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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2383
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1561.  ゆりかごを揺らす手 《ネタバレ》 
別に怖いとは感じなかったけど、これはとことん後味が悪い映画ですね。お話のプロット立てにも私は少々疑問がありまして、まず自殺しちゃう産婦人科医。直接描写はないけれど、触診するシーンでナースを退出させるは手袋を外すはで、“彼はやっちゃいました”と観客に宣言しているわけです。ここは本当は何があったかは藪の中状態(もちろんアナベラ・シオラはやられたと思っているわけですが)という見せ方で撮った方が、不幸のどん底に突き落とされて逆恨みにいたるレベッカ・デモーネイの心情により説得力が出ます。この映画の脚本では、アナベラ・シオラを観客が感情移入できないようなキャラにしているのも上手くない。これじゃあデモーネイの逆恨みの理不尽さが深くならないし、逆にデモーネイを応援しちゃってる自分に気がついたりします。狂言まわし役のサイモンにしたってストーリーの中でもう少し使い道があったんじゃないかと思うし、だいいち彼が登場した最初のシーンでラスト・シーンが予想できたし、実際思った通りのエンディングでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-27 22:33:42)
1562.  フォー・ルームス 《ネタバレ》 
オムニバス好きのわたくしですが、これはつまらない一本でしたね。まず狂言まわし役のティム・ロスの過剰な演技が生理的に合わないんですから、どうしようもない。“タランティーノと仲間たち”といってもその後も活躍しているのはロドリゲスだけで、第一話と第二話の微妙さを見ればそれも納得です。 まああえて言えばロドリゲスの第三話がなんでも大げさに撮っちゃう彼らしさが良くて、後の『スパイ・キッズ』に繋がるところがあります。 と、貶しながらも実はこの映画では第一話が好きで、なぜかと言うとあの魔女たちのオッパイ見せながらやってくれる脱力系の踊りが、『死霊の盆踊り』みたいで自分にはストライクなんです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-25 22:50:53)
1563.  バロン
テリー・ギリアムのフィルモグラフィ中で最悪の予算トラブルに見舞われたのが本作だそうです。スタッフに名を連ねた大家たちで判るように、イタリアのチネチッタ撮影所で製作しちゃったのがそもそも間違いの始まり。安く撮るつもりだったのに、ハリウッドで製作するよりもはるかに高いコストをぼられて大予算オーバー、最後は保険会社が現場を取り仕切ってようやく完成したんだとか。確かにごてごてと作りこんだセットや衣装ですけど、正直いってどこにそんなお金をかけたの?って感じもします。 ギリアムのファンには堪えられない映像世界なんですが、実はミュンヒハウゼン男爵はギリアムたちベビー・ブーマー世代の暗喩になっているんですね。自分の妄想ワールドを面白がって映像化しているだけじゃなく、ギリアム映画はけっこうメッセージ性を持っているところが自分は好きです(判りにくいけどね)。 しかし、ほら吹き男爵の次はドン・キ・ホーテに挑戦してほんとに大失敗をやらかすとは、この人はある意味首尾一貫しています(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-19 23:04:23)
1564.  真夜中のサバナ 《ネタバレ》 
原作はアメリカではベストセラーのノン・フィクション小説なんだそうですが、映画化された本作はまったくノン・フィクションらしさがない、原作者が怒ったと言うのはそういう部分じゃないかと思います。この物語の主人公はサバナという町とそこに住む住人たちなのに、原作では第二部で語られてたケヴィン・スペイシーの裁判が映画ではメインに据えられているのでよくある法廷ミステリー映画になってしまったのが失敗でしょう。 サバナという所は、日本で言うと京都か金沢みたいな古都なんでしょうね。独自の文化を誇っている排他的な土地柄というわけです。そのサバナの実在の有名人であるレディー・シャブリなるオカマちゃんを出演させちゃったのが、やはり大失敗だったんじゃないでしょうか。だってスペイシーもキューザックも完全に喰われてしまってますもの、この素人に。 イーストウッドは真面目に丁寧に撮っているのは好感出来るのですが、この脚本ではどうしようもないところです。どうせベストセラーを映画化して原作者を怒らせるなら、『シャイニング』のキューブリックぐらい弾けて欲しいものです。そういう所はイーストウッドという人は固すぎるんだよなあ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-17 22:20:07)
