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民朗さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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501.  プロメテウス 《ネタバレ》 
ぶっちゃけ娯楽作品として評価するならば失格の作品だとは思います。結論を言いますと脇のキャラクターの描き方が杜撰です。序盤ではビクビクしてるのにエイリアンの巣にまで進んじゃう2人(最初に襲われる人たち)や、終盤で急に男気見せて特攻かます船長の行動に全く納得できない。また会社を第一に考える嫌味な女がいますが彼女も悪役としてキチンと育てない。あれだけ利己的な行動をしているのだから脱出用ポッドに潜んでたフェイスハガーに殺されるんだろうなあと思っているとそんなことも無くまさかの圧死。そこは『エイリアン2』のバークみたく観客に「自分のことだけ考えてそれみたことか」と思わせないとダメじゃないの?ただアンドロイドのデイヴィッドの行動に関して文句言っている方がかなりいらっしゃいますが、彼は結局社長の命令で行動してますから乗組員に不利な行動をしていても不思議じゃないと思いますよ。それからこの映画の素晴らしい所はリドリー・スコットらしく圧倒的な映像美を見せてくれる点とエイリアン1作目の様にエイリアンを単なるモンスターとして描いていない点にあると思いました。勿論『エイリアン』を監督したのはリドリー・スコット自身なので当たり前なのですが。様々な場所で指摘されている通り『エイリアン』のテーマは望まれない性行為・妊娠・出産であり、口から入り込んだり、人間の体に卵を産み付けたり、いちいち生まれたての赤子の様にヌメッているエイリアンは全てこれらのメタファーです。リドリー・スコット以外の監督のエイリアンシリーズはアクション路線のテイストが強くなりこのテーマが上手く機能しているとは言えなかった。今回のプロメテウスはショウ博士のエイリアンの妊娠から出産まで全て見せ切る。小さいポッドの中でエイリアンの胎児を摘出する場面は生まれるべきでなかった生命のおぞましさ、気味の悪さを執拗に見せ付けており実にエイリアン本来の持つテーマが活きていた様に思います。その逆に宣伝文句でも盛んに使われている人類の起源について、なぜ人間は生き、死んでいくのかというような実存的な問いについてはやや薄味に感じました。話としてはキューブリックの『2001年宇宙の旅』の様な話にしたかったのでしょうがモンスターパニック映画としてのアクが強すぎてどうも乗り切れませんでした。何はともあれ続編で本格的にエイリアンが暴れるシーンが見れそうで楽しみです。
[映画館(字幕)] 7点(2012-08-19 00:37:01)
502.  エイリアン2/完全版 《ネタバレ》 
現代の娯楽映画の神様ジェームズ・キャメロンらしく全編ドンパチ撃ちまくる映画となっています。前作の様な文芸的なストーリーの深みは失っているが、それを補う分のアクションとサスペンスが盛り込まれており全く飽きない二時間半でした。完全版として追加されたシーンはまあ無くても損はしないかなって位のモンですかね。ただ追加されたシーンのお陰で主人公のリプリーが何故あそこまで少女に固執するかが良く分かりました。それにしても最近は女性のメンタル面の強さを強調する映画が多くなりましたが、最近の映画にもリプリー位フィジカルでも強さを感じる女性を入れてほしいものです。いや、リプリーまでいくと行き過ぎか(笑)。エイリアンのクイーンとキャットファイトする女なんてリプリー姐さんだけでいいな。
[DVD(字幕)] 7点(2012-08-19 00:04:11)
503.  桐島、部活やめるってよ 《ネタバレ》 
