101. デッドコースター
《ネタバレ》 ラスト、「絶対まだ何かあるぞ」って思ってたらやっぱあった。前作は未見だが、これは面白かった。幽霊とか化け物を見せて怖がらせるのではなく、最後まで死神は出てこない。それが逆に恐ろしい。 人が死ぬ場面ではニヤリとしてしまう自分ってちょっとヤバイかな・・・。 7点(2004-09-07 04:01:24) |
102. 女囚701号 さそり
梶芽衣子よ、この俺を殺してくれ。透き通った白い肌、それは死体のよう。怨みに燃える眼光、燃え盛る炎、垂直に流れる黒い髪。彼女に殺されるのならそれはもう本望であり本能。30年経とうが何ら変わりはない。まるでサソリの毒のように、梶芽衣子は我々を痺れさせ続ける。 7点(2004-09-07 03:59:51)(良:1票) |
103. 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編
アムロがガンダムを降り、シャアとの対決がモビルスーツを使わない生身の1対1であったということからも、この物語がロボットものではなく人間ドラマであるということがよく分かる。まさかここまで感動できるとは思っていなかった。アメリカに「スター・ウォーズ」があるなら日本には「ガンダム」がある、この作品の凄さを実感させられた劇場版三部作でした。 7点(2004-09-07 03:59:14) |
104. スティング
騙されるコトに快感を覚える、唯一の生物ヒト。何とも不思議だ。 7点(2004-09-07 03:58:46) |
105. クジラの島の少女
とにかく清々しく、観ていて気持ちがいい作品。どこまでも広がる海のように澄んだケイシャ・キャッスル・ヒューズのピュアな瞳。 ケイシャから目を離すな!史上最年少、13歳での主演女優賞ノミネート。授賞式で「会いたい」と言っていたジョニー・デップとの握手がとても印象的。素晴らしい演技を魅せたケイシャも、何の変哲も無い、どこにでもいそうな13歳であった。なんと「エピソード3」に抜擢されたらしいが、彼女の活躍をもっと見たいと思う反面、いまのままの素朴な魅力を失ってほしくないと強く願う。彼女の瞳を濁らすような真似は絶対にしないでください、ハリウッド。 7点(2004-09-07 03:57:58) |
106. マスター・アンド・コマンダー
穏やかで美しいかと思えば地獄のように壮絶な一面も見せる、果てしなく広がる大海原。そんな海の上でサプライズ号の面々の可笑しな会話と感動的な友情に触れているうち、自分も乗組員になったような楽しさを感じることができる。猛り狂う大波の中、真横に傾く船の姿に手に汗握り、サーベルを抜いて戦う船長に心が踊る。そうだ、海は男のロマンなんだっ! それにしても艦長は頼りになるし、腕も立つし、情にも熱いし、優しいしで素晴らしいお方。とても暴力沙汰ばかり起こしている問題児が演じているとは思えないんだよなぁ。 追記:「あなたは教えてくれた。愛する者のために、一人の戦士になることを・・・」なんてキャッチコピーは謳っているが、そんなシリアスな映画では全くない。もっと明るく楽しい作品なので配給会社は詐欺だ。 7点(2004-09-07 03:57:36) |
107. 現金に体を張れ
《ネタバレ》 「悲劇=喜劇」の証明式。映画史上最高の茫然自失。へにゃにゃ~ 8点(2004-09-07 03:56:57) |
108. MIND GAME マインド・ゲーム(2004)
西の方から想像以上のスピードで舞い落ちた、現代版『素晴らしき哉、人生!」。人生が楽しいのではなく、人生を楽しいと思うから楽しいのだ。だったら目をキラキラ輝かせて、自力で死ぬまで生き抜いてやるぜ。 6点(2004-09-06 04:33:39) |
109. チャイナタウン
《ネタバレ》 なぁ、まだ終わらないでくれ、まだ何かあるんだろ?ニコルソン、最後に一撃をかましてくれよっ。おい、どこ行くんだよ、このままじゃあの娘はどうなるんだよ!?ほら、そっちじゃねぇよ、あぁ、エンドロールなんて流すんじゃねぇよ!あぁ、あぁ・・・ 7点(2004-09-06 04:30:06)(笑:1票) (良:2票) |
110. 誰も知らない(2004)
