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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  銀の匙 Silver Spoon 《ネタバレ》 
 とてもまっすぐ、真面目に作られた青春映画で非常に好感が持てました。   酪農を通して人間的な成長を描く作品、家庭の問題や友人関係、将来の不安等、等身大の若さを生きる姿がストレートに心に響いてきます。   個人的な話ですが、2匹のネコを宝物のように大切に育てながら、一方で毎日仕事で十数頭分の豚のモツを捌いている、その「生命」に対して日頃自分なりに向き合っている意識、そこが描かれている事に多大な共感を抱きました。   映画としては地味だと思います。題材が農業高校で酪農を学ぶ事ですし、恋愛要素はほぼ無し、現在の酪農の抱える問題や挫折など、苦い部分が描かれていて、単純に気持ち良さを味わえる映画ではありません。  でも、だからこそ心に響いてくるもの沢山があって。   脇のキャスティングにちょっと疑問が湧いたりしましたが(ヒロインの家族を哀川翔、竹内力、石橋蓮司にした事なんて、映画ファンウケを狙ったような感じで映画の内容に対しての必然性は感じられません)、自分を持たなかった主人公が高校生活を通して自我を獲得してゆく姿に、素直に感動したのでした。
[映画館(邦画)] 9点(2014-03-31 22:25:16)(良:1票)
2.  奇跡(2011) 《ネタバレ》 
大人になるっていうのは、自分って個だけの状態から他者に視点が向かい、兄弟や家族、友達、そして社会、世界と自分との折り合いをつけてゆくって事で、この、なんでもない、大した事は何も起こらないように見える映画は、子供が大人になってゆく、その一瞬一瞬を捉えた稀有なドキュメンタリーとも言えるような作品。子供が生きて、世界を受け入れてゆくっていうのは輝く楽しさだけではなくて、悲しみも痛みも伴ってゆくもので、その一瞬一瞬を生きる姿が愛おしく切なく迫ってきます。主役兄弟だけでなく、彼らの友人達、彼らをとりまく大人達一人一人が、それぞれの役割を背負っているという大変によく考えられた脚本で。大人になろうとする子供と、子供であった事を忘れていない大人との、それぞれの折り合いがあり、そこに描かれるのが摩擦ではなく相互理解であるというカタチゆえ、じんわりと心に染みてきます。基本的にリアルに捉える画が多くて意匠を前面に押し出して主張するような作風ではない点が良かったのですが、それゆえクライマックスのその瞬間直前のコラージュはとても効果的でした。旅に出て以降の、ありがちであるにも関わらず溢れ出す懐かしいワクワク感、兄弟が現実を受け入れてゆく姿もいいのですが、同時にライバルに対する嫉妬心を上手く消化できなかったり、老犬を通して死を認識してゆく友人達の姿も本当に愛おしくて、見終わって子供達の未来に幸多からん事を心から願ったりしてしまうような映画なのでした。
[映画館(邦画)] 9点(2011-06-28 21:49:37)(良:3票)
3.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
たまたま舞台挨拶の回のチケットが取れたので行ってきましたが(市川実日子嬢@少し酔っ払いがステキだったぁ)、ホントは「ポセイドン」見るつもりで、これはそんなには食指が動いてませんでした。最近の邦画にありがちな、チャラチャラやかましいスタイルばかりの映画かな?って。で。「松子」は正真正銘、映画でした。お金の価値が人の価値、いっぱい稼いだから素晴らしい人生、そんな価値観を松子は根底からひっくり返してみせます。松子の転落人生が不幸だ、無価値だと捉える事は容易いでしょう。しかし、映画のマジックを駆使して描かれる松子の人生は、実はそれなりに幸せに見えて、それなりに魅力的だったりします。何をもって幸福と考えるのか、何に価値を見出すのか。それを他者が決め付けるのは大きなお世話だったりする、そんな事をこの映画は考えさせてくれました。【ここよりしばし追記・激しくネタバレ】で、この映画、創作・映画のルール上3箇所大きなミスを犯しているように見えます。1つは死人のモノローグ。