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民朗さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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101.  ホール・パス/帰ってきた夢の独身生活<1週間限定> 《ネタバレ》 
「久々に独身生活をしてみたけど、結局元鞘が一番だったよ」という、結論自体は実に凡庸な作品。但しファレリー兄弟お得意の下品&シチュエーションギャグが入っているので最後まで飽きません。嘗てのファレリー兄弟の色んな団体から怒られそうなギャグのキレからは程遠い作品ですが、真っ当なロマコメに仕上がっていると思います。 アメリカンコメディのファンとしては、オーウェン・ウィルソンとジェイソン・サダイキスの安定したバカ演技も見所の一つ。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-23 14:37:18)
102.  小さいおうち 《ネタバレ》 
基本的なミステリーが上手く機能していて、タキが晩年まで何故あれだけ苦しみ続けたかが氷解する手紙のエピソードは良かったです。その胸中を想像すると「私は長く生き過ぎた……」の言葉がとても重い台詞に思えます。一種の愛憎劇はとても良く出来ていたかと。 でも其処此処に山田洋次独特の演出に驚いてしまった部分もあります。特に驚きすぎてちょっと笑っちゃった場面は、雨の日に時子が板倉にキスをした時に雷が「ピシャーン!!」と轟いた所です。その演出はギャグだろう。 それから終盤の妻夫木演じる若者のエピソードは蛇足と思えました。タキの遺品から細長い手紙が出てきた時点で、観客はタキが時子の手紙を渡さなかったことは明確な筈ですが、その後に妻夫木君に「おばあちゃんは手紙を渡さなかったんだよ!」と驚かせる。多分大多数の人は「もう判っとるわ(笑)」となったんじゃないかなぁ。手紙をチラと見せてエピローグでも十分だったと思います。
[映画館(邦画)] 6点(2014-02-20 23:11:31)(良:2票)
103.  建築学概論 《ネタバレ》 
かなり評判の良い恋愛映画だったので気合を入れて観ましたが、これが全く自分のストライクゾーンに入らず。韓国でもかなりの男性観客が「これは俺の映画だ!」とシンパシーを感じて大ヒットしたとのことですので、どれだけ主人公の心情にオーバーラップ出来るのかが大事になってくる作品なのだと思います。 どうしても大学時代の主人公の行動に納得できなかったです。ヘタレて独りでに失恋したと思い込んで、終いには「もうボクの目の前から消えてくれ」と宣う様には勝手ながら激怒。彼女も彼女で初恋の相手をいつまでも想い続けていて、主人公を訪ね建築を依頼する行動にも「なんだこの女?」としか思えませんでした。個人的に初恋の相手とか昔の恋愛に全く執着しないタイプの人間なので、感情移入できなかったのかも知れません。昔の付き合っていた相手が自分を訪ねてくるとか想像するだに勘弁してくれと思うし。 後は画作りがかなり苦手なタイプでした。運良く監督の舞台挨拶を見れたのですが、監督は岩井俊二の映画にかなり影響を受けて映画の勉強をしたそうです。言われてみれば納得で、淡い光のライティングや、屋上から捉える都市の風景、等は実に岩井俊二の映像美に近いものを感じます。構図も非常に凝っていて、あらゆるモノを画面の端と端に配置してシネマスコープ的に対象を捉えます。但し、そういう凝った映像のせいで、余計に主人公が等身大のキャラ、自分の分身には見えず、全く違う世界の映画の住人なんだと思ってしまいました。
[映画館(字幕)] 4点(2014-02-20 22:25:32)
104.  クルードさんちのはじめての冒険 《ネタバレ》 
