シャープでエッジーでかっこいい。 35年前の話だということが面白さを全然損なわない。 TV業界、ひいては資本主義経済、マネーメイクスセンスの世界を鋭く批判した作品です。 あえていうなら、ウィリアム・ホールデンとフェイ・ダナウェイのロマンスが…分別ある愛妻家のマックスが、妻を捨ててイカれたギョーカイ女に走るところのへんが…ちょっと説得力に欠けるかなあ。 ダイアナの魅力に逆らえず自ら誘いをかけていくマックスが、己の矛盾に髪をかきむしってもだえる場面とか、必要ないでしょうかね。そんなんヤボというものかな。 でもなんか飛躍しすぎ…キミの書いた脚本に乗っかっているというふうに説明してますけども、私には具体的にいつどこで何がマックスに一線を越えさせたのかがよくわからない。 とこだわるのは、この話は誰が主人公なのかはっきりしない(もちろん、意図的にですが)ようになっているわけで、その中で強いていうなら最もマトモな人物であるマックスが観客のよりどころになるからです。このイカれた登場人物たちの中で、百歩譲って誰にならなれるかといったら男も女もマックス・シューマカーしかいないですよね。 ともあれ、50年後にも見てもらえる、価値のある一品。 *クレジットにジョン・カーペンターの名前があったけど…別人?
[地上波(字幕)] 9点(2010-06-11 22:16:38)
95.  BUG/バグ 《ネタバレ》 
この後におよんではっきりさせたいけれどもフ監督の作品で面白かったものはたったの2つ。「フレンチコネクション」と「エクソシスト」。 この2つに共通するものは「ドキュメンタリー〝タッチ〟」で撮っってあるということで、余計な説明や感傷を排した非常にクールな切れ味が新鮮だった。公開当時はもっと新鮮だったことでしょう。 私は「エクソシスト」をとても素晴らしい作品だと思っていまして、以前はDVDを所持していたくらいです。 まっ、「BUG」見ちゃったらフ氏に対する期待は過大評価だったというか、もしかすると「エクソシスト」を頂点として右肩下がりに才能が下降している監督だと認めたほうがいいのかもと思うのでス。 アシュレイ・ジャッド、アラフォー(死語かもねえ…)で〝体当たり演技〟してみたかったんでしょうねえ。その気持ちわかるわ。でも、出ただけ無駄だったよね。 フ氏はもう映画作りを辞めたほうがいいと思います。なぜなら駄作を1コ作るごとに「エクソシスト」の栄光に傷がついていくのじゃ。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-06-06 22:56:06)
96.  ムーンライト・マイル 《ネタバレ》 
さわやかな感動を呼ぶヒューマンドラマ、ということだったのになあ。 感動、なんにも生まれません。 キャストもいいし、演出編集などはまじめだし別に文句はないですが。ちょっと無個性というか、工夫が足りないような気もするが、まあ目をつぶってもいい範囲です。 ではなにがいけないかというと、私はこの作品が提供する思想に全然共感できないわけです。 他人の過ちを許せ。生きてる者を優先しろ(この中には犯人も含まれるわけです)。過去にとらわれるな。恋愛については自分の直感を優先しろ(例え他人を犠牲にしても)。 あ~あ、これはさあ、特定の何かがないと解けない気がします。Gで始まる天にましますお方なんじゃないでしょうか。 そして、神様を信じその教えに従って生きているわけではない人にとっては、この話は〝ナンセンス〟〝ダイアナにひどすぎる〟というふうに思えてしまう。 ダイアナ、私にしてみれば彼女は「愛した男性に愛されず」「単なる巻き添えで突然死ぬ」という、不運すぎる人生だった女の子。両親にジョーとの別離を言わなかったのは、言えなかったというより「ぎりぎりまで復縁を待っていた」からですよ。そんなん決まってます。だから片思いのまま死んだ女なんです。 ところが、作り手はダイアナのことをそういうふうには扱っていなくて、じゃどうなのかというと「死んだのは神の配剤。人間にはその理由などわからない。今、彼女は天国に居るのですべてOK。」つまり〝ダイアナがかわいそう〟などと思うのは生きている者の勝手でエゴである…ということですよ。 なので、ジョーの身勝手な行動もバーティのミエミエな誘惑も、許すとか許さないとかいうジャッジの外にあるのです。 〝神様なし〟の状態でこの作品を見ても、ピンと来ないのはそういうことです。作品中で「神様」という言葉は全然出てこないけれど、全体を見れば、こういうことだとしか思えません。 う~んダメです。世界には仏教徒も無神論者もけっこうたくさんいるので、「当然だろ」という顔をして提供してもらいたくないです。「神様ファン限定」と大書きしておいてくれないといけないと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-06-04 13:22:45)
97.  コッポラの胡蝶の夢 《ネタバレ》 
