Menu
 > レビュワー
 > かたゆき さんの口コミ一覧。42ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071
>> カレンダー表示
>> 通常表示
821.  パーフェクト ストーム 《ネタバレ》 
中盤まで、個性的で粘液質な登場人物たち(田舎の漁村の居酒屋の描かれ方がリアルすぎて白眉!)がプライドを賭けて物凄い嵐のなかへと船を出すところまでは凄く良かったのだけど、やっぱりラストが肩透かし。せめてあの不細工な人くらいは生き残ってくれたほうが物語のカタルシスはあったと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2012-05-20 20:35:06)
822.  ポセイドン(2006) 《ネタバレ》 
良くも悪くも普通のパニックアクション映画。多少、クサいかなという演出も多々散見されるけど、それでも普通に楽しめる作品に仕上がっている。ただ、過去の名作をリメイク&秀作をいくつも作り続けてきた名監督の作品としては物足りなさが残るのも事実。
[DVD(字幕)] 6点(2012-05-20 20:22:56)
823.  スリーピー・ホロウ 《ネタバレ》 
いかにもティム・バートンらしい、王道のダークファンタジー。首なし騎士もおどろおどろしい映像も独自の雰囲気も十分に楽しめる。社会からのはみだし者のようなジョニー・デップの怪演も(少々大人しめだけど)良かった。小品ではあるけれど、それでも円熟のバートン作品。
[DVD(字幕)] 6点(2012-05-01 13:01:41)
824.  クレイジー・ハート 《ネタバレ》 
アル中の駄目中年を見事に演じたジェフ・ブリッジスの好演が光る。ただ、そこに極限の悲愴感が漂っていないのが残念。本当にとことんまで堕ちてもらわないと、こういう堕落の美学が活きてこないと思う。そこは、最近の『レスラー』で魅せたミッキー・ロークのとことんまでの駄目男ぶりに比べると、まだまだお上品に過ぎて僕としては物足りない。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-29 23:23:47)
825.  ファーゴ 《ネタバレ》 
とある地方都市で起こった、矮小で碌でもない人間たちが巻き起こす本当に下らない事件が次から次へと連鎖的に広がっていって、最後はもっとも醜悪な現実へと辿り着く。最後、生まれてくる子供が希望なんだろけど、僕にはそれが言い訳がましく思えてしまった。こういう厭世的な作風はあまり好きではないけれど、ブシェミとストーメアの駄目コンビはやはり見応えがある。なによりその二人と一夜を供にした、地方の醜い女の顔がリアルで嫌だった。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-29 22:45:56)
826.  ノーカントリー 《ネタバレ》 
完全に「ファーゴ」路線に回帰したコーエン兄弟の作品。強烈な悪意をもった人間が一地方都市に紛れ込んでいくことで、どんどんと人々の悪意の連鎖が悲劇を生んでいくというのが主なテーマ。最近のコーエン兄弟の作風はシニカルに過ぎないか。これでは、人間なんか下らないという結論に達してしまいそうで、どうなのだろうと個人的に思う。それでも、こんな重いテーマにも関わらず最後まで飽きさせずに見せる技術はさすがだった。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-27 22:32:15)
827.  アザーズ 《ネタバレ》 
傑作「オープンユアアイズ」を撮った監督ということで期待してみたのだが、さすがに重厚な雰囲気とじわじわ増していく圧迫感で恐怖を際ださせていく演出は良かったとは思うのだけど、やはりオチが弱いかなあ。あまりにも有名な某映画とまったくかぶっちゃってるし。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-25 22:18:40)
828.  30デイズ・ナイト 《ネタバレ》 
まあ、よくあるスプラッタなヴァンパイアムービーなんだけど、従来のそれが一晩耐え抜けば朝日が降り注いで助かることが出来る!なところを、三十日も耐えなければならないとしたところが新しい感じかな。ハートネットの好演も光っていて、なかなか楽しめました。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-25 11:52:46)
829.  レポゼッション・メン 《ネタバレ》 
まあ、アイデア勝負な映画なんだけど、この殺伐とした雰囲気、嫌いじゃないです。最後のお互いの身体のなかに手を突っ込みながら愛を確認しあう二人の姿は(少々やりすぎな感もあるけれど)なかなかなエロティックでした。夢オチが許容できるか否かが、この映画の分かれ目だろうけれど、僕はぎりぎり評価できました。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-25 11:33:36)
830.  リセット(2010) 《ネタバレ》 
良いですね、このワンアイデアで押し切る低予算映画。セット代を極力うかせるために腐心した感がビシバシ伝わってきます。クリステンセン主演と最初の飛行機墜落で、もう予算をほとんど使い果たしたのでしょう、後はずっとどこにでもあるようなバーと意味深な闇、エキストラもほとんど出てこず、盛り上がるべきラストもわざと結論を曖昧にしてなんだか深いのかなぁと一瞬錯覚させるところ、けっこう嫌いじゃないです。でも過去に作られた、この手の映画の成功作(キューブや一番初めのソウ)に比べると、あともう一捻り欲しかったかな。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-25 11:23:27)
831.  インフォーマント! 《ネタバレ》 
最近、酷い映画ばかり撮るソダーバーグ監督にしてはそこそこ良作だった。こういう映画を撮りたいという姿勢が最後までぶれておらず、それにマッド・デイモンの熱演が充分に応えている。実話を基にしたという制約もあるなかで、それを軽いノリのブラックなコメディとして最後まで飽きさせることなくみせた力量は確かに評価できる。ちゃんと才能はあるんだから、ソダーバーグ監督にはもっとそれを活用して欲しいと切に願う。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-24 13:56:43)
832.  アウェイク(2007) 《ネタバレ》 
ワンアイデアながら、そこそこ面白かった。ただ、映画を観終わって改めて思い返してみると、そういえば主人公は結局なにもしてなかったなぁとも思った。周りの人間が頑張るのを応援しているだけで、術中覚醒という設定をあまりうまく活用しきれていなかったかも。ともあれ、十分にサスペンスフルで最後まで惹き込まれた。余談だけど、このシナリオを書いた人って絶対マザコンだよね?
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-24 13:01:50)
833.  バーバリアン 《ネタバレ》 
ある夜、仕事の面接を受けるため、デトロイトへとやって来たテス。少しでも予算を浮かそうとした彼女は、ネットで見つけた民泊に予約を入れていた。だが、教えてもらった郊外の一軒家へとやって来たテスはすぐ異変に気づく。業者の手違いからそこにはキースと名乗る青年がすでに滞在していたのだ。担当者に連絡するもすでに夜も遅く、話すことも出来ない。近くのホテルも予約でいっぱい。途方に暮れたテスは、仕方なくその青年とともにこの家で夜を明かすことに――。当初は警戒していた彼女だったが、キースの誠実な人柄にいつしか心を許し、ともに酒を飲みながら身の上話を打ち明けるまでになっていた。とんだハプニングだったけど、良い人に出会えて良かったと寝室へと向かうテス。だが、彼女はまだ知らない。この家の地下室には恐るべき秘密が隠されていることを……。ある民泊を利用した女性が体験する恐ろしい事態を終始ノンストップで描いたサスペンスホラー。序盤はすんごく良かったと思うんですよ、これ。業者の手違いからとある一軒家に見ず知らずの男と泊まることになってしまった主人公。見た目も誠実そうで話し方も丁寧、一見すごく好青年の彼に警戒しながらも心を許してゆく。ところが、自分の考え過ぎなのか、彼の言動にところどころ怪しい部分が……。なんて不安になる描写があまりにも丁寧で、見ているこっちもぞわぞわさせてくれます。2人でシーツを直してるシーンなんて、この青年がいつ豹変するのかとハラハラドキドキ!そして登場する怪しい地下室。薄暗い部屋の中にはビデオカメラと薄汚いベッド、恐らくトイレに使っていたのだろうバケツ、壁には生々しい血痕が。ここまではベタながら演出がキレキレで素直に楽しんで観ることが出来ました。ただ……、真相が徐々に明らかになる後半があまりにもお粗末。突っ込みどころが満載過ぎて、自分はもはや苦笑しながら観てました。途中からこの民泊のオーナーであるテレビプロデューサーの物語になるんですが、これがちっとも面白くない。中途半端にMeToo運動を取り入れてるわりには、それが物語として活かされているわけでもなく、このオーナーのクズっぷりが観ていてただただ不愉快なだけ。せっかくここまでサスペンスを盛り上げてきたのに、なんでこんな自ら台無しにしちゃうような展開にしたんでしょう。地下室に登場する肝心のあいつとか、ホラー映画だとしてもあまりに荒唐無稽でなんか普通に冷めちゃいました。ようやくやって来た警察官2人も有り得ないくらい役立たずで自分はずっとイライラ。こんな職務怠慢にも程があるテキトーな警官なんて居ないっちゅーの!挙句、塔から落ちた主人公を追いかけて後から身を投げたモンスターが何故か自分の身を挺して助けるという、物理法則を無視しまくったラスト。どんなけテキトーに映画作っとんねん!前半はすこぶる良かったんですけどね~。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-06-05 09:18:54)★《新規》★
834.  バービー(2023) 《ネタバレ》 
全世界で根強い人気を誇る老舗玩具バービー人形。もし彼女らが意識を持ち、彼女たちだけが暮らす夢のような世界があったら?本作は、そんな特異なアイデアを独創的な映像で描いた異世界ファンタジー。監督は、僕とはあまり相性の良くないグレタ・ガーウィグ。この人の映画を観るのはこれで三作目なのだけど、やっぱり今回も見事に嵌まりませんでした。この人のあからさまなフェミニズム思想ってなんかすんごく偏ってません?自分は男ですが、この社会に当然のようにはびこる男たちの傲慢さに昔から違和感を覚えていたタイプ。「男は社会に出て積極的にバリバリ働き、女は家庭を守り子供を育てる。それこそが人類共通の真の幸せな姿だ」なんて平気で信じ込んでる男たちに心底うんざりしてきました。そんな「女は頑張った自分へのご褒美だ」と本気で考えてるような男には絶対にならないでおこうと決めた僕でも、本作の根底に貫かれる極端なフェミニズム思想にはかなり拒絶反応が……。この映画のテーマって結局、「今まで男が女を支配してきたからこれからは女が男を支配してやりましょう、それができなければもう女たちだけで生きていこうよ」ってことですよね?それってどーなんですか。なんかすごい違和感を感じたのは僕だけなのかな。この社会の分断を招き男女間の対立をいたずらに煽っているだけのような。まぁそんな極端な考えに走るほど、女性がこれまで不当に虐げられてきたというのも分かるんですけどね。とはいえそーゆーのを抜きにしても、単純にファンタジー映画としてどうなんと思える部分も残念に感じました。バービーランドと人間社会の関係がかなり曖昧過ぎて物語の世界に全く入り込めなかったんですけど。どうしてバービーランドが出来たのか?この世界が最初にあってマテル社がその模倣としてバービー人形を作ったのか?あるいはその逆なのか?現実社会の持ち主の暗い思いがこの世界に悪影響を及ぼすならとっくにこのバービーランドは崩壊しているのではないか?そこら辺の設定の詰めが甘く、自分はもはや物語として破綻しているようにすら感じてしまいました。「マーゴット・ロビーが言っても説得力がない」なんて楽屋オチみたいなネタを突然出してきたときなんて完全にすべってたし。そんなわけで、自分はこの監督の感性&思想とはまったく合わないことを再確認してしまいました。マーゴット・ロビーとライアン・ゴズリングの豪華共演と、ピンクを基調とした映像の創り込みがさすがに半端なかったので、+1点!!
[DVD(字幕)] 5点(2024-04-26 11:30:37)
835.  ブラックアダム 《ネタバレ》 
こーゆーヒーローごった煮映画ってマーベルで懲りたはずなのに、監督がわりかし好きなジャウマ・コレット=セラだったので今回鑑賞。やっぱりヒーローがごった煮で、なんか牛肉と豚肉と鶏肉しか入ってない水炊きを延々食べさせられた気分。白菜やえのきやマロニーみたいな心温まるエピソードやハラハラドキドキするサスペンスフルな展開も入れてほしいよー!まぁ映像はけっこうスタイリッシュで見応えあったんですけどねー。
[DVD(字幕)] 5点(2024-04-20 10:11:38)
836.  炎のデス・ポリス 《ネタバレ》 
砂漠のど真ん中に建つ孤立した警察署を舞台に、金融詐欺師の男と彼の命を狙う殺し屋、同じく彼を狙う頭のイカれた刺客、汚職に手を染める悪徳警察官、そして正義感の強い新人女性警察官、彼らの血みどろのバトルをノンストップで描くクライム・アクション。アクの強い演出や警察署という閉鎖的な舞台、軽快でノリのいい音楽に殺伐としたシニカルな雰囲気と、初期の頃のタランティーノ&ロドリゲスコンビの作品にかなり影響を受けてるのが丸わかりの本作。でも自分はこーゆー感じは嫌いじゃないんで今回鑑賞してみました。まぁやりたいことは分かるんですけど、本家に比べて圧倒的に実力不足感が否めない内容でしたね、これ。とにかくストーリーが分かりづらい!無駄に多い登場人物と説明不足な脚本のせいで、いまいちストーリーが頭に入ってこないんです。こんなおバカな内容ならもっと単純なお話にして素直に楽しませてほしかった。そんな多すぎる登場人物たちもそれぞれ頑張ってキャラ立ちさせようとしているんですけど、いまいち成功していない。特に物語の鍵となるイカれたサイコパス殺し屋とか、演技も演出も若干すべってて見ていて痛々しい。いかにもタランティーノと言った、全編にわたる無駄話の応酬もセンスがないせいで普通に無駄話のままで終わってて終始退屈。最後の投げっぱなし感が半端ないオチなんで目も当てられない。こーゆーのを観るとやはりタランティーノは偉大だったんだなと再確認させられますね。このシニカルで乾いた世界観はそこそこ好みだっただけに残念!!
[DVD(字幕)] 5点(2024-03-07 10:01:03)
837.  スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム 《ネタバレ》 
映像は迫力があって良かった!トビー・マグワイアやアンドリュー・ガーフィールドとの新旧スパイダーマン協力バトルも懐かしくて大変グッド!ただ、ストーリーは半分くらい意味不明だったのとピーター・パーカーが自己中すぎて若干イライラしたので、5点!!
[DVD(字幕)] 5点(2024-01-29 18:52:13)
838.  SHE SAID/シー・セッド その名を暴け 《ネタバレ》 
ハリウッドを震撼させた、有名映画プロデューサーによる女優へのセクハラ疑惑。その件数は一つや二つではなく、しかも何十年も前から日常的に繰り返されてきたというのだ。映画業界で絶大な権力を持つその男の前では無力な一俳優やスタッフがいくら被害を訴えても黙殺されるだけ。長年泣き寝入りを強いられてきた多くの被害女性たち。だが、2016年、当時のニューヨークタイムズの記者が地道な取材を重ねてゆくと、そんな不都合な事実が少しずつ明らかとなってゆく。これまで自らの思いを必死に抑え込んできた数多くの被害女性たちは、次第に勇気を出して声を上げてゆくのだった――。のちに大きな社会ムーヴメントとなるMeToo運動のきっかけとなった、ハーヴェイ・ワインスタインによるセクハラ事件。本作は、そんな映画業界のみならず全世界に大きな衝撃を与えた事件を描いた社会派ドラマだ。まだ事件が明るみになってから数年しか経過していないこともあり、関係者の多くがいまだ映画業界で働いていること、加害者であるワインスタインがのちに有罪判決を受け現在服役中であること、日本をはじめ今も多くの国で過去の性被害が問題になっていること、そんな物凄くナイーブな問題を正面から扱った本作のテーマは意義深いことだと思う。これまで多くの女性たちが泣き寝入りをせざるをえなかった社会の構造的な欠陥を、地道な取材によって告発した主人公たちの勇気ある行動は称賛に値する。ただ、本作を映画という芸術的側面で論評させてもらうと自分はそこまで評価できなかった。これは、いくら社会的関心が高いテーマだとは言え、実際に起こった出来事をただ忠実に再現しそれを時系列順に並べたからといって必ずしも面白い映画とはならない典型的な例ではなかろうか。事実をただ羅列するのではなく、観客の興味をとらえより多くの人々の心に届けるための演出を行うのが監督やスタッフたちの役割だと自分は思う。今回本人役で登場したアシュレイ・ジャッドがクライマックス、自らも実名をあげて告発記事に名を連ねる決心をするシーンも、そこまでの丁寧な描写や伏線も何もないせいで唐突感がぬぐえず、いまいち心に響かない。これはひとえに脚本と演出のせいだろう。数年前にアカデミー賞を受賞した、カトリック教会内部での神父による性的虐待を描いた『スポットライト/世紀のスクープ』との違いはここにある。ここまでセンシティブなテーマに勇気をもって取り組んだ監督の熱意には好感が持てるだけに、惜しい。
[DVD(字幕)] 5点(2024-01-25 10:50:56)
839.  ノー・セインツ 報復の果て 《ネタバレ》 
かつて「拷問師」と呼ばれ、その冷酷無比の手口から裏社会で恐れられた殺し屋ネト。そんな彼も警察の執念の捜査で捕まり、今や服役生活を余儀なくされていた。ところがある日、新たな証拠の発見により釈放されることが決定する。当然、過去の因縁を抱えた裏社会の住人や彼を刑務所へとぶち込んだ警察たちが黙っていない。足を洗い、愛する一人息子とともに穏やかな生活を望んでいたネトだったが、彼のそんなささやかな望みはすぐさま絶たれてしまう――。別れた妻の元で育てられた息子フリオが何者かに誘拐されてしまったのだ。しかも国境を越え、メキシコの危険なスラム街に連れていかれたらしい。きっと自分に恨みを持っている奴らの仕業だ。怒りに燃えるネトは、偶然知り合った酒場のウェイトレスとともにメキシコ入国を図るのだが……。息子のために足を洗うことを決意した殺し屋と裏社会の住人たちとの壮絶な攻防を重厚に描いたクライム・サスペンス。ロン・パールマンやティム・ロスといった渋めの役者陣共演ということで今回鑑賞。終始画面が暗くて見辛いし話のテンポも悪いし登場人物誰もが魅力ないしで、率直に言ってさして面白くなかったです、これ。脚本もけっこうテキトー。わるもんのアジトを見つけてまず下見として相棒のウェイトレスが先に乗り込むのだけど、すぐにバレてピンチに陥っちゃう。でもその後から主人公が1人で乗り込んで全員やすやすと皆殺しってウェイトレスさん、先に乗り込んだ意味ないやん(笑)。主人公も「拷問師」と言いながら、熱湯をかけて爪剥がすくらいでちょっと甘い。愛する息子をさらった悪人なんだから、もっと無茶苦茶してくれても良かったんじゃないかな。最後の、「聖人など何処にもいない」と言わんばかりの超バッドエンドも胸糞悪いだけで深みもなんにもない。全編を覆う重厚な雰囲気はそこそこ良かったのでギリ5点ってとこですね。
[DVD(字幕)] 5点(2023-10-02 08:18:23)
840.  カモン カモン 《ネタバレ》 
さまざまな問題を抱えたアメリカの各地方都市を廻り、そこに住む若者たちの声を聴くという企画に現在取り組んでいるジャーナリスト、ジョニー。録音機材を抱えたった一人で各都市を巡っていた彼にある日、しばらく疎遠にしていた妹から電話が掛かってくる。話を聞いてみると、精神に深刻な問題を抱えている彼女の元夫の容態があまり芳しくないというのだ。彼のもとにいってしばらく面倒を見てあげたいので、その間まだ幼い息子を預かってほしいらしい。「お願い、兄さんしか頼れる人がいないの」――。妹とは母の死を巡りずっとギクシャクしていたが、甥っ子のためにジョニーは彼女の住むロサンゼルスへと向かうことに。1年振りに会う甥っ子ジェシーはもう9歳、何事にも好奇心旺盛で彼の持つ録音機材にさっそく興味津々。しばらく会っていなかったのが嘘のように2人は意気投合するのだった。あの子には心配かけたくないから父親のことは何も言わないでと言い残し、元夫の元へと向かう妹。ジョニーはジェシーの気分転換も兼ねて彼を助手として取材を続けるのだが、何かを察したジェシーも次第に情緒が不安定になってきて……。大都会で孤独に生きるジャーナリストが突然預かることになった9歳の甥っ子、彼らの共同生活を淡々と描いたヒューマン・ドラマ。最近ハリウッドのベテラン勢の間で密かに流行っている子供を主人公に全編モノクロームで描いた作品で、確かにこのノスタルジックな雰囲気はほのぼのとしていて心地良かった。フォアキン・フェニックスの肩の力の抜けたナチュラルな演技も巧いし、なにより彼と本物の親類なんじゃないかとしか思えない子役の溌溂とした演技も素晴らしい。彼らが2人でアメリカの大都市を巡る旅路はまるで自分も同行しているかのような気分にさせられる。精神に深刻な病を抱えた彼の父親の存在もともすれば軽くなりがちなこの物語にいいアクセントを与えている。ただ、これは個人的な感想なのだが、自分はこれら一連の演出に終始あざとさのようなものを感じてしまい、後半になるにしたがって次第に心が離れていってしまった。要所要所に主人公の読む本のタイトルを入れるのも、「どうだい、俺って知的だろ」と言わんばかりの監督のナルシズムが透けて見えて終始癪にさわる。子供たちのインタビュー映像も同様。また、この甥っ子のワガママ放大なところも自分は好きになれなかった。特にタクシーの中でトイレにいきたいと嘘をついて、主人公を飛行機の時間に間に合わせなくさせたのはかなり腹がたった。ちょっと甘ったれ過ぎなのではないか。最後、誰もが丸く収まってのハッピーエンドもなんだかとってつけたよう。ノスタルジックな雰囲気は良かったのだが、肝心の内容の方は終始自分には合わないものだった。
[DVD(字幕)] 5点(2023-09-11 08:10:05)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS