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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1681.  理由(1995) 《ネタバレ》 
結論だけを整理しちゃうと、死刑廃止運動への皮肉であり、知的黒人への町の反感をそのまま受け入れてしまう展開になり、暴力警察のほうがリベラル弁護士より正しかった、いう皮肉になる。つまり「反リベラルの映画」と決めつけてもいいんだけど、この後味の悪いざらついた感覚には、それなりに世の真実も感じられる。本当なら、この町の疎外が彼を変質者にしていった可能性・南部の町そのものが少女をいけにえに必要とした可能性、までを描かなくちゃならないはずなんだけど、ただ放り出すように提示しているので、そのざらつきがこっちに迫ってくる。つまり整理できない現実、「そうであってくれない」現実というものが確固としてこの世には存在してる、ってことで理想を見たい観客を脅かす。黒人嫌いの黒人警官っていうのは、それだけで一本の作品のモチーフになれそう。エド・ハリスの連続殺人犯は、本物らしかった。
[映画館(字幕)] 6点(2010-03-24 11:58:27)
1682.  レッド・ブロンクス 《ネタバレ》 
ホバークラフトとバスの間に挟まれそうになって、すべってもぐって、乗用車の寸前に落ちる。いつのころからか車がぶつかるのが「アクション映画」になってしまったが、その車と車の間を生ま身の人間がピョンピョンするってのが本当の「アクション映画」だ。キートンにしろロイドにしろ、昔っから画面の中央には人間が動いていなけりゃならなかった。ジャッキー・チェンが正しい。前半は町のチンピラのレベル、後半になってより大きな犯罪組織が相手になっていく、っていうレベルの上昇も正しい。映画の中で缶詰が積んであると、それは必ず崩されなければならないってことも正しい。
[映画館(字幕)] 6点(2010-03-19 11:53:30)(良:1票)
1683.  800 TWO LAP RUNNERS
スポーツと青春。登場するのはモーツァルト型とサリエリ型。この「悩まない」モーツァルトのほうの青春が生き生きしていてよろしい。サリエリが「あいつ尊敬してんだ、何にも考えないで本能だけで生きてるだろ」と、海岸で妹と遊んでいるモーツァルトを遠くに見ながら言う。サリエリを捉えるときに、ロングでゆっくりとしたクレーン移動が好んで使われ、とりわけグランドで脚の悪い少女との場は美しい。ハードル女史と屋上での待ち合わせ、背後に巨大な飛行船のようにゆっくりと国立競技場が浮遊してくる移動もいい。スポーツ選手にはスポーツ選手としての固まった人生コースがあり、その中で走らされているという窮屈感があるのだ。そのコースから外に出ることの恐怖は、ときに死を招いたりもするぐらいなんだな。スポーツものにしては珍しく曇天を選んで撮っている。たまたまかも知れないが、意図したのなら立派な選択。走ると空が大きくなる、と言っていたが、それが晴れ渡った空とは限らないわけだ。ラストは実際にワンカットで800を走らせていた。たしか市川監督の『東京オリンピック』でも、800をワンカットで撮っていたと記憶しているが、違ったかな。
[映画館(邦画)] 6点(2010-03-17 12:02:21)
1684.  トイレの花子さん(1995) 《ネタバレ》 
子どもらは緊張している。いじめもあるし、変質者もいる。いじめも、「だってこれは多数決よ」なんてあたりに現代の特徴があろう。じわじわくる。そういう緊張の凝り固まったものとしての恐怖の幽霊、ではなく、変質者から守る守護霊になっていくところが、古い伝統を残していてちょっと嬉しい。階段の踊り場という中途半端な場所の鏡が繰り返される。この中途半端さも利いているのだろう。理科室は定番、骸骨の標本を出さなかったのは偉い。そういえばこの映画には母的なものが不在だったな、しいてあげればケーキ屋のおばさん、あとは保健室の先生の土屋久美子だが、母的にしては色っぽい。そこらへんも、現在の子どもの緊張と関係があるのかも知れない。昔は学校に守衛さんてのがいたが、おらなくなったのか。
[映画館(邦画)] 6点(2010-03-15 09:07:13)
1685.  プリシラ(1994)
女装愛好者って、女装すること自体よりもそれに対する周囲の反応のほうに生きがいを持っているのではないか。そういう形で社会と関係を持っている人たち。だから都会の他人たちの中で、無礼な視線を浴びているときに一番生き生きとしているはず。そういう彼らを砂漠の中に持っていったところに本作の趣向がある、と思ったんだけどちょっと違うかな。見るのは互いだけ。たしかにハレバレとはするけれども、これが女装者にとっての解放とは思えない。異端たらんとしても異端になれない。異端ではなくもともと正統だったのに異端に追いやられたアボリジニと交歓する、ただこの対照はちょっと安易に感じられた。やはり最後は「家族」になるのか。ゲイってのは、家族の否定に立つものだと思ってたのだが。テレンス・スタンプはちゃんと踊っていない。
[映画館(字幕)] 6点(2010-03-12 11:55:59)
1686.  新宿インシデント 《ネタバレ》 
終始憂い顔のジャッキー・チェン。コミックアクションスターからの転身をはかっていて、ここは今までの作品歴をすっかり忘れ、知らない俳優として見てやるのが礼儀だろう。日本でも喜劇役者がある時期から地味な辛抱役に変わることは多く、ましてアクションは加齢にくる。チェンジが必要だったのだな。それにしても回想の初恋シーンをそのままで演じられるのだからすごい(55歳。ブルース・ウィリスより年上!)。映画としては、最初のほうの不法入国者の目から見た東京が、けっこう新鮮だった。街は宝の山に見え、かえって平凡な住宅地の風景が刺々しく見えてくる。ゴミにたかる烏さえ不法入国者の目を通すと、「虚飾の繁栄」とでもいったタイトルが付いて見えてくる。ただ後半、やくざ組織の話になると、そういう面白さはおおむね消えてしまった。気の小さい仲間、阿傑の甘栗屋からの展開が、脇筋として支えている。90年代アタマの新宿が舞台ってことなら、ちょうど大沢在昌の小説「新宿鮫 毒猿」と重なるころ。あの夜の新宿御苑の争闘を香港映画で観てみたいと思うが、ケツの穴の小さい当局は撮影を許可しないかも知れない。大久保駅(それもセット?)が限度か。
[DVD(字幕)] 6点(2010-03-11 11:59:40)(良:1票)
1687.  インスタント沼 《ネタバレ》 
流行を追う雑誌の世界がまずあり、それから一時は最先端だったものが古物になりかけているツタンカーメンの占いマシンがあり、さらに後ろに骨董・折れ釘が控えていて、その背後には蔵・何者かを潜ませている沼、そして河童の世界につながっている。そんな世界観。雑誌の世界を追われたヒロインの、最後の世界までのオデュッセイ、ってなところか。「本当の父親探し」なんてのもほとんど骨董の世界の物語だ。そういった古いものとインスタントなものの対比、というか混交。ラストは、「インスタントの中からでも空駈けるものは出てくる」と肯定的に見るのか、「現代では空駈けるものもインスタント」とショボンと見るのか、どっちにも取れる。冒頭のシークエンスなんかすごく凝っていて、手間暇かかってる。“どうだ、ささいなクスクス笑いのために、これだけ手間かけてるんだぞ”といった自慢げな意気込みが感じられる。ほかにもけっこう手間かけてるなあ、と思うシーンがあったんだけど、ほら、もう思い出せない。瞬発的には感心するんだけど、けっきょくクスクス笑いの元なので、さして記憶に残らない。そこらへん、なにか映画としてもインスタント感が漂ってしまった、意図したものなのかどうかは知らないけど。
[DVD(邦画)] 6点(2010-03-08 11:58:28)
1688.  キャスパー 《ネタバレ》 
『アダムス・ファミリー』で目をつけといたクリスティーナ・リッチが、ここらですっかり娘さんになった。ただしまだ“怪奇”を引きずっていた。画面の合成にはもう驚かなくなったが、視線がピタリと合っているのが丁寧。あちらの幽霊もゾンビ的なただおぞましいものから、東洋的な哀愁を帯びたものへと広がっている。思い残し、ってのが幽霊のポイント。キャスパーが一晩だけ生ま身となるところではホロッとした、あのノッペリツルツルした感じをうまく使えば、新しい気味悪さを開拓できる気がする。屋敷を見たキャットは「スティーヴン・キング」と呟いたが、字幕では「ホラー映画みたい」となっていた。親子で指切りをするシーンがあったけど、あれって世界共通なの?
[映画館(字幕)] 6点(2010-03-06 11:54:18)
1689.  日本侠客伝
仁侠映画のハシリだが、もう型が出来かけている。ラストが仇役の家でなく作業場ってのがやや踏み外しているほかは、石松的馬鹿役の長門裕之がチョロチョロしたり、大木実と品川隆二の友情が敵味方になるってのは『昭和残侠伝』の原型のようであり、分かりながらも泣きこらえつつ錦之助を送り出す三田佳子とか、すでに安定した型を成している。悪役は「近代」であり政治家や軍に近く、善玉は滅びることを意識している。自分たちをも邪魔ものと認識して、そこにラストの悲壮味が倍加する。『次郎長三国志』ではワッショイワッショイと担ぐ次郎長という元気な親分がいたが、これからの仁侠映画になるとそこが空になる。そこにニヒリズムというかペシミズムが生じる。「最後の親分」は途中で病死するか、悪役に卑怯な形で殺されるかするのだ。しかし何だな、これらの運送業者たちはやがて企業に吸収されていくのは目に見えており、仁侠映画の底にあるのは、近代で切り捨てられたものに対する共感なんだな、あるいはその怨霊鎮めというか。
[映画館(邦画)] 6点(2010-03-03 12:07:30)
1690.  レイチェルの結婚 《ネタバレ》 
ヒロインの「傷つき自慢」の描写はけっこうリアル。こういうのいる、って。結婚式のスピーチで、得々と自分の傷を語り出す。宴席がシラーッとしても気がつかない、というか意に介さない。自分の悲劇を強めるためには、平気で過去をより悲惨に捏造していく。そういう彼女を腫れものに触るように遇する父、うんざりしている姉、と配置は揃っている。が、ドラマはあんまり動かず、深まりもしない。現実味を出そうとしたらしいカメラワークも後半はダレ気味で、90分以内に収めるべき内容の作品だろう。美容院の場で、周囲に聞こえるように話すだろうか、という疑問が生じるなど(アメリカでは自然なのかなあ)、せっかくのドキュメント風のカメラを内容が裏切っていく。姉の結婚相手が黒人に設定されていたことの積極的な意味が分かりづらかった。アメリカは多民族国家の軋轢を克服したが、しかし家族の軋轢は永遠です、ってことを言いたいのか。もう人種問題にいちいち意味を持たせる必要がないほど、アメリカの他民族は融和している、とも思えないし。
[DVD(字幕)] 6点(2010-03-02 11:57:30)(良:1票)
1691.  バットマン・フォーエヴァー
一作ごとに悪役の魅力が減じていた。あるいはゴッサムの市民の恐れおののいている気配が薄れてきてしまっている、ということ。躁病的な悪漢という一線は守っているが。ジム・キャリーに凶々しさを見る目のつけどころは悪くなかったが、「狂った馬鹿」の怖さには至っていない。トミー・リー・ジョーンズは、善悪二面、コインの裏表いうキャラクターがあまり生きていない。全体この作品で敵に必要なのは「悪」よりも「狂気」の魅力なので。正義の味方ってのは、見知らぬ他人のために働くわけで、だからマスクをして個性を隠し抽象的な存在にならなければならないのか。そして抽象的な賞賛を受け、本人は孤独ってところに、かっこよさがあるのかも知れない。でもスーパーマンは素顔だったなあ、素顔なのに気づかれないことになっていたなあ。眼鏡掛けただけでクラーク・ケントになってた、ってのも考えればすごい。
[映画館(字幕)] 6点(2010-03-01 11:58:52)
1692.  大阪ハムレット 《ネタバレ》 
自分に与えられた輪郭に収まりきらない人たちのドラマ。大学生に見える中学生、女の子になりたい男の子、うじうじ悩むのが苦手なトサカ頭のハムレット、彼らのそれぞれの「戦い」の物語、ってことになるのか。彼らの芯になるのが、松坂・岸部の『死の棘』コンビで、あれとは全く違ったキャラクターながら、「どっしり」と「ヒョウヒョウ」を楽しそうに演じている。ただそれらの「戦い」のラストが、どうにも冴えなく、かなりガックリくる。学芸会の場の観衆の反応など言葉で説明しているだけで、たしかに言葉で言ってもらわなければこっちには伝わってこない演出で、「感動のシーン」だったんだな、ということを理屈で納得するだけ。町の描きかたなど高低差を生かしてかなり良かっただけに惜しい。遠くの橋の上、歩道橋、駅の階段、あるいは崖下の老夫婦との会話。しばしば人が高低差を越えて会話をしたり、移動したりするとき、画面が活気づく。川の堤防の上を走りながら、大阪弁のハムレットを語っていく。ただ言葉が変わるだけでなく、ハムレットの性格も大阪人になっているのだ。
[DVD(邦画)] 6点(2010-02-24 12:01:29)
1693.  次郎長三国志 第九部 荒神山 《ネタバレ》 
前作からのつながりで、山に籠もってる、いう設定。土屋嘉男の農民が恨みから変わっていく展開がポイント。良いやくざとしての次郎長と悪いやくざとしての新辰、というはっきりとした図式が後の仁侠映画の定型をほうふつとさせる。それはまた何やら芝居がかってくるということでもあり、このシリーズ前半のアナーキーな味わいからは遠くに来てしまった。この映画、後半になると「荒神山完結篇」へ向けた布石がもっぱらになる。私はこれフィルムセンターで観たんだけど、「完結篇」の予告編ってのが付いていて、「撮影快調」だそうで、次郎長一家が樽みこしを担いでワッショイワッショイやっていたのが微笑ましかった。全体を通してでは、前半の、サークル的と言うか、気のあったもの同士がじゃれ合っていたあの感じが、このシリーズの良さだったのじゃないかと思える。やくざとしての一家の構えがはっきりしてしまうと、もう損得を考えない「馬鹿」で押していくのには無理があり、どうも気分がうまくノレない。後の仁侠映画のような「日蔭もん」という陰気なポーズをとって、衰滅なり崩壊なりを前提としたドラマを仕切り直さないとならない気がする。日本文化における「やくざ」というのは、実に微妙な位置取りにあるんだな。
[映画館(邦画)] 6点(2010-02-20 11:57:36)
1694.  次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港
豚松(加東大介)とカタギとの関係が今回のポイント。豚松(個人)は次郎長の子分(集団)に入りたいが許されない。立派な魚獲りとヤクザもんという身分の高低のタテマエがあり、しかし個人の集団への憧れが逆方向にある。このカッコつけは仁侠映画でも常にあるもので、彼らの屈折した美意識かも知れない。豚松の対極にいるのが三五郎で、はっきりと所属しない一匹狼的傾向、ここに「ニヒル」が生まれる。さらに「裏切り」ってことがポイントになってくるんだけど、これがこれまでワッショイワッショイやる陽気な連中からは排除されていたものだった。でもこのシリーズではあくまでワッショイ派が主で一匹狼派は従。ラストで初めて本格的なチャンチャンバラバラが訪れる。人情的味わいとしては、やや劣る一篇か。
[映画館(邦画)] 6点(2010-02-15 12:07:01)
1695.  紀子の食卓 《ネタバレ》 
『自殺サークル』を観てないせいか、集団自殺とレンタル家族の、テーマとしてのつながり具合がよく分からず、判断留保の部分が多くなってしまうのだけど、レンタル家族のテーマに限れば、ラストの実家のセットを組んでいくあたりへ向けての緊張は楽しめた。未知の他人の家族を演じることで得た解放感と喪失感、解放したつもりで引きずっていたもの、喪失したつもりでまだ残っていたもの、などなどが、ゴチャゴチャと未整理のまま提示され堆積していく手応え。ただあくまで「提示」であって、結論はない。もちろん結論などなくていいのだが、結論に少しでも接近しようとする試行錯誤があったのかどうか、そこがちょっと疑わしく、既製の「結論」的なものをパッチワークしただけじゃないか、という気分も残る。徹底したモノローグ進行という手法も面白く、弁士つきサイレント映画のような世界、いや弁士は第三者として存在しているわけで、これは本人が脇で説明しているホームビデオって感じか。「お父さんは寂しい」という新聞のスクープがおかしい。
[DVD(邦画)] 6点(2010-02-10 12:06:00)
1696.  ポカホンタス 《ネタバレ》 
実写映画がSFXの進化によってどんどんアニメ化していたころ、アニメはどう迎え撃つのかってのが課題だったんだけど、どんどん実写化の方向に行ってて(もともとディズニーアニメは実際の俳優に動かせて型にしたそうだし)、なんか負けてるな、という印象だった。アニメでなければ表現できない動作なり表情なりを生み出せず、しかも本作なんか、欧米化した表情で先住民が動く。言葉が「素直な心になると通じ合う」ってのも象徴として分からなくはないんだけど、やっぱ安易な印象のほうが強い。野蛮人野蛮人と互いにののしり合っていた二組・二文明が、愛の力で和解するの。植民地主義に対する疑問は当然前面には押し出されない。アニメとしての冒険は皆無だったが、滝の前で二人が出会う静けさなんかは印象的だった。
