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田吾作さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 270
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 歳をとるごとに趣味と呼べるものがだんだん少なくなり、今では多忙ななか映画を鑑賞することがひとときの楽しみとなっています。
無数の作品の中から良作を探し出すツールとして、本サイトのお世話になっています。

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161.  天空の城ラピュタ
正直、本サイトでの高評価ほどには感じるところがなかったのは、私に心がすでに老いているからなのかも知れない。確かに夢あり冒険ありロマンスありユーモアありメッセージありの素晴らしいアニメ映画であり、そのオリジナリティーあふれる世界観は秀逸である。しかし自分には「新鮮」に感じなかったのはこれまで多くの作品を観たからか。公開当時観ておかなかったことを悔やむ気持ちもある。ただひとついえることは、この作品にとって幸運だったのが、素晴らしい印象的なテーマ音楽を与えられたことだ。およそ(特に近年の)映画における音楽の比重というのは決して小さくないことの証左のひとつであろう。私は先にこの音楽を知っていたこともあり、必ずしもその原風景がこの作品とシンクロしていなかった。これはこの作品を知るにあたりひとつの不幸なことだったと今感じている。
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-03-25 20:17:51)
162.  硫黄島からの手紙 《ネタバレ》 
硫黄島2部作の2作目という位置づけのため、1作目である「父親たちの星条旗」を先に見ておいた方が良い。「父親たち~」では、いつものアメリカ映画に登場する(不気味な)ステレオタイプの日本兵しか出てこないが、本作は、その日本兵側に視点を移し、その独特の思想にもとづく心理背景が冷静に活写されている。この恐らくは映画史上初めてといってよいアプローチに対し、特にアメリカ映画界で高い評価を得ていることに加え、現代においてこの作品自体に大きな意味があることは確かだ。しかし、惜しむらくは硫黄島での過酷な状況をもっとリアルに描いて欲しかった。トンネル内でうまそうに飯を喰っていたり、全体的に妙に涼しげだったり、「臭い」「暑い」「水が少ない」といった硫黄島での苦しみに加え、味方こそが最大の敵だった、という人間同士の葛藤がもう一歩伝わってこない。自分自身が戦争映画を数多く観てきて残酷描写に慣れてきたせいもあるが、期待したほどの感傷を得ることはできなかった。しかし、現代日本を我がもの顔で闊歩して歩く10代20代の若者こそ観るべき作品。
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-13 17:06:43)
163.  スーパーマン リターンズ 《ネタバレ》 
あのジョン・ウィリアムズの有名なメインタイトルに、奥から手前に流れるオープニング・タイトル。あれだけで「あ~彼が帰ってきた!!」と背筋がゾクゾクする。あのリチャード・ドナーの第1作目からもう30年近い年月が経ったなんて・・・。本作はその前シリーズ(ⅠとⅡ)へのリスペクトから製作されており、前作のファンにも安心して観ていられる内容となっている上、CG全盛の現在らしく、特殊効果は数段磨きがかかっている。ガトリング・ガンをも跳ね返し、時には音もなく優雅に、時には文字通り“弾よりも速く”飛行する、その上誰よりも善良な「彼」は我ら凡人にとって夢のヒーローだ。不謹慎の誹りを恐れずに言えば、序盤の旅客機救出のシーンを観ながら、もし現実に彼がいたら「9.11」の悲劇は回避できたのに・・そんな夢をみている自分がいた。あえて苦言を呈せばレックス・ルーサーの悪だくみが現実離れしすぎているのが気になる、もっと現実的な知恵と心理戦でスーパーマンを悩ませる方が対比的で見応えがあると思うのだが。
[映画館(字幕)] 7点(2006-08-27 11:02:02)(良:1票)
164.  M:i:III 《ネタバレ》 