1565.  マイノリティ・リポート 《ネタバレ》 
スピルバーグにしては珍しく他監督の映画からの引用が多い。とくにトム・クルーズが目玉の取り換え手術をするあたりからで、手術で瞼を固定するのは『時計じかけのオレンジ』、部屋の壁スクリーンに映っているのはサミュエル・フラーの『東京暗黒街 竹の家』(渋すぎ!)、傘をさしてサマンサ・モートンと逃げるカットはヒッチコックの『海外特派員』、そしてヘンなクスリを注射して不細工に変装しますが、その顔は『バニラ・スカイ』の事故で醜くなったトムの顔とそっくりじゃないですか。そうか、それで『バニラ・スカイ』のクロウとディアスの両キャメロンがチョイ役で出演しているわけが判りました(笑)。 捜査局内のPCシステムは、まるで現在のスマートフォンを予言しているみたい、そして未来の縦横に動く自動車のスピード感あふれる映像は、さすがスピルバーグと言わせていただきます。ところがそれ以外の街並みや地下鉄そしてファッションなどは現代とほとんど同じというのはどうなんだろう。手抜きだと言う人もいるでしょうが、これはスピルバーグの未来観だと思います。40年後もきっとワシントンDCでは騎馬警官がパトロールしているだろうし、人間社会には変わらないことが多々あると言う見方は正しいのじゃないでしょうか。 「疎遠な父子関係」というのがスピルバーグ映画の特徴だと言われてきましたが、「子供の不在」に苦しむ父親という今までとは違った視点を持っているのが新しいところです。家族関係に対するどちらかというとシニカルな彼の視線も、21世紀に入ってだんだん変化してきたのも事実でしょう。トム・クルーズの最初と最後のカットがいずれも妊婦と会話していると言うところも、なんだか意味深でした。
[DVD(字幕)] 6点(2012-08-14 00:27:26)(良:2票)
1566.  トータル・リコール(1990)
ジェリー・ゴールドスミス入魂の勇壮なテーマ音楽、出来の悪いアメコミの様なおバカなストーリー、不必要と思えるほどの人体破壊に走るグロ描写、となんか全体的にアンヴァランスなんですよね。『ロボコップ』を撮った後だから、ヴァーホーヴェンも確信犯だったんじゃないかな。『ロボコップ』と本作、そして『スターシップ・トゥルーパーズ』の三作は、その後のハリウッドSFに多大な影響を与えたヴァーホーヴェンの偉業だと私は思います(ちょっと褒めすぎかな)。 それにしてもシュワちゃんの拙い演技、ほとんどコメディですよ。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2012-08-11 23:12:14)
1567.  おしゃれ泥棒 《ネタバレ》 
いまリメイクするとアン・ハサウェイとブラッド・ピットなんかがキャスティングとしては自分の妄想イメージですが、ヘップバーンとオトゥールの軽妙洒脱さにはとうてい及ばないだろうな。ヘップバーンが映画で着こなしたジバンシー・モードは数多いけれど、この映画で見せるファッションが私の中ではベストです。最初に登場するシーンで着ているあの白い帽子のファッションなんかあまりにも有名ですよね。ピーター・オトゥールのとぼけた軽妙な演技がまた絶妙でして、ほんとこの人は上手い役者です。 泥棒映画は盗み方をいかに工夫して見せるかが命ですが、まるでこのジャンルの名作『トプカピ』をおちょくった様な脱力系の手口には意表を突かれました。いろいろと粗が見えるところはあるストーリーですけど、そこはラブコメですから楽しんだ者勝ちです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-09 22:45:58)(良:1票)
1568.  宮廷料理人ヴァテール 《ネタバレ》 
ジェラール・ドパルデュー、ユマ・サーマン、ティム・ロス、と顔を揃えてこの面白くなさにはちょっとびっくりしました。なんですかねー、とにかく散漫なんですよ全篇にわたって。 ふつうこの手の題材を扱った映画なら、豪華な料理をもっと前面に出さなきゃだめでしょ。ヴァテールやルイ14世を取り巻く人間関係やエピソードもつながりがなくバラバラだし、悪役であるティム・ロスも何をしたいのか良く判りません。やっぱり、映画は悪役に魅力がないとね…
[ビデオ(字幕)] 3点(2012-08-05 23:31:47)
1569.  ウホッホ探険隊 《ネタバレ》 
