Menu
 > レビュワー
 > 王の七つの森 さんの口コミ一覧。8ページ目
王の七つの森さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 188
性別 男性
自己紹介 ・・・・最初に投稿してから4年近くたとうとしています。
これからも、細々とでも投稿してゆきたいと思っています。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12345678910
投稿日付順12345678910
変更日付順12345678910
>> カレンダー表示
>> 通常表示
141.  火山高
酒を五合とちょっと飲んでから、ぼっーと見ていたので、あんまり記憶が定かではないのですが、陰陽師Ⅱと比較しつつ、思ったことを書いてみます。、、、、陰陽師Ⅱ、、、見どころがないなぁと思いつつ、見ていて、市原君の「えーん、えーん、鬼になりたくないよぉ」というところで、合点がいきました。3,4歳で初舞台を踏んだ歌舞伎役者の子供のような言葉、「えーん、えーん。」 仮に市原君が小学生程度の思考力がないとしても、これじゃ駄目だというくらいは分かるでしょうし、監督だって、だめだしをするはずです。、、、、要するに、みんなやる気がないのです。あるいはこんなホンと企画で、マジになって演じたらかっこ悪いと、監督も、中井さんも思っているのです。、、、だから、ひどい映画だって酷評されても、関係者はだーれもこたえないはずです。「あたりまえじゃん、てきとーにやってんだから。こんなんでマジになるやつはバカだよ。」、、、、、、そこが、火山高、そして韓国映画と日本の映画の大きな違いではないかと思います。確かに、火山高もどこかで見たようなものばっかりで、想像力の豊かさを感じることはできません。しかし、陰陽師Ⅱに決定的に欠けていたもの、つまり「やるき」が感じられるのです。くだらない話しだけど、与えられた仕事は全力であたらねばならないという職業倫理から生まれる熱気が、この火山高という映画には満ちているように思いました。(良いのはそこだけだけど、大事なことですよね)
5点(2004-10-05 09:19:37)(良:1票)
142.  パリ、テキサス
(テレビで放映しているのにたまたま遭遇。全面的に書き直します)、、、、、血のつながっているのが親子だ、という考え方は、どの時代、どの地域にでも成り立つ普遍的な原理では決してありません。、、、近代の日本や、ドイツなど、直系家族の形態をとる一部の地域では、血のつながりということにこだわる傾向があるようです。、、、、、ということで、子どもは成長すれば親を離れ、自立する、ということと、血のつながりが親子の普遍的要件ではない、ということを考慮したときに、この物語はどのような意味が残るのだろうか。、、、、、それと男が別れた女の子とを、いじいじと思い続けるというのはよくあるけれど、女が、喧嘩別れした男のことをずっと思い続け、心の中で話し相手とするということは、どれほど一般的なのだろう。、、、というか、ナスターシャ・キンスキーがマジックミラーのところで、涙を流すのが、男の思いこみ的演技指導の結果ではないかと思えて仕方なかった。、、、、、音楽と、夜の風景の映像は綺麗だけど、それだけの映画ではないかと、今日、思ってしまった。
5点(2004-09-12 15:04:01)
143.  キル・ビル Vol.1(日本版)