1つは二人のモノローグによる人称の混乱。1つは回想シーン内での回想。しかし、これらが全てミスではなくて正当なものだった事が明らかになるのが「内海くんへの長大なファンレター」。人々の記憶や思いとは関係なく、松子部分はファンレターとして1つの作品だったワケです(だからファンレターを出して以降の松子は語りません)。多分、この監督は映画ってモノを判ってて挑発してます。非常に挑戦的態度な映画です。映画は送り手と観客の戦いなのですなぁ。【ココマデ】毒々しい色彩からテクニカラー調、モノトーン、8mmまでを駆使して、様々なジャンルを内包してみせるのも映画ならば、一人の人生にじっくり向き合わせてくれたのもまた映画なのでした。ただ、点と点を結ぶ線の上から更にキュッキュとマジックで太く塗って強調するような説明過剰、サービス過剰な部分が、映画の流れを悪くしてしまっていたので、そこが減点対象。何はともあれ、意外にも『映画を見た』という充実感は、この数年の中でもいちばんと言える作品でした。
[映画館(邦画)] 9点(2006-05-27 18:29:07)(良:1票)
4.  銀河鉄道999
アニメ映画も沢山見てきた私ですが、そのベスト1はこれ。公開前は「性転換した赤毛のアン」とか悪口言われていた鉄郎だけど(特報映像だとデコが目立ってたので)、結果オーライ、やっぱり思春期真っただ中くらいの設定だとドラマが生きてきます。ハーロック、エメラルダスが参戦しての物語に心躍らせ、その結末に感傷的になって、そして今は遠い思い出。市川崑監督が監修したお陰か、印象的な映像表現のアニメ(アンタレスの住処で鉄郎の短いアップショットが重なるところなどは金田一耕助ものみたい)。当時恒例だった東映夏のアニメ大作としては前年の『さらば宇宙戦艦ヤマト』の作画ボロボロ状態とは違って、高水準のプロのお仕事が画面にしっかりと描出されていました。ゴダイゴの主題歌と共に30年経った今もしっかり世にその名を留めるアニメ。初日に貰った「時間城内を駆けるちっこい鉄郎」のセルは、引越しの際に大量のセルと共に紛失してしまいました。「さらば、少年の日よ・・・」ですか。ふう。
[映画館(邦画)] 9点(2003-12-01 15:03:57)(良:1票)
5.  キル・ビル Vol.1(日本版)
一体、この映画はナンなんだろう?という不思議な感覚は、やがて記憶の奥底を刺激し、ノスタルジーを誘うものになりました。昔、土日の午後のテレビで見ていた、どこの誰が作ったのかも定かでない、映画史などとは無縁のB級の映画達。本来、忘れ去られてゆく筈のものに対して愛情を向けたこの映画、「笑えた」という意見が多いなか、私は妙に泣けてきてしまって、仕方なかったのでした。映画を見る眼を研ぎ澄ましてきた人にはダメ映画として映りそうですが、どんな映画でも、どうしても切り捨てる事ができないまま生きてきた人には最高の映画なんじゃないでしょうか。【追記】再度スクリーンで見たところ、初見の時よりも更に印象アップしました。実は意匠が非常にしっかりしていたんですね。特にクライマックスでのブライドとオーレンの対決シーン。ブライドが映る画面は障子から洩れるオレンジの光が、オーレンの映る画面は雪が散りばめられた空のブルーが常に背景にあって、熱さと冷たさが対比されています。怒りに燃えたぎるブライドの温度と、冷たく情を捨てて生きてきたオーレンの温度。単なる日本映画のエッセンスを置いてみました、というのではなくて、その映像に「日本映画の血」を確実に見たのでした。
[映画館(字幕)] 9点(2003-11-21 11:30:24)(良:1票)
6.  君が世界のはじまり 《ネタバレ》 
 ゾンビの出てこないゾンビ映画、みたいなイメージを受けたのね。閉館の決まったショッピングモールに象徴される、暗く澱んで死に向ってゆくかのような世界、繰り返される日常の中で腐ってゆきそうな高校生たち。  でもそこに生への足掻き、抵抗があって、それは痛いけれど、でも羨ましいわ。深夜のショッピングモールに忍び込んで過ごしたひと夜の狂乱が確実に刻むモノ。その意味。  最初に提示され映画の進行に常に影を落とし続ける具体的な破滅、死のイメージは実のところミスリードだったりするのだけれど、そこに堕ちてしまう危うさを内包しつつ、でも映画はあくまで希望を志向してるのね。   映像が暗いの。最近の日本の青春映画にありがちな、画面全体をキラキラ飾りつけようとしてる、あまりに世界をハイキーで描こうとするあまりにヒロインの顔面が白飛びしちゃってるようなモノとは正反対の、光量が絶対的に不足した画ばかりの映画。それはこの世界や高校生たちの心象を映しているようでもあるけれど、同時に夜明け前のようでもあって。いつか照らされる時が来る、その前のずーっと奥行きのある闇、みたいなイメージ。その暗さもまた心地良いわ。   背景になる生活空間が持つ独特な空気感の中で、じわじわと沁みるように高校生の不安定なココロを描いた青春映画の秀作ね。   ただ、今のコたちにブルーハーツは無いんじゃないかしらねぇ。アタシ自身の中にもブルーハーツが無いのでそこには違和感を抱いてしまって。その世代からのお仕着せ、みたいな気がしてしまったわ。   あと大阪人、やっぱり普通にお好み焼きをおかずにご飯食べるのね・・・
[映画館(邦画)] 8点(2021-04-07 20:29:23)
7.  君の膵臓をたべたい(2017) 《ネタバレ》 
 この映画、当然のように学校のシーンが多いのですが、劇中一度もチャイムが鳴らないのですね。これまでレビューで「青春映画の記号としてのチャイム」の批判を何度か書いてますが、そういう記号的表現を抑え込んでいて、時代や世代を表わすアイテムをやたら画面内に並べるような余計な雑味を排除して、ヒロインを輝かせるように光を操って、とても丁寧に作られています(ちょっと三木孝浩監督作っぽいかな)。   物語は『セカチュー』フォーマットの、よくある話に見えます。一見、恋愛に到達しない、恋愛未満の二人の物語のように思えます。でも、実は男女の性差を超越して、お互いをリスペクトし、遂にはそれぞれが相手と同化したいと願う(それがタイトルにかかっているように)、繊細なコミュニケーションを通して相互に人として高められ、1つの存在へと近づいてゆく姿を描いた、ちょっと哲学的なお話じゃないかな、と思います。だから、彼女に訪れる最期も、一応伏線はあったけれど、それってどうなの?と最初は思ったものの、考えてみれば、委員長の存在と同様に、相互ではなく理解の無い一方的な意思によって壊れてしまう事の理不尽さ、虚しさを描いているのかな、と。   既に二度見ておりますが、一度目は悲劇的であろう到達点は提示されているものの、ほわほわとした、微笑ましい関係に心和む映画でした。でも、物語を理解した上で見る二度目は最初から切なく、でもその儚さに酔えて。  主役2人がとても良いです。陽の浜辺美波と陰の北村匠海がそれぞれの役割を的確に繊細に演じていて。それに大友花恋の不機嫌っぷりも魅力的で。それに比べると大人サイドの人達はあんまりパッとしないのですが、小栗旬のオーラの消しっぷりは凄い技なのかも。   主役2人が大切な話をする、それから僕と恭子が桜良について話をする学校の屋上は、『映画 けいおん!』で卒業式の朝、唯、りっちゃん、澪、ムギちゃんが駆ける屋上と同じ場所で(設定上はもちろん違う学校ですが、そして一方はアニメの絵な訳ですが)、かつて聖地巡礼した経験も手伝って(屋上には出られませんでしたが)、更に感動追加状態でした。
[映画館(邦画)] 8点(2017-08-06 19:44:05)(良:2票)
8.  銀魂 《ネタバレ》 
 映画として評価するとちょっと(かなり)シンドい感じなんですが、っていうか酷いんですが、でも、映画である事、映画の文法がどうこうって、そういう見方はこの作品にはさして意味がないような状態で。「酷い」ってのはこの映画にとっては褒め言葉みたいなものですからねぇ。   元々少年マンガって遥か遠い昔に読まなくなっているので原作未読ってヤツですが、アニメの方は映画館で『完結篇』を見てからテレビシリーズをキッズステーションでそれなりに見てます。で、今回の映画はただのコスプレ映画になってるかと思ったらしっかり『銀魂』だよ!って感じで。  福田雄一監督の良くも悪くもなノリ、アレがそのまんまで、だけどそれが『銀魂』には無問題って状態。福田組の佐藤二朗、ムロツヨシ、安田顕が悪目立ちしてるんだろうなぁ、と思ってたらその通りで、でもこの作品にはアリだし、これだけ脇までキャラ立てまくったら(真選組なんかめちゃくちゃ濃いし)銀さんカスみまくりだろ!