同じシーンを異なる視点から描き様々な情報を小出しにしていくという手法は「バンテージ・ポイント」を思い出させますが、結構ミステリーには良くある手法ですよね。本作もこの手法をふんだんに使ってはいるのですが特に桐島の正体は明らかにされず映画は終わる。桐島は単なる話を転がすマクガフィンに過ぎず、明らかになるのは日本の高校社会での明らかなヒエラルキー。何故か体育会系の部活が文化系の部活よりえばっていて、帰宅部にさえ小馬鹿にされる文化部。その中でも秘宝系の映画が大好きな映画部の前田達はヒエラルキーの最底辺に属している。前田はショートボブの美少女栗原と「鉄男」の上映で偶然一緒になりフラグが立った!(実際そんな訳無いのだが)と歓喜するが結局栗原は帰宅部のイケメンと付き合っていた。そして最後愛するロメロの「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」を夢想し栗原をゾンビに喰い殺させる、自分たちを馬鹿にしている体育会系の奴らもろとも。このシーンは前田の高校社会への憎しみが爆発するシーンとして非常に感動的でカタルシスを感じられる物となっていた。しかし結局それは夢想であり現実は何も変わらないのだ。非常にリアルな残酷なまでの現実、監督はそれを描きたかったのだろうか?体育会系の奴らにオタクが復讐する映画と言えば「ナーズの復讐」「アニマル・ハウス」を真っ先に連想するが、本作はそんな筋肉主義というか見た目主義な高校社会に文化部が復讐する話ではない。運動部は将来の展望が薄いのに努力を続ける素晴らしい存在として描いている。それは確かにそうかもしれないが、映画監督として映画部の彼らにもう少し救いを与えられなかったのか?単に夢想では無く現実として"ドラマ"を展開して欲しかったように思います。私も学生時代は吹奏楽部として文化部に属しており何となーく小馬鹿にされていた部分がありますのでここは文化部が救われる瞬間を少しでも欲しかった。吹奏楽部の部長も可哀そうだったなあ。
[映画館(邦画)] 7点(2012-08-16 07:32:13)(良:2票)
504.  知りすぎていた男 《ネタバレ》 
ヒッチコックのサスペンスと言えば「何か起こりそうでしょ、怖いでしょー」と観客に伝えようとする為に全体のテンポが鈍重になっている作品が多い印象ですが、本作はストーリーテリングの手際の良さが目立ち単純にクライムサスペンスとして面白く観やすかった。それでも剥製屋に忍び込む場面や終盤の首相狙撃シーン、最後の悪役の退場シーンに代表される様なチラリと映るヒッチタッチは健在で単純なサスペンスに緊張感が生まれている。ヒッチコックのサスペンスはこのくらいのバランス感覚がいいなあと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2012-08-13 00:07:51)
505.  ポリス・ストーリー3 《ネタバレ》 
ヒロインとして戦う女刑事ミシェル・ヨーを起用しており、いつものエロ親父ギャグも冴えわたっています。ミシェルを支えようとしておっぱい触ったりジャッキーやりたい放題。アクションの切れは何時も通り凄い。とりわけバイクで列車に飛び乗ったり、走っている車に飛びついたりミシェルのアクションが凄まじい。
[DVD(字幕)] 7点(2012-08-13 00:01:28)
506.  おおかみこどもの雨と雪 《ネタバレ》 
細田監督の前作「サマーウォーズ」でも感じたことですがアニメーションとは思えない程の緻密な作画には本当に驚かされます。いや2次元の絵であることは理解しているのですが一瞬実写を見ているような気分にさせられるというか、とにかく凄い。物語も良かった。母親の苦労して苦労して育ててきた過程を丁寧に描いているので如何に母として子どもの成長を願っているかが良く分かる。お転婆でしょっちゅうオオカミになっていた雪が成長するにしたがって女らしく変わろうとする、逆に内向的だった雨が野性に目覚め男らしく成長し森を守る主になるという展開はキャラクターの属性がそっくり入れ替わったようで面白かった。それから別に良いのですが、ほんとに監督はトトロが大好きなんでしょうね。ボロ屋ではしゃぎまわる雪が完全にメイちゃんでしたね。しかも背景も明らかにトトロともののけ姫から影響を受けている感じ。
[映画館(邦画)] 7点(2012-08-04 21:55:25)(良:1票)
507.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 
