1221. シャンハイ(2010)
《ネタバレ》 第二次大戦前夜の様々な国の陰謀渦巻く上海を舞台にした、濃厚な政治ドラマ。という個人的に好きなテーマの映画なのだが、いまいち乗り切れなかった。やはりこの手の映画は、政治八割・恋愛二割くらいがちょうど良い配分だと思うのだけど、恋愛の比重が幾分か多すぎてバランスが悪くなってしまっている。豪華な俳優陣だけに残念な作品だった。 [DVD(字幕)] 5点(2012-07-04 04:25:31) |
1222. クレイジーズ(2010)
《ネタバレ》 昔からよくある既視感満載のゾンビ映画。新しいところと言えば、感染した人たちが単純にゾンビになるのではなく、ちゃんと記憶や感情を有したまま、文字通りクレイジーになってしまうというところか。それでもこの手の映画に絶対必要なセオリーは手堅く押さえているので、とても好感の持てる映画に仕上がっている。 [DVD(字幕)] 6点(2012-06-28 23:15:37) |
1223. パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々
《ネタバレ》 本当に面白くない映画だった。脚本が穴だらけ。ヒドラに襲われて絶体絶命のピンチに追い込まれて「あ、そういえばメデューサの頭持ってたんだ」って、気付くの遅すぎ。あと、冥王ハデスが嫁さんにパコーンって叩かれて終わりって弱すぎだろ! [DVD(字幕)] 2点(2012-06-21 19:50:08)(笑:1票) |
1224. スリーデイズ
《ネタバレ》 これは文句なしに面白い。ずっと社会派映画ばかり撮ってきたハギス監督が、その持ち味を十分に活かしつつ、幾分か娯楽色の強い作品を作って見事に成功している。平凡な大学教授が、無実(?)の妻を救うために悪戦苦闘する前半部分の姿は見てて切なく、それが後半部分のある種開き直った力強い姿が良い好対照をなしている。抑えた丁寧な感情描写、練られた脚本、出演者の力のこもった熱演、どれもが素晴らしい。ただ、もう少し遊びの部分があっても良かったかなとも思うが、最近の映画のなかでは良作。 [DVD(字幕)] 7点(2012-06-21 11:41:20)(良:2票) |
1225. ツリー・オブ・ライフ
《ネタバレ》 確かに映像は素晴らしいけれど、それだけな映画。べつに映画に娯楽性だけを求めているわけではないけれど、それでもこの分かる人にだけ分かればいいというある種独り善がりな作風は好きではない。この監督は確かに美しい映像を撮らせたら天下一品だけれども(特に水中の映像は白眉)、なんだかキリスト教の啓蒙映像にしか思えなかった。キャストが豪華なだけに残念。 [DVD(字幕)] 5点(2012-06-21 11:30:29) |
1226. ダーク・シャドウ(2012)
《ネタバレ》 相変わらず我が道をいく、デップ&バートンコンビ。今作も、お馴染みのメンバーで思いっ切り楽しく創っているのが観ている方にも伝わってくる(ヘレナ・ボナム・カーターはこれで何回ジョニーに殺されたんだろう?)。それでも、さすがにちょっとマンネリ気味なのか、途中まではなかなか冗長で「これは外したかなぁ」と思ったものの、中盤からはいかにもバートンらしいゴシックホラーとブラックユーモアが渾然一体となって加速度的に面白くなっていった。まともな人間はおろか、まともな怪物すら出てこない(デップ演じる主人公が超自己中で女にだらしないヴァンパイアという設定自体変だし)、いかにもバートンらしいへんてこりんで楽しい映画。 [映画館(字幕)] 7点(2012-06-08 21:24:30) |
1227. エッセンシャル・キリング
《ネタバレ》 映画を純粋にアートとして撮るという意識で創られた作品を否定はしないが(そいいう映画のなかにこそ記憶に残る作品が多い)、それでも大前提として必要最低限の面白さがなければ僕は駄目だと思う。監督の前作がその意味において、なかなか良作だっただけに、それに比べれば今作は残念ながらぎりぎり鑑賞に耐えうるレベルに達していない。ぶれない姿勢やこだわりの映像美は確かに認めるけど、正直良い作品とは思えない。 [DVD(字幕)] 4点(2012-06-06 14:23:40) |
