Menu
 > レビュワー
 > FSS さんの口コミ一覧。14ページ目
FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223242526
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223242526
>> カレンダー表示
>> 通常表示
261.  ケープ・フィアー 《ネタバレ》 
何を恨みに思うかは、その人の感じ方次第だから、時として思いもよらないトラブルに巻き込まれることは、現実の人生でもよくあるだけに、その恐怖感に感情移入はしやすい。  ただ、序盤の「つかず離れず」といった距離からジリジリと追い詰めていく「心理的な恐怖感」が、後半に行くに従って、単なる殺人鬼ホラーのような「直接的な恐怖感」に取って代わってしまうのが残念。  でもまあ、「冤罪」とか「現行法の欠点」「敵討ちの是非」なんてコトを考えるきっかけにはなるかも。
[ビデオ(吹替)] 5点(2004-08-14 09:48:53)
262.  エンゼル・ハート 《ネタバレ》 
有名作品ながら見る機会がなく、最近になってようやく見ました。  ミステリーとオカルト的要素をうまく融合させた作品。光と闇の象徴的なコントラストが自己内他者(狂気)の存在を示唆している。真相に至るまでに否応無く認識してしまう、精神の檻というべき「自我」。その逃げ様の無い閉塞感が恐ろしい。  それにしても、この光と闇を使った独特な映像演出は素晴らしい。光を明滅させるように静かに回転する換気扇、闇を映す鏡のように石畳を濡らす雨、逆光の中に浮かぶ人影、そしてラストのエレベーターのシーンなど、随所に不吉な予兆を孕んだまま、見ている者に得体の知れない恐怖の胎動を感じさせる。  ただ、惜しむらくは、謎を追って行く過程にあまり面白味が無く、少しダラダラとしてしまっている点。あの依頼人である悪魔も露骨すぎる。ああいう存在は匂わす程度に止めておいて欲しい。  PS.ゲームの「サイレント・ヒル」シリーズは、ほとんどこの作品から演出をパクってますね(笑)。
7点(2004-08-13 17:49:48)
263.  バウンド(1996) 《ネタバレ》 
これもやたら高評価だけど、残念ながら個人的には中途半端な作品としか思えなかった。  サスペンスとしては意外なほど王道で、設定もストーリー展開も無難。ちょっと違うのは、主役のふたりがレズってだけ。しかも、そのレズ設定にも特に必然性が無い。これを普通の男女のカップルにしても話は成立してしまう。  オチにもこれといって工夫や意外性は無く、見ていて「だから何?」と言いたくなるような内容の無さ。見ている間は先の展開が気になるものの、全体的に無難すぎて面白味に欠ける作品。
[ビデオ(字幕)] 4点(2004-08-13 17:23:49)
264.  フロム・ヘル 《ネタバレ》 
数ある「切り裂きジャック」の解釈作品の中ではトップクラスの完成度。陰鬱な霧の中に多くの悲喜劇を包み込んだ、雑多で不潔な19世紀末のロンドンを見事に表現している。死体や血飛沫のリアリティや、光と影をうまく使った映像表現など、細部にセンスとこだわりが見られる。  「切り裂きジャック」の魅力は、その謎解きの魅力とイコール。永遠に答えが出ないからこそ、人々の好奇心や探究心をくすぐり続ける魅力がある。そこにあえて「答えの出ない合理的解釈」を試みるからこそ、切り裂きジャックと、そして娼婦たちは永遠の命を得るのである。従って、「無意味に人を殺しまくっていた方が面白い」、なんて解釈をしていては、謎を追求することで進化してきた「人間の好奇心」の大切さすら忘れてしまうだろう。  そんな数ある解釈の中でも、この英国王室絡みの動機は、五人の娼婦殺しの謎と有機的に結びついていて、非常に説得力があり、他の多くの謎の説明にもなっている。  ただ、怪しげなフリーメーソン等、ちょっと雰囲気で誤魔化していて、あまり切り裂きジャックの謎解きとは関係無い部分があるのは残念。史実と違う部分も多いが、あえて変更を加えても、少しだけ希望を残すという終わり方には、いい意味で監督の独自の解釈が見られる。  後世の人間が、こうした謎解きを楽しめるほどに語り継がれる伝説となったことが、殺された娼婦たちに対するせめてもの慰めだろう。