やはり、日本の映像文化、大衆文化についての、おたく的コレクション満載ということなのでしょうか、、、、、。たとえていえば、私が看護師だとして、看護師グッズおたくの知り合いから、是非、本職の私に、コレクションを見て貰いたいと、ざっっと、注射器、体温計、点滴セットなど、その収集品を広げられた感じ、、、、、。私の反応の選択肢は、次の通り。、、、1) 異様な違和感から、サルトル的嘔吐感を感じる。、、、物質としては同じ注射針でも、彼が注射針に与えている意味と、私にとっての注射針の意味は全く異なり、彼の収集品を見ると自分の日常の意味世界が揺らぐから。(真面目で誠実なパンピーによくありがちな反応、5点以下をつける)、、、、、2) 「おまえ、これ、ギャグだよな、本気でこんなもん集めているはずないよな、おまえなかなかいいギャグのセンスしてるじゃん」(確固とした自分の世界を持つ人の反応、O型にしばしば見られる、7~9点)、、、、、、3) 「君は、日常の閉塞した意味世界から脱却するために、自覚的に手段として、こういう収集をしているわけね、本心から看護師グッズが好きなわけじゃないよね」(要するに評論家、8~10点)、、、、、、4)「へえー、よく集めたね。この収集品の一つ一つに君の愛を感じるよ」(優しい人、でも冷たくドライなところがある)、、、、、、、私は真面目なパンピーなので、1)です。、、、、例えば、雪の庭、白装束での戦い、、、その結果が、赤い血しぶきが白を染めるのではなく、頭頂部がカッパのように切り取られ、しかし相手の刀剣に言及して息絶える、というのを見て、こみ上げるのは、笑いではなく、吐き気に似た違和感でした。、、、ただ映画とは何だろう、ということを考えさせられたので、いずれ3)に移行するかもしれません。      
5点(2004-08-28 11:17:11)
144.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
膨大な制作費に見合う収益を上げるには、原作を読んだ人も、読んでいない人も、楽しませるものではなくてはならない、、、「指輪物語」という題名をそのまま拝借する以上、原作をできる限り忠実に再現する必要がある、、、、という難しい方程式を10時間近くかけて解いたら、出てきた答えは限りなくゼロに近いものであった、、、、今はそんな気持ちです。、、、、、舞台芸術でも映像芸術でも、原作がある場合には、舞台、映像制作者の「解釈」が必ず介在します。あるいは、そういう解釈者の仲介なくして、古典的な原作は、現代に蘇ることはできないといってもよいでしょう。オペラにしても昔の衣装、舞台をそのまま忠実に踏襲するのは希だし、ギリシアで評判を得た蜷川のオイディプスも、勘九郎のニューヨークの舞台も、古典劇に対する自分たちの解釈を問うものであった筈です。、、、、、、で、この映画では、トールキンはどのように解釈されていたのでしょうか。、、、、、迫力ある戦闘、城の鳥瞰、闇に与するものの崩れた容姿、、、そんな解釈しか浮かび上がってきません。しかも、それらはみなどこかの映画で垣間見たことがあるような映像だと思います。、、、、なぜ、小さき者であるホビットに指輪が託されるのか、なぜ、スメアゴルに最後まで重要な役割が与えられるのか、フロドとサムの身分差をどう捉えるのか、王の血統をどう扱うのか、なぜ指輪を葬らねばならないのか、そしてそもそも指輪とは何なのか、、、、そうしたことの解釈の跡を、残念ながら映像から確認することは殆どできませんでした。、、、、、だから、見終えて、問いかけられたように感じるものは何もなく、残ったのは強いてあげれば、静かな怒りに似た感情なのです。、、、、そして何とも言い難い幕切れ、、、、、、フロドは、あの先の角を曲がれば、新しい世界が開けているかもしれないと歌いつつ、新しい冒険の途につくのではなかったかと、、、、、。
5点(2004-07-27 16:45:30)(良:6票)
145.  エリン・ブロコビッチ
