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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1241.  スペースバンパイア 《ネタバレ》 
懐かしいですね、久しぶりにマチルダ・メイのオッパイを堪能させていただきました。この映画、たしかTVで特番まで流して宣伝にはハンパなくカネ懸けてたと記憶してますが、映画館を後にして「この映画、なんかヘンだよね、なんか勘違いしてるよね」と?で頭がいっぱいになったんですよ。監督はともかくとしても、ダン・オバノンが脚本書いてジョン・ダイクストラが特撮を担当おまけに音楽はヘンリー・マンシーニという超強力スタッフなのに、どうしてこうなっちゃったんでしょうか? その答えはプロデューサーがメナハム・ゴーランとヨーラン・グローバスという“イスラエルの角川春樹”コンビだったからでしょう。『スターウォーズ』や『未知との遭遇』がすでに世に出た後で大作SFをヒットさせるにはどうしたらよいか、それはスピルバーグが決して手を出さないもの、そう“エロとオッパイ”で勝負するしかない! 実に正しい戦略です(笑)。 でもあまりに脚本に彼らは口を出し過ぎましたね、バンパイアやらゾンビやら後半はもう支離滅裂です。串刺しになったカールセン大佐とマチルダ・メイを収容して唐突に去ってゆく宇宙船、阿鼻叫喚のロンドンをたっぷり見せられた後なので観てる方としてもあっけにとられてしまいました。 リメイク・ブームの昨今ですが、さすがにこの映画をリメイクするという企画はないみたいですね。まあ私にとっては狂乱の80年代を象徴する様な一篇です。
[映画館(字幕)] 5点(2014-08-15 20:38:07)
1242.  SAFE/セイフ 《ネタバレ》 
最近はすっかりアクション映画の安心品質として評価が定まったジェイソン・ステイサムでございます。今回は、中国マフィア・ロシアンマフィア・NY市警汚職刑事軍団と相手に不足はありません。この中露のマフィアがNYでなら何をやってOK、というか中国人とロシア人なら映画の中ではどんな酷いことさせても許されると製作者が確信してるんじゃないかと勘繰るぐらい、壮絶な極悪非道ぶりを見せてくれます。それに負けじとジェイソンがギャングたちをバッタバッタと殺しまくるけど彼にはちっとも銃弾が当たらない、もう完璧なスティーブン・セガール状態です(笑)。 鍵となるのがどんな数字でも瞬時に暗記しちゃう天才中国人少女なんですが、この子に金庫の番号を暗記させて連れ回す悪党どもの意図が意味不明なのが痛い。だって紙に書いてあったとはいえジェイソンがそれを暗記出来て金庫を開けちゃうんだから、観てる方はずっこけちゃいます。誰もが感じるでしょうけど、少女をジェイソンが助けようとする動機も理解できません。ラストの展開も監督は捻ったつもりかもしれないけど、あの金返しちゃったらそれまで無一文のホームレスだったジェイソンが少女と新生活を始められるはずないでしょ。それに結局手下たちはほぼ全滅するのに、各組織のボスたちはみんな無傷というのはかなり欲求不満が堪ります。 でもスピィーディーなアクション映画ですので、まあ観て損はないかなと感じます。“Safe”には、最後に勝ち取った“少女の安全”と“金庫”を懸けてシャレたつもりみたいです。 
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-08-13 19:15:12)(良:1票)
1243.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 
奥さんから「お願いだから我が子と観れる映画を撮って」と苦言を呈されて製作した『ヒューゴの不思議な発明』の次がこれだから、スコセッシはひとかけらも改心してないなと安心しました(笑)。70歳を超えてこんな脂ぎったコテコテの映画を撮れる映画作家なんて、世界中捜してもやはりスコセッシしかいないんとちゃいますか。これはコンビを組んでるディカプリオの影響が大きいかもしれません。彼も全てのセリフに“Fuck”が付いてるんじゃないかと思う様なキャラを嬉々として演じてますからねえ。 さて、同時期に同じ業界に身を置いたことのある立場から言わせていただくと、株屋の世界はウォール街も兜町も本質は一緒なんだと感じます。もちろんドラッグなんて眼にしませんでしたが、場中に立って電話する営業マンの姿はまるっきり自分の経験と一緒です。金融の世界は本質的に体育会系と言うかブラックな体質がどうしてもつきまとう場所で、スコセッシには得意としてきたマフィアの世界から無理なく置き換えることが出来たんじゃないでしょうか。どっちの業界も感情移入がとうてい出来ない様な人間のクズの集まりだと言ってる様な気がします。 ラストのディカプリオの講演を観て、これはレッドフォードの『クイズショウ』のエンドタイトルへのオマージュだと感じました。そういやスコセッシ自身も『クイズショウ』に演技者として出演してましたし、映画監督のロブ・ライナーやスパイク・ジョーンズを俳優として使っているところも似てますしね。あとベルフォートの部下のアジア系の人、本人じゃないかと思うほど日本の白竜に似ていて驚きました(笑)。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-10 20:51:46)(笑:1票) (良:1票)
1244.  コフィー
まあ他愛もないブラック・スプロイテーション映画と言ったら身も蓋もないんですが、まあ何と言うかそれなりに楽しめはします。ぶっちゃけて言えばそれはパム・グリアーのハダカということなんですが、これはイイです(笑)。彼女がここまで脱ぐ人だったとは迂闊にも知りませんでした、反省してます(笑)。セリフのある出演女優は彼女に負けるなとほとんどが脱いでいた気がしますが、そこは所詮70年代のハダカですから有難味も薄く厭きちゃいます。 パム・グリアーはプロポーションは抜群だけど身体能力はあまり高くないみたいで、キャット・ファイトしてもあまり様になってません。それよりひどいのはセリフの棒読みで、これを観ると『ジャッキー・ブラウン』の頃にはずいぶん演技が上手くなったもんだとしみじみ感じました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-08-09 23:08:21)
1245.  遊星からの物体X ファーストコンタクト 《ネタバレ》 
いやぁー驚きました、もうわたくしは断言しちゃいます、この映画はJC版のリメイクです。それも森田芳光がリメイクした『椿三十郎』と一緒の手法です。でもこういうのってアリなんですかね?前日譚ならふつうなんか製作者のオリジナルなアイデアや思い入れを見せるために撮るんじゃないでしょうか。唯一の工夫と呼べるのが主人公を女性にしたことだけど、これも最近はどこでもやってるし大したことはない。でもそのM・E・ウィンステッドがなかなかいい味出してました。この女優どっかで観た顔だと思ったら、『ファイナル・デッド・コースター』や『デス・プルーフ』のあの姐ちゃんだったんですね。この人ホラー映画のヒロインとしてはなかなか良い素質を持っているので、もっとこの手の映画に出るべきですね。 モンスター自体もかなりJC版を意識というか再現してますが、どうも画面が暗くて欲求不満がたまりました。まあこの映画は、ある意味あの「スプリット・フェイス」モンスターを見せたくて撮った様なものですから、こいつに関しては迫力満点でした。あの顔が、分離しかけた状態じゃなくて逆にくっついて出来たというのは、良いアイデアでこの映画で唯一のオリジナリティです。「二人羽織をしながら蜘蛛の真似をする」と言うのがこのクリエイチャーの適切な表現かもしれませんが、それにしても大した芸です(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-08-07 20:17:27)(良:1票)
1246.  攻撃 《ネタバレ》 
製作されてから60年近く経っているのですが、このジャック・パランスの死にざまを超える映像は未だにスクリーンに登場していないんじゃないでしょうか、まさに顔芸の極致です。大映のスタッフは、このコスタ中尉の死顔を参考にしてあの大魔神の表情を造形したのかもしれません(笑)。 これ観るたびに私は感じるんですけど、どうも最後のウッドラフ中尉の行動が物語から浮いている様な気がするんです。リー・マーヴィンが上手く立ち回って丸く収まるという終わり方の方が皮肉が効いていて良いと思うんですけどね。それじゃああまりに反軍的だということで、天の声がかかったのかもしれません。この映画が撮られたのは朝鮮戦争が終わったばっかりでベトナム戦争なんてまだ影も形もなかった頃ですから、これだけ軍隊内の恥部をさらしただけでも意義は十分にあったことは確かです。 そして私が好きなのはエディ・アルバートの卑劣漢ぶり、アルドリッチの映画に出てくる彼はいつもこんなキャラですけどね。アルドリッチ映画の華は卑劣漢キャラです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-04 21:22:24)
1247.  明日に向って撃て!
ニューマン&レッドフォードは映画史に残る鉄壁のコンビですが、意外なことに本作と『スティング』だけなんですね。やはりその中でもこの映画が最高で、彼らとキャサリン・ロスの三人こそベスト・オブ・三角関係と呼んであげたい(対抗馬は『冒険者たち』でしょうかね)。 この映画はよくニュー・シネマ西部劇と言われますが、ニュータイプのウェスタンかもしれないけど私は決してニューシネマじゃあないと思っています。まあ主人公が最後に死ぬということぐらいがニューシネマらしさで、ときにはコミカルそしてノスタルジックな撮り方はニューシネマという範疇を超えていますし、ジョージ・ロイ・ヒルの映画監督としてのセンスの良さを存分に愉しめます。バート・バカラックのサウンド・トラックも彼の最高傑作で、最初に観たときの感動は今でも忘れられません。 映像も音楽も今観直しても全然色あせていない、珠玉の傑作です。
[映画館(字幕)] 10点(2014-08-02 22:52:27)
1248.  怪異談 生きてゐる小平次 《ネタバレ》 
怪談映画を撮らせたら本邦一のマエストロだった中川信夫のこれが遺作です。ATGの1千万円映画のひとつとしてラインアップされていますが、新東宝で低予算プログラム・ピクチャーをさんざん撮ってきた彼にはある意味相応しい企画だったんじゃないでしょうか。なんせ原作戯曲が歌舞伎台本みたいなシンプルな構成なんで、この映画も登場人物は後にも先にもたった三人で済ますというカネもかからない素晴らしいアイデアだと思います。ちなみに達筆な字のタイトルは、なんと天知茂の直筆だそうです。 物語は旅役者一座の小平次・太九郎・おちかという三人の三角関係が軸となっています。この三人は幼なじみの間柄だけど太九郎とおちかは今は夫婦になってます。そこに小平次がおちかに「太九郎と別れて俺と夫婦になってくれ」と迫りますが、太九郎にしばしばDVで責められているのに「わたしは太九郎に体を捧げた身、どうして別れられりょうか」とおちかは応じません。そのくせ太九郎には三下り半を書け、つまり別れてくれと言ってみたりでさっぱり一貫性がないんです。実はこの映画、三人しか出てこないのに三人ともその言動が信用できないという構成になってます。おちかは妊娠し小平次に太九郎の子だと言いますが、これは真偽のほどは不明です。小平次も「俺はおちかさんの手も握ったことはない」と太九郎に言いますが、これも怪しい。このドラマツルギーが、後半の小平次は死んでいるのか生きているのかという不思議な状態に繋がっており、見事な作劇術だと思います。はじめは小平次が太九郎を殺すとばっかり思っていたら真逆の展開、というのもなかなか意表を衝いていて良かったと思います。 三人の重厚なセリフ劇なんですが、やはりこの中で光っているのが宮下順子ですよね。開き直ったマゾ女という風情のキャラなんですが、ちょっとヤバい色気を出しまくりでした。監督も自身のミューズだった若杉嘉津子を彼女に重ね合わせていたのかもしれません。 映画全体のトーンはいかにもATGという雰囲気でしたが、こういう作風の中川信夫をもっと観てみたかったと残念でなりません。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-07-31 21:44:53)
1249.  怪談(1964) 《ネタバレ》 
小林正樹の映画と言うとモノクロというイメージが強いんですが、これが彼の初めてのカラー作品なんですね。黒澤明もそうでしたが、長くモノクロで撮ってきた映画作家はカラー作品に移行すると色の使い方には拘るもんですよね。とにかくこの映画は色彩設計と美術にはもう凝りまくってます。シンプルなんだけどとても斬新、邦画の映画美術の頂点に位置すると言っても決して過言ではないでしょう。『雪女』の眼玉が浮かんでいる様な空と鮮やかな夕陽、『耳なし芳一の話』の日本画の大家に実際に描かせた壇ノ浦合戦の絵、当時の邦画としては空前の製作費を美術費に惜しげもなくつぎ込んだというのは本当でしょう。 “怪談”と言っても決して今で言うホラーではなく、純日本的な「物のあわれ」や「諸行無常」を追求したエピソードが選択されているところも小林正樹らしさが出ています。それでもそれなりの出演者を揃えていますから、グッとくるところはキチンと押さえています。『茶碗の中』での中村翫右衛門が最後に狂ってゆく演技はさすが名優と感服いたしました。でもいちばんゾッとしましたのはやはり『耳なし芳一の話』でしょうね、なんせ芳一をお迎えに来る亡者があの丹波哲朗なんですから(笑)。 
