421. サウンド・オブ・ミュージック
優しさに溢れた作品。子供達も可愛い。ただ、そこまで傑作かなあ?個人的にミュージカルはどうしても肌に合わないです(だったら見るなと言われそうですが)。いちいち踊りのたびにドラマが中断し、各場面が長くなるので、全体的に冗長に感じてしまう。その割にラストがあっさりし過ぎで物足りない。あの場面でこそ、生きる喜びを歌と踊りで表現するべきなんじゃないの?一番、喜びを表すにふさわしいシーンなのに何で踊らないの?恋人からもただ逃げていくだけ。やはり現実の前に歌や踊りは無力なんですね。 5点(2003-10-23 14:38:59) |
422. シックス・センス
《ネタバレ》 ミステリー小説で言えば「叙述トリック」的な仕掛けを映像でやったというのは、私の知る限り、この作品が始めてのはず。 あまりに有名になりすぎた事と、冒頭で「どんでん返しがある」という事を強調してしまった点がマイナスに働いているのが残念な限り。そのため色眼鏡で見られがちだが、作品としては全体的に丁寧な作りだし、何より、その実験的な試みがきちんと作品の中で完成されている点をまず評価したい。 ただ、一度見てしまうと何度も楽しめるタイプの作品ではないのも確か。ちょっと厳しいけど、そこを考慮するとやはり8点が限界。 [ビデオ(字幕)] 8点(2003-10-22 18:31:10) |
423. マトリックス
日本の漫画やアニメ、特に「攻殻機動隊」や「AKIRA」辺りの影響を強く受けているのが分かる。見たときの年齢や、優れたアニメを見慣れているかいないかで、大きく評価は変わりそう。評価の高いアクションシーンも個人的には別にどーとも思わなかった。単にワイヤーで引っ張って高く飛んだり回転しているだけでスタイリッシュでも何でもないし、カンフーアクションも手抜きかと思えるほど迫力がない。ジャッキー・チェンの映画を見習って欲し…、って、この映画のアクション担当って、かつてジャッキーの酔拳や蛇拳を担当した人なの!?…やっぱり、いい映画を撮るには、色々な条件が揃わないとダメなんだなあと痛感。ストーリーも古今東西のSF映画のごった煮という印象でオリジナリティ皆無。 3点(2003-10-22 18:18:58) |
424. ボーン・コレクター
《ネタバレ》 ミステリーやサスペンスというジャンルにおいて、重要な要素がいくつも欠落している駄作のお手本。殺人鬼としての美学、その動機、謎解き要素、犯人の意外性、どれを取っても平均点以下。最大のマイナス要因は「犯人がメイン登場人物の中にいない」という点。もちろん計算して意図的に外している訳ではなく、単に脚本がお粗末なだけ。おまけに、その動機も個人的な過去のうらみというつまらないもの。だったらあんな事件を起こして警戒される前に殺しに行けば?と思ってしまう。動機と謎解きに有機的な関係性がないなんて論外。ミステリー作家養成学校の反面教師的な教材としての価値はある。 1点(2003-10-21 17:52:50)(良:1票) |
425. セブン
サスペンス映画の見本のような傑作。犯人を追い詰めているようで、実は犯人の目的達成のために動かされていたという恐怖。そして逃れられない絶望的な選択を迫られる衝撃のラストシーン。ストーリー自体はオーソドックスだが、観客を意識した飽きさせない展開のうまさに感心する。ミステリーやサスペンス好きなら必見。単に「グロいから」という一点でもってこの作品を否定するなら、最初からこの手の映画は見ないことです。 9点(2003-10-19 11:30:35) |
426. キャンディマン(1992)
殺人鬼ホラーものとしては後進ながら、キャンディマンのキャラクター性といい、全体に漂う不気味な雰囲気といい、完成度はなかなかのもの。ただ、殺人鬼に同情に値する悲しい過去がある、という設定はあまり好きではない。また、この作品も他シリーズ同様、回を重ねるごとにつまらなくなっていった。 6点(2003-10-16 20:12:33) |
427. ハンニバル(2001)
すっかりレクター博士がダークヒーローになってしまった。あんな人間味を出してしまったため、作品としてのノリが安っぽいものになっている。車椅子の男の復讐話も浮いていて、あってもなくてもどっちでもいいような必然性のないエピソード。犯罪心理サスペンスからは随分遠くなってしまった。 4点(2003-10-16 07:18:49) |
428. ブレードランナー
あの独特な世界観と終末観が、その後の映画に多大な影響を与えたというのも頷ける。深いテーマ性を持つヘビーな内容にも関わらず、決して独りよがりにならないバランス感覚と観客の目を意識したエンターティメント性を備えている。ラストは素直に感動。まさに「アンドロイド」の悲しみ。原題は秀逸だよな~。 10点(2003-10-14 10:05:19) |
429. ファイト・クラブ
暴力や痛みでしか生の実感が得られない、そんな人間のアイデンティティ確立というテーマ自体が幼稚。結局はすべて内側に向かっている逃避行為でしかない。相手を殺したり、また殺されるほどの覚悟もない、単なる「暴力ごっこ」は、まるで自己開発セミナーの合宿を見ているような滑稽さ。ひたすら自分に優しい、ただの自慰行為と寸分も変わらない。監督の「お前ら、もっと自分の内面に向き合えよ。そんなこと考えたこともないだろ?」と言わんばかりの押し付けがましさを感じてしまう。 3点(2003-10-14 10:02:20)(良:1票) |
430. 12モンキーズ
《ネタバレ》 タイムトラベルものとしての矛盾以前に、根本的に脚本に穴があるような気がする。 作中のように比較的簡単に過去へ行き来できるのなら、精神的に不安定な囚人ではなく、もっときちんと訓練を施した「テロ対策部隊」でも送り込んで、抜本的に過去を変えるように動くべきではないだろうか? SFとサスペンスとミステリーの要素が溶けあわずに混在しているため、作品としてのポイントがぼやけて中途半端になっている印象を受けた。 途中の精神病院のシーンもダラダラと長いばかりであまり意味があるとは思えなかった。ブラピの演技も微妙。どうせなら最後まで現実か妄想かが分からないサイコサスペンス路線で徹底してくれた方が面白くなった気がする。ラストも解釈を委ねるという終わり方には賛否両論。 まあ、自分なりに推理して楽しむ余地はある作品ではあるけど、やはり中途半端な印象は拭えず。 [DVD(字幕)] 5点(2003-10-13 13:47:32) |
431. ゴッドファーザー
大絶賛の嵐の中、否定的な評価をするのは心苦しいのですが、個人的にはまったく普通の印象でした。確かに俳優陣の強烈な魅力や演技力には脱帽ですし、マフィア同士の抗争を通して、家族愛などの人間ドラマをメインに描くというのもいいと思います。しかし、不遜な言い方をさせてもらえれば、映画にせよ小説にせよ、どんなジャンルでも、人間ドラマを描くことは「当たり前」のことであって、とりわけこの作品が突出して凄いとは思えませんでした。家族愛や人間ドラマがあると言っても、結局はマフィアとしてうまい汁を吸い、非合法なこともしているから命を狙われるのであって、それに対処した事をもって「苦難を乗り越えた勇気や家族愛」と評価するのは少し違うのでは?と思ってしまいます。例えば映画出演をめぐってのエピソードでは、明らかにソニーに非があるのに、堅気であるはずのプロデューサーに対して、愛馬の首を切り落とすような暴力的で残虐な脅しを仕掛けたりするのは、マフィアの仁義には反しないのでしょうか?身内のためなら、そんな卑劣極まる行為すら正当化するのがマフィアの「家族愛」なのでしょうか?私がボスなら、「そんな腐った性根でいい演技が出来るか!」と一喝しますし、それが本当の愛情なのでは?この作品からは「身内だけに注がれる狭い愛情」ばかりで、ヤクザ者として貫き通すべき「仁義」や「義侠心」といったものが感じられません。その際たるものが、マイケルの逃亡先での結婚話でしょう。心通わすイベントも、結婚の必要性も無いのに、まるで「暇つぶし」のような感覚で結婚。結果、あんな目立つことをしたせいで、相手の女性は身代わりになって死ぬことになったのに、その後あっさり昔の女と縒りを戻し、その事に何の痛痒も感じていないマイケルには嫌悪感すら覚えました。ラストにしても、マフィアのボスとしての大きなリターンを考えれば、カッコつけて「闇の世界に身を投じる覚悟」と言う程のものでもないでしょう。下っ端を経ることなく、いきなり組織のトップになれるなら、私だって「やってみようかな」くらいの事は思いますよ。ましてここは自分の「身内の組織」なんですから、なおさらでしょう。どうも、この作品も神格化されすぎているように思いました。 5点(2003-10-13 03:46:54)(良:7票) |
432. ジュマンジ
これまた中身の無い、消費型娯楽映画の典型。まあ、頭をからっぽにして見るべきものだとは思うけど、どうにもハジけ方が中途半端で、コメディにもアドベンチャーにもなっていない。当時としてはCGのレベルはかなりのものだとは思うが、やはりこの手の「CG礼賛映画」に共通して感じることは、CGで描かれたものの「重みや存在感が希薄」ということ。実際のセットとの同調にズレがあったり、動きが不自然に滑らかすぎたりするので、中途半端にリアルなだけに齟齬が目立つ。この頃から「見所はCG、ストーリーは二の次」という主客転倒した映画(と、それを絶賛する観客)が増えて来ている。何でもCGに頼るのではなく、もっと効果的な使い方を考えて欲しい。 3点(2003-10-07 22:54:01) |
433. ブレイド2
《ネタバレ》 「昨日の敵は今日の友」。ライバル同士がより強力な敵を倒すために協力すると言う、少年漫画的な燃える設定に期待したが、やっぱり期待ハズレに終わった。 前作同様、「吸血鬼」という設定に意味が全く無い展開やキャラ描写が問題。相変わらず吸血鬼はただのヤンキーやゴロツキみたいで、ヴァンパイア特有の魅力や凄みがまったく無い。出てくる武器にも意外性やインパクトが足りない。 リーパーズも吸血鬼の改造で、ブレイドを陥れる作戦の一貫だったという、およそ考えられ得るシナリオ展開のなかで最もやって欲しくなかったつまらないオチ。遺伝子改造するような科学力があるなら、対ブレイド用にもっとすごい武器や防具を作ったほうがいいんじゃないの?とにかく吸血鬼アクション映画としての設定が大雑把で単純。 こういう作品を見ると、同じ「吸血鬼」を題材にしていても、やはり日本の漫画やアニメなどは、ストーリー性や吸血鬼のキャラクター性、アクションの演出にも独自の工夫とセンスがあり(「ポーの一族」、「ジョジョの奇妙な冒険」、「トリニティ・ブラッド」、「HELLSING」、「吸血鬼ハンターD」等々)どれもレベルの高い世界観や独特なキャラクターを確立しているが、海外の作品はいつまでも中途半端なアクション映画止まりで発展性が見られない。 [DVD(字幕)] 3点(2003-10-06 01:21:42) |
434. エンド・オブ・デイズ
相手が人間だろうがエイリアンだろうが悪魔だろうが、「とりあえずガトリングガン撃っときゃいいんだよ、ガトリングガン」という姿勢には頭が下がります。 3点(2003-10-05 19:58:27)(笑:1票) |
435. レッド・ドラゴン(2002)
《ネタバレ》 以前にビデオで見た時は、無難にまとまっているだけで、特徴の無いサスペンスホラーだなと思ったけど、改めて見てみるとそれなりに良く出来ている作品だと思い直した。 「羊」の続編でありながら、時系列的には前段階のエピソードとして無理が無く、今作が初見の人にも分かりやすいストーリー作りに好感が持てる。 子供時代のトラウマが根底にあるという犯人のキャラ造形はありがちで、身も凍るような異常さも美学も備えてはいないが、その分、リアリティがあり、レクター博士と刑事との三者三様の思惑を秘めた絡み具合がなかなか面白い。 傑作とは言い難いが、あのヒット作の続編という難しい位置付けでありながら、万人が楽しめるようなバランスの取れた佳作。 [ビデオ(字幕)] 7点(2003-10-05 19:54:50)(良:1票) |
436. ジュラシック・パーク
maxさんの意見に同意。「恐竜が描かれているから、人間が描かれてなくてもいい」という評価があるのには呆れた。傑作「ゾンビ」では、ゾンビの存在はあくまで人間ドラマを際立たせるための「素材」という位置付けでしかなく、「ゾンビを描くために作ったパニック映画」ではないから傑作なのです。「パニック映画にストーリーなんていらねーよ」という見方も、そりゃひとつの見方ではありますけどね。しかし、パニック映画として見ても、登場人物達のいかにも「状況を悪化させるための」、ひいては「パニック映画として成立させるための」バカでお約束な行動の連続にはイライラさせられることも事実(動いちゃいけないところで動き、単独行動すべきでないところで、単独行動をして襲われる)。もっと深い内容に出来るはずの作品だっただけに、単純なパニック映画に仕上げられたことが残念です。 4点(2003-10-03 04:06:55) |
437. マイノリティ・リポート
さすがに金も手間も掛かっている。でも、それだけ。中途半端な未来世界に加え、プロットは大雑把なミステリー。予知を逆手に取るという発想は面白いが、おかげで完全にタイムパラドックスに陥ってる。全体的には無難にまとまっているが、アクション、謎解き、世界観、どれをとっても中途半端であることは否めない。あ、でも唯一、予知を活かして追っ手を撒くところは「ジョジョの奇妙な冒険」のキングクリムゾンみたいで面白かった(笑)。 4点(2003-09-26 11:14:20) |
438. ギフト(2000)
サイコメトリー(霊視?)のような能力がある女性が主役。しかし脚本が大雑把で、その設定が活かしきれておらず、ミステリーとしてもサスペンスとしても中途半端な結果になっている。それに加え、登場人物が少ないため展開が読みやすいのも、この手のジャンルとしてはマイナス。結局、犯人も当初の予想通りだったし。 4点(2003-09-26 10:40:07) |
439. PLANET OF THE APES/猿の惑星
駄作。猿のメイク以外で評価できる点が見当たらない。ラストも陳腐なものに変更する必然性が分からない。 2点(2003-09-25 03:29:42) |
440. ハムナプトラ/失われた砂漠の都
典型的な消費型娯楽作品(?)。この手の冒険活劇ものにCGを多用されると、どうしても小奇麗で薄っぺらなものに見えてしまう。そこそこの出来で、見ている間はそれなりに楽しめるものの、見た後に残るものがない。まさに可も無く不可も無い内容。 5点(2003-09-23 13:33:09) |