原作通りなのか森田芳光の色の濃いシナリオなのかはよく判りませんが、登場人物の造形がいかにも80年代の世相を反映したように薄っぺらいのが致命的。柴田恭平や陣内孝則の役柄はこのストーリーになんの意味があったのでしょうか。まして時任三郎のカメラマンにいたっては、こういうキャラを登場させる意味がない。そして田中邦衛が十朱幸代を妻としながら藤真利子を愛人にするような仕事の出来る男に見えますかね? だいいちこの男は何を考えているのか、さっぱり理解できない。妻に自分から愛人がいると告白するにいたる心情が不明だし、藤真利子にしたって十朱幸代に写真まで送って嫌がらせしてるくせにいざ離婚したとなると逃げてしまうなんて、現実にはよくある話かもしれないけどあまりに類型的すぎて鼻白んでしまいます。同じ離婚をテーマとしても、相米慎二の傑作『お引越し』とは雲泥の差があります。 まあ森田芳光の脚本は、彼独特の巧妙な「間」を表現できる演出じゃないと粗ばかり目立っちゃうので、根岸吉太郎が監督では無理だったかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2012-08-03 21:47:41)
1570.  Bubble/バブル(2005) 《ネタバレ》 
ド素人の俳優を使って自らビデオ撮り、そしてたぶん即興演出、でも天下のソダーバーグですからそりゃぐいぐいと引き込まれてしまいます。こういう映画って、映画学校出たての新人に同じプロットで撮らせて比較してみればきっと面白いでしょう。いちばん頭を悩まされたのは題名で、どこがBubbleなんでしょうかね? ちなみに、主演の赤毛のおばさん、ウェスト・ヴァージニア州のケンタッキー・フライド・チキンで勤続24年の店長さんだったそうです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-07-31 23:21:18)(良:1票)
1571.  デスカッパ 《ネタバレ》 
なんで不況に苦しむ世の中なのにこんな映画が撮れるんだ、と首をかしげてしまいましたが、『片腕マシンガール』の“TOKYO SHOCK”シリーズだと知って納得です。「どうせアメリカ人のおカネだからやりたい放題しちゃえ」というわけなんですね。というわけで、日本の資本ではとうていOKされないようなデタラメなストーリーを見せられる観客はたまったもんじゃありません。スタッフが拘っているのは昭和特撮映画をオマージュしたミニチュア・ワークやプロップで私の様なマニアはニヤリとさせられますが、とても一般受けするわけもない。とは言えこういうのが好きな自分としては他のレビュアーさんたちに逆らって最高点をつけてあげようと思いましたけど、やっぱ三点が限度ですね(笑) それにしても、なべやかん、いったいお前ひとりで何役やっているんだよ!
[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-07-31 19:53:25)
1572.  白い巨塔 《ネタバレ》 
タイトルバックが実際に開腹手術をしているところを撮っているのにはびっくりです。この映画はその他の手術シーンも実写でカメラに収めていて、現代では絶対に不可能なことでしょう。モノクロだからまだましですが、けっこうグロいです。78年のTV版に衝撃を受けた年代ですので、「あれ、財前五郎はガンで死ぬんじゃなかったっけ?」と拍子抜けしましたが、本作は原作の正編だけの映画化だったんですね。 とは言え、上映時間2時間半でもかなり駆け足で物語を進行させていると言う印象はぬぐえないかな。それでも、田宮二郎のド迫力には終始圧倒されてしまいました。 でもやはりTV版をもう一度観たくなりました、ビデオ屋で探してみよう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-07-28 23:07:37)
1573.  小早川家の秋 《ネタバレ》 
小津安二郎のラス前作なのですが、『秋刀魚の味』よりよっぽど遺作っぽい不思議な作品です。まず、原節子、『秋刀魚の味』には出てないのでこれが最後の小津映画。『東京物語』と似た設定の未亡人なんだけど、本作では『東京物語』での役柄とは違ってなんか凄味まで感じさせられるたくましい女性だと思います。お見合い相手の森繁久彌を翻弄しちゃうところなんか、この役は性格が悪い設定なのかなと思ってしまいました。小津映画の特徴である登場人物たちのアンサンブルは円熟の域に達していますが、やはり新珠三千代がとくにいい演技を見せていますね。 この映画のテーマは、中村鴈治郎が演じる道楽旦那が天寿を全うするまでの数カ月の出来事なんですが、小津安二郎の“死”に対する恐れと無常観が痛いほど伝わってきます。とくに鴈治郎と19年ぶりに再会して、結局その死を看取ることになった浪花千栄子とその娘団令子、この二人のキャラクターは個人的には不気味に感じました。まるで死期が近づいた鴈治郎を黄泉の国からお迎えに来た物の怪じゃないかと思えるぐらいで、とくに死んだ鴈治郎を前にした二人の会話は凄くシュールじゃないですか。笠智衆が出てくるシーンも本筋には関係なくてちょっと変だし、この辺りで流れる音楽がまた突然暗くなってきてなんか不気味です。 よく「脚本に全然無駄がない」という褒め言葉を聞きますが、小津映画、とくに本作は不思議なほど無駄なところや隙がある。それでも名匠の手にかかると傑作になる、映画とは実に不思議なものです。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-07-24 23:59:38)
1574.  ヒドゥン(1987) 《ネタバレ》 
まず邦題、“Hidden”をそのままカタカナにしたのがナイスです。ほとんどの日本人には通じない単語だけど、“ヒドゥン”と表記されるとなにか怪しく禍々しい雰囲気が伝わってくるから不思議なものです。 アクション映画は星の数ほどあるが、これほどのスピード感が持続する映画は滅多にあるもんじゃない。この映画はもちろんSF・アクションだが、バディ・ムーヴィーとしてもいい味出しています。ギャラガーとベック刑事の掛け合いはテンポが良くて、ラストには思わずホロリとさせられます。善玉も悪玉も、なぜかエイリアンはフェラーリやポルシェみたいなスポーツ・カーがお好きみたいなのも、可笑しい。 色んな過去の映画からの影響が感じられますけど、個人的にはこの映画は『ウルトラマン』の第一話にインスパイアされたのではないかと思います。ベムラーを追っかけて地球まで来たウルトラマンが瀕死のハヤタ隊員に乗り移る、あのプロットですよ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2012-07-22 21:43:02)(良:3票)
1575.  ニア・ダーク/月夜の出来事 《ネタバレ》 
西部劇風味・ロードムーヴィー・ヴァンパイアの三プロットが絶妙にミックスされた秀作です。『エイリアン2』に出演したばかりのキャメロン組俳優や、『ターミネーター』を彷彿させるトレーラーの爆発シーンなどジェームズ・キャメロン臭は強いけれども、キャサリン・ビグローは実質監督デビューとは思えない力強い演出を見せてくれます。罪のない人間を殺しまくる良く考えたらとんでもないヴァンパイアたちなんですが、疑似家族である彼らの絆がとても悲しく切ないのです。「楽しかったな」と微笑みながら文字通り燃え尽きて果てるランス・ヘンリクセンとジャネット・ゴールドスタインには、思わず落涙です。カルトとしての評価が高い本作ですが、モダン・ヴァンパイアというジャンルを創った功績も忘れてはなるまい。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-17 23:46:19)(良:1票)
1576.  パイレーツ・ロック 《ネタバレ》 
海賊ロック放送に夢中になっている英国庶民の姿を見ていると、米軍放送FENに夢中だった昔の自分を思い出してしまいました。ケイシー・ケイサムの“アメリカン・トップ40”なんか懐かしいよね。 キンクスで始まりデヴィッド・ボウイで終わる(ちょっと時代がずれてますけど)ヒット曲の数々は、選曲と使い方はセンスが良いので満足なんですが、なぜかビートルズが一曲もかからないのはどうしたわけでしょう。版権がとれなかったのかしら? 脚本にキレがなくエピソードの積み上げ方も下手くそで全体に冗漫な出来なのは残念です。船が沈没するシークエンスも『タイタニック』のパロディになっているんですけど、あまりにだらだらしてしまって逆効果です。悪辣な政治家を嬉々として演じているケネス・ブラナーと、ぶっ飛んでいるお母さん役でカメオ出演したエマ・トンプソンのかつてのカップルの怪演はなかなかのものでした。トンプソンなんか、彼女だと気づく人いないんじゃないかと思えるほどです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-13 23:46:19)(良:1票)
1577.  インソムニア 《ネタバレ》 
私は未見ですのでオリジナル映画の雰囲気は判りませんけど、リメイクって難しいよなとつくづく感じさせられました。クリストファー・ノーランとしても雇われ監督だからオリジナルを大胆にいじることもできないし、オリジナルのプロットの弱い部分は自分なりに消化しなければならない。ロビン・ウィリアムスの演技は文句のつけようがないけど、殺人犯としてのキャラが弱すぎるし、だいいちこの事件は過失致死としてしか裁けないでしょう。若造を犯人に仕立て上げるために部屋に忍び込んで拳銃を押しつけるなぞ、一介の小説家に出来る事じゃないです。そこら辺の粗さをカヴァーしているのが、アラスカの大自然を鮮明に捉えたウォーリー・フィスターのカメラで、これは文句なしに良かった。ロス市警から派遣されてきたアル・パチーノのキャラは、自分には『ヒート』のヴィンセント・ハナの落ちぶれた後日談みたいで面白かったところです。六日間も眠れずに、死んでやっと安眠できたというわけですね。渋い。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-11 23:12:12)
1578.  遥か群衆を離れて(1967) 《ネタバレ》 
原作は『テス』で有名な英国の文豪トーマス・ハーディが若いころに執筆した小説。トーマス・ハーディの小説と言うとヒロインがボロボロになる暗いお話しが多いけど、まだ若いころに書いた小説なので『テス』や『日蔭者ジュード』とはだいぶ作風が違います。ジュリー・クリスティが伯母の遺産である農場を相続したヒロインです。彼女と求婚してきた三人の男たちとの波乱万丈の物語というわけで、ひたすらに農場を守ろうとするジュリー・クリスティの姿は『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラに似たところもある。このヒロインが実は大変に困ったちゃんで、男性や恋愛に関する感覚が自己チューすぎるのです。 映画が開幕してわずか5分あまりで振られてしまうアラン・ベイツはしょうがないとしても、お隣の農場主であるピーター・フィンチから求婚されても、なかなか返事をしない。ぐずぐずしてるうちに女癖の悪い騎兵軍曹テレンス・スタンプと出逢ってこいつとあっという間に結婚しちゃう。可哀想なピーター・フィンチはその後も彼女に翻弄され、ついに人生を破滅させられてしまうのです。 ある意味元祖ハーレイ・クイン・ロマンスみたいなお話しですが、英国南部の美しい田園風景が丁寧に映し出されていて、インター・ミッションまである長さも不思議と退屈せずに観れちゃいました。きっとオスカーにノミネートされたリチャード・ロドニー・ベネットの音楽が良かったせいでしょう。 まあ元が大した小説でもないので(失礼)、映画化するにはもっと大胆な脚色が必要だったかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-07-06 20:53:08)
1579.  逢びき 《ネタバレ》 
本作は元祖不倫映画という異名があるそうですが、肉体関係の一歩手前でふたりの恋が終わってしまうところは製作年代を考慮するとそれでも精一杯がんばったと言えるでしょう。それでもノエル・カワード脚本の上品でありながら巧妙な語り口は、現在の眼で観ても十分に通用するレベルです。セリア・ジョンソンは決して美人ではないけど大きな眼に魅力があって、現代の女優ではヘレナ・ボナム=カーターに雰囲気が良く似ているなと思いました。もし本作をリメイクするなら、ぜひ彼女を使って欲しいですね。そして生涯名バイプレイヤーだったトレヴァー・ハワードの一世一代の二枚目演技がとても新鮮です。 この映画では列車の疾走がふたりの官能の高まりのメタファーになっています。サイレント時代から喜劇なんかで良く使われてきた手法ですが、デヴィッド・リーンはメロドラマの情感表現として巧みに使っています。 リーンは大作を手掛ける映画監督というイメージですが、初期の小品にけっこう味がある作品が多いんですよ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-03 09:28:38)
1580.  裏窓(1954) 《ネタバレ》 
“怪しいセールス・マン”はやっぱり悪い奴だった、というオチがどーも昔から気に喰わないのです。実は新婚カップルの方がずっと深刻で、あの部屋で恐ろしいことが起こっていたという展開にした方がずっと面白いのにと観るたびに感じるんです。ヒッチコック先生もでかいセットを作ってもらえたので、ちょっとカメラの技巧に凝り過ぎちゃったのかな。 この時のグレース・ケリーは、その美しさと優雅さは間違いなく頂点に達していたと断言しちゃいます。やっぱグレース・ケリーとジェームズ・スチュアートのカップリングは最高です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-06-30 00:10:08)(良:2票)
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