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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1481.  外人部隊フォスター少佐の栄光
「本邦未公開映画の隠れた傑作」などと言う噂を聞いたことがあったので、ちょっと期待しながら鑑賞。結論から言うと、TVムーヴィーとして観るならまあ合格点かなという程度でした。 どう考えても2時間30分は上映時間が必要な脚本なので、せっかくJ・ハックマンやC・ドヌーヴを起用しているのにドラマ部分がペラペラになってます。戦闘シーンだって、いくら四方から攻められたと言っても重機関銃があれば持ちこたえることができますよ。ハックマンと部下たちの確執が深まるという重要なプロットについてはこれまた中途半端な描写なんで、ラストも盛り上がらないのが残念です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-09 23:37:13)
1482.  毒婦高橋お伝
高橋お伝と言えば、最後に斬首で処刑された女囚として歴史に名を残している人物で、その犯罪を脚色した芝居が明治時代に大ヒットしたという、いかにも新東宝にはピッタリの題材です。でもそこは巨匠中川信夫が自身のミューズである若杉嘉津子を起用しているだけあって、詩情あふれる映像で丁寧に撮っています。明治の街並みを再現したセットが新東宝映画とは思えない様な出来栄えなのも見逃せないところでしょう。脚本は所詮講談の焼き直しの様なもので、実在のお伝の毒婦と呼ばれる様になった悪行はかなり薄められているのは不満なところ。でも若杉嘉津子のため息が出る様な奇跡の美貌には、ただただ見惚れるばかりでした。そういや、怪談ものでは話の半分は醜く崩れた顔になっちゃうので、若杉嘉津子と言う女優を堪能するのには本作がベストなのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-03-02 21:57:52)
1483.  ワールド・オブ・ライズ 《ネタバレ》 
最近はイラク・アフガニスタンや中東の対テロ戦争もの映画がハリウッドでは量産状態なので、観てもどれがどれやら頭がこんがらがってしまい困ったものです。本作もちょっと前の製作ですが、ディカプリオがこれまた以前に演じた様なキャラなので余計にややこしいわけです。その反面、R・クロウが超マイホーム主義のCIA幹部という意表を突いた役柄なのはセンスの良い発想です。銃を撃たないし誰も殴らない、そして最後まで怒鳴ることすらないR・クロウは久しぶりに観た気がします。とは言え決して善人じゃないので国家を裏切る様な陰謀を画策しているのかと思えば、けっきょく単なる高給サラリーマンだったとは期待をいい意味で裏切ってくれました。 ディカプリオがまるで“任地ぼれ”した外交官みたいな行動ばかりしているのが、この映画の印象を悪くしている一因でしょう。民間人の建築家をテロ組織の首領にでっちあげるという極悪非道な行いをしておいて、土壇場になってこの建築家を助けようと苦闘するところも、人としてちょっと間違っているんじゃないでしょうか。最後はヨルダン娘との恋を実らせたくてCIAを去るわけですが、彼女をあんなひどい目に合わせたんだから、きっと振られますよ(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-02-19 00:17:38)
1484.  ジュリー&ジュリア 《ネタバレ》 
M・ストリープ、デカっ! シークレット・ブーツを履いてセッシュウしているのか、はたまたCGで画像処理しているのか、まさか演技力が彼女を大きく見せているわけではあるまいし?(ちなみに、実はチビだった早川雪舟の故事にちなんで、背が高い様に撮ることを映画用語で“セッシュウ”というそうです) J・チャイルドという人はこの映画で知りましたが、オーヴァー・アクト気味に感じるメリルの演技もきっと彼女のことだから実物を良く研究したうえでのことでしょう。コメディエンヌとしてもやっぱ彼女は抜群の才能を持っているのが良く判りますし、『マンマ・ミーア』の怪演よりずっと良いです。まあこういうハート・ウォーミングに徹した映画もいいもんだなと思いましたが、確かに料理が美味そうに見えないというのは、イタイところです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-02-04 21:35:43)
1485.  チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
おかげさまで商売繁盛につき、晴れて第二号店が堂々のオープン! でもお店の女の子たちと悪逆チーママの店内抗争が勃発! というわけで、さすがにお客を喜ばすネタは万弁なく網羅されています。この手のアトラクション映画に辻褄が合わないところとご都合主義は付き物で、そこを吹き飛ばしちゃう様なテンションをどれだけ保てるかがカギというわけで、その点はまずは合格点でしょう。“チーママ”D・ムーアはもうセルフパロディみたいなキャラですが、もうちょっと暴れて欲しかったところです。何気に旦那のB・ウィリスまでちゃっかり顔を出しているのにね。ボスレーにB・マックを起用してくるところなぞ、もうキャスティング上のトラブルを逆手に取った自虐ネタみたいなもんです、さすがハリウッドはたくましい! だいぶ時間が経ったけど、第三号店はあるかな~。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-01-28 23:11:39)
1486.  わが街(1991) 《ネタバレ》 
群像劇で登場人物の各自にそれまでの生活が大きく悪化しそうなことが起こるけど、けっきょく大したことにならずに済む。でも養子縁組や新たな恋愛など、ポジティブな出来事は上手くことが運んでゆく。ラストにグランド・キャニオンへ二家族を連れてゆき、良いことも悪いこともこの地球の歴史の中では些事に過ぎないんだよ、と締めてくれます。なんかフワフワしたお話しでしたが、こういう脚本は今ではかえって新鮮なのかもしれません。 劇中ずっと警察のヘリが飛び回っているうえ、地震が唐突に起こります。そういやR・アルトマンの『ショート・カッツ』と似た展開だよなと気が付きましたが、製作されたのは本作の方が早いんです。アルトマン、パクったなと苦笑してしまいました(もっとも映画の出来は『ショート・カッツ』の方がはるかに上です)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-01-12 21:42:59)
1487.  明治天皇と日露大戦争 《ネタバレ》 
左翼全盛の50年代に、こんな映画が観客動員記録を塗り替える大ヒットしたというのが面白い。インテリは決して観に来ないだろけど庶民には受けるだろうと見抜いて、新東宝始まって以来の製作費を投入した大蔵貢の炯眼は大したものです。さすが活動弁士から成り上がってきただけのことはある。アラカンの明治天皇は、きっと実物もこうだったろうなという説得力が抜群です。場面ごとに挿入される明治天皇御製もなかなか効果的でした。まあ映画自体は相変わらず新東宝テイストの紙芝居調で、史実もかなり脚色された部分が目立ちます。乃木将軍の息子保典が白襷隊の一員として戦死するなんて、ちょっとやり過ぎの感があります。でもこの203高地攻防戦はけっこう力が入った撮り方をしていて、後年の『日本海大海戦』なんかよりよっぽど迫力があります。野砲を撃つと反動で砲が後退するのをちゃんと再現しているなんて、芸が細かい。 邦画では、戦争が絡む歴史ものだと末端の兵士や庶民の目線で描かれることが多いのですが、こういう“上から目線”で撮られた映画というのは、不思議と新鮮な感じがしました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-01-09 01:12:51)
1488.  セプテンバー
ほぼ一日間の山荘での出来事だけに絞った作劇は、チェーホフの舞台劇をそのまま映画化したみたいな感じです。ミア・ファローを含めて出演者がみな上品でレベルの高い演技を見せてくれます。あまり起伏のないストーリーと思いきや、後半にちょっとしたサプライズが用意されているところなんか、さすが短編小説の名手でもあるウディ・アレンの本領発揮というところでしょうか。アレンの映画の中でも、出来はともかくとしてもっとも小品ではないでしょうか。
