映画『過去のない男』の口コミ・レビュー

過去のない男

[カコノナイオトコ]
The Man Without a Past
(Mies vailla menneisyyttä)
2002年フィンランド上映時間:97分
平均点:7.05 / 10(Review 79人) (点数分布表示)
公開開始日(2003-03-15)
ドラマコメディロマンス
新規登録(2003-07-22)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2012-06-01)【イニシャルK】さん
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監督アキ・カウリスマキ
キャストマルック・ペルトラ(男優)過去のない男
カティ・オウティネン(女優)イルマ
サカリ・クオスマネン(男優)アンティラ
アンニッキ・タハティ(女優)救世軍のマネージャー
エリナ・サロ(女優)造船所の事務員
エスコ・ニッカリ(男優)銀行強盗
アイノ・セッポ(女優)
ティモ・リンナサロ(男優)レストランに居る男
菅生隆之過去のない男(日本語吹き替え版)
塚田正昭ニーミネン(日本語吹き替え版)
楠見尚己アンティラ(日本語吹き替え版)
脚本アキ・カウリスマキ
挿入曲クレイジーケンバンド「ハワイの夜」
撮影ティモ・サルミネン
製作アキ・カウリスマキ
配給ユーロスペース
編集ティモ・リンナサロ
録音ヨウコ・ルッメ
字幕翻訳石田泰子
動物ハンニバル
あらすじ
何やら夜行列車に乗ってヘルシンキへとやって来た男。しかしヘルシンキに着くや否や暴漢に襲われ、そのショックで全ての記憶を失ってしまう。何とか一命は取り留めたものの、この名前さえ知らない男はコンテナで暮らす人々や、救世軍の女イルマと出会い除々にまた"新たな人生"にも希望が生まれてくる。・・・「浮き雲」に続くフィンランド三部作その2。カンヌではグランプリ、主演女優、パルムドッグを受賞した。
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💬口コミ一覧

