161. ホワイト・オランダー
「シャイン」の天才ピアニストの父親は息子を自分の所有物のような感覚で愛してしまい、息子は壊れてしまった。この映画の母親の娘に対する愛情は利己的なのかもしれないが、たぶん私は最初から最後までこの母親の応援をしていたと思う。 それは彼女が冷酷非常に見えても、やはり娘を想って、苦しみ悩んでいる姿が垣間見られたから。 彼女が強ければ強いほど、それが際立ってよく見えたような気がする。 娘役の少女の姿がコロコロ変わるのが印象的だったが、それは彼女のこころが激しく揺れ動いている様子を表現しているようで分かりやすかった。 9点(2003-12-28 22:39:25) |
162. 戦場のピアニスト
主人公が泣いたり、わめいたり、キレたりせずに、淡々とこの状況を乗り切っていくところがリアリティがあった。 極限状態の人間は、無感情になるのだと思う。 涙が出るうちはまだ人間は絶望していない、人間が本当に絶望したら涙も出なくなり無気力・無感情になる。 ドイツはこれからもアカデミー賞にネタを提供し続けるだろう。(シンドラーのリスト、ライフ・イズ・ビューティフルなどもこの悲劇を映画化して受賞している) ナチスの行った行為は、永遠の人間ドラマとして語り継がれるはずだと思う。 9点(2003-12-14 00:11:31) |
163. あの子を探して
チャン・イーモウ監督が外国で絶賛された映画。もともとこの監督の作品は外国の評価は高いのだが、中国での評価は低い。その理由は中国の貧しさを食い物にしているという批判があるからだと思う。 中国という国は汚いものを隠そうとするところがある。それを自国の恥だと考えるからである。 中国政府の「検閲」と戦いながら、これからも本当の暖かい中国を見せてくれることをこの監督に期待します。 [映画館(字幕)] 9点(2003-11-27 14:12:08) |
164. 秋菊の物語
まずこの映画をみて人目で驚くことは、村と都市の豊かさの違いでしょう。都市の豊かさがいっそう春菊の村の貧しさを際立たせているところが見事でした。 そしてそれが中国の中央集権社会の弊害を如実に物語っています。 あまりはっきり言葉に出して言うと、中国政府に干渉されるから、チャンイーモウの作品は、「映像で観客に語りかける技術」をいつも用いています。 この監督はときどき、中国の汚い部分を外国人に見世物にしていると悪口言われます。しかし中国を一番理解しているのはこの中国人監督だと思う。 9点(2003-11-27 14:03:42) |
165. グッドナイト・ムーン
主人公はスーザンだろう。 彼女は、夫を若い女に奪い取られ、挙句の果てに不治の病に罹ってしまう役だ。 彼女の最後の心の支えは子供である。 とくに印象的なのは、子供に自分の病気を伝える場面だ。 娘は泣き叫ぶが、母親のスーザンは、娘を必死で説得する、 これぞ親だ。「泣かなければいけないのは、死が迫る母親だろ!」と思ったよ。 自分の死の恐怖よりも、子供を想う気持ちがあふれ出ている場面である。 普通なら!こういう状態になれば、絶望して自殺するかもしれないよ。 人間というのは、親になれば、強くなれるものだよな・・・ スーザン・サラドンに9点を献上しよう。 9点(2003-11-11 13:39:51) |
166. シェルブールの雨傘
セリフが全部歌になっているのだけど違和感がなく観られる。 内容があるとはとても言えないけど、始まり方がすっごくお洒落なんです。 こういう映画をいっぱい観て感性を磨いていきたいですね。これぞフランス映画の真髄! CGなんて使わなくても~ワイヤーなんて使わな~くても~・・これだけ~面白い~♪♪ 9点(2003-11-11 13:06:16)(笑:1票) |
167. カリートの道
《ネタバレ》 悔しい。カリートは助からないと思ってはいたが、もしかして・・という希望があったし、あともう少しだったのに!! まったく監督の思うままの観客になって観てしまったのだが、あの悪徳弁護士が、アイ・アム・サムの主人公と同一人物には見えないところが驚いた。 9点(2003-10-25 23:01:01) |
168. トレーニング デイ
危ない街を見させてもらった。 それとラップ好きには最高の映画だろう。 ラップの大御所スヌープ・ドックが麻薬売人として登場し、デンゼルに口の中にペンをかき回されてゲロを吐くシーンもあるし、泣く子も黙るラップの天才プロデューサーのドクタードレーも悪役警官で登場している。 そして主題歌は、ラップ界に殴り込みをかけてきたネリーが歌っている。 それとなんと、メイシー・グレイまで特別主演しているぞ。彼女が歌手としては一番演技がうまかった。 9点(2003-10-16 17:18:34) |
169. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 「お盆」とは、ある母親が餓鬼道に落ちて苦しんでいたのを何とか救うために「七月十五日に亡き先祖や父母たちのために供養するように」と釈迦に教えられたことが由来しているそうです。ではなぜこの母親は餓鬼地獄に落ちたのか?その母親は我が子を愛していたから地獄に落ちたのです。母は我が子を愛し、我が子だけは幸せになって欲しいと願う。しかしそのために犠牲になる者もいるはずです。愛とは誰かの犠牲によって成り立つものだから。みんなを均等に愛せるわけなどない。誰かを見捨てて誰かを助ける。それが愛だと思う。監督はそういう事実を我々に見せつけ、愛することも罪の1つだと言いたいのでしょう。セルマが馬鹿にみえて自分勝手なのは彼女が真の母親だからです。真の母親は我が子を心から愛する罪人であり、地獄に落ちるしかない。このメッセージこそ監督の性格の悪さを一番表している。この監督は終始一貫して私たちが正義だと思っていることの中にも罪があるのですよ、ということを映画するのがうまい。 [映画館(字幕)] 9点(2003-10-15 23:01:53)(良:1票) |
170. チョコレート(2001)
子供役は救いようが無い。ハルベリーはあいかわらず、毅然とした表情を携えながら、時に情けないほど惨めな表情を見せたりするところが、つい応援したくなるところであり、彼女がこの映画で大きなものを掴んだことにかんしては素直に嬉しいと思う。 9点(2003-10-15 21:23:15) |
171. 魔女の宅急便(1989)
この映画の世界観が好き。ヨーロッパ風の幻想的な古い町並みを見ているだけで楽しい。 飛んでいるキキの視線から街を見下ろすアングルもOK! 音楽もラピュタに次いで良いのではないだろうか 9点(2003-10-15 15:04:44) |
172. パルプ・フィクション
音楽がいい。トラボルタのシーンがよく分からなかったけど、そんなことはどうでも良いのかもしれない。 タランティーノで面白い作品はこれ1つだけだと思う。 9点(2003-10-15 14:23:37) |
173. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
映画素人だったマット・デイモンが脚本を自ら持ち込んだという映画だが、彼はこの映画の主人公同様、ハーバード大学の超天才だし、そのうち監督としても徐々に才能を魅せ付けて行くだろう 9点(2003-10-15 13:45:32) |
174. プリティ・ウーマン
最高の映画だ。こういう映画に求めるものは、夢と幸福のみだ。人間は時には理想を想像し、イメージできなければいけないと思う。 9点(2003-10-15 05:05:04)(良:1票) |
175. プラトーン
戦争映画というよりは反戦映画。さまざまな人間を見させてくれる教科書のような映画 9点(2003-10-15 05:01:35) |
176. プライベート・ライアン
ノルマンディー上陸の場面でいきなり度肝を抜かされた。見てよかったよ 9点(2003-10-15 04:52:16) |
177. フォレスト・ガンプ/一期一会
彼女の人生が好きだ。彼女の太くて短い人生がなによりも印象に残った。フォレストが彼女を好きになったが、彼女はそれによって救われたのだと思う。人生なんてあっという間に終わるものだけど、死に際だけは後悔せずに死にたいな 9点(2003-10-15 04:50:16) |
178. フィールド・オブ・ドリームス
シューレスジョーか!それにしても大リーグ好きにはたまらない映画です、私のような。 9点(2003-10-15 04:40:38) |
179. 秘密の花園(1993)
ここに出てくる父親の心理状態がよく分かる。 愛しているからこそ会いたくないという気持ちのことです。 自分にとって好きな何かが苦境に陥っている時に必ず目をそむけるしかできない人間はいる。そういう人間は愛する人が瀕死の状態だとか病気で苦しんでいるようなときもやはり逃げ出したくなってくる。死にかけの愛する人間の手を握ることなど到底出来ない。 弱い人間であることは間違いない。しかしそれでも私はこの父親の弱さに共感を覚える。 誰かを好きになったり愛するということは楽しさや嬉しさを共有しあう面と、苦しみや悲しみを共有しあう面があります。 人を愛すると楽しみと苦しみは10倍になるとよく言われるますがむしろ苦しみや不安のほうが断然多いと感じる。愛する人の病気や「死」によって気が狂ってしまう人もいるくらいです。それだったら人を好きにならないほうがいいとさえ思う。 だけど人間にとって一番大切な感情は「非」の感情なのです。 私は何度も自分の弱さの前に屈するでしょうがいつかは死のうとしている愛する人の手を握っていられる非の感情を持てる人間でありたいのです。 [映画館(字幕)] 9点(2003-10-15 04:22:55) |
180. ストレイト・ストーリー
これほど、スローな映画を、退屈させない監督の手腕をほめたい。老人ばかりの映画だから動作が、どうしても遅くなるのだろうが、最初は慣れるまでイライラしていた。 この映画は心に余裕がない人は、観られないだろうね。 9点(2003-10-15 03:28:47) |