あまり難しいことを考えずに、2時間余りを気分転換に使いたいなら、本作は悪くない。あの「スパイ大作戦」のテーマにのって、イーサン・ハントのチームがテクノロジーと技能を駆使し、華麗にミッションを遂行していくシークエンスは本作でも健在であり、ドキドキ、ハラハラの連続である。ただ多くのレビューアーがご指摘されているとおり上海での「ラビットフット」強奪ミッションが思いっきり省略されており、なおかつそれが一体何かも分からずじまいであったことが消化不良だった。次回、大統領直々のミッションが示唆されてエンディングとなるが、是非期待したい。 
[映画館(字幕)] 7点(2006-07-15 12:12:26)
165.  男たちの大和 YAMATO
おおむね予想した通りのストーリー展開ではあったが、以外に良かったのが、終始、神尾ら少年兵らの視点に立っているところだ。大局的な戦況説明は省略して、むしろそういった戦況を知らないまま死にゆく一青年にとって、あの戦争は何だったのか、戦艦大和は何だったのかということを観客に問いかけている。死にゆく者と、残される者のいくつかの別れのシーンはお涙頂戴と分かっていても、音楽と演技に泣かされる。反町が演じる森脇がいわゆる「炊事兵」というのも、ある意味リアルで良い。本当に格好いい奴というのは得てしてそういう仕事をしているものだ。現代に生きる青年はこの作品を通して、国の威信をかけて建造した巨大戦艦が、最後は未来ある三千人もの若者の「鉄の棺桶」になったという悲しい歴史を知る。愚かな指導者に率いられてはならないという教訓にするべきであろう。
[映画館(字幕)] 7点(2006-01-11 17:51:11)(良:2票)
166.  死ぬまでにしたい10のこと 《ネタバレ》 
原題と違うキャッチ-な邦題には議論があるところですが、商業的には目を引いて正解なのだろうし、内容を端的に象徴しており、これはこれで良いのでは。私は見終わってから原題を知りました。原題を直訳すると「私のいない私の人生」となり、一瞬「?」となりましたが、エピローグにアンが死んだことが暗示され、アンと関わった人たちが次々に映し出されたことを思い出し、それらの人々が大なり小なりアンの影響を受けていることがわかりました。東洋思想でいうならば「縁」の思想とでもいいましょうか・・・。そして、それらの人々こそ「私のいない私の人生」であり、この作品の主題ではないかと思いました。生きている以上、自分だけの人生はありえないのと同じように、死後も(たとえ僅かでも)自分の影響なしの世界はありえない、アンの場合はこうでしたけど、あなたはどう考えますか?との問いかけである。本レビューの投稿数の多さからいっても、その意図は少なからず成功しているのではないかと思います。もう一つ、死期が近いことをアンが近親者に知らせなかったことに一般的には違和感を覚えるところですが、知らせることによって「したいこと」の半分くらいが出来なくなってしまうのもまた現実なのでしょう。作品としても、カメラワークや音楽など、なかなかの佳作だと思います。私としては刑務所の父が言う「愛する人が望むように生きられなかった」というセリフが悲しく印象に残りました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-16 02:20:41)
167.  アイランド(2005)
マイケル・ベイ自身が言っているとおり、この映画は純然たる「ポップコーン・ムービー」であり、その意味では楽しめる作品だ。ストーリー設定として「クローン人間」が取り上げられているところが現代的であるが、本質的にはアクション映画であるため、このテーマに対する深い掘り下げは当然ないし、なくてよいと思う。ただこの作品の秀逸なところは、この設定がいかにも近未来にありそうなリアルさをもっており、観客を作品世界にひきつけることに成功していることだ。マイケル・ベイお約束のアクションシーンは今回もド迫力であり、期待を裏切らない。デート等で観て、「面白かったよね~」とか、「自分のクローンが訪ねてきたらどーする?」なんて会話をするのにはもってこいの作品である。
[映画館(字幕)] 7点(2005-08-01 00:32:00)(良:1票)
168.  アイ,ロボット
未来に私たちの身の回りはどうなっているのか。常に興味深いテーマであり、これまでも幾度となくスクリーンに登場してきた。本作もそのひとつであるが、CG技術の発達もあり、人々の間で働く人間型ロボットが、違和感なくリアルに映像化されていた。案外、近未来というのはこのように進化した科学技術、つまり小ぎれいな部分と相変わらず薄汚れた街が雑然と同居しているのだろう。もう一度その辺のディティールを中心にみてみたいと思った。さらに、博士の死の謎について、結果が分かってしまった後でも、もう一度始めから紐解いてみたい気にさせてくれる点で、良作であると思う。しかし、「ロボット三原則」がどうして破られたか、については予想通りの「屁理屈」だったので、すこし笑ってしまった。題名を聞いてソニーの「アイボ」を連想したが、科学技術の目指すところが、どうやらヒューマノイドロボットつまり科学的に「人間に近い人間」をつくる事にあると思えるような現代においては、本作が投げかけるテーマはことのほか重い。もっとも、人間が人間を信用できないような時代では、せめて機械でも信じないと生きていけないのかも知れないが。
[映画館(字幕)] 7点(2004-10-07 10:07:34)(良:1票)
169.  バイオハザードII アポカリプス 《ネタバレ》 
いやー、おもしろかった。感染(ゾンビ)の恐怖と格闘アクションに加え、アンブレラ社の陰謀がらみのサスペンスが底流に流れるという、映画のおもしろさてんこ盛りの出来といえば、誉めすぎかな。人間ドラマも少々あったし。(アリスが感染した自分を受け入れる苦悩のプロセス描写が大味だったが)あと、いいところで(わかっていても)音で驚かされた!たぶん、頭が何回か後ろに引いたのではないだろうか!おー、びっくり。サラウンド音の分離が素晴らしく、音響の良い映画館で観ると良い(特にリッカーの場面は秀逸!)。ミラのアクションカットが細切れなのは、なるべくスタントを使わず、高度なアクション(のように)を見せるとすれば、ああいう手法になるのかなと、わりかしポジティブに受け止められた。ジル・バレンタイン!素ばらしいキャスティングとそれに応える演技だった。ゲームの世界観から出てきたようなキャラに大喝采です。特に登場の仕方はカッコよかった。ラストは意外な展開になるところもグッド。私としては今年一番の娯楽作品です。<変更>冷静に考えると、少し誉めすぎでした。ジルに興奮しすぎていたかも・・です。1点下げます。
[映画館(字幕)] 7点(2004-09-19 22:28:03)(良:1票)
170.  トゥモロー・ウォー 《ネタバレ》 
未来に発生した人類存亡をかけた戦いのために、過去(つまり現代の)私たちが徴兵される物語…というアイデアがまず斬新で興味を引く。 さらにその未来の敵の造形や威力が徐々に明かされるプロセスには丁寧に時間をかけており、恐怖が煽られやすい。  その後は、「スターシップトゥルーパーズ」的なバトルがひたすら展開されるわけだが、ここに家族のドラマを入れ込んで、お涙頂戴の展開にしてくるのがハリウッド映画らしいところ。  この手の映画では、普通は主人公が敵をやっつけて、未来から無事帰還してメデタシとなるところだが、本作では、もう一つの後半シークエンスが用意されており、その点ではなかなか見応えはあったと思う。  気分転換にSFアクションが観たいという期待にはしっかり応えるクォリティーはあったし、個人的には序盤で24-TWENTY-FOURのクロエ役の女優を見られたのは嬉しかった。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-08-19 10:00:01)
171.  ワイルド・スピード/ジェットブレイク 《ネタバレ》 
毎回、カーアクションの新しい地平を切り開いてきた本シリーズだが、そのスタンスは本作でも健在で、超強力なマグネット・カーアクションでは、CGを多用しなければ再現不可能なアクションをリアルに見せているし、挙句の果てに潜水服で乗り込んだ車で大気圏外まで行ってしまうに至っては「新し」すぎて、もはや他の追従を許さないジャンルになっている(いい意味で)。邦題も「ロケットブレイク」の方が合っているかもしれない。  また、ミッションインポッシブルばりに世界各地を舞台に、悪の壮大な企みから世界を救おうとするドミニクファミリーが、もはや何者なのかは、もう考えるのを止めた方がいいかもしれない(いい意味で)。  とはいえ、本作のDNAであるゼロヨンレースをはじめ、「車」そして「家族」というテーマも一貫しており、ワイルドスピードらしい楽しい作品になっている。  さらに、話題になっていたハンの再登場や「TOKYO DRIFT」のルーカス・ブラックの登場は、シリーズを観てきた人には嬉しい顔合わせだった。  いずれにせよ、文字通りポップコーン・ムービーとして、頭を空っぽにして映画を楽しみたい、という人には、期待どおりしっかり応えてくれる作品。
[映画館(字幕)] 6点(2021-08-17 15:04:03)
172.  グリーンランド -地球最後の2日間- 《ネタバレ》 
いわゆる「終末もの」はジャンルとして好きなのだが、これまで数多くの作品が作られてきたためか、テーマもアイデアも出尽くされた感がある。 本作も特に目新しいストーリーではないし、系統としては「ディープインパクト」や「2012」に近く、作品としての完成度もそれらの方が高いかもしれない。  強いて言えば、いつも強い男を演じるジェラルド・バトラーだが、本作では家庭に問題を抱えるごく普通の父親(建築士)を演じているところが見どころといえるだろう。  国の機関から、シェルターへの受け入れ対象者が人選される際、携帯やテレビに自動音声で突然通知が入ってくるところなどは、デジタル社会となった現代らしい設定だと思った。  本作では、この「選ばれし人々」と「そうでない人々」との葛藤を中心に、家族を守るために最後まで諦めない主人公家族をめぐり、一見善人に見えた人が豹変したり、その逆のケースに出会ったりと、非常時にはその人間性が(善くも悪くも)顕わになるところがテーマとして描かれている。  地球滅亡の危機に発生するであろうこうした差別や混乱は、現在のコロナ禍など比較にならないだろう。 本作に登場する人々は、すべて普通の人である。だからこそ「あなたならその時どうしますか?」と問いかけられているような気がした。  本筋以外では「ライト・スタッフ」などで馴染みのスコット・グレンが久しぶりにスクリーンに登場するところも見どころの一つ。  既に垢のついたジャンルであり、過去作の焼き直しかもしれないが、「終末もの」が好きな人は見て損はないといえる作品だった。
[映画館(字幕)] 6点(2021-06-23 14:44:41)
173.  ライトスタッフ 《ネタバレ》 
高評価が気になり、40年近い前に製作された本作を初めて鑑賞。  舞台は米ソ宇宙開発競争のまっただ中、アメリカ初の有人宇宙飛行計画(マーキュリー計画)に参加したテストパイロット達の挑戦を描くドラマ。  この人類未到の計画に白羽の矢が立ったのは、当時、高速飛行の壁に挑戦し続けていた命知らずのテストパイロット達だった。 その中でも腕利きで知られるイエーガーだったが、「大卒」の要件を満たしていないばかりに、いわゆる「マーキュリーセブン」に選ばれなかった。  この孤高のイエーガーと、世間から脚光を浴び続ける宇宙飛行士達に生き方が対比されながら、宇宙飛行士としての「正しい資質」(ライトスタッフ)とは何か。そしてそれをもつ者は誰なのかが静かに語られていくストーリー。  危険なミッションだけに、重大なアクシデントが描かれるかと思いきや、そうしたスペクタクル要素は控えめに、人間ドラマとして秀逸な内容だったが、 いかんせん時間が長く、期待したほどの感動は得られなかったのは残念だった。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-05-07 11:43:52)
174.  ジョン・ウィック:パラベラム 《ネタバレ》 
本シリーズ得意のガン・フーはもとより、ナイフ戦、バイク(と馬の)チェイス、刀アクションなどなど前作よりもアクションの幅も広がり、質もアップしている。 最新技術を用いたガン・アクションが見たい人にはうってつけの作品とも言える。  特に本作では背景となるセットにも工夫を凝らしており、スタイリッシュな画作りが光っている。(クライマックスのガラス装飾の部屋でのアクションはその最たるシーンだろう)  こんなに少数対多数で切り抜けるアクションは、ともするとあまりに現実味に欠けるためシラけてしまう恐れもあるが、本作は一種のダンスのような独自なアクションを確立しているところに納得感があるのだろう。 防弾服で一度に倒れない敵を、首やヘルメットの隙間に何度も銃弾を撃ち込んでとどめを打つ、なんてアクションは本作が最初ではないだろうか。  年齢の割に頑張っているキアヌ・リーブスだが、体が固そうなのは相変わらずでした。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-03-25 11:54:40)
175.  キングダム(2019)
原作は未読だが、TVシリーズは鑑賞済。  細かい変更や省略はあるものの、ほぼTVシリーズ(第1シーズン前半)の流れに忠実なストーリーであり、 「アニメ(漫画)を実写化した」以外のオリジナル要素は見当たらない。  また、生活感の薄い衣装や「なんとなくCG」といった背景のせいか、原作がもつ世界観がわざとらしくなってしまい、期待したよりも面白く感じられなかった。 ワイヤーアクションも頑張っていたとは思うが、アニメの方が躍動感があるのは当たり前で、この点でも実写化の限界を感じた。  とはいえ、本作の秀逸な点はひとえにキャスティングにあると言ってもよく、キャラクターのイメージを毀損しないように、 キャスティングに力を入れたことは高評価。 特に政の異母弟・成蟜に至っては、そのキャラクター造形の忠実さは特筆すべきレベルだった。  しかし繰り返すようだが、その分TVシリーズの世界観を逸脱するものはなく、アニメーション表現の自由さの方に軍配が上がった印象は最後まで 拭えなかった。  その意味では、本作は、原作やTVシリーズを観る前に鑑賞した方がよいのかも知れない。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-01-25 15:51:21)
176.  ミッドナイト・スカイ 《ネタバレ》 
ジョージ・クルーニーが監督・主演のSF大作なのに、ロードショー上映はなく、Netflix単独配信という作品。 出演キャストこそ少人数であるものの、宇宙船や北極基地の描写は本格的であり、内容以上にNetflixの資金力に感嘆した次第。  地球が終末を迎え、その地球に帰還途中の宇宙船クルーにその事を伝えようとするある老人科学者……一言で言えば、そういうプロットなのだが、 地球がなぜ滅亡したのか、各地がどのような状況になっているのかの説明は一切省くという思い切りの良さを見せており、鑑賞後、この作品は主人公の内面(文字通り内面の視覚化ともいえようか)を描写しようとしたヒューマンドラマであったことに気づくのである。  ただ、人類が居住可能であることがわかった木星の衛星の描写や、宇宙船のデザイン等は美しく、船外活動中のアクシデントでは、無重力状態での人体ダメージを表現するなど、印象に残るシーンも多い。  一方で、あまりに状況や登場人物のつながりを語らないため、想像で補うべきことも多く、見終わった後にいろいろ考えてしまうところや、最後に科学者と宇宙船クルーとの関係がわかるのだが、この辺りはご都合主義とも受け取られかねず、評価は分かれるかもしれない。  とはいえ、終末ものや、SFが好きな人は観て損はないと思える作品。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-01-04 15:38:11)(良:1票)
177.  ソウル・ステーション パンデミック 《ネタバレ》 
話題作だった「新感染・ファイナルエクスプレス」の前日譚で同監督とのことで興味を引き鑑賞。  ゾンビものでアニメは初めてだったが、ゾンビの描写も雰囲気はよく出ていて、違和感は感じなかった。 特に「最初の1人」が感染し、人びとが戸惑いながら訳も分からず逃げ惑い、ついには爆発的な感染拡大に至る…… というゾンビドラマお決まりの流れを楽しむことができた。  本作の特徴は、アニメ作品であることに加え、ソウル駅で寝泊まりするホームレス、主人公の元風俗嬢とその父(終盤に一捻りあるが)、そしてヒモ男といった、やむを得なく社会の底辺にいる人びとをメインに描写していることであり、なおかつバッドエンドともいえるラストまで救いがなく、画面には終始悲しさと切なさが漂う。  ひとたび災害に出会うと、社会的弱者が真っ先に被害を受けるという構造を問題提起しているようにも思えた。  ともあれゾンビ映画が好きならば、観て損はないと思える作品だった。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-01-04 15:04:52)
178.  1917 命をかけた伝令 《ネタバレ》 
全編「ワンカット撮り」(実際はワンカット風)と話題になった戦争映画。 サム・メンデスのその発想をほぼ実現した意欲作だが、内容うんぬんよりも「どうやって撮影したのだろう」との印象が残る作品。  例えて言えば、主人公達の周囲を飛び回るハエのような視点で、常にカメラは主人公を捉えている。 そのため、観客はそのハエのような視点で戦場での一コマを目撃することになる。 したがって、ドローンカメラのような技術を用いなければ難しい撮影に思える。 飛行機の墜落場面は恐らくCGと実写の融合と思われるが、そういった裏話の方が気になる映画。  こういった手法では、①時折それなりのイベントが発生しないと退屈な画になる、②カット割りがないため、画角決めの自由度に制限がある、といった欠点が発生するが、本作は残念ながらそうした欠点をカバーする以上の出来ばえには見えなかった。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-12-25 15:16:47)
179.  男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 《ネタバレ》 
かつて釧路に住んでいたこともあり、昭和の釧路(幣舞橋)の街並みや、根室、養老牛温泉などが懐かしく、嬉しかった。 また、当時全道の祭りを巡業していた「オートバイサーカス」が登場するのも懐かしい。  と、本筋以外のところが目についた本作だが、中原理恵が演じる今回のマドンナ・風子もなかなか印象的だった。 寅さんに懐いてついて行こうとするも、寅さんに諭されて根室の理容室で働く風子だが、オートバイサーカスのトニー(渡瀬恒彦)に 惹かれて東京までついて行き、同棲してしまう。 体調をくずし、寅さんにとらやに連れて行かれ、寅さんいつもの「ここにいつまで居たっていいんだよ」が炸裂するも、風子はトニーに会いに行くという。 ここでの寅さんと風子とのやりとりは切ない。  あんな渡世人と一緒にいたって幸せにはなれないぞ…… 自分だって渡世人だって言ってるじゃない……  冒頭で昔の舎弟・登に出会い、説教するシーンも含め、寅さんの渡世人稼業の切なさが全編に渡って伝わってくる。  ただし、最後の着ぐるみの熊はよくないねぇ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-25 14:42:13)
180.  ミッドウェイ(2019) 《ネタバレ》 
一言でいうと、太平洋戦争の転機とも言われる「ミッドウェイ海戦」を、あのディザスタームービーの巨匠ローランド・エメリッヒが、最新のVFX技術を投入して、アメリカ側の視点で製作した戦争映画だ。  前半は真珠湾攻撃の描写から始まっているだけに、物語の基調はどこまでいっても「リメンバー・パールハーバー」であり、その後の ドゥーリットル爆撃にしても、ミッドウェイ海戦にしても憎き日本軍への報復戦がメインであるため、日本人としては(史実とはいえ)「アメリカにやっつけられる映画」なので、面白いわけがない。(当たり前だが、アメリカ人が観たら痛快この上ないだろう) とはいえ、山本司令官や南雲長官など帝国海軍の主要人物は日本の名だたる俳優がキャスティングされており、今までの(米製作の)太平洋戦争ものよりは 双方向に配慮したつくりにはなっている。  何よりエメリッヒ監督ということもあり、空母や艦上機の描き方には手抜きはなく、第二次大戦時に主流になったといわれる航空機の活躍をスクリーンに見事なまでに再現しているところは期待どおりの見応えがあった。 また、ミッドウェイの大きな勝因が、暗号解読による諜報戦であったこと、そして本作の主人公達が活躍する「米雷撃隊」の勇気ある戦いにあったことが 本作ではフォーカスされており、その辺も史実どおりなのだろう。(だから観ていて面白くないわけだが)  この戦いで、日本は貴重な主力空母4隻と日中戦争以来の熟練パイロットを数多く失い、敗戦の遠因になったことを考えると、複雑な気持ちになる。  できればイーストウッドの「硫黄島」のように、日米両方の視点から製作してほしかったといえば贅沢な望みだろうか。
[映画館(字幕)] 6点(2020-09-28 15:30:03)
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