映像としては、面白くないと思います。、、、、、しかし、公害被害者の無表情な演技をみていると、なんかrealityがあって、さすがアメリカの映画界の人的資源は滅茶滅茶豊富なのだなぁと感じさせ、、、、、また、500万ドル賠償金をせしめただの、ボーナスを200万ドルもらったのだのがハッピーエンド的に描かれているのをみると、それを幸福な結末と受け取るアメリカ的感性に、少しぎょっとしたり、、、、、またアメリカの市民生活の中で、法システムがどのような位置を占めているか納得させられたり、、、、、要するに、映画としてはつまらないのですが、社会学的素材としては、非常に興味深いものだと思います。
5点(2004-07-01 07:59:21)(良:3票)
146.  12人の優しい日本人
原作でヘンリー・フォンダは、Let's talk moreほにゃらら、と冷静に理性的に語ります。そして、その一言が、原作のいわばライトモチーフになっていたように思います。本作で、相島さんは、女性的で、やや甲高い声で、「はなしましょ、ねえ、もっとはなしましょう、ほにゃらら」と切り出します。この場面で、どっと笑いが上がるなら、本作は成功なのだと思います。で、どうなんでしょう?????、、、、、芝居小屋なら十分にその可能性はあると思いますが、この映画でそれが可能なのだろうか????、、、、、、鼻血の場面も、芝居小屋でなら、抱腹絶倒ですよね。、、、、、、、笑いながら、ふと我に返ってみて、話すことを通じて合意を形成することの意味、真実とは藪の中にあるものではないかなど教えがすぅっと理解される。、、、、、、そうなったら本当に大成功です。、、、、で、出だしの映像のタッチが、「桜の園」じゃないですか。この映像だと、素直に笑いに入っていけない感じなんですよねえ。「桜の園」が好きだっただけに、、、。ということでこんな点にしてしまいました。
5点(2004-06-13 11:05:02)(笑:2票)
147.  セブン 《ネタバレ》 
映像は綺麗でした。・・・・ただ、まあ、なんというか、7つの大罪といっても、みんな大なり小なり、人としての証のように持ってるわけで、それでいちいち殺されたんじゃ、しょーがねーよな、なんて思うわけです。・・・・それと、もう一度、注意深く見ると違うのかもしれませんが、なんでSWATまででてきちゃうの、とか、殺された人達は、特に6人目は、大罪に該当していたのだろうか、とか、ケビンスペーシーは血に染まった手で警察署にやってくるけど、その手で宅配便の荷造りが出来たのだろうか、とか、フツー、宅配便をあのsituationじゃあけないよねぇ、とか、突っ込み処は満載と思いました。・・・・ところで7番目の「憤怒」は、ブラピの怒りに該当し、ラストのブラピは、その罪に対しての罰として描かれているのだろうか、・・・・とはいいつつ、ラストのブラピを見つつ、で、この映画は、何を表現したかったのだろうか、と思いました。
[DVD(字幕)] 4点(2011-03-09 20:59:13)(良:1票)
148.  スカイ・クロラ The Sky Crawlers 《ネタバレ》 
人は記憶と意識によって定義される。身体がなくなっても、記憶と意識が残れば、その人は生きているのだし、逆に、身体は全く健全でも、記憶と意識が別のものになってしまえば、それは別の人だ。そして、その記憶と意識が数十年という限界を持っていると意識するとき、それを愛おしく思う強い気持ちが生じる。「ブレードランナー」のレプリカントは、その有限性をさらに圧縮された存在であった。その生き様からは、短縮された生の輝きが強烈に伝わる。・・・・・「キルドレ」は逆に、その生の有限性から解放された存在だ。永遠の生を与えられた彼らの日々の生活は、当然、惰性となり、輝きを失う。だから、彼らは戦闘での死を敢えて選ぶ勇気を持とうとする。その時、日々の生活は輝きを取り戻すのだ。空でティーチャーに遭遇したとき、彼らが必ずそれに挑むのは、生の充実を求める衝動に突き動かされてのことに違いない。・・・・と解釈できるかなと思うけど、この映画を見て、死を選んだ函南から、生の輝きは伝わるだろうか。むしろ僕には、押井は、この作品を通じてを死を弄んだだけのように思われた。・・・・それにしても、「こども」「大人になる」「kill father」とか、後半は、ヱヴァンゲリヲンを見ているようだった。・・・・子どもは煙草を吸ってはいけない。(こんなに煙草を美味しそうに吸うシーンが何度も、何度も出てくる映像は、反社会的である。10年前に苦労してやめた煙草をまた吸いたくなってしまったではないか。)
