661. アルカディア
《ネタバレ》 人里離れた森の中で自給自足の生活を送るカルト教団「キャンプ・アルカディア」。そこから逃げ出した兄弟が、10年ぶりに現地を訪れるところから物語は始まる。そこには何故か、10年前と変わらぬ姿で生活している信者たちがいて、彼らを温かく迎え入れてくれるのだった。兄は過去の忌まわしい記憶から不信感をあらわにするが、まだ子供だった弟は反対にこのカルト教団に戻りたいと思うようになる。次第に心が離れてゆく兄弟。だが、やがて理屈では説明できない不可思議な現象が兄弟を襲うようになる。同じところをぐるぐると走り続ける男、湖の底に蠢く怪しげな生物、いつの間にか空に浮かんでいた三つの月、そして自殺した自分の死体と一緒に暮らす謎の男――。いったい何が起こっているのか。兄弟はこの不可解な現象からなんとか逃げ出そうともがき始めるのだったが…。怪しげなカルト教団を巡るサスペンス・スリラーと思いきや、途中から最近流行りのループ物へと変貌するエキセントリックな物語。正直に言って全く面白くありませんでした、これ。とにかく前半無駄なシーンが圧倒的に多いのに、お話自体がかなりつまらないので、もう退屈で退屈で仕方なかったです。あの森の中の謎の何かと綱引きをするシーンはいったい何の意味があったのでしょう?途中からようやくループ物として物語が動き始めるのですが、これがまあトホホな仕上がりで失笑するしかなかったです。どうやら森のあちこちで小さなループが繰り返されているらしいのですが、これが非常に分かりにくい!こういう設定勝負の映画ってどれだけルールや法則がしっかりと練られているかがポイントとなるものだけど、本作はそこらへんがあやふやというかかなり適当なので観ていてさっぱり面白くないんですよね~。これではただ単に奇を衒っただけの凡作というしかありません。 [DVD(字幕)] 2点(2019-08-01 21:20:04) |
662. パシフィック・リム:アップライジング
《ネタバレ》 アホほど金を掛けて、怪獣VSロボットの人類の存亡を掛けた闘いを大真面目に作ったエンタメ・アクション第二弾。まぁぼちぼちってとこですかね。監督が交代したってことで、お話の内容もアクションも全体的に3割減って印象でしたわ。ヒマつぶしに観る分にはそこそこ楽しめます。ロボットも怪獣も日本の文化なのに、マーケティングのせいなのか全面的に中国フューチャーなとこは違和感ありますけど。 [DVD(字幕)] 6点(2019-07-25 23:37:31) |
663. ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
《ネタバレ》 ベトナム戦争当時、前線を視察した政府職員が作成したとされる最高機密文書、いわゆるペンタゴン・ペーパーズ。時の政権を揺るがすほどの内容が記されたその文書を巡り、安定した経営か新聞記者としての矜持か、ぎりぎりの選択を迫られることになった記者や社主の葛藤を描いた社会派ドラマ。監督はもはや言うまでもないレジェンド監督スティーブン・スピルバーグ、主演も長年ハリウッドの第一線で活躍し続けるベテラン俳優コンビ、トム・ハンクス&メリル・ストリープ。実話を基にして描かれたという本作、手堅い演出とベテラン勢の安定した演技力でなかなか見応えのある仕上がりになっていたと思います。株式公開による安定経営か、もしかしたら会社存続の危機に陥るかも知れないがそれでも真実の公開か、アメリカの歴史を揺るがした事件を丹念に描いたドラマは抜群の安定力でした。ただ、あまりにも王道過ぎて、若干物足りなく感じてしまったのも事実。もう少し捻りのある展開があればもっと良かったんですけど、これは好みの問題なのかな。面白かったですけど、まあそこまでって感じですかね。 [DVD(字幕)] 6点(2019-07-23 23:13:54) |
664. サスペリア(2018)
《ネタバレ》 東西冷戦中の分断されたベルリンを舞台に、閉鎖的な演劇学校内で繰り広げられる少女や女性教師たちの怪しげな交流を独自の映像で描いたサスペンス・ホラー。「決して一人では見ないでください」で有名なオリジナルは未見。うーん、なんかよー分からん映画でしたわ~。一つ言えるのは、ちょっと引っ張り過ぎちゃいますか、これ。お話としてはしごく単純なのに、それをこれでもかというくどい演出でトータル150分オーバーにしたのはさすがにやり過ぎですわ。まあそれでもクライマックスのおっぱい・内臓・鮮血のドバドバ出血大放出は、さすがに引っ張り倒しただけあってなかなか見応えありましたけれど。あのシーンと、紐みたいな露出度多めの衣装で女の子たちが踊るとこはいかにも淫靡でそこは良かったかな。あと、クロエちゃんも出てたんですね、これ。え、何処に?って感じでもう一度見返してみたら、冒頭のあのカウンセリングを受けてた女の子がそうなんですね。ほとんどアップにもならないし、おまけに髪の毛もぼさぼさで半分顔隠れてるし、こんなの分かるわけないですって(笑)。結論。もう少し短かったら、この独特の耽美的な世界観をもっと楽しめたかもしれないのにね。オリジナルは……、まあ機会があれば観てみます。 [DVD(字幕)] 5点(2019-07-21 20:03:54)(良:1票) |
665. ヴァレリアン 千の惑星の救世主
《ネタバレ》 なんか中身のない映画だったなー。肝心の映像の方も色んな映画の寄せ集めみたいで、何から何までダサいですし。正直観る価値はなかったかな。 [DVD(字幕)] 3点(2019-07-18 23:57:06) |
666. アンセイン ~狂気の真実~
《ネタバレ》 都会の一流企業でバリバリと仕事をこなすエリートOL、ソーヤー。上司からの信頼も篤く誰の目からも順風満帆に見える彼女だが、実は過去のとある出来事が原因で心に深い傷を抱えていた。デビッドという中年男に一方的な好意を寄せられ、約2年にわたる執拗なストーカー行為を受けていたのだ。そのトラウマを忘れるために、ソーヤーは郊外にあるストーカー被害者のための精神科病院でカウンセリングを受けることに。だが、1時間程度でカウンセリング自体は終わったものの、何故かソーヤーはそのまま任意入院する羽目になってしまう。「これは何かの間違いよ!」。そう訴えるソーヤーの声は全く聞き入れてもらえず、しかも同じ病棟の入院患者や職員に手を出したことからどんどんと入院期限は延ばされてしまうのだった。警察に訴えても法的には問題ないため何もしてもらえない。そんな絶望的な状況へ陥ってしまったソーヤーの目の前に、今度はストーカー男であるデビッドが再び現れ…。閉鎖的な精神科病棟を舞台に、そんな不条理な状況へと追い込まれてしまった女性の恐怖を描いたサイコ・サスペンス。ベテラン監督、スティーブン・ソダーバーグの新作ということで今回鑑賞してみたのですが、正直微妙な出来でしたね、これ。なんか主人公を追い詰めるものが、患者の保険料を食い物にする悪徳精神病院と執拗なストーカー男と二つもあるため、恐怖の対象が最後まで分散しちゃってるんですよね~。もう少しどっちかに絞って描いた方が良かったんじゃないでしょうか。あと、全編をiPhoneで撮影したことをウリにしてますが、それって映画としてプラスなんですかね。アップル社にとってはそりゃ宣伝にはなりますが、映画としては低予算で撮ったことを宣言しちゃってるだけのような?でもまあ、狂喜の真実というサブタイトルが示す通り、途中まではもしかしたらこの主人公の妄想なんじゃないかと思わせる不穏なストーリーは良かったんで、5点ってとこですかね。 [DVD(字幕)] 5点(2019-07-18 15:12:44) |
667. ホテル・エルロワイヤル
