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ころりさんさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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141.  ワールド・ウォー Z 《ネタバレ》 
序盤の事件発生からヘリで脱出までは、家族が一緒だったこともあってサスペンス感高し。また事件の全容が見えないまま、各都市がゾンビで壊滅していく映像も見応えあり。その後のブラピの世界旅行になってからは、家族という枷が外れたこともあって、サスペンス感は減退して安心して眺められる。ここでもゾンビがお互いを踏み台にして壁を越えるという、なかなかインパクトのある映像も見られて満足。そして、終盤の研究所での閉鎖空間でのアクションは、なかなかのハラハラ感。要するに、それなりに楽しんだわけですが、全体としては、ややしまりのない大味な展開が目につく。どんな実績があるのかわからないのにみんなにやたら大切にされる元国連職員のブラピとか(でもブラピだからそれが当然にも思える不思議)、前半活躍したけど後半完全に空気になったヒスパニックの少年とか、飛行機墜落現場から腹になんか刺さったまま歩いて研究所へ行くとか、「WHO Research Facility」というあまりにもアバウトな建物の名前とか、細かい作り込みとは無縁な感じです。「ワールドウォー」という大げさなタイトルも含めて、「そういうもの」として期待せずにみれば、サスペンスやアクションの演出はうまいので、それなりに楽しめる1本だと思います。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2016-07-30 21:59:44)
142.  ファインディング・ドリー
夏休みということで子どもと鑑賞。ストーリーはほぼ言うことなし。相変わらずのピクサー印で、ドタバタを楽しく見せつつも、一つ一つのアクションにちゃんと意味がある。とくに、ニモとマーリンが「ドリーならどうするか」を考えるところが素敵。たとえ記憶障害を抱えていてついつい「うっとおしい」と思ってしまう相手であっても、相手の目線で物事をみることが、自分との「ちがい」を知り、相手に「共感」して「理解」することへの第一歩だという素敵なメッセージだったと思います。でも押しつけがましくなく、新登場のキャラクターも個性豊かで魅力的。ハラハラしたり、笑ったり、驚いたりしながら、気がついたらピクサーらしい世界観にどっぷり浸かり、ちょっと優しい気持ちで映画館から出ることができました。欲をいえば、中盤から後半はアクションの連続で、位置関係がよくわからなくなったりしても立ち止まって考えるする余裕がなく、ヤマの盛り上がりにつながるようなメリハリがもう少しあってもよかったかな、と思うくらい。
[映画館(字幕)] 8点(2016-07-25 17:05:48)(良:1票)
143.  007/スペクター 《ネタバレ》 
本作が製作発表されて次は「スペクター」と知ったとき、「スカイフォール」のクオリティと従来の007の娯楽路線が混ざったらどんな凄い映画になるか、期待値MAXでした。ところが公開後、あまり芳しくないレビューをあちこちで見かけ、なんとなく見られないまま公開終了。で、やっと鑑賞したわけですが、期待値が下がってた分もあって、感想は思ったよりは悪くない。旧作同様に、ボンドがあちこちうろうろして、女の人と会って、アクションして、の繰り返しなのですが、シーンの見せ方はサム・メンデスらしい凝った構図がいっぱいで楽しいです。ただ、アクションにはあまりキレがなく、サスペンス感もクレイグ・ボンド4作のなかでは一番低い。2時間半が長く感じました。一方で、良かった点は、みなさん同様、メキシコのお祭りからタイトルまで、スペクターの会議、砂漠を走る列車の遠景、Qがちょっと活躍するあたりくらい。ただ、ラスボスを身内にする必要は全く感じないし、ネコがぜんぜん活きてないし、アクション映画としてはあまりにも安易なボートからのヘリ攻撃、伏線回収の快感不足もマイナス。期待値MAX状態で見れば、これは消化不良感大きかっただろうなあと思いました。まあ、「スカイフォール」でちょっとアナザーワールドにいってしまったボンドが、また「いつもの大味なボンド映画」に帰ってきたと思えば、これはこれでありかもという意味では、なんだかんだで嫌いではないなあというところです。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2016-07-21 12:29:54)
144.  スポットライト 世紀のスクープ 《ネタバレ》 
オーソドックスな手法で真面目にしっかり作ったという印象の良作。「世紀のスクープ」というタイトルではあるものの、この映画が描いたスキャンダルは、「誰も知らなかった真実!」ではなく、実はボストンの人たちの多くが知っていて、でも言えないと思っていた事実。人々の日常生活の支えとなっている教会が舞台だったからこそ起きる隠蔽。1つ1つの事件ではなく、そのシステム、構造を暴かないと意味がないという編集長の言葉は、ジャーナリズムというものの役割を再発見させるものでした。そして、そのための記者たちの作戦とは、どこかに「真実」を暴く「驚きの大逆転」があるのではなく、1人1人の関係者の話を聞き、事件や関係者の数を数え、それを裏付ける文書を探し出し(その開示を裁判所に要求し)、そしてそれを裏付ける証言を得ること。どこまでも地道で気が遠くなるような作業ではあるものの、そのプロセスを飽きさせずに見せた点は、この作品の質の高さを示していると思います。ある事件があり、その全容を描こうとすること、そこから自分たちが生きる社会のあり方を問うこと。この作品が描いているのは、そういうシンプルなことであり、「宗教」や「教会」の闇というような表面的なことではなかったと思います。誰かがもの凄い演技を披露するわけでもなく(もちろん俳優の演技はどれも素晴らしいですが)、どこかに斬新な演出や画があるわけではないので、地味さは拭えませんが、これがオスカー作品賞(と脚本賞)を取ったというのは、個人的には十分に納得できるものでした。
[映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2016-05-17 14:51:11)
145.  ズートピア 《ネタバレ》 
最近のディズニーの「社会派」ぶりにちょっと驚いてます。警察、差別と偏見、犯罪者と見なされること、犯罪者になること、これはいまのアメリカ社会に置き換えて考えれば、やっぱり警察と黒人の問題でしょう。そして、これは、2016年のアメリカで、この偏見や差別を煽ることによって支持を集めている政治家の問題でもある。そんなテーマに正面から挑みながらも、子どももちゃんと楽しめる(そして、そのメッセージもちゃんと伝わる)作品に仕上げた制作陣は本当に素晴らしいと思います。この映画の最も「社会派」なところは、主人公をこのような偏見や差別のサイクルから自由で超越した存在として描かなかったこと。もっとも偏見から遠いところにいる(と思われていた)ジュディが、その善良さゆえに、警察という立場から自ら偏見を持ち込むような発言をしてしまい、社会に分断を招いてしまうシーンは、大人の自分でも冷や汗が出るような恐ろしさでした。そして、そこからジュディが立ち直る過程こそ、この映画の本当のメッセージであり、テーマであったのだと思います。ただ、ここも最近のディズニーに共通するところですが、物語が複雑でガチャガチャしてしまい、落ち着きがないところ。出てくるキャラクターがそれぞれ魅力的ではあるのだけれど、個人的には種類が多すぎで、それぞれの見せ場が短い。もう少し展開やキャラを絞ってシンプルな成長物語としたうえで、この映画の重くて真摯なテーマを絡ませることは、たぶんできたと思う。あと音楽と映像(とくにズートピアの多彩なエリア)は、もちろん2016年の平均以上レベルだけど、でも、もっと出来たんじゃないかなとも思いました。とかグチグチ言っても、一緒に観た娘たちがケラケラ笑って楽しんで、帰りに「もう1回みたい!」と言ったことがすべて。小さな娘のなかに、現代という時代に向けた本作の大切なメッセージが、じわ〜っと伝わっていることを願っています。
[映画館(字幕)] 8点(2016-04-29 22:44:49)(良:1票)
146.  ボーダーライン(2015) 《ネタバレ》 
メキシコ国境地帯の麻薬モノは、TVドラマやドキュメンタリーでも良作揃いだけれど、映画でも『トラフィック』以来の良作が登場! 『トラフィック』でも印象的な役回りだったベニチオ・デル・トロがここでは謎めいた捜査官として、前作とは違った強烈な印象を残す。ひたすら振りまわされる主人公エミリー=ブラントもいい。そして、意外と好演なのが、主人公ケイトの相棒ジェシー。ケイト以上に物事の真相もつかめないまま振りまわされる姿はユーモラスですらあり、緊張感が張り詰める本作のなかで、ちょうどいい緩和剤となっていて、単調になりがちな場面にメリハリを与えている。デル=トロの正体は、設定から考えれば当然ありえるもので、そこまで意外ではなかったので、サスペンス的な楽しみはそこまでではないけれど、丁寧に描き混まれる捜索・捜査・掃討シーンはどれも印象的で、監督ドゥニ=ヴィルヌーヴの才気をとにかく感じる。今後要チェックの監督がまた1人増えた。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2016-04-22 18:09:42)(良:1票)
147.  コップランド 《ネタバレ》 
スタローンの「枯れた」芝居は悪くない。もともとロッキーだってランボー1作目だってどこか社会になじめない不器用で寂しい男はスタローンの得意分野で、この作品でも当たっていたと思う。ただ、問題は全体の構成のちぐはぐさ。汚職警官モノにサスペンスを絡めて捜査官にデニーロと来て「これは掘り出し物かも」と盛り上がったのに、肝心のデニーロは「橋を渡ったら管轄外」といってスタローンを煽るだけ。でもスタローンは、警官の汚職もマレーが生きてることも知ってるので、もうこの時点でサスペンスの面白さは半減。あとは、スタローンがいつ爆発するかを待つだけの展開で、そしてキレて銃ぶっ放して終わり・・・。豪華キャストで「思わぬ佳作」になりかけたのに、良くも悪くも「スタローンもの」としてまとめてしまったのは残念でした。良かったシーンは、冒頭の橋の上の警官と消防隊の喧嘩、レイ・リオッタの曲者ぶり、耳が聞こえない状態でのガンファイトあたりかな。構成や脚本に明らかに難はあるけど、嫌いにはなれないタイプの映画です。
[DVD(字幕)] 5点(2016-04-22 09:51:47)
148.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 
ポール・トーマス・アンダーソン監督の怪作。やっぱりこの監督は凄い。全体的には『マグノリア』などのやや過剰気味の演出から一転して静かで淡々としているけれど、そこはダニエル・デイ・ルイスの強烈すぎる存在感で十分におなかいっぱい(+ポール・ダノの「怪演」も満腹感を増幅させる)。このあたりは好みは分かれるところで、個人的には「やりすぎ」感のほうが先に来たかな。ただ、映画としての「力」は十分伝わる。これって「アメリカとは何か」を語る壮大な叙事詩だと思います。アメリカン・ドリームと資本の象徴としてのプレインビュー、土俗的で原理主義的な教会の象徴としてのイーライ。そして「血」では繋がらない息子との関係は、「血」ではなく「理念」で無理矢理「国」を作ろうとしてきたアメリカの理念そのもののよう。この3者の関係は、複雑に入り組みながら、結局は資本主義の強烈な欲望の前にどんどん破滅へと向かっていく。最後の「終わった」は、何の終わりを意味しているのだろうか。いろんな解釈ができるけれど、あれこれ考えるだけでも結構楽しい。
[DVD(字幕)] 7点(2016-03-19 11:23:09)(良:1票)
149.  オデッセイ(2015) 《ネタバレ》 
明るいノリの火星サバイバル&救出作戦。危機的状況のなかで、人類の知性の結晶としての「科学」、人間文化としての「音楽」、人間らしさが集約される「笑い」と「チームワーク」のすばらしさをこれでもかとポジティブに描いた快作。マット・デイモン扮する主人公ワトリーはたびたび窮地に立たされるけれど、そこを科学と音楽と何よりもユーモア(とくにポテト畑壊滅の絶望的状況から立ち直らせるクルーとのブラックジョークのやりとりは感動的ですらあります)によって乗り越えていく。人種・宗教・国境による分断が強調され、分断を煽る人間が「指導者」面をする今の社会に対する強烈なメッセージであったと思います。ただ、一方で、あのリドリー・スコットが、なぜ、いかにもハリウッド映画という感じのラストの群衆シーンをわざわざこの映画に挿入したのか。あれ、なくても十分に話は作れるはずなのに。わざと皮肉でやってるとしか思えない。ただ、これが「群衆の醜悪さ」を描いた皮肉であったとすれば、映画自体のメッセージとも矛盾する。それから、ワトリーの家族が一切登場しない件。彼は孤独な人間であるからこそ、火星の孤独にも耐えたことができたのかもしれないけれど、裏を返せば、本作は、ふつう人間の可能性を根源とされる「家族」や「愛情」を敢えて描かなかった「人間賛歌」であり、その意味するところは実は深くて重いようにも思える。というわけで、鑑賞中はふつうに楽しく前向きになれるのに、見終わって考えると、実はこの映画のメッセージはもっと恐ろしいものだったのではないのかと思えてくる。そういう意味でのリドリー・スコット印。健在です。
[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2016-03-15 10:20:08)
150.  クリード チャンプを継ぐ男 《ネタバレ》 
『フルートベール駅で』は2013年の個人的ベスト映画でした。そのクーグラー監督とマイケル・B・ジョーダンのタッグで、あのアポロの息子を描きます。『ロッキー』は個人的に映画にハマるきっかけになった作品なだけに、期待と不安の混じった状況で鑑賞。結果的には、これが大正解だったと思います。『フルートベール駅で』のたぐいまれな構成力や脚本のすばらしさはそのままに、でもちゃんと『ロッキー』的な「アガる」要素やドラマティックな演出もばっちり。見方によっては、『フルートベール』がそうであったように、新世代のブラック・ムービーにもなってて、そこは『ロッキー』シリーズとしては賛否分かれるところだと思うけど、この2人に賭けようとしたスタローンの懐の深さに、この不器用すぎる俳優のまた新しい魅力を見た気がします。恵まれていても「何か」を渇望しているアドニスのドラマは、『ロッキー』1作目とは違う現代的なテーマではあります。でも、根底にあるもの、自分自身が何者であるかを問い続けてきた1人の若者の物語であるという点では同じであったようにも思います。加えて、ドラマパートでの生きた台詞の数々(ただし字幕にはかなり不満あり)と斬新なカメラワークで構成されたボクシング・シーンも素晴らしい。あのダウン→走馬燈→最終ラウンドまでの流れは、もうドラマティックな演出、役者の演技、そしてなんと言っても音楽との奇跡的な相乗効果で、魂ごと持っていかれて、上映後しばし放心状態でした。公開日数も回数も少ないけど、映画館で見て本当に本当によかったと思える作品でした。
[映画館(字幕)] 10点(2016-02-25 23:45:41)
151.  ランボー/最後の戦場 《ネタバレ》 
正直もういいだろうと思ってたし、残虐描写もすごいっていうので、未見でしたが、『クリード』見て以来、またスタローンが気になりだしたので、思い切って見てみました。前評判どおりのシリアスで残酷。グロ描写は苦手なので、拷問のような90分。そして、一時期ジャンル映画化していたアフリカ紛争ものにも通じる「ビルマ人の残虐性」をステレオタイプに強調してるところなど、素直に「よかった」と受け入れられない。軍が、白人だけをなぜ生かしていたのかなど(物語を進めるには必要でも)不可解な部分もある。ただ、この映画が凄いと思うのは、「キレイ事」と「暴力」との複雑な関係を丁寧に描いている点。この映画は善意あふれるNGOをある意味、嫌みたっぷりに描いていて、キレイごとを繰り返すマイケルが最後に人を殺すシーンは、ある種のカタルシスすらもたらします。でも、最後の大銃撃シーンの後の死体の山は、同時に暴力とか戦場とか「戦争」とは何なのかを雄弁に語っています。そして、最後に生き残ったサラがマイケルのもとにかけより、それをランボーが眺めるシーンが私たちに伝えるものは、AかBかという単純な選択ではない現実というものの重みです。「世界の現実」を描いたこの複雑な作品を、たった90分の「戦争映画」の傑作として、スタローンが自身の監督作品として作るなんて、2作目や3作目の頃には考えもしなかったこと。やっぱりスタローンという人は本当に面白いのだと認識を新たにしました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-02-24 12:19:52)(良:1票)
152.  アウトロー(2012) 《ネタバレ》 
『ミッション・インポッシブル:ローグ・ネーション』がよかったので、同じ監督&トム・クルーズ作品ということで鑑賞。これは、掘り出し物。好みは分かれると思うけど、最初の銃撃シーンからサスペンスの持たせ方がうまい。派手さはないけど構成がしっかりしてて目が離せない。あと、主人公リーチャーのキャラがいい。車乗れない(っていっても免許がないから、という理由はちょっと笑える)、武器も持ってない、クレジット・カードも使えない。で、バスで移動っていうのが、何だか笑える。序盤の弁護士ヘレンとのやりとりもちょいコメディ入ってる。律儀にチンピラやら弁護士に車を借りてやっと移動手段ができたり、武器がないから射撃場の親父(ロバート・デュバル!)を呼び出したりとか、真面目にやってるのにどこか笑えてしまう。その意味では、トムの現実離れした「スター」感がうまくハマってるのかも。よく見てみると、なんでチンピラの仲間に簡単に頭、殴られちゃうのか(痛そうだからわざとではなさそうだし)とか、凄腕の敵のはずなのにラストの銃撃ではなぜ1発も当たらないのかとか、詰めの甘さはあるけど、シリアスなのにちょいクスッとくる新しいハードボイルドものとして、楽しめる1作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-01-22 11:08:54)
153.  ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション 《ネタバレ》 
冒頭の飛行機シーンから、オペラ、水のなかの侵入シーンからバイクチェイスまで、1つ1つのシーンが丁寧にとらえていて見応えあり。アヴァンタイトルやバイクシーンを除けば、実はあんまり派手なアクションもない。むしろ、見せ方のうまさ、演出力の確かさが際立つ。またストーリー的には、今回の映画はヒロイン役のレベッカ・ファーガソンがいい。最後まで味方か敵かわからないことで、話に締まりをもたせて、中だるみを防いでくれたし、スタイルも見栄えもいい(とくにオペラハウスのシーン)。敵役の迫力不足がやや残念で、ラストももう少し引っ張ってほしかったなという部分もあるけど、全体として娯楽映画に必要な要素が本当に詰まってて、シリーズ5作目なのにここまで高いレベルに仕上げた監督&トム・クルーズに拍手。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2016-01-20 15:28:27)
154.  ウルフ・オブ・ウォールストリート
この内容このテーマで、3時間ちゃんと魅せてしまうこと自体が凄い。スコセッシの演出も、ディカプリオの演技もキレキレです。口八丁手八丁で莫大な金を稼いでも、その使い途が結局はあの乱痴気騒ぎ。実は、少し前に、失業者や最下層の人々がドラッグで転落するドキュメンタリーを見たのだけれど、金はあってもやってることは結局一緒・・・。こんなに虚しいことのために割かれる膨大なエネルギーの不毛さ。あの「レモン」からのランボルギーニと電話のくだりは、もうディカプリオの演技力の壮大な無駄遣い(誉めています)。そして、映画全体のドラッグのような編集と音楽(胸を叩いて「んーっんっぽー」の中毒性・・・)。才気爆発とはこのことを言うのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-01-09 10:34:36)
155.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 
上映中はしっかり楽しんだのだけれど、終わってみるとなんか釈然としない。一番の理由は、話自体がたいしたことないというか、ああまたスカイウォーカー家のゴタゴタで、ハン・ソロまでついにこれに巻き込まれてしまって最後は・・・・だし、EP4〜6の既視感を追いかけた2時間ちょいだったことが不満なんだと思う。とはいえ、レイとフィンをはじめ、新キャラの間のコミカルな掛け合いとか、いままでのスターウォーズではうまく描けてこなかった部分をしっかり描いてるっていう新しい魅力も感じたはずなんだけど、そこにそれほどワクワクできていない。で、結局なんだったのか1週間くらい考えた末、実はEP4〜6も映画としては「たいしたことなかった」ということに、ついにこの7で気づいてしまったというか、自分で認めざるをえなくなったことが原因なのかと思っています。EP1〜3のときは「自分が見たいスターウォーズはこれじゃない」観はずっとありました。でも、今回、JJは「俺たちが見たかったスターウォーズ」をこれでもかというサービス精神で作ってしまった。でも、その結果、昔好きだったバンドの再結成ライブ(しかもベスト選曲)を見たときに気づいてしまう、ある種の「閉塞」感を今回のEP7でも感じてしまった。僕にとって、EP7は、そういう悲しいリアリティを突きつけるものでした。JJは、「次」は完全に新しい世界を用意しているのかもしれませんが、今回のレイやカイロ=レンを取り巻く因縁を見た上では、それもあまり期待していないし、そもそも自分がそれをみたいと思っているのかどうかもわからなくなりました。まあ、そういうノスタルジーを取り込みつつ、うまく作品化していくのだとは思いますが、「その程度のシリーズ」として、今後もつきあっていくのがいいのかなあ、なんて思いはじめています。そういう意味で、自分が30年あまりのSWがらみの夢から「覚醒」をしてしまった気分です。
[映画館(字幕)] 7点(2016-01-05 23:32:14)(良:2票)
156.  キングスマン 《ネタバレ》 
僕はたぶんマシュー・ヴォーン監督の魅力を取り違えているのだと思います。昨今、007も真面目シリアス一辺倒になってしまった中で、「スパイ・コメディ」ではなく「おバカなスパイ映画」の再構築という意味で、序盤〜中盤の展開には本当に引き込まれた。コリン・ファースやマイケル・ケインなどの渋い英国俳優を起用して、スタイリッシュな殺陣やシーンが次々と飛び出す展開は、新しい時代の到来を感じさせる、すばらしい出来だったと思います。ただ、残念なのは、やはり教会の大虐殺以降・・。いや、ヴォーン監督が、こういうの得意だっていうのはわかるし、ラストの頭花火も楽しんでるのは伝わります。ただ、今や「ポップな音楽をバックに大虐殺」とか「テンポよく吹っ飛ぶ頭や腕」とかっていうのが「新しい表現」といえる時代なのかっていうのは、やはり疑問で、「誰も見たことのない映像を見た」というよりは、「ああ、またこの展開か」という食傷気味な感覚が勝ってしまったのも確か。序盤は丁寧な構成を感じたのに、ラストはどんどんバランスを失って、最後はなんだかどうでもよくなってしまう。ただ、007最大のおバカシーンといえる『ムーンレイカー』の宇宙シーンを、ロキシーにやらせたのはマル。あそこで新しい「おバカなスパイ映画」を創るんだという気合いは感じました。あとスウェーデン王女もナイス。こういう魅力が詰まっていたのに、なんだか惜しいなあ、という一本でした。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2015-10-02 16:17:36)
157.  ワイルド・スピード/SKY MISSION 《ネタバレ》 
なんだかミッション・インポッシブルみたいになった7作目。ただ、あちらのような緻密さは皆無で、アブダビでの車強奪シーンの大味な感じ(とあんまりなその結末)はかえってほほえましい。車が車である必要がないようなアクションの数々は少し残念で、車種や特徴にもこだわりながら、ドライビング・テクニックと改造車の性能で魅せるっていうシリーズ序盤の流れは大事にしてほしかった。あと、ポール・ウォーカーはてっきり今作のなかでも死ぬんだと思って見てたら、ふつうのお別れシーンで終わって、ちょっと肩すかし。もうこの世にいないと思えば、ラストの数シーンにはこみ上げるものはあるけど、自分としては、それは映画そのものの出来とは無関係というスタンスです。まあ、車と水着美女(スローモーション付)と筋肉モリモリな男共というおバカ映画の王道ではあるけど、それを今時のハリウッドで徹底的にやるという部分だけは評価してもいいと思う。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 5点(2015-08-19 08:39:33)(良:1票)
158.  チャッピー 《ネタバレ》 
アメリカ公開版を鑑賞。よくできてると思うけど、どうも僕はブロムカンプ監督とは合わない模様。チャッピーがゲットーのギャング文化に染まっていくくだりは、悪趣味な部分もあるけど、こういう環境で育つことの意味というか、そこをサバイブするなかでの「家族」の意味とか、それなりに描いていて、よかったと思う。後半のややお涙頂戴的な「家族」描写も悪くない。ただ、後半になって突然浮上する「意識」をめぐる部分はちょっと余計か・・・。結局、意識と身体の二元論の人間観って、インテリSFとしては古いわけだし、そういうテーマを挿入しつつも深めきれず、ちょっとダサいB級映画化しちゃうところが、個人的にはバツ(『第9地区』もそうでした)。この映画のテーマは、前半の「環境と成長」をベースにもっと娯楽作に振り切ってもよかったような(それでは凡百のA.I.モノと同じだから嫌だったんだろうなあ、とは思うけど)。あと、ラストのビョーク「All Is Full of Love」PV風の画は何だったのでしょう? 正直2時間の本作よりも、5分弱のクリス・カニングハム作のPVのほうが作品としての完成度やメッセージも上なのではないかと思ってしまい、かえって逆効果でした。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2015-07-29 14:50:45)
159.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
傑作。文句なし。狂気の世界とアクションが、超緻密な構成を重ねた上で描かれます。演出も奇をてらったわけでもなく、結構正攻法なのに、最終的にできたものは誰も見たことがなかった映像世界。超シンプルなストーリーのなかで続くカーアクションのシークエンスは、もうアイデアの宝庫。砂漠という何もない場所なのに、その風景のすばらしい多様性(特に砂嵐と夜の星空は印象的)、そしてウォーボーイズとか、ハリネズミ車とか、ギター男とか、槍のヤツとか、ポールで攻撃してくるヤツとか、ホントに全く飽きることなく最後まで突っ走る。出てくる登場人物のキャラクターは、度重なるアクションのなかに見事に描きこまれてる。フュリオサのリーダーシップ、ニュークスの悲喜劇、セクシー姉ちゃんたちの変貌にも驚嘆するし、おばちゃん戦士たちの爽快感に癒される。対する敵側もゲスで憎めない。主人公が「輸血袋」な扱いなのは「・・・」ですが、狂言回し的な役目と考えればこれもアリか(ただ、輸血袋なりの見せ場がちゃんとあるのはさすが!)。前三部作も見ていて、正直そこまでハマらなかったのですが、今作はその予想を上回る出来だったと思います。このエネルギーにあふれた作品を、御年70歳のジョージ・ミラー監督が撮ったというのも凄いです。あえていえば、日本版エンディングテーマというやつ・・・。曲自体は悪くなかったけど、普通の2D字幕版であっても、やっぱりオリジナル版と同じものを見せてほしかった。
[映画館(字幕)] 10点(2015-07-04 08:40:06)
160.  世界にひとつのプレイブック
実は見終わった直後はそうでもなかったのだが、その後しばらくしてからジワーっと「あ、いい映画だったな」と思わせられた不思議な作品。「病んでる」主人公2人の描き方が秀逸。薬ネタで盛り上がるところから、最初のデートでのオーダーまではブラックな笑いにニヤニヤ。その後の少しずつ相手を理解する過程で知らず知らずに2人を応援する気持ちに・・・。その合間に挟まれる親父や友人のエピソードもいい感じで物語に絡んでくる。演技では、ジェニファー・ローレンスもいいけど、ブラッドリー・クーパーも躁鬱で忙しい役を本当にがんばって演じていた。ダブル受賞あってもよかったのではないかなあと今更ながら残念な気持ちになるくらい、僕はこの映画が好きになっていた。そして、個人的な愛すべきポイントは、「普通であること」とうまく折り合いをつけられない主人公やその家族を、それでも最後には包み込む懐の深い「人間社会」の姿。その危なっかしいバランス感覚と温かさが、この映画にはきっちりと描かれていたと思います。あとは、よくわからない邦題だけは何とかならなかったものかなあ・・・。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 9点(2015-03-15 23:15:11)
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