映画『沈まぬ太陽』の口コミ・レビュー

沈まぬ太陽

[シズマヌタイヨウ]
2009年上映時間:202分
平均点:5.99 / 10(Review 79人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-10-24)
ドラマ小説の映画化
新規登録(2009-08-08)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2023-12-10)【イニシャルK】さん
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監督若松節朗
助監督石井良和
杉山泰一(監督補)
キャスト渡辺謙(男優)恩地元(国民航空)
三浦友和(男優)行天四郎(国民航空)
松雪泰子(女優)三井美樹(国民航空スチュワーデス)
石坂浩二(男優)国見正之(国民航空会長)
香川照之(男優)八木和夫(国民航空労組書記長)
鈴木京香(女優)恩地りつ子(恩地の妻)
戸田恵梨香(女優)恩地純子(恩地の長女)
柏原崇(男優)恩地克己(恩地の長男)
北村匠海(男優)恩地克己(恩地の長男)(子供時代)
草笛光子(女優)恩地将江(恩地の母)
加藤剛(男優)利根川泰司(内閣総理大臣)
小林稔侍(男優)竹丸欽二郎(副総理)
田中健(男優)井之山啓輔(社進党代議士)
大杉漣(男優)和光雅継(国民航空カラチ支店支店長)
西村雅彦(男優)八馬忠次(国民航空取締役)
渡辺いっけい(男優)石村研介(運輸省課長)
品川徹(男優)龍崎一清(利根川の参謀)
風間トオル(男優)沢泉徹(国民航空労組委員長)
山田辰夫(男優)古溝安男(国民航空遺族係)
横内正(男優)海野昇(国民航空社長)
小野武彦(男優)道塚一郎(運輸大臣)
蟹江一平(男優)大倉浩三(純子の婚約者)
秋野暢子(女優)大倉幸江(浩三の母)
桂南光(三代目)(男優)大倉松太郎(浩三の父)
神山繁(男優)桧山衛(国民航空社長)
菅田俊(男優)志方達郎(国民航空整備士長)
矢島健一(男優)青山竹太郎(民自党代議士)
柴俊夫(男優)堂本信介(国民航空社長)
宇津井健(男優)阪口清一郎(遺族)
木村多江(女優)鈴木夏子(遺族)
清水美沙(女優)小山田修子(遺族)
鶴田真由(女優)布施晴美(遺族)
松下奈緒(女優)樋田京子(国民航空スチュワーデス)
小日向文世(男優)国民航空123便操縦士
長谷川初範(男優)航空管制官
上川隆也(男優)東京地検特捜部検事
津嘉山正種(男優)三成通夫(国民航空副社長)
中野誠也(男優)十時征成(内閣官房長官)
野村宏伸(男優)川崎(ケニアの日本人社員)
烏丸せつこ(女優)樋田光子(京子の母)
音無美紀子(女優)鈴木栄子
小島聖(女優)雪絵(行天の馴染みのホステス)
東幹久(男優)阪口実(国民航空123便乗客)
志賀廣太郎(男優)池坊保友(日本政策銀行会長)
阿南健治(男優)笹本輝明(ジャーナリスト)
秋本奈緒美(女優)赤い着物の女
和泉ちぬ(女優)田中朝子
立石凉子(女優)中山マサ代
中村倫也(男優)平松優哉
加藤治(男優)
藤井ゆきよ(女優)
舟山弘一(男優)
原作山崎豊子「沈まぬ太陽」(新潮文庫刊)
脚本西岡琢也
音楽住友紀人
作曲福原美穂「Cry No More」
主題歌福原美穂「Cry No More」
撮影長沼六男
製作角川映画(製作プロダクション/「沈まぬ太陽」製作委員会)
東宝(「沈まぬ太陽」製作委員会)
製作総指揮角川歴彦
企画小林俊一
配給東宝
美術小川富美夫
録音郡弘道
柴崎憲治(音響効果)
照明中須岳士
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💬口コミ一覧

79.ネタバレ 3時間半近くという異例の長時間上映を長いと思わせないほどのドラマ構成力の高さがある。
長大なドラマの時間経過を巧く処理していて、その構成は完璧としかいいようがない。開始しばらくすると123便が最後の離陸をして墜落直前までの機内シーン
になるが、ここで一挙にこの映画の世界に吸い込まれてしまった。主人公演じる渡辺謙の熱演と同時に、主人公の別人格とも言える行天を演じた三浦友和の演技も良かった。
東大法学部を出ていて、選択によってはエリートコースを歩めるのに
敢えて違う選択をする生き方を肯定的に捉えられるかどうかは観る人によって様々だろう。しかし、誰もが 主人公的な選択、行天のような選択にするかを迷いながら
生きているのではないだろうか。主人公は、家族を犠牲にしている一面はあるが、
最終的に妻子との絆を失っていないことで救われている。様々な圧力や障害が
ある中、この映画の製作や上映に係わったすべての人の勇気に対して10点を付けたい。 

サラウンダーさん [映画館(邦画)] 10点(2009-11-04 01:51:12)
78.ネタバレ まず単純に、労組の問題というものは複雑で難しいものだという印象を受けました。何が難しいって一番に挙がるのは、人間関係。この映画を見て、労働組合をやりながら上司とうまくやっていくっていうのは不可能なんじゃないかと思えたほどです。自分は公務員ということもあり、労組というものに実際に所属したことは無いので鮮明にイメージができるわけではないのですが、こんな状態で仕事なんてできたもんじゃないなと思います(ここまでひどいのはなかなか無いと思いますが)。

話の内容としては、主人公・恩地元(=渡辺謙さん)を中心に、労組での闘いやジャンボの墜落などの出来事を散りばめていき、その時々の彼や彼の周囲の人間の様子を描写していくといった感じ。でも本当に、ここまでの扱いを受けるぐらいなら辞めてしまえばいいのにと観ている側からすれば恩地氏にそうアドバイスしてあげたくなります。愛していた会社からも遠く離れ、家族にも大きな負担を強いて、いったい何になるのかと。しかし、恩地氏自身の気持ちになってみれば、そんな会社に屈することはしたくないと思うだろうし、そんな風に堂々とした態度で生きる自分を家族にも示したいという想いもあったのではないでしょうか。事実、はじめは遠く自分の国を離れることや父との時間を過ごせないことに反発していた子供たちや妻も、時が流れるにつれ恩地氏の不器用ながらも決して筋を曲げない生き方を理解していくようになります。なかなか真似ができるものではありませんが、そんな恩地氏の生き方の10分の1でも自分の生きかたに反映したいという想いを持ちました。素晴らしい映画でした。長い上映時間も全く気にならない、重々しいドラマながらも観た人に鑑賞後ある種の向上心というか、「もっと頑張ろう」と思わせるような余韻を残すような作品でした。

最後に、労組の活動の中で業務時間中にビラ配りをするなどのシーンの描写がありましたが、あれだけが残念でした。日々の業務を粛々とこなし、なおかつ業務時間外で労組として会社の業務の改善を訴えるという姿勢なら、もっと労組に対して感情移入もしやすく、胸を打つ内容になっていたと思うのですが。そこだけは会社の上役たちの反論に「うんうん」と頷いてしまいました。
TANTOさん [映画館(邦画)] 9点(2009-12-03 10:42:10)
77.ネタバレ  JAL…あっ、ごめんなさい。NALは動物園の動物の様でした。
獲物を狩る努力ではなく、国の役人という飼育員から補助金という餌を貰い、それを奪い合う事に力を注ぎ、余った餌は飼育員の私服のポケットに返すといった印象です。

 組合長の恩地の運行安全の為に賞与を上げるという理屈も詭弁に聞こえました。賞与アップと運行安全は直接繋がらないと思います。
もし、本気で安全性向上を考えるのなら、賞与の差額分で整備員を増やしダブルチェック体制を取るとか、整備機材などの設備投資に廻した方が現実的だと思います。

 市場からの売上げのみで運営している一般の会社から見れば、労使交渉も含めて、JAL…あっ、ごめんなさい。NALは、お気楽な会社ごっこです。

 作品自体は原作未読という事もあり楽しめました。長尺な時間も気にならず、役者さんの演技や配役も良かったと思います。
宇津井健さんの演技は安定していましたし、憎しみを持って見てしまうほど三浦友和さんも仕上がっていたと思います。

 恩地が息子と牛丼を食べているシーンや、娘婿の親と喧嘩して手を繋いで奥さんと戻るシーンは良かったですし、特に八木の転落していく過程の中で、組合運動で自分が輝いていた頃の写真を縋る様に見つめ、現実から逃避している姿は、私も八木と同様に、主人公の様に強い人間ではないので目が潤んでしまいました。初めて香川照之さんという役者さんが良いと感じました。

 映像に奥行きが無くのっぺりとしたカットが多い印象でしたが、社会派ドラマとしてなら許容だと思います。
唯一CGが悪い意味で際立っていました。調子が悪かったのでしょうか。
しってるねこのちさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-04-13 15:49:34)
76.前半で主人公がどういう人物なのか丁寧に描いているので、後半の台詞ひとつに重みを感じる。世の中の理不尽な仕組みに辟易もするが、起きた事件よりも最後まで自分を貫き通す主人公の生き方に焦点を当てているので、その姿に好感が持てました。
ホースケ2号さん [DVD(邦画)] 8点(2010-06-19 19:09:19)
75.商売の論理の前には人命さえも・・・。実話に基づくフィクションとはいえ、後味悪いですねえ。
次郎丸三郎さん [DVD(邦画)] 8点(2010-06-02 02:32:07)
74.途中休憩が入る3時間を越える作品だが、よくまとめたと思う。 確かに登場人物は多いし映画で描いている時間軸が長いし、各個人の内面に迫るようなシーンはあまりなかったがそういう説明的な演出がなくても十分に想像で補える。 原作を読んでいなければ先入観無しに勝手に登場人物を解釈できる。 あるいは読んだ上で予備知識を持って観るのもまた良しだと思う。
鑑賞後やり切れぬ思いだけが残る。 日本航空の体質、それに関わる政治家官僚の醜悪さ。 これが日本の本質なのかと思うとどうにも。。
もちろん映画では国民航空という会社名だしエンドクレジットで劇中の会社人物は実在のそれとなんら関わりがないと免責説明をしている。 だがこれが日本航空とそれを取り巻く人間の話であることは明白だし、フィクションではあっても事実を元にしていることも周知のこと。
関西に230人もの未亡人を一気に生んだ。 この台詞はあの墜落事故の大きさ辛さをあらためて再確認させるに足るものだった。
だが有名な「遺書」を映画の中で扱ったシーンはあまりにもお涙頂戴的な安易な演出でまったくいただけない。 最初のシーンは良い、激しく揺れる(ダッチロールという言葉、当時ほとんどの人はこのとき始めて聞いたろう)機内で遺書を書く。 それだけに留めて置けばよかったのだが棺の前でその遺書を息子に読ませるという余計な演出を加えてしまった。 あまりにもわざとらしくて少々しらけた。 そんなことしなくてもあの遺書のことはみんな知っているわけだし十分心に響いているというのに。
それにしてもあれほど会社から、いや出世して会社を牛耳って甘い汁を吸おうとしている連中に虐げられてもなお会社を辞めない主人公というのは私には理解を超えている。 あまりに清廉潔白で人間としてありえないんじゃないか。
とてもよく出来た作品だと思うのだが、CGの質の悪さが作品を貶めているかのようだ。 なんなのあの安っぽい不自然な飛行機のシーンは? 素人が自宅のパソコンででっち上げたかのようだ。 役者の出演料で予算を使い切ってしまったのだろうか。 海外に外注すれば良いのに。 飛行場からの単純な離陸シーンですら不自然極まりない。 せっかくのすばらしい演技が台無しだ。
称えよ鉄兜さん [映画館(邦画)] 8点(2009-12-19 04:53:51)
73.3時間超の映画であったがその世界に引き込まれてしまって決して長いとは感じなかった。自分も会社人間として共感すべきところがあり、また(どこまでが本当かわからないが)○○航空はあんなにひどい会社なのかとショックだった。良い映画だったよ。
ぺんさん [映画館(邦画)] 8点(2009-11-23 00:33:15)