《ネタバレ》 カリフォルニアとネバタの州境に建つ一軒の寂れた安ホテル、その名もエルロワイヤル。ある夜、このホテルで偶然一夜を過ごすことになった、5人の客たちと1人の従業員。饒舌な家電セールスマン、初老の神父、落ちぶれた黒人女性歌手、気の強そうな訳あり女性、彼女に拉致監禁されている謎の女、そして何らかの秘密を抱えていそうな気弱なホテルのフロントマン――。一見、何の関係もなさそうなそんな彼らだったが、それぞれの目的のためにこのホテルへとやって来たのだった。突如として降り始めた大雨の中、彼らは各々の目的のために行動し始める。すると、このホテルに隠された本当の秘密が明らかとなり、やがて第一の犠牲者が…。何の変哲もない一軒の安ホテルに集ったそんな宿泊客たちが次々と巻き起こす騒動をスラップスティックに描いたクライム群像劇。という明らかに初期のタランティーノを意識して制作されただろうそんな本作なのですが、冒頭から舞台となるこのホテルのいかがわしさが炸裂してて摑みはばっちりでした。それぞれの部屋番号を割り振られた宿泊客のお話が順番に展開されるのもいかにもタランティーノ的で、時系列をいじくったお話の持っていき方も手際がよく、これは面白くなりそうという雰囲気をびしばし感じました。特にホテルのフロントの隠し扉を抜けると秘密の通路があり、それぞれの客室のマジックミラーとなった鏡の裏側へと繋がってるというのはいいですね~。うーん、なんという夢のようなホテルなんでしょ(笑)。そこから覗かれる、それぞれの客たちもみな胡散臭くて全員キャラが立っているのも大変グッド。と、途中までは面白く観ていられたんですけど、中盤辺りから急速に失速しちゃうのが本作の残念なところ。本家のタランティーノに比べてお話の密度が薄すぎるんですよね、これ。なのに、明らかに長い!この密度で140分は明らかに長すぎます。途中から出てくるクリス・ヘムズワース演じるイカれたカルト教団のボスも、なんだか取って付けたようで違和感しか感じませんでした。もう少しいらんエピソードを削って全体的にコンパクトにまとめてくれたらもっと面白くなったかもしれないのに、残念! [DVD(字幕)] 6点(2019-07-14 01:16:33) |
668. グリンチ(2018)
《ネタバレ》 クリスマスが大嫌いなひねくれ者の緑色モンスター、グリンチ。クリスマスの夜に彼が巻き起こす騒動を描いたCGアニメ作品。うーん、“ザ・子供向け”でしたね、これ。なんか芸術性と毒が抜けた、劣化版『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』みたいな印象でした(そう言えば音楽も同じダニー・エルフマンですし)。内容はほぼありませんが、映像はさすがのクオリティなんでそこそこ見ていられます。ま、それだけですね。 [DVD(字幕)] 5点(2019-07-13 00:14:12) |
669. ヘレディタリー 継承
《ネタバレ》 祖母の死をきっかけに理屈では説明できないような悲劇に次々と襲われる、ある一家の恐怖を描いたモダン・ホラー。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、これがまぁ近年稀に見るいやぁぁぁ~~~~~なお話でしたね。冒頭のミニチュアハウスの一室へとカメラがクローズアップしてゆき、そのまま普通の部屋となって家族が登場するというシーンからもう不穏な空気が漂っています。そうして始まる祖母の葬儀。この家族、娘である夫婦もその子供である孫たちもみな何処かおかしいんですよ。特にずっと不機嫌な顔をした孫の女の子!言っちゃ悪いけど、よくこんな気持ち悪い子供を見つけてきましたね(笑)。この子がグロテスクな絵を描いたりおかしな言動を繰り返したり、挙句、死んだハトの首をハサミで切り落とすシーンを見て、「あ、なるほど。この子が悪魔か何かに取り憑かれてて、これからいろいろと暴れまわるわけね」と思ったら、まさかの兄貴による首チョンバ(笑)。