[ビデオ(字幕)] 6点(2012-12-27 22:31:49)
1489.  シャッター アイランド 《ネタバレ》 
ディカプリオ、熱演なのは判るけど、あの眉間にデス・ヴァレーみたいに深い皺を刻む演技がそろそろワン・パターン化してきています。『J・エドガー』でも同じ様な表情だし、こりゃ当分続きそうだ(笑)。 R・ロバートソンの音楽が素晴らしくこの物語にマッチしていて、冒頭のディカプリオたちが病院に入ってゆくシーンなんか、なんと言うか背筋がゾクゾクしましたよ。警備隊長とディカプリオがジープに乗って病院に戻るシーンで、あまりにミエミエなブルーバック合成が使われているのでとても奇妙に感じたんです。私はあまりオチを考えずに映画を観るスタイルなのですが、これはディカプリオの妄想世界を暗示させる伏線の一種だったんですね。まあしかし、スコセッシの力量は別にしてもあまりにお話しが陰惨過ぎましたね。こんな映画を撮ったので、スコセッシは「お願いだから娘に見せられる映画を創って」と奥さんに怒られ、『ヒューゴの不思議な発明』が製作されたと言うのは笑ってしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-23 21:49:11)
1490.  グレート・レイド 史上最大の作戦 《ネタバレ》 
太平洋戦争中、フィリピンのカバナトゥアン捕虜収容所から処刑寸前だった500人を150人のアメリカレンジャー部隊が救出した実話の映画化です。原作である『ゴースト・ソルジャー』の訳者あとがきには、「現在スピルバーグ監督トム・クルーズ主演で映画化が進行中」となっていましたが、ずいぶんとスケール・ダウンしてしまったみたいです(笑)。まあ題材からして日本未公開だったのはしょうがないですが、確かにこの映画の悪役帝国陸軍は非道の限りを尽くしています。たとえれば『007/ダイ・アナザー・デイ』の北朝鮮兵、『ランボー/最後の戦場』のミャンマー政府軍みたいなもので、とくに憲兵隊長の役者さんは顔が怖すぎ。映画自体は正統的な演出でまあまあ盛り上がるのですけど、やはりそれには鬼畜日本軍の悪役ぶりが寄与しているのは確かです。マニラで抵抗運動のフィリピン人が病院で銃殺されるところなんか、ロッセリーニの『無防備都市』を彷彿とさせます。日本側の視点で描かれるシーンは無いですが、悪役ぶりを際立たせるためか史実より日本軍の装備や物量が大げさになっているのは気になりました。 それにしてもこの太平洋戦争での捕虜虐待は紛れもない事実だし、言い逃れは出来ないでしょう。日露戦争や第一次世界大戦での模範的な捕虜待遇を考えると、20年あまりでなんでこんなに帝国陸海軍は堕落してしまったのか情けない限りです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-01 17:53:51)
1491.  マリリンとアインシュタイン 《ネタバレ》 
うーん、正直言ってようわからん。てっきりマリリン・モンローとアインシュタインがふたりだけで繰り広げるシュールな対話劇だと思っていましたが、モンローの亭主のディマジオは出てくるは、そしてマッカーシー上院議員(らしき人)まで何故か絡んでくるという展開。各人の過去ショットが挿入されるけれどあまり効果的な使われかたとも思えない。T・カーチスのマッカーシーもどきなんて、果たしてこのストーリーに必要なのかと首を傾げてしまいました。モンローとアインシュタイン会話にはやたらと二人の時計が意味深なのですが、アインシュタインの時計がずっと8時15分でそれが広島に原爆が投下された時刻だということに、最後にやっと気がつきました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-11-29 21:06:07)
1492.  世界大戦争 《ネタバレ》 
■「明るく楽しい」「不偏不党」がモットーである東宝が、SFとは言えよくぞここまでデスパレートな映画を製作したものだと感心します。あの当時は汚い核兵器である水爆の威力がほぼ頂点に達していた時期なので、あれだけ盛大にICBMを撃ちまくったらそりゃ死の灰が降り注いで全人類が滅亡するでしょう。ハリウッド映画ではよく“核戦争後の世界”というテーマがありますが、そう言えば邦画では皆無ですね。島国日本では水爆2~3発おとされたらもう逃げ場がないですし、放射能の恐ろしさを世界一に理解している国民ですから、当然です。■僧籍を持つ松林宗恵が監督ですから、根底には仏教的な無常観が感じられます。世界情勢の激変に巻き込まれてゆくフランキー堺親子という徹底的に庶民目線の作劇は、東宝特撮映画には珍しく乙羽信子が出演してることもあり、まるで新藤兼人が脚本を手掛けた様な印象です。二階で泣き叫ぶフランキー堺のシーンはあまりにも有名ですが、宝田明と星由里子が無線で「コウフクダッタネ」と交信するシーンでは観るたびに自分は不覚にも泣いちゃいます。流れ星みたいにミサイルが国会議事堂の上に飛んできてからの地獄絵図は、緻密なカット割りも功を奏して未だに強烈なトラウマとなっています。■この映画と言うか東宝という会社の限界は、「戦争は政治の継続である」と言われているのに、政治がまったく描かれていないところでしょう。ワルシャワ条約陣営を「同盟国」NATO陣営を「連邦国」と言い換えて国籍マークや軍服まで架空のものを使い、何をそこまで遠慮しなければならないの?と言いたいぐらいです。航空機や潜水艦などは当時の両陣営の実物をけっこう正確に摸しているのに、“ミグ”を“モク”と言い換えることまでしています。もちろん、アメリカやソ連と言った言葉はまったく出てこないので、なんで第三次世界大戦が勃発したのか理解不能です。登場する政治家は日本政府だけで、山村聡はじめ貫禄ある顔ぶれですけど、まるでバチカンかダライ・ラマみたいなご託宣を発するだけでどう見ても単なる傍観者でしかない。戦後の日本と言う国の国際的な位置づけからすると、この描き方もある意味リアルということでしょうか。■この映画が当時の観客にあまりに強い衝撃を与えたので、東宝は翌年に超能天気な『妖星ゴラス』を製作したんじゃないかと個人的に思っています。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-11-07 23:46:18)(良:1票)
1493.  勝利への脱出 《ネタバレ》 
第二次世界大戦の捕虜収容所脱走映画ってたいがいは実話ものだけど、この映画は珍しくフィクション。まあフィクションならもっと弾けるバカっぷりがあってもいいけどね。 それにしても、捕虜たちの服装が綺麗すぎて実感を損ねている。『戦場にかける橋』の英軍捕虜のズタ袋を被った様なボロボロの軍服とは好対照です、もっとも『戦場にかける橋』はビルマだからハダカでも何とかなりそうですが。ドイツ軍将校の軍服がまた考証が行き届いているのは感心したけど、騎士鉄十字章(喉元にぶら下げている鉄十字章)をつけた将校が多すぎるのはちょっと興ざめです。この勲章、全軍で7,000人しかもらってないんですから。でも、スタジアムでナチ党関係者はナチ式敬礼、国防軍の軍人は普通の敬礼ときちんと見せているところなどは印象が良かったです。 ペレをわざわざキャスティングした割にはあまりに見せ場が少なくてもったいない限りです。肝心の試合の見せ方が単調すぎると言うのはちょっと致命的で、サッカーに縁が薄いアメリカ人のジョン・ヒューストンがメガホンをとったのがそもそも失敗だったかも。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2012-10-20 20:50:45)
1494.  妖星ゴラス 《ネタバレ》 