[DVD(邦画)] 4点(2009-03-01 16:10:32)
149.  学校
ここに通っている人達は、身につけたい知識や能力という点では、公的な機関が開く生涯教育の講座に通っても目的は達せられるわけで、「学校」である必要はありません。・・・・例えば焼肉店のおばさん。立派な社会人です。字を習得したいなら、それを目的とした生涯教育講座でよく、学校に通う必要はないように思われます。・・・・それでもなおかつ、ここに通うような人達は、「学校」を卒業したいと考えるし、また映画として撮る側も「学校」でなければならないと思うのでしょう。そして見る側も同じように、彼らは「学校」に通う必要があると感じる可能性が高い。・・・・・それほどまでに「学校」は私たちの価値意識、考え方、感じ方を支配している。・・・・そうした「学校」の持つ、抑圧的な側面を全く考慮せず、牧歌的に、のほほんと「学校」を描くことができる愚直さは、山田監督ならではなのでしょう。・・・・・田島先生//「あなたには半分日本人の血が流れているのよ」といっていますが、両親が外国籍で、日本で生まれ育ち日本語しか話せない子が生徒なら、彼女はなんと語るのだろう。・・・・みんなで楽しく給食を食べて、修学旅行にでかけて、体育で汗を流して、休日に遊びにでかけてなど、楽しい「学校」の思いでを共有して云々、という文科省=権力が、やさしく語りかけるような「学校」でした。・・・・・やはり私は山田映画はどうも性に合いません。
[DVD(邦画)] 4点(2008-01-07 00:15:57)
150.  男たちの大和 YAMATO 《ネタバレ》 
『戦艦大和ノ最期』(吉田満著)は、吉田自身、大和でも哲学書を読んでいたような学徒兵であったことを反映してか、同じ学徒兵にやや関心を集中している印象です。・・・それに対して、この映画の原作、辺見じゅんの『男たちの大和』は、大和に乗り込んだ一人一人の兵士に丁寧に取材して、それぞれの兵士の大和での状況、戦後の人生を描こうとしています。・・・・・角川春樹らは、大和をだしに使って、日本版タイタニックを作って儲けたかったのでしょう。映画の基本的な組み立ては、すでにどなたかも書いていましたが、タイタニックそのものです。「日本で沈んだ一番でかい船は何かなぁ、そうか大和か、じゃぁ、大和でタイタニックみたいな映画を作ってみよう」という腐った動機がうかがえます。・・・その意味では、最低の映画です。本当なら1点とか2点を付けたいところです。・・・・・・とはいえ、戦争の悲惨さ、無意味さについて、実際に、考える機会を与えてくれている、という状況をみる限りでは、それなりに良い映画だったのかもしれません。原作に少し救われたのでしょう。・・・・・・・中身としては、監督の演技指導がきちんとできていないのか、それとも役者自体がどうしようもなく下手なのか、それともただのパニック映画を作りたかっただけなのか、、、、、オーバーなアクション、感情表現、、、、、ただ叫んでいるだけの連続などなど。とにかくみんな泣きすぎだし、仲代達也でさえ、なんて下手なんだと思わせてしまうほどでした。・・・・とにかく、映像からも、音楽からも、役者の演技からも、死と隣り合わせの日常を生きているという緊張感が全く伝わってきませんでした。・・・・一茂は、素人であるためか、過剰な演技がなく、また神妙に緊張している様子が、かえって臼淵大尉の死を前にした緊張感と心の静寂を表現できているようで、兵士の中では唯一許せる印象でした。・・・・・・・・とはいえ原作にはない、兵士に叫ばせるところは、「学校へ行こう」そのものだし、一人甲板でハーモニカを吹く様子はなんというか、、、、。
