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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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181.  ギャザリング 《ネタバレ》 
惜しいなあ。「傍観者の罪」という、着眼点は良いんだけど、全体的にストーリー展開が平板で盛り上がりに欠けるのは致命的。決して長い映画ではないのに、やけに冗長に感じてしまった。脚本家はインタビューで「この作品は娯楽映画だ」とか言っていたけど、観客の視点に立った「飽きさせない」脚本作りが成されているとは言えない。特に中盤までの展開がダラダラし過ぎ。  静謐な空気感の中に漂う不気味な雰囲気はあるものの、サスペンスやホラーの恐怖感としては薄味。  そもそも、あの「傍観者」達と今回の事件との関連性がまるで無いというのはいかがなものか。殺人鬼になった男の背景をきちんと描かないから、余計に不自然さが目立ち、「歴史的な悲劇を見続けて来た存在」の割には、今回はえらくこじんまりとした事件を見に来たなあという印象の方が強い。こんな程度の事件でいちいち出て来たら、世界中の殺人事件やテロ事件を見て回るのに大忙しだろ(w。あんなに呑気に見物してるヒマなんて無いぞ。  また、「傍観してちゃダメだ!行動しろ!」みたいなメッセージ性が押しつけがましい。そういうのはいちいちセリフで説明させちゃダメ。ラストも石像が崩れ落ちていくシーンですっぱり終わらせるべき。  と言うか、救われる手段があるなら、二千年も傍観してんなよ! 
4点(2005-02-01 13:30:46)(良:2票)
182.  ダイヤルM 《ネタバレ》 
こんな幼稚な計画のどこが「Perfect Murder」なのか?  まず妻の愛人に殺人を依頼する感覚が分からん。また、そんな奴にぺらぺら殺人計画を話す神経も分からん。見ていて、「この会話を録音されてたら、逆に脅しに使われるんじゃないの?」と思っていたら案の定。  「何故そんな不用意なマネをしたのだろう」とか、「いったいどう切り抜けるのだろう」と思っていたら、「口封じのために殺す」という、実に直接的かつ安直かつ単細胞な手段に出る夫(笑)。おいおいおい、なんだそりゃ(笑)。要するに、何も考えてなかったってことかい!  そのあまりにもサスペンスとして工夫や意外性の無い展開の連続に開いた口が塞がらなかった。  メイン登場人物が三人しかいないのだから、意外性のある展開にするのは難しいかも知れないが、それならばもっと一人ひとりの人間描写を濃密にしてもらいたい。  結局、夫と妻の愛人の対決でしかなく、そこに妻の思惑が深く絡んでくる事もなく、思い切り肩透かしを食らった気分。はっきり言って駄作。
[映画館(字幕)] 1点(2005-01-30 10:28:48)
183.  ドーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
映画にはたまに「緻密な計算」と「偶発的要因」の相乗効果によって出来た「奇跡的な作品」が存在する。ホラーで言えば「悪魔のいけにえ」や「ゾンビ」がそうだが、問題はリメイクをするには、余りにもオリジナルが完成され過ぎている事だろう。絶妙なバランスの上に構築されている作品を変にいじっても失敗するだけ。  今作の最大の失敗は、ゾンビを全力疾走させてしまった事だ。そのせいで、単に「怪物に襲われる」という肉体的な恐怖感がメインになってしまい、「生と死」、「日常と非日常」というテーマについて考えるヒマもなくなっている。これではただのモンスターパニック映画と何も変わらない。  「ゾンビ」におけるテーマの本質とは、よく知る肉親や恋人が、まるで「異質」な存在に変貌してしまうという絶望と哀れみから命の意味を考え、「人間性を失われた存在」を目の当たりにする事で、人間の心のあり方を考える事にある。死すら相対化された世界で、生き残った者の生き様を観客が見る事で、自分自身の人間性と向き合わされるという構造が「ゾンビ」という作品の本質だろう。  今作は登場人物が多い事もあり、ひとりひとりの人間ドラマも薄く、先述したように、とにかく悩むヒマもないくらいのスピードと数のゾンビが襲ってくるので、どうしたってアクション寄りの内容にならざるを得ない。ゾンビを走らせるだけで、作品の本質がこれほど変化してしまうのだ。その差を見比べるのも面白いかも知れないが、オリジナルのテーマ性を著しく損なったリメイクである事は確か。   
3点(2005-01-30 09:53:53)
184.  ツールボックス・マーダー 《ネタバレ》 
凡作すぎ。相変わらず、単に殺人鬼が人を殺しまくるだけの単純なホラー。殺人鬼のキャラクターはレザーフェイスの足元にも及ばない。出てくるタイミングも、オチも何もかもが平凡。「住人の誰が犯人かな~、あの不気味な青年はミスディレクションだな」等と色々予測しながら見ていた自分がアホみたい。
[DVD(字幕)] 3点(2005-01-25 02:22:25)
185.  カプリコン・1 《ネタバレ》 
最初はてっきり「アポロ計画」のドキュメンタリー風のサスペンスかと思い込んでいたので、架空のストーリーと知って、ちょっとガックリ。内容自体は、まさに「アポロ計画偽装説」そのもの(「発生源」として、どちらが先なのかは知りませんが)。  ただ架空の話とは言え、その偽装計画は中途半端だし、後半も単なる宇宙飛行士の逃亡劇。新聞記者の暗殺劇もお約束すぎる。もっと「偽装計画を暴く」という「謎解き」に特化してもらいたかった。時間も無駄に長いし、ラストもあんな終わり方でいいの?あの後が知りたいんだけど。  これを見るなら、以前、テレビでやっていた、「アポロ計画」の噂を検証するドキュメンタリー番組の方が、謎や疑問に対する徹底検証をしていたという点で、はるかに説得力もあり面白かった。まあ作品に求めるものが違ったと言うことで…。  PS.このページを見るまで、あの黒人がO.Jシンプソンとは気付きませんでした。てっきり「ゾンビ」のピーター役の人かと…。 
[ビデオ(字幕)] 4点(2005-01-23 20:06:15)
186.  悪魔のいけにえ 《ネタバレ》 
「殺人鬼ホラー」としての元祖的存在でありながら、既にこの地点で完成されてしまっている。時々、映画でも何でも、「緻密な計算」と「偶然」の相乗効果によって生まれた奇跡的な傑作があるが、この作品もそのひとつと言える。当時の撮影環境のおかげもあるが、この独特な「不気味さ」「薄汚さ」は狙って撮れるものじゃない。  あっと言う間も無く、ハンマーで頭を潰され、薄汚れた鉄扉の向こうへ引きずり込まれるというシーンに始まり、常識や道徳のまったく通じない家族の異常ぶりにただ翻弄される恐怖を味わい、そして夕闇のような不吉な色に染められた朝日のなかでレザーフェイスがチェーンソーを高々と振りかざすという、爽快感すら感じる狂気のラストシーンに至るまで、すべてが問答無用の衝撃に満ちている。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-01-22 00:05:40)(良:1票)
187.  悪魔の赤ちゃん 《ネタバレ》 
なるほど、一見、B級ホラーではあるものの、見ようによっては、家族としての絆とか、子供に対する愛情、さらには奇形を生む「薬害問題」なんて重々しいテーマが根底にあるのが分かる。  ただ、さすがに今見ると全体の作りがB級テイスト過ぎるね。ホラーにとっての「古き良き時代」の香りはあるものの、着ぐるみの赤ちゃんを始め、ストーリー展開もやたらダラダラとしてるし、今まともに見るには全体的にレベルが低く過ぎる。
[ビデオ(字幕)] 3点(2005-01-18 16:59:46)
188.  ドリヴン
個人的にまったく車やレースに興味が無い事もあるけど、それを別にしても、基本的に作りが安易と言うか、「ま、レースを通じて適当に人間ドラマや恋愛要素を散りばめておけばいいかな」と言うような、素人がシナリオの教則本でも見ながら作ったような出来。  と、ここまで書いたところで脚本担当が誰かと見てみれば、スタローン本人かい!俳優としては一流でも、脚本家としては三流。見ていて感じた「素人臭さ」という印象は大正解。
[地上波(吹替)] 3点(2005-01-17 21:02:45)(良:1票)
189.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
純粋にミステリーとして見れば、目撃証言の矛盾をついて行く推理過程に驚かされる部分は無いが、本作の見所は言うまでも無く、陪審員室に集う12人の人間ドラマ。それぞれが「劣等感」「嫉妬心」「猜疑心」「偏見」「無関心」「差別意識」といった、負の人間性を代弁する事で、あの狭い一室に「現実社会」の象徴的な一面が現出している。  また「多数決による陪審員制度」は、まさに民主主義の象徴ではあるが、議論と説得を重ねながら有罪を無罪に導く過程と、最後まで「客観的な事実」が分からないラストを持ってくる事で、「いかようにも民意は誘導できる」という民主主義の潜在的な危険性に対する警鐘も見出せる。