とても冒険的で意欲的な作品ですよね。なんたって主人公たちは原始人、ここでキャラデザを短絡的に可愛い今風の顔にしなかったところが素晴らしい試みだと思います。クルード一家はネアンデルタール人、ガイはクロマニヨン人がモデルなのでしょうが、やっぱり彼らはヒロインを筆頭に愛くるしさは殆ど無いんですよね。奴らが肉を貪り食ってるシーンとかちょっとしたホラーだし。子ども映画でもそこから逃げないのは凄いことだと思います。色彩豊かな世界観も魅力的でした。 また物語が王道とは言えしっかりした内容ですし、父親の成長を主に最後まで楽しんで観ることが出来ました。厳然とした家父長制を強いていた父親から家族が段々と離れていく展開は父親の心理も含めてとても丁寧に描写されていたことが印象的でした。 但し、終盤の展開には物凄いご都合主義を感じてしまってかなり興ざめ。監督が『ヒックとドラゴン』のクリス・サンダースだからでしょう、他者との交流・理解を無理矢理にでも入れたかったのでしょうが、サーベルタイガーがグラグ(父親)に懐くのはちょっとやり過ぎではないでしょうか。一家はガイと合流してからというもの何回もサーベルタイガーに襲われて食われかけているのにさぁ。なんで急に懐くんだよ。『ヒックとドラゴン』では人間がドラゴンと対話する試みをせずに攻撃してたから「実は仲良くなれるんだよ」って事で問題なかったと思うのですが、サーベルタイガーと人間の関係性ってこの映画の中では所詮捕食者と餌でしかない筈でしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-17 21:06:08)
105.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 
「天才肌と努力型」、「軽薄さと不器用さ」、「対照的なレーサー同士の戦いと友情」……こう書くと如何にもありきたりな展開に終始し凡庸な作品になりそうなものですが、そこをクリアして堂々たる良作に仕上げてしまう辺りの手腕が、流石はハリウッド派の巨匠、ロン・ハワード。 実際に観終わって考えてみると、なんら奇をてらった展開は無いんですよね。張られた伏線を余すところなく回収し、人物描写の丁寧かつ的確でキャラクターの行動一つ一つに納得がいく。そして観客がアガるレースの場面を適度なテンポで挿入する。しかしこれだけの丁寧な演出、脚本は普通の監督には出来ません。正にお手本の様な映画。その模範解答の様な出来をありきたりと取るか、優秀と取るかは人それぞれですが、私は良い映画だと思います。 また、私は車輪がついているモノには基本的に興味がない男らしくない人間なのですが、そんな私でもレースの場面には結構テンション上がりました。やっぱりアクションの魅せ方が上手いのでしょうね。普段は「全部おんなじやん」と思ってしまうハンス・ジマーの音楽も、F1カーの唸り声を上げるエンジン音と同期している様な感じで、素晴らしかったです。 主人公二人の人生はどちらも恰好いいのですが、やっぱりニッキー・ラウダの生き様に惹かれますね。鑑賞後に調べてみたのですが、ウィペディアに載っている彼のストイック&非名声欲な姿勢からの数々の武勇伝が凄く面白いです。地元のガソリン・スタンドで代金の代わりに優勝トロフィーあげたとかイケメン過ぎる。
[映画館(字幕)] 8点(2014-02-07 18:32:12)(良:1票)
106.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 
とにかく最高に楽しくて楽しくて仕方がありませんでした!レオナルド・ディカプリオとジョナ・ヒルのアッパー系のドラッグをやってる時のラリラリ演技は超面白いし、オネエちゃんのオッパイもバンバン映るし(下品で済みません)、軽快な音楽に合わせてテンポも抜群、所々「どうやって撮ったの?」っていうシーンも多くて画的にも全然飽きない。以前に『ヒューゴ』と作品賞を争った『アーティスト』のジャン・デュジャルダンを起用するなんて全く粋なことしますねぇ。 ストーリーも個人的には申し分無い物だったと思います。この映画の肝は意図した物かは解りませんが、ニーチェの「超人思想」なのではないでしょうか。キリスト教が存在する以前、世の中は"強者こそ正義、弱者こそ悪"でした。強いマッチョメンが人体の理想型だし、金は無いより有る方が正しい。古代ギリシャ時代やルネサンス期なんか見ると正にその通りです。生物学的には疑いもなく正しい理屈です。でもキリスト教の出現でヨーロッパ圏は逆に"弱き者を助けるのが正義。金儲けばっかり考えてる奴は悪!"となってしまいました。その思想が今も続いている。 本作のウォール街の証券マン、特に主人公ジョーダンは弱者から金を吸い取ってでも金儲けがしたい、今の価値観ではクソの様な連中として描かれます。如何にゴミ株式に投資させるかを嗅ぎ回る正に狼(ウルフ)共。実際の証券マンがどうかは知りませんが(個人的にはそう違いは無いと思ってますけど)、とにかくこの映画ではそういう人種として描かれている。彼等はニーチェが言うところの超人そのものです。「金儲けして何が悪いの?自分が底辺から這い上がる為に弱者を踏みにじるのが悪い事なの?」と。嘗て証券マンを夢見ながらFBIにいるデナム捜査官は観客が投影されているキャラクターなのでしょう。彼は金儲けの世界に一瞬惹かれている様な素振りを見せるし、ジョーダンの逮捕が確定した時も嬉しそうな表情を浮かべない。 最後に映されるデナムが地下鉄で茫と見つめる貧困に喘いでる人々、ジョーダンのセミナーに参加して何の価値もないペンの売り方を必死に考える人々。金持になる為に他者を騙し、蹴落とす事が間違いなのか。どちらの生き方が正しいかは観客が決めなければいけない事なのだ。 ……、いや私はそんな生き方は御免ですがね。
[映画館(字幕)] 9点(2014-02-01 22:46:20)(良:4票)
107.  アメリカン・ハッスル 《ネタバレ》 
先ず目に付くのが豪華キャストの面々。オスカー受賞&ノミネートの常連が名を連ねており、この顔ぶれを観て唸らない映画ファンは少ないでしょう。実際に『オーシャンズ11』の様な単に豪華キャストという訳ではなく、それぞれの役者が素晴らしい演技を見せてくれる。特にクリスチャン・ベールの役作りはトンデモないレベルで、『マシニスト』→『バットマン』→『ザ・ファイター』→『アメリカン・ハッスル』と激太り⇔激痩せを律儀に繰り返す役者根性は唯々凄いとしか言えません。その内体壊すんじゃないかしら。 映画の内容は非常にマーティン・スコセッシの映画、ハッキリ言うと『グッド・フェローズ』に似ていると思いました。流行りのナンバーがサンプリングの様に次々と流れる音楽などは特にそう。デ・ニーロもしっかり出てますし。スコセッシの映画と言えば臆病な奴と無鉄砲な奴が出て来て臆病な奴が泣きを見るって話が多いですが、本作のアーヴィンとリッチーの関係性はそれに近いかなと思います。劇中でリッチーとロザリンの無鉄砲さに終始困り続けるアーヴィンの姿には心の中で大笑いしてしまいました。その辺り、私はコメディー映画としてこの映画はとても優れていたと思います。 但し、釈然としない点も多々ありました。ここでは全て書き切れませんが、例えば音楽について。詐欺師二人の出会いはデューク・エリントンでした。ここでシドニーは「彼には何度も人生を救われた」とまで言うし、彼女が辛い人生を送ってきた事はなんとなく示されますが、最後まで別にデューク・エリントンに大した意味は見い出せない。次にセロニアス・モンクの「Straight No Chaser」が流れる場面。このスタンダード・ナンバーは題名の通り「チェイサー無しで酒をストレートで」という曲なのですが、画面を見ていても別に必然性は感じられない(因みに送金係が仲間に加わる場面です。あの送金係の件とか削っても話繋がりますよね)。思い返してみると、結構「これ必要か?」と思える音楽や場面が多く、やり方次第では2時間以内にも収められる内容だったと思います。 あと個人的には、演技は上手いのでしょうが肌のツヤからどう見ても20代に見えてしまうジェニファー・ローレンスよりも、ケツは見せるわ股は開くわ乳はこぼれそうになるわ女優根性を見せたエイミー・アダムスの演技の方が頭一つ抜けていたと思います。
[映画館(字幕)] 8点(2014-01-31 22:15:31)(笑:1票)
108.  インシディアス 《ネタバレ》 
大ヒットした傑作スリラー『ソウ』のジェームズ・ワンとリー・ワネルのコンビと聞くと誰もが「あのソウを作った監督の映画!?」と期待値が高くなってしまうのも分かりますが、この二人、どちらかと言うと『ソウ』が出世作にして異色作であり、その後のホラー映画では本作と同じ様な簡単に言ってしまうとアホらしい作風が地の持ち味です。 『デッド・サイレンス』でもジャパニーズ・ホラーらしい展開を期待させておいて、終盤では死人を登場させて「オバケだぞー!」ってやってました。本作はそれに『シャイニング』らしいホラー表現を足したってところでしょうか。"彼方の世界"でアックマンみたいな悪魔が出てくるから更にアホ度は高くなっていると言って良いかも知れません。加えて突っ込ませて貰うならば、この悪魔、劇中では「世の中で最も邪悪な存在」とまで言われながらやる事といえばチンケな嫌がらせ行為のみ。やっすい悪魔ですなぁ。 本気で怖がる気で観ると間違いなく肩透かしを喰らうと思いますが、監督のアホな驚かせ方が素直に楽しめるなら満足度は高いでしょう。
[DVD(字幕)] 5点(2014-01-15 22:47:28)
109.  くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密 《ネタバレ》 
前作がかなり従来の子ども向けアニメから脱却した作品だったので、今回も期待して鑑賞。その子ども向けと大人向けのギャグが混在したセンスは健在だったので、その点に関しては楽しめました。フード・アニマルが可愛いとか劇中では言われてますけど、やっぱり食べ物が動物化して食材を貪り食うシーンはかなり異様の雰囲気を漂わせている。 あとは至るところの構図・演出が完全に『ジュラシック・パーク』そのもので、同作のファンとしては嬉しいことでもあるのですが、それが作品に上手く活きていたかと問われると疑問ではありました。 あと非常に残念だったのが、前作ではハッキリ軸としてあった物語のテーマが一貫していないことでしょうか。「友人を信じ抜くこと」と「動物乱獲・動物実験」という二つの話に主人公が葛藤する。その二つのテーマが絡み合って解決されるという展開なら兎も角、別々に適当に解決されてしまうので、全体に話が上手く纏まっていない気がしました。 それから日本吹き替え訳のセンスが余り宜しくなかった点も勿体がない。この手の訳は難しいのは分かりますが、フード・アニマルの名前はもう少し工夫して欲しかった。言葉遊びでも、例えば「Cut The Cheese(チーズを切る):オナラをする」と言ったギャグも特に何の工夫もなく訳しては子どもにはギャグの意味が絶対に通じないのでは?配給会社はこのシリーズが大人向けのブラックなギャグ満載の映画であることを理解して配給して欲しいです。
[映画館(吹替)] 6点(2014-01-14 13:15:47)
110.  なんちゃって家族 《ネタバレ》 
近年のアメリカンコメディ王道らしく「下ネタ」「エロ」「悪い言葉(Bad Language)」を詰め込み、加えて「近親相姦ネタ」「(オチの)葉っぱネタ」等もあり、大変教育上良くない仕上がりになっています。 映画の肝心の出来は、一言で言っちゃうと"くっだらない"映画。しかしこれは褒め言葉です。観ながら「くっだらね~!」と腹を抱えながら気持ち良く笑える映画なのです。この感覚を得るには話運びのスピード感が絶対不可欠。この映画はそこのテンポが抜群に良いと思います。オープニングから主要4人の人柄を描きつつストーリーを展開させ、サッサと飛行機→国境→メキシコ→国境と舞台が転換し各シーンを間延びさせない。最後にはアメリカ映画の伝統らしく主人公の成長もチッキリ(やや義務的ではありますが)描く。実に正しいアメリカのバカ映画の形です。 その上、各所でつるべ打ちでギャグを重ねているのですから、本当に脚本や編集、細かい演出が上手いのだと思います。下手なコメディ映画だったらギャグの場面は物語が止まってしまうことが往々にありますからね。 特に笑わせてもらった場面は、ジェスチャーゲームでのジェニファー・アニストンのチ○コ連呼、ウィル・ポールターの晴れ上がったタ○キン、期せずして始まるスワッピング(但し嫁×嫁)、姉と母にキスの手ほどきを受けさせられるウィル・ポールター、等等です。 ホントにくっだらねー映画。でも好きです。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2014-01-06 21:27:22)(良:1票)
111.  REDリターンズ 《ネタバレ》 
大スターが大挙して出演している事を除けば、とても見れたもんじゃない作品であることは間違いないかと思います。でもこういうオールスターキャスト映画にありがちなように、ブルース・ウィリスのあからさまに適当な演技、ヘレン・ミレンのキャリアを自虐したギャグ、ジョン・マルコビッチの楽しそうな顔、(ファン以外には)不必要なイ・ビョンホンの全裸、「そんな退場の仕方ならそんな仕事断れよ!」と言いたくなるキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、熟女に目覚めそうになるくらい可愛いメアリー=ルイーズ・パーカー、怖い演技をしたらキッチリ怖いアンソニー・ホプキンス、彼等を観ていると下らない内容も許せてしまうからズルいです。 敢えて特に酷かった点を言うならば、前作もそうでしたが、引退した凄腕エージェントがメチャ強いんではなくて、単に追っ手が弱すぎると思えることでしょうか。足元のプリングルスに気づかない突入部隊ってどーよ。ブルース・ウィリスに殺される前に転職を考えるべきだったな。
[映画館(字幕)] 4点(2013-12-30 19:30:27)
112.  永遠の0 《ネタバレ》 
この『永遠の0』の原作者・百田尚樹と監督・山崎貴は非常に近い製作姿勢であると思っています。つまり受け手の無知を前提に置き、全てを懇切丁寧に押し付けがましく描写しているということです。今回は映画のレビューなので映画に限った話に留めます。 これまでの映画でもそうであったように、山崎貴は感動的な音楽と過剰な説明的台詞、泣きの演出で観客の感情を無理矢理にでもコントロールしようとする監督だと私は思います。本作でもその作風は健在で、あらゆる場面で辟易しました。 例えば音楽では、この映画では感動的か緊張的な音楽がほぼ常に鳴っている印象です。回想から現代パートに戻っても延々と「感動しろ!」と言わんばかりに鳴り響いている。ハッキリ言って無粋だと思います。 例えば過剰な説明としては次の場面。宮部の初登場シーン、次々と空母の着艦に失敗する戦闘機が映り、整備士たちが「ハッハッハッハ!」とまるで万歳三唱のように笑う。私はコントを見ていたのでしょうか。誰かが宮部の悪口を言う時は本人や上官が聞こえる位置で態々言う。そんなことしたら処分モノじゃないの? そもそも物語の文法が出来ていない。末期ガンに犯された井崎さんが、横須賀に寄港した際に宮部が家へ帰っていることを語り回想シーンに移りますが、宮部が家でどう過ごしたのかを勿論井崎さんは知る由もない。でも普通に詳細に描いてしまっている。この映画では戦争体験をした語り部の回想が繰り返されているのに非常に不自然です。恐らく「馬鹿な観客はそんな細かいことに気がつかない」と思っているか、作り手が単に馬鹿かどちらかでしょう。他にも色々ありますがとても書ききれない。 そういうことで観ている間色々残念というか悲しい気持ちにさせられましたが、何より悲しかったのが劇場内の反応です。終盤ではかなりの数の観客がすすり泣きしていました。つまり山崎貴の演出は余すところなく観客に伝わっており、その演出に白けている私の方がマイノリティなのだ。権威的で言いたくはないけれど、昔の名画というのは観客に読み解かせる余白をもっと残していたと思う。私にとっては過去の名画こそ失われた幻の零戦と言うしかありません。  ああ、戦闘シーンは良かったですよ。それだけ。
[映画館(邦画)] 4点(2013-12-28 22:33:20)(良:2票)
113.  ラストスタンド 《ネタバレ》 
不満点は山ほどあります。B級映画のお約束通りプロの殺し屋にしては余りに杜撰な行動、ラスボスのインパクトの弱さ、生きようが死のうがどうでもよくなってしまう程の魅力的でないキャラクター達、時速300km超を叩き出す化け物自動車に田舎市長の車で追いついてしまう、……等々例を挙げるとキリがありません。 但しシュワちゃんのアイドル映画としてはかなり高水準な映画なのではないでしょうか。昔から出来不出来関わらず彼のアクション映画をテレビで観ていた身としては、オープニングタイトルの後に彼が主役として姿を見せた画だけで、つい嬉しくなってしまう。なんだかんだでラストバトルは殴り合いという展開にも「それそれ!待ってました!」と言いたくなる。しかも絶妙にアクションのキレが無くなってしまっている様が可愛かったです(とても見れないレベルではない)。 ただやっぱり映画としては凡庸、もしくはそれ以下の代物であることは間違いないと思いますし、韓国映画界でも数々のヒットメーカーであるキム・ジウンもハリウッドに行くとこういう出来の映画に成り下がってしまうのかと、ハリウッドの怖さを感じました。因みにキム・ジウンは『グッド・バッド・ウィアード』『悪魔を見た』等の監督で、本来はアクション、残酷シーンの演出が大変素晴らしい方です。
[DVD(吹替)] 5点(2013-12-22 06:15:40)
114.  キャプテン・フィリップス 《ネタバレ》 
ポーン・グリーングラス監督らしいブレるカメラ、無線機や電話等の小道具を舐めるように捉えるカット、それに伴う緊張感を堪能できるアクション映画です。ただ、前々作の『ボーン・アルティメイタム』、前作の『グリーン・ゾーン』と比較すると画面の揺れの度合いは控えめになっているし、カットの数もかなり少なくなっているように感じました。一部の人々には同監督の作品は「目が疲れるから嫌い!」と言われていますけど、この作品はそういう人たちにも薦められるのではないかと思います。 ソマリアの海賊から助かった勇気ある船長という話でありながら、単なるアメリカ万歳映画では無く、ソマリア海賊側の言い分や現状も描かれているのがフェアだと思います。最後にはあのフィリップスを気遣っていた男の子まで無残に射殺されてしまったのには仕方が無いとは言え呆然となってしまいました。
[映画館(字幕)] 7点(2013-12-15 06:55:58)
115.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
驚異の映像体験だったと言わざるを得ません。観客は宇宙空間に放り出されたライアンと完全に一体となって宇宙で漂流する恐怖を疑似体験する。冒頭の船外作業からスペースデブリの襲来、ライアンの一人称視点による漂流に至るまでは本当に息が出来ないような臨場感でした。しかも特殊効果を用いて上手く繋いでいるとは言え、ここまでをロングテイクで撮ってしまうとは恐れ入ります。また編集の技術もとんでもない。ライアンが完全に一人で宇宙空間に放り出されるシーンでは一人称視点と三人称視点が入り混じったりする。画面構成もすごい。普通の映画では当然シーン毎に写したい対象は決まっており、それはこの映画でも同じなのですが、例えばスペースデブリがシャトルに衝突するシーン等では画面全体で明らかに観客が一回の観賞では処理できない情報量が描き込まれている。多分、何度観ても画面で色々な発見ができる作品だと思います。 では映像の凄さだけなのかと思っていたら全然そんなことは無くストーリーも素晴らしい。中盤のライアンがソユーズの中で死を受け入れようとした辺りから次第に人生の意味を問いかける様な展開を見せていく。マットの「宇宙空間は静かで孤独だ。しかしならばどこに生きる意味がある?生きて地球に還るんだ!」という台詞はあらゆる人の励みになる言葉だと思います。だからラストシーンでライアンが土を掴み、大地を踏みしめる姿は大変感動的でした。無重力・水中を経て彼女は陸への帰還を果たす。これは進化であり、再生であり、誕生の物語なのでしょう。 アルフォンソ・キュアロン監督は『トゥモロー・ワールド』に引き続き映像・ストーリー共に類い稀な傑作を撮ってしまった。彼の作品をリアルタイムで劇場の大画面で観られることを本当に幸運に思います。
[映画館(字幕)] 9点(2013-12-13 14:57:18)(良:5票)
116.  キャリー(2013) 《ネタバレ》 