致命的な重病を患った二人の若者のちょっとオフビートな逃避行。彼らは天国に行く前に海を一度見てみたいと海を目指す。海は数々の映画で絶望の象徴や終着点の暗喩として登場する。最も有名な例はトリュフォーの「大人は判ってくれない」だろうし、北野武の「HANABI」も長年連れ添った夫婦は人生の終わりに海を目指す。恐らく全ての大陸において歩き続けた先に広大な海という終点が広がっているからだろう。本作はその様な象徴として描かれることが多い海を天国への切符、ある意味希望の象徴として描いている点が面白い。主人公二人は海を目指していなければあの病院で自身の望みも果たせぬまま死んでいただろう。海と言う絶望・終着点が皮肉にも彼らを希望へと導いたのだ。ルディは最後にマーチンに「(死ぬのは)怖くないさ」と言う。最後に海を見ることで天国への扉を開けた彼らは雲の上で仲良く駄弁っていることだろう。
[DVD(字幕)] 7点(2012-07-29 18:38:54)(良:1票)
508.  ハメット 《ネタバレ》 
中国人娼婦を演じるリディア・レイがフレデリック・フォレストの指を舐める仕草がエロい。舐める相手が中年だし銃をぶっ放すシーンより犯罪的に見えた。現実の出来事が主人公が書いている三文ハードボイルド小説さながらの展開を見せるのは面白いアイデアですね。街中のシーンが明らかに虚構の街として撮られているのもその展開を強調させるためでしょうか。アクションシーンの気の抜け方も実に三文小説といったレベルになっていて笑えてくる。
[DVD(字幕)] 7点(2012-07-25 01:45:31)
509.  リンカーン弁護士 《ネタバレ》 
特に他の映画と比べて秀でている点は無いのだけれど、実に手堅く撮ったという印象が残る法廷サスペンス。予告編通りのテンポ良く続くサスペンスシーンは観ていて全く飽きを感じさせません。弁護士のモラルに対する悩み(間違えると悪人を野放しにすることになる)や、取りあえず罪を認めて冤罪でも刑期を短くすることへの葛藤などは既に何度も撮られ尽くされた作品テーマですが、王道なだけにグッとくるシーンもある。そしてそれは主演の下手をしたら路上でたむろってるヤンキー兄ちゃんにしか見えないマシュー・マコノヒーが実に真剣な表情で悩むからこそ観客を惹きつけるのだと思いました。クローズアップを多用する撮影は正直好きにはなれませんでしたが、総括して手堅く纏まった法廷サスペンスだったと思います。軽く観るにはオススメ。
[映画館(字幕)] 7点(2012-07-22 17:13:16)(良:1票)
510.  メリダとおそろしの森 《ネタバレ》 
まずアヴァンタイトルでヤラレタ。幽玄だが雄大な大森林に鬼火が浮かび消える静寂のシーン、そこから突然モルデューがメリダに襲い掛かりそれに父親が応戦し躍動感溢れるシーンになだれ込み、バーンと「BRAVE」とタイトルが出る。もう森林の美しさからアクションのダイナミズムの連鎖にすっかり心奪われました。この一瞬で作品世界に没頭できるアヴァンタイトルは素晴らしかった。ただ本編はどうだろう?個人的にはこれまでピクサーが作ってきた作品と比較するとどうも脚本に練りが足りないと感じてしまった。お話はいつものピクサー通り実に単純、王女になりたくないお転婆な娘メリダが母との対立を乗り越えて和解し王女としての自分を自覚するという、早い話が「ローマの休日」に良く似た話だ。一見コミカルなキャラクター、畳み掛けるアクション、しなる弓まで表現できているアニメーションは面白いのだが、どうもしっくりこない。理由はメリダ、父、母、(僅かながら3人の弟たち)しかキャラクターの内面をしっかり描いていないからだと感じる。特にメリダの花婿候補となる3人は登場場面の面白さはあるものの、その後の活躍や必要性は皆無とすら思える。折角メリダが女王としての責任に目覚める話で、候補が3人もいるのだから例えば他の2人は粗野なだけだが1人は王子にしては繊細な気質で真逆の性格であるが故にメリダと惹かれ合うとか色々想像できる。そうするとディズニーお得意のロマンスも入れられるし何より観ていて楽しい。もう少し脇のキャラクターにまで気を遣ったら最後の別れのシーンなども感動的に感じられたのだろうと思う。それから致命的なのがメリダがあまり可愛く感じられないということだ。別に見た目のことを言っているのではなく、主役の彼女でさえ特にお転婆であるという以上のキャラクター性が感じられない。本家ディズニーが直近で作った傑作アニメーション「塔の上のラプンツェル」の主人公の少女も同様にお転婆だがどこかロマンチストな部分があったりするからそのギャップが実に可愛いヒロインだった。メリダももう少しお転婆以外の要素があった方がキャラクターとして純粋に魅力的になったと思うのです。
