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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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61.  僕たちのラストステージ 《ネタバレ》 
1930年代、その飄々としたキャラクターとナンセンスなギャグの数々で人気を博したお笑いコンビ、ローレル&ハーディ。何本もの映画に出演し、舞台は軒並み大盛況、チャップリンやキートンと並び称された彼らも時代の流れには逆らえず、1950年代にはすっかり落ち目になっていた……。これは、そんな彼らの「ラスト・ステージ」を哀愁たっぷりに描いたヒューマン・ドラマ。実在した彼らを演じるのは、実力派のスティーブ・クーガンとジョン・C・ライリー。この二人の芸達者ぶりはさすがで、良い時も悪い時も含めてずっと一緒に頑張ってきたであろうこのコンビを伸び伸びと演じていて非常に好印象。ホテルの受付であろうが駅の雑踏であろうが常に人を笑かそうとするところなんて、もはやお笑い芸人の性なんでしょうね。この二人の相性がばっちり嵌まっていて、最後まで好ましく観ることが出来ました。ただ、お話の方は余りにもオーソドックス過ぎて、若干物足りなく感じたのも事実。実話を基にしたとは言え、もう少しドラマティックな見せ方をしても良かったのでは。最後まで安心して観ていられるけど、特に心に残るものはないという、なんだか良くも悪くも吉本新喜劇のような作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-07 23:10:42)
62.  マレフィセント2 《ネタバレ》 
もはや元ネタの「眠れる森の美女」とは何の関係もなくなってしまったディズニー名作アニメ実写化シリーズ最新作。その映像のクオリティは抜群の安定感で、妖精たちのカラフルな造形は見ているだけでワクワクしちゃいますね。まあ肝心の内容の方は恐ろしくつまんなかったですけど。だいたいオーロラ姫もマレフィセントも最後まで何がしたかったのかいまいちよく分からない。明確な目的をもって動いていたのは、新悪役のあのミシェル・ファイファー演じる女王様だけなんじゃないでしょうか。オーロラ姫をかばって死んだマレフィセントがそのすぐ後には復活し、その理由も実は不死鳥の末裔だからと言う超テキトーなものだったのには思わず失笑しちゃいましたわ。映像のクオリティとオーロラ姫を演じたエル・ファニングちゃんの可愛さに5点!
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-31 17:31:09)(良:1票)
63.  ティーンスピリット 《ネタバレ》 
イギリスの小さな島で貧しい母子家庭に暮らす17歳の少女、ヴァイオレット。歌うことが大好きな彼女は、週末ごとに場末の酒場で酔っ払い相手に歌声を披露していた。だが、ほとんど人生にくたびれた親父ばかりで彼女の歌なんて誰も真面目に聴いちゃいない。保守的な母親は、そんな彼女に小言ばかり。溜息ばかりの鬱屈した日々を生きていたヴァイオレットはある日、この島でテレビの大型オーディション番組「ティーンスピリット」の予選があることを知る。「誰でもいい、私の歌を真剣に聴いてほしい」――。退屈な日常から逃れるかのように会場へと向かった彼女は、思いっきり歌声を披露し、無事予選を通過するのだった。だが、二次予選に出場するには保護者の同伴が条件。仕事が忙しい母親にはとても頼めない。酒場で唯一自分の歌を真剣に聴いてくれていた、酒浸りの元オペラ歌手にマネージャーとして付いてきてもらうように頼み、ヴァイオレットは急いで会場へと向かうのだった。そしてそれが彼女の人生を大きく変えることに……。地方でさえない日々を送っていたティーンエイジャーが、持って生まれた才能だけを武器にスターへの階段を昇っていく姿を描いた青春サクセス物語。僕のお気に入りの若手女優エル・ファニングちゃんが自らの歌声まで披露しているということで今回鑑賞してみました。正直、ベッタベタでしたね、これ。何処かで見たようなストーリーに何処かで何度も聞いたような楽曲の数々、そしてステレオタイプな登場人物たち……。もう何もかもが薄っぺらいです。人気歌手のMVを引き延ばしたものに毛が生えた程度のものでしかありません。だいいち、この酒浸りの元オペラ歌手にどうしてそこまで主人公が肩入れするのか、さっぱり説得力が感じられない。このおっさん、偉そうなこと言って車出してるだけで大したこと何もしてませんって。致命的なのは、最後、この大会の決勝戦で彼女が歌う曲が一切心に響かないという、ね(笑)。とはいえ、主役を演じたエル・ファニングちゃんは終始キラキラしててもう可愛いったらありゃしなかったです。彼女の胸ポチTシャツ姿なんてサイコーでした。という訳で、毒にも薬にもならないぶん最後までストレスなく観ていられるし、彼女のイメージ・ビデオとしてなら充分楽しめるんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2020-08-27 22:06:40)
