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53羽の孔雀さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 245
性別 男性
自己紹介  映画史や映像技術には全く詳しくないので、単純に面白いと感じた度合いで点数をつけさせていただきます。
 よろしくお願いします。

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61.  平原児 《ネタバレ》 
ビル・ヒコック、バッファロー・ビル、カラミティ・ジェーンのお話。主人公はビル・ヒコック。平原児という何かピンとこないタイトルとちらっと知ってたあらすじから歴史とか伝記要素の強いどっしり重々しい系の作品か?という先入観がありましたが、エンターテインメント要素が強く、テンポ良しキャラ良し色んなシーンがあって良しの普通に面白い作品でした。リンカーンやカスター将軍がご都合なタイミングで死んだのは、ん?って感じでしたがそこはまあ良し。  男女の考え方の違いの表現とかインディアンとの戦闘シーンとかは定番中の定番ですね。ただ個人的には時計のくだりはもうちょっとひっぱってほしかった。クイーンのスリーカードに対するヒコックの反応の変化の表現は上手いなーと思いました。 
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-09 23:57:58)
62.  夕陽のギャングたち 《ネタバレ》 
いやー面白い。面白いです。ただ、この映画が言いたかったことや細かい表現の意味などきっちり理解できてはいない気がする。最後の回想はそれまでの流れ的に「裏切り」の描写?で、「信じられるのは爆弾のみ」の発言の通り、最後は自分の爆弾で死亡?うーむ2周目を観る必要がありそうです。ションショーン…ションショーン…(BGM) 【良かった点】 ①製作費がバカ高というだけに、スケールが凄い。まさか橋爆破すんの?とは思ったけど、ホントに爆破するとは・・・しかもそれだけじゃ終わらず列車を正面からぶつけて吹っ飛ばすとは・・・②ロッド・スタイガー(フアン)の演技が素晴らしい。冒頭の列車での豹変っぷりは「うおっ」てなった。あと所々ショボーンみたいな悲しげな表情をするのが個人的にツボ③小勢力vs大勢力という構図。今となってはありがちですが、好みです④2時間30分の映画なのに、良い感じに状況や雰囲気が切り替わり、音楽も相まって、飽きなかった 【良くなかった点】 ①タイトル。一体どこがギャングだったのか・・・②最初の方の「銀行」のテロップ。一瞬何が起こったのかと思った③回想シーンの空気がほわ~んとしすぎでは。最後の回想シーンの男二人の女の子走りはちょっと・・・④相手のお偉いさんがご都合的に登場したところ⑤撃たれてからなかなか死なないジョン  
[DVD(字幕)] 8点(2013-12-19 01:13:16)
63.  大いなる西部 《ネタバレ》 
いやー面白い。58年の映画なのに現代の価値観で見ても面白いと言える映画です。むしろ現代の価値観で見られた方が理解が得られるのかも。  この映画のテーマは、価値観の違い。理屈面重視か感情面重視か。西部の人たちとは違う価値観をもった東部から来たマッケーは、簡単に言えば「ビッグマディーの資源を平等に使えばこの争いは無くなるはず」という発想のもと行動を起こす。また、「表面だけ取り繕っても大した意味はない」という考え方ももちます。しかし、マッケー以外の昔から西部に暮らす人々にとってはそうではない。パットが主張したようにプライドや見栄、「周りからどう見えるか」といったことを重視します。最初は相反するマッケーと西部の面々ですが、物語が進むにつれ多少なり相手の考え方を尊重・理解するようになっていく。マッケーとリーチの喧嘩シーンからのその後のリーチの変化、最後のテリルとヘネシーの一騎打ちをマッケーが止めない点などにそれが表れています。  なお、好きになれなかったのはパット(とバック)。マッケーが馬鹿にされることによって「自分が」どう思われるかということに終始こだわる点、喧嘩別れしかけたがマッケーがビッグマディーの所有権を得ると知るや否や態度を翻す点(シーン的に誤解だったと気付いたからともいえるが、ちょっと違和感)、しかしマッケーがビッグマディーの資源を平等に分け与えると聞くや否やまたも態度を翻す点など、おいおいという感じでした。