[映画館(字幕)] 9点(2005-01-17 19:40:07)
190.  フロム・ダスク・ティル・ドーン 《ネタバレ》 
「バカっぷり」が中途半端。  映画製作における「常識的文法の破壊」を目的としているのは明白なんだから、どうせやるなら、もっと徹底してもらいたい。この作品のように、単に「前半と後半の展開」をまったく変えれば、それで良いってもんじゃないでしょ。「面白く破綻させる」ってのはそんなに簡単な事ではないはず。  実際、前半はただの人質サスペンスがダラダラと一時間近く続くだけだし、後半も単に「前半との繋がりが破綻している」だけであって、独立して見れば、よくある安っぽいB級ホラー。  演出や展開にしても特に見るべき部分は無い(善戦するも一人ひとり襲われる→仲間が吸血鬼(もしくはゾンビ)として復活→愛する者が止めを刺す、みたいなホラーによくあるパターンの繰り返し)。肝心のストーリーに意外性が無いのでは本末転倒。  私がやるなら、あの牧師の親子3人が、実は「吸血鬼ハンター」としての裏家業をやっていたとか、主役の強盗ふたりも、もっとキレた「二重人格」を宿しているとか、一緒に店にいた客の中に、とんでもない殺人技術を持った「連続殺人鬼」が紛れ込んでいたとか、さらに店内に潜入調査に来ていた刑事(実は正体は「狼男」で、途中で変身する)がいたとか、そんな連中による、三つ巴、四つ巴の血みどろの「人外の者どもの饗宴」を描くんだけどなあ。  で、最終的にはみんな揃って吸血鬼かゾンビになっているにも関わらず、また「犯人と人質」という立場で逃走劇を再開するってオチにするけど。どう?こっちの方がはるかにキレてるし、娯楽映画の展開としてもインパクトがあると思うんだけど?日本の漫画なら、これくらいは言われなくてもやるねw。
[映画館(字幕)] 4点(2005-01-17 18:10:04)(良:1票)
191.  ドラゴンストーム<TVM> 《ネタバレ》 
やっぱり外国はファンタジーものを撮るためのロケーションに事欠かないから羨ましい。恐らく舞台となった城も本物を借りて撮影しているのだろう。その方が手っ取り早いし、当然セットより雰囲気も重厚になって、一石二鳥。しかし残念ながら、それは監督やスタッフの手柄ではない。  肝心の内容はお粗末の一言。アクションをやりたいのか、ファンタジーをやりたいのか、どっちつかずで中途半端。ドラゴンのCGも昨今のレベルから言えば低い。ただ火を吹くだけのドラゴンなのに、わざわざ「宇宙から来た」なんて設定にする必要があるのか疑問。デザインもそのまんまだし、おまけに弱い。もっとサンダードラゴンとか、アイスドラゴンみたいに属性があってもいいのに。  中途半端なアクションに中途半端なファンタジーに中途半端な人間ドラマに中途半端なコメディ要素に中途半端な恋愛模様。金がかけられないなら、もっと別の部分で工夫しなきゃダメでしょ。
[ビデオ(字幕)] 1点(2005-01-14 21:50:37)
192.  ミッション:インポッシブル 《ネタバレ》 
TVシリーズ共々、有名作品ながら、もともとあまり「スパイもの」に興味が無い事もあり、最近まで見た事がありませんでした。  シナリオは丁寧に作られていますが、裏表の顔があるであろうスパイ家業なんですから、当然、身内に裏切り者がいるとか、「お前は死んだはず!」みたいな「どんでん返し」はデフォルトでしょう。そう言う意味では特に意外性のある展開も無く、良くも悪くもオーソドックスな内容です。  PS.電車の屋根の上でのアクションシーンは、ほとんどドリフのコントに見えました。
5点(2005-01-14 20:53:07)
193.  デッドサイレンス(1996) 《ネタバレ》 
聾唖学校の生徒を人質にとった凶悪犯とFBI捜査官の駆け引きを描いたサスペンス。  せっかくの「手話で情報をやり取りする」というアイデアがあまり生きていないため、基本的に「よくある」当たり前な展開になってしまっている。サスペンス映画における「人質を取っての立て篭もり」ネタなんて、最終的にどうなるか分かり切っている訳だから、あまり工夫の無い過程をダラダラ見せられても退屈なだけ。これと言ったアクションも心理戦もなく、ちょっとこじんまりし過ぎ。 
4点(2005-01-11 13:18:54)
194.  ジャスティス/闇の迷宮 《ネタバレ》 
1970年代の軍事政権下のアルゼンチン。軍部による思想弾圧により起きた多数の失踪事件を解決するため、国家の暗部に立ち向かう夫婦の姿を描いた政治サスペンス。  こうした悲劇を忘れないようにすると共に、自由と民主主義の大切さを認識する事は当然としても、問題は軍事政権が台頭する背景にも様々な理由がある訳で、単純に「国家=悪」、「民衆=善」とするのも、また問題があるのではないでしょうか。  実際、ナチスの台頭は、当時、世界で最も民主的と言われたワイマール憲法によって、国民が支持した結果であるように、その軍事政権の成立にも色々な側面があるものです。国が暴走しないように政府を看視するとともに、国民が自らのあり方を内省するのも、その国に住まう国民の責任であるという事は考えておく必要があるでしょう。  また今作は、主人公に「失踪者の行方を透視する特殊な能力がある」と言う設定以外、見るべき部分がなく、あくまでも当時のアルゼンチンの実情を綴ったドキュメンタリー性の強い作品であり、サスペンス映画としての娯楽性はまったく無いので、その辺を期待すると肩すかしを食うかも。
5点(2005-01-11 13:03:01)
195.  穴/HOLES
空から靴が降ってきたり、主人公の家族が「靴の匂い消し」の発明に躍起になっていたり、無数の穴を掘らせる矯正施設に入れられたりと、最初はそのシュールな展開から、単なる不条理コメディかと思っていたが、少年達に穴を掘らせる行為にはちゃんと理由があるし、登場人物の繋がりや伏線も考えられていて、それなりに楽しめるものになっている。あまり感動という側面に押し付けがましさを感じない点が好印象。  ただ、どの作品にも言える事だけど、この程度の内容なら、もう少し時間を短めにして欲しいところ(90分前後)。テンポが悪くなっている場面が多々見受けられ、無駄に間延びしてしまっている。    
5点(2005-01-04 00:28:17)
196.  光の旅人 K-PAX 《ネタバレ》 
妄想と宇宙人、どちらに決着をつけても疑問が残ったであろうから、見ている人に解釈を任せるという終わり方にしたのは妥当。その見せ方も絶妙で、「ひょっとしたら…」と思わせる引きの上手さがラストにある。  ただ、「現実を見ろ」という単純なメッセージを込めた作品ではなく、病院の患者達に及ぶ影響が「宗教」や「自己開発セミナー」のそれに近く、彼らの変化は必ずしも患者達の能動的かつ自立的な思考から生じたものではないと言う点には留意すべきだと思う。  つまり、人間にとって大切な事は、「客観的な真実」よりも、「主観としての真実」なのだろう。そこに自己欺瞞があるとしても、その弱さを持つのが人間というものなのかも知れない。問題は、それで前向きになった事をどう考えるかという事と、それを本人が自覚しているかどうか。   また、作品としては全体的にちょっと展開がスローテンポなのがマイナス。謎に関しても、「彼が宇宙人かどうか」という点の検証をもっと徹底して欲しかった。無駄なシーンを編集し直して、時間を短め(90分前後)にしてくれれば飽きずに最後まで見られたはず。  そういう意味で、傑作と言うには、今一歩、何かが足りてない。惜しい。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-01-03 21:33:42)(良:2票)
197.  デイ・アフター・トゥモロー 《ネタバレ》 
現実には表現するのが難しい自然災害の映像は、高いCG技術でうまく映像化されている。その表現の方向性は正しいし、そのおかげで人類に牙を向く自然の脅威にも説得力が出ている。  ただ、今さら環境問題というテーマでお説教を聞かされてもなあ、というのが正直なところ。もし仮に、こういう作品を見て始めて、「自然や環境って大事なんだな~」と本気で感心しているような人がいるとしたら、よほど普段は何も考えていないのだろうと言うしかない。  たかが二~三日でさっさと嵐が過ぎ去ってしまうから、切迫感や絶望感にも欠けている。主人公を含む数人が生き残るのも、単に図書館から動かなかったからだけで、そこに何かサバイバルとして学ぶべき含蓄も見られない。場合によっては、その場を離れた方が良い場合だってあるだろう。  展開もありがちで意外性に欠ける。ここまで極寒地獄の中でのサバイバルとなったら、食料と火種を確保した後は、出来るだけ体力の消費を抑えてじっとしているくらいしかない訳で、「生き延びる」という描写より、「自然に翻弄される人間」という描写に焦点があるため、映画としてかなり地味な展開になっている。各人のドラマも、ちょっとした「愛情」とか「自己犠牲の精神」といった奇麗事を描くために用意されたようなものばかりで薄っぺらい。  「本を焼く」という文明批判も露骨。まるで監督の「自分はちゃんと環境の事を考えてまっせ」と言うような自己満足が垣間見える。これだけの映画を作った後に出るセットや資材などの「ゴミ」は相当な量だと思うが、それを処分するのだってエネルギーを消費し、地球温暖化に一役買っているという事を考えているのだろうか?また、映画を作る上でも、多くの撮影機材やコンピューターという「文明の恩恵」があるからこそ、これだけの映像を表現できている事をどう考えているのか。その辺りの自己矛盾をきちんと処理し、内省しているのか甚だ疑問。
[ビデオ(字幕)] 3点(2005-01-03 18:44:39)
198.  華氏911 《ネタバレ》 
この作品が真実をどれだけ正確に伝えているかはともかく、基本的に情報というものには、必ず何らかのバイアスがかかっている訳で、その客観性と信憑性は、受け取る人が決めるしかないものです。また受け取った地点での、その人の知識や価値観、立場等によって、解釈が180度変わる場合もあります。  まして、それが国家レベルでの情報と言う事になれば、「事実の客観性」なんて事は決めようがなく、結局はマスコミから流される情報を一歩引いて見ているしかないのが個人の現実でしょう。  ただ、それでも多くの情報が出されるに越した事はない訳で、多くの選択肢の中から、より客観性のある真実に近づくためには、こうした作品が作られる事にも意味はあるはずです。その地点で報道や表現の自由が守られている確認にもなる訳ですから。  特に単一民族である我々日本人にとっては、裏表の激しい国際社会の弱肉強食の原理を忘れがちです。他ならぬこの映画も含め、情報の大切さと危険性を再認識させてくれるだけでも、この映画の価値はあると思います。 
7点(2004-12-31 14:25:28)
199.  スクール・オブ・ロック
マイノリティである事をまるでマジョリティの抑圧によるものとする発想や、そこにアイデンティティの核を持ってくるという感覚自体、大人になっちゃうと、ちょっとカッコ悪いと感じてしまうようになった私は元ヘビメタバンドのドラマー(現30代)。  世の体制や諸矛盾に対する怒りの衝動こそがロックの原動力だろうが、その内なる衝動がヘンに社会問題と絡んだり、全共闘世代のように「反体制」自体が目的化してしまうことは非常にカッコ悪いのである。  この作品でも、生徒達のバンドを始める動機が勉強同様、ただ大人に押し付けられた価値観に流されているだけで、そこに自分の意思で何かを変えよう、変わろうとする衝動が無い。それは体制の中で安全を保障された「反体制ごっこ」であり、大人や社会の保護下にある子供のお遊びでしかない。所詮、学校での勉強や校則などは本当の意味での「抑圧」ではないのだから。そもそも生徒達の年齢が低すぎる。価値観を自分で選択する自由や、好き勝手に振舞うことを覚える前に、抑圧に対する忍耐というものを学ばなければならない時期だろう。義務を果たさずして主張される権利や理想などには何の説得力も価値もない。  主人公が生徒達を学歴社会という価値観から解放する者でありながら、また新たな抑圧者として自分のロック観を押し付ける抑圧者になるという欺瞞と矛盾がある。その対立構造を自覚した上での脚本なら秀逸だが、単に学校という管理社会からの解放のみを肯定しているとしたら幼稚な限り。  PS.自論ですが、所謂「価値観」というものは、「一周」しなきゃ身にならないと思います。   
5点(2004-12-28 23:10:26)
200.  21グラム 《ネタバレ》 
現実にもありそうな悲劇で、出てくる人物すべてに感情移入が出来るものの、映画として見ると、中途半端にリアルな分、ドラマとしてもサスペンスとしても弱くなっている。  時系列をバラバラにして謎めかしてあるのも、その脚本の弱さを目立たせなくするための「手段」でしかなく、ストーリー構成上の「必然性」がほとんど見られない。そういう観点でなら、まだ「メメント」の方が、パズルに徹していた分、意味のある脚本構成だった。  ラストもどんでん返しがあれば良いという訳ではないが、ここまで思わせぶりな展開で引っ張っておいて、最後はいまいち意味不明な自殺で尻つぼみ気味に終了されては、色々な意味ですっきりしない。解釈を見ている人にまかせているような終わり方も、単にどう収拾をつければベストなのか分からなくなった監督の苦肉の策という印象。  「悲劇により齎された命を永らえること無く、自ら命を断つことで、新たな悲劇の循環を未然に防ぐ」という物語であろう事は理解できるものの、結果的には、誰一人救われていない訳で、その「悲劇性」をやたらと強調した、バッドエンドを狙いすぎている展開が鼻につく。
[ビデオ(字幕)] 5点(2004-12-28 13:06:08)
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