64.  イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 
謎の現象により、地球上のすべての人がビートルズの存在もその名曲の数々も忘れてしまった世界。ただ一人、彼らの曲を覚えていたのは売れないミュージシャン志望の若者ジャックだった。できうる限りの記憶力を頼りに、ビートルズの名曲の数々を完コピした彼は、それらの楽曲をなんと自分の作品として世に発表する。「ヘイ!ジュード」「レット・イット・ビー」「バック・イン・ザ・USSR」、そして「イエスタディ」――。当然のごとく、発表するすべての曲がヒットチャートのトップへと駆け上り、ジャックは瞬く間に大スターの仲間入りを果たすのだった。でも、さすがに良心の呵責に悩まされるジャック。売れない時代からずっと彼のことを支えてくれていた幼馴染のマネージャーとも次第に心がすれ違っていって……。ダニー・ボイル監督がおくる、そんな大人のためのファンタジー・コメディ。ワンアイデアながら、もはやハリウッドの大物となったこの監督らしい、キレのいい演出とポップで軽快なストーリー、センス溢れる音楽の使い方などで最後まで小気味よく観ることが出来ました。ビートルズの曲を丸パクリし、恥ずかしげもなくトップスターへと駆け上ってゆく彼には思わず苦笑い。でも、この主人公の人の良いキャラクター造形が絶妙で不思議と嫌いになれないんですよね。ここらへんは脚本の力なのかも知れません。特にこの主人公が、家族の前で初めて「レット・イット・ビー」を演奏しようというのに誰も真面目に聴かずひたすら邪魔してくるとこは思わず笑っちゃいましたわ~。ただ、ラストで息切れしたのか、だいぶ放り投げっぱなしで終わってしまったのは大いにマイナス・ポイント。それに終始軽いノリで最後まで押し通したのも賛否が分かれるところ。個人的には、ビートルズが居なかったせいでベトナム戦争が終わらなかったみたいな一捻りがあっても良かったような気がしなくもない。でもまあ、ビートルズの名曲の数々が(ほとんどカバーとはいえ)これだけ聴けただけでも耳福でした。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2020-08-26 17:41:03)
65.  エンテベ空港の7日間 《ネタバレ》 
1976年、パレスチナへの不当な弾圧に抗議するため、ドイツ赤軍のメンバーがフランスの航空機をハイジャックする。機長を脅し、当時独裁国家として世界から孤立していたウガンダへと向かわせるテロリストたち。乗客の多くはイスラエル人であった。当地のエンテベ空港へと降り立った彼らは、イスラエル政府へ人質と引き換えに仲間の釈放を要求する。だが、イスラエルは断固としてテロリストとは交渉しないという立場をとっていた。焦った彼らは、一週間以内に要求を呑まなければ人質を皆殺しにすると宣言するのだった。自国の民を救うため、イスラエル政府は密かに特殊部隊を現地へと派遣するのだが…。本作は、そんなサンダーボルト作戦と呼ばれた極秘任務を実話を基に描いたドキュメンタリー・ドラマだ。過去に幾度か映画化されたという、そのエンテベ空港事件のことは恥ずかしながらほとんど知らないまま今回鑑賞してみた。飛行機内や空港施設での犯人と人質たちとのやり取りなどはなかなかリアルで、混乱したイスラエル政府内での権力闘争なども分かりやすく描かれており、総じて充分見応えはあった。犯人が、ふとしたきっかけで人質の老婦人の腕にアウシュビッツで刻まれたであろう囚人番号を見つけてしまうというシーンも巧い。現実を知らず、理想論だけで突っ走ったドイツ赤軍のインテリたちのなんと愚かなことか。ただ後半、肝心の作戦実行シーンの緊迫感の盛り上げ方はもう一つだった。実話とはいえ、もっと巧い見せ方があったはず。前衛的な舞台のダンスシーンを差し挟むという演出もそれほどうまく機能していない。ロザムント・パイク演じる女性テロリストが、電話で架空の相手と延々一人で喋っていたというシーンも、その意図がいまいちよく分からなかった。題材は良かっただけになんとも惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2020-08-20 01:13:10)
66.  ワウンズ: 呪われたメッセージ 《ネタバレ》 
若くキレイな恋人と同棲する雇われバーテンダーが、客が忘れた謎の携帯を拾ったことから悪夢のような世界へと迷い込むというゴシック・ホラー。一つ一つのエピソード自体は普通に作り込まれていて、画的にもぞくっとするシーンもあったし、そこそこ怖かったとは思います。特に拾ったスマホの画像フォルダにあり得ない映像が収められていたというのは、リアルに想像できて大変グッド。ただ、いかんせんお話の方が完全にナシでしたね、これ。ストーリーがとにかく意味不明で最後までさっぱり面白くありませんでした。「起承転結」で言うと、ずっと「起起起起」という感じで物語が一向に進んでいかないのです。結局、この携帯に収められた謎の映像は何だったの?そして持ち主の少年たちはいったいどうなったのだ?彼女や友達が呪われて大変なことになっちゃってるって言うのに、この主人公が途中で浮気しようと悪戦苦闘するシーンなんてトホホ感満載です(笑)。挙句、最後は大量のゴキブリが画面を覆いつくして終わりという不快感マックスなオチ。ゴキブリ嫌いな人は失神すること請け合いだね(笑)。いやー、久々にこんなつまんない映画に出会ってしまいましたわ。アーミー・ハマーの完全な無駄遣いでしたね、ホント。
[DVD(字幕)] 2点(2020-08-16 01:05:04)
67.  アウトロー・キング スコットランドの英雄 《ネタバレ》 
舞台は、血で血を洗う争いが続く中世イギリス。イングランドの支配下にあったスコットランドの民は、長い苦難の日々を強いられていた。そんな中、王位継承を主張する若き王ロバートは、独立を求めて立ち上がる。圧倒的に不利な状況の中、手段を選ばぬ手法で徐々に勝利を収めていった彼は、次第に民衆の支持を得てゆくのだが…。史実を基に、圧政に苦しむ若き王が反旗を翻し自由を取り戻すために戦う姿を描いた歴史スペクタクル。そんな勝利のためなら手段を選ばぬ無法者の王を演じるのは、人気若手俳優クリス・パイン。監督は彼と前作でもタッグを組んだデヴィッド・マッケンジー。犯罪サスペンスの秀作『最後の追跡』コンビの新作ということで今回鑑賞してみたのですが、これが期待に違わぬ良質の作品に仕上がっておりました。とにかく脚本がよく出来ておりますわ。史実を基にしていながら、この分かりやすいストーリー展開はナイス。領地と名誉を奪われた王が苦難の旅の末、再びのし上がってゆくっていうのはベタながらやはりテンション上がりますね~。クリス・パインも意外にそんなシリアスな役に嵌まっておりました。それにしてもこの時代のイギリスってホント血腥い……。こんな時代に生まれてなくて良かったと平和ボケ日本のありがたみを再確認いたしました。まあジャンル的にそこまで好みではなかったですが、迫力満点の戦場シーンや役者陣の熱演等々、満足度は充分高い。うん、面白かった!7点!
[インターネット(字幕)] 7点(2020-08-13 15:15:15)
68.  MUTE ミュート(2018) 《ネタバレ》 
近未来のベルリンを舞台に、声を失ったバーテンダーが失踪した恋人を追って夜の街を彷徨い歩く姿を描いたハードボイルド・SFアクション。監督は、作品ごとに独自の世界観を築くことにかけては定評のあるダンカン・ジョーンズ。確かに、この『ブレードランナー』を髣髴とさせるダークな世界観はなかなかよく出来ていたと思います。猥雑で退廃的で、でも何処かエネルギッシュなこの近未来な感じはけっこう好みではありました。ただ、いかんせんストーリーがつまんなさすぎです!お話の見せ方が恐ろしく下手糞なせいで、こんな単純なお話なのに最後までずっとあくびが止まんなかったんですけど。こうゆうお話って主人公が失踪した恋人の謎を少しずつ解き明かしてゆくのが醍醐味となるはずなのに、彼が終始何をしているのかよく分かんないんですよ。代わりに謎のチンピラ二人のどうでもいいどんちゃん騒ぎを延々と見せられるというバランスの悪さ。だいたい主人公が口を利けないという設定も全くうまく活かしきれていません。肝心のことの真相も、分かったような分からないようなで到底納得できませんし。しかもそのうえ、後味も最悪という、ね。この監督って前から思っていたんだけど、どうやらビジュアル的な世界観を見せることにしか興味がないんじゃないかな。少なくとも、もう脚本は書くべきじゃないと思います。その創り込まれた世界観(それもオリジナリティがあるとは言い難いですけど)に、+1点!
[インターネット(字幕)] 4点(2020-07-24 00:49:53)
69.  ふたりの女王 メアリーとエリザベス 《ネタバレ》 
中世イギリスを舞台に、若くして君主となったイングランドとスコットランドの「ふたりの女王」の愛憎渦巻く確執を濃厚に描いた宮廷劇。今最も勢いのある若手女優、シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビー共演ということで今回鑑賞してみたのですが、この時代のイギリスの歴史に疎いせいか、正直に言って僕はさっぱり嵌まれませんでした。なんかストーリーの見せ方が稚拙過ぎやしませんか、これ。実際にあった史実を再現することに重きを置き過ぎたせいか、肝心のストーリーがものすごく分かりづらい!おまけにたくさん出てくる登場人物も誰が誰やら判別しにくく、しかも相関関係も複雑すぎてよく分かりません。おかげで最後までいまいち盛り上がりに欠けたまま、だらだらと終わっちゃいました。僕のようにこの時代の歴史に疎い人間にもちゃんと最低限分かるような演出を心掛けて欲しかったです。ただ、それぞれの女王を演じた若手女優二人は、さすがに華があってそこは大変見応えありました。特にイングランド女王エリザベス役を熱演したマーゴット・ロビー。内側に鉄の塊を隠し持っていそうな冷酷な女王を堂々と演じ切っていて、すこぶる良かったです!ハーレクインと言う尻軽女を怪演したかと思えば、この見事なまでの豹変ぶり。この人って実は凄い人なんじゃないかしら。彼女と、シアーシャ・ローナン演じる今やすっかり落ちぶれたスコットランド女王メアリーが初めての対面を果たすラストはなかなかの迫力。ただ、いかんせんそこまでの展開が悪すぎます。編集もところどころぶつ切りで繋がりが悪く感じることもしばしば。素材は良かっただけに、なんとも残念な作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2020-07-16 01:51:03)(良:1票)
70.  2人のローマ教皇 《ネタバレ》 
2012年、全世界に10億人以上の信徒を有するカトリック教会は揺れていた。資金洗浄や聖職者による信者への性的虐待などスキャンダルが相次いで発覚したのだ。教会の頂点に位置するローマ教皇ベネディクト16世は、事態を打開するため異例ともいえる決断をする。それは、生前退位――。数百年に及ぶカトリックの歴史の中でも前代未聞の異例の事態だった。密かに呼び寄せられたアルゼンチンのベルゴリオ枢機卿は、ローマ教皇のその決断に断固として反対の立場を表明する。誰も居ないバチカンの密室で今後のことについて話し合う二人。すると、いつしかベルゴリオ枢機卿の心に過去の思い出が交錯しはじめる。神父になると決意した若かりし日々、当時付き合っていた恋人との哀しい別れ、常に神の存在を身近に感じていた聖職者としての人生、そして軍事独裁政権下の過去に犯した自らの過ち……。お互いの思いを述べあううちに、枢機卿はローマ教皇の本当の真意を知ることに。実話を基に、生前退位と言う前代未聞の決断を下したベネディクト16世と彼の跡を引き継ぐことになる後のフランシスコ教皇を描いた対話劇。監督は『シティ・オブ・ゴッド』や『ナイロビの蜂』などで貧困に喘ぐ第三世界の真実を見つめ続けるフェルナンド・メイレレス。実在した二人のローマ教皇を貫禄たっぷりに演じるのは名優、アンソニー・ホプキンスとジョナサン・プライス。正直、この二人の爺さんの宗教的な話し合いが延々と続くという、おおよそ面白くならなさそうな題材なのに、最後までちゃんと興味深く観られたのは、この二人の演技力による部分が大きい。健康に気を遣って万歩計を手放せなかったり、過去の確執から最初は一緒に食事をしなかったり、お互いの趣味を薦め合ったり、最後はピザ片手に一緒にサッカーを観て盛り上がる…。おおよそ宗教家らしくないそんな二人の人間的な部分に思わずほっこりしちゃいました。いくらローマ教皇でも、プライベートはそこらの定年退職した親父と大して変わらないんですね(笑)。二人揃ってアカデミー賞ノミネートも納得です。また、二人の対話劇の背景となる、バチカンの壮大な建物や美麗な装飾品の数々も歴史と伝統を感じさせて見ていて飽きさせません。そして後半、この枢機卿が過去に犯した過ち――軍部に目をつけられた信徒を救えなかったという事実に目を向ける視点はいかにもメイレレス監督らしい。歴史の巨大なうねりの陰には、常に名もなき人々の犠牲がある――。そんな普遍的な事実を改めて考えさせられる、ヒューマン・ドラマの秀作でありました。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-04-27 18:36:37)
71.  Mr.&Mrs.フォックス 《ネタバレ》 
マフィアの女ボスのヤバい金をポーカーですっかりスッてしまった詐欺師夫婦。「このままじゃ殺される!」。追い詰められたそんな彼らが思いついた方法。それは、とある映画監督が妻にプレゼントした高価な指輪をこっそりいただいちゃおうというものだった。すぐさま映画監督の家へと乗り込んだ彼らだったが、一癖も二癖もある豪邸の住人達に逆にどんどんと振り回される羽目に……。果たして指輪のゆくえは?おとぼけ詐欺師夫婦が高価な指輪を盗むために悪戦苦闘するする姿をスラップスティックに描いたクライム・コメディ。ユマ・サーマン&ティム・ロスがキャストを務め、そんなダメダメ詐欺師夫婦〝Mr.&Mrs.フォックス〟を演じてるということで今回鑑賞してみました。なんですけど、いやー、これが近年稀に見るダメ映画でしたね。もうほんとつまんない。冒頭からさっぱり笑えないギャグと意味不明な演出が延々と繰り返され、最後まで観るのが拷問に近いくらい辛かったです。どうしてこんなクソ映画にこんな豪華キャストが揃っているのかホント疑問。最初から最後までここまで一ミリたりとも面白くないと、逆にある意味凄い作品なんじゃないかとさえ思っちゃいます(笑)。どうしても自分は時間を無駄にしたいんだ!と言う方以外にはお薦めできません。
[DVD(字幕)] 2点(2020-04-17 06:16:43)
72.  ピーターラビット 《ネタバレ》 
舞台は自然豊かな田園風景が拡がるイギリスののどかな田舎町。そこでは祖先より代々受け継いだ庭を巡り、性悪じじいと熾烈な闘いを繰り広げる小さな動物たちがいた。青いジャケットを羽織った動物たちのリーダーの名は、ピーターラビット。彼の指揮の下、うさぎたちは性悪じじいに対していつ果てるとも知れぬゲリラ戦を展開していた。そんなある日、唐突にじじいが心臓発作で死亡する。闘いは彼とその仲間たちの勝利で終わったかに思われた。だが、庭を相続したじじいの甥が新たにやって来たことから、長い闘いの第二幕が切って落とされるのだった。さらにはうさぎたちと同盟関係にあると信じられていた画家のお姉さんがその甥と恋に落ちてしまったことから、争いはますます混迷の度を深めてゆく。不毛な闘いの果てに人間と動物たちは何を見るのか?イギリスの有名な児童文学を原作に、うさぎたちと人間との小さなお庭を巡るバトルをスラップスティックに描いたファンタジー。原作のことはよく知らないまま、さして期待せずに今回鑑賞してみたのですが、これがなかなかブラックな内容でいい意味で期待を裏切られました。なんたって冒頭から、ピーター・ラビットのお父さんは敵のおじいさんにパイにして食べられたと説明されるんですから!そして心臓発作で死んだおじいさんが〝アイス販売車〟で運び去られると、動物たちが家の中で狂喜乱舞のパーティーを開くというハチャメチャぶり。いや、いくら敵とは言え、おじいさん死んでますから(笑)。そしてやって来る甥の潔癖症男との闘いも狩猟用の罠やら電気網やら果ては爆薬まで使ってのもはや殺し合い。『パディントン』も裸足で逃げ出すようなそんな不謹慎な内容に僕はかなりテンション上がっちゃいましたわ~。甥が電気ショックでいちいち吹き飛ばされたり、ニワトリが朝一で鳴く理由が実は昨日の不満を爆発させていたり、ミュージカル担当の鳥たちが毎回酷い目に遭わされたりと、細かなネタの数々もいちいち笑えます。何も知らない画家のお姉さんの目の前では仲良くしてるうさぎと甥が、彼女が居なくなった瞬間にボコボコに殴り合うというのはベタですけど、やぱ面白いっすね~。何気におじいさんが死んだことを最後まで誰も悲しまなかったのもけっこうツボでした。んで、最後は無理やりなハッピー・エンドで気分爽快!いやー、内容のブラックさとうさぎたちのもふもふ可愛さのギャップに萌えました。8点!
[DVD(字幕)] 8点(2020-03-23 02:51:41)
73.  ファイナル・スコア 《ネタバレ》 
人質は、スタジアムの観客3万5000人――。米軍特殊部隊の元兵士であるマイケル・ノックスは、久しぶりにロンドンへと訪れる。目的は、かつてイラクで戦死した同僚の遺された家族に会うため。実の娘のように可愛がっている彼の娘ダニーとの久しぶりの再会を喜ぶマイケル。だが、ダニーは父の死をきっかけに荒んだ生活を送っていた。少しでも気を紛らわせようと、マイケルは彼女と一緒にサッカーの試合を観に行くことに。超満員のスタジアムは、人気チーム同士の対戦ということもあってかつてないほどの熱気に包まれていた。否応なくテンションが上がる二人。だが、彼らはまだ知らなかった。その裏で、凶悪なテロリストたちによって恐るべきテロ計画が進んでいたことを――。電波妨害によって外部との接触を遮断された巨大スタジアムには、いたるところに爆弾が仕掛けられていたのだ。瞬く間に指令室を占拠した犯人たちは、要求を呑まなければ観客ごとスタジアムを爆破すると宣言。密かにその事実に気付いたマイケルは、独自に行動を開始するのだが…。と言う、もう分かりやすいくらいダイ・ハードのテンプレにのっとったベタベタなアクション作品なのですが、演出のキレがいいので最後までぼちぼち楽しめました。エレベーターやレストランの厨房でのアクションシーンなど、わりかしグロ描写多めでサクサク進んでいくので普通に面白かったですね。それに、主人公の相棒となる中東系の警備員が愛すべきダメキャラで、そんなハードシーンのいい緩和剤となっているのが大変グッド。対するテロリストたちもそれぞれキャラが立っていて、特にイカレタ女兵士が本当に良い感じにぶっ壊れてます。彼女と、はねっかえり娘であるダニーとの激しい女の戦いは見ものでした。ただ、さすがに後半は突っ込みどころが多いのが本作の残念なところ。スタジアムの通路でバイクチェイスや激しい銃撃戦をやってるのに、観客が誰も気づかないってあり得ます?天井から主人公がダイブして巨大ビューイングにぶつかってるのにそのまま試合続行って、イギリス人はどんなけサッカーバカなんですか(笑)。また、ファンの人には申し訳ないんですが、主人公を演じた俳優さん、主役としていまいち華がないように感じました。見た目こそごりごりの軍人っぽいんですけど、銃を構えたり敵を追って走ったりする姿が全然サマになってないんです。この人、主役より脇役の方が合ってるんじゃないかな~。まあでもエンタメ映画としてはアクション・シーンもけっこう迫力あったしお話も分かりやすいし、気軽に観る分にはそこそこ楽しめると思います。
[DVD(字幕)] 6点(2020-03-08 00:30:16)
74.  魂のゆくえ 《ネタバレ》 
この狂った世界に、子供を生まれさせるのは間違っている――。ニューヨーク郊外に佇む、今年で創建250年を迎えた歴史ある教会「第一改革派教会」。責任者であるトラー牧師は、かつて一人息子をイラク戦争で失くし、以来神の教えに目覚めた敬虔な信者だ。孤独を愛し、ただ神の教えだけを心の糧に生きる彼は、ある日、妊娠中の女性メアリーからとある相談を受ける。環境保護活動に熱心な夫が、自分の子供を堕ろすことを強要してくるというのだ。世界はいま急速に破滅へと向かっている、この世界に子供を送り出すのは悲劇しか生まない、と。実際にトラー牧師が会ってみると、夫はただひたすら利益優先の大企業がいかに地球環境を破壊し続けているかを語り始めるのだった。また会うことを約束しその場は別れたものの、のちにトラー牧師はメアリーから更なる相談を受ける。なんと彼はガレージに自爆ベストを隠し持っているらしい。最悪の事態を想定し、ベストを持ち帰ったトラー牧師。だが、彼自身もまた、この世界に絶望を感じている自分を否定出来ないのだった……。神を信じつつもこの世界に希望を見失いはじめた、ある孤独な牧師の魂の遍歴を淡々と描いた哲学的なヒューマン・ドラマ。そんな信念の危機を迎え孤立を深めていく男を演じるのは人気俳優、イーサン・ホーク。監督は、70年代を代表する問題作『タクシー・ドライバー』の脚本を書いた、ポール・シュレイダー。ドラマティックなストーリー展開とは終始無縁、音楽もほぼ流れず、最後までただ淡々と続く暗い作品ながら、最後まで緊張感を途切れさせずに見せた監督の手腕は大したものだと思います。俳優たちの静かな熱演も素晴らしく、特に愛する者を失いながらそれでも懸命に生きようとする妻を演じたアマンダ・セイフライトは特筆に値します。この狂った世界に生きる価値などないのか――。病的な思考へと傾倒し、やがて過激な行動へと駆り立てられるこの主人公は現代の『タクシー・ドライバー』そのもの。それは間違っていると思いながらも、自爆ベルトへと袖を通す主人公にいつしか共感している自分が居ました。神なき時代を生きる現代人の苦悩に鋭く迫った、社会派の問題作と言っていいでしょう。ただ、残念だったのは後半の展開が幾分か腰砕けになってしまったところ。ここまで主人公の魂の苦悩を深く描いてきたのに、この結論はちょっと物足りない。なんなら絶望のどん底へと観客を徹底的に叩き堕とすくらいの覚悟が欲しかった。この現代に、安易な希望などいらない。
[DVD(字幕)] 7点(2020-03-02 00:12:14)
75.  あるスキャンダルの覚え書き 《ネタバレ》 
定年を間近に控えた、頭のお堅い歴史教師バーバラ。労働者階級の子供が多く通うという彼女の中学校にある日、若く美しい美術教師が赴任してくる。一回り以上歳の離れた夫とともに二人の子供を育てる彼女の名は、シーバ。等身大の魅力を放つ彼女は瞬く間に学校の人気者となるのだった。全く正反対の二人だったが、バーバラはすぐに彼女と仲良くなる。仕事の悩み、プライベートのこと、シーバからなんでも打ち明けられる関係になったバーバラ。だがある日、彼女はシーバの衝撃の秘密を目にしてしまう。なんと、シーバは自らが受け持つ15歳の生徒と肉体関係を伴う不倫関係に陥っていたのだ。この事実が公になれば、かなりのスキャンダルになりかねない。当然のように学年主任へと報告すると思われたバーバラだったが、その事実を元にとある計画を思いつく。やがてそれは学校を巻き込む一大スキャンダルへと発展してゆくのだった――。厳格で保守的なある一人のオールドミスの日記という形式で進む、二人の女性の愛と情欲が複雑に絡み合う心理ドラマ。主人公の理屈っぽくて厭味ったらしいおばさんをねちっこく演じるのは、本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされたベテラン女優、ジュディ・デンチ。下半身ゆるゆるの奔放な若き女性教師を演じるのは、美貌と実力を兼ね備えたケイト・ブランシェット。この二人の今にも火花が飛び散りそうな演技合戦はなかなか見応えありました。いわゆるレズビアンのバーバラが、あの手この手でこの若く美しい女性を落とそうと画策する様が非常に丁寧に描かれております。とにかくこのおばはんのいかにもいやらしーいナレーションが不快感マックスで大変グッド。不倫相手であるヤリタイ盛りの15歳の少年も含め、誰も彼も自業自得としか言えないので、こいつらの見事なまでの堕ちっぷりは最後までけっこう楽しめました。ただ、これは好みの問題と言ってしまえばそれまでだけど、僕はこういう観れば観るほど気が滅入るうえに登場人物の誰にも感情移入できないようなお話はちょっと苦手です。特に主人公であるこの偏屈色ボケおばさんの粘液質な愛情表現に、観終わるころにはもうげんなりしちゃいました。彼女の大胆な入浴シーンなんて、いったい誰得なの?(笑)。うーん、完成度は確かに高いんですけど、こればっかりは好みの問題ですね。
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-23 01:01:22)
76.  バーバラと心の巨人 《ネタバレ》 
信じられる?奴らは太陽も逃げ出すような恐ろしい存在よ――。彼女の名は、バーバラ。海沿いの寂れた田舎町で、まだ若い姉や兄とともに貧しい生活を送る彼女にはとある秘密があった。そう、この世の諸悪の根源である邪悪な〝巨人〟が森の奥深くに潜み、何も知らない人間どもを虎視眈々と狙っているということに、彼女だけが気付いてしまったのだ。いつも身に着けているポーチへと秘密の武器「雷神トールのハンマー」を潜ませ、巨人の大好物である甘い蜜や手作りの罠を森のあちこちに仕込み、いつでも巨人の動向を監視しているバーバラ。だが、巧妙な巨人たちは一向にその尻尾を彼女に摑ませることなく森の闇の中に蠢き続けるのだった――。でも、彼女の家族や学校の先生、そしてバーバラの同級生たちはその事実に全く気付くことなく、いつものような普通の日常生活を送っている。そんなことなど気にする様子もなく巨人の物語へとのめり込むバーバラ。周囲の人間との軋轢はどんどんと増すばかりで、彼女は次第に孤立を深めてゆくのだった。そんな彼女のことを心配する転校生のソフィアや学校のカウンセラーが、何とか彼女の孤独な心を開かせようとするのだったが……。妄想とも現実ともつかぬ世界へと迷い込んでしまった少女の孤独な闘いを幻想的に描いたダーク・ファンタジー。アメリカのグラフィック・ノベルを原作にしたという本作、なかなか面白そうだったので今回鑑賞してみました。観終わってまず真っ先に思い浮かぶのは、J・A・バヨナが監督しリーアム・ニーソンが怪物の声をアフレコした某作品と設定やビジュアル・センスが丸かぶりしているところでしょう。巨人の脅威をフォークロアのように描いた幻想的なシーンなんて全くそのまんまなんですけど、これって大丈夫なんですかね?ただ、あちらの如何にもきかん坊な少年主人公に全く共感できなかった自分としては、こちらのメンヘラ女子の方にはまだ好感持てました。バーバラもその友達となる同級生もけっこう可愛かったってのもあるかもですけどね(笑)。とはいえ、だからと言って本作に嵌まったかと言えばそこまででもなく、終始辛気臭い展開に終盤はぐったりしてしまいました。もう少しファンタジー色強めでも良かったような気もしますし。ま、ぼちぼちってとこでした。
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-04 23:31:13)
77.  アガサ・クリスティー ねじれた家 《ネタバレ》 
アガサ・クリスティ原作で送る、とある大富豪一家の年老いた家長殺害事件の真相を巡るクラシカルなミステリー。原作のことは全然知りませんが、とにかくストーリーが分かりづらくて仕方ない映画でしたね、これ。登場人物がたくさん出てくるんですが、彼らの血縁関係が非常にこんぐらがってて物凄く分かりづらい!これが小説だときっと相関関係図みたいなのが付いていて分かりやすく整理されてるんでしょうが、これは映画なのでそこらへんもっと配慮してほしかったところ。肝心のことの真相も分かってみればそれほど驚きもなく、後味悪いラストとも相俟って、率直な感想を述べさせてもらうと「なんか面白くない映画観たなぁ」って感じでした。すんません、3点で。
[DVD(字幕)] 3点(2020-01-24 02:33:35)
78.  アナと世界の終わり 《ネタバレ》 
彼女の名は、アナ。何処にでもいるような平凡な女子高生だ。数年前に母親を亡くしてから過保護な父親の鬱陶しい過干渉に頭を悩ませ、なんとなく付き合っている冴えない彼氏にも不満爆発、頭の固い学校の校長先生なんて早く死んじゃえばいいと思っている。唯一の希望は、高校を卒業してから旅立つ予定のオーストラリア一周ヒッチハイク旅。そんな彼女が迎えた高校生活最後のクリスマス。だけど、アナは自分でも分かっている。今日もきっと退屈な一日が始まるはずだということを――。だがその日、爆発しそうなエネルギーを何故か歌にして発散していたアナが目にしたのは、ゾンビに支配された世界の終わりの光景だった!原因不明のウイルスによって生ける屍が大量発生した世界を、アナとその仲間たちは持ち前の若いエネルギーと歌だけを武器に乗り越えようとするのだが……。ゾンビ・パニックと青春ミュージカルの奇跡の融合というアイデア一発勝負のそんな本作、「どうせ、イロものなんじゃろ」と大して期待せずに今回鑑賞してみました。なんですけど、え、意外にも僕はけっこう面白かったんですけど、これ。キラキラと輝くようなアナのミュージカルな日常に血みどろゾンビが同居するというマジカル・ポップなこの世界観は個人的にめっちゃツボでした。顔に返り血をつけたままクリスマスツリーの飾りの杖を武器に戦うアナをはじめ、彼女の仲間たちもそれぞれにキャラが立ってるのも大変グッド。あのクリスマスツリーのセーター(スイッチ入れたらイルミネーションつく!笑)を着たアナの彼氏の絶妙のダサさ具合いなんて思わず笑っちゃいました。他にもレズビアンな女の子やマッチョな元カレもみんな個性的で、彼らがそれぞれの方法でゾンビと戦うシーンもテンポが良くて普通に楽しい。全体を通して適度にグロく、適度にシニカル、そして適度にポップ。この絶妙な匙加減なんて監督、なかなかいいセンスしてるんじゃないですかね。そして後半はゾンビ映画としてちゃんと(?)仲間たちが次々犠牲になってゆくのもセオリー通りでいい。お互いゾンビに噛まれたリア充カップルがキスしながら最期を迎えようとするシーンなんてけっこう切なかったですし。後半になるにつれ、どんどんとぶっ壊れてゆく悪役の校長先生もナイスな仕事してます。そして、最後までミュージカルとしてそれぞれの楽曲のクオリティが下がらないのも普通に凄いと思います。うん、賛否両論あるみたいですけど僕はけっこう面白かった。8点!
[DVD(字幕)] 8点(2020-01-22 00:33:45)
79.  ダーク・クライム 《ネタバレ》 
警察署で捜査資料や証拠品の管理を担当する事務員、タデック。かつて現場で殺人や強盗などの凶悪事件を担当する花形刑事だったものの、不祥事から今は現在の職場に左遷されてしまったのだ。そんな鬱屈した日々を過ごしていたある日、彼は過去に未解決に終わった警官殺し事件の新たな証拠とも言える映像を入手する。見終わって、彼はある直感を得るのだった。とある雑居ビルの地下にあった違法風俗クラブに足しげく通っていた、過激な作風で知られる作家コズロフこそが真犯人なのではないか――。再び現役へと返り咲くため、タデックは強引に捜査を再開する。コズロフ本人はもちろんのこと、彼の元妻へも執拗に事情聴取を行い、彼の著書や違法風俗クラブに残された映像を何度も見返すタデック。だが、そんな彼にかつて事件を担当し今や警察長官となった男から、あからさまな妨害工作を受けるようになり……。果たしてタデックは無事に事件を解決することはできるのか?現代社会の闇に潜むおぞましい犯罪を重厚に描いたクライム・サスペンス。人気俳優ジム・キャリーが久々に主演を果たしたという本作、なかなか面白そうだったので今回鑑賞してみました。冒頭から繰り返される、秘密セックス・クラブ内での怪しげでエロティックな映像はなかなかにスキャンダラスで摑みはばっちりでした。その後もこのこってり濃厚な映像と、観れば観るほど気が滅入るような陰鬱なストーリー展開は見応え充分。何処か『セブン』を髣髴とさせるこの重厚な世界観(あ、それはさすがに言い過ぎか笑)はけっこう自分好みでした。コメディ要素を封印し、あくまでシリアスに徹した髭もじゃジム・キャリーもけっこう嵌まっていたと思います。ただ、ストーリー展開がわりかし単純で一本調子なのが本作の弱点。もう少しひねりが欲しかったですね。あまりにも似たような映像と展開が続くもんだから、一時間も過ぎるとさすがにダレてきちゃいます。全編に漂う、このダークな雰囲気はなかなか良かっただけに、ちょっと物足りない作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-01-06 21:46:36)
80.  REDCON-1 レッドコン-1 戦闘最大警戒レベル 《ネタバレ》 
謎のウィルス蔓延により、凶悪なゾンビが大発生したイギリス社会。発生源となった街の一画は軍によって隔離され、そこではゾンビと取り残された人間たちが日夜熾烈な争いを続けていた。そんな危険な地へとある日、各国より選抜された特殊部隊が送り込まれる。目的は、この地に取り残されたウィルス開発者である科学者を見つけ出し、生きたまま帰還させること。そう、彼こそが人類存亡の危機を救う希望の光だったのだ――。生ける屍たちに支配された絶望的な世界で、人類の存亡を懸けた極秘任務を担う兵士たちの決死のサバイバルを描いたゾンビ・アクション。そんないかにもB級感満載の本作、あまり期待せずに今回鑑賞してみたのですが、これがまあ何処にも新しいところのない、よくある凡庸なゾンビものでした。とにかくストーリーが一本調子で何の捻りもなく、ただひたすら退屈。けっこうお金がかかっていそうな映像も全体的にダサく、出てくる登場人物がどいつもこいつも魅力に乏しいのもマイナス・ポイント。あのアジア系の兵士が何故か常に日本刀を持っているのも寒い。また、やたらと無理やり感動に持っていこうとするストーリーも見ていて痛々しい限りです。結論。ヒマでヒマで仕方ないならまだしも、わざわざ時間を割いてまで観るもんではありませんでした。
[DVD(字幕)] 3点(2020-01-01 19:55:16)
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