私の中では“はやぶさ”と言えば、“妖星ゴラスのJX隼号”と昔から決まっています。バンザイしながらゴラスに吸い込まれて散ってゆくクルーたちは、何と日本的なことか(そういやこの映画、やたらバンザイするシーンがありますが)。古今からさまざまなSF映画が製作されたけど、ここまで壮大で大乗的な視点の大法螺話は映画史に残る偉業です。高度成長期の日本のバイタリティは、なんと地球まで動かしてしまったんですから大したものです(笑)。 南極からジェット噴射しながら地球が動く画って、稚拙な技法かもしれませんが今の眼で観ても凄い映像です。東宝特撮ミニチュアワークの粋を凝らした南極での工事シーンは見応えがあり、建設現場のミニチュアから溶接の火花が見えるように撮っているのは感心しました。 あまりに不評な唐突に怪獣が出現するシーンも、ここで登場する航空機が後に『ウルトラマン』で科学特捜隊が使用するジェットビートルの原型になっていることは評価してあげたい。 この映画で異彩を放つのは、久保明と宇宙飛行士たちの異様なまでに高いテンションと陽気さです。彼らの描き方を観ていると、旧海軍の戦闘機パイロットたちの文化をそのまま持ってきた様な印象を受けます。「宇宙飛行士は駕籠かきみたいなものよ」なんてセリフまであった気がしますが、まだ日本ではアストロノーツという職業への理解がまだ浅かったのが伺えます。当時はアメリカではジェミニ計画が進行中でしたが、『ライトスタッフ』を観れば判るように、宇宙飛行士には知力体力ともに超人的な能力が必要だと言うことは想像を超えていたんでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-10-19 20:58:02)
1495.  戦火の馬 《ネタバレ》 
E・ワトソンやP・ミュランといった渋い俳優が出演していると言っても、この映画の主役はやっぱりサラブレッド・ジョーイでしょう。ちょっと驚異的なレベルの演技を見せてくれますが、CGテクノロジーが発展しているのでどこまでが実物の馬なのかとついつい詮索してしまいます(実はフルCGだったりして)。 スコセッシが『ヒューゴの不思議な発明』を撮ってますし、ハリウッドの二大巨匠が相次いで子供向け素材から作品を創作しているのは興味深い。二人とももう孫がいる世代だし、仏心が芽生えてきたのかな。 この映画は戦争を題材にしてますがスピルバーグの残酷趣味は抑えられており、馬とともに自然を美しく映すかに全力を注いだ観が強い。英国軍騎兵隊が葦の原から現れて突撃を開始するシーンは、さすがスピルバーグと言うイマジネーションだ。でもラストのあまりに鮮烈な夕陽はちょっとCG使い過ぎでやり過ぎの感は否めなかった。
[DVD(字幕)] 6点(2012-10-17 23:11:41)
1496.  スネーク・アイズ(1998) 《ネタバレ》 
ニコラス・ケイジのリック・サントロというキャラクターがなければ観たことを忘れてしまいそうなぐらいデ・パルマ映画の中でも印象が薄いんです(個人的にはけっこうデ・パルマは好きなんですけど…)。 外ではハリケーンが荒れ狂っているアリーナという閉じられた空間の中で、色んな種類のカメラに逐一見張られていると言うプロットの肝心のところがあまり生かされていないんじゃないでしょうか。デ・パルマ映画に特有の粗が目立つストーリーは凝った舞台設定が目くらましなければいけないのにね。まあニコジーが好演してくれたので何とか観れました、ラストにかけて転落してゆくところなんか特にいい! ところでいちばん最後に見せてくれるあのオチなんですけど、エンド・ロールは普通カットされる地上波では見せてもらえないんでしょうか? 
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-09-27 20:12:02)
1497.  地獄(1960) 《ネタバレ》 
肝心の地獄よりも、天地茂たち主要な登場人物がほとんど死に絶える現生の方が、不気味なんです。上から見おろす、下から見上げる、そんなとてもシュールで居心地の悪いショットが一時間の現生編の半分は占めているような気がします。何度も挿入される走る蒸気機関車や線路のカットがどんどん鬱な気分にしてくれます。 しかし新東宝でも屈指のカルトにこの映画を押し上げたのは沼田曜一のそりゃ鬼気迫る怪演に違いなく、この演技を説明するには適切な言葉が思いつかないぐらいです。彼が悪魔なのか天地茂のダーク・ハーフとして出現したのか、けっきょく最後までよく判らんところがまた良いですね。 地獄で苦しめられる天地茂に何か光明がさしてくるような雰囲気もあり、まさか夢オチの最悪なハッピー・エンドかと危惧させられるも、あまりに無常なラスト・ショットで締めてくるとはさすが中川信夫です。 この映画、未成年とお迎えが近い老人は、決して観てはいけません!!
[DVD(邦画)] 6点(2012-09-08 20:04:12)
1498.  マンディンゴ 《ネタバレ》 
これが日本では幕末、もうすぐ明治維新というころのアメリカ南部のお話しとはもうため息をつくしかありません。公開当時は全米で非難の嵐を巻き起こしましたが、「こんな話はウソだ」という批評はなかったそうで、最近世間を騒がせている自国の歴史を平気で改竄しちゃうどこかの国とは大違いですね、米国は。 異人種性交、近親相姦、そして反吐が出るほど醜悪な人種差別とダークなテーマを扱っている割には、思ったより淡々とした映画です。でもジェームズ・メイスンをはじめ、白人の登場人物が男も女もクズみたいな人間ばかりなのはある意味凄すぎる。リューマチは他人にうつしたら治るなんておバカな迷信を信じて、メイスンなんか奴隷を敷物がわりにするんだから、もう絶句です。 こういう映画を観ると、やっぱ奴隷の子孫が大統領になって初めてアメリカは贖罪を果たしたことになるんだろうと思いました(オバマさんはケニア人移民の子)。
[DVD(字幕)] 6点(2012-08-31 14:15:38)(良:1票)
1499.  バロン
テリー・ギリアムのフィルモグラフィ中で最悪の予算トラブルに見舞われたのが本作だそうです。スタッフに名を連ねた大家たちで判るように、イタリアのチネチッタ撮影所で製作しちゃったのがそもそも間違いの始まり。安く撮るつもりだったのに、ハリウッドで製作するよりもはるかに高いコストをぼられて大予算オーバー、最後は保険会社が現場を取り仕切ってようやく完成したんだとか。確かにごてごてと作りこんだセットや衣装ですけど、正直いってどこにそんなお金をかけたの?って感じもします。 ギリアムのファンには堪えられない映像世界なんですが、実はミュンヒハウゼン男爵はギリアムたちベビー・ブーマー世代の暗喩になっているんですね。自分の妄想ワールドを面白がって映像化しているだけじゃなく、ギリアム映画はけっこうメッセージ性を持っているところが自分は好きです(判りにくいけどね)。 しかし、ほら吹き男爵の次はドン・キ・ホーテに挑戦してほんとに大失敗をやらかすとは、この人はある意味首尾一貫しています(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-19 23:04:23)
1500.  マイノリティ・リポート 《ネタバレ》 
スピルバーグにしては珍しく他監督の映画からの引用が多い。とくにトム・クルーズが目玉の取り換え手術をするあたりからで、手術で瞼を固定するのは『時計じかけのオレンジ』、部屋の壁スクリーンに映っているのはサミュエル・フラーの『東京暗黒街 竹の家』(渋すぎ!)、傘をさしてサマンサ・モートンと逃げるカットはヒッチコックの『海外特派員』、そしてヘンなクスリを注射して不細工に変装しますが、その顔は『バニラ・スカイ』の事故で醜くなったトムの顔とそっくりじゃないですか。そうか、それで『バニラ・スカイ』のクロウとディアスの両キャメロンがチョイ役で出演しているわけが判りました(笑)。 捜査局内のPCシステムは、まるで現在のスマートフォンを予言しているみたい、そして未来の縦横に動く自動車のスピード感あふれる映像は、さすがスピルバーグと言わせていただきます。ところがそれ以外の街並みや地下鉄そしてファッションなどは現代とほとんど同じというのはどうなんだろう。手抜きだと言う人もいるでしょうが、これはスピルバーグの未来観だと思います。40年後もきっとワシントンDCでは騎馬警官がパトロールしているだろうし、人間社会には変わらないことが多々あると言う見方は正しいのじゃないでしょうか。 「疎遠な父子関係」というのがスピルバーグ映画の特徴だと言われてきましたが、「子供の不在」に苦しむ父親という今までとは違った視点を持っているのが新しいところです。家族関係に対するどちらかというとシニカルな彼の視線も、21世紀に入ってだんだん変化してきたのも事実でしょう。トム・クルーズの最初と最後のカットがいずれも妊婦と会話していると言うところも、なんだか意味深でした。
[DVD(字幕)] 6点(2012-08-14 00:27:26)(良:2票)
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