[映画館(字幕)] 6点(2010-02-09 11:59:38)
1697.  リスボン物語
この監督は、どうも映画の中で「批評」してしまう。この人がしなければならないのは、手回しカメラで一本撮ることなのであって、そういう人物について語ることではないのではないか。自意識過剰の映画。すぐれた映画ってのは、自分が映画だということを忘れ去って生まれてくるものだろう。音を拾う場、街の音が次々に鮮明に立ち現われてくるあたりが面白かった。蚊とは、姿が見えず音だけでいらいらさせる存在だ。サイレントでは捉えられなかったものたち。そして音楽の豊かさ。人の声。これはロードムービーとは違うね。冒頭の各言語を突っ切ってリスボンの青空に至るところまではロードムービーと呼べるかも知れないが、あとは「人待ちムービー」、旅しているものを待つ映画だ。
[映画館(字幕)] 6点(2010-02-08 12:03:44)
1698.  チェイサー (2008) 《ネタバレ》 
前半は夜のドラマ、夜の街よりも夜の住宅地のほうが怖いのだった。街はとりあえず公共の顔をして門を開いているが、住宅地にあるのは閉じたドアと壁、中には家族の笑顔もあるだろうが、おぞましい世界も潜んでいる。そのおぞましいものがときおり路地に抜け出し、追跡が始まる。閉じた家から開いた都市へつなげている路地が、迷路のように延びている。追うのが走るのに似合わない太り気味の中年男、ってところに迫力があり、それがこの映画のすべて。配下のちらし配り男(リアリティあり)も走る。主人公は女を危地に至らしめた贖罪で執念を燃やすのだが、さらに子どもに母親を取戻すという要件も加わる。それで説得力は膨らんだかも知れないが、ドラマの輪郭はやや緩くなってしまったような。この手の犯人の気味悪さもちょっと型が出来つつあって、新鮮味を出すのが難しくなってきている(という社会も困ったものですが)。警察の対応が無能すぎないか。
[DVD(字幕)] 6点(2010-02-06 12:01:45)(良:1票)
1699.  ガキ帝国 《ネタバレ》 
ワルの階層というのがよく出ている。また、こういうふうにワルくなっていくんだなあ、というところも納得いく。ヒョイと死んでしまうとこなんかリアリティ。朝鮮人の友だちの改造拳銃や、リフトで車に突っ込んだところなど。「俺、歌手になりたかった」なんてのは、いらぬ技巧でしたな。つくりには粗いとこもあるけど、この三人組の仲間仲間してる感じがいい。とくに三人目のが「しっかりしてる」んだな。いろいろ寄り道しているようでいて、自分をしっかり捉えている。だからといってクールなのではなく、友の死ではホットになれる。実に好青年であった。言葉の凄味にも期待したんだけど、それほどでもなかった。
[映画館(邦画)] 6点(2010-02-04 12:02:37)
1700.  フィッシュストーリー 《ネタバレ》 
ポイントがラストに詰まっているので、途中ずっと楽しめるわけではない。ラストの全員がつながっていく場はたしかに楽しいが、それで十分借りを返してもらったかというと、微妙なところ。でもこれらの登場人物たちが、みなちゃんと「立ち向かった人たち」の系譜にもなっていて、それが終末願望の人との対比になってるのが、いたって健全だった。終末願望者のセリフ「あきらめちゃダメだ、世界の終わりは必ずやってくる」って、現代人にはけっこう身近にある気分で、そもそもこういう「正義の味方」のホラ話を求める気持ちがあるってところに、自分のやってることに無力感を持ちがちな現代のつらさがうかがえる。社会が複雑になりすぎていることによる埋没感、あとは未来に価値が出るかもしれないという希望しかないわけだ。うっかりすると無差別大量殺人で存在感を確認したくなったりする者も出てくるわけで。そのなかで嫌みなく「立ち向かう人たち」を描いたところに意味がある。車でカセットの無音部分を聴くところ、あそこはワンカットで長回しで緊張させたいな、だってあとの録音一発どりのところはけっこう長く回してたじゃない、あそこで出来るんならこっちでも出来たろうに。
[DVD(邦画)] 6点(2010-02-03 12:05:01)
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