[映画館(字幕)] 7点(2012-07-22 16:49:07)
511.  ヘルタースケルター(2012) 《ネタバレ》 
正直言って沢尻エリカはそんなに好きではない女優です。テレビの報道はそりゃバイアス掛かっているのでしょうが、それ程演技も上手くないのに日本から干されたから「ハリウッドで活躍したい」とか話したりしている姿勢がどうも好きになれなかった。そのカムバック作品を本作に選んだのは素晴らしいと思います。劇中のりりこは沢尻エリカ本人にしか見えなかった。大衆の望む通りに振る舞うりりこは沢尻エリカそのものです(スキャンダルを度々起こす点まで)。沢尻エリカで無かったらこれ程キャラクターの存在感は出なかったと思います。劇中でバンバン脱いで、濡れ場もこなす姿勢も実に良い。私は現在の必要なシーンであっても誰も脱ごうとしない邦画界で脱ぐ女優さんは無条件に凄いと思っているので、今回の沢尻エリカも良くやってくれたと思います、何よりエロかったしね。ただ彼女が脱いだから諸手を挙げて万々歳かというと全くそんなことは無かった。沢尻エリカの演技が他の女優に比べて目劣りしてしまうのは仕方ない(なんせ寺島しのぶ・桃井かおり・原田美枝子だ。相手が悪すぎる)ですが、蜷川監督の演出に問題があり過ぎる気がします。くどい程出てくるスローモーションを多用したPVみたいな極彩色の撮影シーンなんかは監督の作家性であるとしても、キャラクターの描き方の薄さはどういうこっちゃ?私は御曹司の窪塚洋介と検事の大森南朋が出てくる度に呆れていいのか笑っていいのか判らなくなりました。監督なんだから役者には演技指導しようよ!この二人はマジでカンペを読んでるだけのレベルの演技です。それから最高にダメだなーと思ったのがエンディング。この映画で一番観客のエモーションが高まる部分ってベートーヴェンの交響曲第九番第四楽章が流れるシーンだと思うのですよ。音楽的にもこれだけ長く第九流してクライマックスってことは「時計仕掛けのオレンジ」のオマージュか!と思ったら……まだ続く。で次の記者会見のシーンは青く美しきドナウが流れて、今度こそ「2001年宇宙の旅」オマージュ(使う場所は違うが)でエンディングだな!と思うと……やっぱりまだ続く。しかもこの後の5分間は実はりりこは生きてましたーという説明の為だけのシーンなので実際に映画のテンポは死んでしまっている。ホントに終盤の蛇足に継ぐ蛇足感で結構台無しにしちゃってると思いました。でも結論として沢尻エリカのヌードを見れたから良かったよ。
[映画館(邦画)] 7点(2012-07-16 20:13:31)(良:1票)
512.  マイ・フレンド・フォーエバー 《ネタバレ》 
小学生の頃に観てデクスターの靴が河を流れていくラストカットでワンワン泣いた記憶がかすかに今も残っていた。今回念願のDVD化となり鑑賞したが、やはり良い映画だった。なんせエリックとデクスターの友情がとても純粋なのだ。エリックは母親の愛情に飢えている少年でデクスターの母親に微かな母性を見出し、デクスターは自身の病気の為に友達が欲しい少年だが病気の自分にそんな存在はあり得ないと思っておりいつも心に孤独を抱えている。孤独な二人が邂逅したからこそ真の友情が芽生えたのだと思う。エリックは子ども染みたやり方とは言え、本気でAIDSの特効薬を探すために奔走するし、デクスターもそれに全力で答えようとする。全力で相手のことを考える、これこそ真の友情だと思いましたね。デクスターが死んでしまうシーンに至るまでもウェットな空気を出来るだけ避けているのもいい感じ。それから小さい頃には良く分からなかったけれど、今観返すとやっぱりエリックの母親に詰め寄るデクスターの母親のアナベラ・シオラに一番グッと来ました。息子を亡くしたにも関わらず気丈に振る舞う母親像をああも見事に演じ切っていましたね。細かな演出もいい感じです。特にファーストカットがエリックの靴から始まり、ラストカットがデクスターの靴で終わるのは素晴らしい。いつまでも続く友情の象徴の様に思えました。
[DVD(字幕)] 7点(2012-07-14 01:17:37)
513.  マッチポイント 《ネタバレ》 