[DVD(字幕)] 8点(2013-12-16 20:33:31)
64.  荒野の決闘 《ネタバレ》 
 2周目鑑賞。やっぱ素晴らしいですね!邦題が「荒野の決闘」だけにガンマン要素がメインな気がしてしまいますが、実際は全く違う。原題「愛しのクレメンタイン」が示す通り、弟が殺される→証拠探し→決闘という流れの中で描かれる人間ドラマこそがこの作品の見どころなのです!特にアープ・ドク・チワワ・クレメンタインの関係とそれぞれの気持ちの表現が秀逸。「女のプライド」とやらに従ってあっさり引き下がろうとするクレメンタインと命を張ってでもドクへの愛を貫くチワワの対比、クレメンタインに惹かれてはいるが無理にドクから引き剥がそうとしないアープなど・・・  個人的に一番好きなキャラはドク。ビクター・マチュアが良い味だしてるな~。重い病を患い、半ばヤケ気味に大量の酒を飲み、事あるごとに銃を抜こうとし、死にたいとさえ思うが死ねない。その理由こそドクが助け舟で詠んだ詩の通り、「死後の不安ゆえ」なんでしょうね。ドクも臆病だったと。そしてチワワの死により死後の不安はなくなった(チワワがいるから)と。アープがドクの私事に干渉したようにドクもアープの私事に干渉し、OK牧場の決闘のシーンにつながると。う~ん見事。
[DVD(字幕)] 8点(2013-12-14 23:32:32)
65.  エベレスト 3D 《ネタバレ》 
登山系の作品は初めて視聴しましたが、凄まじいですね。 「頂上からの景色が綺麗」「体力的に大変」とかそういう次元じゃなく、もう完全に人体vs自然。 敵は自然そのものであり、いかなる好条件を揃え配慮したとしても各々のちょっとしたズレが文字通り致命となると。  もちろんそれはエベレストだからであり、現在とは違う当時だからなのだとしても、当時の「エベレストの登頂に成功」という一文がいかにとんでもないことなのか、ということを学ばせていただきました。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-12-27 00:34:47)
66.  ボーダーライン(2015)
終始シリアス。展開がわかりづらい部分が徐々にわかっていく系。「どういうことだ?」と考えつつ観るうちに入り込む系。 その視点は本作の主人公ケイトの視点のようであり、主人公はどちらかというと巻き込まれる側で、主体となって立ち回る側ではない。 「毒をもって毒を制す」を警察視点で描いた作品。つまり、法を根拠として設置されている警察が超法規的な手段をもって目的を達成しようとする様を描いた作品。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-12-02 20:12:49)
67.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 《ネタバレ》 
凄すぎる。映画がとかではなく、実話が基になっているということが。 本作で一番鳥肌が立ったのはエンドクレジット直前の「フランクのその後」かもしれない。  某サイトで視聴しましたが、サムネ?は絶対に変えた方が良いと思う。確かパッケージもこんな感じだった気がしてこのパッケージというか空気感は見たことあるな、という感じだったんですけど、視聴前の印象は「ほ~ら僕を捕まえてみなよ!じゃあね!」的なノリの終始明るいドタバタ劇で、何ならルパンとかそういう系の作品かな?と思いましたが、全然違う。 スチュワーデス8人のあの画は本質と全然関係ねーじゃねーかw監督が見たら怒られるまであるだろwと思った。  もちろんコメディ部分もあるし映画的にテンポ良く進むしでエンタメ感も強いんですが、私が一番面白いと思ったというか驚いた点は、フランクの行動が実話に基づいているということ。フランクの行動全て。 「え?噓でしょ?」「え?いやそんなことまかり通るんか?」「え?そんな展開ある?」「え?行動力凄すぎない?」という、フランクが起こす物事全てが驚きであり、その点が一番面白いと感じた点でした。  実話に基づいていないのであれば「それはねーわ」で終わりだったかもしれませんが、実話に基づいていると言われると「凄すぎる」という感想が第一に来て、それが本作を面白いと思った核たる部分でした。  フランクの凄さは理解できた一方でコメディ部分がイマイチ良くわからず特に前半が退屈な印象を受けてしまったので、次視聴する時は前半の会話部分を重視して吹き替えで見てみようかな、と思いました。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-11-04 18:46:28)
68.  グッドフェローズ 《ネタバレ》 
 「実話に基づく」という前提で視聴、かつその前提で感想を書きます。  少年の頃からギャング、ないしマフィアの世界で生きた男の人生録、といった本作ですが、正直に思ったこととして、結局主人公の言う「普通の人」「つまらない人」と同じやん、ということです。なんなら対価が命な分だけマイナスまである。  まあ「いや、だからそういうことを描きたいんだよ」と言われたらそれまでですが、それほどにマフィアの世界に魅力を感じなかった。   マフィアの世界に生きているからゴリゴリに金が入り優雅な生活が送れる。なるほど。で、その先は?となると、結局「家庭を持って落ち着け」「家族が大事」「家庭と仕事」「妻と愛人」「朝から晩まで仕事」「警察にしょっぴかれたらヤバい」「仕事を行うチームにも無能な奴がいる」「明らかなミスを犯しても仲間だから守ろうとする」   これ、全部そこらへんで四六時中よく聞く普通のことですよね。  マフィアに身を置こうが「一般」に身を置こうが結局同じと。じゃあ「死ぬ」というリスクを負っている分だけマイナスやん、と思ってしまいました。   グッドフェローズとは「良い奴ら」的な意味ということはなんとなく把握していましたが、一体どこが良い奴らだったのだろうか。  結局全員自分の身が一番大事で自分のためになる周囲の人間とつるんでるだけであり、それはもはや友達ですらなく「仕事上の仲間」と見えてしまった。  てっきり自分の不利益になっても感情的結びつきの強さが普通以上のためそれに沿って行動する、といった話かと思ったらそんなことはなく、世間一般の普通の感覚の舞台をマフィアの世界にしただけ、と見えてしまった。   仲間内を「家族」と言うが、それは「そこから外れたら死ぬから」という理由があるからそう言わざるを得ないだけ。  誰かが結婚した、子供が生まれた、昇進した、その他諸々のいちいちのイベントでパーティが開かれ祝い金を持って半ば強制参加。  本作では描かれていないが「ダルいんだけど」と思っている者も当然いるはずで、職場の飲み会には参加するのが当たり前、という古代の常識と何が違うのかと思わされてしまった。   ここまでの感想は酷いものですが、約2時間半の作品にもかかわらず退屈はせず普通に最後まで見れた、展開的にやりすぎ感も入り込めなさも無かった、といった映画的な面白さから7点とさせていただきます。
[DVD(字幕)] 7点(2023-09-23 03:47:03)
69.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 
■飛行機で視聴。従って吹替。いつもは字幕なので違和感がありましたが、吹替もまあ無くは無いのかなといった印象。もう一度3D字幕で見たい気がしています。 ■宇宙ものという観点からは、「2001年宇宙の旅」「アポロ13」「ゼロ・グラビティ(映像的に)」「インターステラー」の方が私的には好みですが、本作も決してつまらないというわけではない、という印象です。これからはジャンル「宇宙もの」が来るのでしょうか。楽しみな限りです。 ■本作は「宇宙(というか火星)でサバイバル」という点が新しく、アドベンチャー要素が強いです。中盤くらいまで火星に取り残されたデイモンさんのサバイバルっぷりと他のNASAメンバー特に司令部視点を交互に描き、後半ないし終盤あたりで両者合同の作戦にて地球への帰還を目指す、という作り。政治色も絡むけど、薄め。中盤まではあまり動きが無く淡々と進んで行き、逆に後半は「そんな無茶苦茶な」というくらいの動きの連発です。「アドベンチャーものの舞台が宇宙になった版」というのがしっくりきます。 ■マイナス点として、まず深刻さが無いです。主人公のキャラクターがどうとかではなく、取り残された後の火星にも探索の拠点やら設備やらが普通にあるので空気あり食料ありコンピュータあり車ありシャワーありだったり、ジャガイモ栽培にあっさり成功しちゃったり、割と簡単に水を精製しちゃったり、しれっと通信できちゃったり。問題は起これど、全然死ぬ気がしない。あと後半について、宇宙素人の私から見ても「さすがにあり得なくないかい?」と思ってしまった点がいくつか。いくら時間がないとは言っても適当に作戦決めすぎでは?宇宙服に穴開けて推進力で、ってそんな都合よく飛べないのでは?等々。
[地上波(吹替)] 7点(2016-02-11 23:57:32)
70.  マイ・インターン
飛行機での視聴。従って吹替。 仕事に生きる女性と専業主「夫」という現代の新しい家庭のあり方と、既に退職済みのおじいちゃんが若者だらけの会社にインターンに行くというこれまた現代の新しい仕事のあり方(なの?)とをミックスさせた温かいドラマ作品。おじいちゃんと若者の間に考え方の差があってそりが合わないが、次第に打ち解けていく話・・・かと思ったら微妙にそうではなく、おじいちゃんはむしろ最初から人生の先輩的な立ち位置で、仕事もできるし皆の父親的な存在。そして謙虚な紳士。トラブルもまああるにはあるけど全体的にポップで親しみやすい作風なので、深刻さとか重苦しい感じは皆無。良い意味で気楽に見るのがおすすめな作品です。
[地上波(吹替)] 7点(2016-02-11 23:02:32)(良:1票)
71.  評決
面白かったです。が、全編通して抑揚なく淡々と進むので、若干退屈な感あり。眠い時には見ない方が良いかと思います。終始しっとりだった中で、最後のニューマンの上から回りこんでくるようなカメラワークには、おお!となりました。
[DVD(字幕)] 7点(2015-12-23 17:57:05)
72.  セルピコ 《ネタバレ》 
「実話に基づいて」というのが驚き。文字通り命を懸けて周りの99%が敵の状況で戦い抜くのは、精神的にも肉体的にも本作で描かれた以上の厳しさだったと思います。  ■作品について 正直最初のほうは退屈でした。というのも、特に汚職に真っ向勝負を挑むわけでもなく、普通のヤンチャ警官の域を超えていないからです。正義感は最初から最後まで変わりませんが、チャラい感じが前面に出て、このまま最後までいったら微妙・・・という感じでした。 しかし後半、いよいよ後が無くなり周囲全員が敵になるあたりから、グイグイ引き込まれる。それまでのチャラさはどこへやら、ある1点、つまり汚職に身ないし命を賭けて挑む姿は、こちらまで真剣入り込んでしまいました。  ■テーマについて 難しい問題です。汚職そのものの問題と組織体質の問題。賄賂を受け取るという汚職は当然に悪いことなのですが、それを自分以外の全員が行っているとなると、NOと言うにはそれ相応の覚悟が必要になります。特に銃社会では、それこそ命の問題になってくる。疎んじられたって最悪職を失うだけでしょ、というのとは次元が違うと思います。だからといって自分も仲間に加われば、道連れの共犯。ここで面白いのは、皆悪事をバラされることにはビビっているということで、つまり「賄賂を受け取るのは悪いことだ」という認識はあるんですね。だったら最初から最悪なパターンの未来も覚悟しとけよと言いたいところです。  組織体質の問題については、本作で描かれたニューヨーク市警察だけでなく、日本含めどこの組織にでもある理不尽でしょう。大小問わず、どんな組織にも存在すると思います。ただその腐りの割合が本作ほど大きくないだけで。組織の構成割合は、2割が優秀な人、6割がどっちつかずで状況によって流される人、2割が優秀でない人、というのを聞いたことがあります。6割の人が「優秀でない」側に流された上に、残りの2割でさえも怪しいというのが本作かと思います。  結局共通するのが、皆「自分が一番」という発想に基づくということですね。上層部の保身なんかはわかりやすい例で、悪いとわかっているのに汚職警官の仲間になっちゃう人たちは、「そうしないと自分がヤバい」「周り全員が仲間なんだから、外部にバレるリスクを気にするよりも仲間になるほうが差し引きお得」と考えるからでしょう。いつどこにだって存在する「自分が一番」と「他人のために」の相反は、未来永劫、人間が人間である以上、尽きることないテーマなのかと思います。そういう意味で、「社会」ってすごい。(ささやかな皮肉)
[DVD(字幕)] 7点(2015-10-19 03:41:55)
73.  クロッシング(2009) 《ネタバレ》 
「単純な善悪じゃない」「より善か より悪か」  冒頭のこの台詞に、本作の描かれ方や、描きたかったことの全てが集約されています。一般人、ないし平常・平均・あるいはプラスマイナスを綺麗に相殺した状態を50、善を100、悪を0とするならば、100の人間も0の人間もいない、人は常に50を中心値として、40~60、ないし51~49の間を行き来する存在だ、善と悪両方を持つ存在だ、というのが本作の主張かと思います。単純な善悪じゃないというのは100か0では表せないという意味であり、より善か より悪かというのは、51(善寄り)と49(悪寄り)のどちらに転ぶかによって運命が変わる、という意味ではないかと推測します。現に、本作では100の存在として表された神にいちゃもんつけながらも、なんだかんだ神つまり完全な善=100を求める姿が描かれていたり、三者三様の主人公は始めはダメなところもマトモなところもあるプラスマイナス相殺の50でありながらも、最終的に49の悪側に堕ちた者は死に、51の善側に歩んだ者は生きるという描写がなされていました。ここで面白いのは、「結果としてどう行動したか」によって主人公3人の運命が分岐しているところで、言い換えれば、考えてるだけじゃ意味がなく、善に向かう行動をすることが大切なんだ、と言っているように見えます。  3人の主人公を並行して描きながらも結局3人が物理的に交錯せず、一方で3人とも似たような状況に陥るというラストシーンですが、それは「他人の影響を受けずとも誰もが皆同じだ」ということと、「同じ状況に出くわしたとしてもその時にどう行動するかで運命は変わる」という、まさに基本的には50で、その上で51と49のどっちに転ぶか、という本作の主題が表されていたのではないかと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2015-08-08 14:27:10)
74.  マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 
う~ん良い、良い。原題の「up in the air」、これが本作の全てと思います。テーマ曲もそう、テーマ自体もそう。「宙に浮いたまま」の男ジョージ・クルーニー(役名忘れた)の生き様を主軸に据えて、結論は出さず、投げかけ気味に、まさに「人生」を最後まで描く。  エンドクレジットが流れた時の感想は、「ずるいよ!上手いよ!」です。というのも、え、ここで終わり!?という投げかけっぱなしの終わり方。本作は会話劇としても面白いし、へ~こんな仕事があるんだ、という意味でも面白い。空港という魅力溢れるスタイリッシュな空間を舞台にして、ジョージ・クルーニーのカッコ良さと彼が演出する共感できる感じに入り込む。それだけに単にエンターテインメントとしても面白いので、エンドクレジットは唐突に感じたというか、最後の最後で尻すぼみというか、そんな印象でした。  しかしテーマという視点から考えるとそれが実に上手くて、夢を追った自由な独り者最高!結婚して常に傍に誰かがいる幸せ!の相容れない二者を、どっちが良いとは主張せず、ただ「こういうことです」と締めくくっていく感じ。ずるいです。上手いです。  どんな道を選んだとしたって、結局は「宙に浮いたまま」という意味では皆同じ。そんな希望とも絶望ともいえるテーマを見事なバランスで描いた良作かと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2015-07-27 03:58:32)(良:1票)
75.  暴力脱獄 《ネタバレ》 
う~~ん良い作品。邦題に騙されることなかれ。大脱走やアルカトラズからの脱出、パピヨン、あるいはショーシャンク系統の「脱走もの」ではなく、テーマとしてはまず間違いなく「ニューシネマ」です。シーンのほとんどはム所で、確かに主人公は脱走を行うけど、本筋はどう考えても脱走にはありません。「ずっと計画してたのか」に対するポール・ニューマン扮する主人公の答え、「計画などしたことはない」、ここに全てが集約されます。自由が渦巻いていた時代に、管理社会が訪れる。もはやむしろ「自由人」は少数派。自由にあるがままに生きるのがが正解だ!と誰もが心の中では思っていても、容赦ない権力と管理の波が自分をそれに向かわせない。だからこそ、周りの人々は本作主人公のような自由にありのままに生きる人間に憧れを覚える一方で、あと一歩そちらには踏み出せない。もはや自由を支持することは圧倒的少数派になってしまっているから、自分を曲げてでも「管理社会側」につくしかない。この社会で「自由側」につくにはあまりにもリスクが大きい・・・。と、いう一連の描写がとても良かったです。ただターニングポイントで本作の主張を表す露骨な台詞がいくつかあって、いい感じの流れで作品に入り込んでる最中にブレーキがかかる感じが勿体なかった気がします。あと全体的に動きは少なめでテーマありきなので、ニューシネマがあまり好きではない人にとっては若干退屈かもしれません。
[DVD(字幕)] 7点(2015-07-04 01:39:55)
76.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 
コメディと涙、この2点に特化しまくってますね。笑わせながら泣かせてくる。次点で「あ、そうそう!」という感じのさりげない伏線が良かった。135分という上映時間はあってないようなもので、見入ってるうちに終わる。あっという間でした。  9つの恋愛パターンということで、それは未来でもあり過去でもあり、どれかに当てはまってしまったり、共感できてしまうのがずるい。少年時代の初恋であったり、実らないとわかっている片思いであったり、立場の壁であったり、夫婦の愛であったり・・・。多分見る時々の状況によって、入り込み方が変わる作品かと思います。  個人的に好きなのはポルトガル人との恋と、アーティストのおっちゃんの友情シーン。ほぼ絶望パターンなのに奇跡を願って互いの言語を勉強している愛、一瞬の欲よりも今までの感謝と友情を優先する愛・・・いやー良い。良すぎます。  あと映画だからなのかお国柄だからなのか、日本人ではこうはならんやろ、という点がちらほら。その感覚は羨ましくもあり納得できなくもあり。しかしそれを含めてプラスにできるだけの面白さが本作にはあると思います。
[DVD(字幕)] 7点(2015-05-25 04:31:17)(良:1票)
77.  遠い空の向こうに 《ネタバレ》 
シンプルに良い作品、という印象です。一口に夢といっても色んな形があるんだなぁと思いました。周りの誰もが応援してくれて、自分も迷いなく突き進んでいたら実現した夢、周りには反対する人も賛成する人もいて、自分自身も迷い、決断した結果成功した夢、周りはほぼ皆反対で、最悪全てを捨てる覚悟で自分を貫いた結果実現した夢。本作は2つめにあたると思います。1つめと2つめ、3つめの決定的な違いは、周囲の目です。1つめならば迷うことなく夢を目指せば良いだけですが、2つめと3つめは必ず迷い、葛藤し、苦しみを味わうことになる。そしてまた、夢の実現を考えるとき必ず考慮しなければならないと思うことは、成功した人の影には数限りない無数の挫折・失敗した人がいるということだと思います。そういう意味で、本作はその挫折の描写が若干不足していたように思います。もっと主人公に絶望を味わってほしかった。この上なく苦労する描写がほしかった。もっと深く考え、計算して動いてほしかった。その上で、成功してほしかった。もちろん現実にはそんなものは無いに越したことはないのですが、映画として描く以上、そういった描写が深ければ深いほど感情移入し、感動できたのでは、と思います。
[DVD(字幕)] 7点(2015-04-05 00:39:28)
78.  フォックスキャッチャー 《ネタバレ》 
「面白い映画」というより「良い映画」ですね。終始言葉少ないしっとりと落ち着いた雰囲気で、ちょいちょい強すぎないアクセントが入る。いかにも伝記ものという感じの大人向け作品です。  レスリングを題材としていますが、戦略を練ってチームの皆で力を合わせて勝利!とかいうものでは全くなく、主役級3人による人間ドラマが9割です。よって、レスリングのルールが全くわからなくても無問題です。   マーク、デイヴ、デュポンの3人はレスリングを通して繋がる。それは互いにとって有益なものとなるはずが、心のすれ違いによって真逆の結果を生む。世界一を望むマーク、家族(マーク含む)の幸せを願うデイヴ、自分の居場所を見出したいデュポン・・・その全てが叶わない悲劇。もしそれぞれがもうちょっと上手く関連しあえれば、きっと最強のチームになっていただろうし、全員が幸せになれたのでしょう。なんともやるせないというか、もの悲しい結末です。
[映画館(字幕)] 7点(2015-03-02 16:15:16)
79.  オール・ユー・ニード・イズ・キル 《ネタバレ》 
面白かったです。が、何回か見直す必要がありそう・・・。  こういうタイムループ系の作品は、①設定を理解し②その上で矛盾ないし不自然な点がないか、というところが面白さに直結すると思います。特に、本作のような終始シリアスな作品は、条件設定にツッコミどころがあれば全てが台無しになる、というリスクがかなり高いと思います。その点、「時をかける少女」よりも「デスノート」に近い感覚を覚えました。  アルファが殺されればオメガが時間をループさせる、アルファの体液を浴びる(取り込む?)とタイムループできるようになる、いう設定は、相当に重要なポイントな気がします。オメガからすれば自分を守るためには目となり矛となり、ループの条件になるアルファが必要だけど、もし人間がアルファの体液を浴びるようなことがあればループ人間が誕生してしまう・・・。上陸作戦が先読みされていたことからも、ギタイはループしている=アルファが殺されているわけで、そんなことを繰り返していたらどの道いつかはループ人間がゴリゴリ誕生していたのでは、とか思ったり。あと主人公視点で、自分ひとりで何とかするんじゃなくアルファの体液を他の仲間にも浴びさせることを目的としてみるのも面白いのでは?とか思ったり。  本作で違和感を感じたのは、車からヘリの一連のシーン。タイムループ系の作品でやっちゃいけないのは、「ループ能力の持ち主(主人公)が私利私欲に走る」ことだと思います。実際に行動しなくても、匂わせた時点でアウトなタブーのレベル。で、ヘリのシーンではそれが垣間見えてしまったんですよね。「リタから見たら私利私欲に見えるが、主人公は本当に心からリタを助けたかった」とは言い切れない違和感・・・。わざわざあんな状況になってる時点で非合理な印象を受けます。それ故に逆に「ミドルネームはローズ」は上手いですね。
[DVD(字幕)] 7点(2015-02-15 00:14:24)
80.  最後の酋長
 タイトル的にインディアンの勇士を謳う作品か、歴史を淡々と描く作品か、対立を描き結局はアメリカ万歳!となる作品かのどれかかと思いましたが、いずれもイマイチしっくりこず。むしろ単純に、人間ドラマ・人間の熱さで魅せる作品かと思います。  フロリダはセミノール族が描かれますが、本作で特徴的なのは少尉の主人公とセミノール族の族長が親友であり、両者を取り持つのがヒロインという人間関係。プラスしてお馴染みの主人公と上官との意見的対立が加わります。それぞれのキャラクターが気持ちを吐露するシーンが多く、ジョン・フォード作品のような「この人の立場ならこう考える」という描きっぷりを堪能するところに本作の面白さがあると思います。  ただ難点はストーリー展開・演出ともにシンプルすぎて、この後どうなる、というのが読みやすすぎるところ。そこに目を瞑れば、私としては割と好きな作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-08 21:50:31)
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