《ネタバレ》 幼い頃、母親の帰りが遅い夜、このまま帰ってこないのではないかと不安に襲われることがあった。根拠もないし、ただの幼い杞憂である。けれどその不安はいつもつきまとい、それはひどく恐ろしかった。 物が溢れ、全てが揃っているような都会、しかしその都会のなんと生きにくいこと。部屋から出なければアパートの隣室に誰が住んでいるかも分からない世界。職も得られず、水も電気も断たれ、しかしそれでも懸命に生きていくきょうだいの強さに胸が熱くなる。だが、人が決して一人で生きられないのも事実。どんな形であれ手を差し伸ばしてくれる人がいるからこそ、初めて迎えることが出来る明日である。 人は果てしなく強く、そして儚いほど弱い。人間の強さと弱さが、淡々と綴られる映像を通して交互に浮き彫りになり、この胸を強く締め付ける。息苦しいほどに静かな映画館で、子供たちの動作ひとつひとつから目を離せない。流れる音楽がはじめて、これが「映画」なのだと気付かさせてくれる。 恐らくこの映画を観たほとんどの人がそうするように、自分もモチーフとなった置き去り事件について調べた。その”事実”は映画のそれと、特に後半部分は大きく相違していた。現実と映画とではやはり違いがあるのかもしれない。だが冒頭に記されていた「事実を基にしたフィクション」というから、いや、これが映画であるということだけで、部屋に差し込む温かい光が、額に輝く汗が、そして子供たちの眩しい笑顔こそが自分にとっての全てである。 劇場を出たところに、子供たちがそれぞれ笑っている大きなポスターが貼ってあった。それを見て、また涙がこぼれそうになる。思い出すのは、「警察に連絡したら」と聞かれた明が言った、「それだと4人で暮らせなくなる」という言葉。自分たちを置き去りにした母親を待ち続ける姿。ただ家族というだけで。そう、ただ家族というだけで。 感動でもない。同情でもない。怒りでも、哀れみでも、喜びでもない。人間の感情はそれほど単純ではない。だから、自分はこの涙を忘れる気はない。 9点(2004-09-03 05:11:41)(良:3票) |
111. さらば愛しき女よ
いい。渋い。味がある。街のネオン、切ない音色、小気味好い台詞、気怠い私立探偵。雰囲気じゃない、引き込まれる物語と鮮やかな真相。いい、ホントに。俺もこんな風に歳をとろう。いつも冷静に、余裕たっぷりに、だけど正念場では抜群の判断力を発揮して。洒落た映画だ。夜中に一人でこの映画を観る俺も洒落ているだろう。途中で挫折した原作も読み返してみるか。 8点(2004-09-01 03:39:09) |
112. 大菩薩峠 第二部
片岡千恵蔵は一人別世界。その場の空気が一瞬で緊張し、静かに声が響き渡る。ラスト、槍での立ち回りの迫力は凄まじい。魂から発する演技を見せつけられた。 6点(2004-08-30 02:59:12) |
113. LOVERS
《ネタバレ》 映画とは”画”を”映す”と書き「映画」と読む。 まさに絵画のよう、一つ一つの場面が息を呑むほど美しい。 一年のたそがれ、秋。 大空の下、草原で抱き合う二人の場面のなんと美しいことか。 風も、雲も、草木も、花も、すべてが二人のためだけに存在するよう。 降り積もる雪は愛を冷ますどころか、むしろその熱さと紅さを際立たせるだけ。 黄金色の大陸を舞台に繰り広げられる複雑な物語、しかしその本質は意外にも真っ直ぐなラブストーリー。 刀を投げつけ敵を討ち、命を投げ捨て愛に散る。 数多の危機も華麗な剣さばきで切り抜ける剣士たち、だが恋の’しがらみ’だけはどんな剣でも断ち切れぬのだ。 7点(2004-08-28 16:55:00) |
114. 河内山宗俊
《ネタバレ》 男ってのはいつの時代も、可愛い乙女に弱いものです。さぁ喧嘩だ、といざ刀を抜いたらお浪さんが手を怪我して、慌てふためき仲直り。そして朝まで飲みつぶれ。って何て素敵な人間たちだろうか。美しい女性を咲かすため、自らはただ散っていく。そしてその血は静かに流れ・・・。あぁ切ねぇ、だけど少し憧れてしまう。 「あんたは幸せな時代に生まれた」って高齢の人にはよく言われたけど、これだけ凄い映画を見せられたら山中監督の映画をもっと見てみたかった、そう思わずにはいられない。それは叶わずとも日本人はもっと山中監督の映画を観るべき。 「最近の若者は山中貞雄と聞いてどれだけの人が分かるのだろうか」なんていう文章なんかを読んだりするが、大丈夫、俺がいる。 8点(2004-08-26 20:15:29)(良:3票) |
115. 華氏911
《ネタバレ》 監督が語っていたように、「事実を恣意的に組み合わせて表現した意見」だ。「正しいか間違っているか。判断は観客に任せる」。鵜呑みにせず、一歩引いて鑑賞したい。だが、この燃える怒りに体を委ねざるをえなかった。 多くの政治家に取って戦争は”他人事”なのだろう。あるいは金儲けで、どれだけの人が死ぬかは二の次だ。息子を軍に入れている議員が一人というのが象徴している。アメリカのように経済格差の大きい国で、平等を唱えること自体おかしい。自分は左じゃないが、資本主義の歪みを見せつけられた気分だ。監督の狙い通りにブッシュをホワイトハウスから追い出したところで、変わらないだろう。映画の終着点がブッシュではなくこの社会であったことからも、深刻さを痛感する。 ただその怒りを考えると、また矛盾にぶつかる。自分自身だ。自分は徴兵制度の無い国、平和な街角で、映画を観、メールを打ち、クーラーの中で暮らしている。そもそも戦後日本が急速な経済成長を遂げた要因の一つに、朝鮮戦争での特需景気がある。当時の経済への影響と現在のそれとでは違いがあるとはいえ、もはや国の経済的な発展と戦争は切っても切りはなせない関係だ。自分の恵まれた日常が戦争の利益によって成り立っている。そう考えると、複雑な世界、絶望感に打ちひしがれる。 鑑賞から一週間が経つ。レビューをこんなに悩んだのは初めてだ。以来、イラク戦争はもちろん、以前より数倍注意深くニュースを見ている。これだけで、この映画を観た価値は十分にあった。無知は弱みで、無関心は罪。 「ぼくたちはいつしかなれっこになってしまっている。事実は絵空事となりテレビこそが現実となる。今も数えきれない人々が泣き叫び、ぼくたちが食べたり飲んだりしているうちに、彼らは明日にも死んで行く」 「もし世の中の人の苦しみに一々足を止めていた日には、人は生きてゆかれないだろう。どんな幸福も、他の人の苦悩を食って生きているのだ。」 空爆、市街戦、自爆テロ。日々送られてくる何十、何百、何千、何万という犠牲者の数。その一人一人が歩んでいた尊い人生。その一人一人の死を嘆く数えきれない人々。その悲しみの深さを想像する事。決して膨大な数に、感覚を麻痺させない事。そして初めて俺は、自分が置かれたこの恵まれた状況を、愛する人と自分を愛してくれる人と、この幸福を噛み締める。 8点(2004-08-26 16:09:49)(良:4票) |
116. 沓掛時次郎 遊侠一匹
時代劇が時代劇たりえた時代の最後の時代劇。仁義が仁義たりえた時代の最後の物語。 7点(2004-08-23 21:21:08) |
117. ラブドガン
「色」とは物体それ自体についているのではない。 物体が光を反射し、その反射された光から人間が色を認識するのだ。 黒、青、黄色、黒。 それらはモノ自体に色がついているのでなく、人間の眼と脳が色付けしているのだ。 否、それは違う。 そこに色は確かに存在している。それは間違いない色だ。 その跳ね返った光から、我々は色を感じる事が出来る。 意識に投影された色こそが真実の色だ。 無限の色彩、夢幻の物語。 だからただ見つめていればいい。目に写る全てを。 映画というキャンパスは驚くほど自由だから。 7点(2004-08-21 23:41:50) |
118. U2/魂の叫び
『Sunday Bloody Sunday』で”革命なんてファックだ”と叫び、続く『Pride』で大観衆と合唱。 凄い、ライブでもスクリーンでもないテレビ画面なのに、迫力とパワーに圧倒され、興奮する。 考える事は誰にでも出来る。知ろうとする事だって誰にでも出来る。だけどその先、実際に行動に移れる人間というのはそう多く無い。 Bonoはその活動により、テロの標的リストに名を連ねていたそうだ。 彼らはまさに命をかけて、その魂を叫び続ける。命がけだからこそ伝わるものがある。 『All That You Can't Leave Behind』でU2を初めて聴いた自分にとって、この映画はクラシック。昔のU2はCDでしか知らない。 確かに『POP』と『War』ではビックリするぐらい音楽が違うが、どちらも同じぐらい好きだ。 変化とは前へ進む事であり、変化を恐れる者は進む事が出来ない。 命をかけて自らの意思を貫く事、口では言えても実際にやり抜く事の何と困難なんことか。 その音楽、その生き様、Bonoは自分が最も尊敬する人間の一人。 8点(2004-08-21 23:40:07) |
119. ディープ・ブルー(2003)
圧倒的な深海の映像。海底なんて初めて見た。 音も無く、太陽の光も届かず、暗闇と静けさが支配する世界。地球の亀裂に覚える恐怖、吹き出る黒煙。 けれどその暗黒の中で、無数の生き物が存在しているという事実。 地球上の全ての生命は海から誕生した。 魂や心といった、形ではない意識、思考、本能、自我、それら全てが海によって創られたことになる。 深海に潜るにつれ、未知の世界に近づくにつれ、我々生き物のルーツへ向かっていく。 海とは故郷であり、母親の胎内であり、神であり、全ての始まり。 生命はどこから来たのか、生命とは何なのか、その全てが深海に眠っている。 考える事も、探る事も、学ぶ事も、感動する事も、何も必要ない。 ただ映画館へ行き、巨大なスクリーンで、無限の神秘に身を任せれば良い。 7点(2004-08-21 23:39:56) |
120. キング・アーサー(2004)
この映画のキーラ・ナイトレイが、ハリウッド娯楽大作の現在を良くも悪くも象徴しているように思う。まぁ七割ぐらいが「悪く」なんだけど。 3点(2004-08-21 23:39:36) |