1228. デビルクエスト
《ネタバレ》 まあ、こんなもんだろうという期待をまったく裏切らない出来だった。どこかで見たようなシーンの連続に、予算の都合か、後半のいくにしたがってチープになる映像。まあ、それでもそこそこ楽しめる映画に仕上がっていたので良いんじゃないでしょうか。 [DVD(字幕)] 5点(2012-06-06 14:17:10) |
1229. ロスト・アイズ
《ネタバレ》 なんとも奇怪な映画。あり得ない状況設定に、矛盾だらけのストーリー。観客置いてけぼりで、怒涛のようにラストまで突き進んでいくのだけど、取り敢えずアイデアを詰め込みすぎているのにそれをまったく消化しきれていないから、「なんじゃそりゃ!」という感想しか浮かんでこない。なんしか主人公の女、心変わりしすぎだろ!! [DVD(字幕)] 4点(2012-05-27 22:21:13) |
1230. サンクタム
《ネタバレ》 まあ、冒頭から最後まで既視感満載なんだけど、それでもパニックアクション映画としてはそこそこ楽しめました。ずっと洞窟のなかだけで話が進んでいくので、中盤だれるきらいがあるものの、親子の絆に焦点を絞ったところは(ベタですけど)良かったんじゃないでしょうか。 [DVD(字幕)] 6点(2012-05-25 21:16:40) |
1231. エアベンダー
《ネタバレ》 迷走中のシャラマン監督が、せっかく「ハプニング」のヒットで盛り返したというのに、その業績を根底から覆してしまったかのような、近年稀にみる駄作。ファンタジー映画としてもっとも大切な緻密な世界観を観客に伝えるということもおろそかに、そんなこと知ったことかと勝手にどんどんと進んでいくストーリー、何故かいつの間にか恋人同士になっている登場人物、終始置いてけぼりに唖然。いったい、シャラマン監督はどこに向かっているのでしょうか? [DVD(字幕)] 3点(2012-05-20 21:50:27)(良:1票) |
1232. ラスト・ターゲット(2010)
《ネタバレ》 なんなんですかね、この中途半端な映画は。スパイアクションなのか、ヨーロッパ風のアート系な映画なのか、それとも美しい景色を背景にしたラブストーリーなのか、全てに於いて不完全燃焼。せめてどれか一つに絞ればよかったのに、せっかくのジョージ・クルーニー主演も台無しです。 [DVD(字幕)] 4点(2012-05-20 20:12:09) |
1233. 告白(2010)
《ネタバレ》 昨今の邦画業界の商業主義に走るあまり、観客に迎合したような、昔のアニメとかドラマとかをCG満載にリメイクしてお父さんもお母さんも子供たちも楽しめて、そしてそれでは飽き足らずジャニーズのアイドルを多用したので若い女の子たちも楽しんでくださいね的な、観客に媚びまくったような軟弱な体たらくぶりに正面から挑戦するような、中島哲也監督の猛毒エンターテイメント。もう、その一本、筋が通ったような彼の信念は大好きです。人間の悪意や偽善、そして集団心理のとてつもない残虐性といった、深くて重たいテーマを扱いながら、ちゃんとエンタメ映画として一級品の作品に仕上がっているところは、本当に素晴らしい。思春期の少年少女たちの誰もが孕む、少しでも触れたら壊れてしまいそうな狂気の世界を陰鬱に、そして美しく描きながら、最後はそんな身勝手な子供たちに、松たか子演じる教師が全ての大人の代表として鉄槌を下す。「なーんてね」なんていう中2病的な逃げが、どれだけ卑怯かを分からせるために……。冒頭の、牛乳パックが転がって中身が零れるシーンから、そんな素晴らしいラストまでぞくぞくするような緊張感が一切途切れない、中島哲也監督の傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2012-05-17 01:50:30) |
1234. ブラック・スワン
《ネタバレ》 これは凄い作品です。こんなにまで、自分の好みと見事に合致した作品は初めて。クラシックバレエの世界で頂点を目指すある一人の内向的な少女を主人公に、そのとてつもない重圧とストレスのせいで次第に狂気に捉われながら、なにもかもを失ってでもそれでも完璧な演技を追及する彼女の姿は圧巻です(ナタリー・ポートマンの熱演が凄い!)。現実と妄想が渾然一体となった、まるでガラス細工のような彼女の精神世界が加速度的に崩壊していく映像の美しさは見事としか言いようがない。嫉妬と重圧とエロスによって自分の正気の壁を致命的なまでに決壊させ、そして溢れ出した狂気の濁流にとうとう命までをも呑み込まれながら、最期に掴んだ儚くも精巧で完璧な美の世界……。僕がいままで観てきた数ある映画のなかでも、最高に美しいラストだ。哀切な余韻がいつまでも残る傑作と言っていい。 [DVD(字幕)] 10点(2012-05-14 01:48:24) |
1235. ジョナ・ヘックス
《ネタバレ》 まるで素人集団が製作したような酷い出来だった。ストーリーの見せ方がことごとく下手すぎて、誰がどんな思惑で行動しているのか、観ている人間にまったく伝わってこないし、細かな設定も全然活かされていない(最たる例が死人と喋れるというところ)。俳優人がそこそこ豪華なだけに残念な映画だった。 [DVD(字幕)] 4点(2012-05-09 22:35:01) |
1236. アリス・イン・ワンダーランド
《ネタバレ》 お馴染みのバートン&デップの黄金コンビが撮った、もう安定感抜群の娯楽大作。今回はディズニー資本ということで、必ずヒットさせなければならないという制約もあったせいか、バートンお得意のダークファンタジーの要素は少々大人しめ。なのでバートン&デップファンの自分としては、ちょっと物足りなかったけれどそれでも十分に楽しめました。特に白の女王のあのイタい感じが良いですね。 [映画館(字幕)] 7点(2012-05-01 12:04:27) |
1237. アンノウン(2011)
《ネタバレ》 途中まではすごく良かったのだけれど、さすがに最後のオチは無理があるだろう。それまでのテンポのいいアクションシーンが一気に興醒め。敵の凶悪な計画をなんとか阻止したぜって元々あんたが計画したもんだろう!最後は自首するわけでもなく、若いおねーちゃんと電車でバイバイて……。本当に途中までは良かっただけに残念な映画。 [DVD(字幕)] 5点(2012-05-01 11:35:25) |
1238. ロシアン・ルーレット
《ネタバレ》 近年、稀にみる駄作。金に困った人間を集めてロシアンルーレットをさせてそれに金を賭けるギャンブラーの話を撮ったら流行るんじゃない?という安易な企画が一人歩きして、無残な結果を招いてしまっている。延々と同じ描写が繰り返されるのは、まったく脚本を練ることなく撮影を始めてしまったことを如実に物語っている。最後に主人公を捕まえて金のありかを吐かせようとする警察も、主人公の嘘を丸呑みにしてそのまま釈放をしてしまう始末。普通、尾行くらいつけるだろ!! [DVD(字幕)] 2点(2012-04-29 22:31:04) |
1239. トゥルー・グリット
《ネタバレ》 最近、かなりシニカルな作風の続いたコーエン兄弟が久々に撮った娯楽作。さすがにキャリアに裏打ちされた演出が、隅々にまで冴え渡っています。特にアル中のカウボーイを演じたジェフ・ブリッジスの演技は白眉です。また、頭の硬い青年を演じたマット・デイモンも着実に演技の幅を広げています。安心して楽しめる映画なんだけど、恐らくこの次はまたシニカルな実験的映画を撮ってしまうのが、コーエン兄弟なんだろうなぁ。 [DVD(字幕)] 7点(2012-04-27 22:02:14) |
1240. 世界侵略:ロサンゼルス決戦
《ネタバレ》 こういうパニックSF映画を群像劇として描く際は、普通、そんな複数の登場人物たちを色んな設定の人々で描き、エイリアンの侵略を多角的に描出することでメリハリを利かすものなのだけど、この映画の失敗はなぜかみんな軍人でそれをしてしまったこと。おかげで誰が誰かいまいち分かりづらいうえ、観ていて冗長。軍人は一人か二人に絞って、あとは例えば街のスーパーの店員だとか、親とはぐれてしまった子供だとか、アル中のホームレスだとか、そんな多種多様な視点で描いていればまだ観れるものになったのだろうけど。まあ、それでも迫力のあるCGは十分楽しめる。 [DVD(字幕)] 5点(2012-04-25 12:20:47) |