1. グラン・トリノ
《ネタバレ》 クリントイーストウッド最後の出演作として最高のラストでした。ハリーキャラハンなら問答無用で撃ち殺したろうけど、ある意味どんでん返しでした。こんな決着のつけ方があったのか。これなら復讐の連鎖も無いだろう。お見事としか言いようがない。 気だるそうなラストの音楽も最高です。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2018-02-04 01:10:23) |
2. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
《ネタバレ》 文句なしにセルジオレオーネ監督の最高傑作。見る度に新しい発見のある奥深い映画でもあります。逆に言えば一回見ただけで理解するのは無理でしょう。 物語は初老となったロバートデニーロ扮するヌードルスが少年期と青年期を時系列が入れ替わりながら回想する形で描かれます。 実際に描かれている物語を表とするとこの映画には裏の物語があるはずですがそれらは描かれていません。それを匂わすシーンはいくつかあります。その一つが病院でのシーン。ヌードルスが病院を出ていくのとすれ違いに大ボスのフランキーが病院にやってきますがその後フランキーは一度も出てきません。これはマックスとフランキーがその後も繋がっているという裏の物語の付箋でしょうか。 ラストのゴミ収集車に向かうマックスはそのまま収集車の後ろに飛び込むかの様に描かれ、実際収集車が言ってしまった後にはマックスの姿も消えていました。収集車の後ろをヌードルすが覗きますがそこには砕かれたゴミの残骸だけで一滴の血もついていませんでした。 とにかく謎の多い映画ですが、3時間半の映画があっという間に終わってしまうくらい引き込まれてしまうギャング映画の最高傑作でした。 [DVD(字幕)] 10点(2017-12-08 08:34:45) |
3. 大脱走
《ネタバレ》 初めて見たのが中学生の頃、近くのリバイバル専門映画館でした。それ以来何度見たことか。これほど楽しませてくれる映画はなかなか無いですな。しかもオールスターキャストで。個々のキャラが魅力たっぷりに描かれて、それぞれに感情移入してしまうから見ている自分まで作戦に参加しているようでした。波のように繰り返す緊張感高まるシーンで全く飽きる事無く、あっという間の3時間でした。そして最後まで格好良かったのはやっぱしスティーブマックイーンでしたね。 [DVD(字幕)] 10点(2017-12-01 00:08:09)(良:2票) |
4. プライベート・ライアン
《ネタバレ》 私のベスト10に入る映画の一つです。映画を構成している3つの要素すべてがいい。ドキュメンタリータッチのノルマンディー上陸のシーンはまさに映画史に残る迫力の映像。ライアン二等兵捜索の所では個々のキャラクターを上手に紹介していて見るものを物語の中に引き込みます。そして最後の橋の攻防戦ではこれぞ戦争映画だと言わんばかりのエキサイトシーンの連続で圧倒。遠くから聞こえてくる金属音と共に戦車の登場するシーンの演出は見事。この映画には脱帽させられました。 [DVD(字幕)] 10点(2012-11-16 23:25:27) |
5. 荒野の七人
本家の「七人の侍」はもちろんですがこちらも満点つけさせていただきました。個々のキャラの魅力、特に悪玉の親分イーライウオラックが好きです。ストーリーそのものは単純なのになぜこれほど引き込まれてしまうのか。きっとすべての映画の要素がバランス良く配合されてうまく処理されているからでしょう。背景の荒野に沁み渡る音楽も最高です。 [ビデオ(字幕)] 10点(2012-02-12 12:59:34) |
6. 隣人は静かに笑う
《ネタバレ》 驚きの展開の末、まさかのエンディング。しばらく立ち直れない程に。 始め、隣人を疑い始めるきっかけが少し弱く不自然さを感じましたが、実はこれは観客に錯覚をおこさすための仕掛けなのかなと思いました。錯覚というのは主人公の隣人への誇大妄想、被害妄想では無いのか。それが原因で主人公が事件を起こすのでは無いかと。と言うのも、見ていて私はその様にストーリーが展開するものと思ってしまったからです。隣人役のティム・ロビンスも終盤まで善人としての表情しか見せなかったので私も良い意味で騙されました。深く読みすぎてしまったと言うのが正解かもしれませんが。主人公の講義の内容にあった爆弾事件のたった1人の犯行と言うのもラストの付箋になっていたとは。これは新しいどんでん返しなのかな。立ち直るのに少し時間がかかりましたが、「セブン」の様な後味の悪さは感じず、見終わってみればまさに邦題の通りの作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2022-02-17 00:18:20) |
7. ヴィジット
《ネタバレ》 衛星放送の吹き替え版で視聴しましたが、字幕で見た方がさらに怖かったかもしれませんな。 基本的にホラー映画は苦手ですがシャラマン監督に引かれて見た次第。しかしホラー映画と言うよりサスペンススリラーでした。 まず、すっかり騙されましたが、そこがこの監督のうまいところでしょう。 子供達がヴィデオカメラで写すまでも自然な流れを作り不自然さはありません。そのヴィデオカメラ視線が臨場感を出しており本当に怖かった。 ヒッチコック作品を思い出した。満足な一編でした。 [CS・衛星(吹替)] 9点(2018-02-03 23:59:56) |
8. 普通の人々
《ネタバレ》 経済的には豊かな家族だけれど、ある事件がきっかけの心の問題を丁寧且つ冷徹に描いたヒューマンドラマです。 長男の事故死から心を封印した母親と自責の念にかられ自殺未遂までした次男。そしてその間で揺れる父親。そんな家族を季節感のあるみずみずしい映像で綴っていきますが、表面からはなかなか見えない心の奥までを克明に描写しているところに私の心もしびれました。 数々の試練を乗り越え自分を取り戻しつつある次男と心のモヤモヤを取り払った父親。しかし最後まで心の封印を解けなかった母親に決別を言い渡す父親の決断で皮肉なラストを迎えてしまいます。 でも、これは家族の再生のための最後の試練だという風に私は解釈させていただきます。 ところで【普通の人々】というタイトルですが、大なり小なり誰もが心に闇を抱えており、このひとたちが特別という事ではない「普通」の人達なんだと解釈させていただきましたが如何でしょうか。 とにかく久しぶりにいい映画を見させていただきました。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2017-11-23 00:26:54) |
9. 悪の法則
《ネタバレ》 この映画の冒頭でマルキナが、飼っているチーターがウサギを狩る所を見て喜んでいるシーンがありますが、それこそがこの作品を象徴している様に思えました。 そしてこの映画の中でのハンターは卸元で、そのハンティングを遠くから見ていたのがマルキナ自身でした、という事なのでしょう。 それにしても解りにくい映画ですな。 今回で3回目の視聴でしたが、最初はストーリーを追うのに精一杯でなんだかよく分からなく、二度目でやっと何が分からないのかがわかった。 そして今回でやっと内容が少しわかった感じです。 映画中セリフがやたらと多い割に肝心なところの説明がほとんどない。 例えば麻薬ビジネスというだけで具体的な内容、例えばカウンセラーの役割など全く描かれていない。 卸元という組織も実行役以外一切表に出てこない。 でもそれらはこの映画においては重要ではないんですね。かえってハンターである卸元という組織をはっきり描かなかった事でその恐怖は倍増しましたし。重要なのはそのセリフの方なんですな。 ラストで主人公のカウンセラーが助けを乞うメキシコの親分が言っていました。 岐路は既にいくつもあったはずだと。 確かに友人のライナーやブローカーのウェストリーも何度も極悪非道で血も涙もない危険な相手とのビジネスだと伝えるが、俺なら大丈夫だとカウンセラー自身が決めていた。 そのことを思い起こさせられ絶望のどん底に落とされるラストシーンは本当に怖かったです。 奥深さを感じさせられる映画であるとともに、一級品のサスペンスでもあり、これから何度でも見るであろう作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2017-06-08 00:32:54) |
10. トラ・トラ・トラ!
《ネタバレ》 中学生の頃友人達と当時大変話題になった映画だったので劇場に見に行ったのですが当時の私には内容がよく理解できず最後の戦闘シーンだけが記憶に残っていました。 そして今から十年ほど前に久し振りに見る機会があり鑑賞しました。 日本側の戦争へ突入するまでの緊張感とアメリカ側のそれへの楽観的な見方がうまく描かれており史実を確認する上でも興味いものでした。双方の立場や目線からどちらかへの偏りも無く淡々と、しかもスピード感のある表現が素晴らしく、ラストの真珠湾奇襲攻撃まで徐々に盛り上げて行く手法は見事と言わせていただきます。 実際に戦闘機を飛ばして撮った最後の真珠湾攻撃のシーンはもう二度と撮れないでしょうな。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-11-27 23:08:33) |
11. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2
《ネタバレ》 第一作と比べても全く遜色ありませんな。別の時間軸ができてしまったなんて発想が素晴らしくまさに夢のあるストーリーでした。この映画で難しいことを考える必要はないので純粋に映画を楽しめました。 [DVD(字幕)] 9点(2013-05-29 23:27:26) |
12. バック・トゥ・ザ・フューチャー
《ネタバレ》 これほど純粋に楽しい映画は少ないですね。難しい所はないけど複雑に絡まる時間の旅が面白い。 悪党だけれども憎みきれないビフもこの映画でワサビ的なキャラで魅力的。 逆に言えばこれをつまらないという人いるんですか?いないでしょ。 十数回この映画を見ている私は今日また見てしまい、今そのレビューを書いてる次第です。 [DVD(字幕)] 9点(2013-05-29 23:17:26) |
13. トランス・ワールド
《ネタバレ》 何の予備知識もなくたまたまタイトルに引かれて録画したのを見ました。いや、予備知識を持たなかったからこの映画を最大限楽しめました。 出演者は十人にも満たなく、コンビニのシーン以外は全て森の中という設定。かなりの低予算で作られた映画のようだけど、導入部分からグイグイと引き付けられ、想像していた展開も全て裏切られると言う予想を遥かに凌ぐ面白さ。これは掘り出し物だったなと思える一編で久し振りに映画を楽しむことができました。なのでネタは伏せてのレビューとさせていただきます。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-05-23 00:42:15) |
14. ヴィレッジ(2004)
《ネタバレ》 自然と先入観にとらわれてしまう演出の仕方がシャラン流ですな。またしてもどんでん返し。お見事です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-02-04 01:05:09) |
15. 大陸横断超特急
《ネタバレ》 サスペンスアクションロマンティックコメディー超大作。これだけ色々な要素を詰め込んだ大陸横断鉄道の列車がシカゴへ向けて突っ走る爽快な映画でした。主演のジーンワイルダー、ジルクレイバーグは勿論共演のサスペンスアクションロマンティックコメディー超大作。これだけ色々な要素を詰め込んだ大陸横断鉄道の列車がシカゴへ向けて突っ走る爽快な映画。主演のジーンワイルダー、ジルクレイバーグは勿論、共演のリチャードプライヤーも憎めない泥棒をいい味で好演していました。 シカゴ駅に列車が突入する迫力あるラストシーンはさすがハリウッドといったところでしょうか。軽くいくつかのどんでん返しにスリル満点で笑いもあり、最後まで飽きる事なく楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-12-08 00:53:17) |
16. ハンニバル・ライジング
《ネタバレ》 ハンニバルレクター博士のファンの方々には受けが良くないようで。 確かにアンソニーホプキンスのレクター博士とはかなりイメージが違い、綺麗すぎるキャラでした。 しかしその綺麗さが狂気を際立たせており、薄笑いの表情はまるで般若。最高のキャスティングではないでしょうか。 また、レクター博士の異常性に明確な理由付けを行ったストーリーに、個人的には良かったと思います。 もちろんシリーズ最後の作品ということが前提ですが。 ただ、レクター博士の若い頃の侍並みの強さは如何なものでしょう。強さによる復讐というより、もっと知恵を生かし、心理的な恐怖を与えたほうがアンソニーホプキンスの天才レクター博士に近づけるのではないでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-04-12 00:44:53) |
17. アウトサイダー(1983)
《ネタバレ》 この作品を若い頃見ていたら「クサイ」「平凡」といった印象で終わっていたと思う。 初めて見た現在還暦近い事もあってか、かなり感動しました。若いっていいな・・・と。 主題曲の「ステイゴールド」と映画全体を覆っているノスタルジックな雰囲気が抜群の相性で作品を盛り立てていると思います。 ストーリーは単純明快でいいと思います。青春映画なんですから。 映像も綺麗でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-01-18 00:39:23) |
18. ブラック・サンデー
《ネタバレ》 本来なら追い詰めるロバートショウがヒーローで、テロの二人が悪役なはずですが、平等な視点というより、ややテロリスト側の視点で描かれているところが面白かった。 気がつくと80000人を殺そうとしているテロリストを応援している自分に戸惑いました。 ただ、ブルースダーン演じるランダーがなぜテロに加担することになったのかをもう少し掘り下げて欲しかった。そうすればさらにテロリストを応援したくなったと思うけど。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-01-15 19:36:50) |
19. 偉大なるアンバーソン家の人々
《ネタバレ》 全体に華やかでリズミカルなストーリー展開が心地よかったです。 ローアングルで見つめるようなカメラワークは人物表現にリアリティーをもたせているのかな。 人々が望んでいたジョージの不幸はあまりにも過酷な物でしたが、最後の最後で大人になれたようで、ルーシーも救われたでしょうな。 しかしアンバクスターは可愛い。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-07-29 19:40:52) |
20. 大いなる西部
《ネタバレ》 こちらは何度も視聴している私の好きな作品の一つです。今回久々の視聴でした。 原題「The Big Country」の示す通り、日本ではとても味わえない雄大な景色と壮大なオーケストラによる音楽の中で繰り広げられる人間ドラマとしての西部劇。 二家族、二人の男、二人の女、これら全く違うキャラクター同士の確執を、雄大な大自然の中でちっぽけな人間同士の争いと言う、ある意味極端なコントラストを持って表現しています。 ただ、主人公のグレゴリーペック、あまりの優等生ぶりに嫌味すら感じ、とても共感できません。荒くれ牧童のチャールトンへストンとの殴り合いにしても互角に渡り合ってしまうところなど嫌味の極致といったところですな。 ま、それにしても私の好きな作品である事には違いありませんが。 Jin [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-04-07 18:26:04) |