141. GANTZ:PERFECT ANSWER
個人的な意見としては、前作の良かった部分が消えて、悪かった部分が際立ってしまった印象でした。具体的に言うと戦闘のシーンと会話のシーンです。本作のストーリーの主軸はGANTZのシステムの解明である為でしょうか、前作の様な、謎の星人との荒唐無稽な戦闘シーンは大幅にカットされています。それと対照的なのが会話のシーン。前作ではキャラクター同士の会話は必要最低限に抑えられていたような印象を受けていましたが、今作ではキャラクター達が喋る喋る。どーも私は前作からこの監督は会話を撮るのが下手だと思えてならないんです。会話が始まるとシーンの動きが完全に止まっているような、とにかく戦闘シーンで楽しかったスピード感は感じられない。本作では前述した通り、戦闘のシーンより会話のシーンの方に比重が偏っているので、ハッキリと言いますとかったるく感じてしまいました。オチについては大した結末でもなければ、納得できるものでもなかったので、感想は割愛します。 [映画館(字幕)] 4点(2011-05-10 23:15:57)(良:1票) |
142. ルパン三世 DEAD OR ALIVE
《ネタバレ》 う~ん、面白くない。しかし決定的に面白くない訳ではない。よって4点で。このストーリーって終盤まで別にルパンじゃなくていいじゃんと思ってしまうところが一番の問題だと思います。それで終盤にあのオチは納得できないなー。超ハイテク技術として登場するナノマシンが見た目だけで王子と判断するってどうでしょう?あれだけのテクノロジーなのに網膜やDNAを使ったセキュリティーは無いんですね。それからモンキーパンチって宮崎駿の「カリ城」をあんなのルパンとは呼べないとか批判してますよね。でも本作ではルパンはしっかり女の子助けてますよね、自分の身を挺してまで。言っていることと、やっていることが逆でしょう……。 [地上波(邦画)] 4点(2011-04-30 08:11:05) |
143. 逆噴射家族
《ネタバレ》 とにかくパワフルな映画、これに尽きます。もー、アタマからケツまでやりたい放題。こんなに放送禁止用語を連発する映画は初めてですよ。素晴らしい! もうちょっと真面目に言いますと、マイホームに執着する父、性的に欲求不満を感じているような母、受験勉強でノイローゼに陥っている兄、アイドルへのデビューを直向きに信じる妹、まるで老害の祖父、と全員がちょっと前の典型的なパラノイア像を象徴しているように思えます。まあこうやって真面目に書くだけ無駄な気もするんですが。 [ビデオ(邦画)] 8点(2011-04-24 23:24:48) |
144. 漫才ギャング
《ネタバレ》 品川祐の監督作品を鑑賞するのは初めてでしたが、画面の作りが何というか堂に入っていて驚きました。正直に言って近頃の芸人が話題作りに量産している、クソの様な映画とは一線を画しています。特に数多くある喧嘩シーンは中二病的な台詞に恥ずかしくなるものの上手く演出されていると思います。スピード感のあるカメラと編集に自然と目が惹きつけられました。でもねぇ……問題点も結構多い映画だったと思います。まず長い!とにかく長い!!この映画は完全なコメディエンターテイメントなのに、上映時間が2時間以上あるのは明らかに長過ぎ。なんでそんなに長く感じるのか。理由は二つあると思います。一つはギャグが多すぎること。この映画の中の会話は、その会話自体が漫才(ボケとツッコミ)になっているので、必然的に会話が長くなっている。芸人の監督らしく笑いを追求したかったのでしょうが、全ての会話が漫才になっているのはやり過ぎでしょう。メリハリをつけるべきだったと思います。もう一つは必要ない要素が多いこと。主人公が作った60万円を肩代わりしちゃう彼女とか、おしるこネタで延々と言い合う元相方と宮川大輔とか、ギャグ要因でしかないガンオタのピン芸人とか全部いらない!彼らは画面に存在しているんですが、彼らが存在する明確な理由はこの映画には無い。ストーリーの要所要所を飾る、文字通りの"飾り"なんですよ。飛夫と龍平の関係に絞ってもこの映画が言いたかったことは十分に出せた筈なんです。いらない要素を抜いて、もっとコメディ映画の身の丈に合った上映時間にしておけば、もうちょっとマシな映画になっていたと思います。 [映画館(邦画)] 5点(2011-04-04 22:02:41)(良:1票) |
145. GANTZ
《ネタバレ》 どーせ良くある人気漫画に肖った映画なんだろーなっと思って観に行ったので、期待をしていなかったこともあり、十分に楽しめる内容に驚きました。その理由は、邦画にありがちな湿っぽい愁嘆場を出来るだけ入れず、荒唐無稽な異星人とのバトルのシーンをふんだんに描いたからだと思います。そのお陰もあってか、終盤までのテンポはとても良かった。終盤になると主要人物が死ぬ度に、強敵の真ん前で抱き合って語り合ったりするシーンが増えてしまったのは、やや残念というか、場面のスピードが明らかに失速していたと思います。敵は愁嘆場の間ずっと待ってくれているんですもん。親切な敵ですねー。色々な点で不満点は多いですが、原作の良さ(無茶苦茶な設定の敵との絶望的な状況でのバトル、主人公が現実世界よりもGANTZの異常なバトルに生き甲斐を見出してしまう恐ろしさ)をしっかりと描けていたと思いますので、近年の漫画の映画化としては良心的な部類に入る作品ではないでしょうか。 [映画館(邦画)] 7点(2011-03-29 21:48:52)(良:1票) |
146. 築地魚河岸三代目
《ネタバレ》 ベッタベタな演出とストーリー、上手い演技とは間違えても言えない役者陣、大したメッセージ性の無いエンディング等々がずっと続きますが、プログラムピクチャーを制作する姿勢としては間違えてないと思える出来でした。問題はストーリーの詰まらなさでしょうかねー。私としては序盤に主人公が築地の人間からよそ者扱いされて、挙句の果てに先輩社員の奥さんの為に新鮮な魚を届けたいという思いさえ踏みにじられてしまう。この不当な仕打ちに対する主人公の答えこそ!私がこの映画を観ていて一番興味を惹くところだったのに、この映画はその問題を普通にスルーしてしまう。これじゃ面白くなる訳ないと思ったのでした。結婚話なんて2以降でやればいいじゃん!……と思ったら次回作は公開未定なんですね。ガックシ。 [地上波(邦画)] 4点(2011-03-25 23:42:46) |
147. 映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち
《ネタバレ》 新・ドラえもん映画の中では突出した出来だったと思います。名作と誉れ高い鉄人兵団のリメイクということで公開までは不安しか感じていませんでしたが、実際に観てみるとリメイク元の省略できるところはバッサリ削って、本作はリルルとピッポ(ジュド)と人間たちの交流に力を入れているという良改変。今回は監督と脚本を一新したらしいですが、英断だったと思います。ギャグとシリアスな場面をごっちゃにしないドラえもん映画が帰ってきた気がしました(ギャグも中々面白いんです)。ただ今回の大きな変更点であるピッポの登場はハッキリと失敗だったと言いたいと思います。リメイク元の最も素晴らしい点は血も涙もないロボットのリルルがしずかちゃんを通して人間の素晴らしさを知り、かつその後にアムとイムに"他者を思いやる気持ち"をプログラミングすることで人間以上の存在(天使)に生まれ変わるところだと思うのです。リメイク元ではのび太が最後にこう呟きます、「メカトピアはどんな風になったかな……、きっと天国みたいな世界になってるな!」。私たちの世界は戦争、差別、憎しみで溢れています。でもロボット(リルル)は他者を思いやる気持ちを持ったことで、人間が未だに到達できない世界を作り出せた。私たち人間も"他者を思いやる気持ち"をもう少し多めに持ってみようよ、ということがリメイク元の鉄人兵団の最も観客に伝えたかったことだと思うのです。 で、今回のリメイクはどうかというと、ピッポを登場させたことでメカトピアの世界でも、リルルが壊れかけのピッポを修理してあげる様な思いやる気持ちが既にあることになってしまっているので、他者を思いやる気持ちでは人間以下だったロボットが最後に天国の様な世界をつくったという、衝撃的かつ感動的なラストの効果が弱まってしまっています。この映画がやりたかったことはハッキリしていると思います。それは"他の種族への理解と和解"でしょう。ピッポとのび太はどんどん仲が良くなり、最終的に互いを友達と認め合い、闘えなくなってしまう。ちゃんと話せはお互いに理解しあえる存在であるということをこの映画は伝えたかったのだと思います。それはそれで素晴らしいテーマだと思いますが、鉄人兵団をリメイクするのなら「今の人間に足りないものは何なのか?」「どうしたら戦争や差別は無くなるのか?」まで突っ込んでほしかったと思います。 [映画館(邦画)] 8点(2011-03-25 09:46:51)(良:1票) |
148. レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―
《ネタバレ》 それなりに楽しめるのですが、画面に目が釘付けになる程では無い。何でだろうな~と鑑賞後に漠然と考えていたのですが、殆どワンサイドゲームな展開だからなのかなと思いました。基本的に周瑜と諸葛孔明に翻弄される曹操という図式からは外れないので、観ていてワクワクしなかったのかなと。曹操の成功した作戦と言えば疫病で死んだ死体を敵陣に流しただけ(しかも大して効果は無かったぽい)ですからねー。知将と知将の闘いが描き辛い事は重々承知していますが、出来ればチャレンジしてほしかったです。でも原作があるから無理ですかね。あと尚香がらみのシーンが余りにもお粗末なのですが……。ジョン・ウーってこんな陳腐な演出してましたっけ? [地上波(吹替)] 5点(2011-03-18 20:08:27) |
149. 劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇
紅蓮篇と比べると非常に見易く、分かり易くなっていたと思います。端折れるシーンはキチンと端折っているお陰で、前篇に多くみられたダイジェストで解説する必要が無くなったんでしょうか。しかも30分毎に何かしらの燃える展開が起きるので、観ていて飽きることは余り無いでしょう(起きることは同じですけどね、ピンチ→巨大化→ピンチ)。それにしてもロージェノムとアンチスパイラルって何でも知ってるんですね。劇中で彼らが「……という結果は当然のこと」と説明すると、「……ああ、うん。そうなんだ」としか言えませんね。 [DVD(邦画)] 5点(2011-03-17 11:35:12) |
150. 用心棒
映画史的に見れば"西部劇の舞台をまるまる時代劇に持ち込んだ功績"という風に語られるのでしょうが、その挑戦的な設定を古典的なエンターテイメントとして成立させているのには感嘆しました。とにかく主人公、三十郎の振る舞い方(殺陣も含めて)がカッコいいですね。「荒野の用心棒」は苦手なのに、何故かこちらはとっても楽しく鑑賞できました。 [DVD(邦画)] 7点(2011-03-14 00:29:11) |
151. 冷たい熱帯魚
《ネタバレ》 個人的には紛うこと無き傑作、いや大傑作でした。誰もが口を揃えて話すであろう、でんでんの怪演、園子温のエロ・グロへのこだわり、上映規制(ついでに観客の倫理観も)ギリギリのゴアシーンには度肝を抜かれました。こんな映画を今現在日本で観られることに感謝したい。しかしこの映画を最高得点の10点にした理由はその要因によってではありません。私はこの映画について途中まで「描写は凄いけど、ただそれだけだな」と思っていました。過激ではあるけれど、何かを鷲掴みにされる訳ではないと。しかし終盤でその考えは完全に覆されました。この映画の真の主役はキチガイ演技全開のでんでんでは無く、冴えない主人公を演じる吹越満なのです。主人公は終盤で悪の村田と同じ行為(厳密には違いますが)に身を染める事で男になるのです。他人に全てを委ねているようでは生きているといえない。やりたいことは反社会的であろうと何でもやる。それでこそ人間が生きるということなのだと。その証拠に何かを成し遂げた時、主人公の顔には満足が浮かんでいるのですから。勿論、村田のように殺人を犯したり、人を暴力でねじ伏せる行為はいけません。それでもやる時はやりたいことをやれ!ということを、この映画が観客に伝えたかったのだと私は解釈しました。ただのエログロ映画では無い。人間一人の生き方を変えてしまう力を持つ、大傑作だと私は思います。 [映画館(邦画)] 10点(2011-02-07 00:31:37)(良:1票) |
152. 劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕
《ネタバレ》 生態系を三体の幻の鳥ポケモンに投影して、自然環境の調和の大切さを訴える構造は悪くないと思うのです。悪いのは前作に比べ悪役があまりにも目立たない(というかどうでもいい)存在だということ。魅力的な悪役がいるからこそ、活劇の爽快感が成り立つんですから。あとCGの使い方は不自然と言わざるを得ないでしょう。敵の本拠地の外観だけCGで描かれてもねぇ。 [DVD(邦画)] 4点(2011-01-23 02:09:07) |
153. それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ
純粋に素晴らしいと思える映画です。やや説教臭く感じる気もしますが、「何のために生まれて、何のために生きるのか」をアンパンマンに考えさせられるとは……。うむむ、明確な目的を持って正義を行使するアンパンマンが心底羨ましい。 [DVD(邦画)] 6点(2011-01-23 02:04:05) |
154. ラストラブ
《ネタバレ》 田村正和と脚本が酷い酷い……。田村正和は発声練習くらいしてから撮影現場に入ってください。ダンディズムとゴニョゴニョ喋る演技を一緒にしてるのでしょうか?脚本も崩壊してしています。余りにも偶然過ぎる展開が連続するので、どの程度真面目に映画を観ればいいのか分からなくなりました。あと日本でクリスマスを過ごしてから、一ヶ月後にニューヨークに行くと秋になってる!そんなアホな。どんな宇宙なんだ、あの世界は 笑。ちゃんと老舗ジャズバー「バードランド」でロケを行った事だけは褒められる点かと。 [地上波(邦画)] 3点(2011-01-03 13:33:52) |
155. BLOOD THE LAST VAMPIRE
制服を着た美少女が日本刀を使って化け物をバッタバッタと切り殺しまくる内容は、とにかく爽快の一言。そのB級感が漂うストーリーと、退廃的な映像のサジ加減が良い分量で、個人的には全く飽きずに最後まで観れました。実写化、テレビアニメ化したのも納得の面白さだと思いました。まあストーリーが中途半端な感は否めませんですが。キル・ビル好きな人とか、観たらいいんじゃないでしょうか。 [地上波(邦画)] 7点(2011-01-03 00:44:33)(良:1票) |
156. おまえうまそうだな
思ったより素晴らしい出来で驚きました。これだから子ども向け映画は侮れません。まずオープニングからラストまで、弱肉強食である世界をキッチリと描いているところに好感が持てました。かつ最後には弱肉強食を超えて親子の愛を描き切っている。もうこの厳しい弱肉強食の世界を軸とした人間(恐竜)ドラマに感動しっぱなしでした。人間世界に住む私達もハートとマイアサウルスのお母さん、ウマソウの関係に学ぶことは多くあるでしょう。 [映画館(邦画)] 8点(2011-01-01 18:20:14) |
157. 夜の女たち
《ネタバレ》 何ともエゲツナイ人間描写は溝口健二らしく良い。しかしストーリーに捻りが余り無く、気分が乗ってこないのには困った。上映時間が短いのが唯一の救いでしょうか。 [DVD(邦画)] 5点(2010-12-23 23:18:31) |
158. 片腕マシンガール
《ネタバレ》 復讐、ヤクザ、グロ、女主人公!と言うと真っ先にタランティーノの「キル・ビル」が思い出されますが、その何倍も頭が悪い映画でした。ここまでバカに徹されると何でも許せちゃいます。邦画でここまでゴア描写をする映画は非常に稀ですしね。ある意味貴重。ただ井口昇の映画にありがちなVシネの様な日常パートはキツかった。 [DVD(邦画)] 4点(2010-12-20 14:46:34) |
159. どろろ
どろどろ映画 [地上波(邦画)] 1点(2010-12-17 23:42:29) |
160. バトル・ロワイアル
《ネタバレ》 3D上映されるということで、久々に(約十年ぶりに)観てみました。子どもの時は単なるゲームと殺し合いを組み合わせた映画くらいに思っていたのですが、大人になって見ると非常に深いメッセージが映画に込められている気がして驚きました。この映画に出てくる大人達はみんな大人としての自信を喪失している人ばかりです。そしてこんな世の中になってしまったのは全て子どもの責任とし、軽々しくガンバレ、ガンバレと連呼する。恐らく深作監督は子どもを責める前に、大人が自分を真剣に見つめろと言いたかったのかな。そうであるならば、これは子ども向けでは無く、大人にこそ観てもらう必要がある映画だと思いましたね。しかし子どもに対しても明確なメッセージは込められています。子どもは大人の事を一丁前に非難するなら、お前もそんな大人にならない事に責任があるんだぞ!という事でしょう。多分。良く高校生が殺し合いをするからと非難されがちな映画でしたが、映画が持つメッセージはお世辞抜きで素晴らしいものだったと思います。ただ個人的には台詞を画面に出したりする、いつもの説明過多な深作監督の演出は苦手だったりします。 [映画館(邦画)] 7点(2010-12-17 01:29:27)(良:1票) |