って感じだけど、元々そういう立ち位置だし。  千年に一人の美少女ネタを持ってきた上に、その美少女になんて事させるの、って状態だったり、著作権的にグレーっていうか殆どアウトなネタが満載だったり、実写化の弊害をメタ化したり、なんかアニメ版よりもよっぽどフリーダムな事してるっていうか、ワーナー大丈夫か?っていうか。古いオタクが歓喜するようなネタ満載で「役者目当ての若い人ついて来てるか~?」みたいなシロモノですが、まあ、いいんじゃないでしょうか。   ただ、シリアスなシーンはテンポ悪くなっちゃって、特に紅桜戦から高杉戦へと至るクライマックスは山場が分散してダラダラしちゃった感がありました。福田監督の「クドさ」の難点がここで出ちゃったか、って。単騎状態の新八とか神楽VSまた子とかのクドさは良かったんですけどねぇ。   でも全体的にはとても酷かったので良かったです。はい。
[映画館(邦画)] 8点(2017-07-16 19:25:12)(笑:1票)
9.  岸辺の旅 《ネタバレ》 
 予告編は黒沢清監督らしからぬハートウォーミング夫婦モノ路線風なイメージを漂わせていて、ここに至って一体どうしたの?って思っちゃいましたが、フタを開けてみれば『回路』の姉妹編と言ってもいいような紛うことき黒沢清作品でした。  死と孤独に囚われ続けた作品群の系譜から見てこれは必然と言っていいような到達点にも思えます。   ボンヤリとした、表情のハッキリとしない、何を考えているのか判らない恐ろしさ、それはこれまであちら側の存在に現れていたのですが、この作品ではそれが曖昧になっています。表情を持ったあちら側と表情のボヤけたこちら側があり、明確な意志を持ったあちら側と意志のハッキリしないこちら側があり、あちら側とこちら側とで光と影が移ろいゆき、その曖昧な境界線が生む空気が独特の匂いを生みます。   シネスコ画面の片側に寄った被写体と、反対側に空いた空間に存在する空気。窓、カーテン、風、そこに居る何か、居ない何か。不安や緊張を煽る筈のそれが、でも今作に至って、もはや心地良さすら感じるのは何故でしょう? そして逆にいつもは癒しのイコンのような蒼井優が、自己の生を主張するかのような彼女が不安で不気味な存在と感じるのは何故でしょう? それは死の孤独を越えた世界が見えるから? 或いは生の中の絶望的な断絶が見えるから? それとも孤独を中心に据えた概念の中では生も死も大きな差のないフィールド上に存在しているから?   旅の終わりは海。道の途切れるところ。その狭い入り江が決して「解放」ではないその先の世界を示すようで寂寥感を漂わせます。   黒沢清監督の創造する美を表現する言葉が思いつきませんが(「頽廃的」っていうのもなんか陳腐で違うかなぁ)、その沈んだ空気に身を委ねるのが心地良い一編でした。って、心地良い黒沢清監督作品っていうのは、ちょっとやっぱりこれまでと違うのかな?
[映画館(邦画)] 8点(2015-10-05 22:17:16)(良:1票)
10.  CUTIE HONEY キューティーハニー 《ネタバレ》 
思いっきりツボにハマるか、さもなきゃ激しくハズすかのどっちか、だと思ってたんですけど、意外とマトモな映画でした。あ、もちろん十分おバカなんですけれど、根はマジメ、みたいな。冒頭からタイトル部分にかけての展開は、もうアニメ版『ハニー』の感覚がぱーっと脳内に甦って、懐かしさに涙出る、って感じなのですが、中盤以降はきちんとドラマが語られ、クサいながらも至極真っ当な、人と繋がっている事の大切さが描かれます。私は、ハニーの孤独よりも、市川実日子演じる夏子の孤独に惹かれ、ゆえに彼女の姿を中心に見ていました。サトエリもおバカとスーパーヒロインをきっちり演じ分けて魅力的ではあったんですけど、固めた孤独を徐々に解かしてゆく実日子嬢の変化の演技が一枚上手、という事で。アクションシーンを、もう少し丁寧に、ディティールをハッキリ見せてくれていたら、という恨みは残りますが、原作の感覚を大切にしつつ、マジメにバカを見せてくれて、かつて数多くあったプログラム・ピクチャーの懐かしい感覚を堪能させて頂きました。愛が大事、っていうベタな結末も、この映画のアニメ的言語の前では素直に受け止められるのでした。