そのまま兄貴は現実逃避でベッドにふて寝、母親狂気の大ヒステリー、とどめは道に転がる蠅だらけの女の子の首……。いやー、この映画、観る者の予想をバシバシ裏切ってきますわ~。そのままテンションを一ミリたりとも落とすことなく、映画はどんどんと恐怖のどん底へと突っ走ってゆきます。特にヒステリックな狂気へとただただ暴走する母親の怖いこと、怖いこと。娘の首チョンバシーンをミニチュアで再現するなんて悪趣味以外の何者でもありませんわ。唯一まともだったお父ちゃんがもう不憫すぎます。最後はちょっとオカルトに流れすぎちゃった感がなきにしもあらずだけど、僕は充分大満足。久々にこんな禍々しい映画と出会ってしまいましたわ。監督は、本作が長編デビュー作となるアリ・アスター。うん、今から次作を楽しみにしとこっと。 [DVD(字幕)] 8点(2019-07-09 22:58:03) |
670. シュガー・ラッシュ:オンライン
《ネタバレ》 ゲームキャラクターたちがゲームの枠を乗り越えて大冒険するCGアニメシリーズ第二弾。前作では小さなゲームセンターにあるアーケードゲーム内だけのお話だったのが、今回はお馴染みの二人がWiFiからインターネットの広大な世界に飛び出して大活躍するという内容。確かにインターネットの世界を巧く映像化した前半部分はなかなか良かったのですが、その後、レースゲームが終わったあたりから僕のテンションは徐々に下がってゆくばかり。うーん、このシリーズとは相性が悪いのか僕は全く嵌まらないんですよね~。ストーリーもごちゃごちゃしててよく分かんないし、キャラクターにも別段魅力を感じず。だってこのラルフってキャラ、客観的に見たら単なるロリコン親父じゃないですか(笑)。映像はさすがのクオリティなんで、5点! [DVD(字幕)] 5点(2019-07-09 05:13:27) |
671. アンダー・ザ・シルバーレイク
《ネタバレ》 都会の片隅で孤独に生きるオタク青年が一目ぼれした美しい女性。彼女を巡って、彼が踏み入れることになるハリウッドの裏社会を幻想的な映像と不条理な展開で見せるシュルレアリスム劇。監督は前作『イット・フォローズ』でスマッシュヒットを飛ばしたデビッド・ロバート・ミッチェル。エッジの効いた演出とセンス抜群のホラー描写で魅せたその前作がなかなか良かったので、けっこう期待して今回鑑賞してみました。なんですけど、うーん、この人って本来はこっち系の映画を撮りたい人だったのですね。いわゆるデビッド・リンチ系の不条理劇。僕はこういう前衛映画は『マルホランド・ドライブ』以外はまったく合わないんで、本作もそこまで嵌まりませんでした。こういう難解な内容なのに最後まで淡々と見せきる監督のセンスや80年代90年代のオタク文化を濃厚に織り交ぜた独特の世界観などは確かに凄いとは思うんですけどね。それにちょっと長いのも気になりました。うん、こればかりは好みの問題としか言いようがありませんわ。 [DVD(字幕)] 6点(2019-07-06 22:50:11) |
672. シカゴ(2002)
《ネタバレ》 もうゴージャスでエネルギッシュで猥雑で胡散臭くて下品で、そして最高に面白いミュージカル映画の傑作。もともとミュージカルがあんまり好きじゃないのだけど、これだけは別格です。もう女の武器をこれでもかと最大限に駆使して成り上がっていく二人の女の姿はそれだけで魅力的!下品な弁護士を演じたリチャード・ギアもそれっぽくて最高だ。最後まで、徹底的にアンモラルを貫いた、その製作姿勢にも素直に拍手!理屈抜きの生きるエネルギーに満ち溢れていて、本当に大好きな作品。 [DVD(字幕)] 9点(2019-07-05 21:33:43) |
673. アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
