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プロフィール
コメント数 2012
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  キング・オブ・コメディ(1982) 《ネタバレ》 
やあ、怖いですねえ。こんなに怖い話なのにライトなタッチで描けているのが驚異的。 もうデ・ニーロの顔が怖いもん。なんかぬめっと粘着質な顔つき。このしつこさ。ちょっとリアルにその辺にいそうでざわざわしますね。 ジェリー・ルイスの被る迷惑なこと、心からお察ししますよね。きっと現実でも経験あるんじゃなかろうかこのリアルな演技を見るに。 自分の才能を信じるのは良いとしても、なぜだかこの手の人たちは下積みをすっ飛ばそうとする。ライブで客の前に立って力試しをしようとせずに、ジェリーのようなトップにいきなり押しかけるんですな。 この話ではイカレた奴に珍しくも相方、それも女がいてこれがまた自分の思いばかり通そうとする完全なるストーカー。デ・ニーロとはまた別種の暴力タイプでげんなりします。もっともこの女の頭の悪さがコメディ感に一役買っているのですが。 ラストは呆気にとられたのだけど、どなたかがパプキンの妄想であると指摘していて目から鱗が落ちました。ううむなるほど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-07-16 19:01:52)
2.  恐怖の報酬(1977) 《ネタバレ》 
オリジナルの方は長らくわたしの中で‶口腔内が乾く”冷や汗映画ナンバー1だったのですが、リメイク版が更新しそう。汚い、危ない、おっかないの三要素をきっちり踏襲しつつフリードキンぽい念入りな描写も精神圧に拍車をかけます。ロイ・シャイダー班が走行中に、現地民の男がちょろちょろふざけて車の前後を走るシーンは叫びそうになりました。 崖の拡幅箇所を木で組んでいる図、というのがもう見るのも恐いし、車輪は案の定ハマるし。すんごい撮影をしたものです。あの吊り橋の撮影はどんな現場だったのでしょうか。ここに至っては口の中がカラカラです。 そうだ、リメイク版はカラーなのでトラックのボロい感じがリアルに伝わるのです。錆とか汚れとかが痛々しいほどにメカとして頼りなく、色がついてる分オリジナルより怖さが増していると思いました。ラストもまた別の意味できっちり怖く締めています。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2022-03-20 23:53:56)
3.  キャピタリズム~マネーは踊る~ 《ネタバレ》 
かつて‶ボウリング・フォー・コロンバイン”ではアメリカ人の精神性をも分析してみせる沈着さも見せていたムーア監督ですが、近年は世の全方位に怒りと疑問を放出し続けている感じです。今作噛みついたテーマはアメリカ資本主義。さすがに巨大で複雑すぎました。 ゲストにトップ頭脳を迎えて解説を頼むもやはり経済学者ではないムーア監督の手に余る模様で、結局は「個人」(CEOなどのトップ)の人間性の貧しさ強欲さを糾弾するいつもの手法なのでした。 一人で戦うのはもう限界だ、皆立ち上がってくれと監督は訴えて映画を締めます。もちろん米国民も腹は立てていて(この映画が影響したかどうかは不明ですが)‶大企業から献金を受けずに政治活動できる大金持ち”を選び、トランプ大統領誕生へと歴史は進みます。 そしてまたトランプによってもたらされた分断米国にムーア監督は憂いをもって映画をつくるわけで、なんだかもう果てしなく感じちゃうな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-03-19 00:24:40)
4.  キングスマン: ファースト・エージェント 《ネタバレ》 
1,2作目でブリティッシュなスパイ活劇に悪趣味センスを小気味よく盛り込んだマシュー・ヴォーン、今度は歴史の中に自前の諜報活動をぶち込んでくるという離れ業を披露してくれました。 歴史に名高い人物らが次々とヴォーン監督の掌で踊り、戦い、謀略をめぐらして(きっと)ご本人より生き生きと楽しそうです。怪僧ラスプーチンやレーニンなどは見た目もそっくりですし。 そして実在の歴史人物の圧に負けない存在感を発揮しているのがレイフ・ファインズ。アクションものはどこまでイケるのかな、とノーブルな彼の顔立ちからいささか疑問でしたが杞憂に終わりました。吹き替えはあろうけど、剣術さばきも身のこなしも華麗です。この映画はどのアクションシーンも演出やキレに申し分なし、と思います。 キングスマンの1作目はまあ別格で、あのぱかっと人が二つ割になっちゃう悪センスがワタシは大好きなのですが、オジサン2人とオバサンとでスタートした渋めのバージョンもなかなか良かったです。