[映画館(邦画)] 8点(2004-06-01 01:39:59)(良:2票)
11.  キングダム2 遥かなる大地へ 《ネタバレ》 
 あら? 前作のレビュー書いてなかったわ。一応映画館で見たのだけど。個人的には「まさみ姐さん!たかお~w」って印象ね。それなりに面白かったのよね。でも今回はまさみ姐さん出てなさそうだったので、あーんまり食指動かなかったの。   だけどこれがまー面白いの!   前作のようなドラマは殆どなくて、ひたすら合戦なのよね。それなりにドラマがあるのは清野菜名さんの羌瘣くらいで。でも、そのドラマのなさっぷりが良かった、アクションに次ぐアクションで状況がどんどん変化してゆくのが面白いのね。  ハリウッドならば200億円くらいかかってそうな大スケールの中で大作感に圧倒されずにそれぞれの登場人物がしっかりキャラ立ちしてるの。もう戦ってばかりなのだけど戦闘の混乱と混沌の中に信、羌瘣、尾平・尾到兄弟、(カメ止め)澤圭の伍メンバーの命があって生き様があって。刀や槍を振り回して突き進む姿からこそ見えてくるモノが描かれているわ。  戦闘シーンの地理的な方向性が怪しいカンジはあったのだけれど(イマジナリーラインほぼ無視)、状況そのものは判り易く描かれていてひたすら合戦ながら単調にならずにダレ場ほぼなし。まあ信が傍観者になる総大将戦あたりはちょっと間延びしたかしら?   激しい戦闘の中で異彩を放って美しく舞う羌瘣がとても魅力的なのだけど、せっかくの清野菜名さんをもっとちゃんとキレイに撮ってあげられなかったのかしら? 随分老け顔に映っちゃってるカットが多くて、ああメイクさん、照明さん、カメラさん、どうした?みたいに思っちゃったり。そこは残念ね。  あとラストで山﨑賢人さん、吉沢亮さん、橋本環奈さんの3人がババーン!ってカッコつけてるカットがあるのだけど、嬴政と河了貂、今回殆どな~んにもしてないわよねぇ?  たかおは相変わらずヘンなたかおで大変良かったわ。   エンドロール始まっても最後の最後まで席を立っちゃダメな映画で、見終って続編はよ!ってなったわ。邦画でこれだけのスケール感出せるのって稀有ね。やっぱりCGを上手に使いこなせる佐藤信介監督ならではなのでしょうね。大作見た!って満足して足取り軽やかに劇場を後にできたのであったわ。
[映画館(邦画)] 7点(2022-07-28 20:19:07)
12.  君の膵臓をたべたい(2018) 《ネタバレ》 
 実写版を見てなければ、も少し楽しめたかもね。   迫ってくるモノが実写版ほどではない、なんとなく軽めな印象を受けたのは、見ているこちらとキャラとの距離が実写版よりも遠く感じたから。  作画はキレイだけど、シャープでありがちなデザインのキャラが、ちょっと冷たく感じられて。も少しキレイなだけじゃない、アクセントのあるデザインだと良かったかな。コレこそがアニメ版『キミスイ』のキャラ!っていう、愛着っていうか、個性っていうか、生命感っていうか、そういうのが足らない感じがねぇ。   あと、実写に比べるとアニメのキャラはどうしても存在感に限界があるんで(実写版の浜辺美波と北村匠海が印象的だっただけに)、それを補う映像の工夫があれば、って思ったわ。山田尚子監督レベルの表現力を求めるのは酷だろうけど。  桜良の家でのちょっと際どいコトになるシーンなんか、劇場版『マクロス』のミンメイのシーン思い出しちゃって、進化してないわねぇ、っていうか、妙にオヤジ臭い視点でヤだわぁ、って思っちゃたわ。   アニメ版の喪失感の弱さなんかは、実写とアニメの違いだけではなくて、脚本や演出の差にもあったようにも思って。アニメ版はちょっといじり過ぎちゃってたかも。『星の王子さま』なクライマックス、アレは「死んでませんよー、生き続けてますよー」って主張してるようで、だけどそこ曖昧にしたから救われるってハナシじゃないしねぇ・・・   でも、実写版には無かったエピソードが色々あって、実写版と合わせて『君の膵臓をたべたい』の世界を更に深く味わうことができたってカンジ・・・やっぱり切ないんだけどね・・・
[映画館(邦画)] 7点(2018-09-06 19:41:24)
13.  銀魂2 掟は破るためにこそある 《ネタバレ》 
 『センセイ君主』の浜辺美波と、この映画の橋本環奈と、立て続けに可愛いコの怒涛のヘン顔集を見られて眼福ね。   さて『銀魂2』、前作のノリは健在。沢山スターが出ていて、その中の一部(大半?)の人はとてもおバカな事をしていて、色々とアブナいネタが散りばめられていて、声を出して笑えて。  そして、構成やテンポがイマイチなのも相変わらずで。  福田雄一監督の個性や拘りが、メジャーな作品になっても『女子ーズ』や『薔薇色のブー子』の頃と変わらなくて、それはテンポ崩してまで必要なの?みたいなネタが、主にやっぱり佐藤二朗を中心に。  クライマックスがなんかダラダラと長いなー、って思っちゃったのも前作と一緒。戦いが展開する舞台がかなり分散した状態で、それをバランス良く見せる、ってのはあまりに高度なテクニックだったかな?   アクションシーンはCGも含めてハリボテ感がしちゃったのがツラめだけど、それでも汽車とカーアクションなんかは頑張ってた方かなぁ。邦画にしては。ちょっと悲しいフレーズね、「邦画にしては」って。   今回は真選組が中心の物語で、万事屋銀ちゃんのメンバーはフォローに回ってる感じなので、その点は物足らなさを感じたり。特に菅田将暉演じる新八は出番少なめ?   その分、真選組メンバー、特に柳楽優弥と三浦春馬はとても印象的な、いい感じの存在感で。柳楽優弥の極端な2つの個性の演じ分けが凄いなぁ、って。笑わせて貰いながらも感心しちゃった。三浦春馬は「GACKTみたい」って思ったけど、物語が進むにつれてなかなかに。   全体のバランスを考えると、将軍のお忍び部分がかなり余分な気がしないでもないけど、アレがあってこその『銀魂』だしねー。アニメ版で見てるのでネタは新鮮とはいかなかったけれど、でもあの面々のキャバ嬢っぷりは「実写でやってくれてありがとう」みたいな、実写だからこその面白さで溢れてたし。   でも、ちょっと長かったかなー。もう少し短くても良かったかも。お金かかっててスターもいっぱい出ていて、勿体ないのは判るんだけどさぁ。
[映画館(邦画)] 7点(2018-08-19 19:00:39)
14.  近キョリ恋愛(2014) 《ネタバレ》 
 「女子生徒に手を出す高校教師のお話」という、もう基本中の基本が絶対的にダメダメな物語なのですが、その基本が腐ってるような設定を元にして、いかにちゃんとした恋愛映画に昇華してみせるか、というところに腐心している感じで。結果的には意外と良かったという印象。   これもまたマンガが原作のシネスコサイズ恋愛映画ですが、こちらはフレームの切り取り方、ライティング、色彩、どれもキレイにまとまっています。タイトルが出てくる画面の構成なんか、上手いなぁ、って。   物語は少女マンガらしいおなじみ「すれ違いの物語」。でも、本音をぶつけ合うのではなく、各キャラクターがお互い常に相手の事を思って本音を現さない、行動に出ないゆえのすれ違いという点で共感を得やすい感じがします。   映画は表情の無い、感情を表さない主人公ゆにの心の揺らぎに寄り添い、その内面の大きな変化の波をすくい取ってゆきます。ゆにの無意識な仕草による感情表現の多くは初期にセリフによって説明されているので判りやすい、単純な記号と化しているようにも思えます。だけど言葉や表情ではない、その仕草がゆにというキャラクターに魅力を与えているように思えます。  全編に渡って繰り返される、ぎゅっとスカートを握りしめるゆにの手のアップ、これがラストシーンで解き放たれた時、それがベタであると判っていながら感動してしまう、それは仕草の描写の積み重ねがあればこそ。あの描写こそは他のどのキャラクターでもない、ゆにのみに与えられた独自の解放の表現であるのです。   櫻井は教師という大前提がある以上、ダメな大人。嫉妬する幼なじみの教師も、ゆにを預かり腫れ物のように扱う教師も、同様にダメな大人。そのダメさ弱さをダメなりに見つめているように感じました。   肝心のクライマックスで大学生になったゆにの微妙なメイクや服装、そして不自然さ丸出しの夕陽の合成によってハリボテ感が出てしまったのが残念ですが、小松菜奈の魅力を上手く捉えた、爽やかな一編になっていました。
[映画館(邦画)] 7点(2014-11-14 22:44:20)
15.  桐島、部活やめるってよ 《ネタバレ》 
【注!激しくネタバレ】優秀でモテるバレー部員桐島という存在は最後まで作中に登場せず、つまりはマクガフィンなのですが、これはそのマクガフィンについての映画なのですね。登場人物達にとってはとても重要な存在であるのだけれど、物語に対しては仕掛けとしての要素でしかない存在。つまり学校生活というものがそんな感じで。傍から見たらくだらない事、どうでもいい事だけれども本人にしてみれば一大事であったり真剣な苦悩であったり。それぞれが抱えた全く別々のピリピリとした自我同士が接触する事で簡単に傷つき簡単に傷つけ。自分にとって大切な事と他人のどうでもいい事、自分に付いた傷、他人に付けた傷によって少しずつ他人の「どうでもいい事」(あの隕石が秀逸な象徴となっています)の価値とコミュニケーションの術を学んでゆく・・・。多感な時期の姿を多角的に描いていて楽しませて貰いました。開幕からしばらく続く『バンテージ・ポイント』のような構成が何かを解き明かしてゆくのかと思ったのですが、それぞれの立場・校内でのポジションの紹介といった感じで、そんなには効果的に機能していなかった気がするのは残念ではありますが。あれ、どうせならもっと徹底的にやった方が強い印象を残したと思います。登場人物に過度に思い入れるようにはなっておらず、どのキャラにもそれなりにイヤな面が存在している点を晒している状態は大変良かったと思います。もっとも自分自身は高校時代、映画研究会というヒエラルキーの底辺に存在していた訳で、あのリアクションの薄い面々にシンパシーを抱く事、大でしたが・・・。
[映画館(邦画)] 7点(2012-08-12 17:33:00)(良:1票)
16.  君に届け
まるで70年代の少女マンガのような物語世界で、映画は80年代のプログラムピクチャーのような世界。どんだけ古臭いセンスで成立してるのよ?って感じ。物語・脚本のツッコミどころは満載。翔太が学校の場所が判らずに迷うのは彼が転校生だから?と思ったのですが、そうではなくて高校一年初登校の日だから、と、でもそれが判るのはずっと後。桜が咲いてるので一学期だというのは判るにしても。でも、ヤツは自分が通う事になる学校を始業式の日に初めて訪れたんか? 爽子がああいう存在になってしまう経緯は安直過ぎるし、モノローグから始まる事で宣言される爽子視点の映画、なハズが唐突に翔太のモノローグが入り込んで視点ブレるし。担任とタメ口で話している経緯・理由は判らないし、爽子の二人の親友は絶対に高校生には見えないし、ライバルのコの感情のドロドロっぷりは今時コメディレベルだし。時代性とか今日性とかにまるで無頓着で、なんかもうめちゃくちゃ。マンガを起点とする映画の難点が網羅されているような作品、今の日本映画の問題点を露わにしてしまっている映画。で、だけどその問題は根が深く、簡単に改善される事はないだろうと思わせてしまうのは、これがそれでも楽しめてしまうからなのですよね。あり得なさ炸裂の甘酸っぱい恋愛友情ファンタジー世界に酔えてしまうワケです。セリフで安易に感情が語られる世界だからこそ判りやすくドラマが成立し、リアリティが欠如しているがゆえにクサさすらも許容できてしまう、と。日本人の脳と心にはマンガフィルターが存在していて、マンガ的なるものを安易に許容できてしまう、それは映画にとっては明らかに問題であると思うのですが、それが国民性であるとも、中身がどうであれ、その許容こそが時代性なのだとも言えてしまうのかもしれず。うーん。今回は未華子嬢のあり得なさっぷりを、つい思いっきり楽しんでしまった私の負け。
[映画館(邦画)] 7点(2010-10-04 21:50:10)(良:2票)
17.  キングコング対ゴジラ
子供の頃、何回も見た筈なのですが、あらためてDVDで見直すと覚えのないシーン沢山(テレビ放映じゃあちこち切られてたりしますしね)。こんなに盛り沢山な映画だったとは。基本がコメディなので「あはは」と笑って見てられる一方、ゴジラが現われて電車から避難するシーンなどは、ゴジラがどんどん迫ってくるぞ、って恐怖感が結構あったりして、ああ、今だに見る「怪獣が来るぞ!」って悪夢はここらあたりが原点かぁ、と。『ラドン』もそうでしたが、地球温暖化って、この頃既に取り沙汰されていたんですね。ここでは冷凍化されて閉じ込められていたゴジラが目覚めるきっかけとしての要素、って程度の扱いではありますが。日本人が黒塗りメイクしてるアダモちゃん(古いか・・・)みたいな原住民とか、懲りずにいちいちピンチに陥る浜三枝とか、対戦をさっさと諦めちゃうキングコングとか、ゴジラにキングコングを対戦させちゃおうと真剣に作戦組んだりとか、平田昭彦の博士がいちいちもっともらしい事を言うけど役には立ってないとか、狙ってるんだかマジなんだか判らない面白さが楽しく、退屈せずに見られました。もっとも、ここでキングコングに影響されちゃったのか、ゴジラのボディランゲージが出始めておりまして、以降は随分とゴジラも人間的な仕草をするようになっちゃいましたね。
[DVD(邦画)] 7点(2006-07-18 00:26:45)(良:1票)
18.  CURE キュア 《ネタバレ》 
萩原聖人のキャスティングは、果たしてこれでいいんだろうか?とか、何故負の意識、闇の意識を刺激する事が即殺人という形に結びつくのだろうか?とか、見ている間は色々と疑問に思ったのですが、見終わってみると、何やら冷たくザラついた、イヤ~なモノを飲まされたような感触が残り、恐ろしさがじわじわと染みてきました。人が壊れてゆく境界は曖昧で、ほんの少し背中を押されただけで越えてしまう危うさを感じます(それを感じているうちは大丈夫なのかな?)。意識して避ける事ができるのならばいいのですが、その引き金は日常の中に潜んでいて、日常の風景が歪んだように顕在化する、そんな怖さを監督は決して表層的な表現、即物的な表現に頼る事なく、象徴的な映像を通して内側から上手く引き出していたと思います。ただ、幸せポイントの全くない映画なので、もう結構でございます。ごちそうさま。
[映画館(邦画)] 7点(2004-06-16 01:37:04)(良:1票)
19.  金融腐蝕列島[呪縛]
総会での展開が出来すぎじゃない?とは思いましたが、時代にしっかり斬り込む映画、堪能させて頂きました。ダメになった会社を、ダメと自覚した上で、腐敗した体制に反旗を翻してみせる姿勢、それに賭ける男達の姿が爽快です。もっとも、現実には、この映画が示してみせた事を理解して実践してる業界の人って少ないようですけどねぇ。だってねぇ、銀行屋は税金投入してもらっても自分の腹は痛めないようなのばっかりでねぇ。バブルの崩壊だ、金融危機だって、なんか変わったのか?って言えば、合併を繰り返して名前ばっかりコロコロ変わる程度のもんで。
[映画館(邦画)] 7点(2003-12-01 21:45:39)
20.  キングダム 運命の炎 《ネタバレ》 
 ひたすら戦いに終始した前作は単純に楽しめたのだけど今回は物足らなさが残ったわ。映画を見終わってのいちばんの感想は「え~?そこで終わりぃ?」だったわね。   まず嬴政の回想シーンが思いのほか長くて、ああつまり回想って言ってもそこがこの映画の前半の見せ場ってワケね、っていうのはもちろん見終わってから判るコト。回想シーンの中に更に回想があるっていう(嬴政の回想の中に紫夏の回想が入っちゃうという人称のブレっぷり)のはたとえ原作マンガがそうだとしてもミスね。そこも本体であるならば回想というカタチは取らない方が良かったんじゃないかしら。   で、そこから戦いへと向かってゆくのだけど、たかおの王騎はもちろん最高として前作で活躍したキャラはそーんなには目立たなくて結局は信と羌瘣よね~みたいな。そしていよいよここから、ってところで終わっちゃう。物語として映画として、なんか食い足らなさハンパないんだけど。龐煖とか楊端和とか出すだけ出してはいはい今回はここでおしまい、って物語があんまり転がっていないわ。『帝国の逆襲』くらいには物語転がしてよ。   あと前作同様イマジナリーラインめちゃくちゃね。回想シーンでの荷馬車チェイス、追われる側と追う側がそれぞれ一体どっち向かってるのよ?みたいだったわ。   まあなんだかんだ言いつつも豪華キャストで繰り広げられるスケールの大きな娯楽映画、次が楽しみなんだけどね。っていうか河了貂の出番少ないわよ。
[映画館(邦画)] 6点(2023-09-05 16:14:22)
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