名作やカルト作品のリメイクは本当に難しいモンだと思います。原形を残してないとファンが怒るし、リスクを恐れて冒険をしないと凡庸な作品に成り下がってしまう。本作は完全に後者だと思います。 個人的に心配だったクロエ・グレース・モレッツは頑張っていたと思います。そもそもオリジナルのシシー・スペイセクが奇跡のバランスで成り立っていた配役だったのでそれを越えられないのは仕方が無い。しかし彼女のパフォーマンスが100%の力を発揮していたとはどうしても思えませんでした。それは周りの役者もそうで、モレッツの本来の演技が100ならば本作では良いトコ70程度しか発揮できていなかったと感じたし、周りの役者はそれに倣うと50が20程度だったと思う。 それはやっぱり監督の力量不足というか役者のコントロールが出来ていないのだと強く感じました。今時、あからさまに"目を泳がせ"たり、"顔を背け"たりする演技ってどうなんでしょう。また監督が今回『キャリー』をリメイクするに際し「何をしたかったか」が全く見えません。プロムナイトに代表されるデ・パルマの映像美は消えて貧乏臭い画になっているし、忠実に作ることを考えすぎてオリジナルの良さは消え、監督のオリジナリティは消えてしまっていると思います。 それでもキャリーがプロムナイトで暴れだした後は結構楽しかった。やっぱりモレッツはちょっとイっちゃってるキャラが似合うのでしょう、燃え上がる炎をバックに超能力を爆発させる場面は見ごたえがありました。クリスのフロントガラスへロケット頭突きにも大いに笑わせてもらいました。 そこまでの時点では「5点くらいの映画かなー」と思っていたのですが、センス0点のラストカットと底抜けに明るい調子のエンディング曲でマイナス1点。
[映画館(字幕)] 4点(2013-12-02 06:49:29)(良:1票)
117.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
アニメーション、ストーリー、共に素晴らしい作品だと思います。まずアニメーションですが、本作ではかぐや姫が泣きじゃくるシーンが二回ある。一回目は赤ん坊の頃で、二回目は月に帰りたくない心の丈をブチまける場面。姫は思い切り顔を崩して泣きじゃくる。その顔はとても写実的です。しかしその前後の例えば目の間に垂れてきた蜘蛛を寄り目で見つめるシーンや、成長した後の姫はとても漫画的な可愛らしさに満ちている。しかも背景は中国画に良く見られるような抽象的な画です。その写実的表現と漫画的表現、抽象的表現が完全に違和感無く同居している。見せ場でもあろう姫が宴を飛び出し野を駆けるシーンの疾走感も素晴らしかった。 ストーリーも申し分無いものでした。『竹取物語』は元来月の住人である姫と周囲の人間を通して、当時の貴族社会を風刺した作品なのですが、その"身分の差"という点も十分に描きながら、姫を主役にすることでオリジナリティも十分に感じられるものとなっています。新たに付け加えられた要素は"自由"について、もっと限定して言えば"生命賛歌"でしょう。月からの使者の容姿から容易に想像できるとおり、月の世界は謂わば極楽浄土です。老いもなければ苦しみもない。しかし姫は生や死が蔓延る地球に憧れて、罪人としてその地に落とされた。姫は帝から逃げ出す際に月に迎えの信号を発してしまいますが、 捨丸と再会して気づいたことはやっぱり生や死がある世界の方が素晴らしいということ。それは宮内で貴族的生活に辟易していた姫自身も反映している。そして観客も同時に気付いてしまうのではないでしょうか。「辛かったり、楽しかったり、生きたり、死んだりするから人生なんだ」ということに。何故なら誰でも"ここではないどこか"を目指して生きているのだから。現状がどれだけ肉体的にも精神的にも満たされているからと言って、そこに甘んじている事は本当の生の実感には繋がらないでしょう。監督は「今日性があるのかは分からない」とコメントしていますが、人が自由を求める限りいつの時代にも通じるテーマだと思います。 まさか『竹取物語』から話の大筋を変えずにこれだけ深いテーマに到達する作品とは思っていませんでした。
[映画館(邦画)] 9点(2013-11-28 02:07:46)(良:1票)
118.  共喰い 《ネタバレ》 
私は未読ですが、恐らく第一に原作が素晴らしいのでしょうね。ドブ河、驟雨、風呂場で流れる遠馬の精液、それらがテーマを雄弁に物語っている。話は最低のロクデナシの種子から産まれた主人公がその血筋、呪縛から抜け出せるのかというもの。それらは目では見えないものだから、前述した無形物で表現されている。この表現が美しかった。 原作も素晴らしいのでしょうが、その文芸作品を映画に上手く落とし込めているのは青山監督の力量なのでしょう。下手な監督が撮ると主人公の痛みはあれ程鮮やかに表現できなかったであろうし、田舎(北九州の人には悪いが)の閉じた世界観も出せなかっただろうと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2013-11-23 15:19:19)
119.  凶悪 《ネタバレ》 
実際の保険金殺人事件のルポを題材とした映画。何よりその題材の料理の仕方に唸らされました。テーマ自体はコーエン兄弟の『ノー・カントリー』に近いと思います。怪物の様な殺人鬼を善人である主人公が追っていく内に、人間の暗黒面に迫っていく。『ノー・カントリー』の方は原題の通り事件を追っていた老保安官が「こんな国は老人の住める国じゃねえ」と呆然として終わりますが、本作は主人公を通して観客に問いを投げかけてくる。主人公の妻が最後に呟く「あなたも愉しかったんでしょう?」という台詞だ。ワイドショーではコメンテーターが事件について意見を並べ立て、ネットで全くの第三者が事件を勝手に糾弾していることなど山程ある。そんな資格が君(観客)にあるのか?と作り手が質問を投げかけているように思えました。 そんな感覚を観客に抱かせるには事件を如何にもエグく興味が惹かれるものに見せなくてはなりません。それに寄与しているのが、多くの方も述べているピエール瀧とリリー・フランキーの怪演でしょう。二人共目に狂気が宿っていて素晴らしい。 しかしどうにも特に先生のキャラクター造形が、『冷たい熱帯魚』のでんでん演じる村田に近いと思ってしまいました。と言うか事態が急変するとカメラが登場人物の背中をダイナミックに追っていったり、殺人シーンではカメラが縦横無尽にパンすることで場面に異様が感じられたりと、かなり園子温のタッチに近いと思いました。……が、これはエグい話を見ると直ぐにポスト園子温と思ってしまう私の悪癖でもあるのかも知れません。 それから最も残念だったのが、主人公がとにかく私の嫌いなタイプの人間だったこと。勿論、あのラストに向かうのであれば仕方が無いのかも知れませんが、「おまえ夫としてどうなん?」と何度も思ってしまった。あれだけの奥さんの懇願に対して「疲れてるから……」で蔑ろにするとか酷すぎる。私はここで主人公に余り感情移入できなくなってしまい、ラストにリリー・フランキーが突き出す人差し指の先に自分はいないと思ってしまいました。
[映画館(邦画)] 7点(2013-11-23 14:46:28)(良:3票)
120.  踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 《ネタバレ》 
「踊る大捜査線」の基本といえば序盤で散りばめられた下らない要素が、終盤に回収されていくのは、基本的に大嫌いなこのシリーズで唯一好きな部分なのですが、それすら消え失せた本作。散りばめた要素を最後まで回収しないのは、「定番からの外し」でば無く単なる「不誠実」だと思います。 また長い上映時間の中で話にまとまりが無く、そして脚本が酷すぎてキャラクターの言動に意味が通らず、観ていて非常に混乱しました。「なんでコイツがこうするの?こうなるの?」という気持ちが頻出します。 撮影の仕方もカメラを署内の通路に沿わせてあっちへ行ったりこっちへ行ったり動きに意味がなく単に見辛いだけ。お偉方が暗い会議室の中の円卓で会議してる様は最早ギャグでしかありません。普通に電気つければいいのにね。 不満点を挙げていって感じたことは、こんな映画の基本を蔑ろにする監督や脚本家がビッグバジェットの映画に携われる、日本の映画界の異様さです。
[DVD(邦画)] 1点(2013-11-20 22:19:16)
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