72.ネタバレ インターバルありの3時間30分は決して長くは感じなかったけれど、場面展開がパチパチ切り替わってしまうので、原作未読の者としては、恩地の『そこまでして貫くキモチ』が深く読み取れなかったのが残念。
テレックスを知らない世代としては、テレックスが非常に効果的に見え、タバコも時代を反映しているようだった。
それにしても、KEN WATANABEの存在感は本当にスゴイ。しかも、どの国へ行ってもさりげなくなじんでいる。この映画は渡辺謙あってこそ。恩地にはあまり感情移入できなくとも、渡辺謙にはどっぷりハマる。中でも鈴木京香との場面が私の中では秀逸。
groundhogさん [映画館(邦画)] 8点(2009-11-11 10:53:26)
71.ネタバレ 様々な運命に翻弄されながらも己を曲げずに生きた主人公。
会社・人生とは何か?考えさせられました。
3時間は決して長くはありませんでしたが、御巣鷹山編を描くの
ならアフリカ編との時間配分が難しかったと思う。でも伝わった。
MAKIさん [映画館(邦画)] 8点(2009-11-08 13:41:47)
70.ネタバレ 試写会にて鑑賞。
実に3時間22分の大作で上映中に休憩を挟まれたのも初めての体験。
国民航空という架空の大企業の大組織に翻弄され続ける男の苦悩を描いた作品です。
架空の大企業とはいえ、主題は実際にあった「日本航空機墜落事故」を下地に作者のフィクショナリーを織り交ぜた話で、
フィクションとはいえ、とてもフィクションの世界とは思えない世界です。
話としては、ざっくり行くと日本航空機墜落事故に白い巨塔を足したような話です。
白い巨塔の里見先生みたいなキャラが渡辺謙さんで、財前五郎的な三浦友和さんが居て。
内容を掘り下げることはできないので、イメージとしてはこんな感じです。
しかしながら、白い巨塔を見ても思ってたことなのですが、組織の中で断固として、自分の意思を貫くことって、もう無理というか。不可能な話なんだなぁ、とつくづく思い知らされる一方で、
組織という大波に飲み込まれながらも断固として揺れ動かない登場人物が、そこに描かれているわけです。
一方で、とても憧れる生き方で、美しい生き方だと思いますが、
一方で、巻き込まれる人の事も考えてやれよ、とも思う自分が居ます。
自分の意思を貫くために、自分だけが傷つくことにたらず、時に家族に、時に仲間に、大事な人たちへと飛び火してしまうことがあっても、
山崎先生の描く世界のキャラクターは揺らぎながらも貫き通してしまいます。
回りの人間を巻き込むことを恐れてしまう自分が弱いだけの人間なのかもしれませんが、
まだまだ若輩者の自分には、理解できない世界なのかも知れません。
バニーボーイさん [試写会(邦画)] 8点(2009-10-17 00:32:34)
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69.長丁場にもかかわらず飽きずに楽しく観れた。悪もちゃんと裁かれて良かったです。 新おにぃはキターって感じでした。
すたーちゃいるどさん [地上波(邦画)] 7点(2012-05-06 10:07:10)
68.内容からしてしかたがないが、最初から最後まで重い気持ちで見なければならず、つらかった。録画して、何日にも分けて見なければならなかった。特に、最初の事故のシーンはつらくてつらくて、もう見るのをよそうかと思ったが、何とか最後まで見られた。個人的には、豪華俳優陣を揃えた映画は好きではない。西村雅彦は西村雅彦として、小林稔侍は小林稔侍として見てしまい、役柄として見ることができないからだ。しかし、渡辺謙だけは恩地元として見ることができた。本当にいい俳優だと思った。ただ、渡辺謙と三浦友和が同世代の設定なのが非常に違和感があった。この2人の俳優の実年齢は7年9か月の差があり、私の感覚としては、三浦友和は渡辺謙の1時代前の俳優だからだ。
チョコレクターさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-05-17 10:24:44)
67.ネタバレ 原作未読。中盤あたりの上層部の思惑や政治家の駆け引きは、端折った感じがしてならなかった。しかし、内容は共感できた。どんな状況でも負けなかった主人公とそれを支える家族。最後に飛行機事故の遺族に、私の今まで受けた苦しみはあなたには到底及ばないと言い切る。俺もあんなふうに生きたいね。
ラグさん [地上波(邦画)] 7点(2011-02-28 22:14:34)
66.ネタバレ  日本航空というナショナルフラッグが何故沈んでしまったのかが良くわかる作品でした。

 官僚主義がはびこる大企業、政・官・財が癒着して一部の人間が甘い汁を吸う社会構造・・・・昭和の日本社会の暗部がこれでもかと映し出されています。会社員をやっているものからすれば、やや主人公をヒーローとして描きすぎな印象を受けました。自分は優秀なのだからそれに見合うキャリアを進ませるべきだ、それなのに腐敗した幹部が私怨で邪魔をしているというような思い上がりとも思える本音がどうも鼻につくんですよね。ただ、善悪をはっきりと分けているので非常に物語としては面白く、3時間を超す上映時間も苦になりませんでした。
 
 日航機墜落をモデルにしたと思われる、墜落事故とその後の様子は非常に興味深かったです。

TMさん [地上波(邦画)] 7点(2011-02-13 16:37:34)
65.久々の長編小説の映画化であり力作であるが、正直に言って原作者の主張が十分発揮された作品であるとは言い難い。
たしかに原作をなぞってはいる。しかし、あれもこれもという形だから散漫になっているし、時代背景や組合活動、それに親方日の丸と揶揄される会社組織の実態を知らないと上っ面だけを見てしまう結果になる。
高度成長期の頃は利益を上げることが優先されすぎて、飛行機の安全点検や労働環境改善などは軽視されていた。また国が後ろ盾になることで放漫経営が発生し、閉鎖性によって内部組織は腐敗していた。これは国民航空だけでなく、三公社五現業と言われる団体は似たり寄ったりであった。
原作者はこれにメスを入れることで、どうあるべきかを社会に問うているのである。
飛行機事故は一度起これば常に大惨事を招く。そうならぬよう、常に99.99%以上の安全性を図らねばならないということを強く印象づける映画であってほしかった。
ESPERANZAさん [映画館(邦画)] 7点(2011-02-12 22:02:23)
64.200分を超える重厚な作品で決して派手さがある作品ではないですが、その長さが全く気にならなかった。会社とは、仕事とは一体何なのか?会社と遺族と、守るべき家族の間で苦悩しながらも良心や己の信念を貫く恩地という一人の実直な男の生き様には考えさせられることが多い作品でした。労組の委員長としては組合員の生活を守るという立場もあるが、その頃もその後も一貫して彼の心は常に乗客の安全にあり常に遺族のためにあった。実際にあの会社にモデルとなった方がおられたのでしょうか?会社から不当な扱いを受けようとも己の信念を曲げない(これは会社勤めの人間には本当に難しく辛い生き方です。)一人の男の誇りと生き様を演じた渡辺謙の素晴らしい演技を堪能しました。一方で恩地と同期であり労組でも同じ釜の飯を食ったがその後は対極の道を歩んだ男を演じた三浦友和の感情を押し殺したような演技もまた素晴らしかったです。同じ会社勤めの人間として、恩地の生き様にはいい勉強をさせてもらったと感じています。
とらやさん [地上波(邦画)] 7点(2011-02-11 23:57:12)
👍 1
63.ネタバレ 3時間を飽きさせない壮大な映画。原作が素晴らしいのでしょう。日本人として決して忘れてはならない航空機事故を正面から捕らえた真摯な映画です。邦画の底力を感じました。
カボキさん [DVD(邦画)] 7点(2011-01-08 02:34:37)
62.ネタバレ 企業トップの不正や政界との癒着を告発するような正義を描いた作品とは思わなかったです。一人のサラリーマンの生き方、その矜持とはどういうものかがテーマだと思います。恩地の海外勤務が延長された時、彼には辞める選択肢もあったはず。何故、辞めなかったのか? 負けた気がするからです。誰に? 楽な道を歩もうとするもう一人の自分に。人は基本的に弱い生き物で、すぐに楽な道に流れて行こうとします。そんな誘惑と戦う意思の総体が「矜持」です。自負・プライド・意地・自信・信念・虚栄、などで構成される。それは個をかたち作ると同時に縛るものでもある。自らの矜持と心中するような恩地の生き方は、お世辞にも上手とは言えません。一方の行天も彼なりの「矜持」は持ち合わせているが、順風を受けている時には現れず「欲」によって封じられる。この二人を較べたとき、人間の強さという概念が浮かびます。私は一概にどちらの生き方が良いとは言えません。いつか、それぞれが人生を振り返ったとき、その胸に去来するものでしか人生は測れない。私事ですが、過去に不本意な異動を命ぜられたことのある者として、本作は重い作品であると同時に興味深い作品でした。本作に描かれる矜持は、徹底して楽に生きないための戒めです。私は恩地ほど意固地じゃないけれど、職を辞さないのであれば、不本意と自らの矜持に折り合いを付ける必要が生じます。それは葛藤であり、生き方の軌道修正を余儀なくされる。生き方とは環境と矜持の接点から導かれるのだと思います。個人的に「沈まぬ太陽」とは矜持を抱き続ける姿勢と解釈します。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-01-01 15:19:17)
61.ネタバレ あらすじをさら~と見ている感じ。まあ、でもそれは原作が長編なので、逆に未読の方は原作読んでみたい,と思わせるかも。 個人的に好きな会長室篇がだら~となってるのは惜しいかも。

キャストは確かに豪華なんだけどなんか全員ちょっと力み過ぎな。渡辺謙も。演技が大袈裟(=いつもどうり)
大仰な演技が目立ったのは脇役陣も。下手な人はもっと目立つ(鈴木京香)。小林稔侍はもう本当に酷い。。

個人的には三浦友和が最もインパクトがあったかなー。良かった凄く。
感情の起伏の表現の仕方が本当に巧い。

最後,誠に惜しい音楽。以上。


Peccoさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-11 23:51:52)
60.長時間だったけど十分堪能できた。それでも、原作自体がボリューム十分なんで、浅くなぞった感も伴う。テレビドラマ2クールくらいの時間が欲しかったかなあ。主演の渡辺の演技力も作品の評価をあげる。三浦は少しいい人オーラが潜在的にあるんで、少し食い足りなかったか。邦画としては十分合格点には達している。
タッチッチさん [DVD(邦画)] 7点(2010-12-10 23:34:02)
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【点数情報】

Review人数 79人
平均点数 5.99点
000.00%
133.80%
211.27%
322.53%
456.33%
51316.46%
62126.58%
72430.38%
8810.13%
911.27%
1011.27%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.50点 Review8人
2 ストーリー評価 6.69点 Review13人
3 鑑賞後の後味 6.54点 Review11人
4 音楽評価 5.55点 Review9人
5 感泣評価 5.75点 Review8人

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