[DVD(邦画)] 4点(2006-09-12 00:41:15)
151.  笑の大学
廷吏という警官というか、高橋昌也さんだったんですね、最初、えっ加藤嘉さん?、ずいぶん前に亡くなったんじゃ?、とか思ってしまいました。高橋さんって、昔は二枚目のおじさん役だったのに、随分お年になりましたね。、、、絵として一番綺麗だったのは、その高橋さんかなぁ。存在感もなんかあったし、、、、、、、警察の検閲=NHKの検閲、椿一=新撰組を書いているときの三谷氏、と置き換えて見ていると、少しは楽しめましたが、それにしても、三谷氏の言い訳というか、楽屋話というか、そんなのの連続でしたね。、、、、、、とにかく面白ければいいじゃない、楽しければいいじゃない、笑えればいいじゃない、という三谷氏の基本的なスタンスがよおくわかりました。、、、それはそれでもちろんいいのですが、そういうスタンスの人が立ち入ってはいけない領域というのもあって、この映画は、けっこう、微妙なとこだと思います。「どんなときも笑いを忘れてはいかんのだ」というのと、「どんなときも笑わなくてはいかんのだ」というのはちょっと違うんじゃないのかなぁ。友達が死んでも、飼っていた犬が死んでも笑えというのだろうか。もしそういう時、笑えたとしても、その笑いは悲しい笑いで、おかしい笑いじゃないし、この映画での笑いとも違うんじゃないでしょうか。、、、、、椿一が応召の前の晩に笑いを考えられたのは、それが彼の仕事だからでしょ。魚やさんや薬屋さんだったら、応召の前の晩にギャグ考えたりしません。、、、、、あと、ごろちゃんは舞台ならもっとごまかるのでしょうが、映像になると細かいところや色々と気になってかわいそうです。彼自身の非力より、そういう配役をした方が責められるべきだと思います。役所広司と較べたら見劣りがするのはあたりまえです。
[DVD(字幕)] 4点(2006-02-13 14:31:53)
152.  スチームボーイ STEAM BOY
そうですか、大友克洋は、漫画家を棄てて、いつの間にか技術だけで勝負するアニメーターになっていたんですね、、、、、。80年代の「童夢」「さよならニッポン」「気分はもう戦争」などを通して大友を知ったものとしては寂しい限りです。あのときの大友には語るべきものがたくさんあったのに、この大友には、もう語るべきものがない、というか、、、、大友から、語るべきものを除いたら、一体何が残るというのでしょう、、、、、。これだったら、Dr.スランプや、ドラえもんを見ていた方が楽しい。、、、、手塚はもちろん、赤塚だって、水木だって、楳図だって、ずっと、自分なりに語るべき世界を持っていましたが、大友は、いつのまにか、語るべき世界を見失ってしまったようです。、、、、、、、、、、、というか、冒頭の部分で「惣領息子」という表現に接して、大友って、封建的な家族関係に対する疑いすら持っていなかったのかと愕然としました。また、全編を通じて、個々の登場人物のモノローグの寄せ集めで、登場人物の間に、コミュニケーションが全く成立していない。これは故意に狙ったというより、大友の中に、物語を構築していく想像力が枯渇してしまったことを物語ってるように思います。、、、、いずれにせよ、悲しいけど、さらば大友克洋!!、、、、これからは技術屋として頑張ってください。
[DVD(字幕)] 4点(2005-11-02 09:45:59)(良:2票)
153.  浮草 《ネタバレ》 
小津は、転ぶにしても、転び方あるのだと言ったと伝えられているが、それにしても、僕は、この映画で小津は、酷い転び方をしていると思う。なんか若尾のキスシーンあたりで、なんとか客を集めたというくらいではないだろうか。、、、とにかく、これは酷い出来だ。なんかもう、一人一人の感情の機微が全く伝わってこない。、、、、、中村鴈治郎は養育を放棄した息子が可愛い、暴力親父で、一度、旅を辞めて家族三人で暮らすと決意しておいて、どうしてそれを簡単に翻すのか、心の葛藤の映像がないし、それでいて、またすぐに京マチ子とよりを戻すのかも、煙草のシーンはありつつも、上手に描けているとはとても思えない。、、、、杉村春子の心の動きだって全く伝わらない。一度は一緒に暮らせると思ったのに、簡単に、「お父さんの門出ですよ」だなんて簡単に送り出せるのだろうか。、、、、、旅の一座の男と女の人間模様や、女の心の動きなら、圧倒的に溝口のものだし、溝口だったら、そうした個々の人間模様から、社会的不平等やら差別やらにまで射程が拡がっていく。ところがここには、そんな広がりは微塵もない。、、、、、、雨の喧嘩のシーンだって、黒澤なら、多分こんな描き方にはならない筈だ。こんな土砂降り、道を挟んだ軒下同士、声なんか殆ど聞き取れないのが普通ではないだろうか。だから、黒澤だったら、もっとリアルに、十分に会話が成り立たないようなシナリオを作るだろう。、、、、、、、この映画を見て、小津映画を見る気が失せてしまう人がいるとしたら、非常にもったいないことだと思う。
[DVD(字幕)] 4点(2005-07-27 09:40:18)(良:3票)
154.  スパイ・ゾルゲ
若者には評判が悪いけど、60,70年代の政治の季節を知るものにとっては琴線に触れるところのある良い映画、という意見に促されて見たのですが、、、、、、、1)音楽が映像とかみ合っておらず、また選曲の発想が、あまりに超貧困、、、、2)議事堂、大使館周辺など、CGに見るべきところはあっても、色彩が、当時の絵葉書。当時の絵葉書は、印刷技術などの問題で、ああした色遣いになっているのであり、当時の建物や、石垣や、木や、空が、ああいった色をしていたわけではない。これまた想像力が貧困。、、、、、、3)皆さんが指摘されるように、言葉も納得できないですね。、、確かにドイツ語をふんだんに使うには予算上の制約があるかもしれないけど。ソ連共産党の幹部まで英語じゃね。それにあまりに安っぽい牢獄やら、、、。どうしても必要なシーンとは思えないのだから、わざわざ入れて馬脚を現さなくてもいいのに、、。4)連行されるソ連の恋人の部屋に残された赤ん坊の人形。→あれは、産み落とされるべき、そして流産した理想の共産主義でも象徴させたのだろうか。→でも、その人形がキューピー人形じゃぁねぇ。、、、、5)とにかく腹立たしいのは、尾崎、ゾルゲという人の思想性やら、心の内側みたいなものが全く伝わってこないということ。ゾルゲという人は、一神教の神として共産主義という理想を抱いた筋金入りのコミュニストでしょ。だけど尾崎という人は、そこまで思想に殉じるタイプの人ではないと私には思われるのですが、、、、。だいたい、20世紀をイデオロギーの時代と規定する発想そのものが、敗北主義的で時代遅れなのだ。そもそもイデオロギーで、独ソ、日ソの不可侵条約を説明できるのだろうか。、、、、とにかく、篠田氏とその周辺の映画についての感性は、30年ほど時代から取り残されているのではないだろうか。ほんとにぷんすかぷんなのだ。 
[DVD(字幕)] 4点(2005-05-15 16:31:18)
155.  ブラザーフッド(2004) 《ネタバレ》 
戦争や弾圧で死んだ一人一人に、弟、妻、父、母などなど、その死を慟哭する肉親がいるわけです。だから、戦争で死んでいった一人の兵士の姿を描くとき、他にもいっぱい、「同じように」、死んだ人がいるんだ、ということを想像させる、というのが戦争映画の大事なお約束だと私は考えます。、、、ラスト、兄の遺骨にすがる弟を見て、何十万という、この戦争で死んだものたちへの哀悼の気持ちを感じることができるでしょうか。、、、兄は、弟を助けるために、同胞を殺しまくっただけで、他の同胞と同様に死んだ、とはとても思えない。、、、、、兄弟の絆は、同胞の命よりも尊いということなのでしょうか。、、、戦争は人々の意見、感情の対立から生じる政治的なものです。家族は、政治的なものよりも尊いのよ、というのも確かに一つの考え方ですが、そういう考え方に従うと、戦争について説得力のある語りはできないと私は思います。、、、個人的な恋愛感情よりも、祖国統一を選び、最後まで金正日に銃口を向けた「シュリ」のラストは何だったのだろう。とても同じ監督の作品とは私には思えませんでした。、、、ということで、私には、この映画は、自分たちもプライベートライアンのような映画が作れるんだい、韓国映画は、大国アメリカ映画にも肩を並べたんだい、という虚栄心の誇示のためのものにしか見えませんでした。、、、、、ただ、南の軍隊が、強制連行のように形成されていく過程や、相当に暴力的なアカ狩りが行われていたことなど、いわばこれまでタブー的であったことにも触れている点だけは評価できると思いました。
4点(2005-03-28 23:44:15)
156.  父の祈りを 《ネタバレ》 
この映画は、事実の重みも、下手な脚色をすると、だいなしになりかねない、という典型ではないか。、、、、冷厳な事実であっても、娯楽的要素を入れて、稼げる映画にしなくちゃね、という映画製作者の精神に対して、僕は怒りに似た感情を禁じ得なかった。、、、本当にベルファストの屋根の上で棒きれでギター代わりにして狙撃されたのか、本当に拷問しているそばでバースデーケーキ食べていたのか、本当に主人公は父親と同じ監房にいたのか、本当に真犯人と共鳴して監獄で暴動を起こしたのか、本当に判決が出ると何の手続きもなくそのまま法廷から出たのか、本当にジュゼッペの死に接して囚人達はほぼ全員、窓から紙に火をつけ落としたのか、本当にジュゼッペは息子を助けに行って逮捕されたのか、、、、、。この中に事実でないものが含まれているなら、本当の事件を扱ったこの映画で、どれが事実で、どれが事実でないのかがわからなくなってしまう。、、、事実は藪のなかじゃん、事実はあくまで素材じゃん、という考え方も確かにあるのだろう。、、しかし、事実を訴えた主人公、それを信じた父というこの映画の中心的な姿は、事実の重みに拘らない安易な商業精神に晒されれば、霞んで見えなくなるのではないだろうか。この映画を見て、一番悲しい思いをしているのは、父自身ではないか、とさえ僕は思う。
4点(2005-03-04 09:14:49)
157.  プライベート・ライアン
ライアンが充実した人生を送ることができたと、墓標に頭を垂れるとき、戦闘で死んだ多くの兵士達の死に意味が与えられるようになる。彼らの死は、悲惨であり、一見不合理に見えても、意味があったのだ、役に立ったのだ、、、、、という風にまとめちゃうと、結局、戦争でどれだけの人が死のうと、それなりの意味を見いだすことでできるのだ、ということになり、戦争の抑止力にはなりにくいわけです。、、、、だから、どこが反戦映画なのだろう、結局、アメリカ賛美じゃん、という多くの人の意見に私も同意します。、、、、、あと、一見リアリティを求めているようで、実は、あんましリアルじゃないとも思いました。例えば、被弾による失血死の場合、意識を失ってから心肺停止に至るまでもっと時間がかかるのじゃないかなぁ。、、、それと兵隊さんは、みんなあんなにママ、ママ、っていって死んでゆくのだろうか。
4点(2005-02-16 16:43:43)(良:1票)
158.  美しい夏キリシマ