[DVD(邦画)] 8点(2014-07-29 22:19:52)
1250.  LOOPER/ルーパー 《ネタバレ》 
タイムトラベルものとなると異様に燃えちゃう自分ですが、この映画は実はタイムトラベル自体には大した意味を持たせていないと思います。もうどなたかが書かれていますけど、殺害ターゲットを過去に送るというのは意味がないですよね、死体だけ送れば済むことじゃないですか。好意的に解釈すると、その未来社会では国家権力が何らかの手段で人の生死を完全に把握する社会なのかもしれませんが、この映画では未来社会の描写がほとんどないのでそこまで肩を持つこともないですね。 未来から送られてくるのがブルース・ウィリスという時点で、もうこれは『12モンキーズ』だよねということはバレバレだし、そこに『ターミネーター』みたいな人探しをさせるとなると、なんかどこを観ても昔の映画のデジャヴ感がハンパなかったです。あのサトウキビ畑ですら『フィールド・オブ・ドリームス』やってると感じちゃうぐらいですから困ったものです。そしてそこにサイキック・チャイルドが出てくるとなると、これはブライアン・デ・パルマの…、もうキリがないので止めときます(笑)。 ラストのオチだけは、シンプルでしたが意外と観られないパターンでもあるので評価したいと思います。あと、あの子役の演技はけっこう怖かったですよね、この子これから大物になる予感がします。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-27 18:34:55)
1251.  怪獣王ゴジラ 《ネタバレ》 
実はゴジラ出現と東京の惨状を傍観(?)して死にかけたアメリカ人記者がいたんです、という風にレイモンド・バーを無理矢理ねじ込んだ全米公開版ゴジラです。いきなり瓦礫に埋もれて血を流すレイモンド・バーが映されるところから始まり、山根恵美子がボランティアをしている病院に彼は搬送されます。この後バーは記者会見場や国会の委員会場などに背後霊の様に出現してゆくのですが、思ったより違和感がない繋ぎ方かと思いました。このアメリカ人、恵美子や山根博士と芹沢博士とは旧知の間柄という設定なのがかなり強引で、彼らと会話するシーンではミエミエの代役を肩越しに撮って、そこまでして頑張る必要があったのかはあえて考えないようにしましょう(苦笑)。でもこの三人には英語の吹き替えまでしているのに、可哀そうなのは宝田明でこのアメリカ公開版では無視同然の扱いをされちゃってるんです(笑)。彼の出演シーンが一番多くカットされてるし、まるで端役扱いでした。 とにかく一番笑わしてくれるのが大戸島のシーンで、バーの横に立つ島民(というか怪しげなアジア人)の着てる半被らしきものに何やらカタカナが書いてあるんです。良く見るとそれは「ルシイル」という文字でした(爆笑)。バーたちが大戸島に一泊するのがテントというのも脱力ものシーンですが、実際の『ゴジラ』の準備稿にも山根博士たちがテントで一夜を過ごすというシーンがあったそうで、笑っちゃったら失礼に当たるかも。でもレイモンド・バーがバーチャルな存在のくせに「エミコ、エミコ」となれなれしく呼ぶのだけは許せないなあ(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2014-07-27 17:50:29)
1252.  てなもんやコネクション 《ネタバレ》 
大槻ケンヂの著書で「とってもヘンな映画」と紹介されていた記憶がありましたが、このたびご縁がありまして鑑賞させていただきました。 前半は言ってみれば波茶滅茶ロードムービー。香港のスラムに住むボンクラ兄ちゃんがクイズ番組で日本旅行をゲット。ところが大阪の代理店がインチキ業者で、通訳の姐ちゃんはド素人・食事は立ち食いうどん・宿はカプセルホテルともうほとんどサギみたいなもんです。おまけに車上荒らしにあって旅券と有り金全部を持ってかれて無一文、西成のオッサンたちにカンパしてもらって憧れの東京ディズニーランドにようやく向かうことが出来たが、車の底には泥棒のおばちゃんがしがみついていた。通訳のミスでTDLならぬ浅草花やしきに連れてかれるが、ここで入場500万人目記念で当たった景品が何と香港旅行ご招待! と、ここまではすこぶる好調で傑作コメディと呼んでしまいたいぐらいです。西成のあいりん地区でロケしていて出てくるのはちょっと危ない素人のオッサンばかりで、この監督の無鉄砲ぶりには感心しました。 さてこの映画が奇想天外なことになってくるのは、後半の香港に舞台が移ってからです。ボンクラ兄ちゃんがなぜか通訳の姐ちゃんと泥棒おばはんを連れて香港に帰ると、旅行中に日本の土建屋が実家周辺の地上げを始めてました。ここら辺から、なぜか室田日出男が画面に登場するんです。衣装が泥棒おばはんと何故か一緒、それもおばはんが映るカットがあると次のカットは同じ衣装の室田日出男が女装もせずにおばはんと同じキャラを演じているんです。大槻ケンヂの著書によれば「おばさんはこれより『男と女の二人一役』になります、よろしくね❤」という説明字幕が出たそうですが、DVDではそんなもんどこにもなく、予備知識がなかったらもう自分の頭がどうかしちゃったのかと不安になること必定な映像体験です。真偽のほどは不明ですが、室田日出男が監督とトラぶって途中降板しちゃった名残りなんじゃないかというのがネットなどでは有力な説で、たしかに彼の名前はエンドロールにも出てきません。たとえそうであったとしても、はじめから二人一役が監督のプランであったと考えた方が自然な様な気もするし、謎は深まるばかりです。はっきり申して後半の失速ぶりは痛いですが、近藤等則のサントラは絶好調でこれをお楽しみに鑑賞してみるのもいいかもしれません。
[DVD(字幕)] 5点(2014-07-25 19:41:45)
1253.  フロム・ヘル
皆さんの評判は芳しくないけど、えーっそうですかね、自分はそんなに悪くないと思いますし、けっこう好きかも。時代ものでジョニー・デップが刑事で難事件に挑むってのは『スリーピー・ホロウ』と被りますが、この映画の監督というか脚本にティム・バートンみたいな才気と黒いユーモア感覚がないところが不評の元なんだろうなと思います。でも“エレファントマン”ジョン・メリックまで登場する造りこまれた19世紀末ロンドンの雰囲気とは好きですし、脇を固める味のある助演陣もいい仕事してると思います。原作があのアラン・ムーアですから、ウィリアム・ガル卿の卒中で不自由な肢体とかジャックが出した手紙の件とか、けっこう辻褄の合わないことも目立ちますけどね。 まあこの映画の一番の難点は、ファンには怒られるかもしれませんが、デップが19世紀の英国人にとても見えないところでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-21 22:07:22)
1254.  男が血を見た時(1960) 《ネタバレ》 
CSで放送されたものを鑑賞したのですが、いくら新東宝のレアものとはいえあまりの画像の劣悪さには往生しました。気になるのはフィルムの痛みもさることながら、ブチブチとカットが飛んでいるところです。たぶん全篇で5分は切れているんじゃないかと思いますが、70分少々の上映時間ですからこれは影響は大ですよ。内容はまあ新東宝お得意の電気紙芝居みたいなものですが、どうせ新東宝の珍品を流すなら『九十九本目の生娘』や『地平線がぎらぎらっ』あたりにしてほしいなあ。 主演は松原録郎で、たぶんこの人は新東宝二枚目男優の中でもっとも影が薄かった存在だと思います。彼の代表作と言うと、やはり伝説のカルトTVドラマ『恐怖のミイラ』ということになりますかな。このドラマは新東宝の倒産直後ということもあり、三条魔子とか若杉嘉津子そして三原葉子といった旧新東宝のメンバーが大挙ご出演されているそうです。この映画ではオートバイのカミナリ族に入ってくるブルジョワのボンボン息子で、カミナリ族とは今で言う暴走族の元祖みたいなもんです。自分はバイクには詳しくないのですが、登場するバイクはどうもモトグッチあたりの外国製が多かったみたいです。カネがない新東宝のことですからバイクの走りなどスクリーン・プロセスも使わずただ映すだけですが、カメラが並走して撮っているのでかえって迫力がある画になっているのは怪我の功名ですかね。 ラストは新東宝お得意の女を賭けての対決、もちろんバイクのスピード競争です。明らかに『理由なき反抗』あたりを意識してはいますが、中身も取り柄もない映画でした。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2014-07-19 01:01:10)