8点(2004-08-13 16:56:28)(良:1票)
265.  ライアー 《ネタバレ》 
うーん、これまた良くも悪くも、「どんでん返しありき」で作られたようなサスペンス。最後まで誰の証言を信じていいのか分からない密室劇は緊張感があり、見ている間は面白いものの、ちょっと展開やオチには無理があります。結局、主人公の金持ちのボンボンが自分の存在を消したいために、刑事達に頼んでひと芝居打ったってこと?  でも、警察関係者が関わっていれば、そりゃ事件の嘘と真実なんて、いかようにも左右出来てしまう訳だし、「ユージュアル・サスペクツ」同様、始めから証言の大半が「作り事」で、観客を騙すことを優先しているなら、そりゃ見ている間は、観客を翻弄することも簡単でしょう。本格系のように、最終的に伏線の正しさを論理的に証明する必要が無い訳ですから。  主人公の発作も、「ああいう病気を持っている人は何をするか分からない」という偏見を助長させる可能性がありますし、そもそもそういうキャラ設定にする必然性もイマイチ分かりません。  やはり「この破綻した部分も含めて好きに解釈してね」的な作品はあまり好きになれません。意図的かどうかも分かりませんが、説明不足の部分や矛盾点(突っ込み所)も多く、全体的にすっきりしない作品。もう一度見れば、多少はすっきりするかも知れませんが、二度も見たいほどの内容でもないしな~。
4点(2004-08-07 12:09:15)
266.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
<映画版のみの評価>  【Beretta】さん、【王の二つの身体】さんに同意です。結局、このシリーズは「イベントの羅列」でしかなく、「物語」ではありません。原作「指輪物語」は既に完成された世界観を持っている訳ですから、それをただ再現するだけなら、潤沢な資金と最新のCG技術があれば、誰にでも出来る事でしょう。確かに、それを実現した事は評価されるべきものですが、単に原作のエピソードを機械的に並べ立てただけで、映画化するにあたって、原作に見られる多くの「問題提起」に対する監督なりの解釈がまったく見られないというのはどうかと思います。しかも、エピソードの取捨選択、変更、時間配分などのバランスが悪いため、もともと原作が古典である事を考慮しても、ストーリーが非常に稚拙なものに見えてしまいます。  特に今作は、前作の「拡大豪華版」といった印象しかなく、よりハデになった戦闘シーンがダラダラと続くばかりで、相変わらず内容らしい内容がありません。戦い方も単に「ワーッ」と突っ込んでいくだけの「数頼み」で、戦略もクソもありません。  各キャラの活躍の仕方も中途半端で、ガンダルフは魔法使いなのに肉弾戦主体だし(後方支援として攻撃魔法を使えよ!城の最上部から雷撃を落したりしたらカッコいいじゃないですか)、他の仲間も出番が少な過ぎ。主人公フロドに至っては、その存在価値を疑問視したくなるほどの役立たずっぷり。ラストも自分の意思で指輪を捨てたのではなく、「取り返す際のゴタゴタで指輪を落っことしただけ」というのもあんまり。ここでこそ、主人公特権を持つフロドが欲望に打ち勝つ強さを見せるべき場面なのでは?魔王もすぐそばに自分の魂と繋がる指輪があるのに、あっさりそれを見逃す体たらく。ほんとに魔王なの?と疑いたくなるほど、ボスキャラとしての「凄味」を感じません。  もっとメインキャラの掘り下げや設定の説明に時間をかけるべきなのに、省略しても本筋とは関係の無い大蜘蛛のシーンにやけに時間を割いていたりと、時間配分にも問題があります。本来なら、種族間の意識差や、それを越える仲間意識と葛藤、国家間の対立と協調、欲望と理性といったように、もっと深く抉るべき問題提起に満ちている作品のはずです。  三部作を通して見て来て、よく出来たCG映像には感心させられたものの、そこに「世界」や「魂」を感じることはついに出来ませんでした。
4点(2004-08-07 10:12:55)(良:1票)
267.  ナイトウォッチ(1997) 《ネタバレ》 
これはホラーではなく、サスペンスミステリー。オリジナルを知ないので比較は出来ないけど、今作だけの評価としては、良くも悪くもオーソドックスな作品という印象。  主人公の友人を露骨に怪しい人物に描き過ぎるため、中盤を過ぎる頃には真犯人が丸分かり。「自由に施設に入ることが出来て」、「主人公や被害者と接点があり」、「全体の事情を把握していて」、「怪しくなさそうな人物」と言ったら、「あの人」くらいしかいないもんなあ。  この手のジャンルで、ああいう真犯人は陳腐。「検視施設のアルバイト」という現実味のある設定や雰囲気が良いだけに、ありがちなミステリーもどきの展開になったのが残念。もう一ひねり欲しいところ。
[ビデオ(字幕)] 5点(2004-08-06 11:56:38)
268.  壁の中に誰かがいる 《ネタバレ》 
タイトルだけを聞くと、「アパートの怪しげなの隣人」やら、「壁に塗り込まれた死体」といったギミックを連想しそうになるけど、実際は、序盤のタロット占いで語られているように、少年少女の成長がテーマの根底にある作品。  それはそれでいいとしても、ホラーの中に時折見られるコメディ要素と、その「さじ加減」が、この作品を中途半端なものにしている。  命がけの脱出劇や、異常兄妹による監禁や殺人がリアルな割りに、何故か「トムとジェリー」ばりの「どたばたコメディ」のような軽いノリが入るので、せっかくの緊張感に水を注している。  また、壁の中や地下室でロクに食べ物も与えられないのに、何人も監禁されている人達が暮らしているとか、あれだけ人数がいるのに脱出できないのかとか、なんでゾンビみたいになってんだとか、突っ込み所が多いのも気になる。  要するに笑わせたいのか、怖がらせたいのか、はっきりしてくれってコト(笑)。全体的に真剣さとおふざけのバランスが取れていない中途半端な作品の典型。いつも思う事だけど、どんなジャンルにしても「やるならとことんやる」という姿勢が大事だね。
[ビデオ(字幕)] 3点(2004-08-06 11:39:10)
269.  ペリカン文書 《ネタバレ》 
国家の陰謀が絡む大げさなストーリーの割に、展開にもディテールにもリアリティが無く、多分にご都合主義が見え隠れする。現実に闇に葬られている事件ってのはいくつもあるんだろうけど、どうにも今作はその辺の描き方に説得力が無い。  他の人の指摘にもあるように、そもそも何か大きな事件があった時には、色々な方面から多くの仮説や噂が出るのは当然の事で、その仮説か当たっていたからと言って、いちいち暗殺や口封じなんかしてたら、それこそ、その仮説の正しさを証明しているようなもの。実際、今作だってわざわざ暗殺に行くもんだから、文書が本当だと確信させてしまうし、事が大げさになっちゃうんじゃないの?  と言うか殺し屋ヘボ過ぎ。あっさり見つかったり、ハデに街中を走り回って、多くの人に素顔を見られたりと、素人ひとりもまともに暗殺できないなんて、あまりにも無能。まあ、本当に殺されたり、始めから暗殺に来なかったら映画にならんけど(笑)、こういった殺し屋のマヌケさなども、作品にリアリティが感じられない理由のひとつ。  この「公にされてはマズい文書がある」→「隠蔽のため暗殺に来る」という展開が、「米軍はエリア51でUFOの研究をしている」→「それを見たので暗殺されそうになった」と言っているUFO番組みたいで、なんか滑稽。 
[ビデオ(字幕)] 2点(2004-08-02 17:34:08)
270.  ダブル・ジョパディー 《ネタバレ》 
「同じ罪では二度と裁かれない」という法律を逆手に取る。その着眼点は良いけど、サスペンスにもミステリーにも成りきれていない中途半端な作品になっているのは残念。  基本的にあまりにも計画が大雑把。あんなに簡単に警察や裁判所を出し抜けるものなんですかねえ。普通、「巨額の保険金にまつわる殺人事件」で、おまけに「死体も出ない」という事になれば、「自殺を装った自作自演」なんて真っ先に疑われるんじゃない?ちょっと調べれば、いくらでも不自然な点や矛盾点なんて出てくると思うんだけど。  まあ、それを言ったら映画にならないんだろうけど、もうちょっと気の効いた計画は無かったものか。さらに別人の戸籍を入手できたとしても、あんなに派手に人前に出まくるなんて、いくらなんでも無茶苦茶でしょ。知人が見てたらどうすんの?  と言うか、そもそも、こんな特殊なケースでも本当に裁かれないのか疑問。明らかに状況から言って別の事件として処理されると思うけど。無理があるなあ。  もっとも監督は、「普通の主婦であった主人公が精神的に強くなって息子と再会する」という「感動的なドラマ」を撮りたかったのか、サスペンス部分はそのための「味付け」程度にしか考えていない感じ。  ただドラマとは言っても、肝心の夫や愛人、保護観察官といったメインキャラの人間描写は中途半端で薄っぺらいし、刑務所内での囚人仲間とのやり取りもほとんど無し。おまけに時間経過も唐突なので、感動演出のためにきちんと描くべき「息子に会えない六年間」の重みも感じない。  やはりつまらない作品にたいてい共通しているのは、やる事が「中途半端」という点かな。
[ビデオ(字幕)] 3点(2004-07-30 02:50:59)
271.  黙秘 《ネタバレ》 
回想シーンに移行する時の、まるで過去と現在が溶けあうような自然なカメラワークや、彼女の罪をまるで太陽の目から隠してやるように訪れる日蝕の演出など、随所にセンスの良さが見られる。  結局、自分の人生を良くするも悪くするも、それは自分自身の選択と決定の帰結でしかない。夫婦間の問題も、子供との関係も、友人との関係も、相互理解と相互依存の関係を自覚し、一歩先を予想する想像力さえあれば、それほど状況が悪くなることはないはず。  キャシー・ベイツ演じる彼女の人生も、殺人(見殺し?)を抜きにすれば、どこにでもあり得る平凡なもの。ただ、自分を律することが出来ない男と結婚したのも、その本質を見抜けないまま子供を惰性的に作ってしまうのも、またその夫を精神的に支え切れなかったのも、結局は本人(無論、夫も)の選択と責任の結果でしかない。そして、その「自覚」と「想像力」が無い者ほど、人生においてトラブルを起こしやすく、また自分で問題を複雑化してしまうように思う。自分の人生の顛末は自己責任が当たり前。そんなリアルな教訓に満ちている佳作。  ただ、あえて難を言えば、皆さんの指摘にもあるように、基本的に脚本自体が単純すぎる点かな。人間ドラマは秀逸なだけに、ストーリー展開の弱さが目立つのが残念。
[ビデオ(字幕)] 7点(2004-07-26 14:22:35)(良:2票)
272.  プレデター
筋肉があれば宇宙人にも勝てる、という映画。違うか。どうしても気になるのは、熱感知による「暖~かい or 冷た~い」程度の大雑把な視覚能力しか無いのに、あんな精密機械を作れるのかという点ですね。それと、あの山刀を持ったインディアン的な人の活躍がまったく無いのがあんまりです。ウォーケンを見習って下さい。あと、なんでラストだけ、あの宇宙人はガチンコ対決を挑むんでしょう?