一昔前の、古い日本の夏の雰囲気はよく伝わっていると思いました。その点は美しい。、、、、、またありきたりの戦争殺戮シーンを描くのではなく、戦時中の一人の少年の心象風景を通して戦争を描き、反戦を訴えようという試みであることも理解できます。、、、、、、、、、しかし、日本映画の多くが犯している誤りを、同じように犯していると私は思います。どういうことかというと、特定の主人公の心象風景を感情的にべったりと描こうとするあまり、その登場人物以外の人間達が、単なる風景になってしまい、その時代、空間に生き生きと存在しているものにならないということ。言い換えると生きた社会的な空間が生まれないということです。、、、、、そういう手法は自然の風景の美しさを描くには相応しいかもしれないけど、人間の世界は描けない。だから、この映画で伝わるのは、南国の自然の美しさだけなのです。、、、、あっそうか、「美しい夏キリシマ」っていうんだから、この映画、自然観賞の映画だったのか。
4点(2005-01-29 23:37:06)
159.  ひまわり(2000)
遠い過去を懐かしむといった、単なるノスタルジーに終始するのでなく、過去を今のものとして現在させるには、時間の流れを逆流させる必要があるわけで、、、、、校舎の玄関のシーンとか、過去と現在が混合していくシーンを織りまぜ、そして最後の最後に、船を掘って船出して、その船が沈没して、みんな死んで、冒頭の海難ニュースにつながる、ということで最終的に時間を逆流させる、ってな仕掛けなのでしょうか???、、、、、とはいえ、結局、やっぱり、思いつきを寄せ集めたノスタルジー映画ではないかと思ったのでした。最後の方の音楽はニューシネマパラダイスっぽいですしね。、、、、そういう映画なのに、わかる人がわかればいいのだ的に、メタファー散りばめるのってのは、傲慢以外のなにものでもないとも思います。ぷんすかぷんなのだ。
4点(2005-01-17 11:01:49)
160.  イノセンス
固定した視点ではなく、キャメラを動かしているように映像を展開させたり、動物を立体的に描いたり、アニメの技術としては極めて素晴らしいといえるのでしょう。また、動物は、いくら調教しても表情や仕草まで完全にコントロールすることはできませんから、動物を重要な要素として描くことはアニメにしかできないことなのかもしれません。、、、、、というわけで、アニメでこれだけのものが表現できるのか、という驚きはあるのですが、、、、しばし考え、CGを駆使した今どきの実写では表現できない何かがあったのだろうか、と思うと、、、、、、なんか、無さそうな気がするのです。、、、宮崎作品だと雲の流れや、色遣いなどで、こりゃぁ実写じゃ表現できんな、と感嘆する部分がありますが、押井作品はどうなんでしょう。例えば、ゴシック教会の形態をしたあの都市も、「ブレードランナー」のタイロン社の映像と較べて、美しくもなければ、畏怖の念もわかないのですが、、、。というところで、内容ですが、一番期待していたのは、電子化された記憶とゴーストで電脳空間に転移した少佐が、その空間の中でどのように振る舞うのかということでした。、、、、しかし、最後に、ちょこっと出てきただけで、それも全く豊かな想像力を感じさせない登場の仕方。、、、、要するに押井氏は、技術的に大変優れたアニメーターだけど、物語的な想像力と創造性はあんましないってことではないでしょうか。一番重たい問題である、ゴーストって何なのかということを、一生懸命考え、見る人にも考えてもらおうとするのではなく、底の浅い引用なんか羅列しちゃって、、、、。押井氏は、自己顕示欲が強いわりに、どこか自分に自信がもてず、強いコンプレックスを抱えているみたいな感じがします。へんな自尊心を捨てれば、もっと素晴らしい作品を作れる力量があるのに。もったいない。
4点(2004-12-19 21:00:06)(良:2票)
010.53%
121.06%
284.26%
3157.98%
4168.51%
5189.57%
6105.32%
72010.64%
83317.55%
92915.43%
103619.15%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS