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21.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 
見終わって、ずっしりと心に響いてくるタイプの映画。ロマンスとサスペンスをギリギリのところでかけ合わせていて、細部に甘いところはあるものの、非常に好感度は高い。でもメインは多分サスペンスでもロマンスでもなくて「人間は過去とどう向き合うか」という永遠の主題であろう。  ■カメラワークがとにかく秀逸。スタジアムの中に一気に引き込む回し方や、ゴメスと一緒に落ちていき、捕まるところまで撮っていく一連の長回しは圧巻。最後を扉が閉じて終わらせたところや、牢屋の小屋に入っていくシーンなど、細かなところにも写し方をこだわっている。  ■タイトルにもあるように「瞳」の演技が素晴らしく、まさに何も語らないところで「瞳で語る」ようなシーンも多い。駅の別れや誘うシーンなどのわかりやすいところから、タイプライターを打つちょっとしたシーンまで、瞳がいろいろと語ってくる。  ■最後の展開は決して私刑を擁護しているのではなく、まさに人は過去に囚われざるを得ず、特に「時間が止まってしまった」かのような男リカルドはあのようにならざるを得ない、そういう「不条理」を示しているのであろう。過去は忘れるのでもなかったことにするのでもなく、それにとらわれながらしか生きられないし、その中で最善を尽くすしかない。「よい方の選択肢を」とベンハミンにいうリカルドは、裏を返せば自分には選択肢すら与えられなかった(妻を失うしかなかった)ということを示唆しているのだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2011-02-21 01:20:51)(良:2票)
22.  レクイエム(2009) 《ネタバレ》 
これは掘り出し物。「復讐」と「赦し」という難しい問題を、決してありがちな美談としてまとめるのでも、サスペンタフルな復讐劇としてまとめるのでもなく、人間の深いところをきちんと描こうとしている。  ■兄を目の前で殺されたジョー。彼はずっと母親から「あなたは止められたはずなのに」と責められ続けてきた。一方、若気の至りで殺人を犯したアリスターも、見ていたジョーを忘れることが出来ず、罪に苛まれてきた。  ■TVっぽい和解劇は失敗に終わり、ジョーは復讐の方向へと動く。アリスターも殺されるであろうことは理解していた上で出向く。結局は格闘の末にある種の「怒り」はどこかに消え、ジョーは娘たちのために生きることで過去への「終わり」を告げる。  ■結局ジョーは「赦した」のではなく、ただ「終わった」つまり過ぎ去ったものとして忘れ去ることにしたというのは、いろいろと示唆的だし同時に現実的な気がした。人はいつまでも過去に生きることは出来ない。過去に縛られるのは現在に意味を見いだせていないからだ。ジョーは「現在」として「娘たち」を見出し、過去と決別する。過去は「忘れ去る(乗り越える)」ことによってしか克服できない、そのためには「今」を生きるしかない、そう言っているように思う。
[DVD(字幕)] 9点(2011-03-26 00:38:04)(良:2票)
23.  トレマーズ 《ネタバレ》 
これは面白い! この映画が平凡な怪物映画と違うのは、やはり力のみではなく知恵で勝負している点だろう。 設定の制約のみで、建物を崩す、爆弾の罠、落とし穴、崖とひたすらに知恵を振り絞る。こういった頭で勝負の映画は大好き。田舎町という設定もいい。なんかのどか。
[DVD(字幕)] 9点(2006-12-19 10:17:34)(良:2票)
24.  SPL/狼よ静かに死ね 《ネタバレ》 
いやあ、なかなか面白いです。 カンフー・ノワールに続く(のか?)ナイフの壮絶な死闘。ホントすごいなあといった感じです。 戦いの中で寝技が入ったのはなかなか。普段はあまり見なかった感じで珍しい。 確かに、サモハンはあんなに太っててあんなに動けるのは謎。昔見ても謎だったけど、年を重ねるとその謎はますます深まるばかり。動かなくて肥え太ってるマフィアのボスみたいなのに、しっかり動ける。しかもめちゃくちゃ強い。雇ってた殺し屋より強いってことじゃん。 難点を挙げるなら、サモハンの吹き替えの声が高すぎて悪役のボスといった感じがまるでしない。そのぐらいかな?
[DVD(吹替)] 9点(2007-01-15 22:45:03)(良:1票)
25.  めまい(1958) 《ネタバレ》 
ラスト、お前何しに来たんだよ!
[地上波(吹替)] 7点(2006-12-18 19:41:39)(笑:1票)
26.  サブウェイ・パニック 《ネタバレ》 
犯人がみんなあの格好ってのにまず爆笑。犯人とのやりとりも緊迫してるはずなのに、なんかこっけいで面白い。ラストもいいし。 レザボアは明らかにここからとってますね。 鑑賞後、DVD即購入しました
[DVD(字幕)] 10点(2006-12-18 18:03:50)(笑:1票)
27.  月に囚われた男 《ネタバレ》 
アイデア勝負に成功しているSF映画。登場人物わずか一人(!)というコンパクトな出来。短編ながら印象的なシーンも多く、予想以上の面白さだった。  ■最初から使い捨てられている運命。ニセの記憶。自分があの状況に置かれたら一体どう思うだろうか・・・・・・人間が道具として使い捨てられていく場の恐怖を思い知らされた。  ■しかし、最後の救いのある株価云々以降の話は蛇足だなぁ、と思った。ああいうのはわざわざ言わずにハッピーエンドを想起させておくのが粋というものじゃないかなぁ。
[DVD(字幕)] 10点(2010-08-23 01:33:04)(良:1票)
28.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 
久しぶりにいい映画を見た。目を話す余裕のない2時間半、完全に吸い込まれた。母親には共感し、警察や精神病院の人にはものすごい理不尽さを感じさせられる。  ■さて、牧師とコリンズ夫人は実は結構見ている世界がずれているような気がした。夫人はただひたすら息子の帰りを信じ、警察にも「謝罪とかは何も要らない、ただ息子を返して」と訴える。他方、牧師は警察の腐敗を告発することが一番であり、きつく言えば夫人は警察被害者のワンケースにすぎない。それが象徴的に表れるのは病院釈放後、ウォルター死亡かのニュースで倒れた夫人が意識を戻した後、牧師に「今は君に注目が集まっている」と夫人に表に出ることを勧めるのに対し、夫人は家に帰ってしまうシーンだろう。  ■そう、夫人の行動を「愛」と書いている人が多いが、確かに愛と言えば愛なのだが、個人的には冒頭の息子とのやり取りで夫が逃げたことに触れて「責任」を持ちだしていたが、その「息子への責任=義務」こそがあるのではなかろうか。  ■なお、別人の息子について。あの「ハリウッドスターに会いたい」のくだりは本心じゃなくて警察に作らされた(言わされた)のだろう(もともとこの子は浮浪者に捨てられて保護されたことを思い出そう)。だからあんな鉄面皮にウォルターだと言い張り続けるのは、警察にそう言えと言われたのはそうだが、端的に「コリンズ夫人のところしか居場所がない」からではなかろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2009-12-30 00:42:31)(良:1票)
29.  エグザム 《ネタバレ》 
ワンシチュエーションものは「CUBE」「SAW」などに追従していろいろと出てきているが、本作はかなりレベルの高い部類の属すると思う。決してグロ描写等に訴えて逃げるのではなく、徹底して知能戦を繰り広げるのは好感。  ■最初の感じは「SAW」に近いのかと思わされたが、むしろ「CUBE」に近い印象(いる人間の本性が徐々に明らかになってくる感じなど)を受けた。仕掛け自体は引っかけクイズレベルだが、それを包み隠す雰囲気がうまく、きちんと引っかかってしまった。  ■個人的には、最初に動きだした男の読み「残りのものを失格にすればよい」だと思ったのだが、違ったのね。あのタイマーはきっと何か仕掛けられる(ドラマ「ライアーゲーム」の最初の一億円争奪戦で似たようなのがあったし)とは思ったけど。  ■ただ、最後の撃つ展開は無駄な気がした。あそこで一気に非現実的技術の印象を受けてしまったし。収束はもう少しうまくやれた感じ。その辺が少し心残り。
[DVD(字幕)] 7点(2010-12-23 23:24:42)(良:1票)
30.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 
じりじりと一歩づつ追い詰めていく・迫っていく感じがたまらなくいい。見ている間、ジャッカルにゴルゴ13をかぶせてみていた。そんな雰囲気。ただ、冷静に見るとゴルゴに比べるとかなり抜けがあるのだが。
[地上波(吹替)] 9点(2006-12-25 22:35:40)(笑:1票)
31.  ライフ・イズ・ビューティフル 《ネタバレ》 
前半のコミカルでちゃらけた展開についていけるかが第一段階。個人的には「お調子者」レベルで人を楽しませる範囲内なのでギリギリOKのラインだと思ったが、あれはアウトの人も多いだろう。 後半の収容所の描き方、どう考えても非現実的・映画的な描写を受け入れられるかが第二段階。実際はあれよりはるかに過酷だろうし、あんなに余裕もないだろう。多分グイドもジョズエも殺されてしまうだろうし。これは「ナチスの収容所」とみると事実の歪曲にしか見えないが、「一収容所」とみれば「管理が甘いんだろう」程度で見逃せる。この辺を多めに見れるかどうかも人によりそうだ。 そう考えると、極めてポピュラーで万人向けとされる本作は、実は結構見る人を選ぶはずの作品かもしれない。  ■グイドは前半ではただのお調子者だったが、後半ではその「嘘」に隠された真実が観る者にはわかっているので、悲痛に響く。彼は子供のためにどんなにつらくても明るくおどけて振舞い続けなければならない。ときには嘘を守る抜くために命がけの行動に出ることも辞さない。それは命をいつ落としてもおかしくない収容所でどれほど苦しいことか。そして、子どものためにそこまでできる父親が果たしてどれほどいるだろうか。最後、殺される直前になっても、嘘を守りぬいて子供の前でおどけて見せれるグイドのように、果たして自分はふるまえるだろうか。  ■ところで、ドーラはなぜ収容所に来たのか。結果的にはグイドが死ぬ原因を作っただけだし、収容所で子どもを守ろうとしたわけでもない(別々に収容されてるし)。だとすると、まさにドーラが来たのは足手まとい以外の何物でもないのではないか。これが個人的にはもっとも引っかかった点である。
[DVD(字幕)] 8点(2010-08-22 01:46:51)(良:1票)
32.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 
アカデミー賞作品賞受賞作ということで、最近のアカデミー賞は微妙なのが多いという不安も抱えつつ見に行った。だが、そうした不安は解消してくれるいい出来栄えで、また中身がきちんとある映画だった。  ■ストーリーは「吃音という障害を抱えながら、国民に語りかけるという役割を負う国王にならざるを得なかった男の話」という言ってしまえばありがちな感じなのだが、しかし作品中では「吃音の克服」に対してはさして描写は割かれていないのはポイントだろう。結局「幼少期のトラウマ」が「吃音」という形で表れているわけで、本作では「吃音の克服」は同時に「過去の克服」でもある。さまざまなしがらみや人間関係を乗り越えていくところにこそ、「努力」は現れている。  ■そして、「国王」という仕事が、自らの望むと望まざるとに関わらず、さらにいえば向き不向きにもかかわらず、家系によって強制的に「させられる」仕事であるというのは相当なことなんだなぁと見ていて思う。普通ならば話すのが苦手なら話さなくていい仕事を選ぶしそうすべき(ローグも最初そう言っていた)。しかしジョージ6世は選べない立場なのである。冒頭のスピーチは本当に苦境だったであろう。 だが、他方で兄がその立場を蹴って女を選び、王位を降りたという事実も忘れてはならない。本作では兄は迷惑な存在というポジションで描かれているが、彼の行動の方がよほど「一般市民」に近いし、またそうなりたがるのは納得できるところである。運命を受け入れてその中でもがくか、運命自体をどれだけ批判されようとも打ち破りに行くか、そういう対比でもあろう。  ■ここのレビューでは、カメラワークの凡庸さが批判されているようだが、ハリウッドではない、ヨーロッパの作品はこういう静かな映しが多いと思う。むしろ、ローグの診療所での練習シーンでの壁へのズーム&アウトや、卑猥な用語を連発するときに突如ジョージ6世の周りを回転するように映し出す方法は、カメラの写しの軽重とジョージ6世の心情のレベルとをうまくリンクさせていて、なかなか面白い手法だと思った。
[DVD(字幕)] 8点(2011-03-19 00:58:02)(良:1票)
33.  ノー・マンズ・ランド(2001) 《ネタバレ》 
こういう戦争映画は今までなかった。徹底して(直接描写せずとも)残酷な戦闘シーンを描くか、あるいは徹底してコメディ化して皮肉るか、が戦争映画のセオリーだった。 だがこれは違う。ある意味で戦場の凡庸な日常と凡庸な生が描かれている。戦闘シーンと言えそうなのはオープニングだけ。あとは3人の兵士を取り囲んで時が過ぎていく。だがそこで描かれたものは重い。敵対しあう必要のない者同士で敵対しあい、最後には死んでいく。そして結局無力な国連軍と、結局金のためにひっかきまわすマスコミと。最後に一人地雷を背に残された男はいったい何を思っているのだろうか。あまりにも不条理にすべてから見捨てられた男、だがこれこそが戦争なのだろう。
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-03 23:44:00)(良:1票)
34.  11'09''01/セプテンバー11 《ネタバレ》 
■イラン:個人的にはこれがベスト。イランというと反米のイメージが強いのでどう来るかと思ったけれども、反米云々ではない、先生の必死の指導と子供たちの徹底した「無関心」の通底があぶりだされている。しかし先生も「なぜ祈るのか」を語ることが出来ず、すべてがお題目と日常のはざまで空転している。  ■フランス:ここでの評価は高いが個人的には真中ぐらい。聴覚障害者を軸にしてほとんど無音で写していく斬新な方法はよかったが、結局どうしたいのかがいまいち見えてこなかった。  ■エジプト:監督の意図のありかによって高評価にも駄作にもなりうる作品。描き方がどうも「アメリカの傲慢さ」を一面的に描きすぎていて引けてしまうのだが、映画監督の主張にも結構矛盾があり(テロリストとアラブ人を同一視することを批判しながら、理由をつけてアメリカ政府の政策とテロの被害にあったアメリカ一般市民を同一視するなど)、そこまで含めて監督の意図なのかが評価を分ける。  ■ボスニア:何が言いたいのかイマイチよくわからなかった。  ■ブルキナファソ:番外編でベスト。あの展開は面白すぎるが、毒もしっかり入っている。  ■イギリス:典型的な「薄っぺらいプロパガンダ映画」になってしまっている。アメリカの反共政策を一面的に批判し(まあチリ政策は私も支持しないけど)、今回のテロに潜む複雑な問題をあまりに単純化している。アメリカだってひどいことやってるじゃないか、という聞きあきた文句以上のものはない。  ■メキシコ:衝撃的かつ斬新な試み。ほとんど画面がブラックアウトで音声のみ。好き嫌いは分かれそうだが個人的にはありだと思う。前衛芸術の類かな。  ■イスラエル:ノーカット長回しはなかなか。  ■インド:一番ありそうな感じの作品。可もなく不可もなく。  ■アメリカ:なるほどと思わされた作品。やっと光があたった部屋、花が咲いた、そしてズームアウトしての影だけで示されるあの結末。やられた。  ■日本:評価はバラバラのようだが、個人的には全然ダメ。とりあえず日本以外では9・11とパールハーバーを重ね合わせて「軍国主義からの解放のための正義の戦争」へ、という流れがあるんだから、日本軍の横暴さが原因の蛇男では「正戦の正当化」にしかならないことがわかってない。最後のテロップも「いや、あれを文字と音でいっちゃ監督失格でしょ」と思う。
[DVD(字幕)] 8点(2010-01-10 00:09:35)(良:1票)
35.  飢餓海峡 《ネタバレ》 
重厚な映画。戦中戦後の壮絶な時期と、そこにおける人間の悲哀を、一本の事件を軸にして10年という歳月にまたがって描き出している。  ■前半の事件から、八重に助けられて八重が東京に出ていくまでのシークエンスは、人間の苦境、愛、悲しさ、欲望、そうしたものがうまく映し出される展開。そして後半が、まさに犬飼が捨て去ったはずの「過去」を知る存在として八重が現れ、彼女のそのけなげな気持ちが逆に当人の死を招くという皮肉。ラストの飛び込みは戦慄。 だが、10年後の展開は、特に書生を殺すところなどあまりに乱暴だし、犬飼の幼少期と事件前後の心境はもっときちんと描き出してほしかった。警察の動きはサスペンスとしてもぞんざいだし、人間ドラマならばもうちょい縮めていい部分。  ■他のレビュワーさんも触れているが、やはりこれは「砂の器」と比較したくなる作品。隠しておきたい過去、過去を捨て去っての成功、過去を知る善良な人を殺す運命といった展開は、まさに「砂の器」を彷彿させられる。 しかし、だからこそ、だからこそ10年後の八重殺しをめぐる犬飼の心境と、最初の事件までの犬飼の苦境とをもっと描き出してほしかった。  ■とはいえ十分満足の作品ではあるが
[DVD(字幕)] 9点(2011-02-13 00:13:21)(良:1票)
36.  誘導尋問<TVM> 《ネタバレ》 
アメリカで実際にあった冤罪事件を扱った社会派作品。まったくもってやりきれない話ではあるが、非常に重く見応えは十分ある。  ■保育園を経営する一家が、児童の性的虐待で訴えられるという話。メディアは保育園を悪魔のように報じたてる。児童も次々と性的虐待を証言していく。しかし、最初は軽い気持ちで引き受けていた弁護士は、調べていくうちにこれらの証言の怪しさが明らかになってくる。。。  ■検察がメディアに振り回され、また最初踏み込んだ判断の誤りを認めたくないがためにずるずると問題を引きずってしまうというのは、日本でもどこぞの裁判で起きていることのようであり、全く他人事とは思えない。裁判が終わるまでは推定無罪とする原則も、メディアでは全く守られている様子はない。  ■ちなみに、偽の記憶を作り出すカウンセリングは、この映画だけ見るといかにも強引でありえなく見えるかもしれないが、こういったことはアメリカでは結構起きていて実際に問題になっている。この辺はロフタス&ケッチャム『抑圧された記憶の神話――偽りの性的虐待の記憶をめぐって』に出ている。カウンセラーに偽の記憶を植え付けられ、親を訴えるという事件も多数起きている。偽の記憶を植え付けられた子供たちも被害者と言えよう。痛ましい話である。
[DVD(字幕)] 9点(2014-02-26 00:30:31)(良:1票)
37.  容疑者Xの献身 《ネタバレ》 
数学・物理好きで元山岳部なんだからこりゃ見るしかないでしょ、とドラマ未見・原作未読で鑑賞。  まあ多少変なシーン(おそらくドラマ由来)はあるが、総じて楽しめた。 もうちょっと「天才同士の対決」をフォーカスしてもよかった気がするが。  (あ、私は普通にネタとして楽しみましたが、あれを真に取られると困るので注記すると、数学者も物理学者もあんな風に「論理的でない」とか言いませんから。 物理の理論を見つけるのは普通に「直観」に依拠しますし、数学の解法もしかりです。むしろそういう学者は論理の適用範囲の限界を分かっているので)  山のシーンは無駄。むしろ心理的部分をもっと深めていい。  あと、「安易に人を殺すのに興ざめ」という否定的レビューが散見されたが、「殺した人間の咎」という側が今回のスポットだし、人を殺すことがそこまでよくないことである(殺される側がかわいそうである)からこそ、殺した側はますます重い十字架を背負うのであり、だから別に問題ないと思う。
[DVD(邦画)] 9点(2009-04-01 23:42:13)(良:1票)
38.  海外特派員 《ネタバレ》 
そんなにたくさんヒッチコックを見たわけではないけど、彼の作品の中でもベストでは、と思わされる作品。  テンポのいい展開、持続する緊迫感、戦前の作品とは思えない。メアが撃たれた後のカーチェイスから風車小屋、そして逆にホテルでの襲撃。そんな中でも「HOTEL EUROPE」のネオンが切れて「HOT EUROPE」になってしまうとか、済ました顔でボーイが帽子とコートを取りに行くシーンなど、笑いも忘れていない。黒幕がわかった後の巧妙な駆け引き、展望台からの落下、隠れ家の襲撃などぐいぐいと進む。ただ、最後の飛行機墜落からアメリカ戦艦による救出、放送は余計。プロパガンダっぽさがあまりにも鼻につき白ける。そこだけ1点減点。あとはすばらしい。
[DVD(字幕)] 8点(2007-08-15 18:58:53)(良:1票)
39.  恐怖ノ黒電話 《ネタバレ》 
ホラーという観点で見た場合、本作はかなり怖い。ホラー版「オーロラの彼方へ」といった感じか。  ■過去の側の犯罪者が圧倒的に有利(未来はただ時の流れに従うしかない)というのが通常のイメージと逆のところで、それが生殺与奪権を完全に相手に握られているという不条理性を作りだしている。親しい人を何人も殺され、自分も大火傷を負わされ、そして負の連鎖からは逃れられない。  ■しかし、冷静に考えてみるといろいろおかしい。「時間の流れを変えている主人公だけは外側にいる」かのような説明が途中でなされていながら、主人公もが時の流れの変更の影響を受けるようになる。そして、そんな大火傷を負ったり人を一人殺したりするような大変化を受けながら、主人公の境遇が前後でほとんど変化していない(前の夫すら同じ)というのは到底ありえないと思う(他の人の境遇変化を見よ)。とはいえ、そういったことは見ている間はほとんど気にならず、ただただ怖かったのであまり減点はしない 
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-21 01:06:30)(良:1票)
40.  アジョシ 《ネタバレ》 
韓国映画の強烈さはありつつ、ツボをきちんと押さえている作品。わりとグロいので注意。  ■ウォンビンはとにかく強すぎる。途中セガールじゃないかと思うぐらい。ストーリーも「女の子の救出」っていかにもセガール映画にありそう(笑)  ■悪役一人一人はきちんと特徴付けがされている(ボスが鮮烈な変態さなのに、ラストですごくしょぼいのも印象的)。アメリカ人(?)の最強の敵もいい味出している。素直に銃で撃ってれば勝てたのにナイフ勝負しに行ったのは男気なのであろう。  ■ナイフや銃捌きを豪勢に見せてくれる。血はかなり出るので要注意。でもハートフルなポイントはしっかり押さえてあるところが憎い。
[DVD(字幕)] 9点(2012-02-17 19:45:42)(良:1票)

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