81. NEXT-ネクスト-
《ネタバレ》 2分先が見える男、は、2分先までしか見えない男、でもある。 カジノのシーンで、あれだけ何分先まで予言できるのかにこだわっていたのに、途中からほぼ何でもありのまさにゴールデンな展開。 つまりほぼほぼ危機感無し。 核弾頭がアメリカ国内に持ち込まれたのに、FBIだけで対応するの? ボスの右腕的な部下が、あんな若造でしかもすぐに撃たれちゃうような奴でいいの? コロンボはあれで出番終わりなの? なんていろんなことが気になっても、やっぱり最後の掟破りの巻き戻しの衝撃にはかなわない。 原作はフィリップ・K・ディックなんだね、これ。小説版は違う展開なのかなあ。 久しぶりにカッコよくてセクシーなジュリアン・ムーアが出てなかったら、私の中の評価はもっと低かったかも。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-07-16 20:33:54) |
82. 狼の死刑宣告
《ネタバレ》 なんかいけすかない長男より、次男坊の方がよっぽど可愛かったんだけど。 ガソリンスタンドで自分が殺されたら良かったんだと訴える次男に、父親は車に乗れとしか言ってやらない。 で、昏睡状態に陥ってからやっとそうじゃないんだと語りかけ、さらなる復讐に向かった後で、次男が昏睡から目覚める兆し。 もし病室にいる時に次男が目覚めてたら、復讐を思い止まっただろうか。 人生を新しくやり直すチャンスだと刑事が言っていたのは、証人保障プログラムみたいに、名前を変えて別の人生を生きるってことになるのかな。 だったらそうして欲しかったんだけど、それじゃ映画にならないよね。 結局自分の方を向いてくれない父親で、次男が最後まで哀れだった。 ケビンの出来損ないのスキンヘッドは、鬼気迫る感じが凄まじくて素晴らしい演出。 でも、この時代にブロンソンの焼き直しをするとなると、どうしてもアクションをド派手にする必要があるみたいで、そこが少し残念。 勧善懲悪でスカッとするよりは、悪党をやっつけることに対する正義感との葛藤、というドラマが観たかったかな。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-12 22:41:41) |
83. ブローン・アパート
《ネタバレ》 サスペンスの心づもりをして観始めたのだが、どうもそうでもないらしい。 相手がテロ、しかもオサマということになると、けりなんかつけられるはずもない。 息子を愛する母親としてのミシェル・ウィリアムズの演技は素晴らしかった。 後悔を深くするために、冒頭のベッドシーンは敢えて過激にしたものと思われる。 それは理解できるのだけど、テレンスの件もあって色々あちこちバタバタして、フォーカスすべき部分にフォーカスし切れなかった感が強い。 ミシェルのせっかくの演技がちょっともったいないことになっちゃったかなあ。 しかしミシェル・ウィリアムズは不思議な女優だ。 子供っぽい表情とキリッとした表情のギャップが激しくて、きゅんきゅんしながら観てしまった。 ということで、彼女の体を張った演技に加点。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-04-18 21:28:38) |
84. ピッチブラック
十数年ぶりに鑑賞。 ラダ・ミッチェルが駆け出しの頃かな。まだ初々しい華奢な線と、洞窟を覗く胸元が眩しい。 そしてヴィン・ディーゼルは、まだ三角筋から二頭、三頭のラインにキレがないものの、地獄の底から響いてくるようなバリトンが映画の雰囲気にマッチして心地いい。 面白い映画を作ろうっていう製作陣の心意気が随所に見られて、最後まで結構手に汗握って楽しめた。 久しぶりに観て、なんだつまんない映画だったんだってがっかりするものもあるけど、この映画はこんな面白かったっけって得した気分になれた良作。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-03-11 22:10:31) |
85. ヒストリー・オブ・バイオレンス
《ネタバレ》 ジョーイはなぜマフィアとしての過去を捨てたいと考えたのか。 なぜ三年も掛けて新しい自分を作ろうとしたのか。 これがもし、ファガティに対する衝動的な暴力のツケを払うのが嫌だったから、なんて理由だったら、ゴミでしかない。 相手を傷つける技術はどれも凄惨で、その行為を楽しんでいるかのような執拗さ。 それが息子にも引き継がれているのが悲しい。 娘役の女の子、試写会では自分が写ってるシーンしか見せてもらえないだろうなあ、なんてことが心配になりつつエンドロールを観ていた。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-09-01 02:37:14)(良:1票) |
86. ファイナル・デッドコースター
《ネタバレ》 死に方のヒントをくれるってことは、運良く逃れられたら助けてやるぜってことじゃないのか。 そうじゃないとフェアじゃないよね。 死ぬまで延々と罠を仕掛けてやるぜ、的な器の小さい死神はちょっとカッコ悪い。 しかもラストの電車事故はヒントすらなく、ほかの無辜の人たちまで巻き添えにするとは。 それとも大量死のところへ無理やり押し込んどけよ、という手抜き? ただ、シリーズ物としてのクオリティはそれなりに保っていて、やはり続編は観たくなるし、数年するとまた観てみたくなるから不思議だ。 主役のエリザベスは、クローバーフィールドや物体Xで闘う女性役が定着しつつある感じ。 そこに加点。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-08-14 22:13:17) |
87. デッドコースター
《ネタバレ》 前作は、死の運命からはのがれられない、というプロットで引っ張ったのだが、2作目は、予知した事故のシーンとその後の死に方をいかに奇抜にするか、ということにエネルギーが使われている感じ。 死の順番が逆になっている理屈とか、次は誰が犠牲に?というサスペンス的な要素にあまり緊迫感がないのが残念。 ただ、1作目の正当な続編として観るには、充分楽しめる珍しいシリーズものじゃないかな。 [DVD(字幕)] 7点(2019-08-10 01:24:00) |
88. コンスタンティン
《ネタバレ》 キアヌの抑えた演技が心地よい。 地獄と現実世界の境目は、結局のところかなり曖昧になっている気がするが、そんな理屈はぶっとばすキアヌの二枚目ぶりに酔いたい一本。 余計な説明をせず、伏線伏線でクライマックスに持っていくあたりも納得の一本。 それにしても、最近こういう映画にはとんと出なくなってしまったレイチェル・ワイズはやはり美しい。 そして、聖水に崩れていくまだ駆け出しのミシェル・モナハンが出ているのも美味しい一本。 こんなところで、イーグル・アイよりも先にシャイア・ラブーフと共演してたんだね。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-07-09 21:34:20) |
89. ラブリーボーン
《ネタバレ》 ラブリーボーン、というタイトルがずっと疑問のまま未見だった映画をやっと観た。 ラストになって、やっとその意味がわかる。 そして、スージーにとってやらなければならないこととは、犯人に復讐することではなく、憧れだったレイとのキスだった。 殺された直後には犯人を憎んだスージーが、年月を経てそこから離れていく。 スージーの家族も、スージーの死を乗り越えて人生を新たに歩き出す。 犯人に復讐したところで、スージーが生き返るわけじゃない。 魂の平安を得るにはどうすることが必要なのか。 家族の元に戻ってきた母親が、ラブリーボーンとして生きるスージーの姿を伝えているのかな。 釈然としない部分は残るけど、これも一つの解答かな、と感じた。 シアーシャの儚さにも加点。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-07-06 22:18:27) |
90. オンディーヌ 海辺の恋人
《ネタバレ》 海辺の風景が美しく、カメラワークの陰影がそれをさらに増幅させている。 娘のアニー役の子の演技が素晴らしく、オンディーヌを食ってる感じ。彼女がいることで、映画の明暗がガラリと変わる印象。 禁酒を破るシーンではやきもきさせられたが、予定調和で良かった。 木を演じる神父のとぼけた演技も、いい味出してて心地良い。 予想外にいい映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-03-02 11:33:07) |
91. アイ・アム・レジェンド
《ネタバレ》 とあるチャンネルで別エンディング公開、とあったので、視聴。 通常盤は、特効薬を持たせた母子を救うために犠牲になるネビル、という、まさに「アイアムレジェンド」の名にふさわしいラスト。 で、別エンディングは、実演台にしたダークシーカーが実は彼らのボスの女で、それに気づいたネビルが、女をボスに返す、というオチ。 バタフライは、ネビルにとっては亡き娘の記憶につながるものであり、ラストシーンでは、実験台がボスの女であることを示す手がかりにもなっている。 通常盤の時に感じた疑問は、特効薬を開発したところでどうやってアイツらに打つんだよ、というシンプルなもの。 それが今回は、実はダークシーカーにも感情も知性もあり、なんとなく接種も可能なのか?という疑問に変わっている。 まあどっちも観る側にしたら疑問だらけだけど。 興行的には、明らかに通常盤の方が面白い。 ダークシーカーはあくまで悪。余計な同情はいらない。 別エンディングは、なんかモヤモヤして、結局誰も救われてない感じがするのは、なんだか不思議な印象。 個人的には、通常盤で正解かな。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-02-24 18:23:43) |
92. リトル・ミス・サンシャイン
《ネタバレ》 グレッグ・キニアのやな性格が、ワーゲンバスで旅する間にいつのまにか矯正されてるのは、失敗した自分を父親が認めてくれたおかげなのかも。 自由人のじいさんは、突き抜けていながら孫娘への愛情が深くて、本当の負け犬とは何かを教えるシーンはグッときた。 パイロットへの夢を絶たれた兄を優しく抱きしめる妹は本当に家族思いで、兄もああされると妹のために旅を続けるしかないよね。 最後のダンスは、コーチがあのじいさんなら多分そうなるだろうなと想像通りの展開。 家族全員一癖あるのを、トニ・コレットとアビゲイル・ブレスリンがしっかりつなぎとめている感じ。 ちょうどいい長さ、のいい映画。 [DVD(字幕)] 7点(2019-01-26 02:33:01) |
93. ゾディアック(2007)
《ネタバレ》 ジェイク・ギレンホールが徐々にゾディアック事件に引き込まれていく様が見応えあり。 我々にはちょっと馴染みが薄い事件で、日本でいうと三億円とかグリコ・森永事件のような扱いなんだろうか。 真犯人に近づいていく緊張感が心地よくて、映画の長さはさほど気にならなかったかな。 まあ私はジェイク・ギレンホールファンなので、その点も加点。 [DVD(字幕)] 7点(2019-01-19 19:58:20) |
94. そんな彼なら捨てちゃえば?
《ネタバレ》 ジェニファー・コネリーとジェニファー・アニストンの二人が観たくて鑑賞。 夫のオフィスに乗り込んだ時のコネリーは最高だったし、実家に突如現れた元恋人に表情を崩すアニストンの演技は見応えあって満足。 ブラッドリー・クーパーのクズっぷりも見事だったし、珍しくベン・アフレックがいい役やってる。途中でこの二人の評価が正反対になるのは、観ていて面白かった。誠実そうに見えても実はそうじゃなかったり、不誠実に見えてその実実直だったり。 軽めの映画が観たくて借りたんだけど、案外面白かった。 ジェニファー・アニストンって、観てて安心できる役者だと思う。ブラッド・ピット、もったいないことしたよな、とは完全な私見。 [DVD(字幕)] 7点(2019-01-06 17:25:59) |
95. 最高の人生
《ネタバレ》 終身刑がふさわしいと願ったマニュアルが釈放されたのは、誰かを救え、という神の教えなのだとしたら、自分が殺した男の甥の命を救い、道を踏み外したソフィアを救ったことで、彼の贖罪は果たされたことになるのだろうか。 一線を越える前に身分を明かし、その上で撃たれていたら、アデルの思いは違っただろうか。 マニュアルは、思慮深そうで、実はあまりにも軽率な気がする。 でも、人間なんて土台そんなもんで、聖人君子なんていない。マイルズも結局逃亡犯だったわけで。 人生を淡々と受け入れるには、静かないい映画だと思った。 ただ、キルスティン・ダンストは好きだけど、やさぐれ具合が足りなくて、この街には不釣り合い過ぎたかも。 キャストが豪華だっただけに残念。 [DVD(字幕)] 7点(2018-11-11 16:35:57) |
96. わすれた恋のはじめかた
《ネタバレ》 出会いは最悪だったのに、エロイースがなぜバークを好きになったのか?ってところがやはり気になったけど、 まあ誰かを好きになるのに、最初はたいした理由なんてそもそもないのかもしれない。 ジェニファー・アニストンの抑えた演技が心地よくて、落ち着いて観ることができた。 この映画の彼女の服はどれも魅力的で、そこも加点。 [DVD(字幕)] 7点(2018-11-10 23:01:51) |
97. ホテル・ルワンダ
《ネタバレ》 虐殺のことは歴史として知っていたけれど、そこには、一人一人の物語があったのだということを改めて考えさせられる。 50万人とか100万人とか、数字にしてしまうと隠れてしまいがちな個人の物語。 ホテル支配人のポールがしたことは、虐殺を止めようなどということではなく、家族を救おう、目の前にいる隣人を救おうというパーソナルなこと。そのために最善の策を考え、最後の切り札は訴追を逃れるための証人が必要だと将軍を脅すこと。 家族を守ろうとする父親は強い。 自分や家族を守ろうとする余裕さえ与えられず、虚しく殺されたその他多くの人に思いを馳せたい。そんな映画だった。 [DVD(字幕)] 7点(2018-08-15 10:47:40) |
98. NOEL ノエル(2004)
《ネタバレ》 真夏にクリスマス映画を観てしまったのは、スーザン・サランドンが観たかったから。 どの映画も魅力的な人だけど、年を重ねて落ち着いた寛容さがさらに増した感じ。 一人で死にたくないと言ったチャーリーの手を、優しく握るシーンは美しかった。 軽薄な若造に身を委ねることなく、深い愛情に満ちた医師の誘いを受け入れてくれて良かった。 クリスマスに観たら落ち込みそうだから、真夏に観てやっぱり正解だったかも。 [DVD(字幕)] 7点(2018-07-27 00:28:22) |
99. 幸せはシャンソニア劇場から
《ネタバレ》 アコーデオンのメロディが心踊らせてくれるいい映画。 息子が帰ってくるシーンで、そんなとこで真夜中に歌ったら近所迷惑になる…なんて思ってしまう私は小市民だよなあ。 愛すべき登場人物たちだけど、悪役の親玉は終始愛されない感じ。でも、ラストは愛に殉じた形になって、なんだかかわいそうになってしまった。 無理強いだってできたのに、そうしなかった親玉は結構いい奴かも。 心温まるシャンソニア劇場を期待して観たので、乗っけからサスペンスっぽくてちょっと予想外。 [DVD(字幕)] 7点(2018-06-17 23:21:14) |
100. カフーを待ちわびて
《ネタバレ》 原作を読んでからの鑑賞。 幸役のマイコは、多分これ以上ない配役。表情の可愛らしさはもちろん、声に正直参った。 ラストは原作にはないハッピーエンドが用意されているが、映画なんだからこうでないと。 「カフーアラシミソーリ」は心に響く言葉になった。 大切な誰かの幸せを願う、優しい気持ちになれる映画。 [DVD(邦画)] 7点(2018-06-03 00:42:11) |