[映画館(字幕)] 7点(2022-01-23 14:33:31)
5.  キャッシュトラック 《ネタバレ》 
4部構成の多視点で事件の真相が明かされてゆく辺りがガイ・リッチーぽい。初期の頃の軽快さを期待したのだけど、ステイサムが犯人捜しをするパートや真犯人結成のくだりなんかはちょっと「飽き」を感じてしまった。枝葉が多くてすっきりしないんだよなー。 それにわたしったら致命的なことに、息子を撃ったのが他ならぬステイサムの組織の人間だとばかり思っていたので、その後の鑑賞中若干の混乱をきたしてしまった。あの辺ややこしくないですか?見誤ったのはもちろん自分が悪いんですがね。 ステイサムがこんな無双になる前のとぼけ味が恋しいな。
[映画館(字幕)] 6点(2021-11-11 23:45:06)(良:1票)
6.  禁断の惑星 《ネタバレ》 
この頃のSFってすごく真面目に哲学しているんですねえ。高度な文明を誇った生命体が自らの負の思念を肥大化させた結果滅びてしまった、と。宇宙を舞台にした哲学思想は‶2001年宇宙の旅”で頂点に達して、以降は七面倒くさいことは抜きに楽しく戦うスターウォーズ路線に向かったのですね。他は未知の凶暴生命体と闘ったり、火星に芋畑を作ったり。 70年代以降のスペクタクルSFがなじみの世代なので、本作のようにこんこんと他惑星の謎解きを見せられたのは新鮮でした。画もこの時代を思えば凄いです。地下深く構築された動力変換設備などはCGでなしにどうやって造ったのだろう。 大筋まじめではあるんだけど、紅一点の女優がお色気を露骨に担当していたり、ロマンスを織り込んで当然といった脚本にはやっぱり時代を感じますね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-30 23:29:29)(良:1票)
7.  キングダム/見えざる敵 《ネタバレ》 
‶(イスラム)テロと戦う米国”モノジャンルとしてオーソドックスな作りです。イスラム教徒としてひとくくりにすることを避け、テロリストと一般のサウジ国民(この場合はサウジ警察)を線分けして描くことに注力している姿勢はまだ品があると言えるでしょう。 何故アメリカがかくも憎悪の標的になるのかといった「そもそも論」には一切踏み込まず、現場のCIA職員と「敵」との対決及び銃撃戦が見どころであるという問題提起無しの娯楽作品ですね。 カメラがブレて見づらいなあ、というのが難点ですが「青いビー玉」が伏線として効いていたり、背広組の印象が強いC・クーパーが現場で穴を掘る姿もすごくハマるなあという発見があったりと、数多の類似作の中でも印象に残る作品ではありました。 それにしても゛互いが憎悪を抱き続ける”バッドエンドにしたのはどういう意図なのかしら。娯楽作テイストなのに急に社会派なメッセージが入ってきたようで唐突に感じました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-01 22:54:24)
8.  キッズ・オールライト 《ネタバレ》 
両親と子どもが二人の家庭。妻が家族ぐるみの付き合いのあった男と浮気してしまった。当然家庭の空気は悪くなり、思春期の子どもらへの影響も計り知れず・・と書くと凡庸なホームドラマだけれど本作は夫婦がレズビアンカップルで、浮気相手が子どもらの精子提供者だというヒネリにヒネったシチュエーションである。 いやあー、考えさせられましたねえ。なまじ設定をノーマルな家庭環境にしなかったため、「家族」というシステムの定義しづらさ、曖昧さを浮き彫りにする効果がありました。 即ち「生物学上の父は家族となり得るか?」 本父ポールはいい線行ってましたよね。独身の気楽さがちょっと鼻につくけど人好きがして、明るく積極的な性格がニックの家庭には無い資質で子どもらもジュールスすらも惹かれてゆく。アネット扮するニックはこの家で父性的な役割でしたから、初めからポールに対して「侵入者」への警戒心が強かったのも無理はないです。だって相手は「正真正銘の」父なんだもの。いくら女医でも彼女には真似できない。ほんと設定の妙が活きますな。 わたしはマーク・ラファロ扮するポールに反感は抱かなかったので、ジュールスと事があったのち、子どもらが一斉に怒りを向けてきたのにはむしろ驚きすら感じました。つまりこのことこそがこの映画のアンサーで、やはり「家族」を作り上げるのにかかった年月はそれなりに重いのです。特に子どもにとっては、人格形成期に愛情を注いでくれた大人がやはり親なのですね。 そして四人が「家族」なんだ、ということをこの上なく表したジョニの巣立ちの場面。ワタシは思わずもらい泣きしたのですが、一人家を離れる長女を別れ際に抱きしめる両母親の姿は娘を手放す寂しさや祝福、心配がないまぜとなりA・ベニングとJ・ムーアの演技力の真骨頂を見せられます。まさしく長年手塩にかけて我が子を育ててきた者でないと出せない感情であり、やはり「単なる良い人」ポールでは無理でありましょう。 そして、息子もまたちゃんと成長を遂げていました。15才という難しい年ごろ、両親がゲイ・カップルということに事あるごとに反抗的な態度を見せていましたが最後に車中で「別れちゃダメだよ。もうトシなんだから」ですって。涙なくして聞けましょうかこの台詞。 初め、正直なところレズビアン両親にどうも気持ちが入りづらかったのですが、観終わってみれば彼らの家庭にとても親近感を抱いていました。脚本も演技もとても良いです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-08-01 23:19:39)
9.  君の名前で僕を呼んで 《ネタバレ》 
陽光に輝く木々の緑や、石造りの街並みの美しいこと。美形の俳優二名によるラブ・ストーリーは美的センスに関しては非の打ちどころのない小品に仕上がっています。 相手への思慕が止めようもなく溢れ出て、文字通り悶え悩むティモシー・シャラメの繊細な演技は印象的でした。彼はさほど表情筋を使わないのだけど、全身を使って表現を行う役者さんですね。ピアノをふざけた時の大袈裟な腕の振りとか、面倒な来客の際に見せるおどけたステップとか。そしてオリバーを想う時の苦しそうな寝返り。 悲恋の範疇に入るのかもですが、ゲイ・カップルの話にしては、障害の極めて少ないケースでした。かつて見てきた同性愛モノにつきものだった「迫害」がほとんど無いです。なんと両親も公認、さらに驚異的なことに気晴らしにぞんざいに付き合った女友達まで許してくれるとは。ばれたら最後、社会からリンチすら受けかねないとか、家族からの絶望的な目つきとか、そういうヒリついた状況下のゲイストーリーばかり聞いてきたのでこの作品の甘いことにはとても驚きました。もっとも、どんな恋愛パターンでもそうですが周囲からの抵抗値が高い方が、お話が強く激しく輝くような気もしますが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-02-05 17:49:57)(良:1票)
10.  教授のおかしな妄想殺人
ごくノーマルな男女間のちょっとしたゆがみを上手いこと掬い上げるのが本来のアレン芸。今作は男が人格破綻気味なまでにクセが強いので、いつものアレン風観察力がフルに発揮されたとは言い難い。簡単に言うとすんごく偏屈な男が自己破滅したお話。そこに絡むエマ・ストーンがまあ素敵なこと綺麗なこと。学生の役柄をふまえて、ファッションは何着か着回ししている気配り演出なのだけどそれらが可愛いったらないんである。白地に紺ステッチのワンピやチェックのシャツとショートパンツ等、どれもとても似合ってて彼女の立ち姿が画として強烈に印象的でした。 いまやアレンのお気に入りなのね。「マジック・イン・ムーンライト」に次いで、キラキラのエマであります。対するホアキンは腹の出た中年になっててややがっくりです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-11 00:47:43)(良:1票)
11.  記憶探偵と鍵のかかった少女 《ネタバレ》 
M・ストロングが美少女に振り回されっぱなしのナサケないおじさんになっちまってる・・。あーあ。なんでこう男の人は”魔性の”美少女に弱いかね。記憶を辿らずとも、彼女が嘘ついてんの一発でわかるじゃないですか。私は女だからこの娘の言うことより、周囲の証言の方を信用したよ。しかも、記憶を自分で改ざんできるのなら、そこへ潜る意味無いじゃないですか。物語の大前提を自己否定しちゃってる。 映像はダークで思わせぶりに妖しいのですが、話の骨格に突っ込みどころが多くてノレないです。あの娘16才で家を出たはいいけど、どうやって自活すんのかな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-01-18 17:34:20)
12.  キングスマン: ゴールデン・サークル 《ネタバレ》 
キングスマン、大好きです。楽しみにしながら映画館に出向いて、楽しかったー、と帰ることができました。今作もキレキレの音楽と、趣向を凝らしたブリティッシュな武器の数々にはうっとりしました。 ただ、やっぱり続編は風呂敷を広げがち。舞台は広範囲、人も格段に増えました。私は”英国風”センスが好みなので、アメリカ側にやたらと人物が出てくるのはちょっとうるさかった。チャニング・テイタムなんて、わりとすぐ冷凍になっちゃうしと思ったら、ウイスキーなんて代わりの駒が出てくる。んん?テイタム一人で押しても良かったんじゃないかい? 再会できると思ってなかったハリー、まあその無茶蘇生ぶりは置いとくとして、やっぱり嬉しいし、ジュリアン・ムーアも超絶怪演。死に際もコワイ。エルトン・ジョンの仕事っぷりには脱帽だ。どこまでが素なのやら、すごいおっさんだ。笑わしてもらったー。 主人公とその彼女のキャスティングが、個人的にぴったりこないのが前作からの難点なのですが、なんたって脇が磐石ですから。コリン・ファースにマーク・ストロング、お二方の英国紳士なスーツ姿が美麗なことに変わりなく、脚本の疾走感(と悪趣味センス)も衰えてはおりません。
[映画館(字幕)] 8点(2018-01-12 00:39:08)(良:1票)
13.  キャプテン・スーパーマーケット
なんでこんなB級作のレビュワー数が多いのかなと思ったら、「死霊のはらわたⅢ」の位置づけだったのですね。知らなかった。平均点が高いのも、死霊ファンの贔屓目なのかな。 はらわた1作目のガチホラーを繰り返してもしょうがないと思ったのかどうか、全くベクトル違いの冗談路線の本作。ギャグセンスが合わなくてそんなに笑えなかった。安っぽさが逆に味わい深いといったカルト作でもないし。シンプルに、つまんないB級作の評価が妥当と思う。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2017-11-11 00:50:02)
14.  キャロル(2015) 《ネタバレ》 
オスカー女優とカンヌ女優賞、二人の競演はとても見ごたえがありました。そしてなんと番狂わせなことに、ケイトを抑えてルーニー・マーラに軍配が上がりました、ワタシの中では。ケイトが押されている・・?とびっくりしました。 だって、テレーズはもう完全にキャロルに惚れている。彼女を追う時の目線の熱っぽさや、頬が自然と上がるときめき、恋する人間の発する独特の甘い空気。ルーニー・マーラすげえ。 一方、ケイトはルーニーよりハンデがありまして、なにしろ忙しいのです役が。我が子を思う母親であり、愛の冷えた夫とその家族に疲弊する妻でもあり、元カノに弱みをさらす一人の女性でもあって、ケイト・ブランシェットだからこそこんなに沢山のタスクをこなせたとも思うのですが、恋に身を焦がすほどの想いをばんばん放出してきたルーニーの方が印象強かったです、はい。
[映画館(字幕)] 7点(2017-09-15 00:19:51)(良:1票)
15.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
すごい実話があったもんだ。詐欺の手口が斬新(と言っていいのか)で、こんなにうまくいくのかなあと呆気に取られつつも、へええ、という感心の方が大きく、感心は快感に変わり、つまりとても楽しかったのでした。 ディカプリオはティーンの役も違和感無くこなす驚異の芸達者ぶり。すっかりシリアスドラマの仕事が多くなったT・ハンクスはそういえば”BIG”の役者さんでした。コメディセンスは健在で、イライラとレオを追っかけるFBIのオジサンは情に厚くて嘘は言わない(終盤に一つだけ)ナイスなキャラクターで,トムにぴったりハマっておりました。 逃げる方と追う方の間に、いつの間にやら友情ぽい繋がりが生じる様も繊細に描かれるあたりは脚本、心憎いばかり。ドラマの筋に第一のヤマ、第二のヤマと盛り上がりも用意してアクセントを多数つけた展開は見飽きないですし、画もキレイ。 矯正ブリッジをつけたA・アダムスのおばかさんな笑顔や、なつかしのM・シーンを見つけたりとか、印象的な画もちょくちょく挟まります。観て楽しい、この一言。コメディの見本のような良作と思います。
[DVD(字幕)] 9点(2017-07-25 00:41:31)
16.  ギャラクシー・クエスト 《ネタバレ》 
役者にとって、”当たり役”とは嬉しい半面、やっかいなことでもあるんでしょうな。そのキャラクターであることを常に周囲から期待され続けるなんてけっこうキビシイ。まさにその呪縛にかかったSFシリーズ物の面々、いやおかしいやら同情するやら。A・リックマンの「俺は名優なんだ。リチャード三世を演ったんだ」の叫びもS・ウィーバーの「指示を繰り返すのがアタシの唯一の仕事なの。文句つけないで」のキレ具合もすんごくリアル。そうでしょうなあ。 フェイクを知らない異星人とのギャップの中、元ネタのシリーズをいじりながら(でも愛を込めて)展開するヒューマニズムあふれるお話(?)。なんでかちょっと泣けたりもします。 でもって、この作品、ちゃんとコアなファンのことも一緒に愛してくれているのが素晴らしい。「これは現実だ!」と俳優ではなく、”船長”から告げられた時の喜び、生き甲斐はとても理解できる。良かったな! 私は現在BBC制作の某ドラマシリーズにぞっこんなのですが、役を担う生身の彼らが必要以上に役者の幅を狭めることの無いよう願ったり、といろんなことを感じ入る作品でありました。
[DVD(字幕)] 8点(2016-06-23 00:11:13)(良:1票)
17.  キングスマン 《ネタバレ》 
終わっても、映画館の椅子からすぐには立てないほど面白かったですねえ。 ずらりと顔をそろえた渋いところの英国男優の面々。本格派の予感。ブリティッシュの伝統も薫り高き高級な調度品。仕立ての良いオーダーメイドのスーツ。その麗しい姿でまさかコリン・ファースがあんな見事な殺陣(?)を見せるとは。でもって、コレ タランティーノだっけか?と呆然とするような展開になだれ込むとは。呆然となったけど、しかしこれが確かに爽快であったのだ。人の頭が次々吹っ飛ぶ場面でカタルシスを覚えるとは私は疾患か? こと切れる前に自分の血をみて嘔吐するS・L・ジャクソンの唯我独尊なヒール感も素晴らしく、息もつかせぬ展開にここ数年007でもMIPでも感じることがなかった、はらはら・どきどき・わくわくを堪能しました。 ダイアー・ストレイツで始まり、ブライアン・フェリーで締める。平民クラスの者が、”マナー”を身につけ教養人となる、キングスマンとなるための成長の意味合いを秘めた選曲だとしたら、これまた粋じゃありませんか。
[映画館(字幕)] 10点(2015-09-30 00:45:59)
18.  キングコング(1976)
コングがリアルになったら、なんかつまんなくなっちゃいました。人間的な感情なんか入れなくたって良いよ。モンスターだからこそ良かったんだよコングは。 なんだかヒューマニズムな描き方が鼻について、ことさらにコングを可哀想に描いているみたいで好きじゃないです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-05-20 00:00:33)
19.  キング・コング(1933) 《ネタバレ》 
わあー、凄いなこれ、とただそう思いました。制作に携わったスタッフへの、リスペクトに近い思いです。 映像技術の拙さはもちろん隠しようもない。80年も前の作品だもの。だけどそんなことはちっぽけに感じる。画質の粗さはむしろコングやセットの作り物感を払拭し、21世紀の今となっては発掘された昔の謎フィルムでも観ているような楽しさがあります。いつの間にか観てるこちらも秘境の島でコングvs大蛇の闘いをどきどきと覗き見ている気分になっていました。 すごいものを作ろう、びっくりさせよう、という制作魂の熱き思いが全編を貫いており、その熱量の高さに圧倒されるばかりの100分です。 後のリメイク版での、美女と心通わせるコングという設定を耳にしていたので、この初版のコングの凶暴ぶりには正直驚きました。ためらいなく人間を踏み潰し、投げ飛ばし、ケダモノそのもの。ワタシはもちろん33年版のモンスターのリアル性を支持します。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-05-05 00:50:46)(良:2票)
20.  奇跡の人(1962) 《ネタバレ》 
演じる、ということ その真髄に圧倒されるばかりの100分。役者魂がごうごうと焔立っているかのよう。ここにいるのはアン・バンクラフトとパティ・デュークではなくアニー・サリバンとヘレン・ケラーそのもの。演者同士がその魂をぶつけ合う食堂のシーンは息をするのも忘れる。ああこれはリアル「ガラスの仮面」だ。10代の頃、紙面を息を詰めて見守ったあの緊張が画面を観ながら甦った。オーディションの逸話まで残っているP・デュークは天才の仕事をしている。“見えている”のに目の前の足台に突っ込んでいって頭から転倒するなど、並みの役者にできることではないだろうなあ。 ヘレンの物語については断片的に知っていたけど、ケラー家が南部の名家ということや(父親が典型的な権威主義者に描かれているのも興味深い)、サリバン先生が幼少時に劣悪な施設で育ったということ等は初めて知った。まだ社会福祉の考えが育つ前のアメリカ、ヘレンが生きたのはそういう時代だったのですね。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-04-07 23:38:54)(良:1票)
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