1255.  怒涛の兄弟 《ネタバレ》 
邦画では時代劇の流れを汲んで公儀やお上(今で言うところの国家権力)をヒーローとするドラマツルギーが存在しますが、それにしても公安調査庁の課長が主人公という設定はかなりの珍品です。公安調査庁の課長(中山昭二)には大学生の弟(松本朝夫)がいて、こいつが左翼思想にかぶれて秘密結社(たぶん共産党)の一員となります。この組織、活動資金を稼ぐために会社まで創って密輸に励みます。その社長の悪事が秘密結社のボスにばれ、指令を受けた弟は社長を射殺して裁判にかけられますが、最後は母親の愛によって魂は救われるという、いわば任侠時代劇によくある母子ものをそのまま現代に持ってきただけの古臭いお話しです。だいたい法廷で「裁判長様、私の話を聞いてください」と傍聴席の母親が不規則発言をして、それがそのまま証拠として採用されるなんて、この脚本書いた人世の中の仕組みが判ってるのか非常に疑問です。当時の共産党は武装闘争に走って非合法化される寸前まで追い込まれていた時期でしたが、映画の中でそれらしいモデルとはいえ悪の組織として描かれているのは非常に珍しいことで、さすが新東宝です。 まあ語るほどの価値もない愚作なんですが、みんな時代劇みたいな芝居をしている中であまりにバタ臭い前田通子が浮いていたのが印象的でした。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2014-07-17 22:39:34)
1256.  北陸代理戦争 《ネタバレ》 
松方弘樹の豪快な暴れっぷりは確かに見ものですけど、盃のことなどシーンが変わるとまるで正反対の言動になるなどこの人物の行動原理が意味不明なんです。たしかに生身の人間は矛盾に満ちた存在だし実話ベースなことも判りますが、これが笠原和夫が書いた脚本ならもっと上手に処理していたろうなと感じます。まあとにかくこの主人公、得意技が“生き埋め責め”というわけで、やることが無茶苦茶ですわ。どうやって撮ったのか想像してみると楽しいですが、あの西村晃はマジで埋められてるとしか思えません。少なくとも頭に降りかかる雪はどう見ても本物で、こんなベテラン俳優になんという仕打ちをすることやら(笑)。主人公の懲役を挟んだ数年にわたる物語なのにどのシーンも冬で雪景色というのは、プログラム・ピクチャーなんでまあしょうがないでしょう。ストーリー自体は簡潔というか殺伐とし過ぎてて、まるでワイドショーの再現フィルムのロング・バージョンみたいです。ラストも「えっ、こんな終わり方でいいの?」という感じで、これが東映実録ヤクザ映画の掉尾を飾るというか深作欣二最後のヤクザ映画かと思うと、ちと寂しいものがあります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-07-15 20:37:37)
1257.  ハロルドとモード 少年は虹を渡る 《ネタバレ》 
自殺願望に取り付かれた少年が主人公ということで本作はカルト的な評価が高いのですが、観てみれば判る通り中身は男が成人するときに体験する通過儀礼をシュールに描いています。将軍の伯父さんの話を聞いて興奮するシーンもありますが、ハロルドは自殺という自分の死に憧れているだけじゃなく、本当は他人を切り刻むことの方が興奮する実に危ない奴なんです。ここら辺はベトナム戦争にのめり込んでいた当時の米国の精神風土を反映させていることが良く判ります。そんなハロルドがナチス絶滅収容所の生き残りである(たぶん)モードとの交流で浄化されてゆくストーリーは、なんと美しいことでしょうか。アメリカン・ニューシネマに関わった映画作家は沢山いますが、やはりハル・アシュビ―がもっとも洗練されていたんじゃないでしょうか。彼の撮ったニューシネマは、どれもお約束通りの悲劇的な終わり方をするけど、同時に強い希望の光が射しているのが私は好きです。
[DVD(字幕)] 7点(2014-07-12 21:24:03)
1258.  ミス・ブロディの青春 《ネタバレ》 
最近はハリ・ポタのミネルバ・マクゴナガル先生のキャラが定着しちゃった英国を代表する大女優マギー・スミスですが、彼女にオスカー主演女優賞をもたらしたのがこの映画。この当時すでに彼女は35歳だったのですが、とにかくこの人の若いころの美貌は今や伝説となっています。たしかにこの容姿は誇り高きミス・ブロディを演じるにはピッタリですね。 このブロディ先生がまた完全に飛んじゃってます。とても女学校の教師とは思えない鮮やかな色のスーツの着こなし、彼女のシークエンスでは全部異なった衣装で登場するという念の入れようです。崇拝する女生徒を親衛隊のように引き連れて闊歩し授業ではムッソリーニを称賛しちゃう、とても感情移入出来る女性じゃないけどカッコ良いことは確かです。 このブロディ・ガールズのリーダーで、彼女を裏切って退職に追い込むのがパメラ・フランクリン。彼女の眼鏡っ娘ぶりはかつて彼女のファンだった自分には堪らないんですが、なんとオール・ヌードまで見せてくれたのにはビックリしました。『巨大生物の島』あたりからもう映画出演してないみたいでして、もう引退しちゃったのかな。 ほんわかムードの序盤からブロディ先生がだんだん追い込まれてゆき、それに反比例するようにパメラ・フランクリンの存在感が大きくなってゆくという展開は、舞台劇の映画化だけあって見事です。ロナルド・ニームの監督としての力量を見直しました。
[DVD(字幕)] 8点(2014-07-09 23:20:57)(良:1票)
1259.  ビバ!マリア 《ネタバレ》 
全世界の若者が「造反有理」「革命無罪」と叫んでいた頃らしさに満ち溢れた革命ファンタジー。そこにジャンヌ・モローとブリジッド・バルドーというおフランスの二大名花を引っ張ってきたというところが、この映画の最大の功績でしょう。モローとバルドーと言うと同じセクシー系ながらも対照的なキャラなので、かえってそのコンビネーションの妙が愉しめます。やはりバルドーはこの頃が美の全盛期で、もう熟しきった果実という感じです。それに引き換えモローにはかなりおばさん風味が隠しきれなくなっていて、それまでジャンヌ・モローの美を最大限に引き出してきたルイ・マルもさすがにお手上げということでしょうね。その迷いはラブコメなのかアクションなのかどっち着かずの脚本にも現れていて、革命劇の成り行きもあまりインパクトを感じさせられません。もっともゴダールあたりに言わせればマルなんて思想性のないノンポリみたいなものなんで、単純な革命お伽噺と割り切った方が良いでしょう。 全篇にエスプリの効いた小ネタのギャグで繋いでいて、そこら辺は『地下鉄のザジ』を彷彿とさせてくれます。でもさすがに爆弾で首を吹き飛ばされてしまう神父の最期、ちょっとやり過ぎの感があります。
[ビデオ(字幕)] 5点(2014-07-08 20:37:01)(良:1票)
1260.  フェイズIV/戦慄!昆虫パニック 《ネタバレ》 
この知る人ぞ知るカルト映画が遂にDVD化され気楽に観ることが出来るようになりました。良い時代です。 「蟻を調教して演技させた」というウソ臭いエピソードは聞いていましたけど、観終わってひとこと、「これはホントに演技しているとしか言いようがない…」。生き残った蟻が死んだ蟻を並べてゆくシーンがあるのですが、まさかこんなシュールな映像を見せてくれる映画があったとはただただ驚嘆するばかりです。またどアップで映し出される蟻の姿がもう凄い迫力で、まるでエイリアン・モンスターみたいです。そう言われれば女王エイリアンを中心にしてコロニーを造る生態は、モロに蟻の世界のメタファーなんですね。ですから、昆虫アレルギーというか虫嫌いの方はこの映画を避けた方が無難でしょう。 監督はタイトルデザインの巨匠、ソウル・バスです。意外ですが、長編はこの映画だけですが短編映画は何本も監督していて、オスカーの短編映画賞も受賞しているんですね。でも本作ではパラマウントには受けが悪くてラスト10分をカットされてしまったそうです。それはマイケル・マーフィとリン・フレデリックが蟻に管理されて人類が異質なものに進化してゆくところが描かれていたそうで、「なんでカットしちゃったの!」と悲鳴を上げたくなるような気分です。
[DVD(字幕)] 8点(2014-07-05 20:55:17)
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