79.ネタバレ 第二次大戦中、フィンランドは日本と同じ枢軸国側に立って戦った国です。映画の最後の方の列車の場面で、主人公は箸を使って寿司を食い、日本酒を飲み、バックには演歌が流れています。登場人物にステレオタイプの善人は皆無で、みんな笑うと損だと思っているかのような無表情。唯一善良なのは危険きわまりないとお墨付きの猛犬ハンニバルくらいでしょうか。風景は暗く、うそ寒く、救いようのないという点であまりにもリアルで、デズニー映画の対極にある傑作映画です。後半、救世軍のバンドが炸裂するシーンは今も目に焼き付いて離れません。
きのう来た人さん [DVD(字幕)] 10点(2009-01-17 06:59:22)
78.ネタバレ ああ・・・この独特なテンポと、じんわりくる雰囲気。もうたまらんです。
初見は「コントかよ」とか突っ込みを入れたくなるようなシーンも、回数を重ねて
見るたびに味が出る出る。傑作。音楽も最高。寿司最高。
モフラーさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2006-11-01 21:43:54)
77.久々の10点。選曲の良さもさることながら、この映画全体を包み込んでいる暖かい空気がたまらなくいいですね。もう一度みたい映画の一つです。
トナカイさん [CS・衛星(字幕)] 10点(2005-08-24 23:10:51)
76.レンタル屋であれっ、このおばちゃん・・・と手にとってました。料理してる男が顔をあげると、イルマとハンニバルがこちらをじっと見つめてる・・・いいじゃないですか~。妙~に居心地がいいです。
ジマイマさん [DVD(字幕)] 10点(2004-02-18 19:59:09)
75.ネタバレ ストーリーは平凡です、でもその平凡さが非常に良いのです。大した事件も起きずにただ黙々と日常が過ぎていく。いきなり冒頭から主人公が暴漢に襲われて記憶を失ってしまうため、観ているこちら側としても男の素性は一切分かりません。最後に自分が誰なのかを知ることができた主人公も、最終的には過去を捨てて違う道(=未来)を歩むことを決意します。「過去のない男」は言うなれば「人生をリセットした男」でしょう。エンドロールの歌もしみじみと物語の良さが伝わってくる、素晴らしい映画でした。
かんたーたさん 10点(2004-02-11 13:48:46)
👍 1
74.『もっとわさび』サイコー。
カティ・オウティネンがやっと幸せになった!!
キンセさん 10点(2003-10-25 01:48:23)
73.記憶を無くす、名前を無くす、過去を無くす。それは、自身の存在証明を無くすこと。なーんて言ってたりすると、つい、安部公房の『壁-S・カルマ氏の犯罪』とか『燃えつきた地図』を思い出しちゃうんですけども。しかしこちらは映画作品。過去を失い帰属を失い、ただ「現在」のみを生きる主人公の姿が、映画ならではの語法で描かれております。それは、彼を取り巻く冷徹な「視線」。いささか戯画化された登場人物たちの立ち居振舞いにおいて、表情というものが徹底的に抑えられ、その中で強い印象と緊張をもたらすのが、主人公へと注がれる、他者たちの冷たい視線の数々。その視線は主人公を通じて我々にもブスブス突き刺さってきて、ナントモ居心地のわるーい映画体験になっております。しかし、結末はいかにも「ものがたり」らしく、ユメのあるまとめ方、実に心憎い。拍手!!
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-04-12 23:15:20)
72.ネタバレ 静かだけれど確かな時間がこの作品にはあります。
貧乏ながらもジュークボックスのあるお部屋は素敵です。
淡々と進むお話で、主人公にこれほど惹きつけられるとは。
恋人の慎ましさにも、大いに共感しました。
たんぽぽさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-04-18 20:48:25)
71.台詞や演技よりも画面に映っている絵で物語を理解させる作りは好感が持てる。
みんなタバコ吸い過ぎです。空調の効かない金庫室の中で吸うのだけは遠慮して欲しかった。
過去のない男を何とか拘留しようとする警察に法律を空(そら)で唱えて言い負かす弁護人が一番かっこいい。そして、救世軍の淡谷のり子が毎夜夢に出てきてブルースを切なく歌う。思い出すとまた今夜も眠れない。
WEB職人さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-05-15 08:27:55)
👍 1
70.久々に2回観た映画。現実世界を良質のふるいにかけて、残ったものを美しい色と素敵な音楽で味付けした感じでした。苦味も甘味もしょっぱさもいろいろ入っているけど後味はなぜかとてもすっきりしています。ごちそうさまでした、という感じ。
クリロさん 9点(2004-04-25 19:35:22)
👍 1
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69.ネタバレ かなりツボ。始まって十分も経たないうちに主人公が死んでしまうなんて…。それにしてもおっさんとおばさん最高です。特におばさんは歩き方からしてもう監督カウリスマキワールドの象徴て感じです。「人生は後ろには進まん。進んだら大変だ。」の言葉にはしびれました。音楽の使い方もかなり凝っていてよかったです。
kanekoさん 9点(2004-03-18 02:21:36)
68.貧しくても豊かな世界がこの映画には広がっています。鑑賞後、とても気分がよくなりました。カウリスマキはかなり小津安二郎作品にかなり影響を受けてますね。あと、クレイジーケンバンドの挿入歌が!!
シュンペーターさん 9点(2004-02-17 23:56:12)
67.全体的にポップに撮られていて、カウリスマキ監督が開かれた作品を撮ろうと意識して作ったのだろうなということが感じられます。色彩もとてもカラフル。ギャグも冴えていて劇場は笑いに包まれていました。物語にも動きがあり、とても見やすいです。ただ、普通の映画っぽい方法論を導入していることで、カウリスマキの強烈な個性はやや薄まっているような気もしました。でもステキな映画です。
藤堂直己さん 9点(2004-01-25 11:09:41)
66.この映画のことを思い出すとほっとする。過去をなくした男の素朴な生活や、気になる彼女とのデートなど、どれもささやかだけど幸せなにおいがする。ハンニバル、こいつも素朴な犬でかわいかった。気持ちがささくれ立っているときに見るといいかもしれません。今年一番しみじみと「良い映画だったね」と言える一本。
のはらさん 9点(2003-12-30 03:12:52)
👍 1
65.ネタバレ いきなりネタバレですが、過去のない男がお湯をもらって紅茶を飲む(いや、たぶんもうあれは紅茶じゃないだろうけど)シーン、好きです。最初のミイラみたいなとき、鼻の曲がりは逆じゃなかった?
Bridgetさん 9点(2003-08-05 03:03:38)
64.ネタバレ うう。
「お母さんはどうした」って、あのセリフが引っかかってしようがないのですが、そうすると花守湖さんのおっしゃるとおりなのでしょうか。なぜあそこで妻の母の話が出る。
そうすると根本的に違う話になってきます。私はうっすらと「過去がない人間がいったいどうだというのか」と考えながら見ていたのですが、素直に見ると「過去がなければ悪意ももたない」というふうに見ることができます。
この話でもっとも重要なのは「悪意と善意」です。ぜったい悪意がありそうな人が、実はそうでもなくて助けてくれるという、私たちが通常認識している「この世界」とは違う世界がここにある。
「過去がなければ悪意をもたない」のなら、「悪意は過去に原因がある」であり「過去の出来事が人に悪意をもたせる」でしょう。
けれどけれど、花守湖さんの説のとおり、そして「お母さんはどうした」を素直に受け止めるなら、カレは「過去があるけど意図的に悪意を捨てようとしていた」になります。そして作り手はカレに何も説明させないので、うっかりと見過ごしてしまいそうになります。
すると、溶接工なのに「オレは農民だから」とじゃがいもの処分方法についてしつこく説明するとかいう部分はなんだったのでしょうね。身元を隠したいなら港で突然溶接作業を手伝ったのはなぜなのか。
カレの行動は謎だらけで、カウリスマキの意図は解明できません私には。
とりあえずカレは「悪意を捨てる」ことに成功しました。意図的にか、図らずもかは不明ですが。
そして1人も魅力的な容姿の人物が出てこないこの作品を見て、うすぼんやり思いました。私たちは若くなくても、美しくなくても、お金がなくても、役に立たなくても、〝生きていてもいいのだ〟と。それどころか〝恋をしてもいい〟だし〝他人の善意に甘えてもいい〟でさえあるのです。
こういう感想を抱かせる映画はあんまりない。死にたい気分の人はぜひ見てほしい。
それから「なぜ電車の中で寿司を食う!ジャパニーズ・サケを飲む!クレイジーケンバンドのムード歌謡を流す!」!!
この監督は馬づらの女性が好みみたいです。なかなかひねった趣味です。
パブロン中毒さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-02 12:59:26)
👍 2
63.ネタバレ 本作にはいわゆるラブ・ストーリーがあるのですが、映画において主役にロマンスがおとずれる場合、美男美女もしくは片方がそれに値しないとはじまらないと思っていたのですが…、なっ、な~んと!そんな必要は全くないということを見事に証明してくれました。失礼ながら〝過去のない男〟もイルマも全く美男美女ではないうえに、もう枯れかけているオッサンとオバチャンときているのです。それなのに、身元が判明して女房のもとへ帰ることになった時、コンテナにイルマがやってきて男と抱き合うシーンが驚くほど感動的に見えてしまうのです。これは凄いことですぞ。さらに普通なら失礼ながら気持ちが悪くなってしまうキスシーンがなんと艶かしいのでしょうか。色使いにしてもそうですけど、普通は毒々しくなってしまうものを決してそうは感じさせないのがカウリスマキ監督の凄いところですね。それから忘れてはならぬのが、と言いますか、忘れられないのは救世軍の女ボスが歌うシーン。これが強烈です。
ミスター・グレイさん [DVD(字幕)] 8点(2008-07-15 18:19:00)
62.蟹江敬三さんと岸田今日子さんの濃ゆいオトナの恋に心ワシ掴みされました。音楽も最高ですね。
ふぉんださん [DVD(吹替)] 8点(2007-04-06 18:56:06)
61.言葉の無いラブストーリーがたんたんと流れていく。イルマの流す涙も音を立てずに流れ落ちる。そっと後押ししたくなるようなほのぼのさ。好き嫌いが分かれる映画だと思う。もちろん大好き。
omutさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-09 08:34:54)
60.俺はタバコという記憶を常に消し去りたいと思っている。でも殴られたところで真っ先にタバコを口に持っていくんだろうな~。
ゆきむらさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-05-29 02:32:15)
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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 79人
平均点数 7.05点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
422.53%
51012.66%
61924.05%
72025.32%
81316.46%
9911.39%
1067.59%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.60点 Review5人
2 ストーリー評価 7.00点 Review4人
3 鑑賞後の後味 9.16点 Review6人
4 音楽評価 9.00点 Review5人
5 感泣評価 6.00点 Review2人

【アカデミー賞 情報】

2002年 75回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

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