話自体は物凄くチャチというかケチな話ですよね。入り婿として結婚したにも関わらず他の女に手を出してその相手を妊娠させてしまう。そして妊娠が露見することを恐れて口封じの為に殺すって、ホント昼の2時間ドラマに出来そうなくらい嫌味な言い方をするとしょーもない話。ただこの主人公は最後まで逃げおおせる。これはキリスト教的には非常に変な話ですね。善なるものには祝福が与えられ、悪なるものには苦しみが与えられるはずなのに主人公はのさばる。つまり悪しきものが最後まで生き残ってしまう。しかしこの映画のテーマは運命であることは明確な訳です。オープニングから繰り返し"ネットに弾かれたテニスボール"というモチーフがいたるところで登場する。ボールがどちらのコートに落ちるかは分からない。それは人間の運命を司るような例えば神が決めることです。彼は最後に巻き添えで殺した老婦人のアクセサリーを河に投げ捨てる。その中の腕輪が橋の手すりに当たる、まるでネットに弾かれたボールの様に。主人公はこの腕輪が河に落ちなかったことで無罪が証明されてしまう。つまり運命(神)が殺人者である彼を生かしたのでしょう。こういう物語が西洋で撮られるのは非常に面白い、というか興味深かったです。常識を超えるストーリー展開ですから。まあそんなことよりスカーレット・ヨハンソンがエロくて素晴らしかったですね。ウディ・アレンはお爺ちゃんになってもこんな映画をとるんだからホントに助兵衛なんだろうなあ。
[DVD(字幕)] 7点(2012-07-11 00:15:24)(良:1票)
514.  崖っぷちの男 《ネタバレ》 
実に観客のニーズに合った作品だったと思います。少なくとも私には合っていました。個人的にサクっと気軽に観れるサスペンスを期待していたので満足度は高かったです。お話は「フォーン・ブース」の様な街の限定された場所で起こるサスペンス。緊迫感は断然フォーン・ブースの方が電話などの小道具を上手く使っているので勝っていますが、本作は飛び降り自殺を図る主人公の話と同時に警察内での汚職とダイヤモンドの強盗事件が進行するので常にテンションが上がる仕組みになっています。ですから最後までダレることなく観ることが出来ました。それ程長くない上映時間も良いと思います。それだけ短い分、脚本に穴ぼこが幾つもあるのは仕方ないでしょう。興味深かったのはこういう娯楽映画でもリーマンショック時に金儲けをした人間が敵になっているということ。ゴリゴリの左翼的な映画を撮る監督ならまだしも、本作の制作は大会社ディズニー(の関連会社のブエナビスタ)。しかも舞台はニューヨークですので、昨年の"Occupy Wall Street"運動の影響力を強く感じました。まあそれだけ現代的な問題を孕み現実味のある話なのですから、もう少しドキュメンタリー映画出身監督らしいタッチで撮っても良かったんじゃないかと思いましたね。それから役者陣が総じて良かったです。コンサバ野郎のエド・ハリスを筆頭に、武骨な元警官のサム・ワーシントン、"Shit"と"Son of a bich"の台詞が超似合うエリザベス・バンクス、そして妙にエロいジェネシス・ロドリゲス、キャスト全員がそれぞれの役にピッタシでした。
[映画館(字幕)] 7点(2012-07-08 19:16:10)(良:2票)
515.  アニー・ホール 《ネタバレ》 
本作のアカデミー賞の授賞式を辞退したウディ・アレンにとってこの映画を絶賛することは不本意であると思うのでこれ位の点数にします。いや実際にロマコメとしての面白さはこの位の点数だったと思ってしまったので。第四の壁の破壊や驚異的な長回し、脱ハリウッドを意識しているであろうニューヨークのカットの数々、これらが如何に後世のコメディ作品に影響を与えたかを想像するのは難しくありません。これを非常にペシミスティックな主人公アルビーとキャラクターとしての魅力をあまり感じさせないアニーでビシッと成り立たせてしまうのですからその手腕にはとんでもない物があると思います。ではこの映画は結局なんだったのか?ウディ・アレンは本作を通して"脱ハリウッド"、"自身の厄介としか言えない性癖"、"スノッブな人間への嫌がらせ"をしたかったのか?私には恥ずかしながら良く分からなかった。確かに何か知らないが人を惹きつける作品だったことは確かだと思います。その何かがはっきりと分かった時に評価を変更するかもしれません。
[DVD(字幕)] 7点(2012-07-02 23:14:14)
516.  アメイジング・スパイダーマン 《ネタバレ》 
リブート物の一作目としてはこの位が妥当だったと思います。しかし裏を返せば予想を上回る面白さは無かったように感じました。アメコミの映画化は1作目ではキャラクター紹介に終始してしまうことは常であり、続編でキャラクター毎の悩みや葛藤を描き傑作になるパターンが多いので(ノーラン版バットマンやライミ版スパイダーマンみたく)、続編で愛する人を巻き込むのか、実生活とヒーロー活動との折り合いをどうするのか等、スパイダーマンではお馴染みの悩みを出していってほしいところです。ただピーターがグウェンの父親に「娘にはもう近づくな」と言われておきながら(しかも遺言!)、最後にちゃっかり約束破る気満々なのには笑ってしまいました。高校生だからサカッてるのは分かるがもう少し自重しろ、オメー。ただ3Dに関しては良かったと思います。近年に良くある「これ3Dにした意味ある?」というものでは無く、スパイダーマンのウェブによるハングを疑似体験させるというハッキリとした理由がありますね。しかしキャストに関してはどうだろう。ライミ版ではピーター役のトビー・マグワイアが童顔なこともあってか高校生でも納得だったのですが、今回はピーターもグウェンもどう見ても高校生って歳じゃねーだろ、コスプレだろと思ってしまいました。まあグウェン役のエマ・ストーンもインタビューで「きっと老けた顔の高校生ばかりの学校なのよ」と自嘲気味に話してましたが。続編になると数年のインターバルはあるだろうし、より容姿的に高校生は演じにくくなるんじゃないかなと少し心配です。ソニーは学園生活のスパイダーマンを作る為にリブートしたらしいので、続編も高校生として登場するんでしょうが。なんせほぼ毎年作成されていたハリポタでさえ、最終章ではオッサンが杖を振り回しているとしか思えませんでしたからね。とにかく続編に期待。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-30 22:24:37)(笑:1票) (良:2票)
517.  幸せへのキセキ 《ネタバレ》 
この手の映画はちんまい女の子を可愛く撮った時点で勝ちだと思います。「アイ・アム・サム」のダコタ・ファニング、「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリン、そして今作ではマギー・エリザベス・ジョーンズの様にです。とにかくミー家の末っ娘が可愛いんだこれが。動物園の生き物に夢中になっていると思えば、大人顔負けのシニカルなギャグを飛ばしたりもする。そのコロコロと変わる表情の豊かさを観ているだけで「OKー!」という気になってしまったのです(念の為に言っておきますが断じてロリコンではありません)。それから主人公の兄のトーマス・ヘイデン・チャーチの役柄も「サイドウェイ」の時の役と殆ど違わない様なキャラで観ているだけで笑いがこみ上げてきました。相変わらず何でも女が基準なんだな、お前は。お話も小さな世界のちょっと幸せな話といった感じで気楽に楽しめますね。もうお腹も出てきてオッサンな主人公が自身の生活への不満を虎の一騒動と同期させて描くのも上手いと思いましたね。主人公が基本的に自身の心情を吐露しないこともあり、ここの魅せ方の上手さは秀でていたと思います。ちょっと残念だったのは音楽の盛り上げ方でしょうか。とにかく泣きを入れるシーンでは感動的なテーマ曲が鳴り響くのでちょっとそのしつこさに辟易してしまった感はありました。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-16 23:17:13)(良:1票)
518.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 
正直、ファーストシーンでテーマソングに合わせて延々とパリの街並みが映された時はどうしようかと思いました。「何故こんな旅行会社の販促VTRを撮ってるの?俺は映画館に"世界の街道をゆく"を観に来てんじゃないんだけど」と思っちゃった訳です。しかしその心配もオープニングだけで杞憂に終わりました。主人公は懐古主義というか1920年代のパリの芸術活動とパリの街並みが大好きっていう良い歳したオッサンです。彼は最後の最後にどの時代の誰もが懐古主義になりやすいことを知る。現代はモダン派に憧れ、モダン派は印象派に憧れ、印象派はルネサンスに憧れ、ルネサンスは……以下略、とどの時代だってそう。その中で「俺は俺の好きなようにやる、他人の評価なんて気にするな」とハッキリと言い放ったヘミングウェイが最も正しい芸術家の様に思える。そして主人公はパリに住むことを決心し異なる価値観を持つ恋人と別れ、自分自身の今現在の理想に向かって雨のパリを歩き始める。それはオープニングの様な一般的に誰もがステキ!と思えるような明るいパリでは無く、雨が滴る夜のパリなのだ。っと懐古主義の人間に見せたら完璧に嫌味になるような映画でしたね。かく言う私も今の映画は詰まらんとかたまに言ってしまう人間なので気を付けます。 それから主人公の彼女の役柄も良かったですね。彼女は憧れのパリを溺愛する主人公を理想主義者だとか現実を見ろだとかなじりますが、彼女も同じなんですよね。彼女はインチキインテリ男が言っていることは何でも正しいと思ってしまう。つまり理想しか見えていない。理想像の言うことは何でも正しく、たとえ正しくてもどこぞの物書きの彼氏の言うことは勘違いと決めつける。これは終盤まで理想の20年代を絶対視している主人公と全く同じです。 あと劇中のギャグの多くが当時の芸術運動を知ってないとチンプンカンプンなので、そこらへんは少し観客を選ぶ映画でしたね。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-10 18:01:37)
519.  ドライヴ(2011) 《ネタバレ》 
一言で言ってしまうと陳腐だと思います、ストーリーに関しては。偶然に偶然が重なり人妻と親密になっていく前半部は特に都合の良いシーンの連続。しかも中盤から人妻の夫が罠に掛けられ殺されて、一連のマフィアの裏金事件に主人公が巻き込まれていく展開は何の意外性も無い。こんな言い方すると怒られると思いますが80年代の安物マフィア映画みたいだと感じます。主人公はどんどん報復に報復を重ね、死体の山が増えていく。しかしそこで往年のマフィア映画でありがちな復讐の連鎖が最後はかけがえのないものまで奪っていく様な展開にはなりません。そして最後に敵のトップを殺したら万事解決となりましたって、どう考えてもストーリーは陳腐です。しかし見ている間は非常に面白かった。何故かと言うと画面に映っているモノに只々目を奪われてしまったからです。オープニングから度々登場する夜の闇と同化したビル群、一転人妻とドライブをしている最中の夕陽(ラストの夕陽も同様に素晴らしい)、そして強烈な暴力描写の数々など目を釘付けにされるカットばかりでした。監督の意図はインタビュー等を読んでいないので解りませんが、ストーリー性を排して「俺はこんな映像を観客に見せたい」という気概でこの映画が製作されたならば、私はその意図に完全に合った観客だったんだと強く感じます。今も各シーンだけ取り出して観たい位だ。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-03 16:07:37)
520.  ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ! 《ネタバレ》 
まず邦題がどうにかならんものですかね。原題の方を前もって知っていたので、やっと見つけた時に「分かるかこんな邦題!」と心の中で叫んでしまった。内容はと言うと非常に脚本が秀逸な作品ですね。伏線の回収の仕方が上手く序盤からグイグイ引っ張っていく。キャラクターに感情移入し難い作品になっていますが、これはこの映画の"選挙"が象徴しているものを考えると仕方が無いでしょう。恐らくですが、3人の立候補者と主人公はアメリカの色々なタイプの人間を表している。トレイシーは勝つ事で人生が手に入ると思っている上昇志向な中産階級、ポールは典型的なプロテスタントのワスプで基本的に頭はカラッポのスポーツマン、タミーはレズビアン(バイセクシャルかも)であるが故に反体制的態度を取るリベラル、主人公のジムは中産階級のセックスしか考えて無い馬鹿なオヤジってところでしょうか。個々のキャラクターがそのシンボルをめちゃバイアスが掛かった演技で表現されているのでまあ感情移入し辛いのも納得。様々な象徴の彼らがどういう風に干渉し合い、勝ち、負けていくのか。それを面白おかしく皮肉って描いたアレクサンダー・ペインの手腕に驚かされました。
[DVD(字幕)] 7点(2012-06-02 14:53:45)(良:1票)
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