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61.  ペルセポリス
素晴らしいアニメーションと音楽、これだけで得した気分。・・・といっても、原作を読んでいたので最後まで食い入るように見られたけれど、いきなり映画を見たら、少し散漫な印象は否めなかったかも。原作にはもっと人間臭くて面白い、また悲惨なエピソードてんこ盛りだったのだけど、端折ってしまった感じかな~。私は、やっぱり、マルジの両親がトルコ旅行のお土産としてマルジのために購入したアイアン・メイデンのポスターを、折ってしまったら傷がついてマルジががっかりするだろうと考えた末に、お母さんがお父さんのコートの背に縫いこんで、お父さんがアメフト選手みたいな肩して帰ってきたエピソードは絶対入れて欲しかったんだけど・・・、残念。でも、サトラピ家と彼らを取り巻く人々の知性と先見性に満ちた雰囲気は十分伝わってきたし、なにより、マルジのキャラは原作どおり最高! ってことで、DVD購入決定かな。
[DVD(字幕)] 8点(2008-11-04 15:46:09)(良:1票)
62.  黒いスーツを着た男 《ネタバレ》 
映画友と半年ぶりに会うに当たり、互いにそそられる映画が見当たらない中、強いて選んで見に行った作品。別にDVDでも良かったんだけど、まあ、予告編がちょこっとそそられたから、ってんで・・・(と、なぜかわざわざ劇場に見に行ったことを言い訳したくなる)。なんというか、見ている者に消化不良感を残す作品です。ひき逃げを目撃したジュリエットが、なぜアルを告発しなかったか。いい男だったから・・・?なんでしょうねえ、やっぱり。ええっ!?と、思ったが、自分が目撃者だとして、ひき逃げ犯が、例えば黒いスーツ姿もバッチリの玉木宏で、目の前に現れたとしたら・・・、ぅん、まあ、アリかもな、告発しないのも、と思っちゃったから、これは良いとして、その後の展開は、やっぱり色々???な訳です。大体、病院のベッドで酸素吸入器に半分顔が隠れた見ず知らずの名前も知らない被害者を、どうして「この男が自分の轢いた男だ」と分かるのか? そして、アルもジュリエットも葛藤してはいるが、アルはそもそも逆玉結婚にもの凄い執着が感じられないので葛藤が中途半端、ジュリエットもひき逃げ犯の運転する車に簡単に乗ってしまい、あっさり情を交わしてしまう、ってのがねぇ。いくら玉木でも、私はこれはナシだわ(まあ、あっちもゴメンだろうが)。おまけに、アルの婚約者もイマイチ魅力に欠けるし、ジュリエットもルックス的にゴツ過ぎる。アラン・ドロンの再来と言われているらしいラファエル・ペルソナだけど、どっちかっていうと、ジェラール・フィリップ似じゃないか? アラン・ドロンよりは品があるが、ジェラールほど男の色気はない、スターに必須のオーラもない、って感じで、あまりブレイクの予感もないなぁ。そう、登場人物がそろいもそろって魅力不足なんだよねえ。これは、俳優の責任というより、監督の技量不足だと思いますね。オープニングの思わせぶりなシーンもゼンゼン伏線になっていないし、あれは何なん? と言いたくなる。ま、美しい男を100分眺めていたい方にはおススメです、なんつって。
[映画館(字幕)] 5点(2013-10-03 23:02:13)(笑:1票)
63.  12人の怒れる男(2007)
もぉ~、長いよ・・・。何度眠くなったことか。ロシアやチェチェンの昨今を語りたいなら、こういう形じゃなくてもいいじゃないのさ。やっぱり、密室劇というのは、緊迫感が一番大事だと思うが、本作はそこが完全に欠落しているので見ている方も気が緩む。また、肝心の、有罪から無罪へと流れが変わっていく過程だが、陪審員個人の、しかも評議と関係ないメチャクチャ個人的な、おまけになが~~いなが~~~~~~~いエピソードを聞かされた挙句、「だから無罪に変える」となって、こっちは「あ゛? だから、って? どこが?」状態。簡単に有罪にして良いのか? って最初に提議しているけど、じゃあ、評議ってこんな感情論・哲学論・思想論で収束させちゃっていいわけ? と問いたくなる。そっちの方がよっぽどコワイ。また、度々挿入される同じ画(雨の中の戦車に人が倒れその脇から犬が現れるとか、被告の青年が房でダンスしているとか)は、しまいには、イライラ倍増効果のためにやってんのかー、と言いたくなって来る。こういう密室劇で160分はキツイ。だったら、もっと緊迫した論戦を展開してくれないと。評議の最後と、本作のラストシーン(『用心棒』のパクリじゃない?)なんか、結構凝ったつもりなんだろうけど、こっちはそれまでにグッタリ疲れちゃって、「もう、何でも良いから早く終わってくれよ」みたいな気持ちでしか見れないわよ。こういう作品を味わえない自分が、まあ、未熟なんだろうなあ、とは思うが、それにしても160分はゴーモンだった。
[DVD(字幕)] 3点(2009-05-18 11:17:57)(良:1票)
64.  愛、アムール 《ネタバレ》 
正直、ショックです。ハネケの作品が、こんな、、、直球ストライクでくるなんて。すごく良い人目線になってしまって。さしもの彼も、歳とったってことでしょうか。いや、、、本当に、これはショックでした。テーマ的に、毒の入り込む余地がない、と言えばそれまでなんですが。・・・しかし、ジャン=ルイ・トランティニャン、『Z』で切れ者の予審判事を演じていたあの颯爽とした男っぷりは最早跡形もなく、ひたすらに愛する妻を支える好々爺となっておりました。時の流れを嫌でも感じさせられます。そしてまた、彼の夫ぶりがあまりに崇高で素晴らしく、もう、涙も出ません。なんてわがままな妻だろう、とも思わなくはないのですが、その妻の願いに一途に尽くすのです、夫は。そして、妻はきっと、夫の最後の選択をあの世で感謝こそすれ、恨みはしないでしょう。そう思わせるラストシーンです。「コート、着ないの?」の一言にKOされました。これがハネケの妄想でしかない、と、思う人も多いでしょうが、でも、究極のラブストーリーだと思えば、決して妄想ではないと思いますね。ハネケの境地に脱帽とともに、ここが終着点だなんて思ってほしくない、きっと次回作があるはずだと信じます。
[映画館(字幕)] 8点(2013-04-12 22:33:02)(良:1票)
65.  リトル・ミス・サンシャイン 《ネタバレ》 
変人揃いの家族の中で、母親だけは比較的まともで、娘はまだ純真さを残す。この家族が決定的にバラバラにならないのは、母親の性格に負うところが大だと思います。何より、子どもたちの「ありのまま」を受け入れているところが素晴らしい。これだけで、この家族がひどく病むことはないだろうと思えます。旅に出てからも、まあ、起きる起きる、トラブルの数々。極めつけは、愛するおじいちゃんの突然死。小さな描写の数々が全て意味を持っていて、細やかな作品だと思いました。最後のミスコンの舞台でオリーヴが踊るシーンは印象的。子どもがない色気をムリに身にまとって大人に媚を売りまくるミスコンを、あのおじいちゃん仕込みのお下品ダンスで蹴散らすのは爽快です。嫌味のない素敵な小品でした。
[DVD(字幕)] 8点(2008-09-29 16:06:52)(良:1票)
66.  瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 
んーー、す、素晴らしい。既にご指摘のとおり、ちょこちょこと安易な部分もあるにはあるんですが、そんなのどーでもよいと思えるくらいに魅力ある「オトナの」映画でございました。オープニングの駅のシーンで既にウルウル来てしまった私は、やっぱり歳をとったわけですね、と納得。イレーネが美しい、とにかく美しい。こんな風に歳を重ねたいという見本みたい。それでいて若い頃も違和感なく演じている(これはベンハミンも同じだけど)のが嘆息モノ。そして、カメラワークの素晴らしさ。サッカー場のシーンはもう圧巻! 随所に光る、そして笑いを誘う絶妙な演出。こりゃー、すげぇ、、、と唸らされるばかりです。忘れられないのが死刑の是非に関するセリフのやり取り。胸に迫ります。そしてラストのドアが閉まる。・・・そう、人生って、もうどうにもならないこと、不可抗力なことってあるんですよね。「運命論は大嫌いだ!」と、その昔、放言したゴーマン野郎がいましたが、私はやっぱり「人生は不条理だ」と言える人の方がよほど信じられる。そしてこの映画にはその切なさが根っこに貫かれていて、だからこそグッと来るのですね、きっと。劇場で観てよかったとしみじみ思う。いやー、久しぶりにイイ気分でした。 
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-02 23:04:34)(良:1票)
67.  4ヶ月、3週と2日 《ネタバレ》 
独裁国家=一部指導者たちの欲望を満たすがために、その他大勢の民の人権を平気で蹂躙する、という構図は、避妊もせずにSEXを女性に強要する男獣と同じに見える。この映画に描かれている当時のルーマニアは、人工妊娠中絶だけでなく避妊も違法だったと言うのだから、もう何をかいわんやである。作品を見ながら終始「なぜそこまで・・・」という思いが頭の中に渦巻いた。堕胎のためにホテルの部屋を手配し、医師を連れてくるまでは、まだ理解できる。私でもそれくらいは出来たかもしれない。でもその後の一連の行動は、身内でも躊躇しそうなものだ。ルームメイトとの関係の深さが今ひとつ作品からは図り切れず、ひたすらオティリアが痛々しい。おまけに、恋人の男性も不甲斐ないことこの上ない。挙句、心配して戻ってくれば「お腹ペコペコ」とレストランで食事しているルームメイト。これじゃ、オティリアは救われない。いるんだよな、こういう、自分の浅はかさで他人を物凄い大変な状況に巻き込んでも罪悪感の薄い人間。当時のルーマニアの現実を描いているという点では評価されるべきなんだろうが、見ている方は、ひたすら虚しさに襲われる。あえて救いがあるとすれば、女学生たちが彼女たちなりの楽しみを寮生活で見出していたり、食卓を囲んで楽しく会話したり、ホテルのロビーで結婚式を祝っているなどの、生きる喜びを感じられるシーンが少ないながらも織り込まれていたところだろう。良い作品だとは思うが、もう二度と見たくない。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-29 15:44:59)(良:1票)
68.  ブラザー・サン シスター・ムーン 《ネタバレ》 
『法王の銀行家』という、ヴァチカン史上最大のスキャンダルといわれた題材の映画のDVDと一緒に借りたのだが、まあ、対照的な代物でした。方や聖職者の欲にまみれた醜聞、方や何もかも捨て去った聖人伝。でも、もともと宗教そのものに懐疑的な人間にとって、この『ブラザー・サン シスター・ムーン』に共感・感動するのは難しい。『法王~』の方が、人間臭さ全開で、(難解だが)正面から見ていられる。一方この『ブラザー~』は斜めになってしまうのだ。なぜか。この映画に描かれているフランチェスコの回心してからの行動は、聖人そのものだが、まったくもって「鬱陶しい」のである。それもこれも、私自身の心の裏返しなんでしょう。それだけ、私の心はねじくれまくっているのでしょう。つまり、全く感動できなかった、ということです。ラストシーン、教皇がひざまずいた後、再び金ぴかの法衣を纏い、頭上に金ぴかの帽子(?)をいただいたのは何なの? 足への接吻は、パフォーマンスか? ・・・とか、そういうことはもうどうでもよい。ただ、映像の美しさには、ゼフィレッリらしいなぁ、と感心。ドノヴァンの歌も美しい。つまり、中身など考えて見るより、その美しさを堪能すればよいのだ、と分かりました。でも、また見ることは・・・、なさそうだな。
[DVD(字幕)] 4点(2008-03-31 16:34:17)(良:1票)
69.  妻は告白する 《ネタバレ》 
率直に、面白かった、と思います。サスペンス仕立てではありますが、大した謎解きはなく、まあ、裁判は案の定の結果となります。それはさておき、この単純なストーリーにもかかわらず、「見せて」くれます。これ、キャストと演出を間違えれば、つまんないエロメロドラマでした。そういう意味では、若尾文子のキャスティングと増村演出だったからこその名画と言えましょう。私が一番共感したのは、馬渕晴子演じるところの理恵の「あなたは、誰も愛していない。奥さんも、私も・・・」という、幸田に向けられたセリフです。まあ、これは非常に的を射たセリフではあるのですが、26歳程度の若いオトコには、あれが精一杯だったのも無理はないかとも思います。世に言う「悪女の深情け」なら醜女を踏みつけようが蹴っ飛ばそうが、どんな男でも罪悪感のかけらもなく容易に御せるのですが、彩子の様に美しいうえに情の深い女は、やはり「並みの男」には手に余るわけで。人生に一度くらいそんな女に狂いたい、というオトコの甘い願望も、実際に目の前にすれば(全身ずぶ濡れ和服姿の美女が上目遣いで職場に現れて御覧なさい。怖いでしょ~!?)木っ端微塵に砕け散る、という、極めてアタリマエの現実をしっかり監督は描いています。しかし、若尾さんは、本当に色気のある方です。女からみても色っぽいので、男性諸氏が悩殺されるのも十分理解できます。「THE若尾映画」ですね。彼女の魅力をたっぷり堪能させていただきました。
[DVD(邦画)] 7点(2009-02-16 11:10:35)(良:1票)
70.  ファニーゲーム
もし、ハネケとの最初の出会いがこの映画であったら、私は、彼のその他の作品を見る気にはならなかっただろうな、と思ったりもする。いや、でもやっぱり見たかな。ウンザリするような不条理劇。あの巻き戻しで、ハネケの底意地の悪さ全開であった。白い手袋に、短パン・・・、この視覚的効果の凄さよ。もぉ~、いい加減にしてくれッ! 見た後、勝手に「あの時、○○が××していたら・・・」などとあれこれシミュレーションしてしまったよ。どんなにシミュレーションしたって、強引にリモコンで巻き戻されるのにね・・・。でも、そうせずにはいられなかったのだよ。ハネケ自身がリメイクしたそうですが、あんまり見る気せず。・・・でも、見ちゃうかな、やっぱり。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-11-04 15:31:06)(良:1票)
71.  善き人のためのソナタ 《ネタバレ》 
なんというか、終わった後に、ジーンと来ました。途中は、比較的淡々と展開するのですが、所々に緊迫するシーンが織り込まれています。中でも、エレベータ内でヴィースラーが男の子と会話するシーンは、かなりドキドキしてしまったのですが、「ボールの名前だよ」のセリフでホッとし、また、彼の心の変化がグッと胸に迫って来て、その後の彼の行動に、胸が苦しくなる思いでした。取調室で、クリスタと向き合う瞬間の緊張感も、手に汗握るものがありました。ヴィースラーの変化についての明確なきっかけになる描写はないけれど、彼が、盗聴を通して、迷い、変わっていったのは、演技から十分に伝わってきました。クリスタが案外あっさり秘密を暴露してしまうのには興醒めでもありましたが、反面「これはもしや・・・?」と思ったら、やはり衝撃的なシーンがその後に待っていました。閑職に追いやられたヴィースラーは、実はとても心穏やかだったのではないだろうか。満たされていたかどうかは分からないが、盗聴していた頃よりも、きっと心の平穏は感じて生きていたと思います。淡々と日々を生き、壁の崩壊を迎え、ある日、書店で自分へのメッセージが書かれた本に出会う。地味だけれど、感動的なラストシーンに、見ている方も救われます。邦題に違和感を感じたのですが、原題を見て、納得。邦題のつけかたって、難しいのですね。
[DVD(字幕)] 9点(2008-05-14 15:36:32)(良:1票)
72.  父の祈りを
うーん、評価しづらい作品。冤罪モノと一括りにしていいのか。容疑もないのに7日間の拘留を認める法律が出来ちゃったからこそ、この話は起きたんでしょう。これはものすごくヒステリックな法律だけれども、ヒスってのは、ある種の過剰な正義論から生まれもするわけで、背景が不透明な事件事故でも、必ずや誰かを犯人なり責任者に仕立て上げて「血祭りに上げる」ことで、当事者及び大衆が溜飲を下げる、みたいな現象はよく起きる。そこで本来は、背景を含めた事の本質を見ようとする冷静さが問われなければならないはずだが、起きた事象だけに耳目が集まり、ヒスへの流れを止められなくなる。翻って、本作は、そもそも、アイルランドの複雑な歴史的背景が一切排除されているので、警察の横暴振りだけが前面に出ているが、宗教的対立に根差す理屈で語れない「民族感情」が根底にあったことが軽視されている。これは結局、本作自体、起きた事件を「実話モノ」として事象だけなぞってしまうことで、ヒスの流れに乗ってしまっている気もしなくはない。実話モノってのは、見る側の良識度というか、冷静さが問われる気がするので、作品自体の評価は本当に難しい。父子が同じ房に入っていたり、鑑賞会で「ゴッド・ファーザー」がかかっていたりと、これも事実だったのなら、この刑務所は、ある意味かなり鷹揚な刑務所のようにも感じる。映画としてみれば、ダニエル・デイ=ルイスは相変わらず素晴らしいし、表現も抑えた感じでよいとは思うけれども。いずれにしても、製作者の立ち位置としては疑問符がつく。
[DVD(字幕)] 5点(2010-08-22 17:41:17)(良:1票)
73.  アンナ・カレーニナ(2012) 《ネタバレ》 
キーラ・ナイトレイは、確かに大変な美女だけれども、どうにもその笑い方に品がなく、また、致命的に色気がない女優さんである。まあ、ソフィー・マルソーのアンナもイマイチだったのだが、まだ彼女は男に惑い惑わされ、というのに説得力がある。・・・というわけで、キーラがアンナを演じるということと、過去に何度も映像化されていることを考えると、この演出は大正解であったと思う。非常に工夫された、それでいて無理がなく面白い方法だった。どこかコミカルな趣を感じさせてくれたのは有り難い。これでシリアス路線まっしぐらだったら、悲惨だったと思うので。ただ、あの社交ダンスの踊りは???であった。腕をうねうねさせて、あんなの初めて見たゾ。ああいうのが、当時のロシアで流行ってたのかしらん? それにしても、アンナという女性は、超が付く身勝手なお人。若い愛人に走るも、夫に戻り許しを請うたかと思えば、やっぱり愛人を愛していると言い、愛人の愛も信じられなくなり発狂、薬漬け、自死・・・、と、まあ当然のルートを辿るので、見ている方は同情も何もなく、ふむふむ、そらそーだろ、としか思えないというか。夫も愛人も、何だかなぁ、という印象で。しかし、「愛」って何なんですかねぇ。肉欲が盛んな頃は、単なる発情期であって、愛してる、ってのとはちと違う気が。発情期を過ぎた後、それでも、愛しい、会わずにいられない、その人のことを思わずにいられない、というのが愛情の芽生えでは。そういう意味じゃ、アンナは発情期を愛と勘違いしたまま、勝手に死んじゃった、ということもできるかな。随分意地悪な見方だけど。歳をとると、人を愛することって、そんな単純な話じゃないでしょ、とか思っちゃって、ダメだねぇ。勢いで突っ走る、そう、それも愛でしょ。そーでしょ。そう思いたい、若いころのように。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-01-03 03:13:19)(良:1票)
74.  刑事コロンボ/逆転の構図<TVM> 《ネタバレ》 
BS2では「コロンボウィーク」と題して4日連続でシリーズの中でも名作の誉れ高い作品を放映中でして、昨日と一昨日は本編終了後に「私の愛したコロンボ」という番組が流れました。そこで「コロンボが受けないであろうと思われた要素」がいくつか挙げられ、そのひとつ「展開が複雑でちゃんと見ていないと分からなくなる」というのがありました。これ、確かにそのとおりで、コロンボ放映中はトイレも行けません。なんせNHKはCMがないので・・・。本作も、やっぱり頭から終わりまでしっかり見ていないと、犯行が入り組んでいて分からなくなりそうでした。なにも、あんなにメンドクサイ手法でなくても良いのに・・・、なんて思っちゃったりして。ま、これもドラマのエンタメ要素のひとつなんでしょうけど。凝れば凝るほどアラが出る確率も上がるってもの。ラストは強引だけれども、教習所の教官の宣誓書はかなり有力な証拠となるので追い詰められての行動だった、という解釈もアリですかね。ピューリッツァー賞を2度も受賞しながら、妻一人あやせないとは、皮肉なもんです。皆さんご指摘のシスターとのやりとり、やっぱり面白かったですね。あと、プジョーのエピソードも一杯出てきて嬉しいです。そしてまた、これは邦題が素晴らしい。妻が射殺される直前に言った「いずれバレるわよ」の予言どおり、まさにこの逆転の構図で暴かれたわけですね。エンディングの警部の後姿が良かったです。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2010-02-03 11:27:07)(良:1票)
75.  ゼロ・ダーク・サーティ
世間のニュースを、割と単純に「へぇ~」と瞬間的には受け止める私だけれども、ビンラディン殺害の一報だけは「うっそー、ホントかよ??」と聞いた瞬間から疑ってしまった。疑った根拠は特になく、ただただ嘘くさい、と思っただけ。で、その後も、現在に至るまで証拠となる客観的資料も画像も、もちろん動画も、なーんにも公表されていない(よね?)。全てはアメリカの発表だけ。・・・という状況で、本作の日本でのキャッチコピーが「世界は、真実を目撃する」なーんてでっかく書いてあるじゃないのサ。映画でしょ? 作り物でしょ? 真実だ? そらねーだろ、といささか鼻白んで、どれどれちょっと確かめちゃおうという好奇心から見てみた次第。んー、まぁ、恐らく相当取材を重ねて作ったんだろう、ということは伝わってきたし、多分、バクチ同然の作戦だったというのも事実に近いんだろうと思う。が、真実だって豪語するに足りる説得力ある描写は皆無。だからリアリティがあるんじゃないか、とも言えるが、頭で考えられる範囲を出ていないあたりが余計に嘘くさいとも言える。とかなんとか、他にもいろいろ思う所はなくもないが、こういうアメリカ親分に、我が国の安全保障はべったり依存している現実を思うと、なんとも言えない暗澹たる気持ちになってくる。でもまあ、実際にニュースが流れてわずか1年でこういう映画を作っちゃうその馬力には感服しますね。日本で、例えば、観客動員を狙ったオウムの映画なんて、いまだに作られてないもんね。311にしても然り。映画にすりゃいい、ってもんではないから、別にアメリカが偉いというつもりはないけれども、そういう風土があるかないか、ってのは、結構侮れない要素だと思う。臭いもんに蓋しない、とゆーか、タブー視しない、とゆーか。・・・いずれにしても、一種の覗き趣味で本作を見たようなもんだから、特に得るものがなくても仕方ないね。
[DVD(字幕)] 5点(2013-10-05 22:08:57)(良:1票)
76.  ブーリン家の姉妹
歴史は下半身で作られた、変えられた(一応、過去形)、、、んだな~。てなことを再認識させられる作品でした。下品ですみません。豪華キャストに豪華衣装で、よござんした。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-13 23:03:06)(良:1票)
77.  エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事
評価はイマイチ低調ですが、私はこの映画、ものすっごく官能的だと思います。見ていてジンジンして来ます。正直、ダニエル・デイ=ルイスって、あまり好きな俳優さんではなかったのですが、これで悩殺されて一気に好きになりました。馬車の中で手袋を外して・・・のシーン、これを「官能」と言わずして、何を官能と言うのでしょうか。灯台を横切る船に願をかけるニューランドに背を向け続けるエレン・・・、うっ、切な過ぎる。これだってもの凄く味わい深いラブシーンの一つだと思うんだけれど・・・。衣装も美術もステキ、音楽もなかなか。メイを演じるウィノナ・ライダーも清楚で従順そうな外面とは裏腹の策士を見事に演じていらっしゃいました。難を言えば、エレナのミシェル・ファイファーがちょっと魅力を出し切れていなかった所かな。それを差し引いても、これはある種の純愛映画として、かなりの佳作だと思います。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-11-04 15:02:18)(良:1票)
78.  アパートメント(1996) 《ネタバレ》 
よく出来た謎解きドラマです。でも、それだけです。主要人物である男女4人ですが、ロマーヌ・ボーランジェ演じるアリスが唯一人、人間味を発揮していただけで、あとの3人は都合よく配置されていた、という感じです。特に、肝心の、ヴァンサン・カッセル演じるマックスの行動は理解不能。そもそも、リザを重要な仕事をすっぽかすほど愛していたの? だったら、リザが姿を消したときにもっと必死に捜せばいいじゃん! かと思えば最後はなにかい、アリスちゃん選ぶんかい? いや、じゃなくって、やっぱ婚約者かい!! と、まー、次々呆れさせてくれるんです。しかし、この映画は「謎解きありき」で作られたと考えれば、そういう疑問はむしろ瑣末なことなんでしょう。おかげで、やたら作りこみすぎです。マックスとリザが、会いそうで会わずにすれ違いを繰り返すところなんか、鼻白むのよ。ただ、謎を解きたい、というのは人間の根源的な欲求ですから、人物造詣なんかお粗末でも、「たった一つの謎」だけで最後まで引っ張られちゃうんです。で、見終わった後、残るものは何もない。「あー、アリスちゃんは、そんなにマックス君が好きだったのねー」という感想を除いては。それにしても、マックスにしろアリスにしろ、一目ぼれだけであそこまでの執念って、それも不可解といえば不可解。フランスじゃ、ああいう恋愛の始まりはフツーなんですかね。とにかく、イロイロ不満が残る作品だけど、モニカ・ベルッチが相変わらずの美しさで、それが鑑賞の目的の一つだったんだから、ま、いいか・・・、とも思うわけです。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-08 11:07:14)(良:1票)
79.  鳩の翼 《ネタバレ》 
あんまり評判がよろしくないのが残念ですが、大好きなヘレナ・ボナム・カーターの出演作のなかで随一の映画だと思います。彼女の魅力を一番引き出してくれています。ヘレナ演じるケイトは、どんどんイヤな女になっていくのだけれど、これが心底憎めない。なんでマートンみたいな優男にそこまで・・・と思うけど、人を好きになるってそういうもの。もう理屈じゃない。そして、企みどおりに事が運ばないのも恋愛の定石。どうしてこう、人の心って厄介なんでしょう。原作(未読)のケイトはもっと冷酷かつドライでマートンを失ってもミリーの遺産はしっかり手にするそうですが、人間臭く魅力的なのは映画のケイトでしょう、やっぱり。そして、こういうクセのある高貴な女を演じさせればヘレナは魅力全開になるのです。衣装、美術、映像も素晴らしく、シャーロット・ランプリングまでご出演。もう贅沢そのものの映画です。・・・それにしても、思い入れのあり過ぎる映画ってのは、レビュー書きづらいですねぇ。いや、ホントにこれ、なかなかにイイ映画なんですよってことを伝えたいだけなんだけど・・・。
[映画館(字幕)] 9点(2009-10-07 11:00:19)(良:1票)
80.  シンプル・プラン 《ネタバレ》 
すみません、この映画は、前提が大間違いだと思います。「人間誰でも大金を目にしたらこうなる」って、勝手に決め付けないでよぉ。大体、3人で山分けしたら1人当たり、1億5千万円弱。そこまで躍起になるほど魅力的な金額でしょうか? いまどき、宝くじでも1等3億円です。私はいい歳してろくな貯えもないその日暮らしの身だけれど、そんな怪しげな大金要りません。だったら部屋の掃除していて思いがけず野口英世が1枚出て来た方が百倍嬉しいです。こういう人間は世の中の少数派だと言いたいのでしょうか? なかでもとくにハンク的な人間が一番キライです。自分だけ正義面して、そのくせ実は強欲で、同穴狢の悪妻の言いなり。自己保身のためなら恐ろしいほど巧妙な作り話もし、実の兄をも殺せる。・・・この愚かなる兄を演じていたソーントンがとにかく出色です。この人のおかげでこの作品は辛うじて最後まで見られます。ある意味、あの兄が一番共感できるかも。ラストシーンは、しかし一応のカタルシスを得られます。あんな夫婦の下に生まれたお嬢ちゃんが気の毒で仕方ないです。
[DVD(字幕)] 4点(2009-07-27 16:42:02)(良:1票)

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