ヒモの干渉を嫌ったコッポラが、私費を投じて製作したという。…すると、コッポラ作への出演を熱望していたティム・ロスを起用した意味がわかるような気がしてくる。…たっぷりギャラが払えるならば、ティム・ロスを使わなかったと思うのだ。 なにやら難解に思えるお話だが、若き日のドミニクが追求していた「言語の起源」「人間の意識」「時間の概念」というテーマを、1938年以降のドミニクの人生にそのまんま絡めていったようなストーリー。夢オチか?という期待は、ラストのホテルフロントの電話とパスポートの中味を見せることで否定される。わざわざ。そう、わざわざ否定することによって、この作品についてはどこらへんが夢でどこらへんが現実だったのか、とか、チマチマ考えても意味がない、ということにもなります。事実の整合性を保つことは目的とされていません。謎解きをする映画ではないです。 そこで、謎解き以外に映画としての魅力は何になるのか、と考えてみるに、これはもう、ドミニク役の役者さんにホレるしかありません。いろんな意味で、ドミニクにホレるしか。ドミニクと共に泣き、ドミニクと共に不安に震え、ドミニクと共に不可思議な物語を歩む。 ところが、主役は誰だ。ティム・ロスだ。 観客はティム・ロスに2時間も恋ができますか。 身長とか体格のことを言っているのではなくて、基本的に主役を張る俳優さんではないと思う。カレは「2時間恋ができるか」という条件を満たさないんだから。 で、私はドミニクをスティーブ・ブシェーミにやって欲しかったと思うのです。 なんとなくキャラがかぶっている感じでロスのライバルであるブシェーミ、彼なら2時間は長くなかった。ラウラ=ヴェロニカ役の女優が無名であっても、ブシェーミなら私は泣けたかもしれない。 主役選びを間違えてはいけないという見本のような映画です。〝主役に恋する〟は〝上手い〟かどうかと関係ないんです(ブシェーミはもちろん上手いですけど)。  〝みんなが心配している問題〟とは〝人類の叡智を善悪のどちらに使うか〟ですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-24 15:31:05)(良:1票)
98.  恐怖のメロディ 《ネタバレ》 
イーストウッドのもみあげの立派さに絶句。あのもみあげのついた顔で、堂々の色男なのだから顔のバランスって不思議なものです。 イブリンがどこまでやってくれるのかと期待していましたが、まだまだ物足りないうちに終わってしまった。捕らわれたトビーが無傷なのは変だし、イーストウッドと相打ちになって倒れたところで生死の境をさまよっている状態で終わって欲しかったです(レザボアドッグスのラストみたいな感じで)。 結局、しつこい女を男の腕力で追い払ったようなことになってなにか興ざめ。 コンサートとか砂浜を歩いたりする無駄なシーンも(本人にとっては深い意味があるのだろうが)よくわかりませんでした。40年近く前の作品としては、ストーカーについてかなり勉強しているとは思う。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-24 15:18:08)
99.  バンディッツ(2001) 《ネタバレ》 
泥棒と詐欺は嫌いなのでなるべくそういう映画は見ないようにしているが、ソーントンの愁訴演技をチラ見して食指が動き、改めて録画してみました。 …残念な映画。せっかくウィリスとソーントンというコメディのできる役者をそろえたのに、笑いを軽視している~。三角関係なんかどうでもいいんだよ。笑いだ、笑い。 カツラとか変な服装とか見た目の工夫をしているわりには、演出のセンスがイマイチなので笑いが足りない。 ウィリスの真顔ボケと、ソーントンの愁訴だけでガンガン押していくべきだったのだ。私はウィリスの真顔ボケをけっこう評価しているんだけど、あんまり生かされていなかった。なまじブランシェットなどという大物を使ったために、女ネタにこだわらざるを得ず尺を無駄にしてしまっている。本末転倒。 やりようによってはすんごく笑える作品にもできたはずなのに、もったいないことだ。おなかいっぱい笑わせてくれる一品は、シリアスで賞を取る映画よりはるかに価値があるというのに。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-05-21 20:50:32)(良:1票)
100.  エリザベス:ゴールデン・エイジ 《ネタバレ》 
おっと失敗しましたね、続編なんて作っちゃって。 これはもうどう考えても前作の質をキープできなかったし、「1」の面白さは「不遇なエリザベスが逆境をはねのけ王位を確固たるものにするまで」という絶好のシチュエーションが可能にしたところが大きかったのです。「2」はそういう意味でドラマ性においては「1」を超えることはできませんし、なおかつ脚本も演出もヤル気が感じられない。全然。 必死に吠えているのはブランシェットのみ。もう、こんなテキトーなことでいいのかしらと思います主役が彼女じゃなかったら、最後まで見る気はしなかったでしょう。 フェリペ2世をひたすら悪魔のような悪者として出すあたり、バカとしか言えない脚本演出。…バットマンとか子供向けのアニメじゃあるまいし、なんだと思ってるんだ客を。 ワイルドで色気のある男を登場させよう…といってわざわざクライブ・オーウェンを出す。はっきり言って、ローリーはいなくてもいい役です。ミエミエです。 メアリ・スチュアートはひたすら無力であまり賢くない女にされてます。なんのために。 結局、「悪いスペインが滅んで、神が味方した女王のイギリスが栄えましたとさ」というラストへ収束させるために。つまり、エリザベス一世の一人勝ちを強調するために。バカじゃないのか。 こんなアホらしいラストも珍しいです。本気でやっているんでしょうか。これならば、バッキンガム宮殿限定で上映するために作ったとしても不思議じゃない。 もしも日本人が、元寇を追い払ったのは良い天皇に神が味方したからです、なんて終わり方をする映画を作って世界に配給したならば、正気を疑われてしまいます。なんでイギリスなら許されるのか? そもそもスペイン人はどう思っているのだろ。いや~そういう意味で滅茶苦茶なだけでなく脚本演出もテキトー、どうしたものか。ブランシェットよ、脚本を読んだ段階で断れよな…。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-05-20 00:13:01)
080.88%
130.33%
2101.09%
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