《ネタバレ》 90年代初頭に起きた、アイススケート現役オリンピック選手によるライバル・スケーター襲撃事件。いわゆる「ナンシー・ケリガン襲撃事件」。本作はその首謀者とされ、後にアイススケート界を永久追放されることになったトーニャ・ハーディングやその関連人物たちへのインタビューを基に構成された彼女の半自伝映画だ。まあ冒頭に示される「大いに異論はあると思うが…」という言葉通り、彼女の言い分に全面的に寄り添った内容となっているのですが、本作のテーマはそこじゃないんですよね。真相はどうあれ、彼女を含め本作に登場する実在の人物たちがどいつもこいつも大バカ者でどうしようもないクズばっかりなんですよ。もう見ていて清々しいくらいのクズのオンパレード(笑)。トーニャの母親もこれがまあ強烈な自己中おばさんで娘を虐待しながら周りに悪態ばかりつくクズ。彼女の夫も酒に酔っては暴力を繰り返す典型的なDV男。誇大妄想の末、自分の器の小ささを押し隠すために出鱈目な計画を思いつく彼女の元ボディガードもどうしようもない大バカ者。そして彼女自身もまた、後先考えず感情の赴くままに行動し様々な問題を引き起こす典型的なトラブル・メーカー。まぁ貧困の問題はあっても、誰も彼も自業自得としか言いようがありません。でも、なんか嫌いになれないんですよね~、この人たち。みんな生きることに真剣で、ただひたすらエネルギッシュに自らの幸せを追い求めてる。ちょっと人生の計画性というものが、どいつもこいつも複雑骨折しているだけで(笑)。このクズっぷりは最後まで徹底されていて、事件後にトーニャが母親と和解しようと抱き着くところでもすぐに盗聴器を持ってることが判明し、またしても罵り合いの大喧嘩が始まるとこなんてもう笑っちゃいましたわ。そして、スケート界を永久追放された後もボクサーに転身ししたたかに生きていった彼女の貪欲さには、もはや呆れを通り越して逆に拍手を贈りたくなっちゃいました。生きることになんとなく疲れた時なんかにこの映画を観たら、また明日から前向きに生きられそうですね。素行不良のはねっかえり娘を演じたマーゴット・ロビーも嵌まり役でした。うん、なかなか面白かったです。7点!! [DVD(字幕)] 7点(2019-06-25 22:51:10)(良:2票) |
674. モリーズ・ゲーム
《ネタバレ》 怪我が原因で現役を引退した元スキープレーヤーの女性が、ひょんなことからポーカーゲームを主に行うカジノ場の経営者となり、持ち前の才覚からどんどんとのし上がっていくものの瞬く間に転落してしまったその栄光と挫折を実話を基に描いたクライム・ドラマ。主演を務めるのは実力派俳優ジェシカ・チャスティン。同じく彼女が現代社会をたくましくサバイブするロビイストを演じた『女神の見えざる手』がすこぶる良かったので、同じような印象の本作も今回鑑賞してみました。なんですけど、うーん、『女神の~』と比べるとクオリティがだいぶ下のように感じたのは僕だけなんですかね。ストーリーもただ淡々と事実を羅列しているだけで全体的に起伏に乏しくすごく退屈に感じました。それに明らかに長い!!何度も寝落ちしそうになりながら最後まで頑張って観ましたが、そんなに得られるものは何もなく…。最後に唐突に――本当に唐突に出てくるケビン・コスナー演じるお父さんの言葉も僕は全然心に響きませんでした。すんません、4点で。 [DVD(字幕)] 4点(2019-06-21 22:21:32) |
675. イット・カムズ・アット・ナイト
《ネタバレ》 社会に蔓延する謎の感染症に怯え、森の奥深くに佇む一軒家にひっそりと隠れ住むとある家族。常にガスマスクや手袋を着用し、夜になると唯一外へと通じる鋼鉄製の赤いドアをしっかりと施錠、ただただ生き延びることだけを目的に暮らすそんな家族の元にある日、行き場のない別の家族がやってくる。最初は警戒し合っていたものの、水と食料という利害が一致した二家族はともに暮らし始めることに。互いに協力して暮らしてゆくうちにどんどんと仲良くなってゆく彼ら。だがある夜、固く閉じられていたはずの赤いドアが何故か開かれていたことをきっかけに、そんな彼らにどんどんと疑心暗鬼が拡がっていき、やがて悲劇が訪れる…というお話。なんかすっげーつまんなかったんですけど、これ。辛気臭い登場人物たちが織りなすまだるっこしいストーリー展開に終始睡魔が…。おっと思うようなショッキング映像が差し挟まれこれでようやくストーリーが動き出すのかと思いきや、実は夢でしたというのが何回か繰り返され、それもけっこうイライラしました。そして迎えるなんだかモヤモヤする胸糞悪いオチに僕の怒りはマックスに。我慢して最後まで観た結果がこれですか。うん、3点! [DVD(字幕)] 3点(2019-06-21 21:49:07) |
676. アラジン(1992)
《ネタバレ》 最近映画館で観た実写版がとても良かったので、テレビでやっていたこのオリジナル・アニメも今回鑑賞してみました。確かに良かったんですけど、うーん、なんかやはり時代を感じさせますね~。映像がところどころちょっと古臭いというか、暗くて見辛い部分も多々。ジーニーをはじめとする個性豊かなキャラクターたちは充分魅力的で良かったんですけどね。 [地上波(吹替)] 6点(2019-06-21 00:55:17) |
677. ANON アノン
《ネタバレ》 私は神にさえ忘れ去られたい――。網膜に埋め込まれた最新鋭のナノマシンによって、人が見た記憶を全て監視・検閲される未来社会。そこではもはやプライバシーというものは存在しないも同然だった。全市民の名前や顔写真、そして過去のデータも当局によって保存・更新され、常に監視されるこの社会においては、当然のように殺人などといった犯罪は存在しない。だがある日、そのあり得ないはずの殺人が何者かによって実行されてしまう。捜査に乗り出したサル・フリーランド一級刑事が調べてみると、被害者の網膜データはきれいに塗り替えられ、犯人の痕跡は一切残されていなかった。だが粘り強い捜査の結果、事件の陰には、高度な技術によって監視システムをハッキングし、自らを存在しないものとして自由にこの管理社会を暗躍する、ある一人の女性の存在がいることを突き止めるのだった。彼女はサイバー空間で様々な人々の暗い欲望を募り大金を稼いでいるらしい。浮気の証拠を消し去りたい裕福な株ブローカーという偽の経歴を作り出し、サル刑事は自ら囮捜査に乗り出す。だが、高度な知能を持つ彼女の巧妙な罠に逆に絡めとられてゆく…。哲学的なテーマをスタイリッシュな映像で描いたSF映画の佳品『ガタカ』を撮ったアンドリュー・ニコル監督の最新作は、いかにも彼らしいそんなサイバーパンクSF作品でした。この行き過ぎたテクノロジーが人々の人間性を奪った結果、退廃的で閉塞感に満ちた世界となってしまった未来社会という舞台設定はなかなか魅力的。網膜に次々と映し出される膨大な量のサイバー空間の扱いもシャープかつスタイリッシュで、こういう世界観が好きな人には堪らないと思います。ただ、僕はこういう知的で哲学的なテーマを扱った最後まで淡々と進むSF作品が昔からどうも苦手で、個人的にいまいち受け入れられませんでした。同じく苦手な押井守作品を観終わったときの感想に近いですかね。というか、彼の作品にかなりインスパイアされてるようにも感じました。ときおり挟まれるエロティックな描写もだいぶ本家に影響されているような?ただ、それらを抜きにしても最後に明かされる事件の真相がちょっとお粗末だと感じるのは自分だけなのかな。というわけで好みという部分も含めて総合的に、5点ってとこで。 [DVD(字幕)] 5点(2019-06-20 18:30:33) |
678. ディザスター・アーティスト
《ネタバレ》 2003年、誰にも注目されずひっそりと単館上映された映画『ザ・ルーム』。だが、そのあまりにも支離滅裂な内容とあまりにも意味不明な演出の数々とあまりにも大根な役者の演技等によって、今世紀最大の駄作として評判を呼び、今やカルト作として一部で熱狂的な支持を得るに至っている。本作はそんな珍作の監督・制作・主演を果たしたトミー・ウィソーとスタッフたちの波乱に満ちたその撮影現場を描いたスラップスティックなコメディ。恥ずかしながら、僕はこの作品も監督を務めたウィソーのことも何も知らなかったのですが、いやー、良い感じのバカですね~、この人。有り余る自信だけは誰にも負けないけど、才能は欠片もない。現代のエド・ウッドとも呼ぶべき、そんな愛すべきバカなんですけど、奇跡的に何故か金だけは無尽蔵にあった。なので何億も掛けてこの映画を製作することが出来たのだけど、周りの人間にしてみたらほんと迷惑千万ですよね。途中から完全に駄作となると分かっていながら最後までこのバカに付き合わざるを得なかった、周りのスタッフたちの労力を思うとご愁傷様という言葉しか出てきません。でも、客観的に見るとなんか面白い。自分の信念に従って頑張ろうとすればするほど空回りするその姿はコメディの原点かも知れませんね。自分で書いた脚本なのに台詞をなかなかちゃんと言えず、何十テイクも撮影を重ねるなんてあり得ます?おかげで周りのスタッフたちの方が完璧に台詞を復唱できちゃうシーンには笑っちゃいました。そして紆余曲折の末になんとか完成し、盛大に金をかけて決行されたプレミアム試写会での失笑の嵐には、逆に変なカタルシスがありましたね。居合わせた主演女優の「これっていつまで続くの…」や「駄作だと思う俺が変なのか?」という言葉には笑わざるを得なかったです。いやー、なんかこの『ザ・ルーム』って映画、逆に観たくなっちゃいましたわ。うん、なかなか面白かったっす!!7点!! [DVD(字幕)] 7点(2019-06-13 17:42:51) |
679. インクレディブル・ファミリー
《ネタバレ》 大人気アニメの十数年ぶりとなる続編。すんません、正直僕はそこまでテンション上がりませんでした!! [DVD(吹替)] 5点(2019-06-11 20:35:07) |
680. アラジン(2019)
《ネタバレ》 たまたま時間が空いたので何か映画でも観ようと、たまたまやっていた本作を映画館にて鑑賞。元となったアニメもこれまで観たことなく、有名な曲だけちょろっと知ってる程度、別にウィル・スミスのファンでもなんでもない、そんな期待値ほとんどゼロの状態で観たのですが、これが意外や意外、めっちゃくちゃ面白いじゃないですか!!ウィル・スミス演じる魔人ジーニーも最初こそ違和感バリバリだったけど、それも最初だけ、これが彼のベストワークなんじゃないかってくらいもろ嵌まり役!!最初のミュージカル・シーンでのハチャメチャぶりがとにかくサイコーでした。続く、アリ王子の行進曲なんてもうゴージャスでゴージャスでちょっとやり過ぎなくらい(笑)なんだけど、ここまでやられたら自然とテンション上がっちゃいますわ~。トラや魔法の絨毯といった脇役たちもみんなキャラ立ちまくりで誰も彼も魅力的!権謀術数渦巻く政治劇とアラジンと王女のラブストーリー、手にしたものの願いを叶えるという魔法のランプの奪い合い、そして1万年も孤独に過ごしてきたジーニーとの間に芽生える友情――。これらの要素を絶妙のバランス感覚で配合した脚本も完成度が高く、クライマックスなんて普通に手に汗握っちゃいました。ガイ・リッチー監督の良くも悪くも軽ーいノリのエンタメ路線が今回は見事に嵌まったんじゃないでしょうか。今度、オリジナルのアニメも観てみようと思います。うん、上質の素晴らしいエンタメ映画でありました。映画館補正もあるかも知れないけど、8点!! [映画館(字幕)] 8点(2019-06-11 16:53:30)(良:3票) |