5点(2004-07-26 13:52:50)
273.  犬の眠る場所 《ネタバレ》 
まずこの作品は、ビデオパッケージの説明書きが悪い。それを読む限りでは、シャロン・ストーン演じる悪女が、売れない作家を自分の色香で操って色々と危険な事をさせるという、まるで「氷の微笑」のようにシャロン・ストーンがメインのような書き方がされているけど、実際は本編とほとんど絡むことの無いチョイ役で、出演している意味も無い程度の役柄。別に彼女のファンではないけど、内容を誤認させるような紹介の仕方はかんべんして欲しい。  で、肝心の内容もサスペンスとして中途半端な出来。事実上、ストーリーに絡む登場人物が二人だけなので、序盤で怪しげな同居人が現われた地点で、その後の展開やオチが丸分かりで、おまけにホントにそのまんま。そう思わせておいてハズしてくれよ!  例えば(これもよくあるけど)、自分の書いている原稿の内容通りの殺人事件が起こって、実は同居人がこの原稿の事件を忠実に再現しているのではないかと疑う。そして密かに彼を尾行するが、ところが…、とかさあ。
[ビデオ(字幕)] 3点(2004-07-26 13:31:36)
274.  記憶のはばたき 《ネタバレ》 
冒頭の美しい自然に囲まれたロケーションと、それに呼応するかのような瑞々しい青春前夜の少年時代を過ごす主人公。だがある日、そんな日常は、親しかった幼馴染の少女が川で行方不明になってしまうことで崩れてしまう。  そして十数年後。このトラウマを抱いたまま大人になった主人公は、その負い目からか精神科医になった。父の葬儀に出席するため、田舎に戻った青年は、かつての少女の面影を宿す不思議な女性に出会う。  まあ、そんな一見サスペンスっぽい内容なんですが、実際はファンタジー要素で味付けされた人間(恋愛?)ドラマ。冒頭の引きは悪くないんですが、結局、青年期に現われた女性が、そのまんまの人物で、気付いてないのは主人公だけ。思わせぶりに引っ張っといて、あまりにも工夫の無い展開とオチに脱力させられました。おまけに「ファンタジー」を免罪符に、彼女に関する説明がまるっきり無く、このいかにも「何となく分かるでしょ?」と言わんばかりのやり方は、手抜き一歩手前。雰囲気は悪くないんですが、やはり作品として展開に意外性が無いのと、この適当な演出が致命的な欠点。ドラマとしてもサスペンスとしても中途半端。
3点(2004-07-26 13:18:30)
275.  シンプル・プラン 《ネタバレ》 
「人間にとって、一番大切なものは何か」。まさにシンプルながらも、未来永劫、語られ続けるであろう普遍的なテーマがサスペンスを下敷きにして見事に描かれている。  それは人によって違うかも知れないが、当然のように身近にあるものほど、その恩恵や大切さには気付きにくいもの。最初、主人公は既にその「大切なもの」をほとんどすべて持っていた。だが、その事に気付いていなかったが故の悲劇がここにある。  突然手に入った大金に目がくらむ事は誰にでもあるかもしれない。しかし、貧しいながらも傍らにあった、当たり前のような「日常の平穏」や「家族」「友人」を犠牲にしてまで手に入れる価値のあるものなど、多分ありはしない。
7点(2004-07-25 20:04:00)(良:1票)
276.  ゴスフォード・パーク
この監督さんは群像劇として有名らしいが、何十人も登場人物を出演させて、どうでもいいダラダラとした会話を聞かせるのが群像劇というものなの?「どんなジャンルでも、映画は観客ありきのエンターティメント性を備えているべき」と思っている自分にとっては、こういう高尚な主張を押し付けられるような「文学的作品」は全く合わない。  金持ちのパーティという舞台設定はいいとしても、とにかく登場人物が多すぎてワケ分からん。感情移入どころか、人物整理もままならず、観客をほったらかしのまま話が進む。まさに「見知らぬパーティ」に紛れ込んでしまったような疎外感が非常に不愉快。  自分にとって「感情移入出来ない」という事は、「物語にも没入出来ない」という事。そのくせ序盤から語られる事の多くは、「誰々が婿養子になった」だの、「誰々はゴマすりだ」といったような、こちらにすればど~でもいい、メイドや執事のグチや、金持ち連中の噂話や仕事話ばかりで、もう聞いていてウンザリ。「ディテールの積み重ね」と言うが、こんな下らない話はいくら積み重ねても、それは「どうでもいいものの積み重ね」にしかならないと思う。  ストーリーは1時間近く経っても特に何の事件も起こらないまま、つまらない会話がダラダラと続くだけ。基本的に外部との接触が出来るため、閉鎖空間特有の緊迫感も無い。  仮にミステリーとして見ても、登場人物が多すぎるため、「いつ」「どこで」「誰が」「何をしていた」という正確な情報が把握出来ない(もっともそんな情報から論理的に結論を導けるような脚本構成にはなってないが)。  かと言ってドラマとして見ても、「群像」形式であるため、必然的にひとりひとりの人間描写が薄っぺらくなり、「誰が」「どういう動機で」殺人を犯そうが、見ているこっちにしてみたら、「あっそ」という程度の感覚しか持てない。実際、真犯人も別に意外性がある訳でもなく、動機もありがちだし、おまけに暗い。  上流階級と下層階級による社会構成の危うさとか、それにより齎される悲劇とか、そんな問題提起は自分にとってはどうでもいい事。 大昔の文学じゃあるまいし、自己満足的な社会批判をする前に、もう少し観客を意識した映画作りをしてくれ。
[映画館(字幕)] 0点(2004-07-24 08:04:42)(良:1票)
277.  ホワット・ライズ・ビニース 《ネタバレ》 
序盤から四十分近く時間を割いている「隣人への疑惑」が、結局、本筋とは全く関係無しというのが最も致命的。おまけに一番身近で怪しい人間が犯人という、そのまんまのオチ。サスペンスとしてあまりにもありがち。  驚かせ方も静かなところで急に大きな音を立てるというビックリ箱パターンの繰り返し。全体的にテンポも悪い。あと三十分は短縮可能な内容。  隣人との関係や犯人との共謀、過去の事件との兼ね合い、彼女の妄想など、もっとサスペンスミステリーとして面白く出来たはず。何でもかんでもドンデン返しをすればいいってものじゃないけど、もう少し展開や人間関係には意外性が欲しかった。  話題性のために仕方ないとは言え、超メジャーなハリソン・フォードを起用するというのも、この手のジャンルにとってはマイナス。脚本で勝負せず、監督の「役者頼み」のような志の低さが、この作品を凡作にしている最大の要因。
[ビデオ(字幕)] 3点(2004-07-24 06:41:45)
278.  ロッキー・ホラー・ショー
すみません。内容以前に、やはり個人的にどうしてもミュージカルが肌に合わないです。どこでも絶賛されているカルト作品だけに期待したのですが、自分から見ると、この倒錯した不条理な世界観も、そこまで驚かされるようなものとは思いませんでした。公開当時は、このインモラルでバイセクシャルなキャラクターが衝撃的だったのでしょうが、現代人として磨耗してしまった価値相対的感性(?)からすれば、別に驚愕に値するようなものでもありませんしね。恐らく、この現場(劇場)でのノリは、「安全な日常の中で非日常を味わう」という、学園祭やコミケ(のコスプレ)と同質のものだと思います。いや、それはそれで良いんですけど、この手のノリは自分もノレないと、ひたすら疎外感や違和感を味わうハメになるので、そこら辺ですかね(何が?)。
3点(2004-07-20 03:14:14)
279.  スティング 《ネタバレ》 
詐欺師たちが仲間のために一致団結して、ギャングのボスに一泡吹かせるという、まさに悪人が悪人を騙すという、勧善懲悪ならぬ勧悪懲悪のような痛快な内容。コメディ寄りのため、どうしてもご都合主義的な部分も目立つが、そんなことをあまり気にさせないテンポの良い脚本構成がウマい。とにかくボスを騙すことを最優先させているので、余計な寄り道が無くてイイ。
8点(2004-07-20 02:47:50)
280.  マッチスティック・メン 《ネタバレ》 
あまりサスペンスと思わず見始めたのが良かった。ある意味、この「ドラマ仕立ての演出」こそが作品全体に仕掛けられた罠なのかも。序盤のやや退屈な展開の中で語られる「離婚して精神に失調を来たした詐欺師と娘の心の交流」という設定自体が、後半のどんでん返しの伏線になっている。  そしてそのサスペンスフルなどんでん返しの後には、再び暖か味のある人間ドラマが浮上する。虚構を真実に見せる詐欺師にとって、自分の中の「真実」を見つめ直すきっかけが、「信じた娘の詐欺行為による裏切り」というのは何とも皮肉な結果だが、だからこそ彼にとって自己を客観視する一大転機に成り得たとも言えるわけだ。そしてそれは騙した娘にとっても同じ効果を齎したからこそ、詐偽行為を止めたのだろう。  騙し、騙されることで始めて見えてくる、「お互いの心」という真実。サスペンスを下敷きに、見事な人間ドラマを描いた佳作。
8点(2004-07-16 21:46:28)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS