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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1878
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  ライフ・イズ・ビューティフル 《ネタバレ》 
これはもう奇跡の映画としか言いようがありません。「吉本新喜劇」のような底抜けに明るいコメディから始まり、次第に時代のうねりのなかで悲劇の強制収容所へと舞台が変わるところの自然な見せ方にはびっくりさせられました。そして常に笑いを失わない父親の息子への小さな嘘が、どんどんと悲愴感を増していくのにそのギャグがどれもが高クオリティなのも素晴らしい。誰もが指摘しているだろうけど、あの髭軍曹の通訳のシーンにはやっぱり笑わせられました。そして、映画は笑いを失わないまま、とても悲劇的な最後へとなだれ込んでいく。もう、涙なくしては見れません。ロベルト・ベニーニのコメディアン魂が創りあげた、この奇跡の感動作をぜひ多くの人に観てもらいたいと切に願います。
[DVD(字幕)] 10点(2013-05-13 20:07:10)(良:1票)
2.  レオン/完全版 《ネタバレ》 
リュック・ベッソンが、その持てる才能を見事に使い果たしてしまった傑作。都会の片隅で、社会に背を向けて孤独に生きる殺し屋レオンと、大人社会に翻弄されながら必死に生きようとする少女マチルダ。ある残虐な事件をきっかけに共に逃避行をする羽目になった二人に、互いの孤独な心が共鳴しあう。正直、この二人の愛情は社会の常識やモラルから照らしてみれば、異常とも思えるかも知れない。でも、だからこそ嘘や偽善にまみれた社会を必死に突破しようという、二人の純粋な姿は眩いばかりの光を放っている。そして、彼らと対峙するのは、これもまた常識やモラルを踏み外してしまった、イカれた麻薬捜査官。何が正しくて何が間違っているのかなんて考えず、ひたすら自分の感情に正直に生きようとする主人公たちの、むき出しの荒々しい感情が深く胸を打つ。最後、独りぼっちになってしまったマチルダには、まだまだ困難な人生が待ち受けているのだろうけど、レオンが言っていた「大人になっても人生は辛いさ」という言葉を糧に彼女は必死に生きていくのだろう。切ない。
[DVD(字幕)] 10点(2012-06-21 20:08:45)
3.  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス 《ネタバレ》 
今年もクリスマスが近付いています。色とりどりの綺麗なネオンをまとい、賑やかなクリスマスソングが彩る夜の街並みを一人で歩いていると、毎年のようにこの作品のことを思い出してしまいます。無垢な心を持った天才、ティム・バートンが創り出したクレイ・アニメーションの傑作「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」。個性豊かなグロ可愛い住人たちが住むハロウィンタウンの王ジャックは、それまでずっと子供たちを驚かすことが最上の仕事だと信じて生きてきました。ところがそんな彼は、いつしか誰にも打ち明けられない秘密の悩みを抱えていたのでした。「本当にこのままで良いのだろうか?」心に拡がるそんな疑念を持て余していたとき、彼はふとしたきっかけでクリスマスの存在を知ります。「これだ!」と雷に打たれたかのようにジャックは、その何処までも明るく楽しそうな祭典を自分たちで行うことを決意します。それが、取り返しようもない過ちとなることも知らずに…。ティム・バートンが天才たる所以は、他の追随を許さないグロ可愛いダークメルヘンの世界を緻密に構築するその類稀なるイマジネーション力もさることながら、やはり常に社会的マイノリティの視点でもってストーリーを紡ぎだすところでしょう。クリスマス・タウンという社会の明の部分で生きることが自然な人々と、常に暗い夜陰で生きることを宿命づけられたハロウィンタウンのモンスターたち…。ハイクオリティのダークメルヘンとしても一級の作品なのに、それだけでは収まらず、ここには大人社会の寓意が実に巧みに埋め込まれています。結婚や就職や出産や子育てやマイホーム購入や家族で過ごす暖かなクリスマスという社会の大多数の人たちが幸せだと信じて疑わない価値観に、うまく馴染めなかったあるいは手にすることが出来なかった人々に終始寄り添って描いた、この作品の暖かな目線に僕は何度も救われました。良かれと思ってしたことなのに社会から忌み嫌われることになるジャックの孤独な姿と、そんな彼を何処までも思いやるサリーの健気さ…、どうしようもなく寂しい冬の夜などにふと観返したくなる、ティム・バートンの傑作だと思います。
[DVD(字幕)] 10点(2012-05-07 07:01:45)(良:1票)
4.  Love Letter(1995) 《ネタバレ》 
「拝啓藤井樹様。お元気ですか?私は元気です」――。かつて恋人を山で失くし、失意の中に生きてきた神戸在住の女性、渡辺博子。彼の三回忌の法要に参列した彼女は、偶然目にした卒業アルバムで彼の当時の住所を知る。懐かしさから、博子は何げなくペンを手に取ると、彼に届くはずのない手紙を書くのだった。ポストに投函されたそれは、誰にも読まれることなく送り返されるはずだった。だが、手紙は何故か、北海道の小樽に住む彼と同姓同名の女性、藤井樹の元へと届けられる。「拝啓渡辺博子様。私は元気です。でもちょっと風邪気味です」――。ちょっとした悪戯心から樹はそう彼女に返信を書く。そうして何気なく始まった、見知らぬ者同士の文通。何度もやり取りされる中で、次第にそれは今はなき天国の彼の思い出を鮮やかに蘇らせるのだった。時を超えた二人の思い出はやがて、都会の片隅に小さな奇跡をもたらすことに……。映像作家、岩井俊二監督の長編映画デビュー作となる本作、今更ながら今回鑑賞してみました。結論を言います。素晴らしい作品でした。今まで観ていなかったことを激しく後悔。もう全編に渡って横溢する、このキラキラと光り輝くような豊かな詩情性に完全にやられました。白を基調とした美しい映像に一部の隙も無い完璧な構図、そして気品あふれるクラシカルな音楽ともはや魔法のような美しさにいつまでもずっと浸っていたいと思わずにはいられません。最初はあり得ないストーリー展開に戸惑わせつつも、真相が明らかになれば誰しも納得できるというこの考え抜かれた脚本も見事としか言いようがない。神戸と小樽で暮らすそっくりな風貌を持つ二人の女性、同姓同名のクラスメイト、肺炎で亡くなった父、本当は嫌いだった松田聖子の歌、暗い夜の駐輪場で自転車の淡い光に照らされた二人、誰も借りたことのないマイナーな本の貸出票に書かれた幾つもの彼女の名前、そして最後に彼が借りた『失われた時を求めて』に隠されていた秘密……。散りばめられた細かなエピソードの一つ一つに至るまで監督の才気が漲っていて、その完成度の高さには言葉を失ってしまいます。ただ一つ惜しいのは、豊川悦司の関西弁がいまいち嵌まっていなかったことぐらい。それ以外は、この洗練された美しさに今さらながら脱帽。若き岩井俊二の豊かな才能が完全に開花した、聞きしに勝る傑作でありました。
[DVD(字幕)] 9点(2020-02-19 20:41:23)(良:1票)
5.  奇跡の海 《ネタバレ》 
僕の思想信条に多大な影響を与えたと言っても過言ではない傑作「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を撮った、暗黒の虚空に燦然と輝く天才映画作家ラース・フォン・トリアーによる哀切極まりない人間ドラマ。そんな本作を語る前にあらためて「ダンサー~」で描かれたテーマについて述べたいと思う。それは結局人間の幸せは全て相対的なものでしかなく、自分がいま幸せかどうか、自分の存在に本当に価値があるのかどうかを判断するのは最終的には自分の主観でしかないということだ。もしそんな自分の主観では到底受け入れられないような不幸な境遇に追い込まれたり、あるいは自分の幸せを守るために取り返しのつかない罪を犯しそうになったとき、人の心は果たしてどのようにその危機を回避しようとするのか?きっと、自分以外の第三者によって自分の挫けそうな心を補強してもらいたいと願うはず。そう、その第三者こそが〝神〟に他ならない。ではもしこの世に神が居なければ、この残酷な出来事で溢れ返る醜い世界で、人はどのようにして生きていけばよいのか。また、キリストの如き真の心優しき人間は最終的には人々の悪意によって十字架に掛けられ襤褸布のように死んでゆくしか道がないのではないか?ドストエフスキーが「白痴」などの大作群で追求したそんな深甚なるテーマを、トリアーは映画という手法でもって現代に受け継いでいる。「ダンサー~」では、神を持たなかった女の悲劇を追及していたが、本作の主人公ベスは見れば分かるとおり、冒頭からはっきり神へと縋り付いている。セルマもベスも宗教的に言えばどちらも〝聖なる愚者〟。だが、トリアーはこの世に神など居ないということを、ベスが完全なる善意でもって売春婦となる過程でつぶさに炙り出してゆく。〝神〟とは人間が造り出した生きる為の、そして数々の罪から目を逸らす為の理由付けに他ならないとでも言わんばかりに。そんな残酷な現実を突きつけながらも、トリアーは最後に鳴り響く鐘の音に「それでも人間は生きるために神へと縋りつくしかない」という人間本来の普遍的な切なさをぎりぎりのところで肯定している。「この世に神が居ないなら、どうして人は自殺しないで生きていけるのですか?」これはドストエフスキーの「悪霊」の中の言葉だが、本作にはそれへの答えが――完璧ではないにせよ――提示されている。その後、トリアーは「ダンサー~」を撮ることでその思想を根底から覆してしまうのだが…。正直、「ダンサー~」が僕に与えた影響があまりにも大き過ぎて、その姉妹編とも言える本作を観ることでその影響に揺るぎが生じるのではないかと懸念し、今まで鑑賞してこなかったのだが、それは僕の杞憂に過ぎなかった。こちらも人間の愚かさと美しさを冷徹に見つめた傑作と言っていい。
[DVD(字幕)] 9点(2015-03-14 22:02:26)
6.  シャンドライの恋 《ネタバレ》 
政情不安にゆれるアフリカの何処かの貧しい国。反政府活動を疑われた夫が理不尽にも投獄されて独りぼっちになってしまった若く美しい人妻シャンドライは、身の安全を図るため難民としてローマへと移り住むことに。親戚が遺した遺産で悠々自適の生活を送るピアニストのキンスキーのアパートで、投獄された夫のことを気遣いながらも、シャンドライは看護婦を目指して新たな生活を始めるのだった。そんなある日、突然大家のキンスキーから愛の告白をされる。あまりにも違うお互いの境遇に、最初は反発を覚えたシャンドライだったが、彼の無垢な心と優しさに触れて次第に気持ちが揺れ動いてゆく…。映画監督としてノリにノッていたベルナルド・ベルトルッチが、ラスト・エンペラーやシェルタリング・スカイといった大作映画の後に、良い意味で肩の力を抜いて撮っただろう、小品ながらも愛すべき作品でした。まるで絵画のように美しいローマの街並みを背景に紡がれる、極端なまでに無駄を削ぎ落としたシンプルでありながら深いストーリー、全編を彩る情熱的なのにあくまで上品で静謐な音楽の数々…、もうベルトルッチの素晴らしい才気が画面の端々に漲っています。そして、何より魅力的なのは主人公のシャンドライ。きれいで可憐な容姿にもかかわらず、胸には熱い情熱を秘めた彼女の魅力に最後まで惹き付けられました(僕がいままで見てきた黒人女性の中では一番と言っても過言じゃないくらい、笑顔がかわいかったっす笑)。そんな彼女の心に芽生えた小さな恋心が徐々に高ぶり、最後は官能的でとても美しいラストシーンへと導かれていく、その丁寧でスリリングな心理描写はもうさすがの一言。最後、シャンドライがあのドアを開けるのかどうか、それを明示しないまま終わるのも印象的な良い余韻を残してくれます。小品ではあるけれど、久し振りに「ああ、良い映画観たなぁ…」と心から思える作品に出会えました。お薦めっす。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-17 18:41:25)
7.  フロム・ダスク・ティル・ドーン 《ネタバレ》 
僕はこれまで数々の映画を観てきたのだけど、ここまで馬鹿馬鹿しくて、そしてここまでカッチョ良い映画を観たことがありません。若いころにロドリゲスがさんざん観てきたであろうZ級映画(その場のノリで途中から全く違う映画になっちゃったけど、まぁいいかぁな作品とかね)への深いリスペクトが最高です!これまでの展開はいったいなんだったんだ!な、あの有名な突然のバンパイア襲撃とか、もう何も知らない友達たちに見せて、そのびっくり具合を隣で何度も楽しませてもらいました。この猥雑で下世話でエロくってグロくって、それでも最高にクールな映画、大好き!ジョージ・クルーニーも若くてワイルドで最高だぜ!
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-09 17:20:31)
8.  ギルバート・グレイプ 《ネタバレ》 
何処にでもあるようなアメリカの片田舎で、家族と共に鬱屈した毎日を過ごす青年ギルバート・グレイプ。夫が自殺したショックから過食に走ってしまい、今では体重が200キロを超え、ほとんど外出することもなくなってしまった母親。そして知的障害のある弟は、日頃から問題行動を繰り返し、ギルバートを悩ませている。そんな折、偶然街を通りかかったベッキーという名の自由奔放な女の子に、彼は深く引き寄せられていくのだが、家族という重荷は簡単には彼を放してはくれない――。人間はどこまでも弱く愚かで、そして家族というシステムは必ずしも人を幸せにするものではなく、もしかしたら人を閉じ込める牢獄でしかないのかもしれない。そんな諦念から出発しながら、この映画は、最後はそれでも人であること、家族であることを深い悲しみと共に肯定的に描いてゆく。のどかでのんびりとした時間が流れる叙情的で美しい田舎の風景も、そんな鬱屈した青年の思いを優しく見守っているようだ。そして、最後に家を包む炎は、世間からどんな目で見られようともそんな母親の子供として生きてきたギルバートたちの誇りの象徴なのだろう。若き日のラッセ・ハルストレムが、その持ちうる限りの才能を注ぎ込んで創り上げた青春映画の傑作だと思います。まだまだ無名に近かったころのジョニーデップ&ディカプリオの自然な演技も素晴らしい。人生に疲れたときなんかに、ふと観返したくなる大好きな作品の一つ。
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-04 20:01:18)
9.  ディープ・インパクト(1998) 《ネタバレ》 
隕石が落下して地球が滅亡してしまう姿を、様々な人間たちの視線から描いた群像劇。もともと群像劇が好きな自分としては、この作品の個々のストーリーがどれもが魅力的なこともあって、今でも大好きな映画の一つ。諦めて父と津波に呑み込まれることを選んだ女性記者、反対にあくまで大好きな女の子と最後まで生きることを望んだ高校生、そしてどうせ死ぬなら英雄として死ぬことを選んだ宇宙飛行士たち。そんな人間の思惑など徹底的に意に介さず突入してくる無慈悲な隕石。この、無情とも思える臨場感はいま見ても相当なレベル。個人的には、イライジャ・ウッドにせめて赤ん坊だけはと託す彼女の両親が切なくて好き。
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-02 14:00:34)
10.  ヒート 《ネタバレ》 
『ゴットファーザーⅡ』以来の、アル・パチーノ&ロバート・デ・ニーロという世界でも最高峰に位置するであろう二大俳優の競演という奇跡のキャスティングで撮られたハードボイルド・アクションの傑作。もう冒頭からの二人の円熟の演技合戦が最高です。思えば、このころが二人の俳優としての最後の頂点だったのではないだろうか。そしてまさにどんどんと〝ヒート〟していくストーリー、徐々に高まっていく緊張感、その臨界点に達したところで唐突に暴発する白昼の銃撃戦!もう、堪らないっす!!それ以外にも、まだ若手だったころの(そして太っていなかったころの)ヴァル・キルマーなどの脇役陣も素晴らしい。もう、男の男による男のための映画!大好きです。
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-30 17:10:00)
11.  スターシップ・トゥルーパーズ 《ネタバレ》 
オランダが生んだ変態映画監督の巨匠バーホーベンが、そのもてる限りの才能と資金力とCG技術を駆使して作りあげた圧倒的サービス過剰映画。いやー、もう素晴らしいです!!だってこれ一本で、SFアクション・スプラッタホラー・戦争・学園青春ドラマ・ラブストーリー・モンスターパニック・お笑い映画を楽しめるんだから。凡百の映画監督はこんなに馬鹿みたいにいろいろ詰め込んだ映画なんて作れないですよ(作らない、かもだけど笑)。そして、そんな民主主義が崩壊したシニカルな世界に圧倒的な物量作戦で攻め込んでくる昆虫軍団!湯水のように撒き散らされる血しぶきと肉片!沸点マックス寸前の暑苦しい海兵隊の皆様!何処かで勝手にやってくれってくらいドロドロなラブストーリー!もうバーホーベンが確信犯的に創りあげた、中2病映画界にいまだ燦然と輝く、永遠の大傑作だ!!
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-29 23:27:17)
12.  マグノリア 《ネタバレ》 
「愛したいのに、そのはけ口がない」沢山の登場人物が織り成すこの重厚な群像劇のなかで、ある一人の人物が発するこの言葉が、この深淵でありながらなお猥雑なエネルギーに満ちているこの作品をまさに象徴している。みんな愛したいし愛されたい。でも人間だからみんないつまで経っても心はいつだって擦れ違い。もがき苦しむそんな人間社会に、最後、唐突に降り注ぐ蛙の大雨。もちろん、旧約聖書中の出エジプト記からの引用だろうけど、そんなことどうでもよくなるくらいに滑稽な出来事にただ笑うしかない登場人物たち、というこの映画の纏め方は見事としか言いようがない。「確かにいま人生は辛いかも知れないけど、頑張って生きていこう。だって、明日蛙が降ってくるかも知れないじゃん」という気持ちになれる、良い映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-29 22:45:19)
13.  ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 
これって撮影中に映画の神様が舞い降りて来たんじゃないのだろうか。っていうくらい完成度の高い名作。無駄なシーンが一切ないし、テーマも多くの人々の心を打つ〝希望を信じること〟という直球勝負な軸が一切ぶれていない。主演俳優の抑えた演技も完璧だ。オチの爽快感といったら他に類をみないほど。そして、何よりこんな完璧な映画のなかにあって、「結局、真犯人が捕まらず冤罪が晴れていない」という唯一の瑕疵すらも、さらなる物語の予感を感じさせてくれるという奇跡的な名作。
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-26 14:14:17)
14.  12モンキーズ 《ネタバレ》 
『未来世紀ブラジル』で悪夢のような未来社会を見せてくれたテリー・ギリアム監督が、その路線を踏襲しつつちゃんと一般的な娯楽性も手にすることが出来た記念碑的名作。もう、冒頭のあの独特の12匹の猿マークがフォークダンスを踊るように回転する映像に、不気味にかぶさってくる音楽が見事過ぎてそれでもうハート鷲掴みです!そして話が進むに連れてどんどんと深まっていく謎、ぶっ壊れたブラット・ピット、相変わらず救いようのないオチ。どれもこれもが斬新で唯一無二なギリアム監督の傑作の一つ。大好き。
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-21 19:58:36)
15.  トレインスポッティング 《ネタバレ》 
最高にエネルギッシュで下世話でくだらなくて、そして最高に格好良い!!駄目な人間たちの駄目駄目な日常をこんなにまでスタイリッシュに描いた映画はかつて無い。イギー・ポップをバックに疾走する冒頭のレントンたちから、スコットランドで最高に汚いトイレに潜り込むレントン、禁断症状に苦しむ彼がベッドのなかで見る幻覚とか、もう映画史に残る名シーンになってるんじゃないかなー。音楽も雰囲気もセンスもどれもが最高っす!「自分がどうしようもない駄目人間で、そのせいで今がどうしようもなく悲惨な状況になったとしても、それでも生まれたからには、死ぬまで生きてかなくちゃしょーがないじゃん!!」全編に満ちる、そんな根源的だけど力強いメッセージが今でも大好き!!
[DVD(字幕)] 9点(2013-04-20 20:31:17)
16.  羊たちの沈黙 《ネタバレ》 
もう映画の神様が現場に舞い降りてきたんじゃないかってくらい、奇跡の完成度を誇るサイコ・サスペンスの古典的名作。それまでシュワちゃんやスタローンやインディジョーンズとかのアクションエンタメ、あるいはゾンビ系のホラー映画しか観てこなかった当時の僕に、ガツンと強烈な衝撃を与えてくれたことを今でも鮮烈に覚えています。主人公は、まだ幼さが残りながらもその心に抱えたトラウマから強い正義感を持ったFBI訓練生、クラリス。そんな彼女に、女性を次々とさらってきてはその皮を剥ぎ、死体を河に捨てるという残虐な猟奇殺人犯バッファロウビルの捜査の過程でとある指令が廻ってきます。それは、かつて自分の患者7人を無残にも殺しその肉を喰らったとして獄中にあるかつての天才精神科医レクター博士の意識調査をしてほしいというもの。軽い気持ちで引き受けたクラリスでしたが、暗鬱な地下牢の奥深くに待ち受けていたのは、社会のちっぽけなモラルや常識など一切通用しない恐るべきモンスターだった…。画面の端々にまで横溢する不穏な空気感がとにかく素晴らしく、おどろおどろしいそんなストーリーを見事に盛り上げてくれています。そして、何より特筆すべきは、やはり“クラリス=ジョディ・フォスター”“レクター博士=アンソニー・ホプキンス”という奇跡とも呼べる見事なキャスティングでしょう。特に、レクター博士という強烈な〝悪〟を体現してみせた、希代の殺人鬼を見事に演じきったホプキンスは映画史上屈指の名演!これ以降、似たようなサイコ・サスペンスが量産されるのですが、いまだレクター博士を超えるようなキャラクターは一向に出てきていません。この世の中には、世間では常識と信じられているモラルなど一切通用しない暗い世界が隠されていて、そこには必ずといっていいほど男の歪んだ性欲が絡んでくる。もしかしたらこの社会を形作る源泉なのかも知れないそんな男たちの性欲に決然と立ち向かうクラリス、彼女を父のように見守りながら勝利へと導く社会から超越した存在であるレクター博士…。正義と悪の定義を根底から覆してみせるその深いストーリーは、混迷する現代社会にあっても一向に色褪せることはありません。映画史に残る唯一無二の名作として語り継がれるのも納得の素晴らしい出来だとあらためて思います。
[DVD(字幕)] 9点(2013-03-29 14:39:31)(良:1票)
17.  タイタニック(1997) 《ネタバレ》 
個人的に恋愛映画ってあんまり好きじゃないんだけど、そこはやっぱりジェームズ・キャメロン、もちろん優れた恋愛映画ではあるのだけど、ちゃんとそれだけとは言い切れない要素もたくさんあって、あまりにも有名過ぎていまさら言うのも恥ずかしい面もあるけれど、やっぱり好きです、この赤面必死の超有名ラブストーリー。いまさら僕ごときが言うのもあれだけど、やっぱり名作っすよ、これ。社会が抱える矛盾や不条理を――親から子へと連綿と連なる貧富の格差に翻弄される一般庶民たちやプライドと外聞をもっとも重んじる偽善に満ちた富裕層という、当時の英国社会の病理を丸ごと積み込んだようなタイタニック号の船内で繰り広げられる若いエネルギーに満ち溢れたジャックとローズの燃え上がるような恋…(いま、自分で書いてて恥ずかしくなっちゃいました笑)。そんな人間の機微やきらめきや懊悩など構わずぶち壊してしまう自然の猛威を、後半の怒涛の展開で見せきるキャメロンの見事な手腕には今観ても圧倒させられます。そんな中で、悲劇を運命付けられながらも必死に抗おうとする2人の姿に、当時のまだ純真な心を失っていなかった僕は素直に感動させられてしまいました。有名な「私、空を飛んでいるみたい」という2人のシーンよりも、僕は降り注ぐ救命花火の美しい輝きを背景に微笑みながらローズを見送ろうとするジャックの方が好きですね(若き日のディカプリオがこれまたかっちょ良い!!)。そして、沈没という残酷な現実の前に茫然自失となる船長、「金なんてもう何の役にも立たない!」と叫んで自殺する船員、子供をダシに自分だけ助かろうとするローズの婚約者…。人間て本当に弱くて愚かな生き物なのかも知れないけれど、それでも愛する人との永遠の別れという悲劇を経ながらも、アメリカという新天地で新たに奮い立ち子供たちを育て上げたローズの力強い姿に、純真な心をすっかりなくしてしまった現在の僕でもやっぱり感動を覚えざるを得ません。いやー、ジェームズ・キャメロンってやっぱ天才だわ~。うん、いまさらだけど、やっぱり良い映画です、これ。
[DVD(字幕)] 9点(2013-03-25 13:14:17)
18.  トゥルーライズ 《ネタバレ》 
こんなにお金かけた、こんなに馬鹿馬鹿しい映画はある意味貴重。冒頭から、バイクと馬のチェイスにはじまり、国家予算をフルに使った盗聴装置やヘリコプターで何故か妻の浮気調査、後半からは怒涛のアクションシーンががんがん続き、も、もうお腹いっぱい!っていう観客の予想を遥かに超えてジェット戦闘機で大暴れ。そう、映画ってなにやっても良いんです!落ち込んだときなんかに、ふと見返したくなる大好きな作品。
[DVD(字幕)] 9点(2013-03-25 12:59:18)
19.  ターミネーター2/特別編 《ネタバレ》 
初めて観たのは映画の魅力に取り付かれはじめた中学生のころ。この作品で完璧に映画中毒者にさせられてしまいました。CGなんてまだほとんど普及していなかった時代に、あの新たなターミネーター・リキッドメタルがドロドロと登場したシーンで、「えぇぇぇ!」と思いっ切り度肝を抜かされたことを今でも鮮明に覚えています。そして、そこから青を基調としたスタイリッシュな映像を背景に、冷酷無比なリキッドメタルが今までの映画の常識を覆すような迫力で暴れまくるころには、もう完全にノックアウト。それに、シュワもカッコいいし、ファーロングも男前だし、リンダ・ハミルトンのムキムキ具合もナイスだし、どれもこれもばっちりはまっちまったよ~。ストーリーの深みとしては、やっぱり一作目には劣るものの、映画の面白さを教えてくれた思い出の一作。
[DVD(字幕)] 9点(2013-03-25 12:48:01)(良:1票)
20.  パルプ・フィクション 《ネタバレ》 
タイトルが示すとおり、どうしょうもない登場人物たちが織り成す、どうしょうもなく馬鹿馬鹿しい三つのお話が、時系列をバラバラに切り刻んでそれを完璧といっていい構成で再構築することによって、何故かそこに何度も再見するに耐える、芸術的とも言える深さを獲得することに成功した稀有な作品。それでも、あくまでも視点は下品で猥雑な「パルプ・フィクション」のまま。だからこそ、こんなにも深い側面を持った作品だと言うのに、この全編に漂う下らなくて馬鹿馬鹿しい楽しさが最高に格好良いんだよね、これ。垢抜けたノリの良い音楽に、癖のある俳優陣が繰り出す悪乗り一歩手前とも言える怪演の数々、延々と続く馬鹿馬鹿しいのにいつまでも聴いていたいと思える会話のやり取り。ノリにのっていた若き日のクエンティン・タランティーノが作りあげた、最高にスーパークールな、映画史に残るだろう傑作の一つ。日本刀片手に暴れまくるブルース・ウィリスが今でも大好き。
[DVD(字幕)] 9点(2012-06-21 19:24:02)
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